JP3854035B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浮上式磁気ヘッドなどに使用される記録用の薄膜磁気ヘッドに係り、特にギャップ層周辺において、適切な部位で洩れ磁束を発生させることができ、高記録密度化・高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図31は、従来における薄膜磁気ヘッド(インダクティブヘッド)の構造を示す部分正面図、図32は、図31に示す32−32線から切断された薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部分断面図である。
【0003】
図31及び図32に示す符号1は、パーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層であり、この下部コア層1の上に、絶縁層9が形成されている。
【0004】
前記絶縁層9には、記録媒体との対向面(以下、ABS面と呼ぶ)からハイト方向(図示Y方向)にかけて、内幅寸法がトラック幅Twで形成された溝部9aが形成されている。
【0005】
この溝部9a内には、下から順に、下部コア層1に磁気的に接続する下部磁極層3、ギャップ層4、及び上部コア層6に磁気的に接続する上部磁極層5がメッキ形成されている。
【0006】
そして図31に示すように、前記上部磁極層5上に上部コア層6がメッキ形成されている。
【0007】
また図32に示すように、絶縁層9に形成された溝部9aよりもハイト方向(図示Y方向)における前記絶縁層9の上には、螺旋状にパターン形成されたコイル層7が設けられている。
【0008】
そして前記コイル層7は、レジストなどのコイル絶縁層8により覆われており、前記コイル絶縁層8の上に、上部コア層6が形成されている。前記上部コア層6は、その先端部6aにて上部磁極層5と、また基端部6bにて下部コア層1と磁気的に接続された状態になっている。
【0009】
図31および図32に示すインダクティブヘッドでは、コイル層7に記録電流が与えられると、下部コア層1及び上部コア層6に記録磁界が誘導され、下部コア層1と磁気的に接続する下部磁極層3及び上部コア層6と磁気的に接続する上部磁極層5間からの洩れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
【0010】
図31および図32に示すインダクティブヘッドでは、ABS面(記録媒体との対向面)付近に、局部的にトラック幅Twで形成された下部磁極層3、ギャップ層4、および上部磁極層5を形成しており、このタイプのインダクティブヘッドは、狭トラック化に対応可能となっている。
【0011】
図31および図32に示すインダクティブヘッドの製造方法について説明すると、まず下部コア層1上に絶縁層9を形成し、前記絶縁層9に、トラック幅Twの溝部9aをABS面からハイト方向に所定の長さで形成する。
【0012】
次に前記溝部9a内に、下部磁極層3、ギャップ層4および上部磁極層5を連続メッキして形成し、その後、絶縁層9に形成された溝部9aよりも後方(ハイト方向)の絶縁層9上に、コイル層7をパターン形成する。
【0013】
さらに前記コイル層7上を、コイル絶縁層8によって覆い、上部磁極層5上から前記コイル絶縁層8上にかけて上部コア層6を、フレームメッキ法で形成すると、図31および図32に示すインダクティブヘッドが完成する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図31及び図32に示された薄膜磁気ヘッドでは、前述のように、コイル層7に記録電流が与えられると、下部コア層1及び上部コア層6に記録磁界が誘導され、下部磁極層3及び上部磁極層5に磁束が流れ込む。
【0015】
しかし、図32では、下部磁極層3、ギャップ層4、及び上部磁極層5のABS面の前端面からハイト方向側の後端面までの長さは、全て等しくT1である。
【0016】
前記T1は、ギャップデプス(Gd)と呼ばれており、従来の薄膜磁気ヘッドでは、ギャップ層4における洩れ磁束を大きくするために、T1を非常に短かく形成する必要性があった。
【0017】
しかしながら図32に示す薄膜磁気ヘッドでは、上記したように、下部磁極層3、ギャップ層4、及び上部磁極層5のABS面の前端面からハイト方向側の後端面までの長さは、全て等しくT1で形成されるため、T1を狭くすれば、それだけ、上部コア層6と上部磁極層5の接合面の面積が狭くなる。そして、この接合面において上部コア層6を流れてきた磁束が絞られてしまい、前記磁束がギャップ層4に到達する前に磁気飽和してしまう。即ち、洩れ磁束がギャップ層4の近傍以外の部位からも発生してしまい、特に、記録周波数を高くしていくと、正確な記録を行なうことができなくなるという問題が生じていた。
【0018】
また、図31及び図32に示された薄膜磁気ヘッドでは、ライトフリンジングの発生を抑制するために、下部コア層1の上面と上部コア層6のABS面側付近での距離H1を大きくする必要がある。
【0019】
しかしながら前記距離H1が大きくなると、さらに磁束がギャップ層4に到達する前に磁気飽和に達しやすくなる。このように従来の薄膜磁気ヘッドの構造では、ライトフリンジングの発生を抑制すると同時に、磁束の流れを良好にさせるという構成をとることができなかった。
【0020】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に狭トラック化を進めたときにも、洩れ磁束をギャップ層において確実に発生させることにより、正確な磁気記録を可能とする薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下部コア層と、前記下部コア層上に下部磁極層を介して形成されたギャップ層と、前記ギャップ層上で幅寸法が前記下部コア層よりも短く形成された上部磁極層と、前記上部磁極層の上に形成された上部コア層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記下部磁極層はメッキ下地層を有しており、前記ギャップ層は非磁性金属材料で形成され、記録媒体との対向面よりもハイト方向の奥側にGd決め絶縁層が設けられて、前記Gd決め絶縁層には、前記下部コア層から前記上部コア層に向うにしたがってハイト方向へ徐々に深くなる曲面または傾斜面が形成され、前記上部磁極層は、前記ギャップ層の上から前記曲面または傾斜面にかけて形成されており、
前記下部磁極層の突当り面、前記ギャップ層の突当り面、及び前記ギャップ層と前記上部磁極層の接合面の後端は、前記Gd決め絶縁層の前記曲面または傾斜面に直に接しており、
前記上部磁極層とGd決め絶縁層との接触面は、前記下部磁極層の突当り面、前記ギャップ層の突当り面、及び前記ギャップ層と前記上部磁極層の接合面の後端よりもハイト方向へ深く形成されていることを特徴とするものである。
【0022】
本発明では、記録媒体との対向面(ABS面)よりもハイト方向の奥側に、ギャップデプスを決めるGd決め絶縁層が設けられている。前記ギャップ層と前記上部磁極層との接合面のハイト方向側の後端が、前記Gd決め絶縁層の前端面に接して形成されることにより、ギャップデプスが決められている。
また、前記ギャップ層が、非磁性金属材料で形成されていると、後述する製造方法の説明において述べるように、前記下部磁極層、前記ギャップ層、及び前記上部磁極層を連続メッキによって順次形成できる。
前記ギャップ層を形成するための、前記非磁性金属材料として、例えば、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択されたものが利用できる。
前記非磁性金属材料がNiPであるときには、前記ギャップ層を非磁性層とするために、NiP中のPの含有量が11質量%以上14質量%以下であることが好ましい。なお、NiP中のPの含有量が12.5質量%以上14質量%以下であると、NiPに200℃以上の熱処理を加えてもNiPは非磁性状態を保つのでより好ましい。
従って、本発明では、前記ギャップ層近傍において漏れ磁界を確実に発生させることができる。
なお、本発明では、前記下部磁極層及び前記Gd決め絶縁層をメッキ下地層上に形成できる。
【0023】
また本発明では、前記上部磁極層とGd決め絶縁層との接触面は、前記上部コア層に向うにしたがって前記ギャップデプスよりもハイト方向へ徐々に深くなるように形成されている。つまり、前記上部磁極層は、そのハイト方向側の後端部側を前記Gd決め絶縁層上まで延長させることができる。すなわち、前記上部コア層と前記上部磁極層の接合面の面積を広くすること及び上部磁極層の体積を増加させることができる。従って、前記上部コア層を流れてきた磁束が前記接合面で絞られることを抑えることができ、また、前記上部磁極層内部を磁束が流れやすくなるので、前記磁束が前記ギャップ層に到達する前に飽和してしまうことを防ぐことができる。
【0024】
つまり、本発明では、洩れ磁束を確実にギャップ層から発生させることができ、記録周波数を高くした場合でも、正確な記録を行なうことができる。
【0025】
なお、本発明では、前記上部磁極層の後端部側を、従来よりハイト方向に延長させるが、前記ギャップ層の後端面は、前記Gd決め絶縁層の前端面により規制されるので、前記ギャップ層の面積を小さくしたままにできる。従って、前記ギャップ層における洩れ磁束が小さくなることはない。
【0027】
前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下であることが好ましい。
【0028】
前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°未満であると、ギャップ層の膜厚が変動したときの、ギャップデプスの変動の割合が大きくなり、また、前記Gd決め絶縁層との突当り面付近において、前記ギャップ層にダレが生じることがある。
【0029】
また、前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が90°より大きくなると、前記上部磁極層にくびれが生じることがあり、前記上部磁極層内の磁束の流れが抑制され、磁気ヘッドの書き込み特性が低下する。
【0030】
なお、前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下であると、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する際に述べるように、前記下部磁極層や前記ギャップ層にレジストが入り込み、磁気ヘッドのトラック幅の制御ができなくなることを防ぐことができるのでより好ましい。
【0031】
また、前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下であることが好ましい。
【0032】
前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°未満であると、前記Gd決め絶縁層の前端部から前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面までの距離が長くなり、この距離の誤差が大きくなりやすくなる。すると、製品ごとの前記ギャップデプスのバラつきが大きくなる。
【0033】
前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が90°より大きくなると、前記上部磁極層にくびれが生じることがあり、前記上部磁極層内の磁束の流れが抑制され、磁気ヘッドの書き込み特性が低下する。
【0034】
なお、前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下であると、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する際に述べるように、前記下部磁極層や前記ギャップ層にレジストが入り込み、磁気ヘッドのトラック幅の制御ができなくなることを防ぐことができるのでより好ましい。
【0036】
また、前記Gd決め絶縁層は、有機材料で形成されることができる。特に、前記Gd決め絶縁層が紫外線硬化性樹脂によって形成されていると、前記Gd決め絶縁層の前端面を所定の形状に形成することが容易になるので好ましい。
