JP3849178B2 - 硬質イソシアヌレートフォームの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、難燃剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質イソシアヌレートフォームを製造する方法に関する。
【0002】
更に詳しくは、フォームの流動性、発泡プロファイル、密度分布及び難燃性を改良し、臭気の少ない第四級アンモニウム塩系触媒を用いた硬質イソシアヌレートフォームの製造法に関する。
【0003】
【従来の技術】
硬質イソシアヌレートフォームは、軽量で優れた断熱性、面材との接着性を有し、難燃性に優れるため、冷凍・冷蔵倉庫、建材や自動車内装材等の断熱材及び構造材として広く利用されている。
【0004】
硬質イソシアヌレートフォームは、イソシアネートの三量化によって得られる熱安定性の高いイソシアヌレ−ト環骨格を含有するため、従来より耐熱性、難燃性材料として広く利用されている。
【0005】
近年、製造物責任(PL)法やレスポンシブル・ケア(RC)に対応するため硬質イソシアヌレートフォームの難燃性の向上や安全性が重要視されてきている。
【0006】
また、オゾン層破壊の原因となるクロロフルオロカーボン類(トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン等のいわゆるCFC類)の削減、作業環境の改善、及び製品からの揮発性物質の飛散の抑制等の環境問題が大きな関心となってきている。特に、硬質イソシアヌレートフォームの製造に於いては、フォ−ムの低密度化、流動性、表面のフライアビリティー性及びフォーム物性の改善の為に、独占的にCFC類が使用されてきた。このため、発泡剤として従来使用してきたCFC類を削減し、水量を増加させた処方の検討が成されているが、発泡剤として水量を増加させると、フォームの発泡プロファイル、流動性、成型性が悪化し、硬質フォ−ムの表面の脆さ(フライアビリティ−性)が大きくなり、接着強度、及び寸法安定性等が著しく悪化する。そのため、CFC類を削減し、水量を増加した処方に適した触媒の開発が強く要求されている。
【0007】
硬質イソシアヌレートフォーム製造用触媒としては、従来、カルボン酸のアルカリ金属塩類、金属アルコラート、金属フェノラート、金属水酸化物等の有機金属系触媒や第三級アミン類、第三級フォスフィン類、燐のオニウム塩化合物類等が用いられ、特に酢酸カリ、2−エチルヘキサン酸カリ等のアルカリ金属塩はイソシアヌレート反応を促進する触媒活性すなわちイソシアヌレート活性が高いことから広く使用されている。
【0008】
また、特開昭52−1784号公報に記載のヒドロキシアルキルトリメチル第四級アンモニウム2−エチルヘキサン酸塩類のように、テトラアルキルモノアミン系の第四級アンモニウム塩類が、イソシアヌレート活性が高いことから使用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで用いられている硬質イソシアヌレートフォーム製造用触媒は、種々の問題点を有している。
【0010】
例えば、従来のカルボン酸アルカリ金属塩類やテトラアルキルモノアミン系の第四級アンモニウム塩類は、イソシアヌレート活性は比較的高いものの、初期の反応が著しく遅く、発泡後半イソシアヌレート化が急激に進行するため、発泡プロファイルが初期の遅延と後半の急激な立上がりを示し、フォームの流動性が悪く、モールドやパネル発泡では、密度分布が大きくなり、ボイドやセル荒れ等の成型性が悪い問題があった。
【0011】
また、従来のテトラアルキルモノアミン系の第四級アンモニウム塩類は、フォーム形成時に第四級アンモニウム塩の分解により、低揮発性のアミンが発生する等、著しく作業環境を悪化させたり、最終製品に悪臭を残す等の問題があった。
【0012】
さらに、初期反応を促進し、フォームの流動性を改善するために、第三級アミン類を使用した場合、流動性は改善するものの、第三級アミン類は極めて強い臭気を有し、フォームのフライアビリティー性が悪化するとともに、イソシアヌレート化が十分進行しないため、フォームの燃焼性が悪化する等の問題があった。
【0013】
これらの問題は、特にCFCを削減し水量を増加させた処方において、従来の触媒を使用した場合に著しく発現する問題点である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、公知の触媒の持つ様々な問題点を解決するために鋭意検討した結果、CFC類を削減し水量を増加させた硬質イソシアヌレートフォーム製造において、特殊な構造をもつ第四級アンモニウム塩系触媒が、極めて高い触媒活性を有し、フォームの初期反応の促進、低密度化、密度分布の均一化に有効であり、成型性、難燃性を改善する優れた効果を持ち、更に、臭気及び揮発性が低く作業環境を改善することを見出し、本発明に到達したものである。
【0015】
すなわち、本発明は、ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質イソシアヌレートフォームを製造する方法において、発泡剤として、少なくとも水をポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し0.2重量部以上使用し、触媒として、少なくとも下記一般式
【0016】
【化2】
【0017】
(式中、A、Bは、各々独立して炭素数2又は3の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、nは、1〜3の整数を示す。
【0018】
また、R1,R2,R3,R4,R5は、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基であり、R1,R2,R3又はR3,R4,R5が結合し、ピペラジン環からなる複素環構造を構成しても良く、Rは、水素、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、又は炭素数2〜10のアルキニル基である。
