JP3826470B2 - 硬質スプレーフォームの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤、難燃剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質スプレーフォームを製造する方法に関する。
【0002】
更に詳しくは、低温での初期反応活性が高く、横伸び性、接着性等の施工性に優れる臭気の少ない第4級アンモニウム塩類と第3級アミン類を主成分とする触媒組成物を用いた硬質スプレーフォームの製造法に関する。
【0003】
【従来の技術】
硬質スプレーフォームは、一般にポリウレタン樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、岩田敬治編、昭和62年9月25日発行)第243〜248頁に記載のように、高圧のエアレススプレー機又はエアゾールタイプの簡易ボンベを使用し、スプレーガンでポリオール、触媒、その他の添加剤から成るポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合して直接対象面に吹き付ける工法により製造され、現場発泡が可能で、軽量かつ優れた断熱性を持つため、冷凍・冷蔵倉庫の断熱、LPG船・プラントなどの各種タンク断熱、住宅建材分野での断熱材として広く利用されている。
【0004】
近年、オゾン層破壊の原因となるクロロフルオロカーボン類(トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン等のいわゆるCFC類)の削減、作業環境の改善、及び製品からの揮発性物質の飛散の抑制等の環境問題が大きな関心となってきている。特に、硬質スプレーフォームの製造に於いては、フォ−ムの低密度化、流動性、表面の脆さ(フライアビリティー性)及びフォーム物性の改善の為に、独占的にCFC類が使用されてきたが、代替発泡剤を使用する技術が検討されている。
【0005】
発泡剤として従来使用してきたCFC類を削減し、水量を増加させると、フォームの初期反応の遅れ、横伸び性、硬化速度、成型性が悪化し、硬質フォ−ムの表面のフライアビリティ−性が大きくなり、接着強度等が著しく悪化する。また代替発泡剤として使用されているハイドロクロロロフルオロカーボン類(HCFC類)は、沸点が高い為、初期発泡の遅れ、硬化速度、接着性の悪化が起こる等の問題があった。
【0006】
また、製造物責任(PL)法やレスポンシブル・ケア(RC)に対応するため硬質スプレーフォームの難燃性の向上や安全性が重要視されてきている。
【0007】
スプレーフォームの難燃性を高めるため、特開平2−142816号公報にウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームの製造法が提案されているが、CFC類を削減し、水部数を増加させ、HCFC類等の代替発泡剤を使用した場合、スプレーフォームの初期反応の遅延化、液垂れ、横伸び現象が見られ、接着性が著しく悪化する。また、低温施工時や、比較的発泡厚みの薄いフォームの場合、発熱が不十分となり、初期反応の遅延とイソシアヌレート化が十分に進行しないため、2段発泡や横伸び現象が発現したり、被着体との接着強度が著しく低下する等の問題があり、CFC類を削減し、水量を増加した処方に適した触媒の開発が強く要求されている。
【0008】
硬質スプレーフォーム製造用触媒としては、従来、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン等の第3級アミン類と鉛系触媒が用いられてきた。また、イソシアヌレート化触媒としてカルボン酸のアルカリ金属塩類、金属アルコラート、金属フェノラート、金属水酸化物等の有機金属系触媒や第3級フォスフィン類、燐のオニウム塩化合物類等が用いられ、特に酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のアルカリ金属塩はイソシアヌレート反応を促進する触媒活性すなわちイソシアヌレート活性が高いことから広く使用されている。
【0009】
また、特開昭52−1784号公報に記載のヒドロキシアルキルトリメチル第4級アンモニウム2−エチルヘキサン酸塩類のように、テトラアルキルモノアミン系の第4級アンモニウム塩類が、イソシアヌレート活性が高いことから使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで用いられている硬質スプレーフォーム製造用触媒は、種々の問題点を有している。
【0011】
例えば、従来の第3級アミン類はスプレー発泡において強い臭気を有し、鉛系触媒と組み合わせても発泡の初期反応が悪く、硬化速度、接着性が悪化し、イソシアヌレートフォームの場合、イソシアヌレート化が十分進行しないため、フォームの燃焼性が悪化する等の問題があった。
【0012】
また、従来のカルボン酸アルカリ金属塩類やテトラアルキルモノアミン系の第4級アンモニウム塩類は、イソシアヌレート活性は比較的高いものの、初期反応が著しく遅く、発泡後半イソシアヌレート化が急激に進行するため、2段発泡プロファイルを示し、横伸び性、接着性等が悪化する。特に冬場でのフォーム施工では、外気温度及び施工対象面材の温度が低いため、更に初期反応が遅れるとともに硬化性及び接着強度が悪化し、低温ではイソシアヌレート化の進行も遅いため難燃性が悪化する問題があった。
【0013】
更に、従来のテトラアルキルモノアミン系の第4級アンモニウム塩類は、フォーム形成時に第4級アンモニウム塩の分解により、低揮発性のアミンが発生する等、著しく作業環境を悪化させたり、最終製品に悪臭を残す等の問題があった。
【0014】
これらの問題は、特にCFCを削減し水量を増加させた処方において、従来の触媒を使用した場合に著しく発現する問題点である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、公知の触媒のもつ様々な問題点を解決するために鋭意検討した結果、CFC類を削減し水量を増加させた硬質スプレーフォーム製造において、特殊な構造をもつ第4級アンモニウム塩類と第3級アミン類を主成分とする触媒組成物が、触媒臭気を改善し、フォームの初期の立ち上がり、横伸び性、硬化速度及び接着性等の低温施工性を著しく改善し、更にフォームの難燃性を改善するという優れた効果を持つことを見出し、本発明を完成するに到った。