【0037】
あるいは、前記Gd決め絶縁層は、無機材料で形成されているとGd決め絶縁層を精確に加工することができ、ギャップデプスの寸法及びギャップ層の膜厚の変動を抑えることができる。
【0038】
前記Gd決め絶縁層を形成するための無機材料として、例えば、SiO2やAl23を利用できる。
【0044】
また、前記Gd決め絶縁層よりもハイト方向の奥側には、前記Gd決め絶縁層に接する絶縁層が形成されており、前記上部磁極層と上部コア層との接合面を基準平面としたときに、前記絶縁層の表面は基準平面と同一面に形成されており、この絶縁層上に、上部コア層および下部コア層に記録磁界を誘導するコイル層が形成されていると、前記絶縁層の表面が確実に平坦面とされた上に、前記コイル層が形成されるようにできるので、前記コイル層をパターン精度良く形成することが可能である。
【0045】
なお前記絶縁層は、前記Gd決め絶縁層を覆い、且つ前記上部磁極層とハイト方向後端側で接して形成されていることがより好ましい。
なお、前記絶縁層は、無機材料で形成された無機絶縁層であることが好ましい。
【0046】
また、前記Gd決め絶縁層が設けられている部分よりもハイト方向後方で、前記絶縁層内に、下部コア層に接触する磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層が設けられ、前記持ち上げ層の上面は、前記絶縁層と共に前記基準平面と同一面に形成され、前記持ち上げ層上に上部コア層の基端部が磁気的に接続されていると、後述する製造方法の説明において述べるように、下部コア層と上部コア層を容易に磁気的接続させることができるので好ましい。
【0047】
さらに、前記絶縁層の下に設けられた取り出し電極層上に、磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層が設けられ、前記持ち上げ層の上面は、前記絶縁層と共に前記基準平面と同一面上に形成されており、前記持ち上げ層上に前記コイル層の端部が電気的に接続されていると、後述する製造方法の説明において述べるように、前記コイル層と取り出し電極とを容易に接続させることができるので好ましい。
【0048】
なお、前記持ち上げ層は、前記下部磁極層、前記ギャップ層、及び前記上部磁極層の積層膜と同一の積層構造を有する多層膜として形成されるものであると、後述する製造方法の説明において述べるように、前記持ち上げ層を前記下部磁極層、前記ギャップ層、及び前記上部磁極層の形成と同時に形成することができるので工程を短縮できる。
【0049】
ただし、前記持ち上げ層は、前記下部コア層又は前記上部コア層と同一の材料からなる単層膜である方が、前記持ち上げ層に前記ギャップ層と同じ材料が含まれる構成よりも磁気的、電気的特性が向上する。
【0050】
あるいは、磁気的・電気的特性を更に向上させるために、前記持ち上げ層は、前記下部コア層又は前記上部コア層の材料とは異なる金属磁性材料からなる単層膜或いは多層膜でもよい。
【0051】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
(a)下部コア層上にメッキ下地層を形成し、記録媒体との対向面からハイト方向に所定距離だけ離れた位置で、下部コア層上にGd決め絶縁層を形成し、前記Gd決め絶縁層の前記対向面側の前端面に、下部コア層から上方に向かうにしたがって前記対向面から徐々に離れるように傾斜する曲面または傾斜面を形成する工程と、
(b)前記対向面から前記Gd決め絶縁層の前端面まで、前記メッキ下地層と連続し、突当り面が前記Gd決め絶縁層の前端面の前記曲面または前記傾斜面に直に接する下部磁極層、この下部磁極層に重ねられ、突当り面が前記Gd決め絶縁層の前端面の前記曲面または前記傾斜面に直に接する非磁性金属材料からなるギャップ層、及び前記ギャップ層上から前記Gd決め絶縁層の曲面または傾斜面上にかけて、幅寸法が前記下部コア層よりも短く規制された上部磁極層を、連続メッキ形成する工程と、
(c)前記上部磁極層上に、上部コア層を形成する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0052】
このように本発明では、まず、前記対向面(ABS面)からハイト方向に所定距離だけ離れた位置で、ギャップデプスを決めるGd決め絶縁層を形成し、前記ギャップ層をハイト方向側の後端面が、前記Gd決め絶縁層の前端面に接するように形成する。
【0053】
さらに、前記上部磁極層を、前記ギャップ層上のみではなく、そのハイト方向側の後端部側を前記Gd決め絶縁層の曲面または傾斜面上まで延長させて形成している。
【0054】
すなわち、前記上部コア層と前記上部磁極層の接合面の面積を広くすること及び上部磁極層の体積を増加させることができる。従って、前記上部コア層を流れてきた磁束が前記接合面で絞られることを抑えることができ、また、前記上部磁極層内部を磁束が流れやすくなるので、前記磁束が前記ギャップ層に到達する前に飽和してしまうことを防ぐことができる薄膜磁気ヘッド装置を製造することができる。
【0055】
つまり、本発明では、洩れ磁束を確実にギャップ層から発生させることができ、記録周波数を高くした場合でも、正確な記録を行なうことができる薄膜磁気ヘッド装置を製造することが出来る。
【0056】
なお、本発明では、前記上部磁極層の後端部側を、従来よりハイト方向に延長させることができるが、前記ギャップ層の後端面は、前記Gd決め絶縁層の前端面により規制されるので、前記ギャップ層の面積を小さくしたままにできる。従って、前記ギャップ層における洩れ磁束が小さくなることはない。
前記ギャップ層を、前記上部磁極層及び前記下部磁極層と連続メッキ形成するためには、前記ギャップ層をメッキ形成可能な非磁性金属材料によって形成することが必要になる。
メッキ形成可能な非磁性金属材料としては、例えば、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択して用いることができる。
前記ギャップ層を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料が、NiPであるときは、NiP中のPの含有量が11質量%以上14質量%以下であることが好ましい。特に、NiP中のPの含有量が12.5質量%以上14質量%以下であるとより好ましい。
【0057】
また、前記(a)工程で、前記Gd決め絶縁層の前記対向面側の前端面に、下部コア層上から上方に向かうにしたがって前記対向面から徐々に離れるように傾斜する曲面または傾斜面を形成するために、Gd決め絶縁層の材料となるレジストとして紫外線硬化性樹脂を選択し、レジスト層を、前記下部コア層上に形成した後、熱処理を施して前記Gd決め絶縁層に前記曲面または傾斜面を形成し、さらに紫外線照射により前記Gd決め絶縁層を硬化させるという方法を用いることが好ましい。
【0058】
あるいは、前記(a)工程では、Gd決め絶縁層となる無機絶縁層又は有機絶縁層を前記下部コア層上に形成した後、レジスト層を前記無機絶縁層又は有機絶縁層上に形成し、熱処理を施して前記レジスト層に前記Gd決め絶縁層に形成する曲面又は傾斜面と同じ形状の曲面または傾斜面を形成し、前記レジスト層をマスクとして前記無機絶縁層又は有機絶縁層を削ることにより、前記Gd決め絶縁層を形成することがより好ましい。有機絶縁層の材料としては、例えば、エポキシ系やノボラック系の樹脂等、無機絶縁層の材料としては、例えば、SiO2やAl23等を利用できる。
【0059】
また、前記(b)の工程で形成される前記ギャップ層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成することが好ましい。
【0060】
特に、前記(b)の工程において形成される前記ギャップ層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成することがより好ましい。
【0061】
さらに、前記(b)の工程で形成される前記下部磁極層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成することがより好ましい。
【0062】
特に、前記(b)の工程において形成される前記下部磁極層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成することがより好ましい。
【0063】
また、前記()工程の後に、次の()、()、及び()工程を有すると、前記上部コア層及び下部コア層に記録磁界を誘導するコイル層を、平坦化された前記絶縁層上にパターン精度良く形成することが可能になるので好ましい。
)前記Gd決め絶縁層よりもハイト方向の後方で、下部コア層上に絶縁層を形成し、この絶縁層の表面を、上部磁極層の上面と同一面となるように平坦化する工程と、
)前記平坦化された前記絶縁層上にコイル層を形成する工程、
)前記上部磁極層上に、上部コア層を形成する工程。
【0064】
本発明では、前記()の工程において、前記Gd決め絶縁層よりもハイト方向の後方で、下部コア層上に絶縁層を形成し、この絶縁層の表面を、上部磁極層の上面と同一面となるように平坦化するので、前記()の工程でコイル層を平坦化された前記絶縁層上に形成することができる。
【0065】
また、少なくとも前記()工程よりも前の工程で、前記コイル層が形成されるべき位置よりもハイト側後方の下部コア層上に、磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層を形成し、前記()工程で、前記持ち上げ層の上面を露出させ、さらに、前記()工程で、前記持ち上げ層上に上部コア層の基端部を磁気的に接続させることが好ましい。
【0066】
前記下部コア層上に前記持ち上げ層を形成しておき、前記()の工程において、前記絶縁層の表面を、上部磁極層の上面と同一面となるように平坦化するときに、前記持ち上げ層の上面を露出させると、前記下部コア層と前記上部コア層を磁気的に接続させるために、前記下部コア層上を覆っている前記絶縁層に、前記下部コア層を露出させるための開口部を形成する工程を設けなくてもよくなる。
【0067】
また、少なくとも前記()工程よりも前の工程で、取り出し電極と電気的に接続される磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層を形成し、前記()工程で、前記持ち上げ層の上面を露出させ、さらに、前記()工程で、前記持ち上げ層上に前記コイル層の端部を電気的に接続させることが好ましい。
【0068】
前記持ち上げ層を形成しておき、前記()の工程において、前記絶縁層の表面を、上部磁極層の上面と同一面となるように平坦化するときに、前記持ち上げ層の上面を露出させると、前記コイル層を取り出し電極と接続させるために、前記下部コア層上を覆っている前記絶縁層に、前記取り出し電極を露出させるための開口部を形成する工程を設けなくてもよくなる。
【0069】
また、前記()の工程で、前記下部コア層と連続する下部磁極層上にギャップ層を形成し、さらに前記ギャップ層上及び前記Gd決め絶縁層上に前記上部磁極層を形成するとき、同時に、前記上部コア層及び/又は前記コイル層と接続される持ち上げ層を形成すると、前記持ち上げ層を形成するために別工程を設けなくともよくなる。
【0070】
ただし、前記持ち上げ層を、前記下部コア層又は前記上部コア層と同一の材料からなる単層膜として形成したほうが、前記持ち上げ層を前記ギャップ層と同じ材料が含まれるものとして形成するよりも磁気的、電気的特性が向上する。
【0071】
あるいは、磁気的・電気的特性を更に向上させるために、前記持ち上げ層を、前記下部コア層又は前記上部コア層とは異なる金属磁性材料からなる単層膜或いは多層膜として形成してもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、図2は図1に示す2−2線から切断した薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部分断面図である。
【0077】