【0019】
さらに、Y-は、炭素数1〜20のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアラルキル基又はメトキシベンジル基を有するカルボン酸アニオンを示す。)
で表される第四級アンモニウム塩を使用することを特徴とする硬質イソシアヌレートフォームの製造法である。
【0020】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の方法において、硬質イソシアヌレートフォームとは、ポリウレタンとポリイソシアヌレートとのコポリマーをいう。
【0022】
本発明の方法においては、上記一般式で表される第四級アンモニウム塩が触媒として使用される。
【0023】
上記一般式で表される第四級アンモニウム塩の製造法は、従来公知の方法であれば良く、特に限定されない。例えば、原料の第三級アミン類の存在下に、第三級アミノ基当たり1モル以上、好ましくは1モル〜2モルの有機酸又は無機酸を反応させ第三級アミン塩とした後、第三級アミノ基当たり1モル以上、好ましくは1〜2モルのアルキレンオキシド類を反応させて製造することができる。有機酸やアルキレンオキシド類が第三級アミノ基当たり1モル以下の場合、未反応の第三級アミンが残留するため、ヌレート活性が小さく、フライアビリティー性、接着強度等のフォーム物性が悪化する。また、2モルを越える場合、未反応のアルキレンオキシド類が多量に残留するとともに、第四級アンモニウム塩の分子量が著しく大きくなるため、重量当たりの触媒活性が低下するため、生産コストの上で不利益になる。具体的には、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ペンタメチル(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン等のアミノ基が3個以上の第三級アミン類とアルキレンオキシド類、無機酸又は有機酸類から製造することができるが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のアミノ基が2個以下の第三級アミン類から得られる第四級アンモニウム塩系触媒は、初期反応の促進に有効でなく、フォームの流動性、ライズプロファイルや密度分布、難燃性等に悪影響を与える他、発泡時に分解して揮発性の高いアミン化合物を発生させる等、フォーム製造上好ましくない。
【0024】
上記一般式で表される第四級アンモニウム塩を製造する際使用される有機酸又は無機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、カプリン酸、ステアリン酸、シアノ酢酸、ピルビン酸、安息香酸等のモノカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシ二酢酸、フマル酸、シュウ酸、マレイン酸、スベリン酸、ピメリン酸、グルタル酸、マロン酸、無水フタル酸、無水コハク酸等のジカルボン酸、ホウ酸、リン酸、ケイ酸等の無機酸等が挙げられ、アルキレングリコールホウ酸エステル塩等も含まれる。これらのうち、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸は、工業的の容易に入手可能であり、触媒活性、ヌレート活性が高く、フォームの物性の改善にも優れるため、特に好ましい。
【0025】
また、上記一般式で表される第四級アンモニウム塩を製造する際使用されるアルキレンオキシド類としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドは、工業的に容易に入手可能であり、触媒活性、ヌレート活性が高く、フォームの成型性、フォーム物性の改善に優れるため、特に好ましい。
【0026】
上記一般式で表される第四級アンモニウム塩の製造においては、反応を速やかに収率良く完結させるため、反応溶媒として極性溶媒を使用することができる。
【0027】
極性溶媒としては、特に限定されるものではないが、水、エチレングルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等が好ましい。溶媒の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは触媒の全量に対して70%重量以下である。溶媒の量が70重量%を越えると、溶媒のグリコール類とイソシアネートとの反応が多量に進行するため、フォーム物性に悪影響を及ぼす。
【0028】
本発明の方法においては、触媒として上記した第四級アンモニウム塩とカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とを併用することができる。
【0029】
カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩としては、例えば、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、アジピン酸等の脂肪族モノ及びジカルボン酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族モノ及びジカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩等が挙げられる。これらのうち、特にカルボン酸のアルカリ金属塩が、触媒活性及びヌレート活性が比較的高いことから好ましく、更に好ましくは、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウムである。
【0030】
