JP3855755B2 - 光学的情報記録再生装置および記録光強度学習方法 - Google Patents
光学的情報記録再生装置および記録光強度学習方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学的記録媒体に情報を記録する光学的情報記録再生装置および記録光強度学習方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学的記録媒体として、CD Rewritable媒体やDVD Re−recordable媒体があり、これらの媒体に情報を記録する光学的情報記録再生装置および記録光強度学習方法は、たとえば「DVD Specification for Re−recordable Disc Part1PHYSICAL SPECIFICATIONS」に記載されたものが知られている。
【0003】
図9は従来の光学的情報記録再生装置の一例であるDVD Re−recordableの構造を示しており、光学的記録媒体(DVD−RW媒体)である光ディスク1、前記光ディスク1に光ビームを照射するレーザダイオード(以下、LD(Laser Diode)と記す)を搭載しているピック2、前記ピック2内のLDを駆動するレーザ駆動回路3、前記レーザ駆動回路3に対し所望のレーザ出力を指令するレーザ出力制御回路4、前記光ディスク1上に記録されている初期記録情報を読み出す初期記録情報読み込み回路6、読み出された初期記録情報をもとに記録パワーを可変する記録パワー可変回路12、前記光ディスク1上に記録された記録パターンから再生信号の変調度を検出する変調度検出回路7、前記変調度検出回路7から検出された変調度と記録パワーから記録パワーで正規化された変調度を演算する正規化変調係数演算回路8、正規化変調係数と初期記録情報から前記光ディスク1と前記ピック2との組み合わせにおける最適記録パワーを求める最適記録パワー演算回路13、前記光ディスク1に記録する情報記録パターンを発生する記録パターン発生回路11から構成されている。
【0004】
光ディスク1上には図10に示すごとく情報を記録するデータ領域21以外に光ディスク1の内周部に情報を記録する場合必要に応じて記録パワーを学習する記録パワー学習領域22が設けられている。
【0005】
光学的情報記録再生装置が記録パワー学習を行う場合、まず光ディスク1上に記録されている初期記録情報である推奨記録パワーPi等を初期記録情報読み込み回路6により読み込む。この推奨記録パワーPiは光ディスク毎に標準評価機等による一定条件のもとで決定された最適な記録パワーである。実際に情報を記録する場合には、記録時の温度状態によるLD波長変化にともなう記録媒体の光感度変化やピック2の埃等によるレーザ伝送効率の低下等により最適記録パワーが異なるため、前記記録パワー学習領域22で記録時の状態に応じた記録パワーを学習する必要がある。また、各光学的情報記録再生装置は光ディスク毎に最適パワー制御係数として、最適記録パワーを得るための増倍率ρ(以下、最適パワー増倍率ρ)、目標正規化変調係数γtarget(以下、γtと記す)を保持している。
【0006】
次に光ピック2を光ディスク1の内周部に設けられた記録パワー学習領域22に移動させ、記録パターン発生回路11から記録パワー学習用パターンとしてたとえばランダムな8−16エンコードデータパターンを発生させるとともに記録パワー可変回路12は、前記推奨記録パワーPiを最適パワー増倍率ρで割った値より小さな記録パワーをパワー学習開始記録パワーPw0とし、図11に示すごとくパワー学習記録パワーを一定パワーづつ増加させ、10段階の記録パワー(Pw0〜Pw9)で記録パワー学習用パターンを前記記録パワー学習領域22内に記録する。
【0007】
変調度検出時には、ピック2からは各記録パワーPwに応じた再生波形が再生され、変調度検出回路7により各記録パワーでの変調度(m0〜m9)が検出される。
【0008】
図12に一定の記録パワーで記録パワー学習用パターンが記録された場合の再生波形を示す。記録パワー学習用パターンは情報を記録する場合と同じ8−16エンコードデータパターンで記録されているため記録単位時間T基準で3T〜11Tおよび14Tの記録長マーク(以後、マークと記す)と未記録長スペース(以後、スペースと記す)からなる。
【0009】