図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のインダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダクティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用ヘッド(MRヘッド)が積層されていてもよい。
【0078】
図1及び図2に示す符号10は、例えばパーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層である。なお、前記下部コア層10の下側に再生用ヘッドが積層される場合、前記下部コア層10とは別個に、磁気抵抗効果素子をノイズから保護するシールド層を設けてもよいし、あるいは、前記シールド層を設けず、前記下部コア層10を、前記再生用ヘッドの上部シールド層として機能させてもよい。
【0079】
また図1に示すように、後述する下部磁極層11の基端から延びる下部コア層10の上面は、実線で示される平坦面10a,10aである。ただし、下部コア層10の上面が、破線で示される前記上部コア層15から離れる方向に傾斜する傾斜面10b,10bのように形成されてもよい。前記下部コア層10の上面に傾斜面10b,10bが形成されると、ライトフリンジングをよりいっそう適切に防止することができる。
【0080】
図1に示すように、下部コア層10の上には、磁性金属材料によりメッキ下地層11aが形成され、さらに下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13が連続して積層されている。
【0081】
図1および図2に示すように、下部コア層10上には、メッキ下地層11aを介して、下部磁極層11がメッキ形成されている。下部磁極層11は、下部コア層10と磁気的に接続されており、下部磁極層11は、下部コア層10と同じ材質でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
【0082】
また図1及び図2に示すように、下部磁極層11上には、非磁性のギャップ層12が積層されている。
【0083】
本発明では、ギャップ層12は、非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層11上にメッキ形成されることが好ましい。なお本発明では、前記非磁性金属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、ギャップ層12は、単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。
【0084】
また、ギャップ層12を形成するための前記非磁性金属材料がNiPであるときには、ギャップ層12を非磁性層とするために、NiP中のPの含有量が、11質量%以上14質量%以下であることが好ましい。なお、NiP中のPの含有量が12.5質量%以上14質量%以下であると、NiPに200℃以上の熱処理を加えてもNiPは非磁性状態を保つのでより好ましい。
【0085】
次にギャップ層12上には、後述する上部コア層15と磁気的に接続する上部磁極層13がメッキ形成されている。なお上部磁極層13は、上部コア層15と同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材質で形成されていてもよい。
【0086】
上記したようにギャップ層12が、非磁性金属材料で形成されていれば、下部磁極層11、ギャップ層12および上部磁極層13を連続してメッキ形成することが可能になる。
【0087】
なお本発明では、下部コア層10と連続する下部磁極層11を形成せず、下部コア層10の上に直接ギャップ層12が形成されていてもよい。ただし、ライトフリンジングをより適切に防ぐために、下部コア層10の上面から少なくとも0.3μm程度の高さで下部磁極層11を形成するほうが好ましい。
【0088】
また上記したように、下部磁極層11および上部磁極層13は、それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層と同じ材質でも異なる材質で形成されてもどちらでもよいが、記録密度を向上させるためには、ギャップ層12に対向する下部磁極層11および上部磁極層13は、それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層の飽和磁束密度よりも高い飽和磁束密度を有していることが好ましい。このように下部磁極層11および上部磁極層13が高い飽和磁束密度を有していることにより、ギャップ近傍に記録磁界を集中させ、記録密度を向上させることが可能になる。
【0089】
なお、図1及び図2では、上部磁極層13は、第1上部磁極層13aと第2上部磁極層13bからなる2層膜である。第1上部磁極層13aは第2上部磁極層13bよりも飽和磁束密度が大きい磁性材料によって形成されている。このように、上部磁極層13を、ギャップ層12に近くなるほど飽和磁束密度が大きくなる多層膜として形成すると上部コア層15から流れてきた磁束をギャップ近傍に集約することが容易になり、記録密度を向上させることが可能になる。
【0090】
ただし、上部磁極層13は単層膜として形成されてもよい。また、3層以上の多層膜として形成されてもよい。
【0091】
図1及び図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層13の幅寸法は下部コア層10の幅寸法よりも短く形成されており、この上部磁極層13の幅寸法でトラック幅Twが規制されている。
【0092】
前記トラック幅Twは、0.7μm以下で形成されることが好ましく、より好ましくは0.4μm以下である。トラック幅Twの調整方法については、後の製造方法で詳述することとするが、この寸法は、レジストを露光現像した際の分解能の限界値以下の数値である。
【0093】
また図1に示すように、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13の厚さ寸法の合計はH2で形成されている。例えば一例として、下部磁極層11の膜厚は0.4μm程度、ギャップ層12の膜厚は0.2μm程度、上部磁極層13の膜厚は2μm程度である。
【0094】
図2に示されるように、下部磁極層11、ギャップ層12及び上部磁極層13の後方には、レジストなどの絶縁材料製のGd決め絶縁層16が形成されている。
【0095】
図3は、図2に示された薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分拡大断面図である。
【0096】
Gd決め絶縁層16は、記録媒体との対向面(ABS面)側の前端面が下部コア層10上から上方(図示Z方向)に向かうに従って、ABS面からの距離が徐々に離れるように傾斜する曲面となっている。ギャップ層12と上部磁極層13との接合面のハイト方向の深さ(ギャップデプス)は、Gd決め絶縁層の前端面によってL1に規制されている。
【0097】
図3に示すように、上部磁極層13とGd決め絶縁層16との接触面は、上方(図示Z方向)にある上部コア層15に向うにしたがって前記ギャップデプスよりもハイト方向へ徐々に深くなるように形成されている
すなわち上部コア層15方向(図示Z方向)に向かうほど、Gd決め絶縁層16の前端面からABS面までの長さは長くなっている。
【0098】
図3に示すように上部磁極層13は、そのハイト方向側(図示Y方向)の後端部がGd決め絶縁層16の曲面上にまで延長されている。すなわち、上部磁極層13上に磁気的に接続される上部コア層15と、前記上部磁極層13の接合面の面積は、(ギャップデプス長×トラック幅Tw)よりも大きくなる。この面積は図31及び32に示す、上部磁極層5のハイト方向への長さT1がギャップデプス長とほぼ同じ長さ寸法で形成されていた従来に比べ、広くなり、上部磁極層13の体積も増加させることができる。従って、上部コア層15を流れてきた磁束が前記接合面で絞られることを抑えることができ、また、上部磁極層13内部を磁束が流れやすくなるので、前記磁束がギャップ層12に到達する前に飽和してしまうことを防ぐことができる。
【0099】
つまり、本発明では、洩れ磁束を確実にギャップ層12周辺から発生させることができ、記録周波数を高くした場合でも、正確な記録を行なうことができる。
【0100】
また、ギャップ層12周辺における洩れ磁束を大きくするためには、ギャップ層12の面積をなるべく狭くしたほうがよい。この実施例では、Gd決め絶縁層16の前端面から記録媒体との対向面(ABS面)までのギャップ層12の上面(上部磁極層13との接合面)の長さ寸法はL1となるように規制されており、ギャップ層12の面積が広くなりすぎることはない。
【0101】
すなわち本発明では、図3に示すように、上部磁極層13の長さ寸法を、ギャップ層12や下部磁極層11に比べて長く形成することができ、ギャップ層12の面積を増加させることなく、上部磁極層13の体積を増加させることができる。
【0102】
次に図2に示すように、Gd決め絶縁層16よりもハイト方向の奥側には、Gd決め絶縁層16を覆い、且つ上部磁極層13の後端面と接している下地絶縁層14が、下部コア層10上に、形成されている。下地絶縁層14の表面は、上部磁極層13と上部コア層15との接合面を基準平面Aとしたときに、この基準平面Aと同一面をなしている。この下地絶縁層14は、無機材料で形成された無機絶縁層であり、前記無機材料には、Al23、SiO2、Ta25、AlNから1種または2種以上が選択されることが好ましい。
【0103】
そして図2に示すように、下地絶縁層14上には、上部コア層15及び下部コア層10に記録磁界を誘導する、巻き中心部17aを中心として螺旋状にパターン形成された、例えばCuなどのコイル層17が形成されている。
【0104】
コイル層17上には、レジストやポリイミドなどの有機材料で形成されたコイル絶縁層18が形成されており、コイル絶縁層18上には、パーマロイなどの磁性材料で形成された上部コア層15がフレームメッキ法などにより形成されている。
【0105】
上部コア層15は、その先端部15aが、上部磁極層13に接して形成されており、また基端部15bは、下部コア層10上に形成された磁性材料製の持ち上げ層(バックギャップ層)19上に磁気的に接続された状態となっている。持ち上げ層19の上面は、下地絶縁層14と共に前記基準平面Aと同一面に形成されている。図2に示された薄膜磁気ヘッドでは、持ち上げ層19を下部コア層10又は上部コア層15と同じ材料によって形成している。また、持ち上げ層19を、下部コア層10又は上部コア層15の材料とは異なる金属磁性材料からなる単層膜或いは多層膜として形成してもよい。
【0106】
なお、持ち上げ層19は形成されていなくてもよく、この場合、上部コア層15の基端部15bが、下部コア層10上にまで延びて、下部コア層10上に直接磁気的に接続された状態となる。また図1に示すように上部コア層15の先端部15aの幅寸法T3は、トラック幅Twよりも大きく形成される。
【0107】
また、コイル層17の巻き中心部17a及び端部17cは、持ち上げ層19と同じ材料を用いて形成された持ち上げ層22及び23に電気的に接続されている。持ち上げ層22及び23の上面は、下地絶縁層14と共に前記基準平面Aと同一面に形成されている。
【0108】
図2に示された薄膜磁気ヘッドでは、持ち上げ層22及び23を下部コア層10又は上部コア層15と同じ材料によって形成している。また、持ち上げ層22及び23を、下部コア層10又は上部コア層15の材料とは異なる金属磁性材料からなる単層膜或いは多層膜として形成してもよい。
【0109】
さらに、持ち上げ層22及び23は、磁性材料によって形成されなくともよい。例えば、コイル層17と同じくCuなど、導電性の良好な材料を用いて形成することができる。
【0110】
持ち上げ層22及び23は、メッキ下地層11aを介して取り出し電極層24及び25に接続されている。図2では、取り出し電極層24及び25は、下部コア層10と同時に形成されたものであり、下部コア層10と同じ材料によって形成されている。ただし、取り出し電極層24及び25は、下部コア層10と同じ材料によって形成されなくともよい。
【0111】
なお持ち上げ層22及び23は形成されていなくてもよく、この場合、コイル層17の巻き中心部17aと端部17cが取り出し電極層24及び25上にまで延びて、取り出し電極層24及び25上に直接電気的に接続された状態となる。
