JP3856427B2 - 端末間の接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末間の接続方法に関し、詳しくは、IP(インターネットプロトコル)で規定されたグローバルIPアドレスを使用する端末間の接続方法であって、特に動的IPアドレスに適用して好適な端末間の接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にインターネット(Internet)に接続されるすべての端末は、IPアドレスと呼ばれる固有の情報によって識別されている。IPアドレスは、InterNICやJPNIC(Japan Network Information Center)などの団体によって厳密に管理される「グローバルIPアドレス」と、閉鎖的なネットワーク環境(LAN:Local Area Networkなど)での使用が認められている「プライベートIPアドレス」の二種類あるが、インターネットに接続するためには、全地球的規模でユニーク(唯一無二)な存在であるグローバルIPアドレスを用いなければならない。以下、単にIPアドレスという場合は、このグローバルIPアドレスを指すものとする。
【0003】
IPアドレスが持つアドレス空間は32ビットである(現行のIPv4の場合)。これは、単純計算で約43億台もの端末をインターネット上で識別できることを意味する。しかし、すべての端末にIPアドレスを固定割り当て(静的割り当てともいう)した場合、現在の爆発的なインターネット人口の増加を考慮すると、アドレス空間の枯渇は時間の問題ともいわれていることから、有限なIPアドレス資源を有効利用するために、IPアドレスの貸し出し(リース)、すなわち、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いた動的IPアドレスの割り当てが行われる。
【0004】
図3(a)は、動的IPアドレスの貸し出し概念図である。インターネット1にはIPアドレスが固定割り当てされたサーバ群2が接続されている。このサーバ群2は、たとえば、企業などのホームページを閲覧させるためのウェブサーバなどである。
【0005】
今、このインターネット1にユーザの端末3を接続して、サーバ群2の任意サーバをアクセスすることを考えると、(1)まず、端末3は、インターネット1を介してDHCPサーバ4にIPアドレスのリクエストを出す。(2)DHCPサーバ4は自己の管理するIPアドレス範囲から未使用のIPアドレスを取り出し、そのIPアドレスを端末3に割り当てる。(3)次に、IPアドレスの割り当てを受けた端末3は、そのIPアドレスをIPパケットの送信元アドレスにセットすると共に、IPパケットの送信先アドレスにサーバ群2の任意サーバのIPアドレスをセットし、そのIPパケットをインターネット1に送出することにより、(4)当該任意サーバから所要のサービス、たとえば、ホームページ等のコンテンツ供給を受けることができる。
【0006】
このように、インターネットの世界においては、IPアドレスによって識別された端末同士の間で一対一のパケット交換を行うことができ、上述のホームページ閲覧をはじめとする様々なディジタルデータの相互伝送を行うことができる。
【0007】
ここで、VoIP(Voice over IP)と呼ばれる技術は、音声信号をディジタル信号に変換してIPパケット化するものであり、通信回線にインターネットなどのIPネットワークを利用することができる技術である。
【0008】
図3(b)は、VoIPを用いた音声通話システム(いわゆるIP電話システム)の概念図である。インターネット1に接続されたIP電話端末5、6は、それぞれIPアドレスが割り当てられている。たとえば、右側のIP電話端末5(以下、呼び出し元端末という)から左側のIP電話端末6(以下、呼び出し先端末という)を呼び出す場合は、呼び出し元端末5の操作パネルで呼び出し先端末6のIPアドレスを入力すればよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、IP電話システムにあっては、呼び出し先端末6のIPアドレスが分からない場合はその電話機を呼び出すことができないので、事前に、呼び出し先端末6のIPアドレスを発呼側(呼び出し元端末5側)に知らせておく必要がある。しかしながら、IPアドレスは、一般加入電話機の電話番号と違って馴染みがないため、どの情報を伝える(または伝えてもらう)べきかとまどうし、とりわけ、上述の動的IPアドレスを利用している場合は、一度伝えたIPアドレスがすでに期限切れ(使用不可)になっていることもあるので、かかる人為的に行われるIPアドレスの通知方法にあっては、充分な信頼性が得られないという問題点がある。
【0010】
