JP3856777B2 - 物品加工方法および装置 - Google Patents

Description

この発明は、レーザ光による物品加工方法に関し、物品が固定され、少なくともその一部分がレーザ光に照射される。この発明はさらにレーザ光源、載置部材、およびレーザ光を透過して加工中に、上部加圧板として物品を固定するための上部板を備えて物品を加工する装置にも関する。

合成樹脂を溶接するためのこの方法は、一般に公知であり、透過光溶接とも称せられる。合成樹脂溶接方法に対しては、溶接過程中において被加工物品を相互に固定させることが必要であり、それは、レーザ光により合成樹脂の良好な接合を達成するための重要な条件が、相互に接合される接合面の間のエネルギー配分のみならず、接合面間に正確な機械的接触を保たせることにあるからである。これに関しては、種々の方法および装置が知られているが、それらは特に平面的部材の場合には十分な押圧力を必要する。

例えば、欧州特許出願第０２ ００１ ７６８．７号明細書に開示されている通り、これらの被加工物品を相互に接合することも、またそのような加工過程を、レーザ光よって実行することも基本的には可能である。

必要な精度を維持して加工するためには、下部加圧板と上部加圧板、およびそれらの間にある被加工物品の間の圧力差および部材の寸法公差を補正することが必要であり、これによって各部材を同一の加圧状態に維持させることができる。

この発明の課題は、高精度の物品を急速かつ効率よく製作する解決策を提供し、同時に圧力差および部材の寸法公差の補正を実行することにある。

前記課題は、請求項１に記載された方法および請求項９に記載された装置によって解決される。その他の好適な実施例は従属請求項の各々によって規定される。すなわち、下記の構成を備えることにより、前記課題を解決することができる。

〔１〕被加工物品が固定され、少なくともその一部がレーザ光に照射される加工方法であって、第１の加工過程において、被加工物品（４，５）が上下方向に可動な載置細片部材（８）により、下部加圧板（９）上に載置され、第２の加工過程において、前記被加工物品（４）の表面側が、上部加圧板（３）としてのレーザ光透過板に当接され、前記下部加圧板（９）および上部加圧板（３）が設定された押圧力により相互に押圧され、この際前記載置細片部材（８）と上部加圧板（３）との間隔を変化させるように調整することが可能であり、それに続いて前記上部加圧板（３）と下部加圧板（９）との間の被加工物品（４，５）が前記上部加圧板（３）を通過してレーザ光に照射されることを特徴とするレーザ光による物品加工方法。

〔２〕載置細片部材（８）が選択的に上部加圧板に対して押圧され、この部分のみがレーザ光によって照射されることを特徴とする前記〔１〕記載の物品加工方法。

〔３〕載置細片部材（８，８′，８″）の各々が、所要の押圧力に対応して上下方向に被加工物品（４，５）に対して押圧されることを特徴とする前記〔１〕または〔２〕記載の物品加工方法。

〔４〕上下方向に可動な個々の細片部材区域（１１，１２）を備えた載置細片部材が使用され、前記細片部材区域が、予め設定された値の押圧力に対応して被加工物品（４，５）に対して押圧されることを特徴とする前記〔１〕ないし〔３〕の何れか１項記載の物品加工方法。

〔５〕載置細片部材（８，８′，８″）の各々が、一定の保持圧力により上部加圧板（３）に当接して前記上部加圧板（３）に押圧され、それに続いて、必要に応じて圧力発生装置（１０）が制御されることにより、前記載置細片部材（８，８′，８″）の内の１個（８）が残りの他の載置細片部材（８′，８″）よりも高い押圧力を、レーザ光に照射されて加工される瞬間にだけ受けることを特徴とする前記〔１〕ないし〔４〕の何れか１項記載の物品加工方法。

〔６〕レーザ光加工後において、下部加圧板（９）が、新たに未加工の被加工物品が載置された２番目の下部板と置換されることを特徴とする前記〔１〕ないし〔５〕の何れか１項記載の物品加工方法。

