JP3858198B2 - ディスク基板の反りの調整方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、およびDVD−RW等のディスク基板の成形時における反りの調整方法に関し、特にはDVD−ROM、DVD−R、およびDVD−RW等などの高温により成形され反りの発生しやすいディスク基板の成形時における反りの調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来ディスク基板の成形時における反りを調整するものとしては、特許文献1に記載されたものが一般的に知られている。特許文献1では樹脂温度と、スタンパ装着側の金型温度と、スタンパと向かい合う側の金型温度を調整することにより、成形されるディスク基板の反りを調整している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−210901号公報(第1−3頁)
【0004】
しかしながら特許文献1のように、温調用媒体によって金型温度の調整を行う場合は、温調用媒体の流路と始端側と終端側では金型から奪われた熱によって温調用媒体の温度が異なり、金型全体の温度を均一または所望の温度とすることは困難であるという問題があった。そのため金型温度の調整だけではディスク基板の微妙な反りの調整を行うことが困難であった。そして特にDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等のディスク基板の成形では、厚さが薄い上に転写を良好にするために鏡面板の温度を高温に維持する必要があり、CD−ROM等と比較して反りの調整を行うことが困難であった。
【0005】
更にディスク基板の成形時における、ディスク基板の平坦度の安定化を行うものとしては、特許文献2に記載されたものがある。特許文献2に記載されたものは、型開前の射出圧縮最終圧を低圧に設定し、ディスク離型ムラ、プリピットの2重転写の防止やディスク基板の平坦度の安定化を行う。
【0006】
【特許文献2】
特開平7−246644号公報(第4頁、図3、図4)
【0007】
しかしながら特許文献2では型開前の射出圧縮最終圧を低圧にすることにより、射出圧縮開放時の不均一な離型を抑制し、平坦性に優れたディスク基板を得ることは記載されているものの、ディスク基板の反りとの関係には何ら言及されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の問題を解決するために、ディスク基板の成形時における反りを型締手段の作動を制御することにより容易に調整することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、固定金型および可動金型にそれぞれ設けられたエア供給通路とその噴出孔を介してキャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際し、型締工程の途中からエア供給手段により前記エア供給通 路にエアを供給開始するとともに、ディスク基板が完全に固化が完了していない状態で型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程を開始し、
該型締力下降工程では可動金型が僅かに型開方向に移動される際に、可動金型側に保持された状態のディスク基板の固定盤側の内周側に向けて前記固定金型の噴出孔からエアの供給が行われるようにし、前記型締力下降工程に要する時間を短くすることにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、または、前記型締力下降工程に要する時間を長くすることにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、固定金型および可動金型にそれぞれ設けられたエア供給通路とその噴出孔を介してキャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際し、型締工程の途中からエア供給手段により前記エア供給通路にエアを供給開始するとともに、ディスク基板が完全に固化が完了していない状態で型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程を開始し、該型締力下降工程では可動金型が僅かに型開方向に移動される際に、可動金型側に保持された状態のディスク基板の固定盤側の内周側に向けて前記固定金型の噴出孔からエアの供給が行われるようにし、前記型締力下降工程における可動金型の移動速度を速く制御することにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、または、前記可動金型の移動速度を遅く制御することにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項に記載の発明は、固定金型および可動金型にそれぞれ設けられたエア供給通路とその噴出孔を介してキャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際し、型締工程の途中からエア供給手段により前記エア供給通路にエアを供給開始するとともに、ディスク基板が完全に固化が完了していない状態で型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程を開始し、
