JP3850818B2 - スイッチ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチ装置、特に、スイッチノブ操作時のスイッチ音発生を防止したことを特徴とするスイッチ装置の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
各種電子機器の操作パネル等に用いられるスイッチ装置には、中央部に支点を有するスイッチノブとタクトスイッチを組み合わせたシーソータイプや、スイッチノブの一端部に支点を有し他端側を操作するタイプ等、種々のものが存在している。特に、近年の各種機器の高機能化や多様化に伴って、スイッチノブを操作した後に手を離すとスイッチノブが原位置に自動的に復帰するという自動復帰機能を有するものが多く使用されるようになってきている。
【０００３】
このような従来のスイッチ装置について、図６、図７、図８を用いて説明する。図６は、従来のスイッチ装置の上面外観図である。図７は、図６で示すスイッチ装置のＤ−Ｄ断面図であり、スイッチノブを操作していない静止時の状態を示している。また、図８は、図６で示すスイッチ装置のＤ−Ｄ断面図であり、スイッチノブを操作した作動時の状態を示している。なお、これらの図は、シーソータイプのスイッチ装置を例示している。
【０００４】
従来のスイッチ装置は、スイッチ筐体１０が備える回転軸１１を軸中心として傾動可能にスイッチノブ１２が設けられており、このスイッチノブ１２の上面側をスイッチ操作者が押圧することによってスイッチング操作が行われる。スイッチ操作者は、スイッチノブ１２の両端部付近を押圧することによってスイッチ装置のオン・オフを操作することになるのであるが、このスイッチノブ１２の操作者押圧部の裏面側には突起部１３が形成されている。この突起部１３は、プリント基板１４に固定設置されている樹脂製のタクトスイッチ１５に対して押圧力を与えるために設置されているものであり、その押圧力は突起部１３の先端側に配置されるスイッチシャフト１６を介して及ぼされることになる。スイッチシャフト１６は、案内レール１７によって左右方向の動きを規制されており、タクトスイッチ１５に対して常に垂直方向の押圧力を及ぼすことが可能となっている。
【０００５】
なお、タクトスイッチ１５は、スイッチ操作者の押圧に従って図示していないオン・オフ状態ホールド回路に電気信号を送信するのみであり、不図示のオン・オフ状態ホールド回路がスイッチの反転保持を行うことになる。これにより、スイッチ装置に接続されている電気機器（不図示）等に対して電気信号を発信し、オン・オフの切り替えを行うことができる。
【０００６】
スイッチ操作者がスイッチノブ１２を操作すると、スイッチ装置は図８で示すような状態になるのであるが、スイッチ操作者がスイッチノブ１２から手を放すとスイッチノブ１２は直ちに図７で示すような原位置に復帰することが可能である。この自動復帰機能については公知の技術が開示されているので詳細な説明は省略するが、例えば、可撓性スイッチの復元力を利用したものや（例えば、特許文献１参照）、スイッチノブ１２と回転軸１１の接続部にバネを設置してこのバネの弾性力によって原位置復帰をさせるものなどが考えられる。
【０００７】
【特許文献１】
特開平１１−８６６８３号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスイッチ装置では、スイッチノブ１２が原位置に復帰する際に、突起部１３の先端がスイッチシャフト１６に激突することによって打音が発生してしまうという問題が存在していた。また、この問題を解決するために、上記特許文献１に記載されているようなプッシュプルスイッチを用いたスイッチ装置を採用することも考えられるが、スイッチ装置の構造を大きく変更しなければならず、設計コスト、製造コストの増大を招くために現実的な選択ではない。また、従来のスイッチノブ１２は、構造的に図５（ａ）で示す矢印（Ｘ）の方向にぐらつきを発生させてしまうという不具合を有していた。このぐらつきを解消するためには、座面１２ａの面積を広くするという対策が考えられるが、この方法では回転軸１１と座面１２ａの摺動抵抗を増加させてしまうので、スイッチ操作のフィーリングを低下させてしまうことになり、従来の構造ではぐらつきを防止することが困難であった。
【０００９】
