JP3855398B2 - プリンタ制御装置およびその方法並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御装置、およびその方法、並びに、所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタをコンピュータにつないで、コンピュータで作成した印刷データをプリンタに印刷しようとするとき、コンピュータにプリンタドライバと呼ばれるソフトウェアを組み込む必要がある。プリンタドライバは、プリンタの機能やインターフェース、フォント情報、制御コードなど、プリンタについての各種情報をコンピュータに設定してプリンタをコントロールするコンピュータプログラムであり、印刷しようとするプリンタの機種ごとに用意される。
【0003】
図19は、従来のプリンタドライバにおける用紙設定のダイアログボックスを示す説明図である。オペレータは、コンピュータを操作して、コンピュータに組み込んだプリンタドライバを起動して、各種情報の設定を行なうことができるが、そうした情報の一つである用紙に関する情報を設定する用紙設定を、図19のダイアログボックスを開いて行なう。
【0004】
図19に示すように、ダイアログボックスには、ワープロ用、表計算用といった印刷目的を設定する領域A1、用紙サイズを設定する領域A2、および、プリンタの3次元立体像を示す画像の領域A3が表示されている。プリンタの3次元立体像の画像は、用紙方向やレバーの位置をオペレータに視覚的に知らせるものである。例えば、図19に示すように、用紙サイズの欄A4が、「A4 210×297 mm」と選択されているとき、領域A3のプリンタの3次元の絵柄は、縦方向に用紙がセットされたものとなり、一方、図20に示すように、用紙サイズの欄A4が「A4横 297×210 mm」と選択されているとき、領域A3のプリンタの3次元の絵柄は、横方向に用紙がセットされたものとなる。こうしたダイアログボックスを用いた表示により、プリンタドライバの使い勝手を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術では、用紙をセットする縦横の方向は一目でわかるが、用紙の表裏をどちらにセットしたらよいかが即座に分からなかった。用紙には、はがき、封筒、印刷面に特別な処理が施されたもの等、表裏のあるものが珍しくなく、こうした用紙をプリンタにセットする場合、表面をどちらに向けてセットすれば、表面にうまく印刷ができるかが分かりにくかった。また、「はがき」や「バインダ用紙」等のように上下、左右に方向性を持つ用紙をプリンタにセットする場合に、用紙を上下、左右をどちらにセットしたらよいかが分かり難かった。したがって、従来の技術では、プリンタの使い勝手がまだまだ十分でないといった問題があった。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためににされたものであり、プリンタへの用紙のセットを容易とすることで、プリンタの使い勝手を向上することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
このような課題を解決するため、第1の発明は、
所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御装置であって、
前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する作業実行手段と、
前記作業実行手段で表示される前記画面上に、前記プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像と、該用紙の画像内に配置されて印刷の方向を示す文字または図柄の画像と、前記プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を、3次元立体像を表わす平面画像にて示す画像とを併せて表示させる用紙情報表示制御手段と
を備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、印刷のための各種情報を設定する作業を実行するとき、表示装置に、プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を示す画像が表示される。このため、オペレータはその画像を持つ画面を見ることで、表裏がどのように変わって用紙がプリンタから排出されるかが分かる。また、搬送経路から用紙の上下、左右がどのように変わって用紙がプリンタから排出されるかが分かる。
【0009】
したがって、この構成によれば、プリンタに用紙をセットする場合、表面をどちらに向けてセットすれば、表面にうまく印刷ができるかをオペレータは容易に分かる。また、用紙の上下、左右をどちらに向けてセットすればよいかもオペレータは容易に分かる。この結果、プリンタによる印刷ミスを防止することができ、プリンタの使い勝手を高めることができる。
【0011】
また、プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像も表示されることから、プリンタへのセット時点から順に用紙がどのように搬送経路を伝っていくかを容易に示すことが可能となる。
【0013】
