JP3857111B2 - 気管内チューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気管内チューブに関する。さらに詳しくは、経口挿入用気管内チューブおよび経鼻挿入用気管内チューブをはじめ、気管切開孔から気管に挿入する気管切開チューブとして好適に使用しうる気管内チューブに関する。
【0002】
本発明の気管内チューブは、軟質塩化ビニル樹脂が用いられておらず、しかも耐キンク性、摺動性および膠着防止性に優れたものである。
【0003】
【従来の技術】
気管内チューブは、手術時の麻酔処置の際に用いられる医療用具である。気管内チューブの多くには、適度な柔軟性を付与するとともに、機械的強度、透明性およびコストを考慮して、軟質塩化ビニル樹脂が使用されている。しかしながら、軟質塩化ビニル樹脂は、その焼却時に有害物質であるダイオキシンが発生するおそれがあり、また使用されているジオクチルフタレートなどの可塑剤が環境ホルモンとして指定されるいることから、医療用具として決して好ましいものではない。
【0004】
軟質塩化ビニル樹脂が用いられていない気管内チューブとして、シリコーン樹脂製の気管内チューブがある。しかし、シリコーン樹脂は、それ自体が高価であるとともに、製造の際に架橋プロセスを必要とするため、気管内チューブが非常に高価な医療用具となるという欠点がある。
【0005】
これらの欠点に鑑みて、医療用具の素材として、スチレン系エラストマーおよびポリプロピレン樹脂からなる樹脂組成物が提案されている(特開平10−67894号公報)。この樹脂組成物は、柔軟性および透明性に優れ、オートクレーブ滅菌に耐える耐熱性、生体適合性などを有するものである。
【0006】
しかし、この樹脂組成物には、気管内チューブとして使用するには改善すべき点が幾つかある。
【0007】
例えば、メインチューブには、気管内に挿入し、湾曲した際にもチューブが潰れないようにするための耐キンク性、および気管内部に溜まる汚物を除去するためのサクションカテーテルをスムーズに挿入することができるようにするために摺動性が要求されている。この樹脂組成物が用いられた気管内チューブにおいては、メインチューブの耐キンク性を高めるために、鋼線を螺旋状にチューブの外周面に巻回することが提案されているが、このチューブの製造工程が複雑であるとともに、得られる気管内チューブが高価となり、さらに廃棄の際には、焼却炉に不燃物である金属が混入するという欠点がある。
【0008】
また、前記樹脂組成物には、カフをブロー成形によって製造することが困難であり、カフを気管内チューブに配設した際には、カフを均一に膨張させるために必要な膠着防止性などを充分に発現させることができないという欠点がある。
【0009】
螺旋状の鋼線が巻回されておらず、その材質に塩化ビニル樹脂が使用されていないチューブとして、多層チューブが提案されている(特開平9−75443号公報、特開平11−151293号公報)。しかし、この多層チューブは、2層以上の共押出成形によって製造されるため、その製造工程が複雑であるという欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、耐キンク性、摺動性および膠着防止性に優れた気管内チューブを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物を押出成形してなり、25℃における押出方向の貯蔵弾性率(MD)が5.0×107〜8.0×108dyne/cm2であり、かつ押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)が1.3以下であるチューブからなる気管内チューブであって、その外周面に、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなり、230℃におけるメルトテンション(溶融張力)が1g以上である樹脂組成物をブロー成形してなり、25℃における貯蔵弾性率が5.0×10 8 dyne/cm 2 以下であるカフが設けられてなる、気管内チューブに関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の気管内チューブは、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物を押出成形することによって得られたチューブがメインチューブとして用いられたものである。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンモノマーから製造される各種ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高圧法エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリエチレン樹脂、ホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンのランダムコポリマー、エチレンブロックを含むブロックタイプポリプロピレン、プロピレンとエチレンとブテン−1とのターポリマー等のポリプロピレン樹脂などが挙げられ、これらのポリオレフィン系樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのポリオレフィン系樹脂の中では、特にポリプロピレンが好適である。
【0014】