本発明の方法において、助触媒として、他の第三級アミン類、第三級アミン類の有機酸塩類、その他の第四級アンモニウム塩類やその他の有機金属化合物を使用して硬質イソシアヌレートフォームを製造することもできる。
【0031】
他の第三級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N′−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第三級アミン化合物類、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N´−トリメチル−N´−ヒドロキシエチル−ビスアミノエチルエーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N´−メチルピペラジン等のアルカノールアミン類やジメチルアミノプロピルアミン、ビスジメチルアミノプロピルアミン等の一級及び二級アミノ基を有するアミン化合物類等が挙げられる。これらのうち、トリエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジプロピレントリアミン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N′−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N´−メチルピペラジン等が、触媒活性が高く、発泡プロファイル、流動性の改善にも優れるため、特に好ましい。
【0034】
その他の第四級アンモニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラオクチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物類、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチル2−エチルヘキサン酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム酢酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム蟻酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム酢酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム蟻酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類が挙げられるが、触媒活性及びヌレート活性が高いことから、テトラアルキルアンモニウム有機酸塩類が特に好ましい。
【0035】
その他の有機金属化合物としては、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらのうち、触媒活性が比較的高いことから、有機錫及び鉛触媒が好ましく、更に好ましくはスタナスジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛である。
【0036】
本発明の方法において、上記一般式で表される第四級アンモニウム塩の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し、通常0.01〜10重量部である。0.01重量部未満では、反応速度が遅すぎるため、硬化速度が遅く生産性の点で劣り、10重量部を越えると、反応速度、発泡速度が大きすぎてフォームの流動性、成型性が悪化する場合がある。
【0037】
本発明の方法において、触媒として、上記一般式で表される第四級アンモニウム塩とカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を併用する場合、初期反応の促進、フォームの流動性、密度分布、熱伝導率の改善を損なわずに、低密度化と酸素指数を向上することが可能となる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の使用量は、第四級アンモニウム塩の総量100重量部として、5〜70重量部が好ましい。5重量部以下の場合その併用効果がほとんど見られず、70重量部以上の場合初期反応が遅くなるとともに、流動性、密度分布、熱伝導率が悪化する場合がある。
【0038】
本発明の方法において、その他の第三級アミン類、第三級アミン類の有機酸塩類、第四級アンモニウム塩類やその他の有機金属化合物等の助触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、一般的に0.01〜5.0重量部である。
【0039】
本発明の方法において、上記一般式で表される第四級アンモニウム塩を、前述したように単独で又は他の触媒と混合して用いてよいが、混合調製にあたっては、必要ならば溶媒として、水、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル又は1,4−ブタンジオール等が使用できる。溶媒の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは触媒の全量に対して70重量%以下である。70重量%を越えると、溶媒とイソシアネートの反応が増すため、フォーム物性に悪影響を及ぼす。
【0040】
この様に調製された触媒は、ポリオールに直接添加して使用してもよいし、種々の触媒を別々にポリオールに添加して使用してもよく、特に限定されるものではない。
【0041】
本発明の方法において、ポリオールとしては、一般公知のポリエーテル、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ハロゲン及び/又はリン含有ポリオール、フェノールベースポリオール及びそれらの混合物が使用される。