変調度検出回路7は、最長スペースである14Tスペース、最長マークである14Tマークのそれぞれの振幅値AH1、AL1から数1を用いて変調度mを算出する。
【0010】
【数1】
【0011】
変調度検出回路7は、前記記録パワーと検出した変調度mから図13のごとく各記録パワーと変調度mの関係を求める。
【0012】
正規化変調係数演算回路8は前記記録パワーと変調度の関係から数2を用いて図13に示すごとく各記録パワーと正規化変調係数γの関係を算出する。
【0013】
【数2】
【0014】
たとえば、記録パワーPw0とPw1の変調度m0、m1から、数3、数4を用いて記録パワーPw01での正規化変調係数γ1が算出できる。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】
次に最適記録パワー演算回路13は前記各記録パワーと正規化変調係数γの関係から目標正規化変調係数γtを実現する記録パワーである目標記録パワーPtを求め、数5を用いて最適記録パワーPoを算出し、情報記録パワーとする。
【0018】
【数5】
【0019】
情報をデータ領域21に記録する場合は、前記記録パワー学習を行って決定された情報記録パワーになるようレーザ出力制御回路4が動作し、パワー学習状態での最適記録パワーで情報が記録される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
この光学的情報記録再生装置においては、光ディスク上に記録されている推奨記録パワーPiや事前に求めた光ディスク毎の増倍率ρ、目標正規化変調係数γtをもとに最適記録パワーを求めるため、標準評価機による一定条件下のもとでの最適記録パワーが求まる。しかしながら実際の装置においてはチルト等の機械的なずれやデフォーカス等の制御誤差など実効記録パワーが減少する要因があり、実際に情報を記録する情報記録パワーを最適記録パワーより高めに設定する必要がある。
【0021】
また、光学的記録媒体は一般的に最適記録パワーより高い記録パワーで何度も記録を繰り返すと記録トラック溝を劣化させ記録トラック溝と光ビームとの相対位置情報であるトラッキング誤差信号振幅が減少し、最悪の場合トラッキング制御が不能になるという場合が発生する。
【0022】
本発明は、情報記録パワーを高めに設定してもトラッキング制御が不能にならないよう記録パワーを決定する記録パワー学習を実現することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の光学的情報記録再生装置は、記録トラック溝が一定の周期で径方向に変動してなる光学的記録媒体と、前記光学的記録媒体に光ビームを照射する光照射手段と、前記光照射手段に対し所望の光強度で発光させる光駆動手段と、前記光学的記録媒体内の光強度学習領域に光強度学習開始光強度(Pw0)および所望の光強度(Pwn)で光強度学習パターンを記録するよう制御する記録出力制御手段と、初期記録情報として予め光学的情報記録再生装置に保持されているトラック溝変動信号限界振幅比(δt)を読み込む初期記録情報読み込み手段と、前記光強度学習パターンの再生信号の振幅から変調度を検出する変調度検出手段と、前記記録トラック溝の周期的な変動により発生するトラック溝変動信号の振幅を検出するトラック溝変動信号振幅検出手段と、前記光強度学習領域に複数の光強度で記録された記録領域の変調度より前記光学的記録媒体に記録する下限光強度を演算する光強度下限演算手段と、前記光強度学習領域に記録された記録領域のトラック溝変動信号振幅より前記光学的記録媒体に記録する上限光強度を演算する光強度上限演算手段と、前記下限光強度と前記上限光強度より前記光学的記録媒体に情報を記録する光強度を決定する情報記録光強度決定手段とを備え、前記光強度上限演算手段が、前記所望の光強度(Pwn)で記録した前記記録領域のトラック溝変動信号振幅(wn)を前記光強度学習開始光強度(Pw0)で記録した記録領域のトラック溝変動信号振幅(w0)で除算(wn/w0)して前記光強度(Pwn)でのトラック溝変動信号振幅比(δn)を算出する手段と、前記トラック溝変動信号振幅比(δn)と前記トラック溝変動信号限界振幅比(δt)との大小を比較する手段と、前記トラック溝変動信号振幅比(δn)が前記トラック溝変動信号限界振幅比(δt)以下になった場合、前記光強度(Pwn)を上限光強度と判断する手段とからなるものである。