ポリオレフィン系樹脂の溶融粘度に関しては、ASTM D−1238に従って230℃、荷重2160gの条件下で測定したときのメルトフローレート(MFR)が0.1〜500の範囲内にあることが好ましく、2〜200の範囲内にあることがより好ましい。
【0015】
スチレン系エラストマーは、スチレン系重合体ブロック(A)と水添共役ジエン系重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体であることが好ましい。
【0016】
スチレン系重合体ブロック(A)は、スチレン系単量体からなる。スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられ、これらの単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのスチレン系単量体の中では、スチレンが好ましい。
【0017】
スチレン系重合体ブロック(A)の数平均分子量は、特に制限されないが、2,500〜20,000の範囲内にあることが好ましい。
【0018】
ブロック共重合体におけるスチレン系重合体ブロック(A)の含有量は、ブロック共重合体の機械的強度を向上させる観点から、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上であり、またポリオレフィン系樹脂と容易に均一に混合することができるようにする観点から、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。したがって、これらの観点から、ブロック共重合体におけるスチレン系重合体ブロック(A)の含有量は、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜30重量%である。
【0019】
水添共役ジエン系重合体ブロック(B)は、水添ポリイソプレンブロック(B1)、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)および水添ポリブタジエンブロック(B3)からなる群より選ばれた少なくとも1種の重合体ブロックであることが柔軟性と経済性のバランスとの観点から好ましい。
【0020】
水添ポリイソプレンブロック(B1)としては、1,2−結合と3,4−結合の含有量(以下、「ビニル結合含有量」という)が10〜75モル%であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロックが好ましい。
【0021】
水添ポリイソプレンブロック(B1)におけるビニル結合含有量は、得られる気管内チューブの透明性を高める観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、また水添ポリイソプレンブロック(B1)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎないようにすることにより、適度な柔軟性を気管内チューブに付与する観点から、好ましくは75モル%以下、より好ましくは65モル%以下である。これらの観点から、水添ポリイソプレンブロック(B1)におけるビニル結合含有量は、好ましくは10〜75モル%、より好ましくは20〜65モル%である。
【0022】
また、ポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の水素添加率は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を高め、気管内チューブの透明性を高めるために、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。
【0023】
水添ポリイソプレンブロック(B1)の数平均分子量は、特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内にあることが好ましい。
【0024】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)は、イソプレンとブタジエンとをイソプレン/ブタジエン(重量比)が5/95〜95/5となるように共重合させて得られたイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合と3,4−結合の含有量(ビニル結合含有量)が20〜85モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックが好ましい。
【0025】
イソプレン/ブタジエン(重量比)は、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)のビニル結合含有量が75モル%以上であるときにそのガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎないようにし、気管内チューブの柔軟性を高める観点から、好ましくは95/5以下、より好ましくは80/20以下であり、また水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)のビニル結合含有量が30モル%未満であるときに気管内チューブの透明性が低下しないようにする観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは20/80以上である。これらの観点から、イソプレン/ブタジエン共重合体(重量比)は、好ましくは5/95〜95/5、より好ましくは20/80〜80/20である。