該型締力下降工程では可動金型が僅かに型開方向に移動される際に、可動金型側に保持された状態のディスク基板の固定盤側の内周側に向けて前記固定金型の噴出孔からエアの供給が行われるようにし、前記型締力下降工程に続く低速型開工程における可動金型の移動速度を速く制御することにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、または、前記可動金型の移動速度を遅く制御することにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項のディスク基板の反りの調整方法に加えて、固定金型の鏡面板の温度を高くすることにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、または、可動金型の鏡面板の温度を高くすることにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず本発明に使用されるディスク基板成形機について図1、図2を参照して説明する。図1は、ディスク基板成形機と型締シリンダの油圧回路を示す図である。図2は、図1のディスク基板成形機に取付けられるディスク基板の成形用金型の要部断面図である。図3と図4は、型締力下降工程におけるディスク基板成形機の型締シリンダの型締側油室の作動油の圧力と型開量の関係を示す図であって、図3は、圧抜速度を速くした場合を示す。図4は、圧抜速度を遅くした場合を示す。図5は図2に示される金型を用いて、図3および図4の条件によって成形されたディスク基板の径方向寸法偏差を示す図である。
【0014】
図1において、ディスク基板成形機の固定盤1は、ベース2に固定され、固定盤1と対向して配設された受圧盤3との間には4本のタイバー4が配設されている。そして前記タイバー4には可動盤5が移動自在に配設されている。固定盤1には固定金型6が取付けられ、可動盤5には相対向して可動金型7が取付けられている。また固定金型6の反可動盤側には(図1における右側)には、射出装置8が配設されている。受圧盤3には型締手段である型締シリンダ9が固定されている。型締シリンダ9の内部には、ラム10が型開閉方向に移動可能に設けられている。そして前記ラム10の摺動部10aと型締シリンダ9の後方側とに囲繞された空間には型締側油室11が形成されている。また前記ラム10の摺動部10aの前方側と型締シリンダ9との間にも型開側油室12が形成されている。型締シリンダ9のラム10の内部には型開閉手段である径の細いブースタシリンダ13が内挿されている。
【0015】
次に図1に示される型締シリンダ9の油圧機構について説明する。油圧機構には型締シリンダ9に作動油を供給するための供給源である油圧ポンプ14が設けられている。そして前記油圧ポンプ14から型締シリンダ9への管路15の途中には、サーボバルブ16が配設されている。そして前記サーボバルブ16のAポートには管路17が接続され、Bポートにはラム10の型開側油室12に向けて管路18が接続されている。また前記Aポートに接続される管路17には、電磁方向切換バルブ19が配設され、前記電磁方向切換バルブ19のAポートには、ブースタシリンダ13に向けて管路20が接続され、Bポートには型締シリンダ9の型締側油室11に向けて管路21が接続されている。そして前記の管路18,20,21にはそれぞれ圧力センサ22,23,24が取付けられている。また型締シリンダ9における型締側油室11の下部にはプレフィルバルブ25が配設されている。プレフィルバルブ25は、常時閉の電磁開閉バルブ30が励磁されることによりパイロット圧によって開閉され、プレフィルバルブ25に接続される管路26を介してタンク27から型締側油室11内に短時間に大量の作動油が給排可能となっている。そしてこれらのサーボバルブ16、電磁方向切換バルブ19、電磁開閉バルブ30、圧力センサ22,23,24等は、制御手段28に接続されている。そして圧力センサ22,23,24によって検出された油圧は前記制御手段28に送られる。またサーボバルブ16等は、前記制御手段28からの信号により制御される。
【0016】
次に図2によりディスク基板成形機に取付けられる成形用金型について説明する。ディスク基板Dの成形用金型は、相対向して配置される一対の可動金型7と固定金型6とからなっている。この実施の形態では可動金型7の鏡面板31の表面に、スタンパ32が外周スタンパ押え33によって外周部32aが押えられ、内周スタンパ押え38によって内周部32bが押えられ取付けられている。そして固定金型6の凸字状に形成された鏡面板34の外周部34aが前記外周スタンパ押え33の内周部33aに嵌合されることにより容積可変のキャビティ29が形成される。つまりディスク基板Dの成形用金型はインロー構造をした射出圧縮成形金型であって、型閉後も型締されることにより可動金型7が固定金型6側に移動可能となっている。なお可動金型7の鏡面板31、固定金型6の鏡面板34ともに温調媒体通路31a,34bがそれぞれ形成されており、前記温調媒体通路31a,34bは金型外部の図示しない温調器に接続され、ディスク基板Dの成型用金型の鏡面板31,34をそれぞれ温度制御可能に設けられている。