本発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、スイッチ装置の構造を大きく変更することなく打音の発生を抑制するとともに、スイッチノブのぐらつき発生を防止することのできる、作動音の静かなスイッチ装置を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、本発明に係るスイッチ装置は、軸方向が左右方向の回転軸を軸中心として傾動可能に設置され、原位置への自動復帰機能を備えるスイッチノブと、スイッチノブの操作者押圧部の裏面側に形成されたシャフト接続用突起部と、シャフト接続用突起部に形成され軸方向が左右方向のスイッチシャフト接続軸と、前記スイッチシャフト接続軸と接続することにより、前記スイッチノブの傾動復帰動作に従って移動するスイッチシャフトと、を備え、前記シャフト接続用突起部は、スイッチシャフトを挟むようにスイッチシャフトの左右に形成されたスイッチ装置であって、前記スイッチシャフトの左右方向の動きを規制するようにスイッチシャフトの左右に設置され、スイッチシャフトの移動を上下方向に直線的に案内する案内レールと、前記スイッチシャフトと接離可能に設置され、前記スイッチシャフトから押圧されることによって電気的接離を行うタクトスイッチと、を備え、前記タクトスイッチは、前記スイッチシャフトから押圧される部位が弾性部材で構成されていることを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。図１は、本実施の形態におけるスイッチ装置の上面外観図である。図２は、図１で示すスイッチ装置のＡ−Ａ断面図であり、スイッチノブを操作していない静止時の状態を示している。また、図３は、図１で示すスイッチ装置のＡ−Ａ断面図であり、スイッチノブを操作した作動時の状態を示している。なお、前述した従来の技術に示した部材と同一又は類似する部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【００１２】
本実施の形態において特徴的なことは、図２および図３からも明らかな通り、スイッチノブ２２とスイッチシャフト２６が接続されていることである。この接続構造について詳細に説明すると、スイッチノブ２２には従来の技術で示した突起部１３（図７、図８参照）と同様の位置にシャフト接続用突起部２３が形成されており、このシャフト接続用突起部２３にはスイッチシャフト接続軸２４が形成されている。スイッチシャフト２６は、このスイッチシャフト接続軸２４に接続することによって、スイッチノブ２２の傾動復帰動作に従って移動することが可能となっている。また、スイッチシャフト２６の左右には案内レール１７が設置されており、スイッチシャフト２６は、この案内レール１７に左右方向の動きを規制されることによって直線的な移動をすることになる。したがって、タクトスイッチ２５に対して常に垂直方向の押圧力を及ぼすことが可能となっている。
【００１３】
以上のような構成、すなわち、スイッチノブ２２とスイッチシャフト２６を接続することによって、従来のスイッチ装置で発生していたスイッチノブ１２とスイッチシャフト１６の激突による打音発生を防止することができる。ここで、本実施の形態で示すスイッチ装置の構成を採用すると、スイッチシャフト２６とタクトスイッチ２５が激突することになるのであるが、本実施の形態では、このスイッチシャフト２６とタクトスイッチ２５の激突による打音発生を防止するために、タクトスイッチ２５がスイッチシャフト２６から押圧される部位を弾性部材で構成している。したがって、スイッチシャフト２６がタクトスイッチ２５に激突しても打音は発生せず、スイッチ操作時に作動音の静かなスイッチ装置を提供することが可能となるのである。なお、タクトスイッチ２５に用いられる弾性部材としては、ゴムやシリコーンゴム等公知の弾性部材を用いることが可能である。
【００１４】
さらに、本実施の形態における好適な作用として、従来のスイッチ装置と比較してスイッチノブ２２のぐらつきが減少するという利点がある。このぐらつき減少によって、従来のスイッチ装置と比較してスイッチ操作時のフィーリングが向上するという効果がある。この点について、図４および図５を用いて説明する。ここで、図４中（ａ）は本実施の形態におけるスイッチ装置の上面外観図、（ｂ）は（ａ）におけるＢ−Ｂ断面を示している。また、図５中（ａ）は従来のスイッチ装置におけるスイッチ装置の上面外観図、（ｂ）は（ａ）におけるＣ−Ｃ断面を示している。
【００１５】