【0016】
すなわち本発明は、ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質スプレーフォームを製造する方法において、触媒として少なくとも、
(a)下記一般式(1)で表される第3アミン類、
【0017】
【化2】
【0018】
(式中、A、Bは、各々独立して炭素数2又は3の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、nは、1〜3の整数を示す。また、R1、R2、R3、R4、R5は、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基であり、R1、R2、R3又はR3、R4、R5が結合し、ピペラジン環からなる複素環構造を構成しても良い。)
(b)上記一般式(1)で表される第3級アミン類の有機酸塩又は無機酸塩にアルキレンオキシド類を付加させて得られるモノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩、及び
(c)上記一般式(1)で表される第3級アミン類の有機酸塩又は無機酸塩にアルキレンオキシド類を付加させて得られるジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩
を含有する触媒組成物を使用することを特徴とする硬質スプレーフォームの製造法である。
【0019】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の方法においては、触媒として、
(a)上記一般式(1)で表される第3級アミン類、
(b)上記一般式(1)で表される第3級アミン類の有機酸塩又は無機酸塩にアルキレンオキシド類を付加させて得られるモノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩、及び
(c)上記一般式(1)で表される第3級アミン類の有機酸塩又は無機酸塩にアルキレンオキシド類を付加させて得られるジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩
を含有する触媒組成物が使用される。
【0021】
例えば、(a)が上記一般式(1)においてn=1の第3級アミン類である場合、(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩は、下記一般式(2)
【0022】
【化3】
【0023】
(式中、A、B、R1、R2、R3、R4、R5は上記と同義である。またR、R’は各々独立して水素、フェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Y-はアニオンを表す。)
及び/又は一般式(3)
【0024】
【化4】
【0025】
(式中、A、B、R1、R2、R3、R4、R5は上記と同義である。またR、R’は各々独立して水素、フェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Y-はアニオンを表す。)
により表される化合物である。また、(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩は、下記一般式(4)
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、A、B、R1、R2、R3、R4、R5は上記と同義である。またR、R’は各々独立して水素、フェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Y-はアニオンを表す。)
及び/又は一般式(5)
【0028】
【化6】
【0029】
(式中、A、B、R1、R2、R3、R4、R5は上記と同義である。またR、R’は各々独立して水素、フェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Y-はアニオンを表す。)
により表される化合物である。
【0030】
本発明の方法において使用される触媒組成物の製造法は、従来公知の方法であれば良く、特に限定されない。例えば、原料の上記一般式(1)で表される第3級アミン類の存在下に、有機酸又は無機酸を反応させ第3級アミン塩とした後、アルキレンオキシド類を反応させて製造することができるが、原料のモル比を変えることにより、限定された組成範囲の触媒組成物を調製することが出来る。本発明においては、触媒組成が重要であり、
(a)第3級アミン類1〜50重量%、
(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩29〜80重量%、及び
(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩5〜70重量%
の限定された組成範囲の触媒組成物が好ましいが、
(a)第3級アミン類1〜40重量%、
(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩39〜70重量%、及び
(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩5〜60重量%
の組成範囲の触媒組成物が更に好ましい。
【0031】
(a)第3級アミン類が50重量%以上の場合、触媒臭気が高く、フライアビリティー性、硬化速度、接着強度が悪化し、またヌレート活性が小さく難燃性が悪化する場合がある。また(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩が29重量%以下、又は(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩が70重量%以上の場合、発泡の初期反応が遅く、横伸び性、接着強度が悪くなるとともに、第4級アンモニウム塩の分子量が著しく大きくなり、重量当たりの触媒活性が低下するため、触媒使用量が増加し生産コストの上で不利益になる場合がある。