さらに、オペレータは搬送経路を3次元的に視覚できる。このため、用紙の表面をどちらに向けてセットすればよいかを一目で知ることができる。したがって、このプリンタ制御装置は、より一層使い勝手のよいものとなる。
【0014】
上記構成のプリンタ制御装置において、前記各種情報を設定する作業に係わる画像は、前記各種情報の設定を行なうためのデータを入力装置から受け付けるデータ入力欄を含むものとすることもできる。
【0015】
この構成によれば、プリンタにおける印刷のための各種情報を設定する作業において、用紙の搬送経路や用紙のセット方向が表示される。このため、各種情報の設定作業時に、オペレータは、用紙の表面をどちらに向けてセットを行なえばよいかを知ることができる。
【0016】
第2の発明は、
所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御方法であって、
(a)前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する工程と、
(b)前記工程(a)で表示される前記画面上に、前記プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像と、該用紙の画像内に配置されて印刷の方向を示す文字または図柄の画像と、前記プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を、3次元立体像を表わす平面画像にて示す画像とを併せて表示させる工程と
を備えることを特徴とする。
【0017】
第2の発明によっても、第1の発明と同様に、プリンタに用紙をセットする場合、表面をどちらに向けてセットすれば、表面にうまく印刷ができるかをオペレータは容易に知ることができる。また、用紙の上下、左右をどちらに向けてセットすればよいかもオペレータは容易に分かる。この結果、プリンタによる印刷ミスを防止して、プリンタの使い勝手を高めることができる。
【0018】
第3の発明は、
所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
(a)前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する工程と、
(b)前記工程(a)で表示される前記画面上に、前記プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像と、該用紙の画像内に配置されて印刷の方向を示す文字または図柄の画像と、前記プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を、3次元立体像を表わす平面画像にて示す画像とを併せて表示させる工程と
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
【0019】
第3の発明によっても、第1の発明と同様に、プリンタに用紙をセットする場合、表面をどちらに向けてセットすれば、表面にうまく印刷ができるかをオペレータは容易に知ることができる。また、用紙の上下、左右をどちらに向けてセットすればよいかもオペレータは容易に分かる。この結果、プリンタによる印刷ミスを防止して、プリンタの使い勝手を高めることができる。
【0020】
【発明の他の態様】
本発明は、以下のような他の態様をとることも可能である。第1の態様は、
所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御装置であって、
前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する作業実行手段と、
前記作業実行手段で表示される前記画面上に、印刷時の用紙上の印刷可能領域を、3次元立体像を表わす平面画像にて表示させる用紙情報表示制御手段と
を備える。
【0021】
この第1の態様によれば、所定の作業を実行するとき、オペレータは、印刷時の用紙上の印刷可能領域を3次元的に視覚することができる。このため、オペレータはその画像を持つ画面を見ることで、用紙上の印刷可能領域を容易に知ることができる。
【0022】
第2の態様は、
所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御装置であって、
前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する作業実行手段と、
前記作業実行手段で表示される前記画面上に、印刷時の用紙上の割付頁数を、3次元立体像を表わす平面画像にて表示させる用紙情報表示制御手段と
を備える。
【0023】
この第2の態様によれば、所定の作業を実行するとき、オペレータは、印刷時の用紙上の割付頁数を3次元的に視覚することができる。このため、オペレータはその画像を持つ画面を見ることで、用紙上の割付頁数を容易に知ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以上説明したこの発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下この発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1はこの発明の一実施例を適用するコンピュータシステムの外観図である。このコンピュータシステムは、コンピュータ10と、周辺機器としてのCRTディスプレイ12およびプリンタ14を備える。コンピュータ10は、コンピュータ本体16とキーボード18とマウス20を備える。なお、このコンピュータ本体16には、フロッピィディスク22の内容を読み取るフロッピィディスクドライブ24が搭載されている。
