JP3859256B2 - 光ファイバ増幅器 - Google Patents

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    • H04B2210/256Distortion or dispersion compensation at the repeater, i.e. repeater compensation

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Description

(目次)
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段(図1〜図15)
発明の実施の形態
・第1実施形態の説明(図16,図53,図54)
・第1実施形態の第1変形例の説明(図17)
・第1実施形態の第2変形例の説明(図18)
・第1実施形態の第3変形例の説明(図19)
・第1実施形態の第4変形例の説明(図20〜図22)
・第1参考形態の説明(図23)
・第1参考形態の変形例の説明(図24)
・第2参考形態の説明(図25)
・第3参考形態の説明(図26)
・第4参考形態の説明(図27〜図29)
・第4参考形態の第1変形例の説明(図30)
・第4参考形態の第2変形例の説明(図31)
・第5参考形態の説明(図32)
・第5参考形態の変形例の説明(図33)
・第6参考形態の説明(図34)
・第7参考形態の説明(図35)
・第7参考形態の第1変形例の説明(図36)
・第7参考形態の第2変形例の説明(図37)
・第8参考形態の説明(図38)
・第9参考形態の説明(図39)
・第10参考形態の説明(図40)
・第11参考形態の説明(図41)
・第12参考形態の説明(図42)
・第13参考形態の説明(図43)
・第13参考形態の第1変形例の説明(図44)
・第13参考形態の第2変形例の説明(図45)
・光ファイバ増幅器の波長特性の説明(図46,図47)
・第14参考形態の説明(図48)
・第14参考形態の変形例の説明(図49)
・第15参考形態の説明(図50)
・第15参考形態の第1変形例の説明(図51)
・第15参考形態の第2変形例の説明(図52)
・第16参考形態の説明(図55)
・第16参考形態の第1変形例の説明(図56)
・第16参考形態の第2変形例の説明(図57)
・第16参考形態の第3変形例の説明(図58)
発明の効果
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信システムの研究開発が精力的に進められているが、エルビウム(Er)ドープファイバ(以下、エルビウムドープファイバを「EDF」ということがある)などの希土類ドープファイバを用いた光増幅の技術を利用したブースターアンプやリピータあるいはプリアンプの重要性が明らかになっている。
【0003】
また、光増幅器の出現により、光増幅器を多中継増幅する伝送システムが、マルチメディア社会における通信システムの経済化を図る上で非常に大きな役割を果たすとして注目を集めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の特に一信号波長を増幅する希土類ドープファイバ光増幅器においては、励起光パワーから信号光パワーへの変換効率を高めるために、ドープファイバの長さは利得が最大となる値に設定されている。
また、多波長一括増幅を行なう波長多重(WDM)用の光増幅器においては、利得の波長依存性をなるべく平坦に保つことが重要となる。この結果、利得の飽和が浅い状態で、希土類ドープファイバ(以下では代表的なEDFで議論する)を動作させる必要がある。このためには、上準位のイオン密度をN2 、全イオン密度をN1 で表し、且つ、N2 /N1 を励起率と定義したときに、ドープファイバ長の平均の励起率N2 /N1 を高めるために、ドープファイバの長さを短尺化する必要がある。
【0005】
しかし、このようにドープファイバを短尺化すると、多くの残留励起パワーがドープファイバの他端から漏れ出して、変換効率が悪化するが、これにも係わらず、信号波長数が増加するとともに所要励起パワーは高くなるため、励起用半導体レーザの出力パワーを高める必要がある。
即ち、波長数の増大とともに励起パワーが増えることは、エネルギー保存則からも明らかであるにも係わらず、波長多重用光増幅器では励起光パワーから信号光パワーへの変換効率が良い状態で使用できない。なぜなら、利得を広帯域にする、又は、平坦にするには、希土類ドープファイバを意図的に短くして飽和が生じないようにするため、信号に変換されなかった励起光パワーは他端から漏れ出すことになるからである。
【0006】
従って、従来の一信号波長を増幅するのに比べて、ただでさえ高い励起光パワーが必要とされるのにそれを漏れる状態で使用しなければならない。
そこで、漏れ出した残留励起光を有効に利用すべく、ドープファイバの他端に反射鏡を設けて、残留励起光を反射鏡で反射させることによりドープファイバ内に戻して、再び光増幅に用いるようにする技術が特開平3−25985号公報や特開平3−166782号公報で開示されている。
【0007】
しかしながら、このように残留励起光を反射鏡で反射させると、励起光はドープファイバだけでなく励起光源にも戻されることとなり、この励起光が干渉等の励起光源の不安定動作を生じさせるおそれがある。
ところで、前述のごとく、光増幅器の出現により、光増幅器を多中継増幅する伝送システムが、マルチメディア社会における通信システムの経済化を図る上で非常に大きな役割を果たすとして注目を集めているが、かかる伝送システムにおける課題としては、分散補償,伝送路である光ファイバ中での非線型効果(伝送品質に悪影響を及ぼすもの)の低減,経済的な広帯域波長多重伝送を挙げることができる。
【0008】
一般に、伝送路である光ファイバには、分散特性があり、ファイバの長さに比例して分散量が蓄積するが、従来は、光増幅中継器などはなく、再生中継を行なっているので、中継する毎に分散量がリセットされ、問題とならなかった。
しかし、光増幅中継では一種のアナログ増幅による中継であるため、分散量が蓄積するので、これに対しては、信号波長を零分散波長に設定して伝送すればよい。しかし、これでは、次のような課題がある。
【0009】
(1−1)光ファイバは既に大量に敷設されており、その光ファイバの零分散波長は不幸なことに1.3μmであり、一方、実用化の目処がたっている光増幅器では1.55μm帯の信号しか増幅できない。
(1−2)最近の報告で、たとえ新規に零分散波長が1.55μmにある光ファイバを敷設して、1.55μmの信号で伝送しても、光ファイバ中での非線型効果が活発に生じてしまうことが明らかとなった。これは、信号波長を零分散波長に一致させて伝送すると好ましくない非線型効果が顕著となることを意味する。
【0010】
(1−3)特に、波長多重伝送においては、複数の異なる信号光波長があるために零分散波長に一致させるという概念は適用できない。
したがって、最近は、意図的に信号波長を零分散波長から適度にずらして、例えば、中継毎に、分散を補償すること等が提案されている。
このように、近年、分散補償器の研究が活発に進められているが、もっとも実用化に近いのは分散補償ファイバ(以下、分散補償ファイバを「DCF」ということがある。ここで、DCFは、Dispersion Compensation Fiber の略である。)であるが、この場合、以下の課題がある。
【0011】
(2−1)既設のファイバ(伝送路)を利用する場合、既に存在する中継点で集中的に分散補償を行なうために、分散補償ファイバを装置として介装する必要がある。このため、分散補償ファイバの長さを短くするような研究開発が行なわれている。
(2−2)新規にファイバを敷設する場合は、分散補償ファイバを装置として介装するのではなく、分散補償ファイバを伝送路の一部として敷設することも考えられる。例えば20kmのファイバと20kmの分散補償ファイバとで40kmの伝送路を構成することが考えられるが、このような新規の分散補償ファイバの研究開発は、上記(2−1)の用途に使用する分散補償ファイバの研究開発と合わせると、二重開発となってしまう。
【0012】
即ち、以上をまとめると、波長多重伝送においては、波長分散を補償する必要があり、分散補償ファイバで行なうのが実用化にもっとも近いことから、一つの方法として分散補償ファイバを用いる方法が有力であり、更にこの分散補償ファイバを光増幅中継器の中に一つの部品として入れることが研究されているとうことができるが、一般には、分散補償ファイバ(DCF)のモードフィールド径は分散を補償するために小さく非線型効果が生じやすいとともに補償する分散量が増えると損失も大きい。
【0013】
このために、分散補償ファイバの損失も光増幅器で補償する方法が考えられるが、この分散補償ファイバ内で生じる自己位相変調(SPM:Self-Phase Modulation )や相互位相変調(XPM:Cross-Phase Modulation)といった信号の品質を劣化させる非線型効果の影響を受けないように損失を補償する必要があり、レベルダイヤの設計が難しいという問題がある。さらに、WDM用の光増幅器には、平坦でかつ広い光増幅帯域が要求されるが、希土類ドープファイバ光増幅器にも利得の波長依存性があり平坦でかつ広い増幅帯域を実現するのは困難であるという課題もある。
【0014】
また、利得が高い希土類ドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に不要な発振が生じることがあり、このように不要な発振が生じた場合には、希土類ドープファイバ光増幅器が不安定に動作することになる。
例えば、エルビウムドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に、1.53〜1.57μmの自然放出光(ASE)が発生するが、このASEはエルビウムドープファイバ光増幅器内の反射点で反射を繰り返すため、不要な発振が生じることがある。特に、多波長一括増幅用に調整されたエルビウムドープファイバ光増幅器(即ち、励起率が高いエルビウムドープファイバ光増幅器)では、1.53μm付近での利得が高いため、この波長において不要な発振が生じやすく、このように不要な発振が生じた場合には、エルビウムドープファイバ光増幅器が不安定に動作する。
【0015】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、励起光源の安定動作を確保しながら、平均励起率を高くする際に生じる残留励起光パワーの効率的な利用をはかって、変換効率の向上をはかれるようにした、光ファイバ増幅器を提供することを目的とする
【0016】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の光ファイバ増幅器は、前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、励起光を3ポート以上有する光サーキュレータを介して第1光カプラから上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバの一端から入射させる第1手段と、該第1手段で、上記一方の希土類ドープファイバの一端から励起光を入射した結果、上記一方の希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を反射手段で反射して上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻す第2手段と、該第2手段で、該反射手段から反射してきた該残留励起光を上記一方の希土類ドープファイバ内に戻した後に該光サーキュレータで光路を変えて第3光カプラで上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバに、該残留励起光を合波する第3手段とをそなえて構成されていることを特徴としている(請求項1)。
【0017】
また、本発明の光増幅器は、前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、励起光源と、上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバの一端に設けられた第1光カプラと、上記一方の希土類ドープファイバの他端に設けられた第2光カプラと、上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバの一端に設けられた第3光カプラと、該第2光カプラで分離された該残留励起光を反射して再度該第2光カプラを通じて上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻す反射鏡と、上記の励起光源,第1光カプラ及び第3光カプラに接続された3ポート以上有する光サーキュレータとをそなえ、該励起光源からの励起光を該光サーキュレータを介して該第1光カプラから上記一方の希土類ドープファイバの一端から入射させたのち、上記一方の希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を該第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を該反射鏡で反射して上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻し、更に該光サーキュレータで光路を変えて該第3光カプラで上記他方の希土類ドープファイバに該残留励起光を合波するように構成されていることを特徴としている(請求項2)。
【0018】
ここで、入力信号光が入力される入力ポート、該第2光カプラの出力側と該第3光カプラの入力側との間、及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータが付加されていてもよい(請求項3)。
また、該反射鏡としてファラデー回転反射鏡が使用されていてもよく(請求項4)、さらに、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が該光サーキュレータを通じて出力されるように構成されていてもよい(請求項5)。
【0019】
以下、参考として、本発明及び本発明の参考形態に係る各態様について説明する。
(1)第1の態様の説明
図1は本発明の参考形態に係る第1の態様を示す原理ブロック図で、この図1において、1は希土類ドープファイバであり、2は励起光源である。3−1は励起光源2からの励起光を希土類ドープファイバ1の一端から入射する第1光カプラであり、3−2は、第1光カプラ3−1を通じて希土類ドープファイバ1の一端から励起光を入射した結果、希土類ドープファイバ1の他端に到達した残留励起光を分離する第2光カプラである。
【0020】
4は第2光カプラ3−2で分離された残留励起光を反射して再度第2光カプラ3−2を通じて希土類ドープファイバ1内へ戻す反射鏡である。5は希土類ドープファイバ1内へ戻された残留励起光による干渉によって、励起光源2が不安定動作をするのを防止すべく、励起光源2と第1光カプラ3−1との間に設けられた光アイソレータである。
【0021】
即ち、この図1に示す希土類ドープファイバ1をそなえた光ファイバ増幅器においては、励起光を第1光カプラ3−1により希土類ドープファイバ1の一端から入射する第1手段と、この第1手段で、希土類ドープファイバ1の一端から励起光を入射した結果、希土類ドープファイバ1の他端に到達した残留励起光を第2光カプラ3−2で分離し、且つ、残留励起光を反射手段(反射鏡)4で反射して希土類ドープファイバ1内へ戻す第2手段と、この第2手段で、希土類ドープファイバ1内へ戻された残留励起光により、第1手段によって希土類ドープファイバ1へ入射される励起光のための励起光源2が不安定動作をするのを、光アイソレート手段(光アイソレータ)5を用いることにより防止する第3手段とをそなえて構成されていることになる。
【0022】
また、反射手段(反射鏡)4としてファラデー回転反射鏡を使用することができる。
さらに、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータを通じて出力されるように構成してもよい。
(2)第2の態様の説明
図2は本発明に係る第2の態様を示す原理ブロック図で、この図2において、11−1,11−2は、光ファイバ増幅器において、前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバである。
【0023】
12は励起光源、13−1は第1希土類ドープファイバ11−1及び第2希土類ドープファイバ11−2のうちの一方の希土類ドープファイバ11−1の一端に設けられた第1光カプラである。
13−2は一方の希土類ドープファイバ11−1の他端に設けられた第2光カプラであり、13−3は第1希土類ドープファイバ11−1及び第2希土類ドープファイバ11−2のうちの他方の希土類ドープファイバ11−2の一端に設けられた第3光カプラである。
【0024】
14は第2光カプラ13−2で分離された残留励起光を反射して再度第2光カプラ13−2を通じて一方の希土類ドープファイバ11−1内へ戻す反射鏡である。
15は励起光源12,第1光カプラ13−1及び第3光カプラ13−3に接続された3ポート以上有する光サーキュレータである。
【0025】
そして、この場合は、励起光源12からの励起光を光サーキュレータ15を介して第1光カプラ13−1から一方の希土類ドープファイバ11−1の一端から入射させたのち、一方の希土類ドープファイバ11−1の他端に到達した残留励起光を第2光カプラ12−2で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡14で反射して一方の希土類ドープファイバ11−1内へ戻し、更に光サーキュレータ15で光路を変えて第3光カプラ13−3で他方の希土類ドープファイバ11−2に残留励起光を合波するように構成されている。
【0026】
即ち、この図2に示す前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ11−1及び第2希土類ドープファイバ11−2をそなえた光ファイバ増幅器においては、励起光を3ポート以上有する光サーキュレータ15を介して第1光カプラ13−1より一方の希土類ドープファイバ11−1の一端から入射させる第1手段と、この第1手段で、一方の希土類ドープファイバ11−1の一端から励起光を入射した結果、一方の希土類ドープファイバ11−1の他端に到達した残留励起光を第2光カプラ13−2で分離し、且つ、残留励起光を反射手段14で反射して一方の希土類ドープファイバ11−1内へ戻す第2手段と、この第2手段で、反射手段14から反射してきた残留励起光を一方の希土類ドープファイバ11−1内に戻した後に光サーキュレータ15で光路を変えて第3光カプラ13−3で他方の希土類ドープファイバ11−2に、残留励起光を合波する第3手段とをそなえて構成されていることになる。
【0027】
なお、入力信号光が入力される入力ポート、第2光カプラ13−2の出力側と第3光カプラ13−3の入力側との間、及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータを付加したりすることができる(なお、前後2段構成においては、前段および後段にアイソレータを付加することは非常に有効である)。
【0028】
また、この場合も、反射鏡14としてファラデー回転反射鏡を使用することができる。
さらに、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
(3)第3の態様の説明
図3は本発明の参考形態に係る第3の態様を示す原理ブロック図で、この図3において、21−1,21−2は、光ファイバ増幅器において、前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバである。
【0029】
22は励起光源、23は、励起光源22からの励起光パワーをn:1(nは1以上の実数)に分岐する光分岐部である。
24−1は、光分岐部23の一ポートからの励起光を合波して、第1希土類ドープファイバ21−1及び第2希土類ドープファイバ21−2のうちの一方の希土類ドープファイバ21−1に入射させる第1光カプラである。
【0030】
24−2は、一方の希土類ドープファイバ21−1から取り出される残留励起パワーを取り出す第2光カプラである。
24−3は、第2光カプラ24−2で取り出された残留励起パワーを合波して、第1希土類ドープファイバ21−1及び第2希土類ドープファイバ21−2のうちの他方の希土類ドープファイバ21−2へ入射する第3光カプラである。
【0031】
24−4は、光分岐部23で分岐された光分岐部23の他のポートからの励起パワーを合波して他方の希土類ドープファイバ21−2に入射する第4光カプラである。
即ち、この図3に示す前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ21−1及び第2希土類ドープファイバ21−2をそなえた光ファイバ増幅器においては、励起光パワーを光分岐部23でn:1(nは1以上の実数)に分岐して、光分岐部23の一ポートの励起光を第1光カプラ24−1で合波して、一方の希土類ドープファイバ21−1に入射させる第1手段と、この第1手段で、一方の希土類ドープファイバ21−1の一端から励起光を入射したのち、一方の希土類ドープファイバ21−1の他端に接続された第2光カプラ24−2で残留励起パワーを取り出して、残留励起パワーを第3光カプラ24−3で合波して、他方の希土類ドープファイバ21−2の一端から入射させる第2手段と、光分岐部23で分岐された光分岐部23の他のポートの励起パワーを第4光カプラ24−4で他方の希土類ドープファイバ21−2の他端から合波する第3手段とをそなえて構成されていることになる。
【0032】
なお、入力信号光が入力される入力ポート、励起光源22と光分岐部23との間、第2光カプラ24−2と第3光カプラ24−3の信号ポートの接続部の間及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータを付加してもよい。
また、この場合も、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータを通じて出力されるように構成してもよい。
【0033】
(4)第4の態様の説明
図4は本発明の参考形態に係る第4の態様を示す原理ブロック図で、この図4において、31は希土類ドープファイバであり、32は励起光源であり、33は励起光源32に一ポートを接続された3ポート以上有する光サーキュレータである。
【0034】
34−1は、励起光源32から光サーキュレータ33を経由してきた励起光を合波して、希土類ドープファイバ31に入射する第1光カプラである。
34−2は、第1光カプラ34−1を通じて希土類ドープファイバ31の一端に励起光を入射した結果、希土類ドープファイバ31の他端に到達した残留励起光を分離する第2光カプラである。
【0035】
35は、第2光カプラ34−2で分離された残留励起光を反射して再度第2光カプラ34−2を通じて希土類ドープファイバ31内へ戻す反射鏡である。
36は、反射鏡35で希土類ドープファイバ31内へ戻され希土類ドープファイバ31の一端,第1光カプラ34−1を通じて光サーキュレータ33へ入力された残留励起光を検出する残留励起光検出器である。
【0036】
37は、残留励起光検出器36で検出された残留励起光が一定となるように励起光源32を制御する制御器である。
なお、この場合も、反射鏡35としてファラデー回転反射鏡を使用することができる。
また、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータを通じて出力されるように構成したり、入力信号光が入力される入力ポート及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータを付加してもよい。
【0037】
(5)第5の態様の説明
図5は本発明の参考形態に係る第5の態様を示す原理ブロック図で、この図5において、51,52は前後2段にわたり配設された希土類ドープファイバ及び分散補償ファイバである。
53−1は、希土類ドープファイバ51のための第1の波長帯域の励起光を生じる第1励起光源であり、54−1は、第1励起光源53−1からの励起光を希土類ドープファイバ51へ入射する第1光カプラである。
【0038】
53−2は、分散補償ファイバ52のための第2の波長帯域の励起光を生じる第2励起光源であり、54−2は、第2励起光源53−2からの励起光を分散補償ファイバ52へ入射する第2光カプラである。
そして、分散補償ファイバ52を第2励起光源53−2からの第2の波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
【0039】
即ち、希土類ドープファイバ51からなる希土類ドープファイバ光増幅部と、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせる分散補償ファイバ52からなるラマン光増幅部とが、前後2段にわたって縦続接続されているのである。
この場合、第1励起光源53−1で生じる励起光の波長帯域が0.98μmであり、第2励起光源53−2で生じる励起光の波長帯域が1.47μm(1.45〜1.49μm:以下、1.47μm帯域というときは、特に断らない限り、1.45〜1.49μmをいう)であることが好ましい。
【0040】
なお、ラマン光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設するようにしてもよく、希土類ドープファイバ光増幅部が低雑音指数を有する光増幅部として構成されている場合においては、希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、ラマン光増幅部が後段増幅部として配設するようにしてもよい。
【0041】
また、第2励起光源53−2を、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成することもでき、第2励起光源53−2を、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成することもでき、第2励起光源53−2を、変調を施された励起光を発生するように構成することもできる。
【0042】
(6)第6の態様の説明
図6は本発明の参考形態に係る第6の態様を示す原理ブロック図で、この図6において、61,62は、前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ及び分散補償ファイバである。
63は、1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源であり、64は、励起光源63からの励起光をエルビウムドープファイバ61へ入射する光カプラである。
【0043】
そして、この場合は、分散補償ファイバ62をエルビウムドープファイバ61からの残留励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
即ち、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバ61からなる希土類ドープファイバ光増幅部と、希土類ドープファイバ光増幅部を励起しうる所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部(このラマン光増幅部は、分散補償ファイバ62からなる)とが、縦列的に配設されるとともに、この希土類ドープファイバ光増幅部及びラマン光増幅部を励起するための励起光を供給する励起光源63が設けられているのである。