また可動金型7にはエア供給通路35が形成され、その噴出孔35aは、キャビティ29内で成形されるディスク基板Dのスタンパ側の内周側D1に向けて形成されている。更に可動金型7にはエア供給通路36が形成され、その噴出孔36aは、成形されるディスク基板Dの外周側D2に向けて形成されている。また固定金型6にはエア供給通路37が接続され、その噴出孔37aは、成形されるディスク基板Dの反スタンパ側の内周側D1に向けて形成されている。そして前記エア供給通路35,36,37は金型外部の図示しないエア供給手段に接続されている。よって前記エア供給通路35,36,37からキャビティ29内にエアを噴出させることにより、成形されたディスク基板Dの固定金型6および可動金型7からの離型を促進させるようになっている。なおこの実施の形態ではエア供給通路35,36,37から供給されるエアは金型内を通過することにより、温度が上昇されるが、エアを特別に加熱したものではない。
【0017】
次に図1ないし図4により、ディスク基板Dの成形について説明する。前工程で成形されたディスク基板Dが図示しない取出機によって取出されると、ブースタシリンダ13が駆動され、可動金型7の取付けられた可動盤5が固定金型6の取付けられた固定盤1に向けて前進を開始する。そして可動金型7が固定金型6に対して嵌合され、固定金型6と可動金型7の間に容積可変のキャビティ29が形成される。型締工程Aにおいては、圧力センサ24等により型締シリンダ9等の油圧を検出し、制御手段28を介してサーボバルブ16により型締シリンダ9の油圧がコントロールされ、型締力が制御される。次に前記キャビティ29に射出装置8から溶融樹脂が射出充填され、可動金型7は一時、僅かに型開側に移動される。キャビティ29内に射出充填された溶融樹脂は、固定金型6と可動金型7の鏡面板34,31が温調手段により温度調節されていることから、すぐに冷却・固化が進行し収縮する。この際可動金型7は、型締力が付与されていることから、前記溶融樹脂の収縮に伴ない、再度型閉方向に移動され、射出充填された溶融樹脂の圧縮がなされる。
【0018】
その後制御手段28の図示しないタイマーにより型締工程Aが完了したことが計時されると、型締工程Aにおいて付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程B(以下においては型締力下降工程Bと略す)に移行する。型締力下降工程Bでは、型締シリンダ9の型締側油室11に接続される圧力センサ24、ブースタシリンダ13に接続される圧力センサ23と、型開側油室12に接続されている圧力センサ22により、各シリンダの作動油の圧力を検出し、検出した圧力に基づきサーボバルブ16を制御してタンク27に作動油を戻す。その際、型締側油室11とブースタシリンダ13の作動油の圧力による型締力が、型開側油室12の作動油の圧力による型開力を下回らないようにサーボバルブ16を制御する。このようにして、図3、図4に示されるように、少なくとも型締シリンダ9の型締側油室11の作動油の圧力を検出、制御し、前記作動油の圧力を下降させる速度を制御することにより、型締力下降工程Bに要する時間を調整する。この型締力下降工程Bにおいては、可動金型7は僅かに固定金型6に対して型開方向に移動する。なお、型締工程Aが完了し、型締力下降工程Bが開始される際には、ディスク基板Dはまだ完全に固化が完了していない。
【0019】
一方、エア供給通路35,36,37からキャビティ29内に供給されるエアは、射出完了後に作動される遅延タイマーの計時により、型締工程Aの途中からエア供給手段によってエア供給通路35,36,37に供給開始される。ただし型締工程Aにおいては、ディスク基板Dに型締力が加えられていることから、噴出孔35a,36a,37aが閉ざされ、キャビティ29内で成形されるディスク基板Dに向けてエアの噴出が開始されない。そして型締力下降工程Bにおいて、可動金型7が僅かに型開方向に移動されると、エアは、エア供給通路35,36,37からキャビティ29内に噴出される。なおキャビティ29の形状は、成形されたディスク基板Dを可動金型7側に保持した状態で取出されるように設計されている。よって固定金型6の鏡面板34とディスク基板Dの間隔は、可動金型7のスタンパ32とディスク基板Dの転写面との間隔よりも大きく開かれる。よって固定金型6のエア供給通路37の噴出孔37aからキャビティ29内に噴出されるエアの供給量は、可動金型7のエア供給通路35,36の噴出孔35a,36aからキャビティ29内に供給されるエアの供給量よりも多くなる。上記により、ディスク基板Dは、完全に固定金型6の鏡面板34から離型され、可動金型7のスタンパ32からは、離型が促進される。
【0020】
型締力下降工程Bの次には、型開工程Cが行われる。そして型開工程Cの当初においては低速型開工程Eが行われる。低速型開工程Eは、制御手段28によりサーボバルブ16が制御されることにより、型締シリンダ9の型開側油室12に油を供給して、固定金型6に対して可動金型7の当初型開速度を低速に制限して型開を行う。そして低速型開工程Eの後、高速で型開を行い可動盤5および可動金型7をディスク基板Dの取出位置に移動させる。なお図3,図4の例において、型締側油室11の圧力が零になるのと低速型開工程Eが開始されるのが完全に一致せず、型締側油室11の圧力が零となる僅か前に低速型開工程Eが開始されているのは、型締側油室11およびブースタシリンダ13によって及ぼされる型締力と、型開側油室12によって及ぼされる型開力が均等となって、型締力が零となったためである。