なお、この問題点は、IP電話システムに固有のものではなく、インターネットを介して相互に接続可能な端末のすべてにいえることである。たとえば、遠隔地の端末間を接続して画像などをやり取りするテレビ電話会議システムやモニターシステム、遠隔地のコンピュータなどを操作するリモートコントロールシステムなども同様の問題点(IPアドレスの信頼性問題)を抱えている。
【0011】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、公衆電話回線を併用することにより、人手をかけずにIPアドレスを通知することができ、以て、IPアドレス通知の信頼性向上を図り、とりわけ、動的IPアドレスの割り当てに適用して好適な端末間の接続方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、インターネットと公衆電話回線とを選択的に使用して相互に接続可能な端末間の接続方法であって、
前記端末の電話番号とIPアドレスとの関連付けテーブルをインターネット上のサーバに保存すると共に、
前記関連付けテーブルのデータ更新については、定期的または前記端末でIPアドレスを新規取得したときに前記インターネットを介して前記端末から前記サーバにアクセスして当該端末のIPアドレス及び電話番号をサーバに通知して該サーバに保存されている関連付けテーブルの当該端末のデータを更新し、
呼び出し元端末から呼び出し先端末に接続する際には、
当該呼び出し先端末の電話番号を手がかりにして前記関連付けテーブルから当該呼び出し先端末のIPアドレスの取り出し操作を行い、
IPアドレスを取り出せた場合は、当該IPアドレスを用いて、前記インターネット経由で当該呼び出し先端末に接続する一方、IPアドレスを取り出せなかった場合は、当該電話番号を用いて、前記公衆電話回線経由で当該呼び出し先端末に接続し、
前記関連付けテーブルへのデータの新規登録については、その新規データ登録の際に、前記端末に設けられているデータ登録ボタンを操作し公衆電話回線を使用して前記サーバにダイヤルし、
ダイヤル先のサーバは、発信者番号通知機能を利用してデータ登録ボタンの操作された端末の電話番号を取得するとともに、当該端末からサーバに送信されたIPアドレスを取得して、これら取得した電話番号とIPアドレスとを当該端末の新規データとして前記関連付けテーブルに新規登録することを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、インターネットと公衆電話回線とを選択的に使用して相互に接続可能な端末間の接続方法であって、
前記端末の電話番号とIPアドレスとの関連付けテーブルをインターネット上のサーバに保存し、
前記関連付けテーブルのデータ更新については、呼び出し元端末から呼び出し先端末へ公衆電話回線経由で所定のトーン信号またはその組み合わせを送出し、該トーン信号またはその組み合わせに応答させて、呼び出し先端末からサーバにアクセスして当該端末のIPアドレス及び電話番号をサーバに通知してサーバに保存されている関連付けテーブルの当該端末のデータを更新し、
呼び出し元端末から呼び出し先端末に接続する際には、
当該呼び出し先端末の電話番号を手がかりにして前記関連付けテーブルから当該呼び出し先端末のIPアドレスの取り出し操作を行い、
IPアドレスを取り出せた場合は、当該IPアドレスを用いて、前記インターネット経由で当該呼び出し先端末に接続する一方、IPアドレスを取り出せなかった場合は、当該電話番号を用いて、前記公衆電話回線経由で当該呼び出し先端末に接続し、
前記関連付けテーブルへのデータの新規登録については、その新規データ登録の際に、前記端末に設けられているデータ登録ボタンを操作し公衆電話回線を使用して前記サーバにダイヤルし、
ダイヤル先のサーバは、発信者番号通知機能を利用してデータ登録ボタンの操作された端末の電話番号を取得するとともに、当該端末からサーバに送信されたIPアドレスを取得して、これら取得した電話番号とIPアドレスとを当該端末の新規データとして前記関連付けテーブルに新規登録することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0021】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態として、IP電話システムを例にした、そのシステム概念図である。インターネット10には、本発明の技術思想を適用したIP電話端末11、12が接続されており、また、これらのIP電話端末11、12は公衆電話回線13にも接続されている。ここで、IP電話端末11、12は、VoIP技術によりインターネット10経由で音声通話を行うことができると共に、公衆電話回線13経由でも通常の音声通話を行うことができるものであり、要するに、インターネット10と公衆電話回線13とを選択的に使用して相互に接続することが可能な端末に相当するものである。