【0044】
なお、励起光源63を、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成することもでき、励起光源63を、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成することもでき、励起光源63を、変調を施された励起光を発生するように構成することもできる。
【0045】
(7)第7の態様の説明
図7は本発明の参考形態に係る第7の態様を示す原理ブロック図で、この図7において、71,72は前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ及び分散補償ファイバである。
73は1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源であり、74は励起光源73からの励起光を分散補償ファイバ72へ入射する光カプラである。
【0046】
この場合は、エルビウムドープファイバ71を分散補償ファイバ72からの残留励起光で励起させるように構成されている。
(8)第8の態様の説明
図8は本発明の参考形態に係る第8の態様を示す原理ブロック図で、この図8において、81は希土類元素をドープされた分散補償ファイバであり、82は、希土類元素をドープされた分散補償ファイバ81のための励起光を生じる励起光源であり、83は、励起光源82からの励起光を希土類元素をドープされた分散補償ファイバ81へ入射する光カプラである。
【0047】
(9)第9の態様の説明
図9は本発明の参考形態に係る第9の態様を示す原理ブロック図で、この図9において、91,92は前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ及び分散補償ファイバである。
93はエルビウムドープファイバ91のための1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源であり、94は励起光源93からの励起光をエルビウムドープファイバ91へ入射する光カプラである。
【0048】
95は、エルビウムドープファイバ91と分散補償ファイバ92との間に介装されて、エルビウムドープファイバ91から出てくる1.47μm帯域の残留励起光を遮断する光フィルタである。
(10)第10の態様の説明
図10(a)は本発明の参考形態に係る第10の態様を示す原理ブロック図で、この図10(a)において、101はシリカ系光ファイバ(SOF)であり、102はエルビウムドープファイバ(EDF)であり、図10(a)に示す光ファイバ増幅器は、シリカ系光ファイバ101を前段側に、エルビウムドープファイバ102を後段側にそれぞれそなえている。
【0049】
103−1は、シリカ系光ファイバ101のための波長帯域の励起光を生じるシリカ系光ファイバ用励起光源であり、104−1は、シリカ系光ファイバ用励起光源103−1からの励起光をシリカ系光ファイバ101へ入射する光カプラである。
103−2は、エルビウムドープファイバ102のための波長帯域の励起光を生じるエルビウムドープファイバ用励起光源であり、104−2は、エルビウムドープファイバ用励起光源103−2からの励起光をエルビウムドープファイバ102へ入射する光カプラである。
【0050】
この場合は、シリカ系光ファイバ101をシリカ系光ファイバ用励起光源103−1からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
即ち、図10(a)に示す光ファイバ増幅器では、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバ102からなる希土類ドープファイバ光増幅部と、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるシリカ系光ファイバ101からなるラマン光増幅部とが、前後2段にわたって縦続接続されており、ラマン光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されているのである。
【0051】
なお、希土類ドープファイバ光増幅部が低雑音指数を有する光増幅部として構成されている場合において、希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、ラマン光増幅部が後段増幅部として配設してもよい。
さらに、励起光を生じる励起光源を設けて、この励起光源が、上記のシリカ系光ファイバ用励起光源103−1及びエルビウムドープファイバ用励起光源103−2を兼用するようにしてもよい。
【0052】
(11)第11の態様の説明
図10(b)は本発明の参考形態に係る第11の態様を示す原理ブロック図で、この図10(b)において、111は低雑音指数を有するエルビウムドープファイバ(EDF)であり、112はシリカ系光ファイバ(SOF)であり、図10(b)に示す光ファイバ増幅器は、エルビウムドープファイバ111を前段側に、シリカ系光ファイバ112を後段側にそれぞれそなえている。
【0053】
113−2は、シリカ系光ファイバ112のための波長帯域の励起光を生じるシリカ系光ファイバ用励起光源であり、114−2は、シリカ系光ファイバ用励起光源113−2からの励起光をシリカ系光ファイバ112へ入射する光カプラである。
113−1は、エルビウムドープファイバ111のための波長帯域の励起光を生じるエルビウムドープファイバ用励起光源であり、114−1は、エルビウムドープファイバ用励起光源113−1からの励起光をエルビウムドープファイバ111へ入射する光カプラである。
【0054】
この場合は、シリカ系光ファイバ112をシリカ系光ファイバ用励起光源113−2からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
なお、1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源を設けて、励起光源が、上記のシリカ系光ファイバ用励起光源113−2及びエルビウムドープファイバ用励起光源113−1を兼用するようにしてもよい。
【0055】
(12)第12の態様の説明
図11は本発明の参考形態に係る第12の態様を示す原理ブロック図で、この図11において、121−1は低雑音指数を有する第1エルビウムドープファイバ(EDF)であり、122はシリカ系光ファイバ(SOF)であり、121−2は第2エルビウムドープファイバ(EDF)であり、図11に示す光ファイバ増幅器は、第1エルビウムドープファイバ121−1を前段に、シリカ系光ファイバ122を中段に、第2エルビウムドープファイバ121−2を後段にそれぞれそなえている。
【0056】
123−1は、第1エルビウムドープファイバ121−1のための波長帯域の励起光を生じる第1エルビウムドープファイバ用励起光源であり、124−1は、第1エルビウムドープファイバ用励起光源123−1からの励起光を第1エルビウムドープファイバ121−1へ入射する光カプラである。
123−2は、シリカ系光ファイバ122のための波長帯域の励起光を生じるシリカ系光ファイバ用励起光源であり、124−2は、シリカ系光ファイバ用励起光源123−2からの励起光をシリカ系光ファイバ122へ入射する光カプラである。
【0057】
123−3は、第2エルビウムドープファイバ121−2のための波長帯域の励起光を生じる第2エルビウムドープファイバ用励起光源であり、124−3は、第2エルビウムドープファイバ用励起光源123−3からの励起光を第2エルビウムドープファイバ121−2へ入射する光カプラである。
この場合は、シリカ系光ファイバ122をシリカ系光ファイバ用励起光源123−2からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
【0058】
即ち、図11に示す光ファイバ増幅器では、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバ121−1からなり低雑音指数を有する希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設され、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるシリカ系光ファイバ122からなるラマン光増幅部が中段増幅部として配設され、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバ121−2からなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されているのである。
【0059】
(13)第13の態様の説明
図12は本発明の参考形態に係る第13の態様を示す原理ブロック図で、この図12において、131−1は低雑音指数を有する第1エルビウムドープファイバ(EDF)であり、132は分散補償ファイバ(DCF)であり、131−2は第2エルビウムドープファイバ(EDF)であり、図12に示す光ファイバ増幅器は、第1エルビウムドープファイバ131−1を前段に、分散補償ファイバ132を中段に、第2エルビウムドープファイバ131−2を後段にそれぞれそなえている。
【0060】
133−1は、第1エルビウムドープファイバ131−1のための波長帯域の励起光を生じる第1エルビウムドープファイバ用励起光源であり、134−1は、第1エルビウムドープファイバ用励起光源133−1からの励起光を第1エルビウムドープファイバ131−1へ入射する光カプラである。
133−2は、分散補償ファイバ132のための波長帯域の励起光を生じる分散補償ファイバ用励起光源であり、134−2は、分散補償ファイバ用励起光源133−2からの励起光を分散補償ファイバ132へ入射する光カプラである。
【0061】
133−3は、第2エルビウムドープファイバ131−2のための波長帯域の励起光を生じる第2エルビウムドープファイバ用励起光源であり、134−3は、第2エルビウムドープファイバ用励起光源133−3からの励起光を第2エルビウムドープファイバ131−2へ入射する光カプラである。
この場合は、分散補償ファイバ132を分散補償ファイバ用励起光源133−2からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
【0062】
即ち、図12に示す光ファイバ増幅器では、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバ131−1からなり低雑音指数を有する希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設され、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせる分散補償ファイバ132からなるラマン光増幅部が中段増幅部として配設され、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバ131−2からなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されているのである。
【0063】
(14)第14の態様の説明
図13(a)は本発明の参考形態に係る第14の態様を示す原理ブロック図で、この図13(a)において、141は分散補償ファイバ(DCF)であり、142は励起光を生じる励起光源であり、143は、励起光源142からの励起光を分散補償ファイバ141へ入射する光カプラであって、分散補償ファイバ141を励起光源142からの励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
【0064】
これにより、この光ファイバ増幅器は、分散補償ファイバ141と、この分散補償ファイバ141を励起してラマン増幅を生じさせる励起光源142とを有する分散補償ファイバモジュールをそなえていることになる。
この場合も、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータを通じて出力されるように構成したり、入力信号光が入力される入力ポート又は出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータを付加したりしてもよい。
【0065】
(15)第15の態様の説明
図13(b)は本発明の参考形態に係る第15の態様を示す原理ブロック図で、この図13(b)において、151はシリカ系光ファイバ(SOF)であり、152は励起光を生じる励起光源であり、153は、励起光源152からの励起光をシリカ系光ファイバ151へ入射する光カプラであって、シリカ系光ファイバ151を励起光源152からの励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成されている。
【0066】
この場合も、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータを通じて出力されるように構成してもよい。
(16)第16の態様の説明
図14は本発明の参考形態に係る第16の態様を示す原理ブロック図で、この図14において、154は、希土類ドープファイバ61からなる希土類ドープファイバ光増幅部であり、155は、光ファイバ又は光アイソレータが付加された光ファイバからなる光ファイバ減衰部である。
【0067】
この光ファイバ減衰部155は、希土類ドープファイバ光増幅部154の不安定動作を抑制するものである。
また、この光ファイバ減衰部155は、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部を兼用していてもよい。
なお、図14において、63は、励起光源であり、64は、励起光源63からの励起光を希土類ドープファイバ61へ入射する光カプラである。
【0068】
(17)第17の態様の説明
図15は本発明の参考形態に係る第17の態様を示す原理ブロック図で、この図15において、156−1,156−2は、希土類ドープファイバ121−1,121−2からなる希土類ドープファイバ光増幅部としてそれぞれ構成された前段光増幅部及び後段光増幅部である。この前段光増幅部156−1及び後段光増幅部156−2を有して、光増幅ユニットが構成されている。
【0069】
157は、光ファイバ又は光アイソレータが付加された光ファイバからなる光ファイバ減衰部であり、この光ファイバ減衰部157は、光増幅ユニットにおける前段光増幅部156−1と後段光増幅部156−2との間に配設され、光増幅ユニットの不安定動作を抑制するものである。
また、この光ファイバ減衰部157は、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部を兼用していてもよい。
【0070】
なお、図15において、123−1,123−3は、励起光源であり、124−1は、励起光源123−1からの励起光を希土類ドープファイバ121−1へ入射する光カプラであり、124−3は、励起光源123−3からの励起光を希土類ドープファイバ121−2へ入射する光カプラである。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態及び参考形態を説明する。
(1)第1実施形態の説明
図16は本発明の第1実施形態を示すブロック図で、この図16に示す光ファイバ増幅器は、希土類ドープファイバとしての2つのエルビウムドープファイバ(EDF)11−1,11−2,2つの励起光源12−1,12−2,第1〜4光カプラとしての4つの光分波合波器(WDM)13−1〜13−4,反射鏡(反射手段)14,光サーキュレータ15,3つのアイソレータ(ISO)16−1〜16−3,光フィルタ17をそなえている。
【0072】
即ち、この光ファイバ増幅器では、入力側から順に、アイソレータ16−1,光分波合波器13−1,エルビウムドープファイバ11−1,光分波合波器13−2,光フィルタ17,アイソレータ16−2,光分波合波器13−3,エルビウムドープファイバ11−2,光分波合波器13−4,アイソレータ16−3が配設されている。
【0073】
また、光分波合波器13−1には、光サーキュレータ15を介して励起光源12−1が接続されており、光サーキュレータ15は、励起光源12−1の他、他のポートが光分波合波器13−3に接続されている。さらに、光分波合波器13−2には、反射鏡14が接続されている。なお、光分波合波器13−4には、励起光源12−2が接続されている。
【0074】
ここで、各エルビウムドープファイバ11−1,11−2は、光増幅部として機能する部分であり、レンズとLDチップとからなる励起光源12−1は、例えば0.98μm帯域の励起光を生じる励起光源であり、2枚のレンズ,光アイソレータ(光ISO)及びLDチップからなる励起光源12−2は、例えば1.47μm帯域(1.47μm帯域というときは、以下、実施形態及び参考形態において、特に断らない限り、1.45〜1.49μmの波長をいう)の励起光を生じる励起光源である。なお、1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源12−2が、光アイソレータ(光ISO)を内蔵しているのは、1.55μm帯域の光信号を増幅する際にエルビウムドープファイバ11−2で発生する1.55μm帯域の雑音光が励起光源12−2に戻るのを防ぐためである。
【0075】
上記のように、各励起光源12−1,12−2の励起光波長を選定すると、光分波合波器13−1〜13−3は0.98μm帯のものが使用され、光分波合波器13−4は1.47μm帯のものが使用される。
また、光分波合波器13−1〜13−4としては、図の例では融着型のものが使用されているが、バルク(誘電体多層膜)型のものでももちろんかまわない。なお、例えば光分波合波器13−4としてバルク型のものを使用した場合は、励起光源12−2に内蔵されている光アイソレータ(光ISO)を省略することができるため、励起光源12−2として励起光源12−1と同じ型の励起光源(但し1.47μm帯域)を使用するのである(以下の実施形態及び参考形態においても同様である)。
【0076】
さらに、反射鏡14としては、ファラデー回転反射鏡が使用され、この反射鏡14を用いて、光分波合波器13−2で分離された残留励起光を反射して再度光分波合波器13−2を通じて一方のエルビウムドープファイバ11−1内へ戻すことができるようになっている。
光サーキュレータ15は、3ポート式の光サーキュレータであり、図53(a),図53(b)に示す4ポート式の光サーキュレータにおけるポート4にファイバが接続されていないものと同様に構成されている。
【0077】
図16に示すように、光サーキュレータ15のポート1には励起光源12−1が接続されており、ポート2には光分波合波器13−1が接続されており、ポート3には光分波合波器13−3が接続されている。
なお、この光サーキュレータ15は、3ポート以上を有する光サーキュレータとして構成してもよい。
【0078】
また、アイソレータ16−1〜16−3は、図中の矢印方向のみに光を通過させるものであり、図54(a),図54(b)に示すように、レンズ,複屈折プリズムA,B,偏波回転子(相反)及び45°ファラデー回転子(非相反)からなる。
このアイソレータ16−1〜16−3は、図54(a)に示すように、左側のファイバから光信号を入力すると、この光信号は右側のファイバに到達するが、図54(b)に示すように、右側のファイバから光信号を入力しても、この光信号は左側のファイバには到達しないように構成されている(以下、実施形態及び参考形態において、特に断らない限り、アイソレータは図54(a),(b)に示す構造を有するものとする)。
【0079】
本実施形態にかかる光ファイバ増幅器では、エルビウムドープファイバ11−1の前後段にアイソレータ16−1,16−2を設けるとともに、エルビウムドープファイバ11−2の前後段にアイソレータ16−2,16−3を設けることにより、エルビウムドープファイバ11−1,11−2で雑音光が発生することを防ぐようになっている。
【0080】
なお、複数の光増幅部を有する光増幅器では、光信号の入力側に位置する増幅部であるエルビウムドープファイバ11−1で雑音光が発生することを防ぐことが光増幅を低雑音に行なう上で特に重要であるため、光信号の出力側に位置する増幅部であるエルビウムドープファイバ11−2の後段のアイソレータ16−3は省略することもできる(以下の実施形態及び参考形態においても同様である)。
【0081】
光フィルタ17は、エルビウムドープファイバ11−1の出力のASE(Amplified Spontaneous Emission)のうち山となっている部分(例えば1.535μmの部分:図46参照)をカットする(山をつぶして平坦にする、もしくは〜1.538μmより短波長側を削除する)ものであり、誘電体多層膜をそなえて構成されているが、この光フィルタ17は省略してもよい。
【0082】
このような構成により、励起光源12−1からの励起光は光サーキュレータ15を介して光分波合波器13−1からエルビウムドープファイバ11−1の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイバ11−1によって、光増幅が行なわれる。このとき、このエルビウムドープファイバ11−1は、平均の励起率を高めるために、短尺化されているので、エルビウムドープファイバ11−1の他端からは残留励起光パワーが漏れ出る。
【0083】
このようにして、エルビウムドープファイバ11の他端に到達して漏れ出た残留励起光は、光分波合波器13−2で分離されたあと、反射鏡14で反射されて戻ってくる。
その後は、この反射残留励起光をエルビウムドープファイバ11内へ戻し、更に光分波合波器13−1を経由して、光サーキュレータ15で光路を変えて、光分波合波器13−3で、前段のエルビウムドープファイバ11−1で増幅された信号光とともに、残留励起光を合波して、エルビウムドープファイバ11−2に入射する。
【0084】
なお、この後段のエルビウムドープファイバ11−2では、励起光源12−2からの励起光を受けて、光増幅を行なう。
即ち、この第1実施形態では、3ポートの光サーキュレータ15を用いた2段構成のエルビウムドープファイバ光増幅器において、前段エルビウムドープファイバ11−1の入力側から光分波合波器13−1を通して励起光(例えば、0.98μm)を入射するとともに、前段エルビウムドープファイバ11−1の出力側には光分波合波器13−2を設置して、信号光が光フィルタ17,光アイソレータ(ISO)16−2を通って後段エルビウムドープファイバ11−2へ入力されるようになっている。
【0085】
一方、励起光は光分波合波器13−2で信号光と分離されて反射鏡14で反射され、前段エルビウムドープファイバ11−1内を往復するようになっており、その後、光分波合波器13−1で分離された励起光は、光サーキュレータ15により後段エルビウムドープファイバ11−2へ光分波合波器13−3を経由して入力されるようになっている。
【0086】
この図16では、後段エルビウムドープファイバ11−2の出力側にも励起光源12−2が設置されており、励起光源12−1,12−2間の干渉を考慮して、励起光源12−1を0.98μm、励起光源12−2を1.47μmとして、光分波合波器13−4で0.98μmの残留励起光が励起光源12−2に入射されるのを抑圧している。
【0087】
即ち、この図16に示す第1実施形態では、前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ11−1,11−2をそなえた光ファイバ増幅器において、励起光を光サーキュレータ15を介して光分波合波器13−1からエルビウムドープファイバ11−1の一端から入射させる第1手段と、この第1手段で、エルビウムドープファイバ11−1の一端から励起光を入射した結果、このエルビウムドープファイバ11−1の他端に到達した残留励起光を光分波合波器13−2で分離し、且つ、残留励起光を反射手段14で反射して、エルビウムドープファイバ11−1内へ戻す第2手段と、この第2手段で、反射手段14から反射してきた残留励起光をエルビウムドープファイバ11−1内に戻した後に光サーキュレータ15で光路を変えて光分波合波器13−3でエルビウムドープファイバ11−2に、残留励起光を合波する第3手段とをそなえて構成されていることになる。
【0088】
このようにして、この第1実施形態では、平均励起率を高くする際に生じる残留励起光パワーを新たに用意する光分波合波器13−2と反射鏡14で反射させてエルビウムドープファイバ11−1内を往復させることにより、励起光パワーの効率的な利用をはかることができ、これにより変換効率の向上をはかることができる。
【0089】
また、この際、光サーキュレータ15を用いているので、ループを形成して励起光パワーが不安定とならないようにすることができる。
さらに、反射鏡14にファラデー回転反射鏡を用いているので、励起光の偏波を回転させることができ、これにより、PHB(Polarization Hole Burning )を低減できる。
【0090】
(1−1)第1実施形態の第1変形例の説明
図17は本発明の第1実施形態の第1変形例を示すブロック図で、この図17に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ16−1,光分波合波器13−1,エルビウムドープファイバ11−1,光分波合波器13−2,アイソレータ16−2,光分波合波器13−3,エルビウムドープファイバ11−2,アイソレータ16−3が配設されている。
【0091】
また、光分波合波器13−1には、光サーキュレータ15を介して励起光源12−1が接続されており、光サーキュレータ15は、励起光源12−1の他、他のポートが光分波合波器13−3に接続されている。さらに、光分波合波器13−2には、反射鏡14が接続されている。
なお、この図17中、図16と同じ符号は同様の部分を示している。
【0092】
かかる構成からもわかるように、この図17に示す光ファイバ増幅器では、1台の励起光源12−1で前段、後段のエルビウムドープファイバ11−1,11−2を共に励起する構成となっている。なお、光フィルタ17は省略されているが、この変形例においても、図16に示す位置に光フィルタ17を設けてもよい。
【0093】
この場合も、励起光を光サーキュレータ15を介して光分波合波器13−1からエルビウムドープファイバ11−1の一端から入射させるとともに、この励起光を入射した結果、このエルビウムドープファイバ11−1の他端に到達した残留励起光を光分波合波器13−2で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡14で反射して、エルビウムドープファイバ11−1内へ戻し、更に反射鏡14から反射してきた残留励起光をエルビウムドープファイバ11−1内に戻した後に、光サーキュレータ15で光路を変えて光分波合波器13−3でエルビウムドープファイバ11−2に、残留励起光を合波するので、図5に示した前述の第1実施形態の場合と同様の作用ないし効果が得られるほか、励起光源12−1が両エルビウムドープファイバ11−1,11−2に共通であるので、構成の簡素化およびコストの低廉化に寄与しうる。
【0094】