〔７〕下部加圧板（９）が被加工物品保持部（１８）を持った加圧ピストン（１６）を有し、この加圧ピストン（１６）上に被加工物品（４，５）が載置されて透明な上部加圧板（３）に押圧され、前記下部加圧板（９）は、その平坦下面（２３）の部分が基底板（２１）に当接することにより、加圧空気連結部が気密に保持されることを特徴とする前記〔５〕または〔６〕記載の物品加工方法。

〔８〕上部加圧板（３）と被加工物品（４，５）との間に、レーザ光透過性の弾性合成樹脂箔（１４）が、移動可能に配置された載置細片部材（８）の場合でも、或いは固定の下部加圧板の場合でも、補正部材として挿入されることを特徴とする前記〔１〕ないし〔７〕の何れか１項記載の物品加工方法。

〔９〕被加工物品が固定され、次いで少なくとも前記被加工物品の一部がレーザ光に照射されて透過溶接されることにより、前記被加工物品をレーザ光によって溶接する装置であって、この装置は、レーザ光を形成し、これを操作するための機能を備えたレーザ光源と、被加工物品（４，５）を設置するための下部加圧板（９）としての載置機構と、被加工物品（４，５）の上部にあって加工中に前記被加工物品を固定するためのレーザ光透過性の上部加圧板（３）、ならびに上下加圧板（３，９）の少なくとも一方を押圧するための圧力発生装置（１０）より成り、前記下部加圧板（９）は、前記被加工物品（４，５）を載置するための複数個の載置細片部材を備え、これらの載置細片部材は前記下部加圧板（９）に対して上下に可動に配置され、同一の押圧力の場合においては、前記上部加圧板（３）までの間隔を変化させるように調整することが可能であることを特徴とするレーザ光による物品加工装置。

〔１０〕加圧空気によって与圧される加圧空間（１５）として形成された下部加圧板（９）が、上下方向に可動な１個または複数個の物品載置機構（１６，１８）を備えることを特徴とする前記〔９〕記載の物品加工装置。

〔１１〕下部加圧板（９）が、個々独立に相互に制御可能な物品載置機構（１２，１６，１８）を備えることを特徴とする前記〔９〕記載の物品加工装置。

〔１２〕下部加圧板（９）が、個々に弾性的に付勢された物品載置機構を備え、前記下部加圧板（９）は上下方向に可動であることを特徴とする前記〔９〕記載の物品加工装置。

〔１３〕少なくとも２個の下部加圧板（９）が予め用意され、その各々１個ずつを交互に上部加圧板（３）と圧力接触に移行させることが可能であるように構成されたことを特徴とする前記〔９〕ないし〔１２〕の何れか１項記載の物品加工装置。

〔１４〕下部加圧板（９）は、その下面側（２３）に加圧空気開口部（２２）を備え、これがその下方に配置された基底板（２１）内の対応する加圧空気開口部（２４）と共通中心軸上に位置することを特徴とする前記〔１３〕記載の物品加工装置。

〔１５〕下部加圧板（９）内の加圧空気開口部（２２）は貫通空腔として、基底板内の加圧空気開口部（２４）は、密封部材（２６）を内装するための凹状部（２５）を備えた空腔として形成されることを特徴とする前記〔１４〕記載の物品加工装置。

この発明の方法によれば、第１の加工過程において、被加工物品が少なくとも上下方向に可動な載置細片部材により、下部加圧板としての載置機構上に載置される。そのために個々の被加工物品は、それぞれ載置細片部材上に載置されるので、物品はすべて同時に位置決めされ、少なくとも一部分を固定することができる。それに続く加工過程において、上部加圧板としての、例えば、ガラス等のレーザ光透過板を被加工物品に当接させる。これは、この発明の方法によれば、単に載置動作、すなわち上部加圧板を、上部被加工物品上に移動させること、あるいは被加工物品を、下方から上部加圧板の位置まで移動させることによって達成される。次いで下部加圧板と上部加圧板とが、設定された押圧力により相互に押圧される。この際、前記載置細片部材と上部加圧板との間隔は、変化可能に調整され、それにより物品の寸法公差を補正し、すべての部材は同一の押圧力で加圧される。この固定は、下部加圧板の個々の載置細片部材を、上部加圧板と載置細片部材の各々との間にあって、正に加工される物品に選択的に固定させてレーザ光を照射させるか、或いはすべての載置細片部材に、同時に必要な押圧力を作用させることによって達成される。この選択的に押圧する場合は、その際に、かつ丁度レーザ光に照射される被加工物品の両者を強固に押圧しさえすればよい。下部加圧板上にある残りの被加工物品は、すべて単に軽く固定され、加工の瞬間になって始めて下部加圧板と載置細片部材との間において加圧される。