【0112】
ところで本発明では、図2に示すように、コイル層17は、Cuなどから成る導電性材料層20と、その上に積層されたNiなどから成る導電性保護層21とで構成されることが好ましい。
【0113】
導電性材料層20がCuで形成されれば、コイル抵抗値を低くでき、また許容電流を大きくすることができる。なお導電性材料層20は、Cuに限らず、Cu、Auのうちのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造または多層構造であってもよい。
【0114】
また導電性保護層21は、Niに限らず、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造の耐酸化性に優れる導電層であってもよい。
【0115】
図2に示すように、コイル層17上にはコイル絶縁層18が形成されるが、このコイル絶縁層18が形成されるまでの間に、コイル層17の上面17bは大気中に曝されることがあり、この際、コイル層17がCuなどの導電性材料層20単層で形成されていると、導電性材料層20の表面は酸化され、例えば図2に示すコイル絶縁層18との密着性が悪化し、膜剥れなどが生じる。
【0116】
また上記した酸化層の形成は、インダクティブヘッドのコイル抵抗値を不安定化させ、記録特性を低下させる原因となる。
【0117】
このため本発明では、Cuなどで形成された導電性材料層20の上に、導電性材料層20を酸化から防止する例えばNiから成る導電性保護層21を設け、コイル絶縁層18を形成する際に、導電性材料層20の酸化を適切に防止することが可能になっている。
【0118】
なお導電性保護層21の膜厚は0.5μm程度であることが好ましい。なおNiなどで形成された導電性保護層21も大気に曝されると、酸化するおそれがあるが、導電性保護層21が、例えばNiで形成されている場合、導電性保護層21に形成される酸化層は、3.0nm程度であるので、上記のように導電性保護層21を200〜600nm程度の膜厚で形成すれば、前記酸化層をイオンミリング等で除去しても、直接前記イオンミリングの影響を導電性材料層20が受けることはなく、よって導電性材料層20の断面積の変化を防ぐことが可能である。
【0119】
また導電性材料層20と導電性保護層21は、連続してメッキ形成されることが好ましい。なお本発明では、導電性保護層21に代えて、SiO2などの非導電性の絶縁材料で形成された保護層を設けてもよい。また前記保護層をスパッタなどで形成することが可能である。
【0120】
ところで図3では、上記したように、Gd決め絶縁層16は、前端面に下部コア層10上から上部コア層15方向(上方)に向かうに従って、ABS面からの距離が徐々に離れるように傾斜する曲面を有しており、上部磁極層13は後端部が前記曲面上に形成されているが、前記Gd決め絶縁層16の形状は他の形状であってもかまわない。
【0121】
図4は、図2の薄膜磁気ヘッドとGd決め絶縁層の形状のみ異ならせた、参考例の形態を示す薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分拡大断面図である。
【0122】
図4では、Gd決め絶縁層26のハイト方向(Y方向)の全長L3が図3のGd決め絶縁層16のハイト方向(Y方向)の全長L2よりも短く形成されている。Gd決め絶縁層26のハイト方向(Y方向)の全長L3が短く形成されると、Gd決め絶縁層26のABS面側の前面に、下部コア層10に対してほぼ垂直に立ちあがる垂直面26aが形成される。さらに、ギャップ層12及びギャップ層12と上部磁極層13との接合面のハイト方向後端が、ABS面から垂直面26aまでの間に形成されている。ABS面から垂直面26aまでの距離はギャップデプスの長さに等しいL1に設定されている。Gd決め絶縁層26の前端面に垂直面26aが形成され、この垂直面26aでギャップ層12と上部磁極層13との接合面のハイト方向後端の位置が規制されるとギャップデプスを、正確に長さL1に設定することができる。
【0123】
前記Gd決め絶縁層26には、前記垂直面26aの上端からハイト方向(図示Z方向)に向かって徐々に上部コア層15側に近づくように傾斜する曲面あるいは傾斜面が形成されており、この曲面あるいは傾斜面上に、上部磁極層13の後端部が乗って形成されている。
【0124】
このため前記上部磁極層13と上部コア層15との接合面の面積を大きくでき、前記上部磁極層13の体積を大きくできるので、漏れ磁界をギャップ近傍に集中しやすくできる。
【0125】
図5は、参考例の形態を示す薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分拡大断面図である。図5に示されるGd決め絶縁層27のように、Gd決め絶縁層27の上部が平坦面27aとなっており、その上に上部絶縁層13の後端部が乗るようになっていてもよい。図5では、Gd決め絶縁層27の前端面が垂直面27bとなっており、ギャップデプスの長さがL1となるように、ギャップ層12と上部磁極層13との接合面のハイト方向後端の位置が垂直面27bによって規制されている。
【0126】
このように、Gd決め絶縁層の形状が図5に示されたGd決め絶縁層27のように形成されたものであっても、上部磁極層13の長さ寸法を、ギャップ層12や下部磁極層11に比べて長く形成することができ、ギャップ層12の面積を増加させることなく、上部磁極層13の体積を増加させることができる。
【0127】
また、図1から図5では、上部磁極層13を飽和磁束密度の異なる第1上部磁極層13aと第2上部磁極層13bからなる2層膜として示している。しかし、上部磁極層13は、図6に示されるように、単一の磁性材料からなる単層膜として形成されてもよい。
【0128】
Gd決め絶縁層の好ましい形状について説明する。
図7の薄膜磁気ヘッドは、図3に示した薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分断面図を拡大した図である。
【0129】
図7では、ギャップ層12のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12a及び下端部12bを通る仮想平面S1と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ1が45°以上90°以下の範囲にある。なお、図7では、図を見やすくするために、角θ1を仮想平面S1と下部コア層10の上面10aに平行な平面とがなす角として図示している。
【0130】
本実施の形態のように、角θ1が45°以上であると、ギャップ層12の膜厚が変動したときの、ギャップデプスL1の変動を小さくできる。また、Gd決め絶縁層16との突当り面付近において、ギャップ層12にダレが生じることを防ぐことができる。
【0131】
また、角θ1が90°以下であると、上部磁極層13に磁束の流れを抑制するくびれが形成されないので、磁気ヘッドの書き込み特性の低下を防止できる。
【0132】
なお、ギャップ層12のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12a及び下端部12bを通る仮想平面S1と下部コア層10の上面10aとのなす角θ1が80°より大きくなると、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する際に述べるように、下部磁極層11やギャップ層12にレジストが入り込み、磁気ヘッドのトラック幅の制御ができなくなるので、角θ1は80°以下であることが好ましい。
【0133】
また図7では、下部磁極層11のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12b及び下端部11bを通る仮想平面S2と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ2が45°以上90°以下の範囲内にある。なお、図7においては、ギャップ層12のGd決め絶縁層16との突当り面の下端部と、下部磁極層11のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部は重なっている。また、図7では、図を見やすくするために、角θ2を仮想平面S2と下部コア層10の上面10aに平行な平面とがなす角として図示している。
【0134】
角θ2が45°以上であると、Gd決め絶縁層16の前縁部(下部磁極層11のGd決め絶縁層16との突当り面の下端部11bと同一)からギャップ層12のGd決め絶縁層16との突当り面までの距離L5を小さくできるので、製品ごとのギャップデプスL1のバラつきを小さくできる。
【0135】
また、角θ2が90°以下であると、上部磁極層13に磁束の流れを抑制するくびれが形成されないので、磁気ヘッドの書き込み特性の低下を防止できる。
【0136】
なお、角θ2が80°より大きくなると、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する際に述べるように、下部磁極層11やギャップ層12にレジストが入り込み、磁気ヘッドのトラック幅の制御ができなくなるので、角θ2は80°以下であることが好ましい。
【0137】
図7に示された磁気ヘッドでは、Gd決め絶縁層16の記録媒体との対向面(ABS面)側の前端面は曲面となっているので、ギャップ層12のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12a及び下端部12bを通る仮想平面S1と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ1と、下部磁極層11のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12b及び下端部11bを通る仮想平面S2と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ2が異なっている。
【0138】
本実施の形態のように、角θ1と角θ2とが、共に45°以上90°以下の範囲内にあってもよいし、角θ1と角θ2の一方が45°以上90°以下の範囲内にあってもよい。
【0139】
なお、角θ1と角θ2の、少なくとも一方が45°以上90°以下の範囲内にあることはあくまでも好ましい形態であり、本発明において角θ1及び角θ2の範囲を制限するものではない。
【0140】
図8は、本実施の形態を示す薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分拡大断面図である。
【0141】
図8に示された磁気ヘッドでは、Gd決め絶縁層61の記録媒体との対向面(ABS面)側の前端面は傾斜面となっているので、ギャップ層12のGd決め絶縁層61との突当り面12cの上端部12a及び下端部12bを通る仮想平面S3と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ1と、下部磁極層11のGd決め絶縁層61との突当り面11cの上端部12b及び下端部11bを通る仮想平面S3と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ2は等しい。
【0142】
なお、図8では、図を見やすくするために、角θ1及び角θ2を、仮想平面S3と下部コア層10の上面10aに平行な平面とがなす角として図示している。
【0143】
本実施の形態においても、角θ1と角θ2は共に、45°以上90°以下の範囲にある。
【0144】
角θ1が45°以上であると、ギャップ層12の膜厚L4が変動したときの、ギャップデプスL1の変動を小さくできる。また、Gd決め絶縁層16との突当り面12c付近において、ギャップ層12にダレが生じることを防ぐことができる。
【0145】
また、角θ1及び角θ2が90°以下であると、上部磁極層13に磁束の流れを抑制するくびれが形成されないので、磁気ヘッドの書き込み特性の低下を防止できる。
【0146】