【0032】
本発明の方法において使用される触媒組成物を製造する場合の原料モル比は、特に限定されるものではないが、上記一般式(1)で表される第3級アミン類1モルに対して、有機又は無機酸及びアルキレンオキシド類が0.4〜2.0モルの範囲が好ましく、触媒活性、臭気、フォームの発泡プロファイル、流動性、接着強度、難燃性をバランス良く維持するために0.5〜1.8モルの範囲が更に好ましい。
【0033】
具体的には、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ペンタメチル(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン等のアミノ基が3個以上の第3級アミン類とアルキレンオキシド類、無機酸又は有機酸類から製造することができる。トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のアミノ基が2個以下の第3級アミン類から得られる第4級アンモニウム塩系触媒は、初期反応の遅延の改善に有効でなく、横伸び性、硬化速度、接着強度、難燃性等に悪影響を与える他、発泡時に分解して揮発性の高いアミン化合物を発生させる等、フォーム製造上好ましくない。
【0034】
本発明の方法において使用される触媒組成物を製造する際使用される有機酸又は無機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、カプリン酸、ステアリン酸、シアノ酢酸、ピルビン酸、安息香酸等のモノカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシ二酢酸、フマル酸、シュウ酸、マレイン酸、スベリン酸、ピメリン酸、グルタル酸、マロン酸、無水フタル酸、無水コハク酸等のジカルボン酸、ホウ酸、リン酸、ケイ酸等の無機酸等が挙げられ、アルキレングリコールホウ酸エステル塩等も含まれる。これらのうち、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸は、工業的に容易に入手可能であり、触媒活性、ヌレート活性が高く、接着強度、硬化速度、難燃性等のフォームの物性の改善にも優れるため、特に好ましい。
【0035】
また、本発明の方法において使用される触媒組成物を製造する際使用されるアルキレンオキシド類は、特に限定するものではないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドは、工業的に容易に入手可能であり、触媒活性、ヌレート活性が高く、接着強度、硬化速度、難燃性等フォーム物性の改善に優れるため、特に好ましい。
【0036】
本発明の方法において使用される触媒組成物の製造においては、反応溶媒として極性溶媒を使用することができる。
【0037】
極性溶媒としては、特に限定されるものではないが、水、エチレングルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等が好ましい。溶媒の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは触媒の全量に対して70%重量以下である。溶媒の量が70重量%を越えると、溶媒のグリコール類とイソシアネートとの反応が多量に進行するため、フォーム物性に悪影響を及ぼす。
【0038】
本発明の方法においては、触媒として、上記した触媒組成物とカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とを併用することができる。
【0039】
カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩としては、例えば、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、アジピン酸等の脂肪族モノ及びジカルボン酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族モノ及びジカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩等が挙げられる。これらのうち、特にカルボン酸のアルカリ金属塩が、触媒活性及びヌレート活性が比較的高いことから好ましく、更に好ましくは、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウムである。
【0040】
本発明の方法において、本発明の特徴を損なわない範囲で助触媒として、他の第3級アミン類、他の第3級アミン類の有機酸塩類、その他の第4級アンモニウム塩類やその他の有機金属化合物を使用して硬質イソシアヌレートフォームを製造することもできる。
【0041】
他の第3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第三級アミン化合物類、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチル−ビスアミノエチルエーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)N,N−ジイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン等のアルカノールアミン類やジメチルアミノプロピルアミン、ビスジメチルアミノプロピルアミン等の1級及び2級アミノ基を有するアミン化合物類等が挙げられる。これらのうち、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−メチルピペラジン等が、触媒活性が高く、初期反応の促進、流動性の改善にも優れるため、特に好ましい。
【0042】
また、本発明の方法において、前述の他の第3級アミン類の有機酸塩を本発明の触媒機能を失わない範囲で適宜使用できる。
【0043】