【0022】
以下、便宜的に図面右側のIP電話端末11を「呼び出し元端末」ということにし、その電話番号を「03−1111−2222」、そのIPアドレスを「192.168.1.1」と仮定すると共に、図面左側のIP電話端末12を「呼び出し先端末」ということにし、その電話番号を「03−3333−4444」、そのIPアドレスを「192.168.1.2」と仮定することにする。
【0023】
なお、例示のIPアドレスは、いわゆるクラスCのプライベートIPアドレスの範囲に含まれるが、これは、グローバルIPアドレスを例示した場合、そのIPアドレスの保有者の特定につながるからである。冒頭でも説明したように、インターネットに接続するためには、グローバルIPアドレスでなければならないので、例示のIPアドレス(192.168.1.*)は、グローバルIPとみなすものとする。
【0024】
また、インターネット10は、インターネットプロトコルをサポートする全地球的規模のネットワークであって、そのネットワークに呼び出し元端末11や呼び出し先端末12などの各種ユーザ端末を接続すると共に、不図示の多種多様なサーバ群を接続して構築された広域ネットワークである。ユーザ端末の接続形態は、不図示のインターネットサービスプロバイダ(ISP)のアクセスサーバを介して行われるダイアルアップ接続または常時接続のいずれであってもよい。以下、説明の簡単化のために常時接続を例とする。
【0025】
また、公衆電話回線13は、一般加入アナログ電話回線、ディジタル電話回線、携帯電話回線(PHS:Personal Handy−Phone System回線含む)などであり、または、その一部に自営電話回線(コードレス回線や構内電話回線など)を含んでいてもよい。
【0026】
第1の実施の形態における呼び出し元端末11と呼び出し先端末12は、その端末呼び出しに際して、以下の特徴的な手順を実行する。
(A)呼び出し元端末11のIPアドレス通知
まず、呼び出し元端末11は、公衆電話回線13経由で、呼び出し先端末12の電話番号(03−3333−4444)を発呼し、呼び出し元端末11のIPアドレス(192.168.1.1)を呼び出し先端末12に通知する。
【0027】
(B)呼び出し先端末12のIPアドレス通知
呼び出し先端末12は、その発呼を受けて、呼び出し元端末11のIPアドレス(192.168.1.1)を受信すると、インターネット10に接続し、呼び出し元端末11のIPアドレス(192.168.1.1)をIPパケットの送信先アドレスにセットすると共に、そのIPパケットの送信元アドレスに、自身のIPアドレス(192.168.1.2)をセットしてインターネット10に送出する。
【0028】
呼び出し元端末11は、インターネット10のパケットをモニタし、送信先アドレスに自己のIPアドレス(192.168.1.1)がセットされたパケットを検出すると、そのパケットを取り込み、当該パケットの送信元アドレスにセットされたIPアドレス(192.168.1.2)を受け取る。
【0029】
(C)両端末11、12間の相互接続
これらの手順(A)(B)を実行することにより、呼び出し元端末11は、呼び出し先端末12のIPアドレス(192.168.1.2)を知ることができ、且つ、呼び出し先端末12も、呼び出し元端末11のIPアドレス(192.168.1.1)を知ることができるので、以降、両端末11、12間でインターネット10経由の相互接続を支障なく行うことができるようになる。
【0030】
したがって、第1の実施の形態のIP電話システムにあっては、人為的なIPアドレスの通知を行うことなく、VoIP技術を利用した音声通話をインターネット10上で実現することができ、あるいは、遠隔地の端末間を接続して画像などをやり取りするテレビ電話会議システムやモニターシステム、遠隔地のコンピュータなどを操作するリモートコントロールシステムなどにあっても、それらの機能をインターネット10上で支障なく実現することができる。
【0031】
また、両端末11、12における相手先へのIPアドレスの通知が、呼び出し元端末(呼び出し元端末11)から呼び出し先端末(呼び出し先端末12)を呼び出す際に行われるため、呼び出しの時点で割り当てられている最新のIPアドレスを互いに通知し合うことができ、とりわけ、IPアドレスの貸出期間が定められている動的IPアドレスに適用して好適な技術を提供することができる。
【0032】
<第2の実施の形態>
図2(a)は、本発明の第2の実施の形態として、上記の第1の実施の形態と同様にIP電話システムを例にした、そのシステム概念図である。インターネット20には、本発明の技術思想を適用したIP電話端末21、22及びサーバ23が接続されており、また、IP電話端末21、22は公衆電話回線24にも接続されている。ここで、IP電話端末21、22は、VoIP技術によりインターネット20経由で音声通話を行うことができると共に、公衆電話回線24経由でも通常の音声通話を行うことができるものであり、要するに、インターネット20と公衆電話回線24とを選択的に使用して相互に接続することが可能な端末に相当するものである。
