JP3852470B2 - 紙の製造方法 - Google Patents
紙の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3852470B2 JP3852470B2 JP2005122262A JP2005122262A JP3852470B2 JP 3852470 B2 JP3852470 B2 JP 3852470B2 JP 2005122262 A JP2005122262 A JP 2005122262A JP 2005122262 A JP2005122262 A JP 2005122262A JP 3852470 B2 JP3852470 B2 JP 3852470B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- pulp
- cmc
- added
- slurry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Paper (AREA)
Description
さらに耐ブリスター性に優れた印刷用途被紙及び該塗被紙の高速製造方法に関する。
つたり、高価であったり、或いは抄造条件によっては歩留まりが悪く十分な強度発現効果を紙に付与しない等種々の欠点があり、紙力を増加させる点で十分に満足し得るものではない。
する大きな問題点の一つとして、サイズ剤の歩留まり不良がある。サイズ剤の紙料への定着の機構は、サイズ剤の種類によって異なるが、特に、中性抄紙で用いられるアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等は、歩留まりが悪く、不安定であるため、得られる紙のサイズ度が低いとか、一定しない等の問題点を有し、このためサイズ剤の歩留まりや紙の強度を向上させる目的で、カチオン変性デンプン、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂等のように種々のカチオン性の薬品が添加される。しかしながら、それでも得られる効果が十分でなかったり、薬品が高価であったり、又、他に添加される薬品や填料によっても効果が落ちるとか、品質が安定しない等の問題点を有する。
われる。このため、ハイブリッドフォーマ一型抄紙機の場合のように原料の乱れを誘発することなく、均一な紙層形成ができるので、高く評価されている。
けると、塗工層の浸透ムラが生じ、印刷用塗被紙として十分な印刷光沢が得られず、また、光沢ムラも生じるという問題点を有する。
上がる印刷不良を起こしやすくなり、重大な欠陥製品となる場合がある。このブリスターは、高温での乾燥工程で、紙中の水分が気化して紙層外に逃げる際に、紙が層間で破壊される現象であり、原紙の透気性と層間強度が重要な要因となる。一般に、この種の問題を解決するために、原紙の調成工程において、カチオン化澱粉、あるいはポリアクリルアミド等の紙力増強剤を添加、あるいは増添して原紙の層間強度を改善する方法が用いられる。しかしながら、このような紙力増強剤の添加量を多くして原紙を抄造した場合、原紙の層間強度は向上するものの透気性が低下するために、場合によってはブリスターが逆に起こりやすくなる、また、原紙の地合が悪化し、塗被紙とした場合に光沢ムラを生じる、さらに抄造時の濾水性の低下により操業性も悪化するといった問題点があった。また、紙力力増強剤を外添した場合でも、前記のように、原紙表層に微細繊維が局在化するために原紙内部まで紙力増強剤が浸透せず、ブリスターの防止の有効な手段とはならなかった。一方、パルプの叩解度を上げてパルプの繊維間結合力を高めることによって原紙の層間強度を向上させた場合には、耐ブリスター性は向上するものの、原紙の寸法安定性が悪化し、また、パルプの濾水性の低下により操業性も悪化するという問題点があった。
かもサイズ性、耐水性、填料の歩留り等を改善しうるパルプを安価に提供することにある。また本発明は、該パルプを使用して、サイズ性、耐水性、填料の歩留まりを改善した紙及び該紙の高速製造方法を提供する。さらに該紙に塗被層を設けることにより、表面光沢、印刷光沢に優れ、且つ光沢ムラのない印刷用塗被紙を提供する。さらには耐ブリスター性に優れた印刷用塗被紙を提供する。
本発明の第二は、CMC又はCECの置換度が0.3〜0.6であり、かつ鉱酸添加後のpHが3.5〜5.5の範囲であることを特徴とする本発明第一記載のパルプである。
本発明の第三は、前記鉱酸添加後のパルプ繊維スラリーのpHをさらにpH5〜9に調整することを特徴とする本発明第一及び本発明第二記載のパルプである。
本発明の第四は、CMC及び/又はCECの添加率が、絶乾パルプ繊維重量に対して0.01〜5.0重量%であることを特徴とする、本発明第一、本発明第二及び本発明第三記載のパルプである。
本発明の第五は、本発明第一記載のパルプ繊維が、キシラン分解活性を有する酵素で処理され、次いで多段漂白されたパルプを含有することを特徴とする本発明第一、本発明第二、本発明第三及び本発明第四記載のパルプである。
本発明の第六は、本発明第一、本発明第二、本発明第三、本発明第四及び本発明第五記載のパルプを含有することを特徴とする紙である。
本発明の第七は、本発明第一から第六までに記載したパルプ、紙力増強剤を含む抄紙薬品及び必要に応じて填料からなるパルプ繊維スラリーを用いて湿式抄紙機で抄紙する紙の製造方法である。
本発明第九は、本発明第七記載の紙の片面又は両面に塗被層を設けたことを特徴とする塗被紙である。
地合を損ねることなく歩留まりの向上、また、優れたサイズ性を発現させ、その結果、表面光沢、印刷光沢に優れ、且つ光沢ムラのない極めて優れた印刷用塗被紙が製造できる。さらに層間強度を効果的に向上させることにより耐ブリスター性にも優れた印刷用塗被紙の製造が可能となる。キシラン分解活性を有する酵素で処理したパルプを用いると、原紙の通気性が高くなるため、さらに耐ブリスター性に優れた印刷用塗被紙の製造が可能となる。