【0042】
公知のポリエーテルポリオールは、例えば、グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、シュークロース等の多価アルコール、アンモニア、エチレンジアミン等の脂肪族アミン化合物、トルエンジアミン、ジフェニルメタン−4,4´−ジアミン等の芳香族アミン化合物及び/又はこれらの混合物に、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加することにより得られる。
【0043】
ポリマーポリオールとしては、例えば、該ポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体、例えばブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等をラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオール等が挙げられる。
【0044】
ポリエステルポリオールは、通常、二塩基酸と多価アルコールより誘導される化合物、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸や無水フタル酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートから誘導されるポリエステルポリオールが挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート系廃棄物やジメチルテレフタレート系プロセス廃棄物より製造されたポリエステルポリオールも含む。また、ε−カプロラクトンやメチルバレロラクトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールも挙げられる。
【0045】
ハロゲン含有ポリオールとしては、エピクロロヒドリンやトリクロロブチレンオキシドをの開環重合して得られるものや多価アルコールを臭素化したものにアルキレンオキシドを付加して臭素化されたもの等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0046】
含リンポリオールは通常リン酸、亜リン酸、有機リン酸等にアルキレンオキシドを付加重合したものやポリヒドロキシプロピルホスフィンオキシドにアルキレンオキシドを付加したもの等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0047】
フェノールベースポリオールは、フェノールとホルマリンから得られるノボラック樹脂、レゾール樹脂にアルキレンオキシド類を反応させたポリオールやフェノール類とアルカノールアミン及びホルマリンとを反応したものにアルキレンオキサイド類を反応させたマンニッヒベースポリオール等が挙げられる。
【0048】
本発明の第四級アンモニウム塩を使用してポリウレタン変性硬質イソシアヌレートフォームを製造する際に用いることのできるポリイソシアネートは、公知のポリイソシアネートであれば良く、トルエンジイソシアネート(以下TDIと略す)、4,4´−又は4,2´−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略す)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートやノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、又はそれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネート含有プレポリマー、カルボジイミド変性等の変性ポリイソシアネート、さらには、それらの混合ポリイソシアネートを例示できる。これらのうち好ましくはTDIとその誘導体又はMDIとその誘導体であり、これらは混合して使用しても差支えない。TDIとその誘導体としては、2,4−TDIと2,6−TDIの混合物又はTDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体を挙げることができる。またMDIとその誘導体としては、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体、及び/又は末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体を挙げる事ができる。
【0049】
本発明の方法において、適用されるイソシアネートインデックス(イソシアネート基とOH基とのモル比×100)は、特に限定されるものではなく、通常100〜800の範囲であるが、150未満では、ヌレート環の形成が少なく、フォーム物性、難燃性の点で劣る場合があり、500を越えると難燃性は高いものの、未反応イソシアネート量が多く、フォームのフライアビリティー性が高く、接着強度が悪化し、フォーム製造上問題が生じる場合がある。このため、これらをバランス良く維持するために、150〜500の範囲がさらに好ましい。
【0050】
本発明の方法において、発泡剤としては少なくとも水を使用する。その使用量は、ポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し、水0.2重量部以上であり、好ましくは、0.2〜5重量部、更に好ましくは0.3〜4重量部である。通常、水の使用量が多くなると、フォームの流動性が悪化し、低密度化が困難になるとともに、フォーム表面のフライアビリティ−性が大きくなり、面材との接着性が著しく劣る。また、初期の反応が遅れた後に、急激な反応が起こるため、発泡プロファイルが急激に立ち上がる等成型性、低密度化の点で問題となる。
【0051】