【0024】
また、本発明の他の光学的情報記録再生装置は、記録トラック溝を有する光学的記録媒体に光ビームを照射する光照射手段と、前記光照射手段に対し所望の光強度で発光させる光駆動手段と、前記光学的記録媒体内の光強度学習領域に光強度学習開始光強度(Pw0)および所望の光強度(Pwn)で光強度学習パターンを記録するよう制御する記録出力制御手段と、初期記録情報として予め光学的情報記録再生装置に保持されているトラッキング誤差信号限界振幅比(τt)を読み込む初期記録情報読み込み手段と、前記光強度学習パターンの再生信号の振幅から変調度を検出する変調振幅検出手段と、トラッキング制御を切った状態で前記記録トラック溝を横切るように前記光ビームを移動させてトラッキング誤差信号を検出するトラッキング誤差信号検出手段と、前記光強度学習領域に複数の光強度で記録された記録領域の変調度より前記光学的記録媒体に記録する下限光強度を演算する光強度下限演算手段と、前記光強度学習領域に記録された記録領域のトラッキング誤差信号振幅より前記光学的記録媒体に記録する上限光強度を演算する光強度上限演算手段と、前記下限光強度と前記上限光強度より前記光学的記録媒体に情報を記録する光強度を決定する情報記録光強度決定手段とを備え、前記光強度上限演算手段が、前記所望の光強度(Pwn)で記録した前記記録領域のトラッキング誤差信号振幅(TEn)を前記光強度学習開始光強度(Pw0)で記録した前記記録領域のトラッキング誤差信号振幅(TE0)で除算(TEn/TE0)して前記光強度(Pwn)でのトラッキング誤差信号振幅比(τn)を算出する手段と、前記トラッキング誤差信号振幅比(τn)と前記トラッキング誤差信号限界振幅比(τt)との大小を比較する手段と、前記トラッキング誤差信号振幅比(τn)が前記トラッキング誤差信号限界振幅比(τt)以下になった場合、前記光強度(Pwn)を前記上限光強度とする手段とからなるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の光学的情報記録再生装置の一実施の形態を示し、図1において1は光学的記録媒体である光ディスクで、情報を記録する記録トラック溝が形成されており、また記録トラック溝には図3に示すような記録クロックを生成するために径方向に一定周期で変動してなるウォブルトラック19が形成されている。
【0027】
2は光照射手段で前記光ディスク1に光ビームを照射するLDを搭載しているピック、5は光駆動手段でLDを駆動するレーザ駆動回路3とレーザ出力制御回路4からなる。
【0028】
6は前記光ディスク1上に記録されている初期記録情報を読み出す初期記録情報読み込み回路、7は変調度検出手段で再生信号の振幅から変調度を検出する変調度検出回路、10は光強度下限演算手段で前記変調度検出回路7から検出された変調度と記録パワーから記録パワーで正規化された変調度を演算する正規化変調係数演算回路8と正規化変調係数をもとに情報を記録する下限光強度を演算する下限記録パワー演算回路9からなり、12は記録出力制御手段で初期記録情報の推奨記録パワーと記録パワー増分から記録パワー学習に使用する記録パワーを制御する記録パワー可変回路、14はウォブルトラックにより発生するトラック溝変動信号(以下、ウォブル信号と記す)の振幅を検出するトラック溝変動信号振幅検出手段であるウォブル信号振幅検出回路、15は記録パワーによるウォブル信号振幅の減少量をもとに前記光学的記録媒体に記録する上限光強度を演算する光強度上限演算手段である上限記録パワー演算回路、16は前記下限記録パワーと上限記録パワーをもとに情報を記録する光強度を決定する情報記録光強度決定手段である情報記録パワー決定回路である。
【0029】
また図2は本発明の記録光強度学習方法の一実施の形態を示すものである。
【0030】
以上のように構成された本発明の光学的情報記録再生装置および本発明の記録光強度学習(以下、記録パワー学習と記す)方法について図1〜図5を用いて説明する。
【0031】
光学的情報記録再生装置が記録パワー学習を行う場合、まず光ディスク1上に記録されている初期記録情報である推奨記録パワーPi等を初期記録情報読み込み回路6により読み込む。また、各光学的情報記録再生装置が保持している光ディスク毎の記録情報である下限記録パワーを得るための増倍率ρm(以下、下限記録パワー増倍率ρm)および下限正規化変調係数γm、上限記録パワーを得るためのウォブル信号限界振幅比δt、記録パワー学習時に記録パワーを増加させる量である記録パワー増分Pdを取り込む。