用が困難になるため、0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲である。
の範囲のように極めて短時間で十分である。実操業条件を考慮すれば抄紙機のミキシングポンプのサクション口で前記パルプスラリーへ鉱酸を添加してpHを2〜6の範囲に調整してもよく、更に紙料の移送中、或いは貯蔵中に調整を行っても良い。
る。また、ロールコーター、ブレードコーター等で予備塗工を行うことはもちろん可能である。
体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックス、カルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックスを用いることができる。また、合成接着剤と併用する水溶性接着剤としては、例えばカチオン化澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等の水溶性接着剤等、任意に選択し使用することができる。
Cをパルプに定着させた場合には、CMC及び/又はCECが硫酸バンドと反応してゲル状化してしまうため、パルプ繊維表面の分布が均一ではなく、本発明のような優れた紙力増強作用を発現しない。又、パルプ繊維に均一に分布したCMC及び/又はCEC分子中のカルボキシル基が静電気的相互作用力(クーロン力)により填料や顔料もしくは各種抄紙薬品を吸着し、その結果抄紙薬品の歩留まりが向上するとともに、これらのパルプ繊維上での分布が顕著に改善され、各々の薬品の効果が向上するものと考えられる。
ン分解活性を有する酵素で処理したパルプを用いることにより、該原紙の透気性が増し、より一層の耐ブリスター性の優れた印刷用塗被紙り製造が可能となるものと考えられる。
実験用ナイアガラビーターでろ水度を480mlCSF(カナダ標準フリーネネ)に調製した広葉樹晒クラフトパルプ100gと水4.9リットルからなる2%濃度のパルプ繊維スラリーに、固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩〔商品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450rpmの速度で撹拌しながら、1%濃度の希硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを3に調整し、そのまま30秒間撹拌を続けた後、5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを7とした。このパルプ紙料を用いてTAPPI標準の角型シートマシンで坪量60g/m2の紙を抄いて、室内に24時間放置し乾燥した。この手抄きシートを20℃の温度、65%相対湿度の部屋で24時間調湿した後、紙の引張り強度と層間強度を下記の試験法で行い、品質の評価を行った。
試験法
(1)引張強度
TAPPI T205に準拠して測定し、裂断長(Km)で示した。
(2)層間強度
TAPPI UM403に準拠して測定した。
(3)CMC溶液の粘度
0.1N−NaC1を溶媒とし、25℃においてB型粘度計で測定して得られた値である。
置換度0.6のCMCのナトリウム塩をパルプ重量に対して0.5%としたこと以外は、実施例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して品質を評価した。
置換度0.6のCECのナトリウム塩(特級試薬)をパルプ重量に対して0.2%としたこと以外は、実施例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して品質を評価した。
置換度0.6のCECのナトリウム塩をパルプ重量に対して0.5%としたこと以外は、実施例1と同様にして手抄シートを作成し、得られた紙を試験して品質を評価した。
CMCのナトリウム塩を添加した後のパルプ繊維スラリーのpHを5としたこと以外は、実施例1と同様にして手抄きシートを作製、得られた紙を試験して品質を評価した。
固形分1%の溶液粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して品質を評価した。
固形分1%の溶液粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬杜製)を用い、CMCのナトリウム塩を添加した後のパルプ繊維スラリーのpHを5に調整したこと以外は、実施例1と同様にして手抄シートを作製し、得られた紙を試験して品質を評価した。
実施例1で用いたのと同じパルプ繊維スラリーに市販の両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン655、荒川化学工業社製)をパルプ重量に対し0.2%添加し、十分混合した。このパルプ紙料を用いて手抄きシートを作製し、品質を評価した。
両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤をパルプ重量に対し0.5%添加したこと以外は、比較例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して品質を評価した。
実施例1で用いたのと同じパルフ繊維スラリーに固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450rpmの速度で撹拌し、希硫酸を添加してpHを調整することなくパルプ紙料とし、実施例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して評価した。