他の第3級アミン類の有機酸塩を製造する際使用される有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酢酸、吉草酸、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ステアリン酸、シアノ酢酸、ピルビン酸、安息香酸等のモノカルボン酸類、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシ二酢酸、フマル酸、シュウ酸、マレイン酸,スベリン酸,ピメリン酸,グルタル酸,マロン酸,無水フタル酸,無水コハク酸等のジカルボン酸類等が挙げられる。
【0044】
その他の第4級アンモニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラオクチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物類、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム酢酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム蟻酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム酢酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム蟻酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類等が挙げられるが、これらのうち、触媒活性及びヌレート活性が高いことから、テトラアルキルアンモニウム有機酸塩類が特に好ましい。
【0045】
その他の有機金属化合物としては、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらのうち、触媒活性が比較的高いことから、有機錫及び鉛触媒が好ましく、更に好ましくはスタナスジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキサン酸鉛である。
【0046】
本発明の方法において、上記触媒組成物の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し、通常0.01〜10重量部である。0.01重量部未満では、反応速度が遅すぎるため、硬化速度が遅く生産性の点で劣り、10重量部を越えると、反応速度、発泡速度が大きすぎてフォームの流動性が悪化し、高密度、成型性の悪化が見られる場合がある。
【0047】
本発明の方法において、触媒として、上記触媒組成物と有機鉛触媒及び/又はカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を併用することにより、フォームの低温接着性、横伸び性、硬化速度を損なわずに、初期反応の促進し、難燃性を向上することが可能となる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の使用量は、ポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し、0.1〜5.0重量部が発泡の初期反応、硬化速度、接着性のバランス上好ましい。また、有機鉛触媒の使用量は、ポリオールとイソシアネートの総量100重量部に対し、0.05〜0.5重量部が初期反応の促進、横伸び性、接着性、難燃性のバランス上好ましい。
【0048】
本発明の方法において、他の第3級アミン類、他の第3級アミン類の有機酸塩類、その他の第4級アンモニウム塩類やその他の有機金属化合物等の助触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、一般にポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し0.01〜5.0重量部である。
【0049】
本発明の方法において、上記触媒組成物を、前述したように単独で又は他の触媒と混合して用いてよいが、混合調製にあたっては、必要ならば溶媒として、水、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル又は1,4−ブタンジオール等が使用できる。溶媒の量は、特に限定されるものではないが、好ましくは触媒の全量に対して70重量%以下である。70重量%を越えると、溶媒とイソシアネートの反応が増すため、フォーム物性に悪影響を及ぼす。
【0050】
この様に調製された触媒は、ポリオールに直接添加して使用してもよいし、種々の触媒を別々にポリオールに添加して使用してもよく、特に限定されるものではない。
【0051】
本発明の方法において、ポリオールとしては、一般公知のポリエーテル、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ハロゲン含有ポリオール、リン含有ポリオール、フェノールベースポリオール又はそれらの混合物が使用される。
【0052】
公知のポリエーテルポリオールは、例えば、グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、シュークロース等の多価アルコール、アンモニア、ヒドラジンの他、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチエレントリアミン、N−アミノエチルピペラジン等の脂肪族又は環状アミン化合物、モノ−、ジ−、トリ−エタノールアミン等のアルカノールアミン化合物、トルエンジアミン、ジフェニルメタン−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物及び/又はこれらの混合物に、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加することにより得られる。
【0053】
ポリマーポリオールとしては、例えば、該ポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体、例えばブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等をラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオール等が挙げられる。
【0054】