【0025】
図2は、コンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。図示するように、このコンピュータ本体16は、中央演算処理装置としてのCPU31を中心にバスにより相互に接続されたROM32、RAM33、マウスインタフェース34、キーボードインタフェース35、FDC36、HDC37、CRTC38、プリンタインタフェース39およびI/Oポート40を備える。
【0026】
ROM32は、内蔵されている各種プログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。RAM33は、各種データ等を記憶する読み出し・書込み可能なメモリである。マウスインタフェース34は、マウス20とのデータ等のやり取りを司るインタフェースである。キーボードインタフェース35は、キーボード18からのキー入力を司るインタフェースである。FDC36は、フロッピィディスクドライブ(FDD)24を制御するフロッピィディスクコントローラである。HDC37は、ハードディスクドライブ(HDD)41を制御するハードディスクコントローラである。CRTC38は、必要なデータ等を表示するCRTディスプレイ12への信号出力を制御するCRTコントローラである。プリンタインタフェース39は、プリンタ14へのデータの出力を制御するインタフェースである。I/Oポート40は、シリアル出力のポートを備えており、モデム44に接続されており、このモデム44を介して、公衆電話回線46に接続されている。コンピュータ10は、モデム44を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバー48に接続可能となっている。
【0027】
このコンピュータシステムでは、オペレーティングシステムはHDD41に記憶されており、HDD41のブートブロックに書き込まれたローダに従って、コンピュータ本体16に電源を投入すると、RAM33の所定の領域にロードされる。また、プリンタ14の機種毎に用意されるプリンタドライバは、フロッピィディスク22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、フロッピィディスクドライブ24からコンピュータ本体16にインストールされる。このインストールされたプリンタドライバは、HDD41に記憶されており、コンピュータ本体16に電源を投入したときに、オペレーティングシステムとともに、RAM33の所定の領域にロードされる。
【0028】
このプリンタドライバをCPU30が実行することによって本発明の各種構成要件は実現される。なお、このプリンタドライバのソフトウェアプログラムは、前述したように、フロッピィディスク22に格納されたものであるが、これに替えて、CD−ROM、光磁気ディスク、ICカード等の他の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)に格納された構成としてもよい。また、前述したソフトウェアプログラムは、外部のネットワークに接続される特定のサーバー48から、ネットワークを介して提供されるプログラムデータをダウンロードして、RAM32またはHDD41に転送することにより得るようにすることもできる。
【0029】
以上説明したハードウェア構成を有するコンピュータシステムによる印刷の様子について次に説明する。図3は、コンピュータ本体16が扱う画像情報から印刷が行なわれるまでの処理の様子を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ本体16の内部で動作しているアプリケーションプログラム51により、画像の処理を行いつつビデオドライバ52を介してCRTディスプレイ12に画像を表示している。また、このアプリケーションプログラム51が、印字発令を発行すると、コンピュータ本体16内のプリンタドライバ53が、画像情報をアプリケーションプログラム51から受け取り、これをプリンタ14が印字可能な信号に変換している。
【0030】
図3に示した例では、プリンタドライバ53の内部には、アプリケーションプログラム51が扱っている画像情報をドット単位の色情報に変換するラスタライザ54、ドット単位の色情報に変換された画像情報(階調データ)に対してプリンタ14の発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール55、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によりある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール56が備えられている。また、プリンタドライバ53の内部には、プリンタ14による印刷のための各種情報を設定する情報設定モジュール57が備えられている。印刷のための各種情報としては、印刷解像度、色補正等の基本設定に関するもの、用紙のサイズ、用紙方向等の用紙設定に関するもの等がある。なお、情報設定モジュール57で設定された色補正の情報は、色補正モジュール55に送られる。情報設定モジュール57は、ビデオドライバ52を介してCRTディスプレイ12に設定の内容を示す画像を表示している。情報設定モジュール57を除いた各モジュールの動作は、周知のものなので、説明は原則として省略し、情報設定モジュール57については、以下に説明する。