【0026】
イソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を高め、気管内チューブの透明性を向上させる観点から、70%以上、好ましくは80%以上が水素添加されていることが望ましい。
【0027】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるビニル結合含有量は、気管内チューブの透明性を高める観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは40モル%以上であり、またそのガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎないようにして柔軟性を付与する観点から、好ましくは85モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。これらの観点から、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるビニル結合含有量は、好ましくは20〜85モルパラジウム、より好ましくは40〜70モル%である。
【0028】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)におけるイソプレンとブタジエンの重合形態は、特に制限されず、ランダム、ブロック、テーパードなどのいずれの形態であってもよい。
【0029】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)の数平均分子量は、特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内にあることが好ましい。
【0030】
水添ポリブタジエンブロック(B3)としては、1,2−結合の含有量(ビニル結合含有量)が45モル%以上であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロックが好ましい。
【0031】
ポリブタジエンにおけるビニル結合含有量は、気管内チューブの透明性を高める観点から、好ましくは45モル%以上、より好ましくは60〜80モル%である。
【0032】
また、ポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の水素添加率は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を高め、気管内チューブの透明性を高める観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。
【0033】
水添ポリブタジエンブロック(B3)の数平均分子量は、特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であることが好ましい。
【0034】
ブロック共重合体における水添共役ジエン系重合体ブロック(B)の含有量は、ブロック共重合体の機械的強度を向上させる観点から、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下であり、またポリオレフィン系樹脂と容易に均一に混合することができるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。したがって、これらの観点から、ブロック共重合体における水添共役ジエン系重合体ブロック(B)の含有量は、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは70〜85重量%である。
【0035】
スチレン系重合体ブロック(A)と水添共役ジエン系重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体において、スチレン系重合体ブロック(A)と水添共役ジエン系重合体ブロック(B)とのブロックの結合様式には特に制限がなく、例えば、線状、分岐状またはこれらの任意の組合せであってもよい。
【0036】
ブロック共重合体の分子構造としては、スチレン系重合体ブロック(A)を「A」で表し、水添共役ジエン系重合体ブロック(B)を「B」で表した場合、例えば、A−(B−A)n 、(A−B)n 〔式中、nは1以上の整数である〕などが挙げられる。また、ブロック共重合体の水添前の分子構造は、ジビニルベンゼン、錫化合物、シラン化合物等をカップリング剤とした星型、例えば、(A−B)m X〔式中、mは2以上の整数、Xはカップリング剤の残基を表す〕であってもよい。
【0037】
ブロック共重合体としては、前記分子構造を有するものを単独で用いてもよく、例えばトリブロック型のものとジブロック型のものの混合物などのように異なる分子構造を有するものを2種以上併用してもよい。
【0038】
ブロック共重合体の数平均分子量は、特に制限されないが、30,000〜300,000の範囲内にあることが好ましい。
【0039】
本発明の気管内チューブは、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物を押出成形して得られるチューブである。
【0040】
このチューブの25℃における押出方向の貯蔵弾性率(MD)は、5.0×107 〜8.0×108 dyne/cm2 であり、押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)は、1.3以下であるチューブである。
【0041】