【0021】
本発明では、上記したディスク基板Dの成形サイクルの中で、ディスク基板Dの径方向における反り(vertical deviation)を調整するために、以下は型締力下降工程Bに要する時間を調整することに反りを調整する。この実施の形態では、ディスク基板用成形機の図示しない入力画面から圧抜速度(型締側油室11の作動油の圧力を下降させる速度)を設定入力することにより、成形時に制御手段28からサーボバルブ16に信号を送る。この実施の形態では型締工程Aの後半において、3Mpaに制御されている型締シリンダ9の型締側油室11の作動油の圧力を零(圧抜完了)まで下降させる際の速度を制御している。なお圧抜速度については任意の速度に変更可能としてもよく、複数設定された速度からいずれかを選択可能としてもよい。
【0022】
そして図3に示されるように、圧抜速度を速くした例(型締力下降工程Bに要する時間を短くした例)では、ディスク基板Dのスタンパ側が可動金型7のエア供給通路35の噴出孔35aからディスク基板Dに向けてエアがほとんど供給されないうちに、ディスク基板Dは可動金型7側に保持された状態で僅かに型開きされる。よって型締力下降工程Bにおけるディスク基板Dに対するエアの供給量は、固定金型6のエア供給通路37からの供給量が、可動金型7側からのエアの供給量よりも相対的に多量にエアが供給される。この際、固定金型6側のエア供給通路37の噴出孔37aは、ディスク基板Dの内周側D1に対向して設けられているから、噴出孔37aから供給されるエアによりディスク基板Dは、反スタンパ側の内周側D1の収縮が促進される。よって成形されるディスク基板Dは、外周側D2を固定金型6の側に向けて反らせる方向(換言すれば内周側D1が可動金型7の側に向けて突出する方向)に径方向の反りを調整することができる。図5は図2に示される金型を用いて成形されたディスク基板Dの径方向寸法偏差を示すものであって、図5の(a)の例は、図3の成形条件により成形されたディスク基板Dの測定結果である。図5の(a)の例では、ディスク基板Dの外周側D2が、固定金型6側であるマイナス側(反スタンパ側)に向けて反る方向に径方向寸法偏差が現れている。
【0023】
また図4に示されるように、圧抜速度を遅くした例(型締力下降工程Bに要する時間を長くした例)では、固定金型6に対して可動金型7およびディスク基板Dの移動がなされる速度が遅くなる。そのためディスク基板Dのスタンパ側が可動金型7のエア供給通路35の噴出孔35aからもディスク基板Dに向けて図3の例と比較して多量のエアが供給されてから型締力が零となる。よって型締力下降工程Bにおけるディスク基板Dに対するエアの供給量は、固定金型6のエア供給通路37からの供給量と、可動金型7のエア供給通路35からのエアの供給量の差が少ない。よって圧抜速度を速くした場合のように噴出孔37aから供給されるエアの影響を強く受け、ディスク基板Dは、反スタンパ側の内周側D1の収縮が促進されることがない。そして圧抜速度を遅くするほど、成形されるディスク基板Dの外周側D2を可動金型7の側に向けて反らせる方向(換言すれば内周側D1が固定金型6に向けて突出する方向)に径方向の反りを調整することができる。図5の(b)の例は、図4の成形条件により成形されたディスク基板Dの測定結果である。図5の(b)の例では、(a)の例と比較して、ディスク基板Dの外周側D2が、プラス側(スタンパ側)に向けて反る方向に径方向寸法偏差が現れている。
【0024】
また本発明では、型締力下降工程Bにおいて型締力を零になるまで下降させた後、型開工程Cにおいて、固定金型6から可動金型7を型開させるが、前記型開開始時の当初型開速度についても、変更可能としている。具体的にはディスク基板用成形機の入力画面から固定金型6に対する可動金型7の低速型開速度を設定入力することにより、制御手段28からサーボバルブ16に信号を送り、型締シリンダ9の型開側油室12への送油量を制御して、当初型開速度を制御している。なおこの実施の形態ではプレフィルバルブ25を閉じたままサーボバルブ16により低速型開工程Eにおける型開速度を制御しているので、高精度の制御が可能である。なお前記の低速型開工程Eにおける型開速度についても、任意の速度に変更可能としてもよく、複数設定された速度からいずれかを選択可能としてもよい。
【0025】
また、本発明においては、型締力下降工程Bにおいて、型締シリンダ9の作動油の圧力を制御するのではなく、固定金型6に対する可動金型7の型開方向への移動速度を制御し、型締力下降工程Bに要する時間を調整して、ディスク基板Dの反りの調整を行うようにしてもよい。その場合は固定金型6に対する可動金型7(または可動盤5)の位置を図示しないリニアスケール等により検出し、可動金型7の移動速度の制御を行う。可動金型7の移動速度の制御を用いたディスク基板の反りの調整についても、型締シリンダ9の作動油の圧力の制御と同様に、速くすることにより、型締力下降工程Bに要する時間を短くし、成形されるディスク基板Dの外周側D2を固定金型6側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することができる。そしてまた反対に遅くすることにより、型締力下降工程Bに要する時間を長くし、成形されるディスク基板Dの外周側D2を可動金型7側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することができる。