【0031】
プリンタドライバ53は、その設定を変えることにより、プリンタ14による印刷を種々コントロールすることができるが、オペレータは、そうした設定を予め行なっておく必要がある。こうした印刷のための各種情報を設定する作業を実行するのが情報設定モジュール57である。ここでは、この情報設定モジュール57の動作によりオペレータはどのような操作を行なうかを先に説明する。なお、この説明に当たり、このプリンタドライバが動作するオペレーティングシステムとして、Windows95(マイクロソフト社の商標)を例にとって説明する。また、プリンタ14の名称は「XXX PRT100」であるものとして説明する。
【0032】
オペレータは、まずコンピュータ10を次のように操作して、印刷のための各種情報を設定するダイアログボックスを開く。すなわち、[スタート]→[設定]→[プリンタ]の操作を行なうことで、「プリンタ」ウィンドウを開く。次いで、そのウィンドウ上の目的のプリンタのアイコンをダブル・クリックして、そのプリンタについてのウィンドウを開く。その後、そのウィンドウから[プリンタ]→[プロパティ]の操作を行なって、そのプリンタについての各種情報を設定するダイアログボックスを表示させる。
【0033】
図4は、その開いたときのダイアログボックスDBを例示する説明図である。図示するように、ダイアログボックスDBには、「情報」、「詳細」、「共有」、「基本設定」、「用紙設定」、「ユーティリティ」の6種類のカードが用意されている。オペレータは、この内の「用紙設定」のカードを選択して、用紙についての各種情報を設定する。
【0034】
図5は、「用紙設定」のカードが開かれたダイアログボックスDBを例示する説明図である。図示するように、この「用紙設定」のカードには、「用紙サイズ」、「印刷部数」、「印刷方向」、「印刷可能領域」、「給紙方法」をそれぞれ設定するデータ入力欄E1,E2,E3,E4,E5と、プリンタ14の3次元立体像を平面画像によって示す表示欄E6とが設けられている。
【0035】
「用紙サイズ」のデータ入力欄E1は、使用する用紙サイズを用紙の種類と共に設定するもので、例えば、「A4 210×297mm」、「A4横 210×297mm」、「洋封筒 120×235」、「ハガキ 100×147mm」等が選択肢として用意されている。
【0036】
「印刷部数」のデータ入力欄E2は、印刷したい部数を設定するものであり、部数以外にも、その印刷順を部単位で印刷するか否か、正順もしくは逆順のいずれの順で印刷するかを、チェックボックスをクリックすることで指定することもできる。
【0037】
「印刷方向」のデータ入力欄E3は、用紙における印刷の方向を示すものであり、「縦」と「横」とが選択可能である。「印刷可能領域」のデータ入力欄E4は、用紙における印刷可能な領域を設定するものであり、「通常」と「センタリング」とが選択可能である。「通常」とは、図6(a)に示すように、用紙Pの下端と右端とに大きな余白が空くよう印刷可能領域AR1を定めたものであり、「センタリング」とは、図6(b)に示すように、用紙Pの上下左右の4方向に等しく余白が空くように印刷可能領域AR2を定めたものである。なお、図6(a)における用紙Pの下端および右端の余白は、プリンタ14により機械的に生じる空白であり、下端はプリンタ14の紙送りローラがかからないために、右端はキャリッジリターンとなるために生じる。
【0038】
「給紙方法」のデータ入力欄E5は、プリンタ14への給紙の方法を設定するもので、「自動給紙装置(ASF)」、「トラクタフィーダ」、および「マニュアル」が選択肢として用意されている。
【0039】
表示欄E6は、前述したように、プリンタ14の3次元立体像を平面画像によって示すもので、プリンタ14による印刷の状態が分かるような平面画像となっている。具体的には、次のような内容が分かるような平面画像となっている。
▲1▼用紙の種類およびサイズ
▲2▼用紙のセットする向き
▲3▼印刷時の用紙の搬送経路
▲4▼用紙における印刷方向
▲5▼用紙における印刷可能領域
【0040】
前述した▲1▼〜▲5▼を示す平面画像は、データ入力欄E1〜E5の設定内容が変更されると、その都度変更される。例えば、図5に示すように、「用紙サイズ」のデータ入力欄E1が「A4 210×297mm」に設定されているとき、表示欄E6の平面画像は、用紙がA4に対応した大きさでプリンタに対して縦方向にセットされた状態となっている。一方、図7に示すように、「用紙サイズ」のデータ入力欄E1が「A4横 210×297mm」に設定されているとき、表示欄E6の平面画像は、用紙がA4に対応した大きさでプリンタに対して横方向にセットされた状態となっている。なお、こうした設定と表示の詳細については、後述する。