貯蔵弾性率は、一般的な動的粘弾性測定装置(例えば、レオスペクトラー(レオロジ社、商品名:DVE−V4 FTレオスペクトラーなど)を用いて測定することができる。
【0042】
チューブの押出方向の貯蔵弾性率(MD)は、メインチューブが柔軟になり過ぎるのを防止し、チューブを気管内に挿入しやすくする観点から、5.0×107 dyne/cm2 以上、好ましくは7.0×107 dyne/cm2 以上、より好ましくは8.0×107 dyne/cm2 以上とされ、またチューブが硬くなりすぎて気管内に損傷が発生するのを防止する観点から、8.0×108 dyne/cm2 以下、好ましくは4.0×108 dyne/cm2 以下、より好ましくは2.0×108 dyne/cm2 以下とされる。これらの観点から、チューブの押出方向の貯蔵弾性率(MD)は、5.0×107 〜8.0×108 dyne/cm2 、好ましくは7.0×107 〜4.0×108 dyne/cm2 、より好ましくは8.0×107 〜2.0×108 dyne/cm2 の範囲内である。
【0043】
図3は、チューブのキンクに関する説明図である。湾曲させたチューブの長径側6およびチューブの短径側7では、それぞれ引張り応力および圧縮応力が働く。これらの応力は、チューブの断面形状を潰す力に変わり、その断面形状は、円形から楕円形に変形する。図3の太実線に示されるように、チューブの湾曲の曲率を小さくするとチューブ断面を潰す力が大きくなり、最終的にはチューブの内部空間が完全に潰れ、キンクに至る。
【0044】
チューブの長径側6およびチューブの短径側7に働く応力が大きいほど、チューブの押出方向の弾性率〔貯蔵弾性率(MD)〕が高くなる。また、チューブ断面を潰す力に対抗するには、チューブの円周方向の弾性率〔貯蔵弾性率(TD)〕が大きいほど有利である。
【0045】
したがって、理想的には、チューブの押出方向の貯蔵弾性率(MD)よりもチューブの円周方向の貯蔵弾性率(TD)が大きいほどチューブの耐キンク性が向上するものと考えられる。
【0046】
しかしながら、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物を押出成形して得られたチューブの場合、押出成形時に発生する分子配向の影響で、押出方向の貯蔵弾性率(MD)が円周方向の貯蔵弾性率(TD)よりも大きくなるのが一般的である。
【0047】
本発明においては、チューブの押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)が1.3以下となるように調整されているので、チューブの耐キンク性に優れるという効果が発現される。押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)は、チューブの耐キンク性を向上させる観点から、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
【0048】
押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)は、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーとの比率を調整することによって調節することができる。
【0049】
前述した押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)をチューブに付与することにより、耐キンク性に優れたチューブを得るためには、ポリオレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーとの重量比(ポリオレフィン系樹脂/スチレン系エラストマー)は、20/80〜40/60の範囲内とすることが好ましく、25/75〜35/65の範囲内とすることがより好ましい。
【0050】
また、チューブを構成する樹脂組成物には、サクションカテーテルなどを挿入する際の摺動性(操作性)を向上させるために、脂肪酸アミド系滑剤および脂肪酸モノグリセリド系滑剤から選ばれた少なくとも1種の滑剤を含有させることが好ましい。脂肪酸アミド系滑剤および脂肪酸モノグリセリド系滑剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】
脂肪酸アミド系滑剤としては、例えば、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、N−ステアリルラウリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルベヘン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルベヘン酸アミド、N−ラウリルエルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミドなどが挙げられる。これらの中では、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドおよびエチレンビスステアリン酸アミドが好ましく、オレイン酸アミドがより好ましい。
【0052】
脂肪酸モノグリセリド系滑剤としては、例えば、ラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリドなどが挙げられる。これらの中では、ステアリン酸モノグリセリドが好ましい。
【0053】