この発明の方法の利点は、大量の物品の生産に適することにある。例えば置換可能なマガジンによる装着により、生産時間を低減させることができる。部材を個々に固定させることにより、物品に想定可能な程度の高さの不均一ならば、それがあっても精度よく高品質に加工することができる。

この発明の方法の他の有利な形態によれば、各載置部材の個々の細片部材区域は、適切な値に設定可能な押圧力により、被加工物品に対して押圧される。これらの個々の細片部材区域は、例えば機械的、空気圧的、油圧的、サーボ電動機あるいは磁気的に、個々の針状部材、転輪部材、ピン、平板その他によって規定することができる。これらの個々の細片部材区域の形態は、応用および被加工物品の種類に応じて選ぶことができる。例えば針状部材等の多数の載置部材を使用した場合は、各部材を相互に圧接させて、下部加圧板に面する側を、例えば輪郭を持った非平面状に形成することができる。

この方法のさらに他の形態によれば、載置細片部材の各々は、第１の押圧力により上部加圧板に当接するまで移動して、前記上部加圧板に押圧され、それに続いてレーザ光加工中において第２のかなり高い押圧力が印加される。当然、複数個の載置部材を同時に移動させることも可能である。この場合の利点は、これによって下部加圧板を新たに未加工の被加工物品が載置された第２の下部加圧板によって置換することが、構造上簡単に実行できることである。このマガジン置換法によれば、溶接装置における生産数量を大幅に高めることができる。

さらに好ましくは、下部加圧板は、その下面側に加圧空気接続部を備え、基底板には、加圧空気接続対抗部材が設置され、前記下部加圧板は、上部加圧板の方向に作用する可成り大きな第２の押圧力によって生成される応力により前記基底板に圧接され、これにより加圧空気連結部が気密に保持される。

この方法のさらに他の形態によれば、上部加圧板と被加工物品との間に、レーザ光透過性の弾性合成樹脂箔が、補正部材として挿入される。これにより、相互圧接の際に発生が予想される押圧力差および物品寸法公差を補正することができる。このように合成樹脂箔を挿入することは、移動可能に配置された載置細片部材の場合でも、或いは固定の下部加圧板の場合でも、追加して実行することができる。

被加工物品を加工するための装置においては、下部加圧板は、この下部加圧板に対して上下に可動に配置された複数個の載置細片部材を備え、同一の押圧力の場合において、前記載置細片部材と下部加圧板との間隔を変化させるように調整することが可能である。前記載置細片部材の大きさは、被加工物品あるいは被溶接物品の大きさにほぼ一致させることができる。個々の載置細片部材を、発生が想定される製造許容差に適合させるために、弾性的載置により可動性を付与させることもできる。個々の載置細片部材は、上下方向に個々にでも相互にまとめてでも制御可能に、かつ上下方向に可動に形成することができる。加圧される各部材（すなわち載置細片部材と上部加圧板）の間隔を、適切な値に調整できる。

他の形態によれば、この発明の装置は、上下方向に可動な個別の細片部材区域を備えた複数個の載置細片部材を備える。これらの部材もまた、適切な載置面その他を備えた小寸法の線条部材、尖鋭部材、転輪部材、ピストン等によって構成することができる。この構成の利点は、このような応用に対して良好な適合が得られる点にある。

被加工物品は、溶接の行われる瞬間だけ相互圧接されるので、適切な制御装置により、載置細片部材の各々を、丁度レーザ光が照射される被加工物品に押圧させるという操作が確実に実行されるようにする。