【0041】
こうした表示欄E6の平面画像の変更は、プリンタドライバ53の情報設定モジュール57における所定のルーチンをCPU31が処理することで行なわれる。この平面画像の変更がなされる表示切替ルーチンについて次に説明する。
【0042】
図8は、その表示切替ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは所定時間毎に繰り返し実行される。図示するように、CPU31は、処理が開始されると、まず、図8で示したプリンタについてのダイアログボックスDBにおいて「用紙設定」のカードが選択されているか否か、即ち、用紙設定モードであるか否かを判別する(ステップS100)。ここで、用紙設定モードでないと判別された場合には、「リターン」に抜けてこのルーチンの処理を一旦終了する。
【0043】
一方、ステップS100で、用紙設定モードであると判別されると、以下のステップを実行する。即ち、「用紙設定」のカードにおいて、「用紙サイズ」、「印刷方向」、「印刷可能領域」、「給紙方法」をそれぞれ設定するデータ入力欄E1,E3,E4,E5の少なくとも一つに変更があったか否かを判定する(ステップS110ないしS140)。ここで、データ入力欄E1,E3,E4,E5のいずれにも変更がないと判別された場合には、「リターン」に抜けてこのルーチンの処理を一旦終了する。一方、データ入力欄E1,E3,E4,E5の少なくとも一つに変更があったと判別されると、処理をステップS150に進めて、「給紙方法」、「用紙サイズ」、「印刷方向」、「印刷可能領域」のデータ入力欄E5,E1,E3,E4の内容に基づいて画像データを選択する処理を行なう(ステップS150)。
【0044】
ステップS150の処理は、詳しくは、次の2つのステップから成り立っている。まず、データ入力欄E5,E1,E3,E4に入力された内容、即ち、給紙方法についてのデータd5、用紙サイズについてのデータd1、印刷方向についてのデータd3、印刷可能領域についてのデータd4を、ROM32に予め格納されたマップに照らし合わせることで、これらデータd5,d1,d3,d4から定まる画像データの名前を特定する。次いで、この求めた名前からROM32に格納された所定の画像データを抽出して、RAM33上の所定のワークエリアに格納する。
【0045】
図9は、ROM32に格納された上記マップの内容の一例を示す説明図である。図示するように、このマップには、給紙方法についてのデータd5として「自動給紙装置(ASF)」がまず用意されている。この「ASF」に対して、用紙サイズについてのデータd1として、「A4 210×297mm」、「A4横210×297mm」、「洋封筒 120×235」の3通りが組み合わされている。さらに、各「A4 210×297mm」、「A4横 210×297mm」、「洋封筒 120×235」に対して、それぞれ、印刷方向についてのデータd3として「縦」、「横」の2通りが組み合わされ、さらに、各「縦」、「横」に対して、それぞれ、印刷可能領域についてのデータd4として、「通常」、「センタリング」の2通りが組み合わされている。ここまでで、3×2×2で12通りの組合せがあり、それぞれに画像データの名称「pic01」〜「pic12」が対応させてある。
【0046】
次いで、給紙方法d5が「ASF」で、用紙サイズd1が「ハガキ 100×147」で、印刷方向d3が「縦」で、印刷可能領域d4が「通常」である場合が用意され、これに画像データの名称「pic13」が対応させてある。
【0047】
マップには、また、給紙方法についてのデータd5として「マニュアル」が用意されている。この「マニュアル」に対して、前述した「pic01」〜「pic13」までと同じ、用紙サイズd1、印刷方向d3、印刷可能領域d4の13通りの組合せが用意されており、それぞれに画像データの名称「pic14」〜「pic26」が対応させてある。
【0048】
マップには、さらに、給紙方法についてのデータd5として「トラクタフィーダ」が用意されている。トラクタフィーダの場合、用紙サイズd1は「連続紙」で、印刷可能領域d4は「通常」であり、これに対して、印刷方向についてのデータd3として「縦」、「横」の2通りが組み合わされている。これらに画像データの名称「pic27」、「pic28」が対応させてある。
【0049】
かかる構成のマップから、「給紙方法」、「用紙サイズ」、「印刷方向」、「印刷可能領域」についてのデータd5,d1,d3,d4から定まる画像データの名前を求める。この名前に対応する画像データはROM32に予め格納されている。
【0050】
図10ないし図16に、「pic01」から「pic28」までの28種類の画像データで表わされる画像を示した。図10に示すのは、給紙方法d5が「給紙装置(ASF)」であり、用紙サイズd1が「A4 210×297mm」と「A4横 210×297mm」である場合の8通りの画像データ「pic01」〜「pic08」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic01」〜「pic08」で表される画像は、すべて、プリンタ14正面の下段から差し込まれた用紙が、プリンタ14の内部で上向きに反転されて、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。その上で、それら画像は、「用紙サイズ」で示される用紙のセット方向に応じて、用紙が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。また、「印刷方向」に応じて、用紙上に「A」の文字が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。さらに、「印刷可能領域」に応じて、用紙上に破線で示される矩形の位置が中央にあるものと、中央からずれたものとに分かれる。