【0026】
また固定金型6側の鏡面板34の温度を高くすることにより成形されるディスク基板Dの外周側D2を固定金型6側に向けて反らせる方向に調整することができる。また可動金型7側の鏡面板31の温度を高くすることにより、ディスク基板Dの外周側D2を可動金型7側に向けて反らせる方向に調整することができる。よって本発明では、前記した固定金型6および可動金型7の鏡面板34,31の温度の調整に加えて、型締力下降工程Bにおける型締シリンダ9の作動油の圧力を制御するか、または可動金型7の移動速度を制御して型締力下降工程Bの時間を調整してディスク基板Dの反りの調整する。または上記した固定金型6および可動金型7の鏡面板34,31の温度の調整に加えて、型開工程Cにおける固定金型6に対する可動金型7の当初型開速度の制御することによっても、ディスク基板Dの径方向の反りを更に調整可能としている。
【0027】
なお上記の実施の形態では型締力や型開速度の制御について油圧シリンダを用いた例について記載したが、油圧シリンダに替えてサーボモータを駆動手段とした場合にも適用可能である。また型締機構にサーボモータまたは油圧シリンダにより駆動されるトグル機構を用いた場合についても同様である。前記トグル機構を用いた場合、型締力下降工程Bにおいては、型開閉用サーボモータによりボールネジを回動させ、クロスヘッドを僅かに型開方向に移動させることにより、各リンクを内側に回動させて、タイバーの伸びをなくし、型締力を零に下降させる。そして型開工程Cにおいては、前記型開閉用サーボモータによりボールネジの回動を継続することにより、各リンクの屈曲角度を大きくし、可動金型7の型開き移動を行う。サーボモータ等により駆動されるトグル機構を用いた場合についても、型締力下降工程Bにおいては、可動金型7等の位置をサーボモータに取付けられたエンコーダ等により検出し、移動速度を制御する。また前記において、型締力下降工程Bに要する時間の調整については、サーボモータのトルクを制御して行ってもよい。
【0028】
また本発明は、固定金型6にスタンパ32が取付けられ、型開後に可動金型7側でディスク基板Dを取出す場合についてもディスク基板Dの反りの調整を行うことができる。具体的には型締力下降工程Bに要する時間を短くすることにより、成形されるディスク基板Dの外周側D2を固定金型6側(スタンパ側)に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することができる。そしてまた反対に長くすることにより、成形されるディスク基板Dの外周側D2を可動金型7側(反スタンパ側)に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することができる。よってディスク基板Dの径方向寸法偏差は、可動金型7にスタンパ32が取付けられた場合とは反対に、型締力下降工程Bに要する時間を短くすることにより、ディスク基板Dの外周側D2が、プラス側(スタンパ側)に向けて反る方向に径方向寸法偏差が現れる。また型締力下降工程Bに要する時間を長くすることにより、ディスク基板Dの外周側D2が、マイナス側(反スタンパ側)に向けて反る方向に径方向寸法偏差が現れる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、キャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際して、型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程に要する時間を調整することによって、ディスク基板の反りを調整するようにしたので、容易にディスク基板の反りを調整可能となった。また前記調整と金型温度の調整を組み合わせることにより、更に微妙なディスク基板の反りの調整を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディスク基板成形機と型締シリンダの油圧回路を示す図である。
【図2】 図1の成形機に取付けられるディスク基板成形用金型の要部断面図である。
【図3】 型締力下降工程におけるディスク基板成形機の型締シリンダの型締側油室の作動油の圧力と型開量の関係を示す図であって、圧抜速度を速くした場合を示す図である。
【図4】 型締力下降工程におけるディスク基板成形機の型締シリンダの型締側油室の作動油の圧力と型開量の関係を示す図であって、圧抜速度を遅くした場合を示す図である。
【図5】 図2に示される金型を用いて図3と図4の条件によって成形されたディスク基板の径方向寸法偏差を示す図である。
【符号の説明】
1 ……… 固定盤
2 ……… ベース
3 ……… 受圧盤
4 ……… タイバー
5 ……… 可動盤
6 ……… 固定金型
7 ……… 可動金型
8 ……… 射出装置
9 ……… 型締シリンダ
10 …… ラム
10a …… 摺動部