この発明による装置の好適な形態によれば、下部加圧板は、加圧空気によって与圧される加圧空間として形成され、かつ上下方向に可動な１個または複数個の物品載置機構は、例えば広い載置面、線条部材、針状部材を有するピストンを備える。物品載置機構は、個々独立に相互に制御可能ならしめることができる。また下部加圧板が、個々に弾性的に付勢された物品載置機構を備え、前記下部加圧板を上下方向に可動ならしめることができる。

好ましくは、加圧空気用の加圧空間としての下部加圧板を備えた装置の他の形態では、交替マガジンとしての上部加圧板と交互に圧力接触に移行させることが可能な、少なくとも２個の下部加圧板を備える。好ましくは、下部加圧板は、その下面側に加圧空気開口部を備え、これがその下方に配置された基底板内の対応する加圧空気開口部と揃った位置にある。

好ましくは、下部板内の加圧空気開口部は、貫通空腔として、基底板内の加圧空気開口部は、密封部材を内装する凹状部を備えた空腔として形成される。これは導管、開閉弁等を追加使用しない簡単な気密構造を可能にする。前記凹状部内に配置された密封部材は、下部加圧板の重量によって相互圧接され、僅少な圧力でも良好な密閉状態となる。しかもこの圧力は、上下方向に可動な載置細片部材を、上部加圧板に対して移動させるのに十分である。これに続いて、高い圧力が作用すると、下部加圧板がこの高い圧力により前記基底板に対して押圧されるので、さらに密閉性が良好になる。

この発明によれば大量の物品の生産が可能となる。例えば置換可能なマガジンによる装着により生産時間を低減させることができる。また部材を個々に固定させることにより、物品に想定可能な程度の高さの不均一があっても精度よく高品質に加工することができるという効果がある。

この発明の、その他の利点、特徴および独自性を、以下記載の実施例および図面を参照して詳細に説明する。

図１は、被加工物品４および５上にある石英ガラスより成る上部加圧板３を示し、上部被加工物品４および上部加圧板３は、共にレーザ光源（図示せず）からのレーザ光に対して透過性である。レーザ光は、周知の適切な光学的手段で形成され、被加工区域に対して直角方向に照射させて、その区域を移動させる。これは適切な反射鏡による光路変換、レーザ光源の移動、あるいは載置台によって実行することができる。レーザ光は、上部加圧板３および上部被加工物品４を通過し、レーザ光は被加工物品４，５の間の接合区域６内で材質を加熱し、これによってこの実施例の場合には被加工物品４、５の溶接が生起される。溶接する区域を選択するためには、上部加圧板３に適切なマスクを添着することができる。被加工物品４および５は、下部加圧板９上の複数個の載置細片部材８上に載置される。上部加圧板３および下部加圧板９を、共に通常のピストン／シリンダ機構により油圧的あるいは加圧空気圧的に移動させることができる。この実施例中では、上部加圧板３は位置不動で、下部加圧板９の方は、図示の通り、載置細片部材８上の被加工物品４、５の配置状態に応じて一定の保持圧力により、物品４の上面部を上部加圧板３の方へ押圧する。下部加圧板９内に可動に設置された載置細片部材８は、同様に圧力発生装置１０として概略的に示したピストン／シリンダ機構により、空気圧駆動で上下方向に作動させることができる。

前記形態によれば、必要に応じて圧力発生装置１０が制御されて、載置細片部材８だけが、残りの他の載置細片部材８′，８″よりも高い押圧力を受け、それが丁度レーザ光に照射される。レーザ光が次の載置細片部材８′に来ると、載置細片部材８は固定から解除され、今度は載置細片部材８′が高い圧力を受ける。よってこの実施例では、被加工物品４，５が加工の瞬間のみにおいて高い押圧力を受けることが確実に実行される。これはマイクロおよびナノ寸法構造の場合の品質要件に対して必要とされる高い押圧力なので、通常は寸法精度のよい精密な加工は不可能なのであるが、それを加工の瞬間にのみ作用させることにより、目的を達成することができるのである。図１の実施例では、下部加圧板９が圧力発生装置１０により上部加圧板３の方向に向かって搬送された後に、載置細片部材８′，８″が加圧空気で加圧される。加圧空間１５により載置細片部材８′，８″の個々の加圧ピストン１６は上下方向に移動して、被加工物品４および５の種々の厚みに適合することができ、この際すべての物品に作用する押圧力は均等である。この場合、個々の載置細片部材８，８′，８″を制御して選択することは実行されない。