【0051】
図11に示すのは、給紙方法d5が「給紙装置(ASF)」であり、用紙サイズd1が「洋封筒 120×235mm」である場合の4通りの画像データ「pic09」〜「pic12」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic09」〜「pic12」で表される画像は、すべて、プリンタ14正面の下段から差し込まれた用紙が、プリンタ14の内部で上向きに反転されて、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。その上で、それら画像は、「印刷方向」に応じて、用紙上に「A」の文字が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。さらに、「印刷可能領域」に応じて、用紙上に破線で示される矩形の位置が中央にあるものと、中央からずれたものとに分かれる。
【0052】
図12に示すのは、給紙方法d5が「給紙装置(ASF)」であり、用紙サイズd1が「ハガキ 100×147mm」である場合の画像データ「pic13」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic13」で表される画像は、プリンタ14正面の下段から差し込まれた用紙が、プリンタ14の内部で上向きに反転されて、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。なお、この画像は、用紙上のハガキの図柄が縦方向に描かれたものとなっている。
【0053】
図13に示すのは、給紙方法d5が「マニュアル」であり、用紙サイズd1が「A4 210×297mm」と「A4横 210×297mm」である場合の8通りの画像データ「pic014」〜「pic21」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic14」〜「pic21」で表される画像は、すべて、プリンタ14後方から差し込まれた用紙が、そのままプリンタ14の内部を通過して、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。その上で、それら画像は、「用紙サイズ」で示される用紙のセット方向に応じて、用紙が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。また、「印刷方向」に応じて、用紙上に「A」の文字が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。さらに、「印刷可能領域」に応じて、用紙上に破線で示される矩形の位置が中央にあるものと、中央からずれたものとに分かれる。
【0054】
図14に示すのは、給紙方法d5が「マニュアル」であり、用紙サイズd1が「洋封筒 120×235mm」である場合の4通りの画像データ「pic22」〜「pic25」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic22」〜「pic25」で表される画像は、すべて、プリンタ14後方から差し込まれた用紙が、そのままプリンタ14の内部を通過して、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。その上で、それら画像は、「印刷方向」に応じて、用紙上に「A」の文字が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。さらに、「印刷可能領域」に応じて、用紙上に破線で示される矩形の位置が中央にあるものと、中央からずれたものとに分かれる。
【0055】
図15に示すのは、給紙方法d5が「マニュアル」であり、用紙サイズd1が「ハガキ 100×147mm」である場合の画像データ「pic26」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic26」で表される画像は、プリンタ14後方から差し込まれた用紙が、そのままプリンタ14の内部を通過して、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。なお、この画像は、用紙上のハガキの図柄が縦方向に描かれたものとなっている。
【0056】
図16に示すのは、給紙方法d5が「トラクタフィーダ」であり、用紙サイズd1が「連続紙」である場合の画像データ「pic27」,「pic28」で表される画像である。図示するように、画像データ「pic27」,「pic28」で表される画像は、プリンタ14後方から差し込まれた用紙が、そのままプリンタ14の内部を通過して、プリンタ14の正面から排出されるといった搬送経路を矢印で示している。その上で、それら画像は、「印刷方向」に応じて、用紙上に「A」の文字が縦方向に描かれたものと横方向に描かれたものに分かれる。