また、本発明の方法においては発泡剤としてその他の発泡剤を併用してもよい。その他の発泡剤としては、公知の物理的発泡剤及び化学的発泡剤等であれば良く、特に限定されない。物理的発泡剤としては、例えばハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、塩化メチレン等の低沸点のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、シクロペンタン等の炭化水素類、エアー、窒素、二酸化炭素等の気体又は低温液体等が例示できる。公知の化学発泡剤としては、有機酸、硼酸等の無機酸類、アルカリ炭酸塩類、環状カーボネート類、ジアルキルカーボネートが挙げられポリウレタン樹脂成分と反応もしくは熱等により分解してガスを発生させるものが挙げられる。これらのうち好ましくは、オゾン破壊係数(ODP)、温暖化係数(GWP)の小さいHCFC−141b等のハイドロクロロフルオロカーボン類、HFC−134a,HFC−245、HFC−236、HFC−356等のハイドロフルオロカーボン類、ペンタン、シクロペンタン等のハイドロカーボン類であり、その使用量は、ポリオールとポリイソシアネートとの総量100重量部に対し、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類の場合、15重量部以下、ハイドロカーボン類の場合、10重量部以下である。
【0052】
本発明の方法において、必要に応じて整泡剤を添加することができる。整泡剤としては、公知の整泡剤であれば良く、例えばオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はこれらの混合物等が例示でき、その使用量は、通常ポリオールとポリイソシアネートとの総量100重量部に対して0.05〜5重量部である。
【0053】
本発明の方法において、必要であれば架橋剤もしくは鎖延長剤を添加することができる。架橋剤もしくは鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の低分子量の多価アルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子量のアミンポリオール又はエチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等のポリアミン等を挙げることができる。
【0054】
また必要に応じて、着色剤、難燃剤、老化防止剤その他公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は、通常使用される範囲で十分使用することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、初期反応が促進され、フォームの発泡プロファイル及び流動性が改善される。
【0056】
また本発明の方法によれば、密度分布が小さく、成型性に優れるとともに、難燃性に優れ、フォーム表面のフライアビリティー性、熱伝導率が小さいフォームの製造が可能となる。
【0057】
更に本発明の方法は、触媒の使用量が少なく、フォームの製造コストの低減に有効であり、得られた硬質イソシアヌレートフォームは、極めて臭気が小さく、フォーム製造工程において作業環境を著しく改善し、製造フォーム自身に悪臭を残さないという特徴を有する。
【0058】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づいて説明するが本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
次に述べる方法において、硬質イソシアヌレートフォームの反応性(クリームタイム、ゲルタイム、タックフリータイム、ライズタイム)、フォーム成型物の流動性(密度、成型性)、密度分布、フライアビリティー性、酸素指数、発煙性、臭気等を測定及び評価した。
【0060】
〜フリー発泡〜
室温下(20〜25℃)、2リットルのポリエチレン製カップにフォーム原料を注ぎ、発泡〔原料液温度:20±1℃,攪拌速度:6000rpm(7秒間)〕させ、反応性、フォーム密度等を測定及び評価した。
【0061】
<反応性>
クリームタイム;フォーミングの開始時間(秒)
ゲルタイム ;樹脂化時間(秒)
タックフリータイム;フォーム表面のべとつきがなくなった時間(秒)
ライズタイム ;フォームの発泡最大高さに達した時間(秒)
反応性は、ゲルタイムを約45秒となる様に触媒部数を調整するが、クリームタイムが短いほど、初期の反応が早く、ライズプロファイルが改善する事を示す。
【0062】
〜モールド発泡〜
50×50×3.5cmのアルミニウム製モールドを型温45℃に調温し、モールド内側にポリエチレンフィルム内袋を装着し、原料を注入しフリ−発泡[原料液温度:20±1℃,攪拌速度:6000rpm(7秒間)]させた。10分後に脱型し、以下の項目について測定及び評価した。
【0063】
<流動性>
モールド発泡体の中心部を20×20×2.5cmの寸法にカットし、試験片の密度を測定した。低密度フォームほど流動性に優れる。
【0064】
<成型性>
モールドフォーム表面のボイド、セル荒れの大きさから以下の5段階の基準で評価した。ボイド、セル荒れの小さいもの程、流動性に優れる。
1:なし 2:小さい 3:中程度 4:大きい 5:非常に大きい
<密度分布>
モールド発泡体の底部から上部までを縦に9分割し5.0×5.0×3.5cmの寸法にカットし、試験片の密度を測定し、以下の値で表した。密度分布の小さいものほど、フォーム密度が均一で流動性に優れる。
密度分布 = 最大密度 − 最低密度 (kg/m3)
<フライアビリティー性>
フォームの表面を指で押して、フォーム表面の脆さを以下の5段階の基準で評価した。
1:脆さなし 2:若干脆い 3:中程度 4:脆い 5:非常に脆い