(1−2)第1実施形態の第2変形例の説明
図18は本発明の第1実施形態の第2変形例を示すブロック図で、この図18に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、光分波合波器13−1,エルビウムドープファイバ11−1,光分波合波器13−2,光フィルタ17,アイソレータ16−2,光分波合波器13−3,エルビウムドープファイバ11−2が配設されており、更に入力信号光が4ポート式光サーキュレータ15−2を通じて入力されるとともに、出力信号光も光サーキュレータ15−2を通じて出力されるように構成されている。また、光分波合波器13−1には、光サーキュレータ15を介して励起光源12−1が接続されており、光サーキュレータ15は、励起光源12−1の他、他のポートが光分波合波器13−3に接続されている。さらに、光分波合波器13−2には、反射鏡14が接続されている。
【0095】
なお、この図18中、図16,図17と同じ符号は同様の部分を示している。
かかる構成からもわかるように、この図18に示す光ファイバ増幅器では、入出力部のアイソレータの代わりに、光サーキュレータ15−2を用いた構成となっている。
ここで、光サーキュレータ15−2は、図53(a),(b)に示すように、PBS,45°ファラデー回転子(非相反)及び45°偏波回転子(相反)からなり、ポート1〜4を有する4ポート式の光サーキュレータである。
【0096】
この光サーキュレータ15−2では、図53(a)に示すように、ポート1から入力された光信号はポート2に出力され、図53(b)に示すように、ポート2から入力された光信号はポート3に出力されるように構成されている。また、図示はしないが、光サーキュレータ15−2のポート3から入力された光信号はポート4に出力され、ポート4から入力された光信号はポート1に出力されるように構成されている(以下、実施形態及び参考形態において、特に断らない限り、光サーキュレータは図53(a),(b)に示す構造を有するものとする)。
【0097】
図18に示すような光サーキュレータ15−2は、ポート1から光信号が入力され、ポート4から光信号が出力されるように構成されており、ポート2には光分波合波器13−1が接続されており、ポート3にはエルビウムドープファイバ11−2が接続されている。
なお、光フィルタ17は省略してもよい。
【0098】
この場合も、励起光を光サーキュレータ15を介して光分波合波器13−1からエルビウムドープファイバ11−1の一端から入射させるとともに、この励起光を入射した結果、このエルビウムドープファイバ11−1の他端に到達した残留励起光を光分波合波器13−2で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡14で反射して、エルビウムドープファイバ11−1内へ戻し、更に反射鏡14から反射してきた残留励起光をエルビウムドープファイバ11−1内に戻した後に、光サーキュレータ15で光路を変えて光分波合波器13−3でエルビウムドープファイバ11−2に、残留励起光を合波するので、図5に示した前述の第1実施形態の場合と同様の作用ないし効果が得られるほか、入出力部に光サーキュレータ15−2が設けられているので、使用するアイソレータの数を減らすことができ、コストの低減に寄与しうる利点がある。
【0099】
(1−3)第1実施形態の第3変形例の説明
図19は本発明の第1実施形態の第3変形例を示すブロック図で、この図19に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ16−1,光分波合波器(第2光カプラ)13−2′,エルビウムドープファイバ11−1,光分波合波器(第1光カプラ)13−1′,光フィルタ17,アイソレータ16−2,光分波合波器13−3,エルビウムドープファイバ11−2,光分波合波器13−4,アイソレータ16−3が配設されており、光分波合波器13−1′には、光サーキュレータ15を介して励起光源12−1が接続されており、光サーキュレータ15は、励起光源12−1の他、他のポートが光分波合波器13−3に接続されている。また、光分波合波器13−2′には、反射鏡14が接続されている。なお、光分波合波器13−4には、励起光源12−2が接続されている。
【0100】
なお、この図19中、図16〜図18と同じ符号は同様の部分を示している。
かかる構成からもわかるように、この図19に示す光ファイバ増幅器では、励起光がエルビウムドープファイバ11−1の出力側から入射するようにした構成となっている。この場合も、光フィルタ17を省略できる。
この例では、励起光を光サーキュレータ15を介して光分波合波器13−1′からエルビウムドープファイバ11−1の出力端から入射させるとともに、この励起光を入射した結果、このエルビウムドープファイバ11−1の入力端に到達した残留励起光を光分波合波器13−2′で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡14で反射して、エルビウムドープファイバ11−1内へ戻し、更に反射鏡14から反射してきた残留励起光をエルビウムドープファイバ11−1内に戻した後に、光サーキュレータ15で光路を変えて光分波合波器13−3でエルビウムドープファイバ11−2に、残留励起光を合波する。
【0101】
これにより、図16に示した前述の第1実施形態の場合と同様の作用ないし効果が得られる。
(1−4)第1実施形態の第4変形例の説明
図20は本発明の第1実施形態の第4変形例を示すブロック図で、この図20に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ16−1,光分波合波器13−2′,エルビウムドープファイバ11−1,光分波合波器13−1′,アイソレータ16−2,光分波合波器13−3,エルビウムドープファイバ11−2,光分波合波器13−4,アイソレータ16−3,光フィルタ17−2,カプラ13−5が配設されており、更に図19に示す例と同様に、光分波合波器13−1′には、光サーキュレータ15を介して励起光源12−1が接続されており、光サーキュレータ15は、励起光源12−1の他、他のポートが光分波合波器13−3に接続されている。また、光分波合波器13−2′には、反射鏡14が接続されている。なお、光分波合波器13−4には、励起光源12−2が接続されている。
【0102】
そして、カプラ13−5からの出力光を検出する出力光検出器18が設けられており、更にこの出力光検出器18の検出結果に基づいて、励起光源12−2を出力を一定に制御する光出力一定制御器19が設けられている。
即ち、出力光検出器18は、図21に示すように、フォトダイオード18Aをそなえて構成されており、このフォトダイオード18Aでの検出値Vin1が、光出力一定制御器19を構成する差動増幅器19Aに入力されるようになっている。そして、差動増幅器19Aは参照値Vref1とVin1との差G1を制御信号Vcont1として、励起光源12−2を構成するレーザダイオードに供給するようになっている。
【0103】
ここで、出力光パワーと制御信号Vcont1とレーザダイオードの出力との関係を示すと、図22のようになる。
なお、この図20中、図16〜図19と同じ符号は同様の部分を示している。
かかる構成からもわかるように、この図20に示す光ファイバ増幅器では、光出力一定制御(ALC)を実現するようにした構成となっている。
【0104】
この例でも、図19と同様に、励起光を光サーキュレータ15を介して光分波合波器13−1′からエルビウムドープファイバ11−1の出力端から入射させるとともに、この励起光を入射した結果、このエルビウムドープファイバ11−1の入力端に到達した残留励起光を光分波合波器13−2′で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡14で反射して、エルビウムドープファイバ11−1内へ戻し、更に反射鏡14から反射してきた残留励起光をエルビウムドープファイバ11−1内に戻した後に、光サーキュレータ15で光路を変えて光分波合波器13−3でエルビウムドープファイバ11−2に、残留励起光を合波するが、加えて、光出力一定制御を施される。
【0105】
これにより、図16に示した前述の第1実施形態の場合と同様の作用ないし効果が得られるほか、光出力一定制御が実施されるので、ASEの累積と光ファイバ伝送路中での非線形効果による信号対雑音比(SNR)の劣化が小さい光出力レベルに設定することができる。
(1−5)その他
上記の例において、反射残留励起光を利用するエルビウムドープファイバとして、前段のものを示したが、勿論、後段のエルビウムドープファイバについて、反射残留励起光を利用するようにしてもよい。
【0106】
(2)第1参考形態の説明
図23は本発明の第1参考形態を示すブロック図で、この図23に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ25−1,光分波合波器(第1カプラ)24−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)21−1,光分波合波器(第2カプラ)24−2,光フィルタ26,アイソレータ25−3,光分波合波器(第3カプラ)24−3,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)21−2,光分波合波器(第4カプラ)24−4,アイソレータ25−4が配設されている。
【0107】
なお、光分波合波器24−2と24−3との間は、光フィルタ26,アイソレータ25−3をそなえた光信号ラインと、励起光ラインとがパラレルに設けられる。
また、光分波合波器24−1には、光分岐部23,アイソレータ25−2を介して、励起光源22が接続されている。
【0108】
ここで、光分岐部23は、励起光源22からの励起光パワー(その波長は例えば0.98μm)をn:1(nは1以上の実数)に分岐するもので、この光分岐部23で分岐された光(例えば少ない方)が光分波合波器24−1へ供給されるとともに、この光分岐部23で分岐された光(例えば多い方)は光分波合波器24−4へ供給されるようになっている。
【0109】
即ち、この図23に示す前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ21−1,21−2をそなえた光ファイバ増幅器においては、励起光パワーを光分岐部23でn:1(nは1以上の実数)に分岐して、光分岐部23の一ポートの励起光を光分波合波器24−1で合波して、エルビウムドープファイバ21−1に入射させる第1手段と、この第1手段で、エルビウムドープファイバ21−1の一端から励起光を入射したのち、エルビウムドープファイバ21−1の他端に接続された光分波合波器24−2で残留励起パワーを取り出して、残留励起パワーを光分波合波器24−3で合波して、エルビウムドープファイバ21−2の一端から入射させる第2手段と、光分岐部23で分岐された光分岐部23の他のポートの励起パワーを光分波合波器24−3でエルビウムドープファイバ21−2の他端から合波する第3手段とをそなえて構成されていることになる。
【0110】
なお、この参考形態においても、第1実施形態と同じ名称のものは、同じ機能を有する。
このような構成により、この第1参考形態にかかる光ファイバ増幅器では、励起光パワーが光分岐部23でn:1(nは1以上の実数)に分岐され、光分岐部23の一ポートの励起光が信号光と光分波合波器24−1で合波されて、前段のエルビウムドープファイバ21−1に入射される。
【0111】
そして、エルビウムドープファイバ21−1の入力端から励起光を入射したのちは、このエルビウムドープファイバ21−1の出力端に接続された光分波合波器24−2で残留励起パワーを取り出して、更に残留励起パワーを光分波合波器24−3で合波して、後段のエルビウムドープファイバ21−2の入力端から入射させる。なお、信号光は、光フィルタ26,アイソレータ25−3を経て、後段のエルビウムドープファイバ21−2へ入力されるが、このとき、光フィルタ26で、エルビウムドープファイバ21−1の出力のうち山となっているASE部分(例えば1.535μmの部分:図46参照)をカットする(山をつぶして平坦にする、もしくは〜1.538μmより短波長側を削除する)。
【0112】
その後は、光分岐部23で分岐された光分岐部23の他のポートの励起パワーを光分波合波器24−4でエルビウムドープファイバ21−2の出力端から合波する。
このようにして、この第1参考形態では、平均励起率を高くする際に生じる残留励起光パワーを他のエルビウムドープファイバにも供給することができ、更には励起光源を共通化し、且つ、必要に応じて、前段と後段のエルビウムドープファイバ21−1,21−2への励起光パワーの配分を設定することができるので、励起光パワーのより効率的な利用をはかることができ、これにより変換効率の大幅な向上をはかることができる。
【0113】
なお、この場合も、図18と同様の要領で、入力信号光を光サーキュレータを通じて入力するとともに、出力信号光をこの光サーキュレータを通じて出力することもできる。
(2−1)第1参考形態の変形例の説明
図24は第1参考形態の変形例を示すブロック図で、この図24に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ25−1,光分波合波器(第2カプラ)24−2′,エルビウムドープファイバ21−1,光分波合波器(第1カプラ)24−1′,光フィルタ26,アイソレータ25−3,光分波合波器(第4カプラ)24−4′,エルビウムドープファイバ21−2,光分波合波器(第3カプラ)24−3′,アイソレータ25−4が配設されている。
【0114】
なお、光分波合波器24−1′と24−4′との間にも、光フィルタ26,アイソレータ25−3をそなえた光信号ラインと、励起光ラインとがパラレルに設けられる。
また、光分波合波器24−1′,24−4′には、光分岐部23,アイソレータ25−2を介して、励起光源22が接続されている。
【0115】
即ち、この図24に示す光ファイバ増幅器においても、励起光パワーを光分岐部23でn:1(nは1以上の実数)に分岐して、光分岐部23の一ポートの励起光を光分波合波器24−1′で合波して、エルビウムドープファイバ21−1に入射させる第1手段と、この第1手段で、エルビウムドープファイバ21−1の一端から励起光を入射したのち、エルビウムドープファイバ21−1の他端に接続された光分波合波器24−2′で残留励起パワーを取り出して、残留励起パワーを光分波合波器24−3′で合波して、エルビウムドープファイバ21−2の一端から入射させる第2手段と、光分岐部23で分岐された光分岐部23の他のポートの励起パワーを光分波合波器24−3′でエルビウムドープファイバ21−2の他端から合波する第3手段とをそなえて構成されていることになる。
【0116】
なお、この参考形態においても、第1実施形態と同じ名称のものは、同じ機能を有する。
このような構成により、この図24に示す光ファイバ増幅器では、励起光パワーが光分岐部23でn:1(nは1以上の実数)に分岐され、光分岐部23の一ポートの励起光が信号光と光分波合波器24−1′で合波されて、前段のエルビウムドープファイバ21−1の出力側から入射される。
【0117】
このようにエルビウムドープファイバ21−1の出力端から励起光を入射したのちは、このエルビウムドープファイバ21−1の入力端に接続された光分波合波器24−2′で残留励起パワーを取り出して、更に残留励起パワーを光分波合波器24−3′で合波して、後段のエルビウムドープファイバ21−2の出力端から入射させる。なお、信号光は、光フィルタ26,アイソレータ25−3を経て、後段のエルビウムドープファイバ21−2へ入力されている。
【0118】
その後は、光分岐部23で分岐された光分岐部23の他のポートの励起パワーを光分波合波器24−4′でエルビウムドープファイバ21−2の入力端から合波する。
このようにして、この例においても、前述の第1参考形態と同様に、平均励起率を高くする際に生じる残留励起光パワーを他のエルビウムドープファイバにも供給することができ、更には励起光源を共通化し、且つ、必要に応じて、前段と後段のエルビウムドープファイバ21−1,21−2への励起光パワーの配分を設定することができるので、励起光パワーのより効率的な利用をはかることができ、これにより変換効率の大幅な向上をはかることができる。
【0119】
なお、この例の場合も、図7と同様の要領で、入力信号光を光サーキュレータを通じて入力するとともに、出力信号光をこの光サーキュレータを通じて出力することもできる。
(3)第2参考形態の説明
図25は本発明の第2参考形態を示すブロック図で、この図25に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ5−1,光分波合波器3−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)1,光分波合波器3−2,アイソレータ5−3が配設されている。また、光分波合波器3−1には、アイソレータ5−2を介して励起光源2が接続されている。また、光分波合波器3−2には、反射鏡(反射手段)4が接続されている。
【0120】
即ち、この図25に示す光ファイバ増幅器においては、励起光を光分波合波器3−1によりエルビウムドープファイバ1の入力端から入射する第1手段と、この第1手段で、エルビウムドープファイバ1の入力端から励起光を入射した結果、エルビウムドープファイバ1の出力端に到達した残留励起光を光分波合波器3−2で分離し、且つ、残留励起光を反射手段(反射鏡)4で反射してエルビウムドープファイバ1内へ戻す第2手段とをそなえて構成されていることになる。
【0121】
なお、反射鏡4としては、ファラデー回転反射鏡が使用される。
このような構成により、図25に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器3−1によりエルビウムドープファイバ1の一端から入射したあと、この入射の結果、エルビウムドープファイバ1の他端に到達した残留励起光を光分波合波器3−2で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡4で反射してエルビウムドープファイバ内へ戻す。
【0122】
これにより、この第2参考形態でも、平均励起率を高くする際に生じる残留励起光パワーを新たに用意する光分波合波器3−2と反射鏡4で反射させてドープファイバ1内を往復させることにより、励起光パワーの効率的な利用をはかることができ、これにより変換効率の向上をはかることができる。
さらに、反射鏡4にファラデー回転反射鏡を用いているので、励起光の偏波を回転させることができ、これにより、PHBを低減できる。
【0123】
また、この例の場合も、図18と同様の要領で、入力信号光を光サーキュレータを通じて入力するとともに、出力信号光をこの光サーキュレータを通じて出力するようにしてもよい。
なお、励起光をエルビウムドープファイバ1の出力端から入射するようにすることもできる。
【0124】
(4)第3参考形態の説明
図26は本発明の第3参考形態を示すブロック図で、この図26に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ5−1,光分波合波器3−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)1−1,光分波合波器3−3,アイソレータ5−3,光分波合波器3−4,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)1−2,光分波合波器3−5,アイソレータ5−4が配設されている。
【0125】
なお、光分波合波器3−3と3−4との間は、アイソレータ5−3をそなえた光信号ラインと、励起光ラインとがパラレルに設けられる。
そして、この例でも、光分波合波器3−1に、アイソレータ5−2を介して励起光源2が接続されている。また、光分波合波器3−5には、反射鏡(ファラデー回転反射鏡)4が接続されている。
【0126】
このような構成により、図26に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器3−1によりエルビウムドープファイバ1−1の入力端から入射するが、このようにエルビウムドープファイバ1−1の入力端から励起光を入射したのちは、このエルビウムドープファイバ1−1の出力端に接続された光分波合波器3−3で残留励起パワーを取り出して、更に残留励起パワーを光分波合波器3−4で合波して、後段のエルビウムドープファイバ1−2の入力端から入射させる。なお、信号光は、アイソレータ5−3を経て、後段のエルビウムドープファイバ1−2へ入力される。
【0127】
その後は、後段のエルビウムドープファイバ1−2の出力端に到達した残留励起光を光分波合波器3−5で分離し、且つ、残留励起光を反射鏡4で反射してエルビウムドープファイバ1−2,1−1へ戻す。
これにより、この第3参考形態でも、平均励起率を高くする際に生じる残留励起光パワーを新たに用意する光分波合波器3−5と反射鏡4で反射させてドープファイバ1−2,1−1内を往復させることにより、励起光パワーの効率的な利用をはかることができ、これにより変換効率の向上をはかることができる。
【0128】
この場合も、反射鏡4にファラデー回転反射鏡を用いているので、励起光の偏波を回転させることができ、これにより、PHBを低減できる。
また、この例の場合も、図18と同様の要領で、入力信号光を光サーキュレータを通じて入力するとともに、出力信号光をこの光サーキュレータを通じて出力するようにしてもよい。
【0129】
なお、上記の例において、反射残留励起光を利用するエルビウムドープファイバとして、前段のものを示したが、勿論、後段のエルビウムドープファイバについて、反射残留励起光を利用するようにしてもよい。
(5)第4参考形態の説明
図27は本発明の第4参考形態を示すブロック図で、この図27に示す光ファイバ増幅器も、前述の第2参考形態と同様に、入力側から順に、アイソレータ39−1,光分波合波器34−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)31,光分波合波器34−2,アイソレータ39−2が配設されている。また、光分波合波器34−1には、3ポート式光サーキュレータ33を介して励起光源32が接続されている。また、光分波合波器34−2には、反射鏡(ファラデー回転反射鏡)35が接続されている。
【0130】
また、光サーキュレータ33には、残留励起光検出器36が接続されており、この残留励起光検出器36によって、反射鏡35でエルビウムドープファイバ31内へ戻され、このエルビウムドープファイバ31,光分波合波器34−1を通じて光サーキュレータ33へ入力された残留励起光が検出されるようになっている。
【0131】
さらに、残留励起光検出器36で検出された残留励起光が一定となるように励起光源32を制御する制御器37が設けられている。
即ち、残留励起光検出器36は、図28に示すように、フォトダイオード36Aをそなえて構成されており、このフォトダイオード36Aでの検出値Vin2が、制御器37を構成する差動増幅器37Aに入力されるようになっている。そして、差動増幅器37Aは参照値Vref2とVin2との差G2を制御信号Vcont2として、励起光源32を構成するレーザダイオードに供給するようになっている。
【0132】
ここで、出力光パワーと制御信号Vcont2とレーザダイオードの出力との関係を示すと、図29のようになる。
かかる構成からもわかるように、この図27に示す光ファイバ増幅器では、残留励起光検出器36で検出された残留励起光が一定となるような励起光源32の制御を実現するようにした構成となっている。
【0133】
これにより、この第4参考形態でも、励起光パワーの効率的な利用をはかることができ、変換効率の向上をはかることができるほか、残留励起光パワーをモニタすることにより、平均励起率を一定に保持して、利得の波長依存性を入力パワーの変動に対して一定に保持することができる。
(5−1)第4参考形態の第1変形例の説明
図30は第4参考形態の第1変形例を示すブロック図であるが、この図30に示す光ファイバ増幅器は、図28の構成のものに、入力信号光が光サーキュレータ38を通じて入力されるとともに、出力信号光が光サーキュレータ38を通じて出力されるように構成したもので、このようにすることにより、前述の第4参考形態で得られる効果ないし利点が得られるほか、入出力部に光サーキュレータ38が設けられているので、使用するアイソレータの数を減らすことができ、コストの低減に寄与しうる利点が得られるのである。
【0134】
なお、図30中、図27と同じ符号は同様の部分を示す。
(5−2)第4参考形態の第2変形例の説明
図31は第4参考形態の第2変形例を示すブロック図で、この図31に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ39−1,光分波合波器34−2′,エルビウムドープファイバ31−1,光分波合波器34−1′,光フィルタ40,アイソレータ39−3,光分波合波器34−1′′,エルビウムドープファイバ31−2,光分波合波器34−2′′,アイソレータ39−2が配設されている。
【0135】
また、光分波合波器34−1′,34−1′′には、4ポート式光サーキュレータ33′を介して、励起光源32が接続されている。また、光分波合波器34−2′,34−2′′には、反射鏡(ファラデー回転反射鏡)35′,35′′が接続されている。
さらに、光サーキュレータ33′には、残留励起光検出器36が接続されており、この残留励起光検出器36によって、反射鏡35′,35′′でそれぞれエルビウムドープファイバ31−1,31−2内へ戻され、エルビウムドープファイバ31−1,31−2,光分波合波器34−1′,34−1′′を通じて光サーキュレータ33′へ入力された残留励起光が検出されるようになっている。
【0136】
さらに、残留励起光検出器36で検出された残留励起光が一定となるように励起光源32を制御する制御器37が設けられている。
なお、この参考形態においても、第4参考形態と同じ名称のものは、同じ機能を有する。
かかる構成からもわかるように、この図31に示す光ファイバ増幅器では、残留励起光検出器36で検出された各エルビウムドープファイバ31−1,31−2からの残留励起光が一定となるような励起光源32の制御を実現するようにした構成となっている。
【0137】
したがって、この例でも、前述の第4参考形態とほぼ同様の効果ないし利点が得られる。
なお、この例の場合も、図30と同様の要領で、入力信号光を光サーキュレータを通じて入力するとともに、出力信号光をこの光サーキュレータを通じて出力することもできる。
【0138】
(6)第5参考形態の説明
図32は本発明の第5参考形態を示すブロック図で、この図32に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ144,分散補償ファイバ141,光分波合波器143が配設されている。また、光分波合波器143には、励起光源142が接続されている。
【0139】
ここで、励起光源142は、ラマン増幅によるエルビウムドープファイバ増幅の帯域補償を行なうことのできる帯域(例えば、1.44〜1.49μm)の励起光を生じる励起光源であり、この励起光源142からの励起光は光分波合波器143を通じて分散補償ファイバ141の出力端から入射されるようになっている。
【0140】