該組成物における滑剤の含有量は、サクションカテーテル挿入時の摺動性を向上させる観点から、好ましくは0.05重量%以上であり、滑剤がチューブ内からブリードアウトしてチューブ表面への印刷性に支障を来すのを回避する観点から、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下である。これらの観点から、該組成物における滑剤の含有量は、好ましくは0.05〜0.5重量%、より好ましくは0.05〜0.2重量%の範囲内である。
【0054】
本発明においては、気管内チューブの外周面には、カフが配設されていてもよい。
【0055】
カフは、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物で構成することができる。
【0056】
ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンモノマーから製造される各種ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高圧法エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリエチレン樹脂、ホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンのランダムコポリマー、エチレンブロックを含むブロックタイプポリプロピレン、プロピレンとエチレンとブテン−1とのターポリマー等のポリプロピレン樹脂などが挙げられ、これらのポリオレフィン系樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのポリオレフィン系樹脂の中では、ブロー成形時のメルトテンションを高めるために、電子線照射などによって架橋構造が導入されたポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0057】
スチレン系エラストマーとしては、前述したメインチューブとして使用されるチューブに用いられるスチレン系エラストマーが例示される。かかるスチレン系エラストマーとしては、前記チューブに好適に用いられるブロック共重合体が好ましい。また、メルトテンションを高めるために、電子線照射による架橋方法、過酸化物などを用いた架橋方法などによって該ブロック共重合体を架橋させたものを用いることもできる。
【0058】
カフを構成する樹脂組成物の230℃におけるメルトテンション(溶融張力)は、ブロー成形時に、パリソンのドローダウンとブローアップ時のカフ破れが発生するのを回避する観点から、1g以上、好ましくは1.5g以上とされる。樹脂組成物の230℃におけるメルトテンション(溶融張力)は、後述する方法によって測定される。
【0059】
前記樹脂組成物をブロー成形することによってカフを製造することができる。カフの25℃における貯蔵弾性率は、高すぎる場合には、カフが硬くなりすぎることによって、通常の気管内で膨張させる圧力(25cmH2 0)において萎んでいたカフが充分に膨張しなくなるので気管内でのシール性が低下するようになる。また、気管内でのシールが充分になるまで膨張させたときには、カフの内圧によって気管内部の毛細血管が圧迫され、組織の壊死を起こしやすくなる。したがって、本発明においては、これらの事項を考慮して、カフの25℃における貯蔵弾性率は、5.0×108 dyne/cm2 以下とされる。
【0060】
なお、貯蔵弾性率は、前記した粘弾性測定装置を用いて測定したときの値である。
【0061】
前記樹脂組成物の230℃におけるメルトテンション(溶融張力)および成形されたカフの25℃における貯蔵弾性率は、スチレン系エラストマーとポリオレフィン系樹脂の配合割合を調整することによって調節することができる。
【0062】
前述した樹脂組成物の230℃におけるメルトテンション(溶融張力)および成形されたカフの25℃における貯蔵弾性率を満足させるためには、スチレン系エラストマーとポリオレフィン系樹脂との重量比(スチレン系エラストマー/ポリオレフィン系樹脂)は、60/40〜80/20の範囲内とすることが好ましく、70/30〜80/20の範囲内とすることがより好ましい。
【0063】
なお、カフを構成する樹脂組成物には、カフを膨張させる際の膠着による片膨れを防止するために、無機フィラーおよび有機架橋粒子の少なくとも1種を含有させることが好ましい。
【0064】
無機フィラーとしては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、マイカなどが挙げられる。また、有機架橋粒子としては、例えば、アクリル架橋ビーズ、ウレタン架橋ビーズ、スチレン架橋ビーズなどが挙げられる。無機フィラーおよび有機架橋粒子は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0065】
カフを構成する樹脂組成物における無機フィラーおよび有機架橋粒子の少なくとも1種の含有量は、膠着防止効果を十分に発現させるために、好ましくは5重量%以上であり、またカフの表面性を良好にするために、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。これらの観点から、かかる含有量は、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%の範囲内である。
【0066】