図２は、個別の載置細片部材８を備えた場合の下部加圧板９の斜視図であり、この場合、載置細片部材８は図１のような単一な平面状載置部材ではなくて、点状に構成されたものであり、これを実施例２とする。これは個々の細片部材区域すなわち複数個の小さな平面形状細片部材区域１１に、あるいは桿状または針状部材１２により点状に構成することにより達成される。平面形状細片部材区域１１は転輪状その他適宜のの部材であってもよい。図２の実施例の場合は、それが平面形状細片部材区域１１の場合でも桿状または針状部材１２の場合でも、１つの加圧力を独立に作用させてもよい。これは図１のように、加圧空間１５によって実行されるのであるが、平面形状細片部材区域１１が個々に独立して制御されるようにすることも可能である。

図３の実施例においては、上部加圧板３と被加工物品４との間に、厚さ０．２ないし１ミリメートルの透明箔１４が挿入され、それを介して、被加工物品４，５が上部加圧板３の間に相互に圧接固定されることにより、寸法公差および板厚への補正が達成されるので、すべての被加工物品４および５に、加工に必要とされる押圧力を作用させることができる。場合によっては、前記補正を、図１および図３に図示の上下移動する載置細片部材８によって節減することができる。前記透明箔１４は、図１のような可動載置細片部材の場合でも付加して使用される。

図４は、１個の加圧空間１５を備えた下部加圧板９を有する装置の種々の作動状態を示す。加圧空間１５は、例えば上下方向に加圧空間１５内に挿入された３個の加圧ピストン１６を備え、その上部正面１７は被加工物品載置部となる。この下部加圧板９もまた、シリンダ２８により上下方向に駆動され、このシリンダは、図示の通り大きな上下動往復行程を備える。図中には被加工物品は図示されていない。図４Ａは、装置が高さｈ１で停止した状態を示す。図４Ｂでは、シリンダ２８が空気圧または油圧で圧力付与されるので、下部加圧板９は上部加圧板３の方へ殆どすれすれに高さｈ２まで駆動される。図４Ｃでは、加圧空間１５が圧力付与され、加圧ピストン１６が、加圧空間１５から上下方向に駆動される。加圧ピストン１６の上下動往復行程は、前記上部正面１７に圧接された被加工物品の厚みの方向に独立に指向される。これにより、被加工物品の寸法公差に対する補正がなされるので、常に必要な押圧力が確保される。

図５Ａは、加圧空間１５および２個の加圧ピストン１６を備えた下部加圧板９のみを示す拡大斜視図、図５Ｂは、その拡大断面図で、前記加圧ピストン１６上に物品支持部材１８が上部正面１７に面して設置される。物品支持部材１８に当接して溶接される被加工物品４，５が載置される。この実施例では、加圧空気の出入口１９が側面方向に接続される。図５Ｂ中に明示された通り、加圧空間１５内の加圧ピストン１６は、微小角度誤差を補償できるように、密封部材２０を介して嵌挿されている。

図６Ａは、基底板２１に載置された加圧板９の他の異なる形態の断面図である。図６Ｂは基底板２１の斜視図で、図６Ｃは独立部材Ｃの拡大断面図である。この下部加圧板９も加圧空間１５を備え、被加工物品保持部１８を持った加圧ピストン１６が嵌挿される。この上に被加工物品４および５が載置されて、透明な上部加圧板３に押圧される。下部加圧板９は、加圧空間１５に通じる貫通腔２２を備え、平坦下面２３の部分が基底板２１に当接する。基底板２１は加圧空気開口部２４を備え、上面側において円筒状の凹状部２５内に開口する。この凹状部２５は、図６Ｂおよび６Ｃ図示の通り密封部材２６を内装するためのものである。この密封部材２６により、下部加圧板９の表面と、基底板２１の表面との間の相互の気密が保持される。