図５で示す従来のスイッチ装置では、スイッチノブ１２がスイッチ筐体１０に形成されている回転軸１１とスイッチノブ１２の備える座面１２ａとで支えられるのみであった。したがって、従来のスイッチノブ１２は、構造的に図５（ａ）で示す矢印（Ｘ）の方向にぐらつきを発生させてしまうという不具合を有していた。このぐらつきを解消するためには、座面１２ａの面積を広くするという対策が考えられるが、この方法では回転軸１１と座面１２ａの摺動抵抗を増加させてしまうので、スイッチ操作のフィーリングを低下させてしまうことになり、従来の構造ではぐらつきを防止することが困難であった。
【００１６】
一方、図４で示す本実施の形態におけるスイッチ装置であれば、スイッチノブ２２はスイッチシャフト２６に接続されており、さらにスイッチシャフト２６は案内レール１７に左右方向の動きを規制されているので、スイッチノブ２２のぐらつきが発生しにくい構造となっている。したがって、本実施の形態によれば、スイッチノブ２２のぐらつきを防止するとともにスイッチ操作時のフィーリングをも改善したスイッチ装置を提供することができる。
【００１７】
なお、図４において、シャフト接続用突起部２３は、スイッチシャフト２６を挟むように２つ設けられているが、いずれか一方のみでもスイッチノブ２２のぐらつきを防止することができる。
【００１８】
また、本実施の形態では、シーソータイプのスイッチ装置を例示して説明したが、スイッチノブの一端部に支点を有し他端側を操作するタイプのスイッチ装置や多方向にスイッチノブが転倒するタイプのスイッチ装置等、あらゆるタイプのスイッチ装置に適用することが可能である。
【００１９】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、スイッチ装置の構造を大きく変更することなく打音の発生を抑制し、作動音の静かなスイッチ装置を提供することができる。
【００２０】
また、スイッチノブとスイッチシャフトの接続をしたことでスイッチノブのぐらつき発生を防止することができたので、スイッチ操作時のフィーリングを改善したスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本実施の形態におけるスイッチ装置の上面外観図である。
【図２】 図１で示すスイッチ装置のＡ−Ａ断面図であり、スイッチノブを操作していない静止時の状態を示している。
【図３】 図１で示すスイッチ装置のＡ−Ａ断面図であり、スイッチノブを操作した作動時の状態を示している。
【図４】 （ａ）は本実施の形態におけるスイッチ装置の上面外観図、（ｂ）は（ａ）におけるＢ−Ｂ断面を示している。
【図５】 （ａ）は従来のスイッチ装置におけるスイッチ装置の上面外観図、（ｂ）は（ａ）におけるＣ−Ｃ断面を示している。
【図６】 従来のスイッチ装置の上面外観図である。
【図７】 図６で示すスイッチ装置のＤ−Ｄ断面図であり、スイッチノブを操作していない静止時の状態を示している。
【図８】 図６で示すスイッチ装置のＤ−Ｄ断面図であり、スイッチノブを操作した作動時の状態を示している。
【符号の説明】
１０ スイッチ筐体、１１ 回転軸、１２，２２ スイッチノブ、１２ａ 座面、１３ 突起部、１４ プリント基板、１５ タクトスイッチ（樹脂製）、１６，２６ スイッチシャフト、１７ 案内レール、２３ シャフト接続用突起部、２４ スイッチシャフト接続軸、２５ タクトスイッチ（弾性部材製）。

Claims (1)

1. 軸方向が左右方向の回転軸を軸中心として傾動可能に設置され、原位置への自動復帰機能を備えるスイッチノブと、
   スイッチノブの操作者押圧部の裏面側に形成されたシャフト接続用突起部と、
   シャフト接続用突起部に形成され軸方向が左右方向のスイッチシャフト接続軸と、
   前記スイッチシャフト接続軸と接続することにより、前記スイッチノブの傾動復帰動作に従って移動するスイッチシャフトと、を備え、
   前記シャフト接続用突起部は、スイッチシャフトを挟むようにスイッチシャフトの左右に形成されたスイッチ装置であって、
   前記スイッチシャフトの左右方向の動きを規制するようにスイッチシャフトの左右に設置され、スイッチシャフトの移動を上下方向に直線的に案内する案内レールと、
   前記スイッチシャフトと接離可能に設置され、前記スイッチシャフトから押圧されることによって電気的接離を行うタクトスイッチと、
   を備え、
   前記タクトスイッチは、前記スイッチシャフトから押圧される部位が弾性部材で構成されていることを特徴とするスイッチ装置。

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