【0033】
以下、便宜的に図面右側のIP電話端末21を「呼び出し元端末」ということにし、その電話番号を「03−1111−2222」、そのIPアドレスを「192.168.1.1」と仮定すると共に、図面左側のIP電話端末22を「呼び出し先端末」ということにし、その電話番号を「03−3333−4444」、そのIPアドレスを「192.168.1.2」と仮定することにする。なお、例示のIPアドレスは、前記第1の実施の形態と同じ理由で、グローバルIPとみなすものとする。
【0034】
また、インターネット20は、インターネットプロトコルをサポートする全地球的規模のネットワークであって、そのネットワークに呼び出し元端末21や呼び出し先端末22などの各種ユーザ端末を接続すると共に、不図示の多種多様なサーバ群を接続して構築された広域ネットワークである。ユーザ端末の接続形態は、不図示のインターネットサービスプロバイダのアクセスサーバを介して行われるダイアルアップ接続または常時接続のいずれであってもよい。以下、説明の簡単化のために常時接続を例とする。
【0035】
また、公衆電話回線24は、一般加入アナログ電話回線、ディジタル電話回線、携帯電話回線(PHS回線含む)などであり、または、その一部に自営電話回線(コードレス回線や構内電話回線など)を含んでいてもよい。
【0036】
サーバ23は、図2(b)に示す関連付けテーブルをインターネット20上に保持するものである。図2(b)において、関連付けテーブル25は、電話番号フィールド25aとIPアドレスフィールド25bとからなるレコードを、登録済みのユーザ端末の数だけ備えており、たとえば、ユーザ端末を前記二つのIP電話端末(呼び出し元端末21と呼び出し先端末22)とすると、第1のレコードの電話番号フィールド25aに「03−1111−2222」を格納すると共に、同レコードのIPアドレスフィールド25bに「192.168.1.1」を格納し、また、第2のレコードの電話番号フィールド25aに「03−3333−4444」を格納すると共に、同レコードのIPアドレスフィールド25bに「192.168.1.2」を格納している。
【0037】
この関連付けテーブル25は、電話番号フィールド25aの格納内容(電話番号)を手がかり(キーワード)にしてレコード抽出されるようになっており、該当するレコードが存在した場合は、その抽出レコードのIPアドレスフィールド25bの格納内容(IPアドレス)を返し、または、該当するレコードが存在しなかった場合は、その旨を表す情報(便宜的に“該当レコードなし”という文字列とする。)を返すようになっている。
【0038】
第2の実施の形態における呼び出し元端末21と呼び出し先端末22は、その端末呼び出しに際して、以下の特徴的な手順を実行する。
(イ)関連付けテーブル25の参照
呼び出し元端末21は、まず、インターネット20経由でサーバ21にアクセスし、呼び出し先端末22の電話番号(03−3333−4444)をサーバ23に渡す(イ−1)。
【0039】
サーバ23は、この電話番号(03−3333−4444)を手がかり(キーワード)にして関連付けテーブル25のレコード検索を行い、電話番号フィールド25aの格納内容が「03−3333−4444」のレコードを見つけた場合は、そのレコードのIPアドレスフィールド25bの格納内容(192.168.1.2)を取り出して、そのIPアドレス“192.168.1.2”をインターネット10経由で呼び出し元端末21に送信する(イ−2)。
【0040】
あるいは、レコード検索の結果、電話番号フィールド25aの格納内容が「03−3333−4444」のレコードが見つからなかった場合は、文字列“該当レコードなし”をインターネット10経由で呼び出し元端末21に送信する(イ−2)。
【0041】
(ロ)呼び出し先端末22への接続
呼び出し元端末21は、サーバ23からIPアドレスが返された場合、そのIPアドレスを宛先としてインターネット20経由で呼び出し先端末22への接続を行い(ロ−1)、一方、サーバ23から文字列“該当レコードなし”が返された場合は、電話番号(03−3333−4444)を宛先として公衆電話回線24経由で呼び出し先端末22への接続を行う(ロ−2)。
【0042】