前記構成によれば、最も有利かつ簡便な態様により、被加工物品用マガジンとして複数個の下部加圧板９を用意し、これを相互に入れ替えて直ちに圧力発生装置に連結させることができる。

図７Ａないし図７Ｃは、載置細片部材が、加圧空間１５内で上下方向に可動な桿状部材２９として形成された場合の実施例で、前記の実施例同様、これも加圧空気で押圧されるものである。図７Ａは、１個の桿状部材２９を、図７Ｂは多数個の桿状部材２９を備えた下部加圧板９を示し、また図７Ｃは、下側の被加工物品５が桿状部材２９に面する側において曲面を有するの場合の桿状部材群の構成を示す断面図である。これにより被加工物品と構造化された表面とを、接触面において厳密に相互に押圧させることができる。

この発明の方法および装置は、押圧力のための加圧空気発生機構と直接に連携させることができるような複数個のマガジンを使用することができ、この場合、複数個の被加工物品を同時に入れ替えることが可能となり、従って、多数個の物品の生産が可能となる。同時に、すべての物品に対しての必要な押圧力は、物品加工許容公差を考慮に入れて選択することができるという利点がある。

載置細片部材を備えたこの発明による実施例１の構造および原理を示す断面図 下部加圧板、載置細片部材および個々の細片部材区域を示す実施例２の上面斜視図 強固な下部加圧板を備え、上部加圧板と被加工物品との間に、合成樹脂箔が付加された実施例３の断面図 下部加圧板と加圧空間とを備えた装置の作動段階機能原理図 下部加圧板と加圧空間とを備えた装置の作動段階機能原理図 下部加圧板と加圧空間とを備えた装置の作動段階機能原理図 下部加圧板の加圧空間に２個の載置細片部材を備えた実施例４の構造斜視図 図５Ａの構成の長さ方向断面図 下部加圧板と、加圧空気接続部を有する基底板とを備えた実施例５の断面図 図６Ａの接続部の部分斜視図 図６Ｂの部分断面図 載置細片部材が複数個の桿状部材より成る実施例６中の１個の桿状部材を示す構造斜視図 複数個の桿状部材を備えた下部加圧板の斜視図 下側の被加工物品が桿状部材に面する側において曲面を有するの場合の桿状部材群の構成を示す断面図

符号の説明

３ 上部加圧板
４，５ 被加工物品
８ 載置細片部材
９ 下部加圧板
１０ 圧力発生装置

Claims (15)