なお、前記チューブおよびカフを構成する樹脂組成物には、その性能が損なわれない範囲内で、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、結晶核剤等の各種添加剤を添加することができる。これらの添加剤の添加量は、その種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲内であることが好ましい。
【0067】
また、前記樹脂組成物には、その性能を損なわない範囲内で、鉱物油などの柔軟化剤を添加することもできる。柔軟化剤の添加量は、通常、樹脂組成物100重量部に対して100重量部以下であることが好ましい。
【0068】
さらに、前記樹脂組成物には、本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、例えば、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体、水添スチレン−イソプレンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはこれらのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などの他のポリマーを配合することができる。
【0069】
本発明の気管内チューブは、例えば、前記樹脂組成物を用いて押出成形によりメインチューブを作製した後、チューブの内径がISO5361/1( Tracheal Tube−Part1:General Requirement) に記載された寸法を満足するように切断し、患者挿入側をベベル角が38±10°となるように斜めにメインチューブをカットし、熱成形などによりカット面の鈍化処理、チューブ湾曲処理を行うことによって製造することができる。
【0070】
また、カフを有する気管内チューブを製造する場合には、メインチューブを押出成形する際に、カフを膨張させるための空気流路であるサブルーメンをメインチューブに付与するのが一般的である。そして、ブロー成形によりカフを俵形状、ラグビーボール形状等の形状に成形し、前記メインチューブの外周面の患者挿入側に近い部分に接着する。
【0071】
通常、メインチューブのカフの接着部には、予め、カフが膨張しうるようにするために、サブルーメンと通じる切り欠きを入れておくことが好ましい。ISO5361/1に記載された寸法範囲でテイルチューブをサブルーメンに接着し、テイルチューブの他端にはパイロットバルーン、逆流防止弁等を配備することにより、カフを有する気管内チューブが得られる。
【0072】
前記方法によって製造される気管内チューブの実施態様を図1および図2に示す。
【0073】
図1は、カフが配設されていないメインチューブ1の一端にコネクター2が取付けられた気管内チューブの一実施態様を示す概略説明図である。
【0074】
また、図2は、カフ5が配設されたメインチューブ1の一端にコネクター2が取付けられた気管内チューブの一実施態様を示す概略説明図である。図2において、テイルチューブ3がメインチューブ1のサブルーメン(図示せず)と接着されており、テイルチューブ3の他端にはパイロットバルーン4が設けられている。
【0075】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0076】
実施例および比較例で用いられた樹脂、成形機、物性の測定方法などは以下のとおりである。
【0077】
〔樹脂〕
樹脂1:ポリプロピレン樹脂(ランダムタイプ、グランドポリマー社製、F327)
樹脂2:ポリプロピレン樹脂(ホモタイプ、モンテル社製、SD613)
樹脂3:ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、日本ポリケム(株)製、HE30)
樹脂4:スチレン系エラストマー〔水添SIS(水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、(株)クラレ製、商品名:ハイブラーHVS7125、数平均分子量10万、スチレン含量20重量%、水添率90%、ビニル結合含有量55モル%〕
【0078】
〔押出機〕
φ40mm単軸押出機〔大阪精機(株)製〕
【0079】
〔成形機〕
押出ブロー成形機:図4に示されるようなφ22単軸押出機(プラエンジ社製)を用いた。図4は、押出ブロー成形機の概略説明図である。φ22単軸押出機8には、ダイス12が配設されており、ダイス12から加熱溶融された樹脂組成物のパリソン9を押し出す。次に、得られたパリソン9は、所望の内部形状を有する割型10に挟まれ、割型10の型締めを行った後、ダイス12のエアーマンドル(図示せず)からエアを吹き込むことにより、所定形状を有するブロー成形品を得ることができる。なお、図4において、11は割型10の下部に設けられたエアブローである。
【0080】
〔物性の測定方法〕
1.貯蔵弾性率
引張り型動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、商品名:DVE−V4 FTレオスペクトラー)を用いて貯蔵弾性率を測定(測定温度:25℃、サンプル断面形状:厚さ1mm×幅5mm、チャック間距離:10mm、歪み率、0.03%、周波数:1Hz/ 正弦波、静荷重:自動静荷重制御)
【0081】
2.耐キンク性
チューブを湾曲させ、キンクが発生しない最小半径をRゲージで測定。
【0082】
3.メルトテンション
キャピログラフ((株)島津製作所製)のメルトテンション測定装置を用いて以下の方法により測定。