したがって、この手順(イ)(ロ)によれば、呼び出し先端末22の識別情報(電話番号とIPアドレス)がサーバ23の関連付けテーブル25に登録されている場合は、インターネット20経由で両端末(呼び出し元端末21と呼び出し先端末22)の相互接続を行うことができる一方、呼び出し先端末22の識別情報がサーバ23の関連付けテーブル25に登録されていない場合、たとえば、呼び出し先端末22が一般加入電話の機能しか持っていない場合は、公衆電話回線24経由で両端末(呼び出し元端末21と呼び出し先端末22)の相互接続を行うことができる。したがって、呼び出し先端末22の機能(IP電話端末機能の有無)を考慮する必要がないから、事前に相手先端末を登録するなどの作業を行わずに、自由に端末間接続を行うことができ、使い勝手のよいシステムを構築することができる。
【0043】
(ハ)関連付けテーブル25のデータ更新
ところで、動的IPアドレスを適用する場合、関連付けテーブル25に保持されているIPアドレスが期限切れになっている可能性がある。この場合の対策としては、以下のようなものが考えられる。
【0044】
第一の対策:インターネット20に接続された各ユーザ端末(図では、呼び出し元端末21と呼び出し先端末22)でIPアドレスの更新イベント(動的IPアドレスの新規取得)が行われたときに、その情報(電話番号と新規取得したIPアドレス)をサーバ23に送り、サーバ23で関連付けテーブル25の該当レコードの更新を行う(ハ−1)。
【0045】
または、IPアドレスの更新イベントごとではなく、各ユーザ端末(図では、呼び出し元端末21と呼び出し先端末22)から定期的に電話番号とIPアドレスとをサーバ23に送り、サーバ23で関連付けテーブル25の該当レコードの更新を行う(ハ−1)。
【0046】
第三の対策:呼び出し元端末21から呼び出し先端末22を呼び出す際に、公衆電話回線24経由で呼び出し先端末22を発呼して所定のトーン信号(DTMF:Dial Tone Multi Frequency信号)またはその組み合わせを送り、トーン信号またはその組み合わせに応答させて、上記第一の対策の更新イベントを強制的に発生させる(ハ−2)。
【0047】
これらの対策のいずれかを採用すれば、関連付けテーブル25のデータが最新の状態に維持されるから、動的IPアドレスを適用した場合の不都合(IPアドレスの期限切れ)を解消することができる。
【0048】
(ニ)関連付けテーブル25の新規データ登録
関連付けテーブル25への新規データ登録(電話番号とIPアドレスの新規登録)は、次のようにして行うことができる。たとえば、IP電話端末(21または22)には、初期設定ボタンまたはデータ登録ボタンが設けられており、このボタンを押すと、公衆電話回線24を介してサーバ23にダイアルされるようになっている。ダイアル先のサーバ23は、発信者番号通知機能(いわゆるナンバーディスプレイ機能)を利用して、ダイアル元の電話番号(IP電話端末自身が接続された利用者の電話番号)を取得し、関連付けテーブル25に新規レコードを追加して、そのレコードに取得した電話番号を登録すると共に、同時に、IP電話端末からサーバ23に送信されたIPアドレスを当該レコードに記録する。この方法によって、電話番号の入力間違いや人為的ミスによる誤った通話相手の呼び出しを防ぐことができるほか、複雑な登録作業を必要とせずに利用することができる。
【0049】
すなわち、IP電話端末を購入しまたは入手したユーザは、そのIP電話端末をインターネット20及び公衆電話回線24に接続し、当該ボタンを押すという簡単な操作を行うだけで、IP電話端末の電話番号とIPアドレスとを関連付けテーブル25に新規登録することができる。
【0050】
この手順によれば、本発明の技術思想を適用したIP電話端末のデータ(電話番号とIPアドレス)をワンタッチで関連付けテーブル25に新規登録することができるので、相手の電話番号が分かっているIP電話端末同士でVoIPによる音声通話を行うことができることはもちろんのこと、関連付けテーブル25に登録されている相手であれば、全く知らない第三者であっても電話番号を入力するだけでVoIPによる音声通話を行うことが可能となる。
【0051】
なお、以上の第1の実施の形態及び第2の実施の形態の説明はIP電話システムを例にしているが、これに限定されない。本発明は、インターネットに接続される端末であって、しかも相手側端末のIPアドレスを把握する必要があるすべてのシステムに適用することができる。たとえば、遠隔地の端末間を接続して画像などをやり取りするテレビ電話会議システムやモニターシステム、遠隔地のコンピュータなどを操作するリモートコントロールシステムなどであってもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、人手をかけずにIPアドレスを通知することができ、IPアドレス通知の信頼性向上を図ることができ、とりわけ、動的IPアドレスの割り当てに適用して好適なIPアドレス通知方法を提供することができる。
また、たとえば、相手先端末がIP電話端末能を有する場合と、一般加入電話機能のみの場合の双方に対応することができ、一般加入電話システムとの共存を可能としたIP電話システムを実現することができる。