CMCのかわりに置換度0.6のCECを用いたこと以外は比較例3と同様にして手抄シートを作製し、品質を評価した。実施例1〜7、比較例1〜6で得られた結果を表1に示した。
実施例1で用いたと同じパルプスラリーに、固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450rpmの速度で撹拌しながら、1%濃度の希硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを3に調整し、そのまま30秒間撹拌を続けた後、5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを7とした。さらに硫酸バンドを2%添加して30秒間撹拌したものを紙料として同様に手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
CMCのかわりに置換度が0.6のCECを用いたこと以外は、実施例8と同様にして紙料を調製し、手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
固形分1%の溶液粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬杜製)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして紙料を調製し、手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
実施例1で用いたと同じパルプスラリーに、市販の両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン655、荒川化学工業社製)をパルプ重量に対し0.2%添加し、十分混合した後、さらに硫酸バンドを2%添加して30秒間撹拌したものを紙料として用い、同様に手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
実施例1で用いたと同じパルプスラリーに、固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、十分混合した後、さらに硫酸バンドを2%添加して30秒間撹拌したものを紙料として用い、同様に手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
置換度が0.6のCECを用いたこと以外は、比較例6と同様にして紙料を調製し、手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
固形分1%の溶液粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社製)を用いたこと以外は、比較例6と同様にして紙料を調製し、手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
実施例1で用いたと同じパルプスラリーに、固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450rpmの速度で撹拌しながら、pHが3となるまで硫酸バンドを添加した。このまま30秒間撹拌を続けた後、5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを4.5に調整したものを紙料として手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。
比較のため、実施例1で用いたのと同じパルプ繊維スラリーに、製紙用薬品を一切添加せず、これをパルプ紙料として実施例1と同様にし手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して評価した。
実施例1で用いたと同じパルプスラリーに、硫酸バンドを2%添加しただけのものを紙料として手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。実施例8〜10、及び比較例5〜9、及び参考例1〜2で得られた結果を表2に示す。
実験用ナイアガラビーターでろ水度を550mlCSF(カナダ標準フリーネス)に調製した針葉樹晒クラフトパルプ55g、同じくろ水度を480mlCSF(カナダ標準フリーネス)に調製した広葉樹晒クラフトパルプ45g及び水4.9リットルからなる2%濃度のパルプ繊維スラリーに、固形分1%の溶液粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.1%添加し、スリーワン・モーターにて450rpmの速度で撹拌しながら、1%濃度の希硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを4に調整し、そのまま30秒間撹拌を続けた後、5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを7とした。更に、撹拌を続けたまま、このスラリーにパルプ重量に対して製紙用ロジンサイズ剤(商品名:サイズパインE、荒川化学工業社製)0.2%、アニオン性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン194−7、荒川化学工業社製)0.1%及び硫酸バンド2.0%を、前記の順番に添加し、pHを4.5とし、更に1分間撹拌を続けた後、TAPPI標準の角型シートマシンで坪量60g/m2の手抄きシートを作製し、実施例1と同様にして得られた紙の引張り強度と層間強度を試験し、更にステキヒトサイズ度を試験し、品質を評価した。尚、紙のステキヒトサイズ度はJIS P 8122に準拠して測定した。