樹脂組成物をシリンダー内において230℃で4分間予熱した後、ピストンによって20mm/minの速度でキャピラリー(φ1mm、L/D=10)より吐出し、ストランドを10m/minの一定速度で引き取り、途中で滑車を介してストレスゲージにて荷重を読み取り記録し、測定開始後、荷重曲線が安定してから20秒間の荷重の読みの平均値をメルトテンションとした。
【0083】
実施例1〜3
ポリプロピレン樹脂(樹脂1)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を表1に示した割合で配合した樹脂組成物を、押出機(φ40mm)にて樹脂温度200℃の条件で成形し、内径φ7mm、外径φ11mmの気管内チューブを得た。
【0084】
得られたチューブの押出方向の貯蔵弾性率MD、円周方向の貯蔵弾性率TD、MD/TDおよび耐キンク性を表1に示す。
【0085】
比較例1〜4
ポリプロピレン樹脂(樹脂1)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を表1に示した割合で配合した樹脂組成物を、押出機(φ40mm)にて樹脂温度200℃の条件で成形し、内径φ7mm、外径φ11mmの気管内チューブを得た。
【0086】
得られたチューブの押出方向の貯蔵弾性率MD、円周方向の貯蔵弾性率TD、MD/TDおよび耐キンク性を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
表1に示された結果から、実施例1〜3で得られた気管内チューブは、チューブの押出方向の貯蔵弾性率(MD)が5.0×107 〜8.0×108 dyne/cm2 の範囲内にあり、MD/TDの値が1.3以下であることから、曲率半径が小さく、耐キンク性に優れていることがわかる。
【0089】
実施例4〜7
ポリプロピレン樹脂(樹脂1)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を重量比30/70の割合で配合した樹脂組成物にステアリン酸モノグリセリドまたはオレイン酸アミドを表2に示した割合で添加し、押出機(φ40mm)にて樹脂温度200℃の条件で成形し、内径φ7mm、外径φ11mmの気管内チューブを得た。得られたチューブの内部にサクションカテーテル(軟質塩化ビニル樹脂製)を挿入した時の操作性およびチューブ外面への印刷性を評価した。その結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
表2に示された結果から、ステアリン酸モノグリセリドまたはオレイン酸アミド0.05〜0.5重量%が添加されたチューブは、サンクションカテーテルの操作性、チューブ表面への印刷性も良好であることがわかる。
【0092】
実施例8
ポリプロピレン樹脂(樹脂2)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を重量比25/75の割合で配合した樹脂組成物を、図4に示す押出ブロー成形機を用いて図5に示される形状を有する俵形状カフ13を成形した。得られた俵形状カフ13のカフ径14は約30mmであり、肉厚は30〜100μmであった。
【0093】
得られた俵形状カフ13について、樹脂組成物のメルトテンション、成形時のブロー成形性および貯蔵弾性率を表3に示す。
【0094】
次に、このカフと実施例4で得られたチューブを用いて気管内チューブを作製した。得られた気管内チューブをブタの気管に挿入し、カフを25cmH2 Oの圧力で膨張させた際の気管シール性を評価した。その結果を表3に示す。
【0095】
実施例9
ポリプロピレン樹脂(樹脂2)、ポリエチレン樹脂(樹脂3)およびスチレン系エラストマー(樹脂4)を12.5/12.5/75の重量比で配合した樹脂組成物を用いて実施例8と同様にしてカフおよび気管内チューブを作製し、評価した。その結果を表3に示す。
【0096】
比較例5
ポリプロピレン樹脂(樹脂2)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を重量比50/50の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例8と同様にしてカフおよび気管内チューブを作製し評価した。その結果を表3に示す。
【0097】
比較例6
ポリプロピレン樹脂(樹脂1)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を重量比25/75の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例8と同様にしてカフを作製しようとしたが、ブロー成形時にカフが破れ、良好なカフが得られなかった。その結果を表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
表3に示された結果から、実施例8〜9で得られたカフは、貯蔵弾性率が5.0×108 dyne/cm2 以下であり、また樹脂組成物のメルトテンションが1g以上であることから、ブロー成形性が良好であり、また柔軟であるため、気管内において25cmH2 Oの圧力で膨張させた際のシール性が良好であることがわかる。
【0100】
これに対して、比較例5では、貯蔵弾性率が5.0×108 dyne/cm2 よりも大きい樹脂組成物が用いられているので、ブロー成形性が良好であるが、得られたカフは硬い触感を有し、気管内で膨張させた際の気管シール性が不十分であることがわかる。
【0101】