なお、角θ1及び角θ2が80°より大きくなると、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する際に述べるように、下部磁極層11やギャップ層12にレジストが入り込み、磁気ヘッドのトラック幅の制御ができなくなるので、角θ1は80°以下であることが好ましい。
【0147】
また、角θ2が45°以上であると、Gd決め絶縁層61の前縁部からギャップ層12のGd決め絶縁層61との突当り面までの距離L5を小さくできるので、製品ごとのギャップデプスL1のバラつきを小さくできる。
【0148】
なお、Gd決め絶縁層16、26、27、61は、後述する製造方法の説明において述べるように、紫外線硬化性樹脂によって形成されることができる。Gd決め絶縁層16、26、27、61を、紫外線硬化性樹脂によって形成すると、Gd決め絶縁層16、26、27、61の前端面を所定の形状に形成することが容易になる。
【0149】
或いは、Gd決め絶縁層16、26、27、61は、無機材料で形成されていてもよい。Gd決め絶縁層16、26、27、61が、無機材料で形成されるとGd決め絶縁層の加工を精確に行なうことができ、ギャップデプス及びギャップ層の膜厚の変動を抑えることができる。
【0150】
Gd決め絶縁層16、26、27、61を形成するための無機材料として、例えば、SiO2やAl23を利用できる。
【0151】
図2に示された本発明の実施の形態の薄膜磁気ヘッドでは、上部コア層15と下部コア層10を磁気的に接続するための持ち上げ層19を下部コア層10及び上部コア層15と同じ材料によって形成している。
【0152】
また、コイル層17の巻き中心部17a及び端部17cを取り出し電極層24及び25に接続するための、持ち上げ層22及び23も下部コア層10及び上部コア層15と同じ材料によって形成している。
【0153】
図9は、本実施の形態を示す薄膜磁気ヘッドの縦断面図である。図9に示された薄膜磁気ヘッドは、図2に示された薄膜磁気ヘッドと持ち上げ層28、29、30においてのみ異なっている。
【0154】
図9では、持ち上げ層28、29、30は、下部磁極層11、ギャップ層12、及び上部磁極層13の積層膜と同一の積層構造を有する多層膜として形成されている。従って、後述する製造方法の説明において述べるように、持ち上げ層28、29、30を下部磁極層11、ギャップ層12、及び上部磁極層13の形成と同時に形成することができるので工程を短縮できる。
【0155】
ただし、図2に示された薄膜磁気ヘッドのように、持ち上げ層19、22,23が、下部コア層10又は上部コア層15と同一の材料からなる単層膜である方が、図9の薄膜磁気ヘッドより磁気的、電気的特性は良好である。
【0156】
図10は、参考例の形態を示す薄膜磁気ヘッドの縦断面図である。
【0157】
本形態では、下部コア層10上に直接ギャップ層41が積層されている。ギャップ層41は、Al23やSiO2などの絶縁性材料によって形成されている。ギャップ層41上の、ABS面から所定距離離れた位置に、Gd決め絶縁層42が形成されている。ギャップデプスは、Gd決め絶縁層42のABS面側の前端面によって、ギャップ層41と上部磁極層43との接合面のハイト方向側の後端が規制されることにより決められる。図10では、ギャップデプスの長さは、L1に設定されている。
【0158】
Gd決め絶縁層42の前端面及びギャップ層41上のGd決め絶縁層42とABS面との間の部分にメッキ下地層43aを介して、上部磁性層43がメッキ形成されている。
【0159】
上部磁性層43は上面で、上部コア層15と磁気的に接続されている。
本実施の形態の薄膜磁気ヘッドは、図1から図9に示された薄膜磁気ヘッドとは、ギャップ層41と上部磁極層が連続メッキされるものではない点で異なっている。
【0160】
図10の薄膜磁気ヘッドにおいても、上部コア層15と上部磁極層43の接合面の面積が従来よりも広くなり、上部磁極層43の体積も増加している。従って、上部コア層15を流れてきた磁束が前記接合面で絞られることを抑えることができ、また、上部磁極層43内部を磁束が流れやすくなるので、前記磁束がギャップ層41に到達する前に飽和してしまうことを防ぐことができる。
【0161】
ただし、図10のように、Gd決め絶縁層42の前端面及びギャップ層41上のGd決め絶縁層42とABS面との間の部分に、メッキ下地層43aを形成しておくと、前記メッキ下地層43aの上に、前記上部磁極層43をパターン形成する際に使用されるレジスト層を形成し、このレジスト層を上部磁極層43形状に露光現像する際に、前記メッキ下地層43aの存在により乱反射が起こりやすくなるといった問題がある。そして前記乱反射により上部磁極層43をパターン精度良く形成することが困難になる。従って、図1から図9の薄膜磁気ヘッドのように、下部コア層10上にメッキ下地層11aが形成され、その上にGd決め絶縁層16、26、または27が積層された後に、下部磁極層11、ギャップ層12、上部磁極層13が連続メッキによって形成されるものであるほうが、パターン精度の上で好ましい。
【0162】
図11から図18は、図2に示された本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一連の製造工程図である。
【0163】
まず図11では、下部コア層10上に、パーマロイなどの磁性材料で形成されたメッキ下地層11aを形成し、さらにメッキ下地層11a上の所定部分に、紫外線硬化性樹脂などで形成されるGd決め絶縁層16を形成する。また、下部コア層10の形成と同時にコイル層の取り出し電極層24及び25を形成する。
【0164】
例えばGd決め絶縁層16は、紫外線硬化性樹脂からなるレジスト層を図11のように矩形状に形成した後、ポストベーク(熱処理)することで、前記レジスト層にだれを生じさせ、図12に示すように、前記レジスト層で形成されたGd決め絶縁層16の前端面に下部コア層10から図示Z方向に向かうに従って記録媒体との対向面(ABS面)から徐々に離れるように傾斜する曲面を形成する。熱処理後、前記Gd決め絶縁層16に紫外線を照射して、硬化させる。なおGd決め絶縁層16の前端面からABS面までのギャップ層12の上面が形成されるべき部分の長さ寸法L1で、ギャップデプスGdが決定される。
【0165】
次に、図13のように下部コア層10上にレジスト層51を塗布形成し、さらにレジスト層51に、露光現像によって、ABS面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法であって、且つ図19に示されるようにトラック幅方向(図示X方向)にGd決め絶縁層16の幅寸法よりも狭い所定の幅寸法で形成される溝51aを形成し、溝51a内に、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13を、連続してメッキ形成する。
【0166】
レジスト層51の厚さ寸法H3は、少なくとも図1に示す完成した薄膜磁気ヘッドにおける下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13の厚さ寸法の合計H2よりも厚く形成されていなければならない。
【0167】
前記ギャップ層12を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料には、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0168】
また、ギャップ層12を形成するための前記非磁性金属材料がNiPであるときには、ギャップ層12を非磁性層とするために、NiP中のPの含有量を、11質量%以上14質量%以下にすることが好ましい。
【0169】
なお、NiP中のPの含有量を12.5質量%以上14質量%以下にすると、NiPに200℃以上の熱処理を加えても、NiPが非磁性状態を保つのでより好ましい。
【0170】
なお下部磁極層11は形成されなくともかまわない。また、図13では、上部磁極層13を、第1上部磁極層13aと第2上部磁極層13bからなる2層膜として形成している。第1上部磁極層13aは第2上部磁極層13bよりも飽和磁束密度が大きい磁性材料によって形成されている。このように、上部磁極層13を、ギャップ層12に近くなるほど飽和磁束密度が大きくなる多層膜として形成すると上部コア層15から流れてきた磁束をギャップ近傍に集約することが容易になり、記録密度を向上させることが可能になる。
【0171】
ただし、上部磁極層13を単層膜としてもよいし、3層以上の多層膜として形成してもよい。
【0172】
また、図7に示したように、ギャップ層12のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12a及び下端部12bを通る仮想平面S1と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ1と、下部磁極層11のGd決め絶縁層16との突当り面の上端部12b及び下端部11bを通る仮想平面S2と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ2が、45°以上90°以下の範囲内となることが好ましい。
【0173】
本発明では、図12の工程において、レジスト層のポストベーク(熱処理)の条件を設定することによって、Gd決め絶縁層16の前端面の形状を調整し、角θ1及び角θ2を45°以上90°以下の範囲とすることができる。
【0174】
なお、図13においては、上部磁極層13の上面13c1が、後の図16工程における上部磁極層13の上面13c2よりも高い位置となるように形成することが好ましい。
【0175】
下部磁極層11、ギャップ層12、及び上部磁極層13をメッキ形成した後、上部磁極層13の上面を保護し、レジスト層51のハイト方向(図示Y方向)後端に、露光現像によって穴部51b、51c、及び51dを形成する。この穴部51b、51c、及び51d内に、磁性材料製の持ち上げ層19、22、及び23をメッキ形成する。
【0176】
図14に示す工程ではレジスト層51を除去した状態を示しており、下部コア層10上には、ABS面付近に下部磁極層11、ギャップ層12、及び上部磁極層13が積層され、ABS面からハイト方向に離れた位置に持ち上げ層19,22、及び23が形成されている。
【0177】
なお、図14においては、持ち上げ層19、22、23の上面19a1、22a1、23a1が、後の図16工程における持ち上げ層19、22、23の上面19a2、22a2、23a2よりも高い位置となるように形成することが好ましい。
【0178】
なお、ここに説明する製造方法では、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13を形成した後、改めてレジスト層51に穴部51b、51c、51dを形成して持ち上げ層19、22、23をメッキ形成しなければならないので、後に説明する、図3の薄膜磁気ヘッドの製造方法に比べて製造工程は複雑になる。しかし、持ち上げ層19、22、23を下部コア層10又は上部コア層15と同じ材料からなる単層膜として形成することができるので、図3の薄膜磁気ヘッドのように持ち上げ層28、29、30内にギャップ層12と同じ材料からなる層を有することが無く、磁気特性及び電気特性の点では優れた薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0179】
また、持ち上げ層19、22、23を下部コア層10又は上部コア層15の材料とは異なる金属磁性材料からなる単層膜または多層膜として形成してもよい。
【0180】
なお図14に示す下部磁極層11、ギャップ層12、及び上部磁極層13の両側面(図示X方向における側面)を、トラック幅方向(図示X方向)からイオンミリングで削り、下部磁極層11、ギャップ層12、及び上部磁極層13の幅寸法を小さくしてもよい。この場合イオンミリングによって削られた後の上部磁極層13の幅寸法がトラック幅Twとして規定される。上部磁極層13の幅寸法は、下部コア層10の幅寸法よりも短く形成される。なお前記イオンミリングによって、下部磁極層11の基端から延びるトラック幅方向(図示X方向)の下部コア層10の上面も削れていき、図1に破線で示される傾斜面10b,10bが前記下部コア層10上面に形成される。
【0181】