実施例11で用いたと同じパルプ繊維スラリーに、スリーワン・モーターで撹拌しながらCMCのナトリウム塩を添加することなく、パルプ重量に対して製紙用ロジンサイズ剤(商品名:サイズパインE、荒川化学工業社製)0.2%、アニオン性ポリアクリルアミド系の紙力増強剤(商品名:ポリストロン194−7、荒川化学工業社製)0.1%及び硫酸バンド(A12(S04)3・18H20)2.0%を、この順番に添加し、1分間撹拌を続けpHを4.5とした後、実施例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験し、品質を評価した。
比較例10における薬品の添加率を、ロジンサイズ剤0.5%、紙力増強剤0.3%、硫酸バンド2.0%として、スラリーの最終pHを4.5としたこと以外は、比較例10と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験し、品質を評価した。実施例11及び比較例10〜11で得られた結果を表3に示す。
実験用ナイアガラビーターでろ水度を450mlCSF(カナダ標準フリーネス)に調製した広葉樹晒クラフトパルプ100gと水4.9リットルからなる2%濃度のパルプ繊維スラリーに、固形分1%の溶液粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.1%添加し、スリーワン・モーターにて450rpmの速度で撹拌しながら、1%濃度の希硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを4に調整し、そのまま30秒間撹拌を続けた後、5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを7とした。更に、撹拌を続けながら、このスラリーに、パルプ重量に対してカチオン化澱粉(商品名:ケートF、ナショナルスターチ社製)0.5%、アルキルケテンダイマーを成分とする中性抄紙用サイズ剤(商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.05%、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂を成分とする紙力増強剤(商品名:WS570、日本PMC社製)0.1%、製紙用填料として軽質炭酸カルシウム10%、硫酸バンド0.2%及びポリアクリルアミドを成分とする製紙用歩留り向上剤(商品名:ハイモロックNRllL、ハイモ社製〕0.01%を、この順番に添加し、1分間撹拌を続けた後(最終pHは8.2)、実施例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙の引張り強度、ステキヒトサイズ度及びハンター白色度を試験し、品質を評価した。更に、手抄きシートの灰分をJIS P 8128に準拠して測定し、この値を用いて填料の歩留まり(リテンション)を算出した。尚、紙のハンター白色度はJIS P 8123によった。
実施例12で用いたのと同じパルプ繊維スラリーにCMCのナトリウム塩を添加しないこと以外は、実施例7と同様にして撹拌しながら抄紙薬品を添加した後、手抄きシートを作製し、品質を評価した。パルプ繊維スラリーの最終pHは8.2であった。
実施例12で用いたのと同じパルプ繊維スラリーにCMCのナトリウム塩を添加せず、製紙薬品の添加率を、パルプ重量に対してカチオン化デンプン0.7%、アルキルケテンダイマーを成分とする中性抄紙用サイズ剤を0.15%、ポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂を成分とする紙力増強剤を0.2%、炭酸カルシウムを10%、硫酸バンドを0.2%、製紙用歩留り向上剤を0.03%としたこと以外は、実施例12と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙の品質を評価した。パルプ繊維スラリーの最終pHは8.2であった。実施例12及び比較例12〜13で得られた結果を表4に示した。
(印刷用塗被紙の製造:紙料の調成)
固形分濃度4%の広葉樹晒しクラフトパルプをダブルディスクリファイナーを用いてカナダ標準ろ水度が500mlとなるように叩解した。叩解後、濃度を2%としたパルプスラリーに、固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、次いで1%濃度の希硫酸を添加してpHを3に調整した。その後5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加しパルプスラリーのpHを7とし、内添サイズ剤としてロジンサイズ剤(商品名:サイズパインE、荒川化学社製)0.7%および硫酸バンド2%、および填料としてタルク20%を絶乾パルプ重量当たり添加し紙料とした。
前記紙料を用いて、ギャップフォーマーを有する抄紙機にて速度1300m/分で抄紙し、さらにオンマシン上のゲートロールサイズプレス装置で、10%濃度の酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)液を2g/m2塗布、乾燥して坪量55g/m2の印刷用塗被紙用原紙を製造した。
(塗被液の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90、ファイマテック社製)25%とカオリン(商品名:アマゾン88、CADAM社製)75%からなる顔料をコーレス分散機を用いて分散し、固形分濃度72%の顔料スラリーを得た。このスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:SN307、住友ダウ社製)を顔料重量当たり固形分で10%、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を固形分で4%、その他助剤を添加分散して固形分濃度58%の塗被液を調製した。