ポリエステルポリオールは、通常、二塩基酸と多価アルコールより誘導される化合物、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸や無水フタル酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートから誘導される脂肪族又は芳香族ポリエステルポリオールが挙げられるが、ポリエチレンテレフタレート系廃棄物やジメチルテレフタレート系プロセス廃棄物より製造された芳香族ポリエステルポリオールも含む。また、ε−カプロラクトンやメチルバレロラクトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオールも挙げられる。
【0055】
ハロゲン含有ポリオールとしては、エピクロロヒドリンやトリクロロブチレンオキシドを開環重合して得られるものや多価アルコールを臭素化したものにアルキレンオキシドを付加して臭素化されたもの等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0056】
含リンポリオールは通常リン酸、亜リン酸、有機リン酸等にアルキレンオキシドを付加重合したものやポリヒドロキシプロピルホスフィンオキシドにアルキレンオキシドを付加したもの等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0057】
フェノールベースポリオールは、フェノールとホルマリンから得られるノボラック樹脂、レゾール樹脂にアルキレンオキシド類を反応させたポリオールやフェノール類とアルカノールアミン及びホルマリンとを反応したものにアルキレンオキサイド類を反応させたマンニッヒベースポリオール等が挙げられる。これらのうち好ましいポリオールは、アミン含有ポリエーテルポリオール及び/又は芳香族ポリエステルポリオールを含有するポリオールを使用するのが好ましい。ポリオール中のアミン含有ポリエーテルポリオール及び/又は芳香族ポリエステルポリオールの量は、30重量%以上が適当であり、更に好ましくは50重量%以上が、初期反応及びフォームの立ち上がりの促進、硬化速度、難燃性の向上の上でバランスが良い。
【0058】
更に、本発明で使用されるポリオールの平均水酸基価は、200〜800mgKOH/gが好ましく、200〜600mgKOH/gの範囲が接着性、横伸び性の改善に更に好ましい。
【0059】
本発明の触媒組成物を使用して硬質スプレーフォームを製造する際に用いることのできるポリイソシアネートは、公知のポリイソシアネートであれば良く、トルエンジイソシアネート(以下TDIと略す)、4,4’−又は4,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略す)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートやノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、又はそれらとポリオールとの反応による遊離イソシアネート含有プレポリマー、カルボジイミド変性等の変性ポリイソシアネート、更にはそれらの混合ポリイソシアネートを例示できる。これらのうち好ましくはTDIとその誘導体又はMDIとその誘導体であり、フォ−ムの難燃性を向上させるために、MDIとその誘導体が更に好ましい。TDIとその誘導体としては、2,4−TDIと2,6−TDIの混合物又はTDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体を挙げることができる。またMDIとその誘導体としては、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体、及び/又は末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体を挙げることができる。
【0060】
本発明の方法において、適用されるイソシアネートインデックス(イソシアネート基とOH基とのモル比×100)は、特に限定されるものではなく、通常80〜500の範囲であるが、更に好ましくは100〜300の範囲である。80未満では、フォーム強度が小さくフォームの寸法安定性が悪化し、ヌレート環の形成が少ないため、フォーム物性、難燃性の点で劣る場合があり、500を越えると難燃性は高いものの、未反応イソシアネート量が多く、フォームのフライアビリティー性が高く、接着強度が悪化し、横伸び性が悪化する場合がある。
【0061】
本発明の方法において、発泡剤としては少なくとも水を使用する。その使用量は、ポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し、通常、水0.2重量部以上であり、更に好ましくは、0.3〜5重量部である。水の使用量が多くなると、初期反応が遅くなり、低密度化が困難になるとともに、フォーム表面のフライアビリティ−性が大きくなり、面材との接着性が著しく劣る場合がある。また、初期の反応が遅れた後に、急激な反応が起こるため、横伸び性が高くなり、スプレーフォームの施工性が悪化することがある。
【0062】
また、本発明の方法においては発泡剤としてその他の発泡剤を併用してもよい。
【0063】
その他の発泡剤としては、公知の物理的発泡剤及び化学的発泡剤等であれば良く、特に限定されない。物理的発泡剤としては、例えば、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、塩化メチレン等の低沸点のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、シクロペンタン等の炭化水素類、エアー、窒素、二酸化炭素等の気体又は低温液体等が例示できる。公知の化学発泡剤としては、有機酸、硼酸等の無機酸類、アルカリ炭酸塩類、環状カーボネート類、ジアルキルカーボネートが挙げられポリウレタン樹脂成分と反応もしくは熱等により分解してガスを発生させるものが挙げられる。これらのうち好ましくは、オゾン破壊係数(ODP)、温暖化係数(GWP)の小さいHCFC−141b等のハイドロクロロフルオロカーボン類、HFC−134a,HFC−245、HFC−236、HFC−356、HFC−365等のハイドロフルオロカーボン類、ペンタン、シクロペンタン等のハイドロカーボン類であり、その使用量は、ポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し、ハイドロクロロフルオロカーボン類やハイドロフルオロカーボン類の場合、20重量部以下、ハイドロカーボン類の場合、10重量部以下である。