また、比較例6では、メルトテンションが1gよりも低い樹脂組成物が用いられているので、ブロー成形時にカフが破れ、良好なカフが成形できないことがわかる。
【0102】
実施例10〜11
ポリプロピレン樹脂(樹脂2)とスチレン系エラストマー(樹脂4)を重量比25/75の割合で配合した樹脂組成物にタルク(日本薬局方)を表4に示した割合で添加し、実施例8と同様にしてカフおよび気管内チューブを作製した。
【0103】
得られた気管内チューブのカフとメンチューブの膠着性とカフの表面性(外観)を評価した結果を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】
表4に示された結果から、実施例10〜11で得られた気管内チューブのカフは、樹脂組成物にタルクが5〜20重量%含有されているので、膠着防止性および表面性が良好であることがわかる。
【0106】
【発明の効果】
本発明の気管内チューブは、耐キンク性、摺動性および膠着防止性に優れるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のカフが配設されていない気管内チューブの一実施態様を示す概略説明図である。
【図2】図2は、本発明のカフが配設された気管内チューブの一実施態様を示す概略説明図である。
【図3】図3は、チューブのキンクに関する説明図である。
【図4】図4は、各実施例および各比較例で用いられた押出ブロー成形機の概略説明図である。
【図5】図5は、実施例8〜11および比較例5〜6で得られたカフの概略説明図である。
【符号の説明】
1 メインチューブ
2 コネクター
3 テイルチューブ
4 パイロットバルーン
5 カフ
6 チューブの長径側
7 チューブの短径側
8 φ22単軸押出機
9 パリソン
10 割型
11 エアブロー
12 ダイス
13 俵形状カフ
14 カフ径
Claims (10)
- スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物を押出成形してなり、25℃における押出方向の貯蔵弾性率(MD)が5.0×107〜8.0×108dyne/cm2であり、かつ押出方向の貯蔵弾性率(MD)と円周方向の貯蔵弾性率(TD)との比(MD/TD)が1.3以下であるチューブからなる気管内チューブであって、その外周面に、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなり、230℃におけるメルトテンション(溶融張力)が1g以上である樹脂組成物をブロー成形してなり、25℃における貯蔵弾性率が5.0×10 8 dyne/cm 2 以下であるカフが設けられてなる、気管内チューブ。
- スチレン系エラストマーが、スチレン系重合体ブロック(A)と水添共役ジエン系重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体である請求項1記載の気管内チューブ。
- 水添共役ジエン系重合体ブロック(B)が、水添ポリイソプレンブロック(B1)、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)および水添ポリブタジエンブロック(B3)からなる群より選ばれた少なくとも1種の重合体ブロックである請求項2記載の気管内チューブ。
- 水添ポリイソプレンブロック(B1)が、1,2−結合と3,4−結合の含有量が10〜75モル%であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロックである請求項3記載の気管内チューブ。
- 水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)が、イソプレンとブタジエンとをイソプレン/ブタジエン(重量比)が5/95〜95/5となるように共重合させて得られたイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合と3,4−結合の含有量が20〜85モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックである請求項3記載の気管内チューブ。
- 水添ポリブタジエンブロック(B3)が、1,2−結合の含有量が45モル%以上であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロックである請求項3記載の気管内チューブ。
- ブロック共重合体におけるスチレン系重合体ブロック(A)の含有量が10〜40重量%である請求項2記載の気管内チューブ。
- チューブを構成している樹脂組成物が、さらに脂肪酸アミド系滑剤および脂肪酸モノグリセリド系滑剤から選ばれた少なくとも1種の滑剤を0.05〜0.5重量%含有したものである請求項1〜7いずれか記載の気管内チューブ。
- カフを構成している樹脂組成物が、さらに無機フィラーおよび有機架橋粒子の少なくとも1種を5〜20重量%含有したものである請求項1〜8いずれか記載の気管内チューブ。
- 無機フィラーおよび有機架橋粒子の少なくとも1種が、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、アクリル架橋ビーズ、ウレタン架橋ビーズおよびスチレン架橋ビーズからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項9記載の気管内チューブ。
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