さらに、メッキ下地層11aの、下部コア層10、取り出し電極層24及び25の間をつないでいる部分を除去する。
【0182】
次に図15に示す工程では、まず上部磁極層13上から下部コア層10上、さらには持ち上げ層19、22、及び23上からハイト方向にかけて、絶縁材料で形成された下地絶縁層14をスパッタ形成する。
【0183】
なお本発明では下地絶縁層14を無機材料によってスパッタ形成する。前記無機材料には、Al23、SiO2、Ta25、AlNのうちから1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0184】
そして図15に示すように、下地絶縁層14の上面をCMP技術などを利用してB−B線上まで削っていく。その状態を示すのが図16である。
【0185】
下地絶縁層14がB−B線まで削られることにより、図16に示すように、上部磁極層13の上面13c2が露出し、しかもこの上面13c2と同一面上に持ち上げ層19、22、23の上面19a2、22a2、23a2も露出した状態になる。
【0186】
このように上部磁極層13の上面13c2と同一面上に持ち上げ層19、22、23の上面19a2、22a2、23a2が露出するのは、図14に示す工程で、持ち上げ層19、22、23の上面19a1、22a1、23a1を、図16における持ち上げ層19、22、23の上面19a2、22a2、23a2よりも高い位置となるように形成したからである。
【0187】
従って図16に示す工程で研磨工程を終了すると、上部磁極層13の上面13c2と同一面上に、下地絶縁層14の表面及び持ち上げ層19、22、23の上面19a2、22a2、23a2を位置させることができる。
【0188】
そして図17に示すように、下地絶縁層14上にコイル層17を、巻き中心部17aを中心として螺旋状にパターン形成する。
【0189】
また本発明では図17に示すように、コイル層17を、Cu、Auのうちのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造または多層構造で形成された導電性材料層20と導電性材料層20の上に積層されたNi、P、Pd、Pt、BまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成される導電性保護層21とで構成することが好ましい。
【0190】
このように導電性保護層21を導電性材料層20上に積層する理由は、導電性材料層20を酸化から防止するためである。なお大気などに曝された導電性保護層21の表面は酸化されるが、導電性保護層21に形成される酸化層は3.0nm程度と非常に薄い。このためイオンミリング法などにより導電性保護層21の酸化層を削っても、導電性保護層21の膜厚は200〜600nm程度であることから、前記イオンミリングの影響を導電性材料層20が受けることはなく、導電性材料層20の体積を変化させることがない。従って前記コイル層17のコイル抵抗値や許容電流を一定値に保つことが可能である。
【0191】
本発明では、上部磁極層13の上面13c2と同一面上に、下地絶縁層14の上面が位置し、前記上部磁極層13の上面13c2からハイト方向(図示Y方向)にかけて、平坦化された面が広がっており、前記平坦化面上にコイル層17を形成することができるので、コイル層17をパターン精度良く形成することができる。
【0192】
本発明では、コイル層17の巻き中心部17a及び端部17cを、持ち上げ層22及び23上に直接、電気的に接続させることが可能である。
【0193】
仮に持ち上げ層22及び23が形成されず、取り出し電極層24及び25が外部に露出しない場合には、取り出し電極層24及び25上を覆う下地絶縁層14をエッチング等により削って穴部を形成する必要性がある。
【0194】
本発明では、図16の工程で上部磁極層13の上面13c2と同一面上に持ち上げ層22、23の上面22a2、23a2が露出するので、コイル層17の巻き中心部17a及び端部17cを、持ち上げ層22及び23上に直接積層することができ、製造工程を簡略化することが可能になる。
【0195】
次に図18に示す工程では、コイル層17を、例えばレジストやポリイミドなどの有機絶縁材料から形成されたコイル絶縁層18で覆い、さらにコイル絶縁層18上に上部コア層15を、フレームメッキ法などの既存の方法でパターン形成する。図18に示すように上部コア層15は、その先端部15aにて上部磁極層13上に接して形成され、また基端部15bにて下部コア層10上に形成された持ち上げ層19上に磁気的に接して形成される。
【0196】
仮に持ち上げ層19が形成されない場合には、下部コア層10上を覆う下地絶縁層14をエッチング等により削って穴部を形成する必要性がある。
【0197】
本発明では、図16の工程で上部磁極層13の上面13c2と同一面上に持ち上げ層19の上面19a2が露出するので、上部コア層15の基端部15bを持ち上げ層19に直接積層することができ、製造工程を簡略化することが可能になる。
【0198】
また本発明では、図14に示す工程で、下部コア層10上に形成された下部磁極層11、ギャップ層12、上部磁極層13のトラック幅方向の両側端面を、イオンミリング法によって削ってもよい。この場合、上部磁極層13の幅寸法(=トラック幅Tw)を小さく形成して、狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。この場合トラック幅Twを0.4μm以下に形成することができる。
【0199】
また、トラック幅Twを0.5μm以上で形成する場合には、図13及び図19に示されたレジスト層51に露光・現像を行なうことにより形成された溝51aの幅寸法でトラック幅Twを規制することができるので、下部磁極層11、ギャップ層12、上部磁極層13のトラック幅方向の両側端面を、イオンミリング法によって削る必要はない。
【0200】
なお、トラック幅Twは、具体的には0.7μm以下で形成することが好ましく、より好ましくは0.4μm以下である。
【0201】
図20及び図21は、図9に示された薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明するための製造工程図である。
【0202】
まず、図20のように、下部コア層10上に、パーマロイなどの磁性材料で形成されたメッキ下地層11aを形成し、さらにメッキ下地層11a上の所定部分に、レジストなどで形成されるGd決め絶縁層16を形成する。また、下部コア層10の形成と同時にコイル層の取り出し電極層24及び25を形成する。
【0203】
例えばGd決め絶縁層16は、紫外線硬化性樹脂からなるレジスト層を矩形状に形成した後、ポストベーク(熱処理)することで、前記レジスト層にだれを生じさせ、図20に示すように、前記レジスト層で形成されたGd決め絶縁層16の前端面に下部コア層10上から図示Z方向に向かうに従ってABS面から徐々に離れるように傾斜する曲面を形成する。熱処理後、前記Gd決め絶縁層16に紫外線を照射して、硬化させる。
【0204】
次に、図21のように、下部コア層10上にレジスト層51を塗布形成し、さらにレジスト層51に、露光現像によって、ABS面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法であって、且つ図19に示されるように、トラック幅方向(図示X方向)に、Gd決め絶縁層16の幅寸法よりも狭い、所定の幅寸法で形成される溝51aを形成する。また溝51aを形成するとき同時に、レジスト層51のハイト方向(図示Y方向)後端に、露光現像によって穴部51b、51c、及び51dを形成する。
【0205】
次に、溝51a内に、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13を、連続してメッキ形成するとき、同時に、持ち上げ層28、29、30を形成する。持ち上げ層28、29、30は、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13と同一の多層膜として形成される。
【0206】
レジスト層51を除去した後、図15から図18を用いて説明した工程と同じ工程を経て、図9の薄膜磁気ヘッドを得る。
【0207】
下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13を、連続してメッキ形成するとき、同時に、持ち上げ層28、29、30を形成すると、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13を形成した後、改めてレジスト層51に穴部51b、51c、51dを形成して持ち上げ層をメッキ形成するという製造方法に比べて、工程を少なくすることができる。
【0208】
Gd決め絶縁層16を形成する方法として、上述した紫外線硬化性樹脂からなるレジスト層を矩形状に形成した後、ポストベーク(熱処理)することで、前記レジスト層にだれを生じさせる方法以外に、以下に述べる方法がある。
【0209】
まず、図22のように、Gd決め絶縁層となる無機絶縁層72を下部コア層10上に、スパッタ法や蒸着法などの成膜プロセスによって形成した後、レジスト層71を無機絶縁層72上に形成する(図23)。無機絶縁層72は、SiO2、Al23等によって形成される。
【0210】
次に、レジスト層71に熱処理を施して、Gd決め絶縁層72に形成する曲面又は傾斜面と同じ形状の曲面または傾斜面を形成する(図24)。
【0211】
本実施の形態では、下部コア層10の上面10aと無機絶縁層72の上面72aとが平行になるように無機絶縁層72を成膜し、無機絶縁層72の上面72aとレジスト層71の前端面71aとのなす角θ3が45°以上90°以下になるようにしている。
【0212】
さらに、レジスト層71をマスクとして無機絶縁層72を、イオンミリングやRIEなどのドライエッチング法を用いて削り、Gd決め絶縁層61を形成する(図25)。無機絶縁層72のレジスト層71で覆われた部位の前端部は、レジスト層71の前端面と同じ角度で削れていく。従って、ドライエッチングによって形成されたGd決め絶縁層61の前端面61bと下部コア層10の上面10aとのなす角θ4も、45°以上90°以下になる。
【0213】
Gd決め絶縁層61上のレジスト層71を剥離した後(図26)、図13から図18に示した工程と同様の工程によって、下部磁極層11、ギャップ層12、上部磁極層13、持ち上げ層19,22,23、コイル層17、及び上部コア層15を形成する。形成された磁気ヘッドは、図8に示された磁気ヘッドと同じものである。すなわち、Gd決め絶縁層61の記録媒体との対向面(ABS面)側の前端面は傾斜面となっている。
【0214】
ギャップ層12のGd決め絶縁層61との突当り面の上端部12a及び下端部12bを通る仮想平面S3と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ1と、下部磁極層11のGd決め絶縁層61との突当り面の上端部12b及び下端部11bを通る仮想平面S3と、下部コア層10の上面10aとのなす角θ2は、ともに、図26に示された、Gd決め絶縁層61の前端面61bと下部コア層10の上面10aとのなす角θ4に等しい。従って、角θ1と角θ2は共に、45°以上90°以下の範囲になる。
【0215】
Gd決め絶縁層61を無機材料を用いて形成すると、Gd決め絶縁層の加工を精確に行なうことができ、ギャップデプス及びギャップ層の膜厚の変動を抑えることができる。
【0216】
なお、本発明の磁気ヘッドの製造方法では、Gd決め絶縁層61以外の形状のGd決め絶縁層を形成してもかまわない。
【0217】
また、図24に示される工程において、下部コア層10の上層に成膜される無機絶縁層72の代わりに、有機絶縁層を成膜してもよい。この有機絶縁層の上にレジスト層71を形成して、図25に示される工程と同様に、ドライエッチングによって、Gd決め絶縁層61を形成してもよい。有機絶縁層の材料としては、例えば、エポキシ系やノボラック系の樹脂等を用いることができる。
【0218】
図27に示すように、Gd決め絶縁層27の前端面27aと下部コア層10の上面10aとのなす角θ5を80°より大きくすると、図5に示されるような磁気ヘッドが形成される。
【0219】