また、関連付けテーブルのデータが、定期的に、または新規IPアドレスの取得時に、もしくは端末呼び出し時に更新されるので、動的IPアドレスを適用した場合のIPアドレスの期限切れ問題に対処することができる。
そして、上記効果を達成しつつ、IP電話端末を購入しまたは入手したユーザは、そのIP電話端末をインターネット及び公衆電話回線に接続し、データ登録ボタンを押すという簡単な操作を行うだけで、IP電話端末の電話番号とIPアドレスとを関連付けテーブルに新規登録することができる。したがって、電話番号の入力間違いや人為的ミスによる誤った通話相手の呼び出しを防ぐことができるほか、複雑な登録作業を必要とせずに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のシステム概念図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態のシステム概念図及び関連付けテーブル25のテーブル概念図である。
【図3】動的IPアドレスの貸し出し概念図及びIP電話システムの概念図である。
【符号の説明】
10 インターネット
11 IP電話端末(呼び出し元端末)
12 IP電話端末(呼び出し先端末)
13 公衆電話回線
20 インターネット
21 IP電話端末(呼び出し元端末)
22 IP電話端末(呼び出し先端末)
23 サーバ
24 公衆電話回線
25 関連付けテーブル
Claims (2)
- インターネットと公衆電話回線とを選択的に使用して相互に接続可能な端末間の接続方法であって、
前記端末の電話番号とIPアドレスとの関連付けテーブルをインターネット上のサーバに保存すると共に、
前記関連付けテーブルのデータ更新については、定期的または前記端末でIPアドレスを新規取得したときに前記インターネットを介して前記端末から前記サーバにアクセスして当該端末のIPアドレス及び電話番号をサーバに通知して該サーバに保存されている関連付けテーブルの当該端末のデータを更新し、
呼び出し元端末から呼び出し先端末に接続する際には、
当該呼び出し先端末の電話番号を手がかりにして前記関連付けテーブルから当該呼び出し先端末のIPアドレスの取り出し操作を行い、
IPアドレスを取り出せた場合は、当該IPアドレスを用いて、前記インターネット経由で当該呼び出し先端末に接続する一方、IPアドレスを取り出せなかった場合は、当該電話番号を用いて、前記公衆電話回線経由で当該呼び出し先端末に接続し、
前記関連付けテーブルへのデータの新規登録については、その新規データ登録の際に、前記端末に設けられているデータ登録ボタンを操作し公衆電話回線を使用して前記サーバにダイヤルし、
ダイヤル先のサーバは、発信者番号通知機能を利用してデータ登録ボタンの操作された端末の電話番号を取得するとともに、当該端末からサーバに送信されたIPアドレスを取得して、これら取得した電話番号とIPアドレスとを当該端末の新規データとして前記関連付けテーブルに新規登録することを特徴とする端末間の接続方法。 - インターネットと公衆電話回線とを選択的に使用して相互に接続可能な端末間の接続方法であって、
前記端末の電話番号とIPアドレスとの関連付けテーブルをインターネット上のサーバに保存し、
前記関連付けテーブルのデータ更新については、呼び出し元端末から呼び出し先端末へ公衆電話回線経由で所定のトーン信号またはその組み合わせを送出し、該トーン信号またはその組み合わせに応答させて、呼び出し先端末からサーバにアクセスして当該端末のIPアドレス及び電話番号をサーバに通知してサーバに保存されている関連付けテーブルの当該端末のデータを更新し、
呼び出し元端末から呼び出し先端末に接続する際には、
当該呼び出し先端末の電話番号を手がかりにして前記関連付けテーブルから当該呼び出し先端末のIPアドレスの取り出し操作を行い、
IPアドレスを取り出せた場合は、当該IPアドレスを用いて、前記インターネット経由で当該呼び出し先端末に接続する一方、IPアドレスを取り出せなかった場合は、当該電話番号を用いて、前記公衆電話回線経由で当該呼び出し先端末に接続し、
前記関連付けテーブルへのデータの新規登録については、その新規データ登録の際に、前記端末に設けられているデータ登録ボタンを操作し公衆電話回線を使用して前記サーバにダイヤルし、
ダイヤル先のサーバは、発信者番号通知機能を利用してデータ登録ボタンの操作された端末の電話番号を取得するとともに、当該端末からサーバに送信されたIPアドレスを取得して、これら取得した電話番号とIPアドレスとを当該端末の新規データとして前記関連付けテーブルに新規登録することを特徴とする端末間の接続方法。
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