【0032】
従来の技術で述べた最適記録パワー増倍率ρ、目標正規化変調係数γtは、標準評価機等での一定条件下での値であるが、本発明の光学的記録再生装置および光強度学習方法の下限記録パワー増倍率ρm、下限正規化変調係数γmが最適記録パワー増倍率ρ、目標正規化変調係数γtと同等となる場合もある。
【0033】
次に光ピック2を光ディスク1の内周部に設けられた記録パワー学習領域22に移動させ、記録パターン発生回路11から記録パワー学習用パターンとしてたとえばランダムな8−16エンコードデータパターンを発生させるとともに記録パワー可変回路12は、前記下限記録パワーPiを下限パワー増倍率ρmで割った値より小さな記録パワーをパワー学習開始記録パワーPw0とし記録パワー学習用パターンを前記記録パワー学習領域22内に記録する。
【0034】
記録パワー学習用パターン再生時には、変調度検出回路7により記録パワーPw0での変調度m0を検出するとともに、ウォブル信号振幅検出回路14によりウォブル信号振幅w0を検出する。
【0035】
図3に示すようにウォブルトラック19上に沿って光ビーム20が通過すると、図4に示すようなウォブル信号が検出される。DVD−RW媒体の場合、このウォブル信号の周波数は標準速度で約140KHzで検出することができる。
【0036】
上限記録パワー演算回路15は、数6を用いて記録パワーPw時のウォブル信号振幅wからウォブル信号振幅比δを算出する。
【0037】
【数6】
【0038】
したがって、パワー学習開始記録パワーPw0でのウォブル信号振幅比δ0は1である。また、上限記録パワー演算回路15はウォブル信号振幅比δとウォブル信号限界振幅比δtを比較し、ウォブル信号振幅比δがウォブル信号限界振幅比δtより大きい場合は、記録パワー可変回路12に、記録パワーPwを記録パワー増分Pdだけ増すよう指令する。
【0039】
記録パワー可変回路12によりパワー学習開始記録パワーPw0から記録パワー増分Pdだけ記録パワーが増加した記録パワーPw1により、再び記録パワー学習領域に記録パワー学習用パターンが記録され、変調度m1とウォブル信号w1が検出される。
【0040】
正規化変調係数演算回路8は数3を用いて記録パワーPw01に応じた正規化変調係数γ1を算出する。
【0041】
上限記録パワー演算回路15は、数6を用いて記録パワーPw1でのウォブル信号振幅w1からw0を基準にウォブル信号振幅比δ1を算出する。また、上限記録パワー演算回路15はウォブル信号振幅比δ1とウォブル信号限界振幅比δtを比較し、ウォブル信号振幅比δ1がウォブル信号限界振幅比δtより大きい場合は、記録パワー可変回路12に、記録パワーPw1を記録パワー増分Pdだけ増すよう指令する。
【0042】
このように、記録パワーを増加させるごとに、記録パワー学習領域に記録パワー学習用パターンを記録し、変調度mとウォブル信号振幅wを検出し、正規化変調係数γ、ウォブル信号振幅比δを求め、ウォブル信号限界振幅比δtと比較する。
【0043】
記録パワーPwnで記録した場合のウォブル信号振幅比δnがウォブル信号限界振幅比δt以下となった場合は、上限記録パワーPwmaxをPwnとし、記録パワー学習領域への記録を終了する。
【0044】
下限記録パワー演算回路9は、記録パワーと正規化変調係数γから下限正規化変調係数γmに対応する記録パワーPmを求め、Pmに下限記録パワー増倍率ρmをかけた値を下限記録パワーPwminとする。情報記録パワー決定回路16は前記下限記録パワーPwminと前記上限記録パワーPwmaxの間の記録パワーを情報を記録する情報記録パワーP0と設定する。
【0045】
情報記録パワーP0は、たとえば、下限記録パワーPwminに事前にチルト残差やサーボ制御誤差による記録パワー減少分を測定しておき、その記録パワーを加えた記録パワーと前記上限記録パワーPwmaxとを比較し、小さな値の記録パワーを情報記録パワーP0として決定する方法がある。
【0046】
実際に情報をデータ領域に記録する場合、情報記録パワー決定回路16は記録パワー学習により決定された情報記録パワーP0となるようレーザ出力制御回路4に指令を行い、適正な記録パワーで情報を記録することが可能となる。
【0047】