1. 被加工物品が固定され、少なくともその一部がレーザ光に照射される加工方法であって、第１の加工過程において、被加工物品（４，５）が上下方向に可動な載置細片部材（８）により、下部加圧板（９）上に載置され、第２の加工過程において、前記被加工物品（４）の表面側が、上部加圧板（３）としてのレーザ光透過板に当接され、前記下部加圧板（９）および上部加圧板（３）が設定された押圧力により相互に押圧され、この際前記載置細片部材（８）と上部加圧板（３）との間隔を変化させるように調整することが可能であり、それに続いて前記上部加圧板（３）と下部加圧板（９）との間の被加工物品（４，５）が前記上部加圧板（３）を通過してレーザ光に照射されることを特徴とするレーザ光による物品加工方法。
2. 載置細片部材（８）が選択的に上部加圧板に対して押圧され、この部分のみがレーザ光によって照射されることを特徴とする請求項１記載の物品加工方法。
3. 載置細片部材（８，８′，８″）の各々が、所要の押圧力に対応して上下方向に被加工物品（４，５）に対して押圧されることを特徴とする請求項１または２記載の物品加工方法。
4. 上下方向に可動な個々の細片部材区域（１１，１２）を備えた載置細片部材が使用され、前記細片部材区域が、予め設定された値の押圧力に対応して被加工物品（４，５）に対して押圧されることを特徴とする請求項１ないし３の何れか１項記載の物品加工方法。
5. 載置細片部材（８，８′，８″）の各々が、一定の保持圧力により上部加圧板（３）に当接して前記上部加圧板（３）に押圧され、それに続いて、必要に応じて圧力発生装置（１０）が制御されることにより、前記載置細片部材（８，８′，８″）の内の１個（８）が残りの他の載置細片部材（８′，８″）よりも高い押圧力を、レーザ光に照射されて加工される瞬間にだけ受けることを特徴とする請求項１ないし４の何れか１項記載の物品加工方法。
6. レーザ光加工後において、下部加圧板（９）が、新たに未加工の被加工物品が載置された２番目の下部板と置換されることを特徴とする請求項１ないし５の何れか１項記載の物品加工方法。
7. 下部加圧板（９）が被加工物品保持部（１８）を持った加圧ピストン（１６）を有し、この加圧ピストン（１６）上に被加工物品（４，５）が載置されて透明な上部加圧板（３）に押圧され、前記下部加圧板（９）は、その平坦下面（２３）の部分が基底板（２１）に当接することにより、加圧空気連結部が気密に保持されることを特徴とする請求項５または６記載の物品加工方法。
8. 上部加圧板（３）と被加工物品（４，５）との間に、レーザ光透過性の弾性合成樹脂箔（１４）が、移動可能に配置された載置細片部材（８）の場合でも或いは固定の下部加圧板の場合でも、補正部材として挿入されることを特徴とする請求項１ないし７の何れか１項記載の物品加工方法。
9. 被加工物品が固定され、次いで少なくとも前記被加工物品の一部がレーザ光に照射されて透過溶接されることにより、前記被加工物品をレーザ光によって溶接する装置であって、この装置は、レーザ光を形成し、これを操作するための機能を備えたレーザ光源と、被加工物品（４，５）を設置するための下部加圧板（９）としての載置機構と、被加工物品（４，５）の上部にあって加工中に前記被加工物品を固定するためのレーザ光透過性の上部加圧板（３）、ならびに上下加圧板（３，９）の少なくとも一方を押圧するための圧力発生装置（１０）より成り、前記下部加圧板（９）は、前記被加工物品（４，５）を載置するための複数個の載置細片部材を備え、これらの載置細片部材は前記下部加圧板（９）に対して上下に可動に配置され、同一の押圧力の場合においては、前記上部加圧板（３）までの間隔を変化させるように調整することが可能であることを特徴とするレーザ光による物品加工装置。
10. 加圧空気によって与圧される加圧空間（１５）として形成された下部加圧板（９）が、上下方向に可動な１個または複数個の物品載置機構（１６，１８）を備えることを特徴とする請求項９記載の物品加工装置。
11. 下部加圧板（９）が、個々独立に相互に制御可能な物品載置機構（１２，１６，１８）を備えることを特徴とする請求項９記載の物品加工装置。
12. 下部加圧板（９）が、個々に弾性的に付勢された物品載置機構を備え、前記下部加圧板（９）は上下方向に可動であることを特徴とする請求項９記載の物品加工装置。
13. 少なくとも２個の下部加圧板（９）が予め用意され、その各々１個ずつを交互に上部加圧板（３）と圧力接触に移行させることが可能であるように構成されたことを特徴とする請求項９ないし１２の何れか１項記載の物品加工装置。
14. 下部加圧板（９）は、その下面側（２３）に加圧空気開口部（２２）を備え、これがその下方に配置された基底板（２１）内の対応する加圧空気開口部（２４）と共通中心軸上に位置することを特徴とする請求項１３記載の物品加工装置。
15. 下部加圧板（９）内の加圧空気開口部（２２）は貫通空腔として、基底板内の加圧空気開口部（２４）は、密封部材（２６）を内装するための凹状部（２５）を備えた空腔として形成されることを特徴とする請求項１４記載の物品加工装置。

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