従って、この光ファイバ増幅器は、分散補償ファイバ141と励起光源142とを有する分散補償ファイバモジュールをそなえていることになる。
このような構成により、分散補償ファイバ141を励起光源142からの励起光で励起してラマン増幅を生じさせることができる。即ち、分散補償ファイバ141では、一般にそのモードフィールド径が小さいので、ラマン増幅のしきい値下がっており、これにより、ラマン増幅を生じやすいのである。
【0141】
ところで、分散補償ファイバには、次のような特性がある。
即ち、分散補償ファイバ(DCF)は、コア径が小さくモードフィールド径が通常の約半分で非線型効果(誘導ラマン散乱(SRS),誘導ブリルアン散乱(SBS),4光子混合(FWM),自己位相変調効果(SPM)等)が伝送路であるファイバより生じやすい。なお、分散補償ファイバは、その使用態様から、伝送路であるファイバほど長くは無いので分散補償ファイバを通す際の光パワーを小さくすれば使用できることは分かっている。これは非線型効果の影響も長さが長くなるとともに増大するからである。
【0142】
また、分散補償ファイバでの光の減衰(損失)も無視できるものでないことが分かってきており、このために光増幅器で、この損失を補償する必要がある。
一方、入力パワーは上記のように述べた様に小さい値に制限され光増幅器としてのレベル設計に困難が生じている。
しかし、上記の非線型効果にも通信の際に有害なものと有益なものがある。このうち、ラマン増幅は有益である。
【0143】
このラマン増幅が、非常に有益となる可能性がある点は次のとおりである。即ち、分散補償ファイバをラマン増幅させれば、分散補償ファイバ自体が光増幅器となり、損失が補償できるというものである。
なお、ラマン増幅とは、誘導ラマン散乱、即ち、強い単色光を光ファイバに照射したときに、その光ファイバの光学フォノンと相互作用することにより固有な量だけ波長がずれたコヒーレントなストークス光が誘導放出により発生する現象を応用して、ストークス光が信号光と同じ波長となるように単色光の波長を設定し、誘導放出により信号光を増幅させることをいう。
【0144】
従って、上記のように分散補償ファイバ141を励起光源142からの上記のような帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせることにより、このラマン増幅による分散補償ファイバの損失補償(エルビウムドープファイバの利得のくぼみの平坦化やエルビウムドープファイバの利得の減少の補填補償を含む)を行なうことができるのである。
【0145】
なお、エルビウムドープファイバの1.54μm帯の利得のくぼみを平坦化するには、〜1.44μmで励起してラマン増幅を生じさせる。
また、図33に示すように、出力側に、アイソレータ144−2を追加することもできる。
さらに、図32,図33に示すように、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
【0146】
また、分散補償ファイバ141のかわりに、シリカ系光ファイバを用いることもできる。
(7)第6参考形態の説明
図34は本発明の第6参考形態を示すブロック図で、この図34に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ55−1,光分波合波器54−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)51,アイソレータ55−2,分散補償ファイバ52,光分波合波器54−2,アイソレータ55−3が配設されている。また、光分波合波器54−1には、励起光源53−1が接続されるとともに、光分波合波器54−2には、励起光源53−2が接続されている。
【0147】
ここで、励起光源53−1は、エルビウムドープファイバ51のための第1の波長帯域(例えば0.98μm帯域)での励起光を生じるもので、励起光源53−2は、分散補償ファイバ52のための第2の波長帯域(例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)または1.44μmまでの帯域(〜1.44μm))の励起光を生じるものである。
【0148】
これにより、励起光源53−2からの励起光で、分散補償ファイバ52を励起して、前述の第5参考形態と同じ原理により、ラマン増幅を生じさせることができる。従って、この参考形態においても、分散補償ファイバ52を励起光源53−2からの1.47μm帯域あるいは1.44μmまでの帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせることにより、このラマン増幅による分散補償ファイバの損失補償を行なうことができるのである。
【0149】
さらに、希土類ドープファイバ光増幅器の利得の波長特性が希土類イオンによって決まってしまうのに対して、ラマン光増幅器の利得の波長特性は励起波長によって決まり、励起波長を変えればそのピーク値がシフトするため、希土類ドープファイバ光増幅器の利得の波長特性を補償するようにラマン増幅を行なう際の励起波長を選択することができ、このようにすれば、広帯域光増幅器を実現することができる。
【0150】
即ち、ラマン増幅の場合も増幅帯域幅が存在し、この利得の波長依存性を用いれば単なる分散補償ファイバの損失補償だけでなくエルビウムドープファイバの増幅帯域を補いより広帯域化が図れるのである。
換言すれば、エルビウムドープファイバ増幅器の波長特性は、図46,47に示すように、平坦ではないので、分散補償ファイバを用いてラマン増幅させることにより、上記エルビウムドープファイバ増幅器の波長特性の凹凸を平坦化することができ、その結果、広帯域光増幅器を実現することができ、多波長一括増幅(図47参照)を行なう場合等に好適となるのである。
【0151】
なお、希土類ドープファイバであるエルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が、低雑音指数を有する光増幅部として構成されてもよい。
また、図34に示す光ファイバ増幅器では、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、分散補償ファイバからなるラマン光増幅部が後段増幅部として配設されているが、これに限定されず、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバからなるラマン光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されてもよい(ラマン光増幅部がシリカ系光ファイバからなる場合は、1つの励起光源が、シリカ系光ファイバ用励起光源及びエルビウムドープファイバ用励起光源を兼用することができる)。
【0152】
さらに、励起光源53−2は、例えば図43〜図45に示す励起光源53−2,53−2′,53−2′′と同様に、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されてもよく、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
【0153】
なお、図43〜図45に示す励起光源53−2,53−2′,53−2′′については、それぞれ本発明13参考形態、第13参考形態の第1変形例及び第13参考形態の第2変形例において説明する。
(8)第7参考形態の説明
図35は本発明の第7参考形態を示すブロック図で、この図35に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ65−1,光分波合波器64,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)61,アイソレータ65−2,分散補償ファイバ62,アイソレータ65−3が配設されている。そして、光分波合波器64に、励起光源63が接続されている。
【0154】
ここで、励起光源63は、例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じるものである。
このような構成により、この図35に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器64によりエルビウムドープファイバ61の一端から入射して、エルビウムドープファイバ61を励起させ、増幅させるが、エルビウムドープファイバ61の他端から残留励起光が到達する。その後は、この残留励起光をアイソレータ65−2を介して分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0155】
このようにエルビウムドープファイバ,分散補償ファイバに共通の励起光源を用いて、両ファイバでの増幅が行なえるのは次のとおりである。
即ち、1.55μm帯の信号光をラマン増幅する際の励起波長帯はエルビウムドープファイバ(EDF)の励起波長帯である1.47μm帯(1.45〜1.49μm)であるからであり、従って、EDFを1.47μm帯の光で励起した際の残留励起光パワーを用いて、ラマン増幅を行なうことができるのである。これにより、エルビウムドープファイバ61で光増幅を行ないながら、分散補償ファイバ62の損失を補償できるのである。
【0156】
これにより、前述の第6参考形態と同様に、エルビウムドープファイバ増幅器の波長特性の凹凸を平坦化して、広帯域光増幅器を実現することができ、多波長一括増幅を行なう場合等に好適となるほか、励起光源が1つで済むので、構造の簡素化及びコストの低廉化にも寄与しうるのである。
また、この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
【0157】
さらに、励起光源63は、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されてもよく、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
(8−1)第7参考形態の第1変形例の説明
図36は第7参考形態の第1変形例を示すブロック図で、この図36に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ65−1,光分波合波器64−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)61−1,アイソレータ65−2,分散補償ファイバ62,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)61−2,光分波合波器64−2,アイソレータ65−3が配設されている。そして、光分波合波器64−1に、励起光源63−1が接続されるとともに、光分波合波器64−2に、励起光源63−2が接続されている。
【0158】
ここで、励起光源63−1,63−2は、共に例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じるものである。
このような構成により、この図36に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器64−1によりエルビウムドープファイバ61−1の入力端から入射して、エルビウムドープファイバ61−1を励起させ、増幅させるが、このとき、エルビウムドープファイバ61−1の他端からは残留励起光が到達する。さらに、この残留励起光をアイソレータ65−2を介して分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0159】
また、励起光を光分波合波器64−2によりエルビウムドープファイバ61−2の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ61−2を励起させ、増幅させることも行なわれるが、このとき、エルビウムドープファイバ61−2の入力端からはやはり残留励起光が到達する。さらに、この残留励起光も分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0160】
この場合は、分散補償ファイバ62は前後のエルビウムドープファイバ61−1,61−2からの残留励起光を用いてラマン増幅させているので、分散補償ファイバ62による補償効果を大きくすることができ、構造の簡素化及びコストの低廉化をはかりながら、広帯域光増幅器を実現することができる。
また、この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
【0161】
さらに、分散補償ファイバ62用の励起光源及び光分波合波器を設けることもできる。
即ち、図12と同様の要領で、0.98μm帯の励起光源133−1〜133−3及び光分波合波器134−1〜134−3用いて光ファイバ増幅器を構成するようにしてもよい。
【0162】
なお、分散補償ファイバ62のかわりに、シリカ系光ファイバを用いてもよい。
(8−2)第7参考形態の第2変形例の説明
図37は第7参考形態の第2変形例を示すブロック図で、この図37に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ65−1,光分波合波器64−1,エルビウムドープファイバ61−1,アイソレータ65−2,分散補償ファイバ62,光分波合波器64−3,光フィルタ66,アイソレータ65−3,光分波合波器64−4,エルビウムドープファイバ61−2,光分波合波器64−5,アイソレータ65−4が配設されている。そして、光分波合波器64−1に、励起光源63−1が接続されるとともに、光分波合波器64−5に、励起光源63−2が接続されている。
【0163】
ここで、励起光源63−1,63−2は、共に例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じるものである。
また、光分波合波器64−3と64−4との間には、光フィルタ66,アイソレータ65−3をそなえた光信号ラインと、励起光ラインとがパラレルに設けられる。
【0164】
このような構成により、この図37に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器64−1によりエルビウムドープファイバ61−1の入力端から入射して、エルビウムドープファイバ61−1を励起させ、増幅させるが、このとき、エルビウムドープファイバ61−1の他端からは残留励起光が到達する。さらに、この残留励起光をアイソレータ65−2を介して分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0165】
また、励起光を光分波合波器64−5によりエルビウムドープファイバ61−2の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ61−2を励起させ、増幅させることも行なわれるが、このとき、エルビウムドープファイバ61−2の入力端からはやはり残留励起光が到達する。さらに、この残留励起光も光分波合波器64−4,64−3を介して、分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0166】
この場合も、分散補償ファイバ62は前後のエルビウムドープファイバ61−1,61−2からの残留励起光を用いてラマン増幅させているので、分散補償ファイバ62による補償効果を大きくすることができ、構造の簡素化及びコストの低廉化をはかりながら、広帯域光増幅器を実現することができる。
また、この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
【0167】
さらに、分散補償ファイバ62用の励起光源及び光分波合波器を設けることもできる。
即ち、図12と同様の要領で、0.98μm帯の励起光源133−1〜133−3及び光分波合波器134−1〜134−3を用いて光ファイバ増幅器を構成するようにしてもよい。
【0168】
なお、分散補償ファイバ62のかわりに、シリカ系光ファイバを用いてもよい。
(9)第8参考形態の説明
図38は本発明の第8参考形態を示すブロック図で、この図38に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ75−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)71,分散補償ファイバ72,光分波合波器74,アイソレータ75−2が配設されている。そして、光分波合波器74に、励起光源73が接続されている。
【0169】
ここで、励起光源73は、例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じるものである。このような構成により、この図38に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器74により分散補償ファイバ72の出力側から入射して、ラマン増幅を生じさせるとともに、この分散補償ファイバ72からの残留励起光を、エルビウムドープファイバ71の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ71を励起させ、信号光を増幅させる。
【0170】
このように逆にラマン増幅の際の残留励起光でエルビウムドープファイバ71を励起することにより、前述の第6参考形態と同様に、エルビウムドープファイバの波長特性の凹凸を平坦化して、広帯域光増幅器を実現することができ、多波長一括増幅を行なう場合等に好適となるほか、励起光源が1つで済むので、構造の簡素化及びコストの低廉化にも寄与しうるのである。
【0171】
なお、エルビウムドープファイバ,分散補償ファイバに共通の励起光源を用いて、両ファイバでの増幅が行なえる理由は、前述と同じである。この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
【0172】
また、励起光源73は、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されてもよく、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
(10)第9参考形態の説明
図39は本発明の第9参考形態を示すブロック図で、この図39に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ84−1,光分波合波器83,エルビウム(希土類元素)イオンをドープされた分散補償ファイバ(以下、エルビウムドープ分散補償ファイバという)81,アイソレータ84−2が配設されている。そして、光分波合波器83に、例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)や0.98μmの励起光を生じる励起光源82が接続されている。
【0173】
このような構成により、この図39に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器83によりエルビウムドープ分散補償ファイバ81の一端から入射して、このエルビウムドープ分散補償ファイバ81を励起させ、信号光を増幅させる。
このように分散補償ファイバのコアにErイオンをドープすれば、励起光は分散補償ファイバ81内で急速に減衰するために、ラマン増幅も生じず、各微小区間で、分散補償ファイバ81の損失を補償することになり、信号対雑音比を良好に保つことが可能となる。
【0174】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
なお、励起光源82は、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されてもよく、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
【0175】
(11)第10参考形態の説明
図40は本発明の第10参考形態を示すブロック図で、この図40に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ96−1,光分波合波器94,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)91,アイソレータ96−2,光フィルタ95,分散補償ファイバ92が配設されている。そして、光分波合波器94に、例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じる励起光源93が接続されている。
【0176】
また、光フィルタ95は、エルビウムドープファイバ91から出てくる1.47μm帯域の残留励起光を遮断するものである。
このような構成により、この図40に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器94によりエルビウムドープファイバ91の一端から入射して、エルビウムドープファイバ91を励起させ、信号光を増幅させるが、このとき、エルビウムドープファイバ91の他端から残留励起光が到達する。そして、この残留励起光は、光フィルタ95により遮断される。
【0177】
もし、不必要に1.47μm帯の光を分散補償ファイバ92に通すとラマン増幅により、レベルダイヤ設計あるいは光増幅器の波長特性に擾乱を来すことになるから、この場合は、1.47μm帯の光が分散補償ファイバ92に入力されるのを光フィルタ95により遮断しているのである。
従って、分散補償ファイバ92は主として伝送路の分散を補償するために使用されることになる。
【0178】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
なお、励起光源93は、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されてもよく、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
【0179】
(12)第11参考形態の説明
図41は本発明の第11参考形態を示すブロック図で、この図41に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ5−1,光分波合波器3−1,シリカをホストとするエルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)1,光分波合波器3−2,アイソレータ5−2が配設されている。そして、光分波合波器3−1に、例えば0.98μm帯域の励起光を生じる励起光源2−1が接続されるとともに、光分波合波器3−2に、例えば約1.44μmの励起光あるいは約1.46μmの励起光を生じる励起光源2−2が接続されている。
【0180】
ここで、光分波合波器3−1としてバルク型ではなく融着型のものを使用するとともに、励起光源2−1として光アイソレータ(光ISO)を内蔵しない型のものを使用しているのは、1.55μm帯域の光信号を増幅する際にエルビウムドープファイバ1で発生する1.55μm帯域の雑音光は、0.98μm帯域の励起光を生じる励起光源2−1には戻らないからである(以下の参考形態においても同様である)。
【0181】
このような構成により、この図41に示す光ファイバ増幅器では、0.98μm帯域の励起光を光分波合波器3−1によりエルビウムドープファイバ1の一端から入射して、エルビウムドープファイバ1を励起させ、信号光を増幅させる。さらに、1.44μmの励起光あるいは1.46μmの励起光を光分波合波器3−2によりエルビウムドープファイバ1の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ1でラマン増幅させる。
【0182】
なお、エルビウムドープファイバ1においても、強い光を入力すると、ラマン増幅が生じることが知られている。
このように、シリカをホストとするエルビウムドープファイバ1を一般的な励起波長[例えば0.98μm(1.47μmでもよい)]で増幅するとともに、〜1.44μmでラマン増幅することにより、エルビウムドープファイバの1.54μm帯の利得のくぼみ(図46参照)を平坦化することができ、また、〜1.46μmでラマン増幅することにより、1.57μm付近のエルビウムドープファイバの利得減少(図46参照)を補ってより特性を平坦化して広帯域化を実現できる。
【0183】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
(13)第12参考形態の説明
図42は本発明の第12参考形態を示すブロック図で、この図42に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ144−1,分散補償ファイバ141,偏向保持型光分波合波器143,アイソレータ144−2が配設されている。そして、光分波合波器143に、偏波合成型励起光源142が接続されている。
【0184】
ここで、励起光源142は、2つの励起光源142A,142Bと、これらの励起光源142A,142Bからの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)142Cとで構成されている。
そして、励起光源142A,142Bは共に等しい励起光パワーを有し、共に例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
【0185】
なお、光分波合波器143としては光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
このような構成により、この図42に示す光ファイバ増幅器では、直交偏波合成された励起光を光分波合波器143により分散補償ファイバ141の出力端から入射して、分散補償ファイバ141で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、分散補償ファイバの損失補償を行なうことができるのである。
【0186】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
また、分散補償ファイバ141のかわりに、シリカ系光ファイバを用いることもできる。
【0187】
さらに、励起光源142は、例えば図44,図45に示す励起光源53−2′,53−2′′と同様に、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
なお、図44,図45に示す励起光源53−2′,53−2′′については、それぞれ第13参考形態の第1変形例及び第13参考形態の第2変形例において説明する。
【0188】
(14)第13参考形態の説明
図43は本発明の第13参考形態を示すブロック図で、この図43に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ55−1,光分波合波器54−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)51,アイソレータ55−2,分散補償ファイバ52,偏光保持型光分波合波器54−2,アイソレータ55−3が配設されている。そして、光分波合波器54−1に、励起光源53−1が接続されるとともに、光分波合波器54−2に、偏波合成型励起光源53−2が接続されている。
【0189】
ここで、励起光源53−1は例えば0.98μmの励起光を出力するものであり、励起光源53−2は、2つの励起光源53−2A,53−2Bと、これらの励起光源53−2A,53−2Bからの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)53−2Cとで構成されている。