前記の印刷用塗被紙用原紙に前記の塗被液を用いて、片面15g/m2となるようにブレードコーターで両面塗工を行った。得られた塗被紙を金属ロール6本とコットンロール6本からなるオフマシンスーパーカレンダーにニップ圧200kg/cmで通紙し、王研式平滑度が表1100秒、裏1120秒のオフセット印刷用塗被紙を製造した。
以下の試験方法を用い、得られた印刷用塗被紙の品質を評価した。
(1)原紙の地合
原紙の地合を目視により、下の3段階の評価を行った。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
(2)塗被紙の白紙光沢
JIS−P8142に準拠して測定した。
RI印刷試験機(明製作所社製)を使用し、オフセット用インキ(Graf−G墨、大日本インキ化学工業社製)0.4ccを用いて塗被紙表面に印刷し、印刷後の表面光沢を目視判定した。また、併せて光沢ムラについても目視判定した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
TAPPI UM403に準拠して測定した。
(5)耐ブリスター性の測定
RI印刷機(明製作所製)でオフセット輪転印刷用インキ1mlを展開し、塗被紙サンプルの両面に印刷する。
印刷したサンプルを加温したシリコーンオイルに漬け、発生するブリスターの様子を目視で観察し、次の評価基準で評価した。
◎…ブリスターの発生が殆ど見られない。
O…極めて軽度のブリスターの発生が見られるが、実用的に問題とならない。
△…ブリスターの発生が見られ、実用的に使用できない。
×…ひどいブリスターの発生が見られ、実用的に使用できない。
紙料の調成において、CMCのナトリウム塩の添加量を0.02%とした以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
紙料の調成において、固形分1%溶液の粘度が1400cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社製)を用い、CMC添加後のpHを4とした以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
パルプの多段漂白前に、パルプ濃度を10%、pHを8.0に調整し、次いでキシラン分解活性を有する酵素(商品名:パルプザイムHC、ノボノルディスク社製)を2U/絶乾パルプg添加した後、60℃で90分処理した。その後に多段漂白を行い酵素処理晒しクラフトパルプを製造した。この酵素処理したパルプを用いたこと以外は実施例13と同様にして原紙及び印刷用途被紙を製造し、品質を評価した。
紙料の調成において、CMCの添加率が0.02%であること以外は実施例16と同様にして原紙及び印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
紙料の調成において、CMCのナトリウム塩を添加せず、かつパルプスラリーのpH調整をしないこと以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
紙料の調成において、パルプスラリーにCMCのナトリウム塩を添加した後に、希硫酸によるpH調整を行わないこと以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
紙料の調成において、実施例1で用いたものと同じパルプスラリーに、ロジンサイズ剤、硫酸バンド、タルクを同様に添加した後、歩留まり向上剤(商品名:ハイモロックNR11L、ハイモ社製)0.02%を添加した以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
比較例16における歩留まり向上剤の添加率を0.2%とした以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
実施例16で用いた酵素処理晒しクラフトパルプを用いたこと以外は、比較例14と同様にして原紙及び印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
実施例16で用いた酵素処理晒しクラフトパルプを用い、紙料の調成において、前出のロジンサイズ剤0.7%を添加した後にポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン194−7、荒川化学社製)を0.2%添加したこと以外は比較例14と同様にして原紙及ぴ印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
比較例14と同じ紙料を、長綱式抄紙機で抄速800m/分で原紙を抄造し、その他は実施例13と同様にして印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。実施例13〜17及び比較例14〜19及び参考例3で得られた結果を表5に示した。
間強度を得ることができ、しかもサイズ剤の歩留まり、及び繊維上の分布が優れるため、極めて高いサイズ度を発現させることができ、必要に応じてサイズ剤の使用量を減少させることができる(実施例12と比較例12〜13)。
2.フォーミングボード
3.サクションフォイル
4.ボトムワイヤ
5.トツプワイヤ
6.サクションボックス
Claims (4)
- 叩解された後のパルプ繊維からなるスラリーに、置換度が0.3〜0.6のカルボキシメチルセルロースの塩及び/又はカルボキシエチルセルロースの塩を添加し、次いで鉱酸を添加してパルプスラリーのpHを2〜6に調整してカルボキシメチルセルロースの塩及び/又はカルボキシエチルセルロースの塩を酸型に転換してパルプに吸着させ、得られたパルプと、紙力増強剤を含む抄紙薬品及び填料からなるパルプ繊維スラリーを調製し、湿式抄紙機で抄紙することを特徴とする紙の製造方法。