【0057】
こうした「pic01」から「pic28」までの28種類の画像データがROM32に予め格納されており、マップから求めた画像データの名前をキーとして所定の画像データが選択される。この選択された画像データはRAM33上の所定のワークエリアに格納される。
【0058】
図8に示すように、その後、処理はステップS160に進み、CPU31は、CRTC38をコントロールして、そのワークエリアに格納した画像データを、CRTディスプレイ12の画面上の表示欄E6に表示する。その後、「リターン」に抜けてこのルーチンの処理を一旦終了する。
【0059】
以上の構成の表示切替ルーチンによれば、プリンタのプロパティを示すダイアログボックスDBにおける「用紙設定」のカードにおいて、その表示欄E6に、プリンタ14の3次元立体像を示す平面画像が表示される。しかも、この平面画像は、印刷時の用紙の搬送経路を矢印で示すものである。このため、オペレータは、CRTディスプレイ12の画面を見ることで、表裏がどのように変わって用紙がプリンタ14から排出されるかが分かる。
【0060】
したがって、この実施例の構成によれば、プリンタ14に用紙をセットする場合、表面をどちらに向けてセットすれば、表面にうまく印刷ができるかをオペレータは容易に知ることができる。また、用紙の上下、左右をどちらに向けてセットすればよいかもオペレータは容易に分かる。この結果、プリンタ14による印刷ミスを防止することができ、プリンタの使い勝手を高めることができる。
【0061】
また、この実施例では、搬送経路以外にも、用紙のセットの方向も表示されることから、プリンタ14へのセット時点から順に用紙がどのように搬送経路を伝っていくかが一目でわかる。
【0062】
さらに、表示欄E6に表示される平面画像は、プリンタ14の3次元立体像を表わすものであることから、オペレータは搬送経路を3次元的に視覚できる。このため、用紙の表面をどちらに向けてセットすればよいかを一目で知ることができる。したがって、このコンピュータシステムは、より一層使い勝手のよいものとなる。
【0063】
なお、この実施例では、印刷のための各種情報を設定する[プロパティ]の作業で用紙の搬送経路を示す画像を表示させる構成としていたが、この表示は[プロパティ]の作業の途中で表示するものに限る必要はなく、プリンタドライバによる作業の途中であればどのような時点で表示する構成であってもよい。例えば、プリンタドライバを用いて印刷を開始しようとする時点で、表示欄E6に示した画像を表示する構成としてもよく、この構成によれば、印刷を行なう毎に、用紙の搬送経路等をオペレータに知らせることができる。
【0064】
また、この実施例において、表示欄E6に表示される画像は、印刷時の用紙上の割付頁数を表わすものとしてもよい。図17は、こうした割付頁数を描画する画像の一例を示す説明図である。図示するように、画像中の用紙Pには、縦横2つずつ並べた4枚の頁が描かれている。こうした構成により、1枚の用紙に複数の頁を割り付けて印刷したいような場合に、どのように印刷がなされるかを視覚的に一目で知ることができる。なお、図17に示すように、頁数を数字で明記することで、頁の順も一目で知ることができる。
【0065】
また、この図17の例は、印刷方向が縦方向である場合の画像であるが、印刷方向が横方向に切り換えられた場合には、図18に示すようになる。即ち、図示するように、用紙P上に描かれた「1」から「4」までの数字が横方向に向けられて表示される。
【0066】
さらに、上記実施例は、プリンタ14がローカルなコンピュータ10と直接ケーブルに接続されたコンピュータシステムに適用されているが、これに替えて、LAN上のサーバに接続されたプリンタを複数のコンピュータで共有するコンピュータシステムに適用する構成としてもよい。あるいは、インターネットによりつなげられたサーバに接続されたプリンタを、インターネットを介してコンピュータでコントロールするコンピュータシステムに適用する構成としてもよい。
【0067】
以上、本発明の一実施例を詳述してきたが、本発明は、こうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様にて実施することができるのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を適用するコンピュータシステムの外観図である。
【図2】コンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。
【図3】コンピュータ本体16が扱う画像情報から印刷が行なわれるまでの処理の様子を示すブロック図である。
【図4】プリンタについての各種情報を設定するダイアログボックスDBを例示する説明図である。
【図5】「用紙設定」のカードが開かれたダイアログボックスDBを例示する説明図である。
【図6】「通常」と設定された場合と「センタリング」と設定された場合の印刷可能領域を示す説明図である。
【図7】「用紙設定」のカードが開かれたダイアログボックスDBの他の状態を例示する説明図である。