そして、この場合も、励起光源53−2A,53−2Bは共に等しい励起光パワーを有し、共に例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
【0190】
なお、光分波合波器54−1としては、偏波保持の機能のない融着型のものが使用される一方、光分波合波器54−2としては、光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
このような構成により、この図43に示す光ファイバ増幅器では、励起光源53−1からの励起光は光分波合波器54−1からエルビウムドープファイバ51の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイバ51で信号光の増幅が行なわれる。
【0191】
また、直交偏波合成するされた励起光が光分波合波器54−2により分散補償ファイバ52の出力端から入射して、分散補償ファイバ52で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、分散補償ファイバ52の損失補償を行なう。
このようにしても、前述の第12参考形態と同様の効果ないし利点が得られる。
【0192】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
さらに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が、低雑音指数を有する光増幅部として構成されてもよく、分散補償ファイバからなるラマン光増幅部が、前段増幅部として配設されるとともに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されてもよい。
【0193】
(14−1)第13参考形態の第1変形例の説明
図44は第13参考形態の第1変形例を示すブロック図で、この図44に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ55−1,光分波合波器54−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)51,アイソレータ55−2,分散補償ファイバ52,偏光保持型光分波合波器54−2,アイソレータ55−3が配設されている。そして、光分波合波器54−1に、励起光源53−1が接続されるとともに、光分波合波器54−2に、無偏光偏波合成型励起光源53−2′が接続されている。
【0194】
ここで、励起光源53−1は例えは0.98μmの励起光を出力するものであり、励起光源53−2′は、1つの励起光源53−2A′と、この励起光をデポラライズ(無偏光化)するデポラライザ53−2B′とで構成されている。
ここで、デポラライザ53−2B′は、分散補償ファイバ52からなるラマン光増幅器における偏光依存性を低減させるものであり、励起光源53−2A′からの励起光を分波する偏波保持カプラ53−2E′と、偏波保持カプラ53−2E′で分波された励起光及び遅延線によって遅延させられた励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)53−2C′とで構成されている。
【0195】
そして、この場合も、励起光源53−2A′は、例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
なお、光分波合波器54−1としても、偏波保持の機能のない融着型のものが使用される一方、光分波合波器54−2としても、光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
【0196】
このような構成により、この図44に示す光ファイバ増幅器では、励起光源53−1からの励起光は光分波合波器54−1からエルビウムドープファイバ51の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイ51で信号光の増幅が行なわれる。
また、無偏光化された励起光が光分波合波器54−2により分散補償ファイバ52の出力端から入射して、分散補償ファイバ52で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、分散補償ファイバ52の損失補償を行なう。
【0197】
このようにすれば、分散補償ファイバ52における偏光依存性を低減しながら、前述の第13参考形態と同様の効果ないし利点を得ることができる。
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
【0198】
さらに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が、低雑音指数を有する光増幅部として構成されてもよく、分散補償ファイバからなるラマン光増幅部が、前段増幅部として配設されるとともに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されてもよい。
【0199】
(14−2)第13参考形態の第2変形例の説明
図45は第13参考形態の第2変形例を示すブロック図で、この図45に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ55−1,光分波合波器54−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)51,アイソレータ55−2,分散補償ファイバ52,偏光保持型光分波合波器54−2,アイソレータ55−3が配設されている。そして、光分波合波器54−1に、励起光源53−1が接続されるとともに、光分波合波器54−2に、変調偏波合成型励起光源53−2′′が接続されている。
【0200】
ここで、励起光源53−1は例えは0.98μmの励起光を出力するものであり、励起光源53−2′′は、2つの励起光源53−2A′′,53−2B′′と、これらの励起光源53−2A′′,53−2B′′からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)53−2C′′と、各励起光源53−2A′′,53−2B′′に対して数百kHz〜1MHzの変調を施す変調器53−2D′′とで構成されている。
【0201】
そして、この場合も、励起光源53−2A′′,53−2B′′は共に等しい励起光パワーを有し、共に例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
なお、光分波合波器54−1としても、偏波保持の機能のない融着型のものが使用される一方、光分波合波器54−2としても、光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
【0202】
このような構成により、この図45に示す光ファイバ増幅器では、励起光源53−1からの励起光は光分波合波器54−1からエルビウムドープファイバ51の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイ51で信号光の増幅が行なわれる。
また、変調されそのスペクトルが数百kHz以上になっており、且つ直交偏波合成された励起光(この励起光のスペクトル線幅を広げることができる)が光分波合波器54−2により分散補償ファイバ52の出力端から入射して、分散補償ファイバ52で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、分散補償ファイバの損失補償を行なう。
【0203】
このようにすれば、誘導ブリルアン散乱のしきい値を高め、有害な非線型効果を抑制しながら、前述の第13参考形態と同様の効果ないし利点を得ることができる。
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
【0204】
さらに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が、低雑音指数を有する光増幅部として構成されてもよく、分散補償ファイバからなるラマン光増幅部が、前段増幅部として配設されるとともに、エルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されてもよい。
【0205】
(15)第14参考形態の説明
図48は本発明の第14参考形態を示すブロック図で、この図48に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ125−1,光分波合波器124−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)121−1,アイソレータ125−2,シリカ系光ファイバ122,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)121−2,光分波合波器124−3,アイソレータ125−3が配設されている。そして、光分波合波器124−1,124−3に、例えば1.47μ帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じる励起光源123−1,123−3が接続されている。
【0206】
ここで、シリカ系光ファイバ122は、励起波長により増幅周波数帯域が変えることができるラマン光増幅器として機能するものであり、その帯域特性はホストガラスのシリカとコアのドープ材料及び濃度によって決まる。
また、エルビウムドープファイバ121−1,121−2は、増幅周波数帯域とその帯域特性がホストガラスとコアのドープ材料によって決まる希土類ドープファイバ光増幅器として機能するものである。
【0207】
参考形態におけるシリカ系光ファイバ122のモードフィールド径は小さくされており、シリカ系光ファイバ122からなるラマン光増幅器の雑音指数が、エルビウムドープファイバ121−1,121−2からなる希土類ドープファイバ光増幅器より大きい場合には、前段増幅部に希土類ドープファイバ光増幅器を用いるとともに、中段増幅部にラマン光増幅器を用い、更に、信号光パワーが大きい後段増幅部には希土類ドープファイバ光増幅器を用いて、これらを縦続的に接続することにより、低雑音で且つより平坦な帯域特性あるいは広い増幅周波数帯域を有する光ファイバ増幅器を実現しているのである。
【0208】
即ち、低雑音指数を有する希土類ドープファイバ光増幅器(1.47μm帯励起によるエルビウムドープファイバ光増幅器など)を前段増幅部に用いて、極小の信号光を低雑音な状態で増幅するのであり、また、信号対雑音比(SNR)を劣化させる非線形効果(ここで、非線形効果とは、信号光の自己位相変調(Self-Phase Modulation,SPM )、四光子混合(Four Wave Mixing,FWM)、相互位相変調(Cross-Phase Modulation,XPM)などの信号対雑音比(SNR)を劣化させるものである)の影響を低減するために、信号光パワーが小さいシリカ系光ファイバを用いたラマン光増幅器を中段増幅部に用いているのである。
【0209】
このような構成により、この図48に示す光ファイバ増幅器では、励起光を光分波合波器124−1によりエルビウムドープファイバ121−1の一端から入射して、エルビウムドープファイバ121−1を励起させ、信号光を増幅させるとともに、このとき生じる残留励起光により、シリカ系光ファイバ122を励起させ、分散補償ファイバと同様に、ラマン増幅させる。
【0210】
さらに、励起光を光分波合波器124−3によりエルビウムドープファイバ121−2の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ121−2を励起させ、信号光を増幅させるとともに、このとき生じる残留励起光により、シリカ系光ファイバ122を励起させ、ラマン増幅させる。
このように、図48に示す光ファイバ増幅器において、1.47μm帯の励起光源123−1,123−3を用いることにより、エルビウムドープファイバ121−1,121−2及びシリカ系光ファイバ122のいずれをも励起することができ、これにより、図12に示す光ファイバ増幅器における励起光源123−2を削減することができ、光ファイバ増幅器の簡素化及び励起光パワーの効率化を図ることができる。
【0211】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
なお、シリカ系光ファイバ122とエルビウムドープファイバ121−2との間にアイソレータを設けるようにしてもよい。
【0212】
また、シリカ系光ファイバ122用の励起光源及び光分波合波器を設けることもできる。
即ち、図11と同様の要領で、0.98μm帯の励起光源123−1〜123−3及び光分波合波器124−1〜124−3を用いて光ファイバ増幅器を構成するようにしてもよい。
【0213】
なお、シリカ系光ファイバ122のかわりに、分散補償ファイバを用いてもよい。
(15−1)第14参考形態の変形例の説明
図49は第14参考形態の変形例を示すブロック図で、この図49に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ125−1,光分波合波器124−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)121−1,アイソレータ125−2,シリカ系光ファイバ122,光フィルタ126,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)121−2,光分波合波器124−3,アイソレータ125−3が配設されている。そして、光分波合波器124−1,124−3に、それぞれ偏波合成型励起光源123−1′,123−3′が接続されている。
【0214】
ここで、励起光源123−1′は、2つの励起光源123−1A′,123−1B′と、これらの励起光源123−1A′,123−1B′からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)123−1C′とで構成されており、励起光源123−1A′,123−1B′は共に等しい励起光パワーを有し、共に例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
【0215】
また、励起光源123−3′は、2つの励起光源123−3A′,123−3B′と、これらの励起光源123−3A′,123−3B′からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)123−3C′とで構成されているが、単に励起光パワーを増加させるために直交偏波合成した励起光源であるため、励起光源123−3A′,123−3B′の励起波長及び励起光パワーは異なっていてもよい。
【0216】
さらに、シリカ系光ファイバ122内でも直交偏波合成した励起光の無偏光状態が保たれるように、エルビウムドープファイバ121−1及びシリカ系光ファイバ122はしっかりとボビン等に固定されているか、筐体の中に納められることにより、外気の影響等を受けないようになっている。
なお、アイソレータ125−1〜125−3は、偏波無依存型の光アイソレータであり、光フィルタ126は、エルビウムドープファイバ121−1で発生した1.535μm近傍のASEピークを除去あるいは平坦化する光フィルタであり、省略することもできる。
【0217】
このような構成により、この図49に示す光ファイバ増幅器では、1.47μm帯域の励起光を光分波合波器124−1によりエルビウムドープファイバ121−1の一端から入射して、エルビウムドープファイバ121−1を励起させ、信号光を増幅させるとともに、このとき生じる残留励起光により、シリカ系光ファイバ122を励起させ、ラマン増幅させる。
【0218】
さらに、1.47μmの励起光を光分波合波器124−3によりエルビウムドープファイバ121−2の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ121−2を励起させ、増幅させるとともに、このとき生じる残留励起光により、シリカ系光ファイバ122を励起させ、ラマン増幅させる。
このように、図49に示す光ファイバ増幅器において、1.47μm帯の励起光源123−1′,123−3′を用いることにより、エルビウムドープファイバ121−1,121−2及びシリカ系光ファイバ122のいずれをも励起することができ、これにより、図11に示す光ファイバ増幅器における励起光源123−2を削減することができ、光ファイバ増幅器の簡素化及び励起光パワーの効率化を図ることができる。
【0219】
また、この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
さらに、シリカ系光ファイバ122用の励起光源及び光分波合波器を設けることもできる。
【0220】
即ち、図11と同様の要領で、0.98μm帯の励起光源123−1〜123−3及び光分波合波器124−1〜124−3用いて光ファイバ増幅器を構成するようにしてもよい。なお、シリカ系光ファイバ122とエルビウムドープファイバ121−2との間にアイソレータを設けるようにしてもよい。
また、シリカ系光ファイバ122のかわりに、分散補償ファイバを用いてもよい。
【0221】
(16)第15参考形態の説明
図50は本発明の第15参考形態を示すブロック図で、この図50に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ115−1,光分波合波器114−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)111,アイソレータ115−2,シリカ系光ファイバ112,偏光保持型光分波合波器114−2,アイソレータ115−3が配設されている。そして、光分波合波器114−1に、励起光源113−1が接続されるとともに、光分波合波器114−2に、偏波合成型励起光源113−2が接続されている。
【0222】
そこで、図50に示す光ファイバ増幅器では、これらの希土類ドープファイバ光増幅器とラマン光増幅器とを用いて互いに補償して、より平坦な帯域特性あるいは広い増幅周波数帯域を得ることができるようにしているのであり、低雑音指数を有する希土類ドープファイバ光増幅器(0.98μm帯励起あるいは1.47μm帯励起によるエルビウムドープファイバ光増幅器など)を前段増幅部に用いるとともに、後段増幅部にシリカ系光ファイバからなるラマン光増幅器を用いて、これらを縦続的に接続することにより、光ファイバ増幅器が低雑音特性を有するより平坦な帯域特性あるいは広い増幅周波数帯域を有するようになっている。
【0223】
即ち、ラマン光増幅器の雑音指数が希土類ドープファイバ光増幅器のものより大きい場合には、前段増幅部に希土類ドープファイバ光増幅器を用いるとともに、後段増幅部にラマン光増幅器を用いて、これらを縦続的に接続することにより、低雑音な光ファイバ増幅器を実現しているのである。
さらに、励起光源113−1は例えば0.98μmの励起光を出力するものであり、励起光源113−2は、2つの励起光源113−2A,113−2Bと、これらの励起光源113−2A,113−2Bからの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)113−2Cとで構成されている。
【0224】
そして、この場合も、励起光源113−2A,113−2Bは共に等しい励起光パワーを有し、共に例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
なお、光分波合波器114−1としては、偏波保持の機能のない融着型のものが使用される一方、光分波合波器114−2としては、光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
【0225】
このような構成により、この図50に示す光ファイバ増幅器では、励起光源113−1からの励起光は光分波合波器114−1からエルビウムドープファイバ111の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイ111で信号光の増幅が行なわれる。
また、直交偏波合成するされた励起光が光分波合波器114−2によりシリカ系光ファイバ112の出力端から入射して、シリカ系光ファイバ112で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、シリカ系光ファイバ112の損失補償を行なう。
【0226】
このようにしても、前述の第13参考形態と同様の効果ないし利点が得られる。
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
【0227】
なお、1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源を設けて、この励起光源が、シリカ系光ファイバ用励起光源及びエルビウムドープファイバ用励起光源を兼用するようにしてもよい。
また、ラマン光増幅器によって高い出力が得られない場合には、入力側の増幅部(前段増幅部)にシリカ系光ファイバ又は分散補償ファイバからなるラマン光増幅器を用いるとともに、出力側の増幅部(後段増幅部)にエルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅器を用いて、これらを縦列的に接続する。
【0228】
特に、ラマン光増幅器用励起光源の励起波長を約1.44μmとすると、希土類ドープファイバ光増幅器における約1.54μm近傍に生じる利得の窪みをラマン光増幅によって補償することができ、また、ラマン光増幅器用励起光源の励起波長を約1.46μmとすると、希土類ドープファイバ光増幅器における約1.57μmより長波長側で生じる利得の減少をラマン光増幅によって補償することができ、これにより、光ファイバ増幅器の更なる帯域特性の平坦化あるいは高帯域化が可能となる。
【0229】
さらに、シリカ系光ファイバ又は分散補償ファイバを用いたラマン光増幅器の利得が生じはじめる励起光パワー(しきい値励起光パワー)を低減するため、モードフィールド径を小さくしたシリカ系光ファイバを用いるとともに、このモードフィールド径を小さくしたがゆえに大きくなった非線形効果の影響を低減するために、信号光パワーが小さい入力側の増幅部(前段増幅部)にシリカ系光ファイバからなるラマン光増幅器を用いるとともに、信号光パワーが大きい出力側の増幅部(後段増幅部)にエルビウムドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅器を用いて、これらを縦列的に接続することにより、光ファイバ増幅器が更に平坦な帯域特性あるいは広い増幅周波数帯域を有するようにすることもできる。
【0230】
(16−1)第15参考形態の第1変形例の説明
図51は第15参考形態の第1変形例を示すブロック図で、この図51に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ115−1,光分波合波器114−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)111,アイソレータ115−2,シリカ系光ファイバ112,偏光保持型光分波合波器114−2,アイソレータ115−3が配設されている。そして、光分波合波器114−1に、励起光源113−1が接続されるとともに、光分波合波器114−2に、無偏光偏波合成型励起光源113−2′が接続されている。
【0231】
ここで、励起光源113−1は例えは0.98μmの励起光を出力するものであり、励起光源113−2′は、1つの励起光源113−2A′と、この励起光をデポラライズ(無偏光化)するデポラライザ113−2B′とで構成されている。
また、デポラライザ113−2B′は、シリカ系光ファイバ112からなるラマン光増幅器における偏光依存性を低減させるものであり、励起光源113−2A′からの励起光を分波する偏波保持カプラ113−2E′と、偏波保持カプラ113−2E′で分波された励起光及び遅延線によって遅延させられた励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)113−2C′とで構成されている。
【0232】
そして、この場合も、励起光源113−2A′は、例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
なお、光分波合波器114−1としても、偏波保持の機能のない融着型のものが使用される一方、光分波合波器114−2としても、光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
【0233】
このような構成により、この図51に示す光ファイバ増幅器では、励起光源113−1からの励起光は光分波合波器114−1からエルビウムドープファイバ111の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイ111で信号光の増幅が行なわれる。
また、無偏光化された励起光が光分波合波器114−2によりシリカ系光ファイバ112の出力端から入射して、シリカ系光ファイバ112で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、シリカ系光ファイバ112の損失補償を行なう。
【0234】
このようにすれば、シリカ系光ファイバ112における偏光依存性を低減しながら、前述の第15参考形態と同様の効果ないし利点を得ることができる。
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
【0235】
なお、1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源を設けて、この励起光源が、シリカ系光ファイバ用励起光源及びエルビウムドープファイバ用励起光源を兼用するようにしてもよい。
(16−2)第15参考形態の第2変形例の説明
図52は第15参考形態の第2変形例を示すブロック図で、この図52に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ115−1,光分波合波器114−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)111,アイソレータ115−2,シリカ系光ファイバ112,偏光保持型光分波合波器114−2,アイソレータ115−3が配設されている。そして、光分波合波器114−1に、励起光源113−1が接続されるとともに、光分波合波器114−2に、変調偏波合成型励起光源113−2′′が接続されている。
【0236】
ここで、励起光源113−1は例えは0.98μmの励起光を出力するものであり、励起光源113−2′′は、2つの励起光源113−2A′′,113−2B′′と、これらの励起光源113−2A′′,113−2B′′からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器(PBS)113−2C′′と、各励起光源113−2A′′,113−2B′′に対して数百kHz〜1MHzの変調を施す変調器113−2D′′とで構成されている。
【0237】