<酸素指数>
酸素指数による燃焼試験方法は、ASTM D 2863D−74に準じて実施した。
【0065】
<発煙性試験>
発煙性による燃焼性試験方法は、東洋精機製作所製の発煙性試験装置NBSを用いて実施した。試験方法は、有炎燃焼法により、発生する煙濃度のフォーム重量当たりの最大量(Dmax/g)より求めた。
【0066】
<熱伝導率>
ANACON MODEL 88を用いて、流動性評価に使用したフォームの熱伝導率を測定した。
【0067】
<触媒及びフォームの臭気の評価>
10人のパネラーにより、各種触媒とモールドフォームの臭気を嗅いで、以下の評価基準で評価した。
大……全員強い臭気を感じる。
中……10人中4人以上の人が強い臭気を感じる。
小……10人中3人以下が弱い臭気を感じる。
【0068】
実施例1、実施例2、参考例1〜参考例3
表1に示すポリオールとポリイソシアネートの配合により、触媒としては、上記一般式で表される第四級アンモニウム塩として触媒A,B,C、及び触媒Aとアルカリ金属塩との併用系を用い、発泡剤、整泡剤を表1に示すように用いて硬質イソシアヌレートフォームの調製を行った。
【0069】
硬質イソシアヌレートフォームの反応性(クリームタイム、ゲルタイム、タックフリータイム、ライズタイム)、フォーム成型物の流動性(密度、成型性、密度分布)、難燃性(酸素指数、発煙性)、フライアビリティ−性、熱伝導率、触媒臭気を測定および評価した。その評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1から明らかなように、本発明の方法により、触媒活性が高く、初期反応(クリームタイム)を促進し、スムーズな発泡プロファイルを得ることが可能となった。また得られたフォームは、成型性に優れ、密度分布が小さく、流動性に優れるとともに、酸素指数が高く、発煙性が小さく、難燃性に優れるものであり、フォーム表面のフライアビリティー性、熱伝導率が小さいものであった。更に上記一般式で表される第四級アンモニウム塩は、低臭気であり、フォーム製造工程における作業環境を改善し、最終フォ−ム製品にも臭気を残さないものであった。
【0072】
また、参考例2、参考例3に示す触媒Aとアルカリ金属塩との併用系製造法は、初期反応の促進、発泡プロファイルの改善及び密度分布の均一化を維持しつつ、特に低密度化、酸素指数の向上に効果があり、これにより、バランス良い発泡フォームを製造することが可能となった。
【0073】
比較例1〜比較例3
表2に示す配合に従い、従来のイソシアヌレート触媒を用いたこと以外は、参考例1と同様の調製を行った。その評価結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
表2から明らかなように、アルカリ金属塩のみを触媒として用いた場合(比較例1、比較例2)、触媒活性が低く、触媒の使用量を多くする必要があり、クリームタイムが長く、急激な発泡プロファイルを示し、また得られたフォームは、密度分布が高く、成型性の悪いものであった。更にフォームの難燃性については、酸素指数は比較的高いものの、発煙性が高く、難燃性のバランスが悪いものであった。
【0076】
また、第四級アンモニウム塩としてTMAを触媒として用いた場合(比較例3)、触媒活性が低く、触媒の使用量を多くすることが必要であり、クリームタイムが長く、急激な発泡プロファイルを示した。また、得られたフォームは、成型性が悪く、密度分布は大きいものであった。更に、発泡時の触媒臭気が高く、得られた製造フォームにも臭気を残すものであった。
【0077】
比較例4〜比較例6
表2に示す配合に従い、従来のアルカリ金属塩と第三級アミン又は第四級アンモニウム塩との併用系を検討した。その評価結果を表2にあわせて示す。
【0078】
表2から明らかなように、2−エチルヘキサン酸カリウムと第三級アミンPMDETAとの併用(比較例4)は、初期の反応を促進し、発泡プロファイル、成型性を改善するものであるが、得られたフォームの密度分布は高く、フライアビリティ−の高いものであった。また、フォームの酸素指数が低く、発煙性が高いなど難燃性に劣るものであった。
【0079】
また、2−エチルヘキサン酸カリウムと第三級アミンHHT又は第四級アンモニウム塩TMAとの併用(比較例5、比較例6)は、初期反応の遅れと高いフォーム密度と密度分布を示し、成型性も悪いものであった。更に、酸素指数が低く、発煙性が高い等、難燃性に劣るものであった。
【0080】
実施例3、参考例4〜参考例7
表3に示す配合に従い、発泡剤としてハイドロクロロフルオロカーボン類を削減し、水量を増した処方とした以外は、表1の参考例1と同様の方法により調製を行い評価を行った。その評価結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
表3から明らかなように、本発明の方法により、触媒活性が高く、触媒量の低減が可能となり、初期反応を促進し、密度分布、フライアビリティー性の小さいフォームを製造することができた。また、得られたフォームは、成形性が優れており、酸素指数が高く、発煙性の低いものであった。
【0083】
参考例6、参考例7
表3に示す配合に従い、イソシアネートインデックスを170にし、発泡剤としての141bの使用量をフォーム密度が参考例1と同程度になるように調製した以外は、実施例1と同様の方法により評価を行った。その結果を表3にあわせて示す。
【0084】
表3から明らかなように、本発明の方法により、触媒活性が高く、触媒量の低減が可能であり、初期反応を促進し、密度分布、フライアビリティー性の小さいフォームを製造することができた。また、得られたフォームは、成形性が優れており、酸素指数はイソシアネートインデックスが250の場合に比べて低くなるもののその低下割合は小さく、発煙性の低いものであった。
【0085】
比較例7〜比較例10