このとき、ギャップ層12のGd決め絶縁層27との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、下部コア層10の上面10aとのなす角と、下部磁極層11のGd決め絶縁層27との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、下部コア層10の上面10aとのなす角は、ともに、80°より大きくなる。
【0220】
Gd決め絶縁層27の前端面27aと下部コア層10の上面10aとのなす角θ5が80°より大きくなると、Gd決めレジスト層27を覆うレジスト層51に、露光現像によって溝51aを形成するときに、溝51a内に残存レジスト51eが残留することがある(図28)。
【0221】
溝51a内に残存レジスト51eが残留したまま、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13を連続してメッキ形成すると、下部磁極層11やギャップ層12、或いは上部磁極層13の均一な形成が妨げられ磁気ヘッドの実質的なトラック幅が変動し、磁気ヘッドのオーバーライト特性が低下する(図29)。
【0222】
従って、Gd決め絶縁層27の前端面27aと下部コア層10の上面10aとのなす角θ5を80°以下で形成することが好ましい。ただし、角θ5を80°より大きく形成してもかまわない。
【0223】
【実施例】
メッキ形成されたNiPのP含有量と、NiPの飽和磁束密度との関係を調べた。結果を図30に示す。
【0224】
メッキ形成後にNiPを加熱しないとき、NiPのP含有量が11質量%以上になると、NiPは非磁性状態になることがわかる。このとき、NiPは非晶質状態である。
【0225】
さらに、メッキ形成後にNiPを200℃、240℃及び300℃の温度で加熱したときの、NiPのP含有量と、NiPの飽和磁束密度との関係を調べた。
【0226】
非加熱状態で非磁性状態である非晶質のNiPを加熱すると、Pの含有量によっては、NIPが結晶質に変化して磁性を有するようになる。
【0227】
図30から、NiPのP含有量が12.5質量%以上になると、NiPを200℃、240℃及び300℃のいずれの温度で加熱処理しても、NiPの非晶質状態は維持され、非磁性状態のままであることがわかる。
【0228】
本発明の薄膜磁気ヘッドを、実際に製造するときには、製造中の薄膜磁気ヘッドを200℃以上の温度で熱処理する工程を有することがある。本実施例から、薄膜磁気ヘッドのギャップ層をNiPによって形成するときには、NiPのP含有量を12.5質量%以上とすると、ギャップ層形成後に、薄膜磁気ヘッドを200℃以上の温度で熱処理しても、ギャップ層を形成しているNiPの非磁性状態が維持されることがわかる。
【0229】
また、製造中の薄膜磁気ヘッドを熱処理する工程を有しないときは、NiPのP含有量が11質量%以上であれば、ギャップ層を形成しているNiPは非磁性状態になる。
【0230】
なお、NiPをメッキ形成するときに、メッキ液中のP含有量を過剰にしても、形成されたNiP中のP含有量は14質量%を越えることはない。従って、本発明においてギャップ層をNiPで形成するとき、NiP中のP含有量の上限値は、14質量%である。
【0231】
なお、NiP中のP含有量は、高周波誘導プラズマ(ICP)法によって測定された値である。
【0232】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、前記下部コア層上には、記録媒体との対向面(ABS面)からハイト方向に所定距離離れた位置にギャップデプスを決めるGd決め絶縁層が設けられており、前記上部磁極層は、その後端部側を前記Gd決め絶縁層上まで延長させることができる。すなわち、前記上部コア層と前記上部磁極層の接合面の面積を広くすること及び上部磁極層の体積を増加させることができる。従って、前記上部コア層を流れてきた磁束が前記接合面で絞られることを抑えることができ、また、前記上部磁極層内部を磁束が流れやすくなるので、前記磁束が前記ギャップ層に到達する前に飽和してしまうことを防ぐことができる。
【0233】
つまり、本発明では、洩れ磁束を確実にギャップ層から発生させることができ、記録周波数を高くした場合でも、正確な記録を行なうことができる。
【0234】
なお、本発明では、前記上部磁極層の後端部側を、従来よりハイト方向に延長させるが、前記ギャップ層のハイト方向の後端は、前記Gd決め絶縁層の前端面により規制されるので、前記ギャップ層の面積を小さくしたままにできる。従って、前記ギャップ層における洩れ磁束が小さくなることはない。
【0235】
また、本発明では前記ギャップ層を、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成することができ、前記下部磁極層、前記ギャップ層、及び前記上部磁極層を連続メッキによって順次形成できる。
【0236】
また、本発明では、前記Gd決め絶縁層が設けられている部分よりもハイト方向後方で、下部コア層に接触する磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層が設けられ、前記持ち上げ層の上面は、前記Gd決め絶縁層及び前記下部コア層を覆う絶縁層の表面と共に、前記上部磁極層と上部コア層との接合面(基準平面)と同一面上に形成され、前記持ち上げ層上に上部コア層の基端部が磁気的に接続されている構成にすることができ、前記下部コア層と前記上部コア層を容易に磁気的接続させることができる。
【0237】
さらに、本発明では、前記絶縁層の下に設けられた取り出し電極層上に、磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層が設けられ、前記持ち上げ層の上面は、前記絶縁層の表面と共に前記基準平面と同一面上で形成され、前記持ち上げ層上に前記コイル層の端部が電気的に接続されている構成にすることができ、前記コイル層と取り出し電極層とを容易に接続させることができる。
【0238】
また、本発明では、前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角を45°以上90°以下にすることによって、薄膜磁気ヘッドの書き込み特性の低下を防止できる。
【0239】
さらに、前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角を45°以上90°以下にすることによっても、薄膜磁気ヘッドの書き込み特性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図2】図1に示す2−2線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図3】図2に示す薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分断面図、
【図4】参考例の形態の薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分断面図、
【図5】参考例の形態の薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分断面図、
【図6】本実施の形態の薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分断面図、
【図7】図3の薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の拡大図、
【図8】本実施の形態の薄膜磁気ヘッドのABS面周辺の部分断面図、
【図9】本実施の形態の薄膜磁気ヘッドの縦断面図、
【図10】参考例の形態の薄膜磁気ヘッドの縦断面図、
【図11】本発明の図2に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図12】図11に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図13】図12に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図14】図13に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図15】図14に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図16】図15に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図17】図16に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図18】図17に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図19】図13の工程図に示された製造工程にある薄膜磁気ヘッドの部分正面図、
【図20】本発明の図9に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図21】図20に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図22】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の他の実施の形態を示す一工程図、
【図23】図22に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図24】図23に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図25】図24に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図26】図25に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図27】参考例の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一工程図、
【図28】図27に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図29】図28に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図30】NiP中のP含有量とNiPの飽和磁束密度との関係を示すグラフ、
【図31】従来における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図32】図31に示す32−32線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【符号の説明】
10 下部コア層
11 下部磁極層
12 ギャップ層
13 上部磁極層
13a 第1上部磁極層
13b 第2上部磁極層
14 下地絶縁層
15 上部コア層
16、26、27 Gd決め絶縁層
17 コイル層
18 コイル絶縁層
19、22、23 持ち上げ層
20 導電性材料層
21 導電性保護層
51 レジスト層
A 基準平面(上部磁極層13と上部コア層15との接合面)

Claims (37)

  1. 下部コア層と、前記下部コア層上に下部磁極層を介して形成されたギャップ層と、前記ギャップ層上で幅寸法が前記下部コア層よりも短く形成された上部磁極層と、前記上部磁極層の上に形成された上部コア層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記下部磁極層はメッキ下地層を有しており、前記ギャップ層は非磁性金属材料で形成され、記録媒体との対向面よりもハイト方向の奥側にGd決め絶縁層が設けられて、前記Gd決め絶縁層には、前記下部コア層から前記上部コア層に向うにしたがってハイト方向へ徐々に深くなる曲面または傾斜面が形成され、前記上部磁極層は、前記ギャップ層の上から前記曲面または傾斜面にかけて形成されており、
    前記下部磁極層の突当り面、前記ギャップ層の突当り面、及び前記ギャップ層と前記上部磁極層の接合面の後端は、前記Gd決め絶縁層の前記曲面または傾斜面に直に接しており、