そして、この場合も、励起光源113−2A′′,113−2B′′は共に等しい励起光パワーを有し、共に例えば1.45〜1.49μm(または1.45〜1.48μm)の励起光を出力するものである。
なお、光分波合波器114−1としても、偏波保持の機能のない融着型のものが使用される一方、光分波合波器114−2としても、光学膜型のものが使用され、偏光状態を保持して光の合波或いは分波を行なえるようになっている。
【0238】
このような構成により、この図52に示す光ファイバ増幅器では、励起光源113−1からの励起光は光分波合波器114−1からエルビウムドープファイバ111の一端から信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイ111で増幅が行なわれる。
また、変調されそのスペクトルが数百kHz以上になっており、且つ直交偏波合成された励起光(この励起光のスペクトル線幅を広げることができる)が光分波合波器114−2によりシリカ系光ファイバ112の出力端から入射して、シリカ系光ファイバ112で効果的にラマン増幅を生じさせる。そして、このラマン増幅により、シリカ系光ファイバ112の損失補償を行なう。
【0239】
このようにすれば、誘導ブリルアン散乱のしきい値を高め、有害な非線型効果を抑制しながら、前述の第15参考形態と同様の効果ないし利点を得ることができる。
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
【0240】
なお、1.47μm帯域の励起光を生じる励起光源を設けて、この励起光源が、シリカ系光ファイバ用励起光源及びエルビウムドープファイバ用励起光源を兼用するようにしてもよい。
(17)第16参考形態の説明
図55は本発明の第16参考形態を示すブロック図で、この図55に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ65−1,光分波合波器64,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ増幅部)61,分散補償ファイバ62(光ファイバ減衰部),アイソレータ65−3が配設されている。そして、光分波合波器64に、励起光源63が接続されている。
【0241】
ここで、励起光源63は、例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じるものである。
また、利得が高い希土類ドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に不要な発振が生じることがあり、このように不要な発振が生じた場合には、希土類ドープファイバ光増幅器が不安定に動作する。
【0242】
例えば、エルビウムドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に、1.53〜1.57μmの自然放出光(ASE)が発生するが、このASEはエルビウムドープファイバ光増幅器内の反射点で反射を繰り返すため、不要な発振が生じることがある。特に、多波長一括増幅用に調整されたエルビウムドープファイバ光増幅器(即ち、励起率が高いエルビウムドープファイバ光増幅器)では、1.53μm付近の利得が高いため、この波長で不要な発振が生じやすく、このように不要な発振が生じた場合には、エルビウムドープファイバ光増幅器が不安定に動作する。
【0243】
このような不安定動作を抑制するためには、信号光を損失(減衰)させる媒体(これを損失媒体という)を設けることが有効である(この原理については後述する)。
図55に示すような光ファイバ増幅器では、エルビウムドープファイバ61を介して入射された残留励起光により分散補償ファイバ62を励起して、この分散補償ファイバ62での信号光の損失(減衰)を補償するようになっているが、実際には、全ての損失を補償することは困難であり、ある程度の損失が残るため、分散補償ファイバ62が損失媒体として機能することとなる。
【0244】
ここで、損失媒体を設けることによる不安定動作の抑制の原理を説明する。
一般に、エルビウムドープファイバの利得をGとし、エルビウムドープファイバの両端(前端および後端)での反射率をそれぞれR1,R2(ここで、反射率R1はエルビウムドープファイバの前端より前段にある全ての部品からの反射の反射率であり、反射率R2はエルビウムドープファイバの後端より後段にある全ての部品からの反射の反射率である)としてR1とR2の幾何平均をR〔R=(R1R2)1/2 〕とすると、GRをエルビウムドープファイバの動作の安定度の目安とすることができる。GRが大きいとエルビウムドープファイバは不安定に動作し、特に、GRが1以上のときエルビウムドープファイバでは発振が生じる。このため、GRが小さくなるようにする必要があり、具体的には、GRは0.02以下が目安となる。
【0245】
図55に示すように、エルビウムドープファイバ61(このエルビウムドープファイバ61の利得をGとする)の後段(信号光の出力側)に、分散補償ファイバ62〔この分散補償ファイバ62の損失をη(0≦η≦1)とする〕を、例えば融着接続することにより設けると、エルビウムドープファイバ61と分散補償ファイバ62との間に境界Aが生じる。
【0246】
このときは、図55に示すように、エルビウムドープファイバ61の後端での反射率をR1,分散補償ファイバ62の前端での反射率をR2(ここで、反射率R1はエルビウムドープファイバ61の前端より前段にある全ての部品からの反射の反射率であり、反射率R2は分散補償ファイバ62の後端より後段にある全ての部品からの反射の反射率である)とする。また、エルビウムドープファイバ61と分散補償ファイバ62との境界Aでの屈折率差によって生じる反射の反射率をRA(RA≪R1,R2;損失媒体が光ファイバであればこの条件を満たす)とすると、エルビウムドープファイバの動作の安定度を示すパラメータは、GRから(Gη)Rとなる。即ち、GRは光が一巡するときの片道の利得と考えられ、損失媒体を設けたときには、光が一巡するときの正味の利得は、(R1×G×η)×(R2×η×G)=(Gη)2 R1R2となるため、片道での正味の利得は、Gη(R1R2)1/2 =(Gη)Rとなる。なお、RA≪R1,R2であるため、反射率RAの影響は無視することができるものとする。ここで、0≦η≦1であるため、等価的にGRが小さくなる。
【0247】
このように、損失媒体を設けることにより、エルビウムドープファイバの動作の安定度を示すパラメータGRが小さくなるため、エルビウムドープファイバ61の不安定動作を抑制することができる。
参考形態にかかる光ファイバ増幅器では、図55に示すように、分散補償ファイバ62をエルビウムドープファイバ61の後段に設けて、この分散補償ファイバ62を、エルビウムドープファイバ61からの残留励起光を用いて励起することにより、この分散補償ファイバ62の損失補償(エルビウムドープファイバ61の利得のくぼみの平坦化やエルビウムドープファイバ61の利得の減少の補填補償を含む)を行なうと同時に、残った損失分によって、エルビウムドープファイバ61の不安定動作を抑制するようになっている。
【0248】
このような構成により、この図55に示す光ファイバ増幅器では、励起光および信号光を光分波合波器64によりエルビウムドープファイバ61の一端から入射して、エルビウムドープファイバ61を励起させ、信号光を増幅させるが、エルビウムドープファイバ61の他端へは残留励起光が到達する。その後は、この残留励起光を分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0249】
このようにエルビウムドープファイバ,分散補償ファイバに共通の励起光源を用いて、両ファイバでの増幅が行なえるのは次のとおりである。
即ち、1.55μm帯の信号光をラマン増幅する際の励起波長帯はエルビウムドープファイバ(EDF)の励起波長帯である1.47μm帯(1.45〜1.49μm)であるからであり、従って、EDFを1.47μm帯の光で励起した際の残留励起光パワーを用いて、ラマン増幅を行なうことができるのである。これにより、エルビウムドープファイバ61で光増幅を行ないながら、分散補償ファイバ62の損失を補償できるのである。
【0250】
これにより、前述の第6参考形態と同様に、エルビウムドープファイバ増幅器の波長特性の凹凸を平坦化して、広帯域光増幅器を実現することができ、多波長一括増幅を行なう場合等に好適となるほか、励起光源が1つで済むので、構造の簡素化及びコストの低廉化にも寄与しうるのである。
また、この光ファイバ増幅器では、分散補償ファイバ62の損失分によって、エルビウムドープファイバ61の不安定動作を抑制することも同時に行なわれており、これにより、波長多重(WDM)用に調整された希土類ドープファイバ光増幅器における不要な発振動作を防ぎ、安定した光増幅を行なうことができる。
【0251】
なお、励起光源63が0.98μmの励起光を生じる場合は、分散補償ファイバ62はラマン増幅を行なわず、従って、分散補償ファイバ62の損失補償は行なわれない。
また、分散補償ファイバ等の光ファイバには、レイリー後方散乱に起因する反射が存在する。この反射の反射率は光ファイバの長さに依存し、光ファイバの長さが長くなるとこの反射の反射率も大きくなる。
【0252】
従って、上述したような分散補償ファイバの損失による反射率の低減効果よりも、分散補償ファイバ自身のレイリー後方散乱による反射率の影響が大きい場合には、分散補償ファイバに光アイソレータを付加することが考えられる。
例えば図55においては、この光アイソレータをエルビウムドープファイバ61と分散補償ファイバ62との間に設けることができ、このようにすれば、レイリー後方散乱による反射率の影響が現れる場合に、常に反射率を低減させることができる。
【0253】
さらに、この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
また、励起光源63は、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されてもよく、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されてもよく、変調を施された励起光を発生するように構成されてもよい。
【0254】
(17−1)第16参考形態の第1変形例の説明
図56は第16参考形態の第1変形例を示すブロック図で、この図56に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ115−1,光分波合波器114−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ増幅部)111,シリカ系光ファイバ112(光ファイバ減衰部),アイソレータ115−3が配設されている。そして、光分波合波器114−1に、励起光源113−1が接続されている。
【0255】
また、励起光源113−1は、例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を出力するものであり、光分波合波器114−1としては、例えば融着型のものが使用されている。
前述の第16参考形態において説明したように、利得が高い希土類ドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に不要な発振が生じることがあり、このように不要な発振が生じた場合には、希土類ドープファイバ光増幅器は不安定に動作する。
【0256】
そこで、図56に示す光ファイバ増幅器においても、図55に示す光ファイバ増幅器における場合と同様に、この希土類ドープファイバ光増幅器としてのエルビウムドープファイバ111の後段に、損失媒体としてのシリカ系光ファイバ112を設けることにより、エルビウムドープファイバ111の不安定動作を抑制するようになっている。なお、図56においても、R1,R2,RAは反射率,Aは境界を示す。
【0257】
前述した第16参考形態と同様に、図56に示す光ファイバ増幅器でも、シリカ系光ファイバ112をエルビウムドープファイバ111の後段に設けて、このシリカ系光ファイバ112を、エルビウムドープファイバ111からの残留励起光を用いて励起することにより、このシリカ系光ファイバ112の損失補償(エルビウムドープファイバ111の利得のくぼみの平坦化やエルビウムドープファイバ111の利得の減少の補填補償を含む)を行なうと同時に、残った損失分によって、エルビウムドープファイバ111の不安定動作を抑制するようになっている。
【0258】
このような構成により、この図56に示す光ファイバ増幅器では、励起光源113−1からの励起光は、光分波合波器114−1からエルビウムドープファイバ111の一端へ信号光とともに入射される。これにより、エルビウムドープファイ111で信号光の増幅が行なわれる。
また、このとき生じる残留励起光を用いて、シリカ系光ファイバ112を励起させることにより、分散補償ファイバと同様にラマン増幅を行ない、このラマン増幅により、シリカ系光ファイバ112の損失補償を行なう。
【0259】
このように、図56に示す光ファイバ増幅器において、1.47μm帯域の励起光源113−1を用いることにより、エルビウムドープファイバ111及びシリカ系光ファイバ112のいずれをも励起することができ、これにより、光ファイバ増幅器の簡素化及び励起光パワーの効率化を図ることができる。
また、この光ファイバ増幅器では、シリカ系光ファイバ112の損失分によって、エルビウムドープファイバ111により生じた不要な発振を除去することも同時に行なわれており、これにより、波長多重(WDM)用に調整された希土類ドープファイバ光増幅器における不要な発振動作を防ぎ、安定した光増幅を行なうことができる。
【0260】
なお、励起光源113−1が0.98μmの励起光を生じる場合は、シリカ系光ファイバ112はラマン増幅を行なわず、従って、シリカ系光ファイバ112の損失補償は行なわれない。
また、シリカ系光ファイバ等の光ファイバには、レイリー後方散乱に起因する反射が存在する。この反射の反射率は光ファイバの長さに依存し、光ファイバの長さが長くなるとこの反射の反射率も大きくなる。
【0261】
従って、上述したようなシリカ系光ファイバの損失による反射率の低減効果よりも、シリカ系光ファイバ自身のレイリー後方散乱による反射率の影響が大きい場合には、シリカ系光ファイバに光アイソレータを付加することが考えられる。
例えば図56においては、この光アイソレータをエルビウムドープファイバ111とシリカ系光ファイバ112との間に設けることができ、このようにすれば、レイリー後方散乱による反射率の影響が現れる場合に、常に反射率を低減させることができる。
【0262】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
(17−2)第16参考形態の第2変形例の説明
図57は第16参考形態の第2変形例を示すブロック図で、この図57に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ65−1,光分波合波器64−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ増幅部として構成された前段光増幅部)61−1,分散補償ファイバ62(光ファイバ減衰部),エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ増幅部として構成された後段光増幅部)61−2,光分波合波器64−2,アイソレータ65−3が配設されている。そして、光分波合波器64−1に、励起光源63−1が接続されるとともに、光分波合波器64−2に、励起光源63−2が接続されている。
【0263】
ここで、励起光源63−1,63−2は、共に例えば1.47μm帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じるものである。
前述の第16参考形態において説明したように、利得が高い希土類ドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に不要な発振が生じることがあり、このように不要な発振が生じた場合には、希土類ドープファイバ光増幅器が不安定に動作する。
【0264】
図55に示す第16参考形態にかかる光ファイバ増幅器においては、この希土類ドープファイバ光増幅器としてのエルビウムドープファイバ61の後段に、損失媒体としての分散補償ファイバ62を設けることにより、エルビウムドープファイバ61の不安定動作を抑制するようになっている。
ところが、エルビウムドープファイバ61の利得Gが非常に大きい場合は、反射率R1,利得Gおよび反射率RAで構成されるGRパラメータが大きくなるため(エルビウムドープファイバ61の利得Gが非常に大きいため、RA≪R1,R2であるにもかかわらずこの反射率RAの影響が無視できなくなる)、その後段に分散補償ファイバ62を設けても、その損失ηの効果が現れず、エルビウムドープファイバ61の不安定動作を抑制することができないことがある。
【0265】
そこで、このような場合でもエルビウムドープファイバ61の不安定動作を抑制するために、このエルビウムドープファイバ61を分割して前後段のエルビウムドープファイバとして、これらの間に分散補償ファイバ62を配設したものが、図57に示す光ファイバ増幅器である。
このときの不安定動作の抑制の原理を図57を参照しながら説明する。
【0266】
図57に示すように、エルビウムドープファイバ61−1,61−2(エルビウムドープファイバ61−1,61−2の利得をそれぞれG/2とする)の間に、分散補償ファイバ62〔この分散補償ファイバ62の損失をη(0≦η≦1)とする〕を、例えば融着接続することにより配設すると、エルビウムドープファイバ61−1と分散補償ファイバ62との間に境界A′が生じ、分散補償ファイバ62とエルビウムドープファイバ61−2との間に境界B′が生じる。
【0267】
また、エルビウムドープファイバ61−1の前端での反射率をR1′,エルビウムドープファイバ61−2の後端での反射率をR2′,境界A′での反射率をRA′(RA′≪R1′,R2′),境界B′での反射率をRB′(RB′≪R1′,R2′)とする。ここで、反射率R1′はエルビウムドープファイバ61−1の前端より前段にある全ての部品からの反射の反射率であり、反射率R2′はエルビウムドープファイバ61−2の後端より後段にある全ての部品からの反射の反射率である。また、反射率RA′は境界A′での屈折率差によって生じる反射の反射率であり、反射率RB′は境界B′での屈折率差によって生じる反射の反射率である。
【0268】
このとき考えられるGRパラメータとしては、(1)反射率R1′,エルビウムドープファイバ61−1の利得G/2および反射率RA′で構成されるGRパラメータ,(2)反射率R1′,エルビウムドープファイバ61−1の利得G/2,損失ηおよび反射率RB′で構成されるGRパラメータ,(3)反射率R1′,エルビウムドープファイバ61−1の利得G/2,損失η,エルビウムドープファイバ61−2の利得G/2および反射率R2′で構成されるGRパラメータ,(4)反射率RA′,損失η,エルビウムドープファイバ61−2の利得G/2および反射率R2′で構成されるGRパラメータ,(5)反射率RB′,エルビウムドープファイバ61−2の利得G/2および反射率R2′で構成されるGRパラメータがある。
【0269】
ここで、(1)についてみると、図55に示すエルビウムドープファイバ61ではその利得がGであるためGR=G(R1RA)1/2 であるのに対して、図57に示すエルビウムドープファイバ61−1ではその利得はG/2と図55に示すエルビウムドープファイバ61の利得Gの半分になっているため、GR=(G/2)(R1RA)1/2 となり(RA′=RA)、図55に示すエルビウムドープファイバ61のGRの半分となる。
【0270】
(2)についてみてみると、エルビウムドープファイバ61−1では、その後段に損失η(0≦η≦1)があるため、第16参考形態の場合と同様に、光が一巡するときの正味の利得は、〔R1′×(G/2)×η〕×〔RB′×η×(G/2)〕=〔(G/2)η〕2 R1′RB′となるため、片道での正味の利得は、(G/2)η(R1′RB′)1/2 となる。ここで、0≦η≦1であり、RB′=RBであるため、等価的にGRが小さくなる。また、RA′≒RB′であるため、(1)の場合よりも更にGRパラメータが小さくなり、このときのGRは無視することができる。
【0271】
(3)についてみてみると、エルビウムドープファイバ61−1,61−2の間に損失η(0≦η≦1)があるため、第16参考形態の場合と同様に、光が一巡するときの正味の利得は、〔R1′×(G/2)×η〕×〔R2′×η×(G/2)〕=〔(G/2)η〕2 R1′R2′となるため、片道での正味の利得は、(G/2)η(R1′R2′)1/2 =〔(G/2)η〕Rとなり、エルビウムドープファイバ61−1,61−2の動作の安定度を示すパラメータは、(G/2)Rから〔(G/2)η〕Rとなる。なお、RA′≪R1′,R2′且つ、RB′≪R1′,R2′であるため、反射率RA′および反射率RB′の影響は無視することができるものとする。ここで、0≦η≦1であるため、等価的にGRが小さくなる。
【0272】
なお、(4),(5)については、それぞれ(2),(1)についての場合と同様である。
従って、図55に示すエルビウムドープファイバ61の利得Gが非常に大きい場合においては、R1,G,RAのGRパラメータが大きいため、エルビウムドープファイバ61が不安定に動作するのであるが、エルビウムドープファイバ61を分割して、図57に示すような前後段のエルビウムドープファイバ61−1,61−2として、これらの間に損失媒体としての分散補償ファイバ62を配設することにより、(1)および(5)についてGRパラメータを小さくすることができ、これによりエルビウムドープファイバ61−1,61−2の不安定動作を抑制することができる。
【0273】
このため、図57に示す光ファイバ増幅器では、エルビウムドープファイバ61−1,61−2の間に分散補償ファイバ62を配設して、この分散補償ファイバ62を、エルビウムドープファイバ61−1,61−2からの残留励起光を用いて励起することにより、この分散補償ファイバ62の損失補償(エルビウムドープファイバ61−1,61−2の利得のくぼみの平坦化やエルビウムドープファイバ61−1,61−2の利得の減少の補填補償を含む)を行なうと同時に、残った損失分によって、エルビウムドープファイバ61−1,61−2の不安定動作を抑制するようになっている。
【0274】
このような構成により、この図57に示す光ファイバ増幅器では、励起光および信号光を光分波合波器64−1によりエルビウムドープファイバ61−1の入力端から入射して、エルビウムドープファイバ61−1を励起させ、信号光を増幅させるが、このとき、エルビウムドープファイバ61−1の他端へは残留励起光が到達する。この残留励起光を分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0275】
また、励起光を光分波合波器64−2によりエルビウムドープファイバ61−2の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ61−2を励起させ、エルビウムドープファイバ61−2の入力端から入力された信号光を増幅させることも行なわれるが、このとき、エルビウムドープファイバ61−2の入力端へはやはり残留励起光が到達する。この残留励起光も分散補償ファイバ62へ供給して、ラマン増幅を生じさせる。
【0276】
この場合は、分散補償ファイバ62は前後のエルビウムドープファイバ61−1,61−2からの残留励起光を用いてラマン増幅させているので、分散補償ファイバ62による補償効果を大きくすることができ、構造の簡素化及びコストの低廉化をはかりながら、広帯域光増幅器を実現することができる。
また、この光ファイバ増幅器では、分散補償ファイバ62の損失分によって、エルビウムドープファイバ61−1,61−2により生じた不要な発振を除去することも同時に行なわれており、これにより、波長多重(WDM)用に調整された希土類ドープファイバ光増幅器における不要な発振動作を防ぎ、ノイズの少ない状態で安定した光増幅を行なうことができる。
【0277】
なお、励起光源63−1,63−2が0.98μmの励起光を生じる場合は、分散補償ファイバ62はラマン増幅を行なわず、従って、分散補償ファイバ62の損失補償は行なわれない。
また、分散補償ファイバ等の光ファイバには、レイリー後方散乱に起因する反射が存在する。この反射の反射率は光ファイバの長さに依存し、光ファイバの長さが長くなるとこの反射の反射率も大きくなる。
【0278】
従って、上述したような分散補償ファイバの損失による反射率の低減効果よりも、分散補償ファイバ自身のレイリー後方散乱による反射率の影響が大きい場合には、分散補償ファイバに光アイソレータを付加することが考えられる。
例えば図57においては、この光アイソレータをエルビウムドープファイバ61−1と分散補償ファイバ62との間に設けることができ、このようにすれば、レイリー後方散乱による反射率の影響が現れる場合に、常に反射率を低減させることができる。
【0279】
さらに、この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することもできる。
また、分散補償ファイバ62用の励起光源及び光分波合波器を設けることもできる。即ち、図12と同様の要領で、励起光源133−1〜133−3及び光分波合波器134−1〜134−3用いて光ファイバ増幅器を構成するようにしてもよい。
【0280】
さらに、分散補償ファイバ62のかわりに、シリカ系光ファイバを用いてもよい。
(17−3)第16参考形態の第3変形例の説明
図58は第16参考形態の第3変形例を示すブロック図で、この図58に示す光ファイバ増幅器は、入力側から順に、アイソレータ125−1,光分波合波器124−1,エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ増幅部として構成された前段光増幅部)121−1,シリカ系光ファイバ122(光ファイバ減衰部),エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ増幅部として構成された後段光増部)121−2,光分波合波器124−3,アイソレータ125−3が配設されている。そして、光分波合波器124−1,124−3に、例えば1.47μ帯域(1.45〜1.49μm)の励起光を生じる励起光源123−1,123−3が接続されている。
【0281】
前述の第16参考形態において説明したように、利得が高い希土類ドープファイバ光増幅器では、光増幅を行なう際に不要な発振が生じることがあり、このように不要な発振が生じた場合には、希土類ドープファイバ光増幅器が不安定に動作する。
図56に示す光ファイバ増幅器においては、この希土類ドープファイバ光増幅器としてのエルビウムドープファイバ111の後段に、損失媒体としてのシリカ系光ファイバ122を設けることにより、エルビウムドープファイバ111の不安定動作を抑制するようになっている。
【0282】
ところが、エルビウムドープファイバ111の利得Gが非常に大きい場合は、図55に示す光ファイバ増幅器の場合と同様にGRパラメータが大きくなるため、その後段にシリカ系光ファイバ122を設けても、その損失ηの効果が現れず、エルビウムドープファイバ111の不安定動作を抑制することができない。