なお、以上の説明では変調度の検出および正規化変調係数の算出を所定の記録パワーで記録後毎に行っていたが、記録パワーごとに学習パターンを異なる領域に記録するのであれば変調度の検出および正規化変調係数の算出は上限記録パワー決定後に一括して行っても同様な結果になることは言うまでもない。
【0048】
(実施の形態2)
図6は本発明の光学的情報記録再生装置の一実施の形態を示し、図6において実施の形態1と異なるのはトラッキング誤差信号振幅検出回路17およびトラッキング誤差信号振幅検出回路17で検出されたトラッキング誤差信号振幅から上限記録パワーを求める上限記録パワー演算回路18である。
【0049】
また図7は本発明の記録光強度学習方法の一実施の形態を示すものである。
【0050】
以上のように構成された本発明の光学的情報記録再生装置および本発明の記録光強度学習方法について図6〜図8を用いて説明する。
【0051】
光学的情報記録再生装置が記録パワー学習を行う場合、まず光ディスク1上に記録されている初期記録情報である推奨記録パワーPi等を初期記録情報読み込み回路6により読み込む。また、各光学的情報記録再生装置が保持している光ディスク毎の記録情報である下限記録パワー増倍率ρm、下限正規化変調係数γm、トラッキング誤差信号限界振幅比τt、記録パワー増分Pdを取り込む。
【0052】
次に光ピック2を光ディスク1の内周部に設けられた記録パワー学習領域22に移動させ、記録パターン発生回路11から記録パワー学習用パターンとしてたとえばランダムな8−16エンコードデータパターンを発生させるとともに記録パワー可変回路12は、前記下限記録パワーPiを下限パワー増倍率ρmで割った値より小さな記録パワーをパワー学習開始記録パワーPw0とし記録パワー学習用パターンを前記記録パワー学習領域内に記録する。
【0053】
記録パワー学習用パターン再生時には、変調度検出回路7により記録パワーPw0での変調度m0を検出する。
【0054】
次にトラッキング制御を切り、光ビームを記録パワーPw0で記録した記録トラック溝を横切るよう移動させ、そのときのトラッキング誤差信号振幅検出回路17によりトラッキング誤差信号振幅TE0を検出する。
【0055】
上限記録パワー演算回路18は、数7を用いて記録パワーPw時のトラッキング誤差信号振幅TEからトラッキング誤差信号振幅比τを算出する。
【0056】
【数7】
【0057】
したがって、パワー学習開始記録パワーPw0でのトラッキング誤差信号振幅比τ0は1である。また、上限記録パワー演算回路18はトラッキング誤差信号振幅比τとトラッキング誤差信号限界振幅比τtを比較し、トラッキング誤差信号振幅比τがトラッキング誤差信号限界振幅比τtより大きい場合は、記録パワー可変回路12に、記録パワーPwを記録パワー増分Pdだけ増すよう指令する。
【0058】
記録パワー可変回路12によりパワー学習開始記録パワーPw0から記録パワー増分Pdだけ記録パワーが増加した記録パワーPw1により、再び記録パワー学習領域に記録パワー学習用パターンが記録され、変調度m1とウォブル信号TE1が検出される。
【0059】
正規化変調係数演算回路8は数3を用いて記録パワーPw01に応じた正規化変調係数γ1を算出する。
【0060】
上限記録パワー演算回路18は、数7を用いて記録パワーPw1でのトラッキング誤差信号振幅TE1からTE0を基準にトラッキング誤差信号振幅比τ1を算出する。また、上限記録パワー演算回路18はトラッキング誤差信号振幅比τ1とトラッキング誤差信号限界振幅比τtを比較し、トラッキング誤差信号振幅比τ1がトラッキング誤差信号限界振幅比τtより大きい場合は、記録パワー可変回路12に、記録パワーPw1を記録パワー増分Pdだけ増すよう指令する。
【0061】
このように、記録パワーを増加させるごとに、記録パワー学習領域に記録パワー学習用パターンを記録し、変調度mとトラッキング誤差信号振幅TEを検出し、正規化変調係数γ、トラッキング誤差信号振幅比τを求め、トラッキング誤差信号限界振幅比τtと比較する。
【0062】
記録パワーPwnで記録した場合のトラッキング誤差信号振幅比τnがトラッキング誤差信号限界振幅比τt以下となった場合は、上限記録パワーPwmaxをPwnとし、記録パワー学習領域への記録を終了する。
【0063】
下限記録パワー演算回路9は、記録パワーと正規化変調係数γから下限正規化変調係数γmに対応する記録パワーPmを求め、Pmに下限記録パワー増倍率ρmをかけた値を下限記録パワーPwminとする。