    前記上部磁極層とGd決め絶縁層との接触面は、前記下部磁極層の突当り面、前記ギャップ層の突当り面、及び前記ギャップ層と前記上部磁極層の接合面の後端よりもハイト方向へ深く形成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記非磁性金属材料は、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択されたものである請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記非磁性金属材料は、NiPであり、NiP中のPの含有量が11質量%以上14質量%以下である請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記非磁性金属材料はNiPであり、NiP中のPの含有量が12.5質量%以上14質量%以下である請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記下部磁極層及び前記Gd決め絶縁層はメッキ下地層上に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記ギャップ層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下である請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記下部磁極層の前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下である請求項8に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記Gd決め絶縁層は有機材料で形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記Gd決め絶縁層は紫外線硬化性樹脂材料で形成されている請求項10記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記Gd決め絶縁層は無機材料で形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 前記Gd決め絶縁層はSiO2またはAl23によって形成されている請求項12に記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 前記Gd決め絶縁層よりもハイト方向の奥側には、前記Gd決め絶縁層に接する絶縁層が形成されており、前記上部磁極層と上部コア層との接合面を基準平面としたときに、前記絶縁層の表面は基準平面と同一面に形成されており、この絶縁層上に、上部コア層および下部コア層に記録磁界を誘導するコイル層が形成されている請求項1ないし13のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 前記絶縁層は、前記Gd決め絶縁層を覆い、且つ前記上部磁極層とハイト方向後端側で接して形成されている請求項14に記載の薄膜磁気ヘッド。
  16. 前記絶縁層は、無機材料で形成された無機絶縁層である請求項14または15記載の薄膜磁気ヘッド。
  17. 前記Gd決め絶縁層が設けられている部分よりもハイト方向後方で、前記絶縁層内に、下部コア層に接触する磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層が設けられ、前記持ち上げ層の上面は、前記絶縁層と共に前記基準平面と同一面に形成され、前記持ち上げ層上に上部コア層の基端部が磁気的に接続されている請求項14ないし16のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  18. 前記絶縁層の下に設けられた取り出し電極層上に、磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層が設けられ、前記持ち上げ層の上面は、前記絶縁層と共に前記基準平面と同一面上に形成されており、前記持ち上げ層上に前記コイル層の端部が電気的に接続されている請求項14ないし17のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  19. 前記持ち上げ層は、前記下部磁極層、前記ギャップ層、及び前記上部磁極層の積層膜と同一の積層構造を有する多層膜である請求項17または18記載の薄膜磁気ヘッド。
  20. 前記持ち上げ層は、前記下部コア層又は前記上部コア層と同一の材料からなる単層膜である請求項17または18記載の薄膜磁気ヘッド。
  21. 前記持ち上げ層は、前記下部コア層又は前記上部コア層との材料とは異なる金属磁性材料からなる単層膜或いは多層膜である請求項17または18記載の薄膜磁気ヘッド。
  22. (a)下部コア層上にメッキ下地層を形成し、記録媒体との対向面からハイト方向に所定距離だけ離れた位置で、下部コア層上にGd決め絶縁層を形成し、前記Gd決め絶縁層の前記対向面側の前端面に、下部コア層側から上方に向かうにしたがって前記対向面から徐々に離れるように傾斜する曲面または傾斜面を形成する工程と、
    (b)前記対向面から前記Gd決め絶縁層の前端面まで、前記メッキ下地層と連続し、突当り面が前記Gd決め絶縁層の前端面の前記曲面または前記傾斜面に直に接する下部磁極層、この下部磁極層に重ねられ、突当り面が前記Gd決め絶縁層の前端面の前記曲面または前記傾斜面に直に接する非磁性金属材料からなるギャップ層、及び前記ギャップ層上から前記Gd決め絶縁層の曲面または傾斜面上にかけて、幅寸法が前記下部コア層よりも短く規制された上部磁極層を、連続メッキ形成する工程と、
    (c)前記上部磁極層上に、上部コア層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 前記ギャップ層を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料には、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択する請求項22記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 前記ギャップ層を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料はNiPであり、NiP中のPの含有量が11質量%以上14質量%以下である請求項23記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  25. 前記ギャップ層を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料はNiPであり、NiP中のPの含有量が12.5質量%以上14質量%以下である請求項24記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  26. 前記(a)工程では、Gd決め絶縁層となるレジスト層を、前記下部コア層上に形成した後、熱処理を施して前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成し、さらに紫外線照射により前記Gd決め絶縁層を硬化させる請求項22ないし25のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  27. 前記(a)工程では、Gd決め絶縁層となる無機絶縁層又は有機絶縁層を前記下部コア層上に形成した後、レジスト層を前記無機絶縁層又は有機絶縁層上に形成し、熱処理を施して前記レジスト層に前記Gd決め絶縁層に形成する曲面又は傾斜面と同じ形状の曲面または傾斜面を形成し、前記レジスト層をマスクとして前記無機絶縁層又は有機絶縁層を削ることにより、前記Gd決め絶縁層を形成する請求項22ないし25のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  28. 前記(b)の工程において形成される前記ギャップ層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成する請求項22ないし27のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  29. 前記(b)の工程において形成される前記ギャップ層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成する請求項28に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  30. 前記(b)の工程において形成される前記下部磁極層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が45°以上90°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成する請求項22ないし29のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  31. 前記(b)の工程において形成される前記下部磁極層の、前記Gd決め絶縁層との突当り面の上端部及び下端部を通る仮想平面と、前記下部コア層上面とのなす角が80°以下になるように、前記(a)工程において、前記Gd決め絶縁層に前記曲面又は傾斜面を形成する請求項30に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  32. 前記(b)工程の後に、次の(d)、(e)、及び(f)工程を有する請求項22ないし31のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
    (d)前記Gd決め絶縁層よりもハイト方向の後方で、下部コア層上に絶縁層を形成し、この絶縁層の上面を、上部磁極層の上面と同一面となるように平坦化する工程と、
    (e)前記平坦化された前記絶縁層上にコイル層を形成する工程、
    (f)前記上部磁極層上に、上部コア層を形成する工程。
  33. 少なくとも前記(d)工程よりも前の工程で、前記コイル層が形成されるべき位置よりもハイト側後方の下部コア層上に、磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層を形成し、前記(d)工程で、前記持ち上げ層の上面を露出させ、さらに、前記(f)工程で、前記持ち上げ層上に上部コア層の基端部を磁気的に接続させる請求項32記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  34. 少なくとも前記(d)工程よりも前の工程で、取り出し電極と電気的に接続される磁性金属材料及び/又は非磁性金属材料からなる持ち上げ層を形成し、前記(d)工程で、前記持ち上げ層の上面を露出させ、さらに、前記(e)工程で、前記持ち上げ層上に前記コイル層の端部を電気的に接続させる請求項32または33記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  35. 前記(b)の工程で、前記下部コア層と連続する下部磁極層の上にギャップ層を形成し、さらに前記ギャップ層上及び前記Gd決め絶縁層上に前記上部磁極層を形成するとき、同時に、前記上部コア層及び/又は前記コイル層と接続される持ち上げ層を形成する請求項33または34記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  36. 前記持ち上げ層を、前記下部コア層又は前記上部コア層と同じ材料を用いて形成する請求項33または34記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  37. 前記持ち上げ層を、前記下部コア層又は前記上部コア層の材料とは異なる金属磁性材料を用いて単層膜或いは多層膜として形成する請求項33または34記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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