そこで、このような場合でもエルビウムドープファイバ111の不安定動作を抑制するために、このエルビウムドープファイバ111を分割して前後段のエルビウムドープファイバとして、これらの間にシリカ系光ファイバ122を配設したものが、図58に示す光ファイバ増幅器である。なお、このときの不安定動作の抑制の原理は、第16参考形態の第2変形例で説明したものと同様であり、図58においても、R1′,R2′,RA′,RB′は反射率,A′,B′は境界を示す。
【0283】
このため、図58に示す光ファイバ増幅器では、シリカ系光ファイバ122を中段に設けて、このシリカ系光ファイバ122を、エルビウムドープファイバ121−1,121−2からの残留励起光を用いて励起することにより、このシリカ系光ファイバ122の損失補償(エルビウムドープファイバ121−1,121−2の利得のくぼみの平坦化やエルビウムドープファイバ121−1,121−2の利得の減少の補填補償を含む)を行なうと同時に、残った損失分によって、エルビウムドープファイバ121−1,121−2の不安定動作を抑制するようになっている。
【0284】
このような構成により、この図58に示す光ファイバ増幅器では、励起光および信号光を光分波合波器124−1によりエルビウムドープファイバ121−1の一端から入射して、エルビウムドープファイバ121−1を励起させ、信号光を増幅させるとともに、このとき生じる残留励起光により、シリカ系光ファイバ122を励起させ、分散補償ファイバと同様に、ラマン増幅させる。
【0285】
さらに、励起光を光分波合波器124−3によりエルビウムドープファイバ121−2の出力端から入射して、エルビウムドープファイバ121−2を励起させ、エルビウムドープファイバ121−2の入力端から入力された信号光を増幅させるとともに、このとき生じる残留励起光により、シリカ系光ファイバ122を励起させ、ラマン増幅させる。
【0286】
このように、図58に示す光ファイバ増幅器において、1.47μm帯の励起光源123−1,123−3を用いることにより、エルビウムドープファイバ121−1,121−2及びシリカ系光ファイバ122のいずれをも励起することができ、これにより、図12に示す光ファイバ増幅器における励起光源123−2を削減することができ、光ファイバ増幅器の簡素化及び励起光パワーの効率化を図ることができる。
【0287】
また、この光ファイバ増幅器では、シリカ系光ファイバ122の損失分によって、エルビウムドープファイバ121−1,121−2により生じた不要な発振を除去することも同時に行なわれており、これにより、波長多重(WDM)用に調整された希土類ドープファイバ光増幅器における不要な発振動作を防ぎ、ノイズの少ない状態で安定した光増幅を行なうことができる。
【0288】
なお、励起光源123−1,123−3が0.98μmの励起光を生じる場合は、シリカ系光ファイバ122はラマン増幅を行なわず、従って、シリカ系光ファイバ122の損失補償は行なわれない。
また、シリカ系光ファイバ等の光ファイバには、レイリー後方散乱に起因する反射が存在する。この反射の反射率は光ファイバの長さに依存し、光ファイバの長さが長くなるとこの反射の反射率も大きくなる。
【0289】
従って、上述したようなシリカ系光ファイバの損失による反射率の低減効果よりも、シリカ系光ファイバ自身のレイリー後方散乱による反射率の影響が大きい場合には、シリカ系光ファイバに光アイソレータを付加することが考えられる。
例えば図58においては、この光アイソレータをエルビウムドープファイバ121−1とシリカ系光ファイバ122との間に設けることができ、このようにすれば、レイリー後方散乱による反射率の影響が現れる場合に、常に反射率を低減させることができる。
【0290】
この場合も、入力部あるいは入出力部に、アイソレータを設ける代わりに、図18や図30に示すように、入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光がこの光サーキュレータを通じて出力されるように構成することができる。
さらに、シリカ系光ファイバ122とエルビウムドープファイバ121−2との間にアイソレータを設けるようにしてもよい。
【0291】
また、シリカ系光ファイバ122用の励起光源及び光分波合波器を設けることもできる。即ち、図12と同様の要領で、励起光源123−1〜123−3及び光分波合波器124−1〜124−3を用いて光ファイバ増幅器を構成するようにしてもよい。
さらに、シリカ系光ファイバ122のかわりに、分散補償ファイバを用いてもよい。
【0292】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光ファイバ増幅器では、前後2段の希土類ドープファイバをそなえた光増幅器において、3ポート以上有する光サーキュレータを用いて、まず、励起光をこの光サーキュレータを通したのち、第1光カプラにより、前段もしくは後段の希土類ドープファイバの一端から入射させて他端に到達した残留励起光を、第2光カプラで分離して、かつ、その励起光を反射鏡で反射して、この希土類ドープファイバ内を往復させた後に、光サーキュレータで光路を変えて、第3の光カプラでもう一方の希土類ドープファイバに励起光を合波するように構成されているので、励起光パワーを高効率に利用した2段構成の光ファイバ増幅器を提供しうる利点がある(請求項1,2)。
【0293】
また、光ファイバ増幅器の所要箇所にアイソレータを設けることもでき、このようにすれば、光の干渉を防止できる(請求項3)。
さらに、反射鏡としてファラデー回転反射鏡を用いると、励起光の偏波を意図的に回転させることができ、これにより、励起光源と第1光カプラとの間に設けられた光アイソレータを省略して構成を簡素化しながら、PHBを低減した光ファイバ増幅器を提供できる(請求項4)。
【0294】
また、入出力部に光サーキュレータを設けることもでき、このようにすれば、使用するアイソレータの数を減らして、コストの低減に寄与しうる(請求項5)。
そして、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器によれば、希土類ドープファイバ光増幅器において、第1光カプラを通して希土類ドープファイバの一端から入射させて他端に到達した残留励起光を、第2光カプラで分離して、かつ、その励起光を反射鏡で反射してこの希土類ドープファイバ内を往復させる際に、希土類ドープファイバ内へ戻された残留励起光による干渉によって励起光源が不安定動作をするのを防止すべく、励起光源と第1光カプラとの間に光アイソレータを設けるように構成されているので、励起光源の安定動作を確保しながら、励起光パワーを高効率に利用した光ファイバ増幅器を提供しうる利点がある
【0295】
さらに、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、2段構成の希土類ドープファイバ光増幅器において、励起光パワーをn:1に分岐して、その一ポートの励起光を第1光カプラで合波して、前段もしくは後段の希土類ドープファイバに入射させて、この希土類ドープファイバの他端に接続した第2光カプラで残留励起パワーを取り出し、この残留励起パワーを第3光カプラで合波して、もう一方の希土類ドープファイバの一端から入射させて、かつ、分岐された他のポートの励起パワーを第4光カプラで他方の希土類ドープファイバの他端から合波するように構成されているので、励起光パワーを高効率に利用した2段構成の光ファイバ増幅器を提供しうる利点がある。
【0296】
また、両希土類ドープファイバに共通の励起光源を設けることもでき、このようにすれば、使用する励起光源の数を減らして構成の簡素化およびコストの低廉化に寄与しうる。
さらに、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、希土類ドープファイバ光増幅器において、3ポート以上を有する光サーキュレータを用いて、まず、励起光をこの光サーキュレータを通したのち、第1光カプラにより、希土類ドープファイバの一端から入射させて他端に到達した残留励起光を、第2光カプラで分離して、かつ、その励起光を反射鏡で反射して、希土類ドープファイバ内を往復させた後に、第1光カプラで分離された残留励起光パワーを、光サーキュレータによって光路を変えて取り出し、モニタしてこの残留励起光パワーを一定に保つので、利得の波長特性を入力レベルの変化に対して変動しないようにでき、多波長一括型増幅器の実現におおいに寄与しうる利点がある。
【0297】
また、反射鏡としてファラデー回転反射鏡を用いると、励起光の偏波を意図的に回転させることができ、これにより、励起光源と第1光カプラとの間に設けられた光アイソレータを省略して構成を簡素化しながら、PHBを低減した光ファイバ増幅器を提供できる。
さらに、入出力部に光サーキュレータを設けることもでき、このようにすれば、使用するアイソレータの数を減らして、コストの低減に寄与しうる。
【0298】
また、光ファイバ増幅器の所要箇所にアイソレータを設けることもでき、このようにすれば、光の干渉を防止できる。
また、光ファイバ増幅器が、希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部(ラマン光増幅部は、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバで構成される。以下同じ)とが、縦列的に配設されて構成されることにより、励起光パワーを高効率に利用した2段構成の光ファイバ増幅器を提供しうる利点がある。
【0299】
さらに、これらの希土類ドープファイバ光増幅部及びラマン光増幅部を励起するための励起光を供給する共通の励起光源が設けられることにより、励起光パワーを高効率に利用することができるとともに、使用する励起光源の数を減らして構成の簡素化およびコストの低廉化に寄与しうる。
また、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器によれば、前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ(エルビウムドープファイバは、低雑音指数を有してもよい。以下同じ)及び分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバをそなえ、エルビウムドープファイバのための第1の波長帯域の励起光を生じる第1励起光源と、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバのための第2の波長帯域の励起光を生じる第2励起光源とをそなえ、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバを第2励起光源からの第2の波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるように構成しているので、エルビウムドープファイバによる光増幅を行ないながら、ラマン増幅による分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバの損失補償を行なうことができる。
【0300】
さらに、希土類ドープファイバがエルビウムドープファイバで構成されるとともに、第1励起光源で生じる励起光の波長帯域が0.98μm帯域であり、第2励起光源で生じる励起光の波長帯域が1.47μm帯域であることにより、より効果的にエルビウムドープファイバによる光増幅を行ないながら、ラマン増幅による分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバの損失補償を行なうことができる。
【0301】
また、希土類ドープファイバ及び分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバに共通の励起光源を設けることもでき、このようにすれば、使用する励起光源の数を減らして構成の簡素化およびコストの低廉化に寄与しうる。
さらに、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、エルビウムドープファイバを1.47μm帯域で励起する際に生じる残留励起パワーを利用して、分散補償ファイバをラマン増幅したり、分散補償ファイバを1.47μm帯で励起する際に生じる残留励起パワーを利用して、エルビウムドープファイバを励起したするように構成しているので、分散補償ファイバの損失を低減することができる。更には、分散補償ファイバを〜1.44μmあるいは1.47μm帯でラマン増幅させることにより、エルビウムドープファイバの増幅帯域を補い、更により広帯域化もしくは平坦化を推進できる利点がある。
【0302】
また、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、分散補償ファイバに希土類元素をドープしたものを使用することにより、分散補償を行なうと同時に、分散補償ファイバの損失を低減するほか、信号光を十分に光増幅しうる分散補償機能付き光ファイバ増幅器を提供しうる利点がある。
さらに、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、1.47μm帯の励起光が分散補償ファイバに入力されるのを阻止する光フィルタを設けているので、1.47μm帯の漏れ励起光パワーが分散補償ファイバをラマン増幅することにより、光ファイバ増幅器に不安定動作もしくは増幅帯域の波長依存性を変化させないようにすることができる。
【0303】
また、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、低雑音指数を有する第1エルビウムドープファイバを前段に、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバを中段に、第2エルビウムドープファイバを後段にそれぞれそなえているので、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバは、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバの前後に位置する第1及び第2エルビウムドープファイバからの残留励起光を用いてラマン増幅させているので、分散補償ファイバ又はシリカ系光ファイバによる補償効果を大きくすることができ、構造の簡素化及びコストの低廉化をはかりながら、広帯域光増幅器を実現することができる。
【0304】
さらに、ラマン増幅部を励起するための励起光源を、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成することもでき、このようにすれば、分散補償ファイバで効果的にラマン増幅を生じさせて、このラマン増幅により、分散補償ファイバの損失補償を行なうことができる。
【0305】
また、ラマン増幅部を励起するための励起光源を、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成してもよく、このようにすれば、分散補償ファイバからなるラマン光増幅器における偏光依存性を低減することができる。
さらに、ラマン増幅部を励起するための励起光源からの光に変調を施してスペクトルを数百kHz以上に広げた励起光を発生するように構成してもよく、このようにすれば、誘導ブリルアン散乱のしきい値を高め、有害な非線型効果を抑制しながら、分散補償ファイバで効果的にラマン増幅を生じさせて、このラマン増幅により、分散補償ファイバの損失補償を行なうことができる。
【0306】
また、本発明の参考形態では、分散補償ファイバを励起してラマン増幅を生じさせるようにしたモジュールを使用して光ファイバ増幅器を構成しているので、分散補償ファイバの損失を低減できる利点がある。
そして、この場合においても、入出力部に光サーキュレータを設ければ、使用するアイソレータの数を減らして、コストの低減に寄与することができる。
【0307】
また、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、希土類ドープファイバ光増幅部の不安定動作を抑制すべく光ファイバ又は光アイソレータが付加された光ファイバからなる光ファイバ減衰部とをそなえているので、希土類ドープファイバ光増幅部の不安定動作を抑制して、精度の高い光増幅を行なうことができる。
【0308】
さらに、本発明の参考形態の光ファイバ増幅器では、希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部としてそれぞれ構成された前段光増幅部及び後段光増幅部を有する光増幅ユニットと、光増幅ユニットにおける前段光増幅部と後段光増幅部との間に配設され、光増幅ユニットの不安定動作を抑制すべく光ファイバ又は光アイソレータが付加された光ファイバからなる光ファイバ減衰部とをそなえているので、光増幅ユニットの不安定動作を抑制して、精度の高い光増幅を行なうことができる。
【0309】
また、光ファイバ減衰部が、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部を兼用するようにすれば、光ファイバ減衰部の損失補償を行なうことができる。
(18)付記
(付記1) 希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光を第1光カプラにより該希土類ドープファイバの一端から入射する第1手段と、
該第1手段で、該希土類ドープファイバの一端から励起光を入射した結果、該希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を反射手段で反射して該希土類ドープファイバ内へ戻す第2手段と、
該第2手段で、該希土類ドープファイバ内へ戻された該残留励起光により、該第1手段によって該希土類ドープファイバへ入射される励起光のための励起光源が不安定動作をするのを、光アイソレート手段を用いることにより防止する第3手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0310】
(付記2) 該反射手段がファラデー回転反射鏡として構成されていることを特徴とする付記1記載の光ファイバ増幅器。
(付記3) 希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光源と、
該励起光源からの励起光を該希土類ドープファイバの一端から入射する第1光カプラと、
該第1光カプラを通じて該希土類ドープファイバの一端から励起光を入射した結果、該希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を分離する第2光カプラと、
該第2光カプラで分離された該残留励起光を反射して再度該第2光カプラを通じて該希土類ドープファイバ内へ戻す反射鏡と、
該希土類ドープファイバ内へ戻された該残留励起光による干渉によって、該励起光源が不安定動作をするのを防止すべく、該励起光源と該第1光カプラとの間に設けられた光アイソレータとをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0311】
(付記4) 前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光を3ポート以上有する光サーキュレータを介して第1光カプラから上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバの一端から入射させる第1手段と、
該第1手段で、上記一方の希土類ドープファイバの一端から励起光を入射した結果、上記一方の希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を反射手段で反射して上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻す第2手段と、
該第2手段で、該反射手段から反射してきた該残留励起光を上記一方の希土類ドープファイバ内に戻した後に該光サーキュレータで光路を変えて第3光カプラで上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバに、該残留励起光を合波する第3手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0312】
(付記5) 前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光源と、
上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバの一端に設けられた第1光カプラと、
上記一方の希土類ドープファイバの他端に設けられた第2光カプラと、
上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバの一端に設けられた第3光カプラと、
該第2光カプラで分離された該残留励起光を反射して再度該第2光カプラを通じて上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻す反射鏡と、
上記の励起光源,第1光カプラ及び第3光カプラに接続された3ポート以上有する光サーキュレータとをそなえ、
該励起光源からの励起光を該光サーキュレータを介して該第1光カプラから上記一方の希土類ドープファイバの一端から入射させたのち、上記一方の希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を該第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を該反射鏡で反射して上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻し、更に該光サーキュレータで光路を変えて該第3光カプラで上記他方の希土類ドープファイバに該残留励起光を合波するように構成されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0313】
(付記6) 入力信号光が入力される入力ポート、該第2光カプラの出力側と該第3光カプラの入力側との間、及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータが付加されたことを特徴とする付記5記載の光ファイバ増幅器。
(付記7) 前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光パワーを光分岐部でn:1(nは1以上の実数)に分岐して、該光分岐部の一ポートの励起光を第1光カプラで合波して、上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバに入射させる第1手段と、
該第1手段で、上記一方の希土類ドープファイバの一端から励起光を入射したのち、上記一方の希土類ドープファイバの他端に接続された第2光カプラで残留励起パワーを取り出して、該残留励起パワーを第3光カプラで合波して、上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバの一端から入射させる第2手段と、
該光分岐部で分岐された該光分岐部の他のポートの励起パワーを第4光カプラで上記他方の希土類ドープファイバの他端から合波する第3手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0314】
(付記8) 前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光源と、
該励起光源からの励起光パワーをn:1(nは1以上の実数)に分岐する光分岐部と、
該光分岐部の一ポートからの励起光を合波して、上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバに入射させる第1光カプラと、
上記一方の希土類ドープファイバから取り出される残留励起パワーを取り出す第2光カプラと、
該第2光カプラで取り出された該残留励起パワーを合波して、上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバへ入射する第3光カプラと、
該光分岐部で分岐された該光分岐部の他のポートからの励起パワーを合波して上記他方の希土類ドープファイバに入射する第4光カプラとをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0315】
(付記9) 入力信号光が入力される入力ポート、該励起光源と該光分岐部との間、第2光カプラと第3光カプラの信号ポートとの間及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータが付加されたことを特徴とする付記8記載の光ファイバ増幅器。
(付記10) 希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光源と、
該励起光源に一ポートを接続された3ポート以上有する光サーキュレータと、
該励起光源から該光サーキュレータを経由してきた励起光を合波して、該希土類ドープファイバに入射する第1光カプラと、
該第1光カプラを通じて該希土類ドープファイバの一端に励起光を入射した結果、該希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を分離する第2光カプラと、
該第2光カプラで分離された該残留励起光を反射して再度該第2光カプラを通じて該希土類ドープファイバ内へ戻す反射鏡と、
該反射鏡で該希土類ドープファイバ内へ戻され該希土類ドープファイバの一端,該第1光カプラを通じて該光サーキュレータへ入力された該残留励起光を検出する残留励起光検出器と、
該残留励起光検出器で検出された該残留励起光が一定となるように該励起光源を制御する制御器とをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0316】
(付記11) 該反射鏡としてファラデー回転反射鏡が使用されていることを特徴とする付記3,5,10のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
(付記12) 入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が該光サーキュレータを通じて出力されるように構成されていることを特徴とする付記3,5,8,10のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
【0317】
(付記13) 入力信号光が入力される入力ポート及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータが付加されたことを特徴とする付記10記載の光ファイバ増幅器。
(付記14) 希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部とが、縦列的に配設されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0318】
(付記15) 希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、該希土類ドープファイバ光増幅部を励起しうる所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部とが、縦列的に配設されるとともに、