【0064】
情報記録パワー決定回路16は、前記下限記録パワーPwminと前記上限記録パワーPwmaxの間の記録パワーを情報を記録する情報記録パワーP0と設定する。
【0065】
情報記録パワーP0は、たとえば、下限記録パワーPwminに事前にチルト残差やサーボ制御誤差による記録パワー減少分を測定しておき、その記録パワーを加えた記録パワーと前記上限記録パワーPwmaxとを比較し、小さな値の記録パワーを情報記録パワーP0として決定する方法がある。
【0066】
実際に情報をデータ領域に記録する場合、情報記録パワー決定回路16は記録パワー学習により決定された情報記録パワーP0となるようレーザ出力制御回路4に指令を行い、適正な記録パワーで情報を記録することが可能となる。
【0067】
なお、以上の説明では変調度の検出および正規化変調係数の算出を所定の記録パワーで記録後毎に行っていたが、記録パワーごとに学習パターンを異なる領域に記録するのであれば変調度の検出および正規化変調係数の算出は上限記録パワー決定後に一括して行っても同様な結果になることは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、情報を記録する情報記録パワーを決定する記録光強度学習において下限記録パワーと上限記録パワーを求め、その間で記録パワーを決定するため、記録パワーが大きすぎて重ね書き記録を何度か行うことによる記録トラック溝の劣化が起こるということがなく、つねに、情報記録時の記録パワーを適正化できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光学的情報記録再生装置を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1による記録光強度学習方法の説明図
【図3】光ディスク上の記録トラック溝の周期的変動を示す説明図
【図4】光ディスク上の記録トラック溝の周期的変動により検出されるウォブル信号を示す説明図
【図5】本発明の実施の形態1によるウォブル信号振幅比および正規化変調係数と記録パワーとの関係を示す説明図
【図6】本発明の実施の形態2による光学的情報記録再生装置を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2による記録光強度学習方法の説明図
【図8】本発明の実施の形態2によるトラッキング誤差信号振幅比および正規化変調係数と記録パワーとの関係を示す説明図
【図9】従来の技術による光学的情報記録再生装置を示すブロック図
【図10】光ディスクの記録パワー学習領域を示す説明図
【図11】従来の技術による記録パワー学習時の記録パワーを示す説明図
【図12】再生波形のアシンメトリの説明図
【図13】再生信号の変調度および正規化変調係数と記録パワーとの関係を示す説明図
【符号の説明】
1 光ディスク
2 ピック
3 レーザ駆動回路
4 レーザ出力制御回路
5 光駆動手段
6 初期記録情報読み込み回路
7 変調度検出回路
8 正規化変調係数演算回路
9 下限記録パワー演算回路
10 光強度下限演算手段
11 記録パターン発生回路
12 記録パワー可変回路
13 最適記録パワー演算回路
14 ウォブル信号振幅検出回路
15 上限記録パワー演算回路
16 情報記録パワー決定回路
17 トラッキング誤差信号振幅検出回路
18 上限記録パワー演算回路
19 ウォブルトラック
20 光ビーム
21 データ領域
22 記録パワー学習領域
Claims (6)
- 記録トラック溝が一定の周期で径方向に変動してなる光学的記録媒体と、前記光学的記録媒体に光ビームを照射する光照射手段と、前記光照射手段に対し所望の光強度で発光させる光駆動手段と、前記光学的記録媒体内の光強度学習領域に光強度学習開始光強度(Pw0)および所望の光強度(Pwn)で光強度学習パターンを記録するよう制御する記録出力制御手段と、初期記録情報として予め光学的情報記録再生装置に保持されているトラック溝変動信号限界振幅比(δt)を読み込む初期記録情報読み込み手段と、前記光強度学習パターンの再生信号の振幅から変調度を検出する変調度検出手段と、前記記録トラック溝の周期的な変動により発生するトラック溝変動信号の振幅を検出するトラック溝変動信号振幅検出手段と、前記光強度学習領域に複数の光強度で記録された記録領域の変調度より前記光学的記録媒体に記録する下限光強度を演算する光強度下限演算手段と、前記光強度学習領域に記録された記録領域のトラック溝変動信号振幅より前記光学的記録媒体に記録する上限光強度を演算する光強度上限演算手段と、前記下限光強度と前記上限光強度より前記光学的記録媒体に情報を記録する光強度を決定する情報記録光強度決定手段とを備え、