11 …… 型締側油室
12 …… 型開側油室
13 …… ブースタシリンダ
14 …… 油圧ポンプ
15,17,18,20,21,26 …… 管路
16 …… サーボバルブ
19 …… 電磁方向切換バルブ
22,23,24…… 圧力センサ
25 …… プレフィルバルブ
27 …… タンク
28 …… 制御手段
29 …… キャビティ
30 …… 電磁開閉バルブ
31,34 …… 鏡面板
31a,34b …… 温調媒体通路
32 …… スタンパ
32a,34a …… 外周部
32b,33a …… 内周部
33 …… 外周スタンパ押え
35,36,37 …… エア供給通路
35a,36a,37a …… 噴出孔
38 …… 内周スタンパ押え
A ……… 型締工程
B ……… 型締力下降工程
C ……… 型開工程
D ……… ディスク基板
D1 …… 内周側
D2 …… 外周側
E ……… 低速型開工程

Claims (4)

  1. 固定金型および可動金型にそれぞれ設けられたエア供給通路とその噴出孔を介してキャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際し、
    型締工程の途中からエア供給手段により前記エア供給通路にエアを供給開始するとともに、
    ディスク基板が完全に固化が完了していない状態で型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程を開始し、
    該型締力下降工程では可動金型が僅かに型開方向に移動される際に、可動金型側に保持された状態のディスク基板の固定盤側の内周側に向けて前記固定金型の噴出孔からエアの供給が行われるようにし、
    前記型締力下降工程に要する時間を短くすることにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、
    または、前記型締力下降工程に要する時間を長くすることにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とするディスク基板の反りの調整方法。
  2. 固定金型および可動金型にそれぞれ設けられたエア供給通路とその噴出孔を介してキャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際し、
    型締工程の途中からエア供給手段により前記エア供給通路にエアを供給開始するとともに、
    ディスク基板が完全に固化が完了していない状態で型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程を開始し、
    該型締力下降工程では可動金型が僅かに型開方向に移動される際に、可動金型側に保持された状態のディスク基板の固定盤側の内周側に向けて前記固定金型の噴出孔からエアの供給が行われるようにし、
    前記型締力下降工程における可動金型の移動速度を速く制御することにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、
    または、前記可動金型の移動速度を遅く制御することにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とするディスク基板の反りの調整方法。
  3. 固定金型および可動金型にそれぞれ設けられたエア供給通路とその噴出孔を介してキャビティ内にエアが噴出される射出圧縮成形金型によりディスク基板を成形するに際し、
    型締工程の途中からエア供給手段により前記エア供給通路にエアを供給開始するとともに、
    ディスク基板が完全に固化が完了していない状態で型締工程において付与されていた型締力を零になるまで下降させる型締力下降工程を開始し、
    該型締力下降工程では可動金型が僅かに型開方向に移動される際に、可動金型側に保持された状態のディスク基板の固定盤側の内周側に向けて前記固定金型の噴出孔からエアの供給が行われるようにし、
    前記型締力下降工程に続く低速型開工程における可動金型の移動速度を速く制御することにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、または、前記可動金型の移動速度を遅く制御することにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とするディスク基板の反りの調整方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項のディスク基板の反りの調整方法に加えて、
    固定金型の鏡面板の温度を高くすることにより、ディスク基板の外周側を固定金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整するか、または、
    可動金型の鏡面板の温度を高くすることにより、ディスク基板の外周側を可動金型側に向けて反らせる方向に径方向の反りを調整することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のディスク基板の反りの調整方法。
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