- 前記カルボキシメチルセルロース及び/又はカルボキシエチルセルロースの置換度が0.3〜0.6であり、かつ、鉱酸添加後のpHが3.5〜5.5の範囲である請求項1記載の紙の製造方法。
- 前記鉱酸添加後のパルプ繊維スラリーのpHをさらにpH5〜9に調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紙の製造方法。
- 前記カルボキシメチルセルロース及び/又はカルボキシエチルセルロースの添加率が、絶乾パルプ重量に対して0.01〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005122262A JP3852470B2 (ja) | 1996-02-29 | 2005-04-20 | 紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4232196 | 1996-02-29 | ||
JP2005122262A JP3852470B2 (ja) | 1996-02-29 | 2005-04-20 | 紙の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04362297A Division JP3765149B2 (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-27 | パルプ、紙及び塗被紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005248417A JP2005248417A (ja) | 2005-09-15 |
JP3852470B2 true JP3852470B2 (ja) | 2006-11-29 |
Family
ID=35029163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005122262A Expired - Lifetime JP3852470B2 (ja) | 1996-02-29 | 2005-04-20 | 紙の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3852470B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5308115B2 (ja) * | 2008-10-07 | 2013-10-09 | 大王製紙株式会社 | 印刷用塗工紙及び印刷用塗工紙の製造方法 |
CN113756122B (zh) * | 2021-07-30 | 2024-03-19 | 东莞顺裕纸业有限公司 | 一种减少表面开胶的瓦楞纸工艺 |
-
2005
- 2005-04-20 JP JP2005122262A patent/JP3852470B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005248417A (ja) | 2005-09-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5351586B2 (ja) | オフセット印刷用塗工紙 | |
JP2016166444A (ja) | 紙または板紙の抄造方法 | |
WO2010113805A1 (ja) | 塗工紙 | |
CA3022087C (en) | Biopolymer sizing agents | |
JP7425743B2 (ja) | セルロースナノファイバー含有塗工層を備える紙 | |
JP3765149B2 (ja) | パルプ、紙及び塗被紙 | |
WO2019132001A1 (ja) | セルロースナノファイバーを含有する紙 | |
JPH0978491A (ja) | 中性新聞用紙及びその製造方法 | |
JP4231531B2 (ja) | 新聞用紙 | |
JP2014218755A (ja) | 耐油紙及び耐油紙の製造方法 | |
JP3852470B2 (ja) | 紙の製造方法 | |
CN114541170A (zh) | 一种用于造纸的涂料组合物、凹版轻涂纸及其制造方法 | |
JP2008088582A (ja) | 低密度印刷用紙 | |
JP4997905B2 (ja) | 印刷用塗被紙の製造方法 | |
JP3849429B2 (ja) | 紙の製造方法 | |
JP3744115B2 (ja) | オフセット輪転印刷用塗被紙の製造方法 | |
JPH0617399A (ja) | 印刷用塗工紙用原紙 | |
JP7080404B2 (ja) | セルロースナノファイバーを含有する紙 | |
JP2834782B2 (ja) | 塗被紙の製造方法 | |
JPH1046495A (ja) | 印刷用塗被紙及びその製造方法 | |
WO2016158231A1 (ja) | クリア塗工紙 | |
JP5246536B2 (ja) | 印刷用紙の製造方法及び印刷用紙 | |
JPH10219596A (ja) | グラビア印刷用塗被紙原紙の製造方法 | |
JPH1046492A (ja) | オフセット輪転印刷用塗被紙の製造方法 | |
JP2004360109A (ja) | 酸性紙の抄紙方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060815 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060828 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |