JP3850335B2 - セラミック回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック基板に銅または銅合金から成る金属回路板を活性金属ろう材によって接合してなるセラミック回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パワーモジュール用基板やスイッチングモジュール用基板等の回路基板として、セラミック基板上に活性金属ろう材を介して銅等から成る金属回路板を接合して成るセラミック回路基板が用いられている。
【0003】
このようなセラミック回路基板は、具体的には以下の方法によって製作される。
【0004】
まず、銀−銅合金にチタン・ジルコニウム・ハフニウムおよびこれらの水素化物の少なくとも1種を添加した活性金属粉末に有機溶剤・溶媒を添加混合して成る活性金属ろう材ペーストを準備する。
【0005】
次に、例えばセラミック基板が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・可塑剤・溶剤等を添加混合して泥漿状と成すとともにこれを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術を採用して複数のセラミックグリーンシートを得た後、これらを所定寸法に形成し、次にセラミックグリーンシートを必要に応じて上下に積層するとともに還元雰囲気中にて約1600℃の温度で焼成し、セラミックグリーンシートを焼結一体化させてセラミック基板を形成する。
【0006】
次に、セラミック基板に活性金属ろう材ペーストを所定のパターンに印刷するとともに乾燥し、しかる後、活性金属ろう材ペースト上に銅または銅合金から成る金属回路板を載置する。
【0007】
そして最後に、セラミック基板と金属回路板との間に配されている活性金属ろう材ペーストを非酸化性雰囲気中にて約900℃の温度に加熱して溶融させ、このろう材でセラミック基板と金属回路板とを接合することによって製作される。
【0008】
このようにして製作されたセラミック回路基板は、これにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)等の半導体素子を半田等の接着材を介して実装した後、外部入出力用の端子が一体成型された樹脂ケース内に装着され、半導体モジュールとなる。そして、この半導体モジュールは、ロボットなどの産業機器から電車の駆動部や電気自動車などの幅広い用途に使用され、厳しい環境下での高い信頼性が要求されている。
【0009】
しかしながら、この端子一体成型樹脂ケースの製作には、成型用金型が必要であり製造コストが高いことから、半導体モジュールの製造コストが増加する難点があった。また、端子一体成型樹脂ケースにセラミック回路基板を組み立てた後、端子部とセラミック回路基板の金属回路板とをボンディングワイヤなどで電気的に接続する必要があった。
【0010】
このため、端子を金属回路板に半田や超音波接合法等で直接接合したセラミック回路基板や、金属回路板の一部を端子として延出させた端子一体型セラミック回路基板が採用されるようになってきている。
【0011】
しかしながら、半田を用いて端子を金属回路板に接合する場合には、その後の半導体素子などの電子部品を実装するときの加熱温度によって接合がはずれないように、その加熱温度より融点が高い高温半田が必要であることから、この時に高温に加熱されることによる熱サイクルによって、金属回路板とセラミック基板との熱膨張差によるクラックが発生したり、250℃程度の耐熱しかないエポキシ系のソルダーレジストが使用できないという問題点を有していた。
【0012】
また、半導体素子が実装され半導体モジュールとして使用されるときに発生する熱・振動により、端子と金属回路板とを接合する半田内部にクラックが発生しやすく、信頼性が低下するという問題点を有していた。
【0013】
さらに、超音波接合による端子接合では、例えば、金属回路板に接触させた端子接合部の表面には約10〜50MPaの圧力で超音波発振ホーンが押圧されるため、この高圧力が端子接合部分直下のセラミック基板に金属回路板と接合ろう材とを介して加わる、あるいは、超音波振動により発生する約500℃以上の熱が瞬間的に端子接合部分の直下のセラミック基板に伝搬することにより、セラミック基板に微小な部分的クラックを生じさせることがあり、その場合、セラミック回路基板の機械的強度が低下し、信頼性が著しく低下してしまうという問題点を有していた。
【0014】
そのため、構造がよりシンプルで、実装工数が少なく信頼性の高い、金属回路板の一部を端子部として延出させた端子一体型セラミック回路基板が採用されるようになってきている。また、金属回路板上に半導体素子等の電子部品を搭載し、アルミワイヤで金属回路板と接続した後、端子部をセラミック回路基板に対して略垂直に折り曲げて樹脂ケースに実装する場合もある。この金属回路板は、圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって、所望の回路配線パターン形状に製作される。または、セラミック基板と略同形状の金属板をろう付けした後にエッチングにより不要な金属部分を除去することにより回路配線パターンの形成が行なわれる。なお、この場合、図4に従来のセラミック回路基板の断面図で示すように、セラミック基板11と活性金属ろう材13との接合端縁aと、金属回路板12と活性金属ろう材13との接合端縁bとがほぼ垂直に重なる位置、あるいは図示はしないがセラミック回路基板を平面視した時にほぼ同じ位置となっている。
【0015】
また、小型化・薄型化・配線の高密度化の要求が高まっている中で、セラミック基板11と略同形状の金属回路板12をろう付けした後に、エッチングにより回路以外の不要な部分を除去して回路配線パターンの形成を行なう場合、金属回路板12の厚みを薄くすることにより、エッチングにより不要な金属部分を除去することにより形成される端面のテーパを小さくし、すなわち端面の傾斜を大きくして金属回路板12間の絶縁間隔を極力狭くし、金属回路板12の実装領域を極力多く確保することが検討されている。なお、金属回路板12を薄くすることは、セラミック回路基板の反りバランスから裏側の放熱板も薄くすることになる。これにより、セラミック回路基板全体をより小型化・薄型化・配線の高密度化が可能になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにセラミック基板11と活性金属ろう材13との接合端縁aと、金属回路板12と活性金属ろう材13との接合端縁bとがほぼ垂直に重なる位置に形成されている場合、セラミック回路基板に繰り返し熱衝撃が加えられた際に、セラミック基板11と活性金属ろう材13との接合端縁aに、セラミック基板11と活性金属ろう材13との間に生じる両者の熱膨張差により発生する熱応力と、金属回路板12と活性金属ろう材13との間に生じる両者の熱膨張差により発生する熱応力とが重畳して印加されることとなり、セラミック基板11と活性金属ろう材13の接合端縁aにクラックが発生しやすくなり、特に金属回路板12の厚みが厚い程、その現象はより顕著となり、その結果、接合強度や熱伝導性、電気絶縁性が低下してしまい、信頼性の高い部品として使用することができないという問題点を有していた。
【0017】
また、小型化・薄型化・配線の高密度化を実現するために金属回路板12の厚みを薄くすると、金属回路板12と活性金属ろう材13との接合端縁から外側の金属回路板は、金属材料単独で存在しているので強度が低下し変形しやすく、破損が起こりやすい。特に、接合端から外側が端子部とされ、セラミック回路基板に対して略垂直に折り曲げて利用する場合、強度が弱いために端子部が曲げ加工時に破損したりする。さらに、端子部とソケットとの間に、樹脂ケースに実装接続できる程度の位置ずれがある場合においても、変形が大きいと端子部とソケットとの間の接触面積は小さくなり、端子部とソケットとの嵌合力が弱くて外れやすくなるとともに端子部とソケット間の接触抵抗が大きくなるなど機械的・電気的接続信頼性が低下して、搭載される半導体素子等の電子部品を安定して作動させることができないという問題が発生する。このような問題は、セラミック回路基板に複数の端子部が形成される場合には、特に顕著になる傾向がある。一方、接合端から外側の金属回路板の十分な強度低下を防ぐために、金属回路板の厚みを厚くすると、回路配線パターンの形成を行なった場合、エッチングにより不要な金属部分を除去することによって形成される端面のテーパが大きくなって、すなわち端面の傾斜が小さくなってパターン間の絶縁間隔が大きくなり、その結果、金属回路板の実装領域が少なくなり、セラミック回路基板全体を大きくしなければならない、あるいはセラミック回路基板の反りバランスからセラミック回路基板の裏側に接合される放熱板の厚みも厚くしなければならないという問題点を有していた。
【0018】
本発明は上記問題点に鑑みて完成されたもので、その目的は端子一体型セラミック回路基板において、接合後の繰り返し加えられる熱衝撃においても、セラミック基板と活性金属ろう材との接合端縁のセラミック基板に熱膨張差により発生する熱応力集中を低減し、その結果、クラックが発生しにくく、かつ小型化・薄型化・配線の高密度化のために金属回路板の厚みを薄くしても、金属回路板と活性金属ろう材との接合端から外側の金属回路板の強度低下により変形や破損が発生しにくい、機械的・電気的接続信頼性の高いセラミック回路基板を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック回路基板は、セラミック基板と、銅または銅合金から成り、活性金属ろう材を介して前記セラミック基板の表面に接合された金属回路板とを備え、該金属回路板は、前記活性金属ろう材との接合端縁に前記活性金属ろう材とは接合しない溝を有しており、該溝より内側に位置する部分の厚みが、前記溝より外側に位置する部分の厚みより薄いことを特徴とするセラミック回路基板ことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明のセラミック回路基板は、上記構成において、前記金属回路板の前記溝より外側に位置する前記部分が、端子部であることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のセラミック回路基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明のセラミック回路基板の実施の形態の一例を示す断面図、図2は、本発明のセラミック回路基板の実施の形態の他の例を示す断面図、図3は、本発明のセラミック回路基板の実施の形態の一例を示す平面図である。これらの図において1はセラミック基板、2は金属回路板、3は活性金属ろう材、4は金属回路板2の端子部、5は溝状の非接合部領域、Aはセラミック基板1と活性金属ろう材3との接合端縁、Bは金属回路板2と活性金属ろう材3との接合端縁である。なお、これらの図で、金属回路板2は、活性金属ろう材3との接合端縁Bに活性金属ろう材とは接合しない溝5(溝状の非接合部領域5)を有する
【0022】
セラミック基板1は、その大きさが20〜200mm程度、厚みが0.2〜1.0mm程度の略四角形状であり、その表面に銅または銅合金から成る金属回路板2が活性金属ろう材3を介して接合される。
【0023】
セラミック基板1は、金属回路板2を支持する支持部材として機能し、酸化アルミニウム(Al23)質焼結体・ムライト(3Al23・2SiO2)質焼結体・炭化珪素(SiC)質焼結体・窒化アルミニウム(AlN)質焼結体・窒化珪素(Si34)質焼結体等の電気絶縁材料で形成されている。
【0024】
セラミック基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体で形成されている場合、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・可塑剤・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともに、その泥漿物を用いて従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、これを複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
【0025】
セラミック基板1はその厚みを0.2〜1.0mmとすることが、セラミック回路基板の小型化・薄型化の要求を満足するため、および金属回路板2を接合したときのセラミック基板1の割れ抑制のため、さらには搭載される半導体素子から発生する100℃以上の熱の伝達性を向上させるためといった点で好ましい。セラミック基板1の厚みが0.2mm未満では、セラミック基板1に金属回路板2を接合したときに発生する熱応力により、セラミック基板1に割れ等が発生しやすくなる傾向がある。他方、1.0mmを超えると、セラミック回路基板の薄型化への対応が困難となるとともに、搭載される半導体素子から発生する100℃以上の熱をセラミック基板1を介して良好に放熱することが困難となる傾向がある。
【0026】
金属回路板2は、無酸素銅等の銅または銅合金から成り、セラミック基板1の表面に活性金属ろう材3を介して以下のようにして接合される。
【0027】
まず、銀−銅合金粉末等から成る銀ろう粉末や、アルミニウム−シリコン合金粉末等から成るアルミニウムろう粉末に、チタン・ジルコニウム・ハフニウム等の活性金属やその水素化物の少なくとも1種から成る活性金属粉末を2〜5重量%添加した活性金属ろう材に適当な有機溶剤・溶媒を添加混合して得た活性金属ろう材ペーストを、セラミック基板1の表面に従来周知のスクリーン印刷技術を用いて金属回路板2に対応した所定パターンに印刷する。なお、金属回路板2の端子部4となる部分は、セラミック基板1に対してほぼ垂直に折り曲げて使用されるため、その部分には活性金属ろう材ペーストを印刷しない。
【0028】
その後、金属回路板2をこの活性金属ろう材ペーストのパターン上に載置し、これを真空中、または中性雰囲気中もしくは還元雰囲気中で、所定温度(約900℃)で加熱処理し、活性金属ろう材を溶融させてセラミック基板1の表面に金属回路板2を接合させる。これにより、セラミック基板1の表面に金属回路板2が活性金属ろう材3を介して接合されることとなる。
【0029】
無酸素銅等の銅または銅合金から成る金属回路板2は、無酸素銅等の銅または銅−亜鉛(亜鉛の含有量が30重量%以下)、銅−錫合金(錫の含有量が5重量%以下)、銅−白金合金(白金の含有量が5重量%以下)、銅−パラジウム合金(パラジウムの含有量が5重量%以下)、銅−ニッケル合金(ニッケルの含有量が5重量%以下)等のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって、例えば、厚さが0.5mmで、所望の回路配線パターン形状に製作される。このとき、回路配線パターンと一体となった端子部4も同時に形成される。
【0030】
金属回路板2の厚みは、セラミック回路基板の小型化・薄型化の要求を満足するため、20〜50Aといった大電流信号を伝達するための電気抵抗の仕様を満足するため、さらにはセラミック基板1と接合したときのセラミック基板1の割れ防止のためといった観点からは0.1〜1.0mmが好ましい。金属回路板2の厚さが0.1mm未満では、電気抵抗が大きくなるため20〜50Aといった大電流信号が良好に流れにくくなる傾向がある。他方、1.0mmを超えると、小型化・薄型化・配線の高密度化への対応が困難となるとともに、セラミック基板1と金属回路板2とを接合したときに発生する熱応力により、セラミック基板1に割れ等が発生しやすくなる傾向がある。
【0031】
また、金属回路板2が無酸素銅から成る場合は、無酸素銅はろう付けの際に活性金属ろう材3が無酸素銅中に存在する酸素により酸化されることなく濡れ性が良好となるため、金属回路板2を活性金属ろう材3を介してセラミック基板1へ強固に接合できる。
【0032】
端子部4は、金属回路板2の一部として延出されて金属回路板2と一体形成されている。端子部4は、そのビッカース硬度が100Hv以上となるように加工を施すとよい。端子部4のビッカース硬度を100Hv以上とした理由は、通常の端子として使用されるタフピッチ銅のビッカース硬度である80Hvに対してそれ以上のものとすることにより、この端子一体型セラミック回路基板を樹脂ケースに実装する際にも端子部4の変形・曲がりがなくなり、その結果、搭載される半導体素子等の電子部品を安定して作動させることができるためである。
【0033】
端子部4のビッカース硬度を100Hv以上にするための加工方法は、好適なものとして無電解ニッケルめっき加工・衝撃加工や半田皮膜形成加工がある。
【0034】
端子部4への無電解ニッケルめっき加工は、例えば、燐を含む無電解ニッケルめっきを端子部4に施し、その後250℃以上の温度で熱処理を行ない、ニッケル−燐を結晶化させてビッカース硬度を100Hv以上にする加工方法である。このときニッケル皮膜中に含まれる燐は8重量%以上にするとよい。これは、燐が8重量%以下であるとニッケル−燐化合物の結晶化が十分になされず、その結果、端子部4のビッカース硬度が100Hv以上とならない傾向があるためである。なお、燐以外でも、ニッケルと化合物を生成してビッカース硬度が100Hv以上となるものであれば、ホウ素などでもよい。
【0035】
また、無電解ニッケルめっきの厚みは1.5μm以上がよい。無電解ニッケルめっきの厚みが1.5μm以下では、端子部4のビッカース硬度を増加させる効果が小さく、100Hv以上のビッカース硬度が得られない傾向があるためである。
【0036】
さらに、250℃以上の熱処理を行なうのは、250℃以上の熱処理を行なわないと、ニッケル−燐化合物の結晶化が全く進まず、ビッカース硬度の上昇も起こらないことがあるためである。この熱処理は、めっき皮膜を形成した後にセラミック回路基板を熱処理してもよいし、めっき皮膜を形成したセラミック回路基板に半田等により半導体素子等の電子部品を実装する際の熱処理を利用してもよい。
【0037】
端子部4への衝撃加工は、例えば、サンドブラスト・ウエットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)・金型による押圧等が挙げられる。ブラストによる衝撃加工の場合は、端子部4のみにブラスト加工してもよいし、セラミック回路基板全体をブラスト処理して異物除去等の工程と兼ねることもできる。金型による押圧加工は、例えば、端子部4を金型に入れてハンマー等で端子部4のみを叩くようにした装置を用いて行なえばよい。
【0038】
端子部4への半田皮膜形成加工は、例えば、半田めっきによる半田皮膜の形成加工や半田ディッピングによる半田皮膜の形成加工が挙げられる。半田はSnを含むPb−Sn系やSn−Ag系などの半田が使用される。このSnが端子部4の銅とCu−Sn合金を生成することにより、端子部4のビッカース硬度が上昇する。
【0039】
本発明のセラミック回路基板によれば、金属回路板2は、活性金属ろう材3との接合端縁Bに活性金属ろう材とは接合しない溝5(溝状の非接合部領域5)を有するので、金属回路板2と活性金属ろう材3との接合端縁Bおよびセラミック基板1と活性金属ろう材3との接合端縁Aが、セラミック回路基板を平面視したときに離れた位置に形成されることになり、セラミック回路基板に繰り返し熱衝撃が加えられた際に、セラミック基板1と活性金属ろう材3との接合端縁Aに、セラミック基板1と活性金属ろう材3との間に生じる両者の熱膨張差により発生する熱応力と、金属回路板2と活性金属ろう材3との間に生じる両者の熱膨張差により発生する熱応力とが重畳して印加されることはなく、その結果、セラミック基板1と活性金属ろう材3との接合端縁Aにクラックが発生して接合強度や熱伝導性、電気絶縁性が低下してしまうことのない信頼性の高いものとすることができる。
【0040】
なお、非接合領域5から外側の金属回路板2は、強度向上による変形・破損防止のために、その厚みを非接合領域5から内側の金属回路板2の厚みより厚くし、かつ0.2〜2.0mmとすることが好ましい。その結果、エッチングにより不要な金属部分を除去することにより形成される端面のテーパが小さくなり、その結果、金属回路板2における絶縁間隔が短くなるとともに金属回路板2の実装領域が多くなる。また、金属回路板2の厚みを薄くすることでセラミック回路基板の反りバランスから裏側の放熱板も薄くなり、セラミック回路基板の小型化・薄型化・配線の高密度化が可能になり、非接合領域の外側が端子部とされている場合に変形・破損しにくくなり端子とソケットとの間の接触面積は大きくなり機械的・電気的接続信頼性の高いものとなる。これにより搭載される電子部品を安定して作動させることができる。
【0041】
さらに、溝状の非接合部領域5の幅は非接合領域5から外側の金属回路板2の厚みの0.05倍から2倍、深さは非接合領域5から外側の金属回路板2の厚みの10〜40%の厚みが望ましい。幅が非接合領域から外側の金属回路板2の厚みの0.05倍より狭くなると、セラミック基板1と活性金属ろう材3の接合端部Aにおける応力緩和が小さくなり、セラミック基板1と活性金属ろう材3の接合端縁Aに応力が集中し易くなり、その結果、セラミック基板1と活性金属ろう材3の接合端部Aにクラックが発生しやすくなる傾向がある。
【0042】
また、幅が非接合領域から外側の金属回路板2の厚みの2倍より広くなると、端子部4において非接合領域5における金属板厚みの薄い部分が多くなり、その結果、端子部4の強度劣化につながる。また、端子部4も折り曲げの際は曲げ位置が定まらなくなり、折り曲げ位置精度が悪くなる。深さにおいては、深さが金属回路板2の厚みの10%未満であると、溝状の非接合部領域5に活性金属ろう材3が入り込んで溝状の非接合部領域5を形成することができなくなる危険性があり、40%を超えると非接合領域5における金属板厚みの薄い部分が多くなり、端子部4の強度が低下してしまう傾向がある。
【0043】
なお、本発明において、金属回路板2の非接合領域から外側の厚みに対して内側の厚みが薄いとは、金属回路板2の厚みの厚い領域と薄い領域との間に位置する領域(厚みが連続的に変化している領域)と溝状の非接合領域5とが、セラミック回路基板を平面視したときに、一部でも重なっている状態をさす。
【0044】
かくして本発明のセラミック回路基板によれば、セラミック基板と金属回路板との間に配されている活性金属ろう材ペーストを非酸化性雰囲気中にて約900℃の温度に加熱して溶融させ、セラミック基板に金属回路板を接合することによって製作され、さらにこれに半導体素子等の電子部品を半田等の接着材を介して実装した後、樹脂ケース内に装着されることにより半導体モジュールとなる。