上記の希土類ドープファイバ光増幅部及びラマン光増幅部を励起するための励起光を供給する励起光源が設けられていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0319】
(付記16) 希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせる分散補償ファイバからなるラマン光増幅部とが、前後2段にわたって縦続接続されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
(付記17) 該ラマン光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、該希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されていることを特徴とする付記16記載の光ファイバ増幅器。
【0320】
(付記18) 該希土類ドープファイバ光増幅部が低雑音指数を有する光増幅部として構成され、該希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、該ラマン光増幅部が後段増幅部として配設されることを特徴とする付記16記載の光ファイバ増幅器。
(付記19) 該ラマン光増幅部を励起するための励起光源が、2つの励起光源と、これらの励起光源からの励起光について直交偏波合成する偏波合成器とで構成されていることを特徴とする付記14〜16のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
【0321】
(付記20) 該ラマン光増幅部を励起するための励起光源が、励起光源とデポラライザとを組み合わせて、励起光の無偏光化を行なうように構成されていることを特徴とする付記14〜16のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
(付記21) 該ラマン光増幅部を励起するための励起光源が、変調を施された励起光を発生するように構成されていることを特徴とする付記14〜16のいずれかに記載の光ファイバ増幅器。
【0322】
(付記22) 前後2段にわたり配設された希土類ドープファイバ及び分散補償ファイバをそなえ、
該希土類ドープファイバのための第1の波長帯域の励起光を生じる第1励起光源と、
該第1励起光源からの励起光を該希土類ドープファイバへ入射する第1光カプラと、
該分散補償ファイバのための第2の波長帯域の励起光を生じる第2励起光源と、
該第2励起光源からの励起光を該分散補償ファイバへ入射する第2光カプラとをそなえ、
該分散補償ファイバを該第2励起光源からの該第2の波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0323】
(付記23) 該希土類ドープファイバがエルビウムドープファイバで構成されるとともに、該第1励起光源で生じる励起光の波長帯域が0.98μm帯域であり、該第2励起光源で生じる励起光の波長帯域が1.47μm帯域であることを特徴とする付記22記載の光ファイバ増幅器。
(付記24) 前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ及び分散補償ファイバをそなえ、
励起光を生じる励起光源と、
該励起光源からの励起光を該エルビウムドープファイバへ入射する光カプラをそなえ、
該分散補償ファイバを該エルビウムドープファイバからの残留励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0324】
(付記25) 前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ及び分散補償ファイバをそなえ、
励起光を生じる励起光源と、
該励起光源からの励起光を該分散補償ファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該エルビウムドープファイバを該分散補償ファイバからの残留励起光で励起させるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0325】
(付記26) 希土類元素をドープされた分散補償ファイバと、
該希土類元素をドープされた分散補償ファイバのための励起光を生じる励起光源と、
該励起光源からの励起光を該希土類元素をドープされた分散補償ファイバへ入射する光カプラとをそなえたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0326】
(付記27) 前後2段にわたり配設されたエルビウムドープファイバ及び分散補償ファイバをそなえ、
該エルビウムドープファイバのための励起光を生じる励起光源と、
該励起光源からの励起光を該エルビウムドープファイバへ入射する光カプラと、
該エルビウムドープファイバと該分散補償ファイバとの間に介装されて、該エルビウムドープファイバから出てくる残留励起光を遮断する光フィルタとをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0327】
(付記28) 希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるシリカ系光ファイバからなるラマン光増幅部とが、前後2段にわたって縦続接続されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
(付記29) 該ラマン光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、該希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されていることを特徴とする付記28記載の光ファイバ増幅器。
【0328】
(付記30) 該希土類ドープファイバ光増幅部が低雑音指数を有する光増幅部として構成されている場合において、該希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設されるとともに、該ラマン光増幅部が後段増幅部として配設されることを特徴とする付記28記載の光ファイバ増幅器。
(付記31) シリカ系光ファイバを前段側に、エルビウムドープファイバを後段側にそれぞれそなえるとともに、
該シリカ系光ファイバのための波長帯域の励起光を生じるシリカ系光ファイバ用励起光源と、
該シリカ系光ファイバ用励起光源からの励起光を該シリカ系光ファイバへ入射する光カプラと、
該エルビウムドープファイバのための波長帯域の励起光を生じるエルビウムドープファイバ用励起光源と、
該エルビウムドープファイバ用励起光源からの励起光を該エルビウムドープファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該シリカ系光ファイバを該シリカ系光ファイバ用励起光源からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0329】
(付記32) 低雑音指数を有するエルビウムドープファイバを前段側に、シリカ系光ファイバを後段側にそれぞれそなえるとともに、
該シリカ系光ファイバのための波長帯域の励起光を生じるシリカ系光ファイバ用励起光源と、
該シリカ系光ファイバ用励起光源からの励起光を該シリカ系光ファイバへ入射する光カプラと、
該エルビウムドープファイバのための波長帯域の励起光を生じるエルビウムドープファイバ用励起光源と、
該エルビウムドープファイバ用励起光源からの励起光を該エルビウムドープファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該シリカ系光ファイバを該シリカ系光ファイバ用励起光源からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0330】
(付記33) 励起光を生じる励起光源が設けられ、該励起光源が、上記のシリカ系光ファイバ用励起光源及びエルビウムドープファイバ用励起光源を兼用していることを特徴とする付記31又は付記32に記載の光ファイバ増幅器。
(付記34) 希土類ドープファイバからなり低雑音指数を有する希土類ドープファイバ光増幅部が前段増幅部として配設され、
所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部が中段増幅部として配設され、
希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部が後段増幅部として配設されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0331】
(付記35) 該ラマン光増幅部が分散補償ファイバからなる光増幅部として構成されていることを特徴とする、付記34記載の光ファイバ増幅器。
(付記36) 該ラマン光増幅部がシリカ系光ファイバからなる光増幅部として構成されていることを特徴とする、付記34記載の光ファイバ増幅器。
(付記37) 低雑音指数を有する第1エルビウムドープファイバを前段に、分散補償ファイバを中段に、第2エルビウムドープファイバを後段にそれぞれそなえるとともに、
該第1エルビウムドープファイバのための波長帯域の励起光を生じる第1エルビウムドープファイバ用励起光源と、
該第1エルビウムドープファイバ用励起光源からの励起光を該第1エルビウムドープファイバへ入射する光カプラと、
該分散補償ファイバのための波長帯域の励起光を生じる分散補償ファイバ用励起光源と、
該分散補償ファイバ用励起光源からの励起光を該分散補償ファイバへ入射する光カプラと、
該第2エルビウムドープファイバのための波長帯域の励起光を生じる第2エルビウムドープファイバ用励起光源と、
該第2エルビウムドープファイバ用励起光源からの励起光を該第2エルビウムドープファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該分散補償ファイバを該分散補償ファイバ用励起光源からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0332】
(付記38) 低雑音指数を有する第1エルビウムドープファイバを前段に、シリカ系光ファイバを中段に、第2エルビウムドープファイバを後段にそれぞれそなえるとともに、
該第1エルビウムドープファイバのための波長帯域の励起光を生じる第1エルビウムドープファイバ用励起光源と、
該第1エルビウムドープファイバ用励起光源からの励起光を該第1エルビウムドープファイバへ入射する光カプラと、
該シリカ系光ファイバのための波長帯域の励起光を生じるシリカ系光ファイバ用励起光源と、
該シリカ系光ファイバ用励起光源からの励起光を該シリカ系光ファイバへ入射する光カプラと、
該第2エルビウムドープファイバのための波長帯域の励起光を生じる第2エルビウムドープファイバ用励起光源と、
該第2エルビウムドープファイバ用励起光源からの励起光を該第2エルビウムドープファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該シリカ系光ファイバを該シリカ系光ファイバ用励起光源からの波長帯域の励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0333】
(付記39) 分散補償ファイバと、該分散補償ファイバを励起してラマン増幅を生じさせる励起光源とを有することを特徴とする、光ファイバ増幅器用分散補償ファイバモジュール。
(付記40) 分散補償ファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光源と、
該励起光源からの励起光を該分散補償ファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該分散補償ファイバを該励起光源からの励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0334】
(付記41) 入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が該光サーキュレータを通じて出力されるように構成されていることを特徴とする付記40記載の光ファイバ増幅器。
(付記42) 入力信号光が入力される入力ポート又は出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータが付加されたことを特徴とする付記40記載の光ファイバ増幅器。
【0335】
(付記43) シリカ系光ファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
励起光源と、
該励起光源からの励起光を該シリカ系光ファイバへ入射する光カプラとをそなえ、
該シリカ系光ファイバを該励起光源からの励起光で励起してラマン増幅を生じさせるようにしたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0336】
(付記44) 入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が該光サーキュレータを通じて出力されるように構成されていることを特徴とする付記43記載の光ファイバ増幅器。
(付記45) 希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部と、
該希土類ドープファイバ光増幅部の不安定動作を抑制すべく光ファイバ又は光アイソレータが付加された光ファイバからなる光ファイバ減衰部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0337】
(付記46) 希土類ドープファイバからなる希土類ドープファイバ光増幅部としてそれぞれ構成された前段光増幅部及び後段光増幅部を有する光増幅ユニットと、
該光増幅ユニットにおける前段光増幅部と後段光増幅部との間に配設され、該光増幅ユニットの不安定動作を抑制すべく光ファイバ又は光アイソレータが付加された光ファイバからなる光ファイバ減衰部とをそなえて構成されたことを特徴とする、光ファイバ増幅器。
【0338】
(付記47) 該光ファイバ減衰部が、所望の励起光で励起されることによりラマン増幅を生じさせるラマン光増幅部を兼用していることを特徴とする付記45又は付記46に記載の光ファイバ増幅器。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の態様を示す原理ブロック図である。
【図2】 第2の態様を示す原理ブロック図である。
【図3】 第3の態様を示す原理ブロック図である。
【図4】 第4の態様を示す原理ブロック図である。
【図5】 第5の態様を示す原理ブロック図である。
【図6】 第6の態様を示す原理ブロック図である。
【図7】 第7の態様を示す原理ブロック図である。
【図8】 第8の態様を示す原理ブロック図である。
【図9】 第9の態様を示す原理ブロック図である。
【図10】 (a)は第10の態様を示す原理ブロック図であり、(b)は第11の態様を示す原理ブロック図である。
【図11】 第12の態様を示す原理ブロック図である。
【図12】 第13の態様を示す原理ブロック図である。
【図13】 (a)は第14の態様を示す原理ブロック図であり、(b)は第15の態様を示す原理ブロック図である。
【図14】 第16の態様を示す原理ブロック図である。
【図15】 第17の態様を示す原理ブロック図である。
【図16】 本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【図17】 本発明の第1実施形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図18】 本発明の第1実施形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図19】 本発明の第1実施形態の第3変形例を示すブロック図である。
【図20】 本発明の第1実施形態の第4変形例を示すブロック図である。
【図21】 光出力一定制御系を示す電気回路図である。
【図22】 光出力一定制御系の作用を説明する図である。
【図23】 本発明の第1参考形態を示すブロック図である。
【図24】 第1参考形態の変形例を示すブロック図である。
【図25】 本発明の第2参考形態を示すブロック図である。
【図26】 本発明の第3参考形態を示すブロック図である。
【図27】 本発明の第4参考形態を示すブロック図である。
【図28】 励起光出力一定制御系を示す電気回路図である。
【図29】 励起光出力一定制御系の作用を説明する図である。
【図30】 第4参考形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図31】 第4参考形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図32】 本発明の第5参考形態を示すブロック図である。
【図33】 第5参考形態の変形例を示すブロック図である。
【図34】 本発明の第6参考形態を示すブロック図である。
【図35】 本発明の第7参考形態を示すブロック図である。
【図36】 第7参考形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図37】 第7参考形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図38】 本発明の第8参考形態を示すブロック図である。
【図39】 本発明の第9参考形態を示すブロック図である。
【図40】 本発明の第10参考形態を示すブロック図である。
【図41】 本発明の第11参考形態を示すブロック図である。
【図42】 本発明の第12参考形態を示すブロック図である。
【図43】 本発明の第13参考形態を示すブロック図である。
【図44】 第13参考形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図45】 第13参考形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図46】 光ファイバ増幅器の波長特性を説明する図である。
【図47】 光ファイバ増幅器の波長特性を説明する図である。
【図48】 本発明の第14参考形態を示すブロック図である。
【図49】 第14参考形態の変形例を示すブロック図である。
【図50】 本発明の第15参考形態を示すブロック図である。
【図51】 第15参考形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図52】 第15参考形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図53】 (a),(b)はそれぞれ光サーキュレータの構成を示す図である。
【図54】 (a),(b)はそれぞれアイソレータの構成を示す図である。
【図55】 本発明の第16参考形態を示すブロック図である。
【図56】 第16参考形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図57】 第16参考形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図58】 第16参考形態の第3変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1−1,1−2 エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)
2,2−1,2−2 励起光源
3−1〜3−5 光分波合波器(光カプラ)
4 反射鏡(反射手段)
5,5−1〜5−4 アイソレータ(光アイソレータ)
11−1,11−2 エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)
12,12−1,12−2 励起光源
13−1〜13−4,13−1′,13−2′ 光分波合波器(光カプラ)
13−5 カプラ
14 反射鏡
15,15−2 光サーキュレータ
16−1〜16−3 アイソレータ
17,17−2 フィルタ
18 出力光検出器
18A フォトダイオード
19 光出力一定制御器
19A 差動増幅器
21−1,21−2 エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)
22 励起光源
23 光分岐部
24−1〜24−4,24−1′〜24−4′ 光分波合波器(光カプラ)
25−1〜25−4 アイソレータ
26 光フィルタ
31,31−1,31−2 エルビウムドープファイバ(希土類ドープファイバ)
32 励起光源
33,33′ 光サーキュレータ
34−1,34−2,34−1′,34−2′,34−1′′,34−2′′ 光分波合波器(光カプラ)
35,35′,35′′ 反射鏡
36 残留励起光検出器
36A フォトダイオード
37 制御器
37A 差動増幅器
38 光サーキュレータ
39−1〜39−3 アイソレータ
40 光フィルタ
51 エルビウムドープファイバ
52 分散補償ファイバ
53−1,53−2,53−2A,53−2B,53−2′,53−2A′,53−2′′,53−2A′′,53−2B′′ 励起光源
53−2B′ デポラライザ
53−2C,53−2C′,53−2C′′ 偏波合成器
53−2D′′ 変調器
53−2E′ 偏波保持カプラ
54−1,54−2 光分波合波器(光カプラ)
55−1〜55−3 アイソレータ
61,61−1,61−2 エルビウムドープファイバ
62 分散補償ファイバ
63,63−1,63−2 励起光源
64,64−1〜64−5 光分波合波器(光カプラ)
65−1〜65−4 アイソレータ
66 光フィルタ
71 エルビウムドープファイバ
72 分散補償ファイバ
73 励起光源
74 光分波合波器(光カプラ)
75−1,75−2 アイソレータ
81 希土類ドープ分散補償ファイバ
82 励起光源
83 光分波合波器(光カプラ)
84−1,84−2 アイソレータ
91 エルビウムドープファイバ
92 分散補償ファイバ
93 励起光源
94 光分波合波器(光カプラ)
95 光フィルタ
96−1,96−2 アイソレータ
101 シリカ系光ファイバ
102 エルビウムドープファイバ
103−1,103−2 励起光源
104−1,104−2 光分波合波器(光カプラ)
111 エルビウムドープファイバ
112 シリカ系光ファイバ
113−1,113−2,113−2A,113−2B,113−2′,113−2A′,113−2′′,113−2A′′,113−2B′′ 励起光源
113−2B′ デポラライザ
113−2C,113−2C′,113−2C′′ 偏波合成器
113−2D′′ 変調器
113−2E′ 偏波保持カプラ
114−1,114−2 光分波合波器(光カプラ)
115−1〜115−3 アイソレータ
121−1,121−2 エルビウムドープファイバ
122 シリカ系光ファイバ
123−1〜123−3,123−1′,123−1A′,123−1B′,123−3′,123−3A′,123−3B′ 励起光源
123−1C′,123−3C′ 偏波合成器
124−1〜124−3 光分波合波器(光カプラ)
125−1〜125−3 アイソレータ
126 光フィルタ
131−1,131−2 エルビウムドープファイバ
132 分散補償ファイバ
133−1〜133−3 励起光源
134−1〜134−3 光分波合波器(光カプラ)
141 分散補償ファイバ
142,142A,142B 励起光源
142C 偏波合成器
143 光分波合波器(光カプラ)
144,144−1,144−2 アイソレータ
151 シリカ系光ファイバ
152 励起光源
153 光分波合波器(光カプラ)
154 希土類ドープファイバ光増幅部
155 光ファイバ減衰部
156−1 前段光増幅部
156−2 後段光増幅部
157 光ファイバ減衰部

Claims (5)

  1. 前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
    励起光を3ポート以上有する光サーキュレータを介して第1光カプラから上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバの一端から入射させる第1手段と、
    該第1手段で、上記一方の希土類ドープファイバの一端から励起光を入射した結果、上記一方の希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を反射手段で反射して上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻す第2手段と、
    該第2手段で、該反射手段から反射してきた該残留励起光を上記一方の希土類ドープファイバ内に戻した後に該光サーキュレータで光路を変えて第3光カプラで上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバに、該残留励起光を合波する第3手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
  2. 前後2段にわたり配設された第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバをそなえた光ファイバ増幅器において、
    励起光源と、
    上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの一方の希土類ドープファイバの一端に設けられた第1光カプラと、
    上記一方の希土類ドープファイバの他端に設けられた第2光カプラと、
    上記の第1希土類ドープファイバ及び第2希土類ドープファイバのうちの他方の希土類ドープファイバの一端に設けられた第3光カプラと、
    該第2光カプラで分離された該残留励起光を反射して再度該第2光カプラを通じて上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻す反射鏡と、
    上記の励起光源,第1光カプラ及び第3光カプラに接続された3ポート以上有する光サーキュレータとをそなえ、
    該励起光源からの励起光を該光サーキュレータを介して該第1光カプラから上記一方の希土類ドープファイバの一端から入射させたのち、上記一方の希土類ドープファイバの他端に到達した残留励起光を該第2光カプラで分離し、且つ、該残留励起光を該反射鏡で反射して上記一方の希土類ドープファイバ内へ戻し、更に該光サーキュレータで光路を変えて該第3光カプラで上記他方の希土類ドープファイバに該残留励起光を合波するように構成されていることを特徴とする、光ファイバ増幅器。
  3. 入力信号光が入力される入力ポート、該第2光カプラの出力側と該第3光カプラの入力側との間、及び出力信号光が出力される出力ポートに、それぞれアイソレータが付加されたことを特徴とする請求項2記載の光ファイバ増幅器。
  4. 該反射鏡としてファラデー回転反射鏡が使用されていることを特徴とする請求項2記載の光ファイバ増幅器。
  5. 入力信号光が光サーキュレータを通じて入力されるとともに、出力信号光が該光サーキュレータを通じて出力されるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の光ファイバ増幅器。
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