表4に示す配合に従い、従来のイソシアヌレート触媒を用いた以外は、参考例4と同様の方法により調製を行い評価を行った。その評価結果を表4に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
表4から明らかなように、比較例7、比較例8の触媒は、活性が低く、触媒の使用量が多く必要であり、クリームタイムが長く、流動性も悪いものであった。また、得られたフォームの密度分布、成型性、難燃性、フライアビリティー性も悪いものであった。更に、比較例8の触媒は、発泡中の臭気が高く、得られたフォームにアミン臭気を残すものであった。
【0088】
また比較例9のアルカリ金属塩と第三級アミンとの併用は、初期のクリームタイムが早く、流動性を改善するものであったが、得られたフォームの密度分布、難燃性、フライアビリティー性、熱伝導率が悪く、アミン臭気の高いものであった。
【0089】
更に比較例10のアルカリ金属塩と従来の第四級アンモニウム塩との併用は、触媒活性が低く、触媒量が多く必要であり、クリームタイムが長く、流動性も悪いものであった。また、得られたフォームの密度分布、成型性、難燃性、フライアビリティー性も悪いものであった。更に、発泡中の触媒臭気が高く、得られた製造フォームにアミン臭気を残すものであった。
【0090】
比較例11
表4に示す配合に従い、イソシアネートインデックスを170とし、発泡剤としての141bの使用量を、フォーム密度が参考例1と同程度になるように調製した以外は、参考例1と同様の方法により評価を行った。結果を表4にあわせて示す。
【0091】
表4から明らかなように、比較例11の触媒は、クリークタイムが長く、急激な発泡プロファイルを示し、得られたフォームは、密度分布が高く、成形性の悪いものであった。フォームの難燃性は、参考例6、参考例7に比べ、酸素指数が低く、発煙性の高いものであった。
【0092】
比較例12
表4に示す配合に従い、硬質ポリウレタンフォームを調製した以外は、参考例1と同様の方法により評価を行った。結果を表4にあわせて示す。
【0093】
表4から明らかなように、本発明の触媒を用いて硬質ポリウレタンフォームを調製した場合、フォーム流動性、成形性、密度分布には優れるものの、酸素指数が著しく低下し、発煙性も増加することから、難燃性が著しく悪化した。
Claims (3)
- ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質イソシアヌレートフォームを製造する方法において、発泡剤として、少なくとも水をポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し0.2重量部以上使用し、触媒として、下記一般式
また、R1,R2,R3,R4,R5は、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基であり、R1,R2,R3又はR3,R4,R5が結合し、ピペラジン環からなる複素環構造を構成しても良く、Rは、水素、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、又は炭素数2〜10のアルキニル基である。
さらに、Y−は、炭素数1〜20のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアラルキル基又はメトキシベンジル基を有するカルボン酸アニオンを示す。ただし、R1、R2、R3、R4、R5及びRが全てメチル基を表し、nが1を表し、Y−が炭素数1〜19のアルキル基を有するカルボン酸アニオンを示し、且つA、Bが炭素数2又は炭素数3の直鎖のアルキレン基である場合を除く。)
で表される第四級アンモニウム塩のみを使用することを特徴とする硬質イソシアヌレートフォームの製造法。 - ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質イソシアヌレートフォームを製造する方法において、発泡剤として、少なくとも水をポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し0.2重量部以上使用し、触媒として、下記一般式
また、R1,R2,R3,R4,R5は、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基であり、R1,R2,R3又はR3,R4,R5が結合し、ピペラジン環からなる複素環構造を構成しても良く、Rは、水素、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、又は炭素数2〜10のアルキニル基である。
さらに、Y−は、炭素数1〜20のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアラルキル基又はメトキシベンジル基を有するカルボン酸アニオンを示す。ただし、R1、R2、R3、R4、R5及びRが全てメチル基を表し、nが1を表し、Y−が炭素数1〜19のアルキル基を有するカルボン酸アニオンを示し、且つA、Bが 炭素数2又は炭素数3の直鎖のアルキレン基である場合を除く。)
で表される第四級アンモニウム塩とカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩のみを使用することを特徴とする硬質イソシアヌレートフォームの製造法。 - ポリイソシアネートが、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート及び/又はその誘導体であり、イソシアネートインデックスが150〜500の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造法。
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