【0045】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば図1および図2の断面図、図3の平面図では、金属回路板2の端子部4がセラミック基板1上に位置する例を示したが、図4に平面図で示すように、端子部3がセラミック基板1の外側に飛び出して位置してもよい。また、上述の実施例ではセラミック基板1に活性金属ろう材3を介して金属回路板2をろう付けしたが、これをセラミック基板1の表面にあらかじめタングステンやモリブデン等のメタライズ金属層を被着させておき、このメタライズ金属層に金属回路板2を活性金属ろう材3を介して接合させてもよい。さらに、上述の実施例ではセラミック基板1に活性金属ろう材3を介してあらかじめ回路配線パターン形状に形成された金属回路板2をろう付けしたが、セラミック基板1と略同形状の金属板をろう付けした後にエッチングにより不要な金属部分を除去して回路配線パターンおよび端子部4の形成を行なってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明のセラミック回路基板によれば、金属回路板が、活性金属ろう材との接合端縁に活性金属ろう材とは接合しない溝を有することから、金属回路板と活性金属ろう材との接合端縁およびセラミック基板と活性金属ろう材との接合端縁が、セラミック回路基板を平面視したときに離れた位置に形成されることになり、セラミック回路基板に繰り返し熱衝撃が加えられた際に、セラミック基板と活性金属ろう材との接合端縁に、セラミック基板と活性金属ろう材との間に生じる両者の熱膨張差により発生する熱応力と、金属回路板と活性金属ろう材との間に生じる両者の熱膨張差により発生する熱応力とが重畳して印加されにくく、その結果、セラミック基板と活性金属ろう材との接合端縁にクラックが発生して接合強度や熱伝導性、電気絶縁性が低下しにくい、信頼性の高いものとすることができる。
【0047】
また、本発明のセラミック回路基板は、上記構成において、金属回路板の溝より内側に位置する部分の厚みが、金属回路板の溝より外側に位置する部分の厚みより薄いことから、エッチングにより回路以外の不要な部分を除去して回路配線パターンの形成を行なった場合、不要な金属部分を除去した際に形成される除去部分のテーパ量が小さくなり、その結果、金属回路板間の絶縁間隔を小さく、かつ金属回路板の実装領域を多くすることができる。さらに、金属回路板の厚みを薄くすることにより、セラミック回路基板の反りバランスから裏側に接合される放熱板の厚みも薄くすることが可能となり、セラミック回路基板の小型化・薄型化・配線の高密度化が可能になる。
【0048】
さらに、本発明のセラミック回路基板は、上記構成において、金属回路板の非接合領域から外側が端子部とされているので、従来のように端子一体成型樹脂ケースが不要になるだけでなく、端子部とセラミック回路基板とをボンディングワイヤなどで接続する必要もなく、また、端子を金属回路板に半田や超音波接合法等で接合する必要もないので、製作工数が少なく経済的なセラミック回路基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック回路基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のセラミック回路基板の実施の形態の他の例の断面図である。
【図3】本発明のセラミック回路基板の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図4】本発明のセラミック回路基板の実施の形態の他の例の平面図である。
【図5】従来のセラミック回路基板を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・セラミック基板
2・・・・・・・・金属回路板
3・・・・・・・・活性金属ろう材
4・・・・・・・・端子部
5・・・・・・・・溝状の非接合領域(溝)
A・・・・・・・・セラミック基板と活性金属ろう材との接合端縁
B・・・・・・・・金属回路板と活性金属ろう材との接合端縁

Claims (2)

  1. セラミック基板と、
    銅または銅合金から成り、活性金属ろう材を介して前記セラミック基板の表面に接合された金属回路板とを備え、
    該金属回路板は、前記活性金属ろう材との接合端縁に前記活性金属ろう材とは接合しない溝を有しており、該溝より内側に位置する部分の厚みが、前記溝より外側に位置する部分の厚みより薄いことを特徴とするセラミック回路基板。
  2. 前記金属回路板の前記溝より外側に位置する前記部分が、端子部であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック回路基板。
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