【図8】CPU31で実行される表示切替ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】ROM32に格納された上記マップの内容の一例を示す説明図である。
【図10】「pic01」から「pic08」までの画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図11】「pic09」から「pic12」までの画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図12】「pic13」の画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図13】「pic14」から「pic21」までの画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図14】「pic22」から「pic25」までの画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図15】「pic26」の画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図16】「pic27」から「pic28」までの画像データで表わされる画像を示す説明図である。
【図17】別態様としての割付頁数を描画する画像の一例を示す説明図である。
【図18】別態様としての割付頁数を描画する画像の他の例を示す説明図である。
【図19】従来のプリンタドライバにおける用紙設定のダイアログボックスを示す説明図である。
【図20】上記ダイアログボックスの内容が変更されたときの説明図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ
12…CRTディスプレイ
14…プリンタ
16…コンピュータ本体
18…キーボード
20…マウス
22…フロッピィディスク
24…フロッピィディスクドライブ
31…CPU
32…ROM
33…RAM
34…マウスインタフェース
35…キーボードインタフェース
36…FDC
37…HDC
38…CRTC
39…プリンタインタフェース
40…I/Oポート
41…HDD
44…モデム
46…公衆電話回線
48…サーバー
51…アプリケーションプログラム
52…ビデオドライバ
53…プリンタドライバ
54…ラスタライザ
55…色補正モジュール
56…ハーフトーンモジュール
57…情報設定モジュール
Claims (4)
- 所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御装置であって、
前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する作業実行手段と、
前記作業実行手段で表示される前記画面上に、前記プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像と、該用紙の画像内に配置されて印刷の方向を示す文字または図柄の画像と、前記プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を、3次元立体像を表わす平面画像にて示す画像とを併せて表示させる用紙情報表示制御手段と
を備えるプリンタ制御装置。 - 請求項1記載のプリンタ制御装置であって、
前記各種情報を設定する作業に係わる画像は、
前記各種情報の設定を行なうためのデータを入力装置から受け付けるデータ入力欄を含むものである
プリンタ制御装置。 - 所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するプリンタ制御方法であって、
(a)前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する工程と、
(b)前記工程(a)で表示される前記画面上に、前記プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像と、該用紙の画像内に配置されて印刷の方向を示す文字または図柄の画像と、前記プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を、3次元立体像を表わす平面画像にて示す画像とを併せて表示させる工程と
を備えるプリンタ制御方法。 - 所定のプリンタにおける印刷のための各種情報を設定するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
(a)前記各種情報を設定する作業に係わる画像を示す画面を、表示装置に表示させつつ、前記作業を実行する工程と、
(b)前記工程(a)で表示される前記画面上に、前記プリンタへの用紙のセット方向が示される用紙の画像と、該用紙の画像内に配置されて印刷の方向を示す文字または図柄の画像と、前記プリンタにおける印刷時の用紙の搬送経路を、3次元立体像を表わす平面画像にて示す画像とを併せて表示させる工程と
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
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