前記光強度上限演算手段が、前記所望の光強度(Pwn)で記録した前記記録領域のトラック溝変動信号振幅(wn)を前記光強度学習開始光強度(Pw0)で記録した記録領域のトラック溝変動信号振幅(w0)で除算(wn/w0)して前記光強度(Pwn)でのトラック溝変動信号振幅比(δn)を算出する手段と、前記トラック溝変動信号振幅比(δn)と前記トラック溝変動信号限界振幅比(δt)との大小を比較する手段と、前記トラック溝変動信号振幅比(δn)が前記トラック溝変動信号限界振幅比(δt)以下になった場合、前記光強度(Pwn)を前記上限光強度とする手段とからなることを特徴とする光学的情報記録再生装置。 - 前記記録出力制御手段は、特性の異なる光学的記録媒体ごとに予め設定されている光強度学習初期強度より徐々に光強度を大きくするよう制御するとともに、前記光強度上限演算手段により光強度が前記上限光強度に達したらそれ以上は光強度を大きくしないよう制御する請求項1記載の光学的情報記録再生装置。
- 前記情報記録光強度決定手段は、前記下限光強度に一定の値を加えた加算光強度を求める光強度加算手段と、前記加算光強度と前記上限光強度とを比較し小さい方の光強度を、前記情報を記録する光強度とする光強度選択手段とからなる請求項1記載の光学的情報記録再生装置。
- 記録トラック溝を有する光学的記録媒体に光ビームを照射する光照射手段と、前記光照射手段に対し所望の光強度で発光させる光駆動手段と、前記光学的記録媒体内の光強度学習領域に光強度学習開始光強度(Pw0)および所望の光強度(Pwn)で光強度学習パターンを記録するよう制御する記録出力制御手段と、初期記録情報として予め光学的情報記録再生装置に保持されているトラッキング誤差信号限界振幅比(τt)を読み込む初期記録情報読み込み手段と、前記光強度学習パターンの再生信号の振幅から変調度を検出する変調振幅検出手段と、トラッキング制御を切った状態で前記記録トラック溝を横切るように前記光ビームを移動させてトラッキング誤差信号を検出するトラッキング誤差信号検出手段と、前記光強度学習領域に複数の光強度で記録された記録領域の変調度より前記光学的記録媒体に記録する下限光強度を演算する光強度下限演算手段と、前記光強度学習領域に記録された記録領域のトラッキング誤差信号振幅より前記光学的記録媒体に記録する上限光強度を演算する光強度上限演算手段と、前記下限光強度と前記上限光強度より前記光学的記録媒体に情報を記録する光強度を決定する情報記録光強度決定手段とを備え、
前記光強度上限演算手段が、前記所望の光強度(Pwn)で記録した前記記録領域のトラッキング誤差信号振幅(TEn)を前記光強度学習開始光強度(Pw0)で記録した前記記録領域のトラッキング誤差信号振幅(TE0)で除算(TEn/TE0)して前記光強度(Pwn)でのトラッキング誤差信号振幅比(τn)を算出する手段と、前記トラッキング誤差信号振幅比(τn)と前記トラッキング誤差信号限界振幅比(τt)との大小 を比較する手段と、前記トラッキング誤差信号振幅比(τn)が前記トラッキング誤差信号限界振幅比(τt)以下になった場合、前記光強度(Pwn)を前記上限光強度とする手段とからなることを特徴とする光学的情報記録再生装置。 - 前記記録出力制御手段は、特性の異なる光学的記録媒体ごとに予め設定されている光強度学習初期強度より徐々に光強度を大きくするよう制御するとともに、前記光強度上限演算手段により光強度が前記上限光強度に達したらそれ以上は光強度を大きくしないよう制御する請求項4記載の光学的情報記録再生装置。
- 前記情報記録光強度決定手段は、前記下限光強度に一定の値を加えた加算光強度を求める光強度加算手段と、前記加算光強度と前記上限光強度とを比較し小さい方の光強度を、前記情報を記録する光強度とする光強度選択手段とからなる請求項4記載の光学的情報記録再生装置。
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