【0064】
本発明の方法において、必要に応じて整泡剤を添加することができる。整泡剤としては、公知の整泡剤であれば良く、例えばオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はこれらの混合物等が例示でき、その使用量は、ポリオールとポリイソシアネートとの総量100重量部に対して通常0.05〜5重量部である。
【0065】
本発明の方法において、必要であれば架橋剤もしくは鎖延長剤を添加することができる。架橋剤もしくは鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の低分子量の多価アルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子量のアミンポリオール又はエチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等のポリアミン等を挙げることができる。
【0066】
また必要に応じて、着色剤、難燃剤、老化防止剤その他公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は、通常使用される範囲で十分使用することができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、スプレー発泡の初期反応が促進され、フォームの発泡プロファイルやフォーム横伸び性が改善される。
【0068】
また、低温硬化において、硬化速度、フライアビリティー性に優れ、面材との接着強度などの低温施工性を改善するとともに、難燃性に優れるフォームの製造が可能となる。
【0069】
更に本発明の方法は、触媒の使用量が少なく、フォームの製造コストの低減に有効であり、得られた硬質イソシアヌレートフォームは、極めて臭気が小さく、フォーム製造工程において作業環境を著しく改善し、製造フォーム自身に悪臭を残さないという特徴を有する。
【0070】
【実施例】
以下、実施例、比較例に基づいて説明するが本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0071】
以下に述べる方法において、硬質スプレーフォームの初期の反応性(クリームタイム、ライズタイム及び白化時間)、フォームの硬化速度(フォーム表面のタックフリータイム)、フォーム接着性、フライアビリティー性、酸素指数、発煙性、臭気等を測定及び評価した。
【0072】
〜触媒量〜
表1〜表5に示すポリオール成分、整泡剤、発泡剤、難燃剤、触媒、ポリイソシアネート成分を原料とし200ccのポリエチレン製カップにフォーム原料を注ぎ(原料温度=10℃)、ホモディスパーにて7000回転2秒間撹拌混合する。反応速度(ゲルタイム)がポリウレタンスプレーフォームの場合7秒、イソシアヌレートスプレーフォームの場合10秒となる触媒部数にて以下のスプレー発泡を実施した。
【0073】
〜スプレー発泡〜
表1〜表5に示すポリオール成分、整泡剤、発泡剤、難燃剤、触媒、ポリイソシアネート成分を原料とし、40℃の液温として、8〜9℃のスレート板又はベニヤ板にガスマー社製 FF−1600を用いて厚さ約30〜50mmにスプレー発泡させ、以下の項目について測定及び評価した。
【0074】
<フリー密度>
ベニヤ板上に直接スプレー発泡させた蟻塚状フォームの中心部の密度を測定
<反応性>
クリームタイム;フォーミングの開始時間(秒)。
ライズタイム ;フォームの発泡最大高さに達した時間(秒)。
白化時間;下吹きスプレーした表面が白く変色した時間。低温面材に薄く下吹きスプレーした時の初期反応性を示す。
<硬化速度>
タックフリータイム;フォーム表面のべとつきがなくなった時間(秒)。
【0075】
<横伸び性>
発泡したフォームがスレート板の端からはみ出した距離(厚み換算)を以下の5段階基準で評価した。横伸び性が小さいものほど施工性が良く成形性に優れる。
1:殆どない 2:小さい 3:中程度 4:大きい 5:非常に大きい
<接着性>
発泡したフォームとスレート板との接着強度をアイコーエンジニアリング製のプッシュプルゲージAE−50型にて測定した。
<酸素指数>
酸素指数による燃焼試験方法は、ASTM D 2863D−74に準じて実施した。
<発煙性試験>
発煙性による燃焼性試験方法は、東洋精機製作所製の発煙性試験装置NBSを用いて実施した。試験方法は、有炎燃焼法により、発生する煙濃度のフォーム重量当たりの最大量(Dmax/g)より求めた。
<触媒及びフォームの臭気の評価>
10人のパネラーにより、各種触媒とスプレー発泡中の臭気を嗅いで、以下の評価基準で評価した。
大……全員強い臭気を感じる。
中……10人中4人以上の人が強い臭気を感じる。
小……10人中3人以下が弱い臭気を感じる。
【0076】
参考例1
N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン1.0モルにエチレングリコ−ル162g加え、2−エチルヘキサン酸を1.0モル加えてアミン塩としたのち、反応温度を40℃以下に保ちながら、プロピレンオキシド1.0モルを付加反応させて、アミン価312mgKOH/g,酸価0mgKOH/gの触媒組成物Aを得た。
【0077】
HPLC法で分析した結果、(a)第3級アミン10重量%、(b)モノヒドロキシルキル第4級アンモニウム塩65重量%、及び(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩25重量%からなる触媒組成物を70重量%含むエチレングリコール溶液であることが確認された。
【0078】
参考例2
N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン1.0モルにエチレングリコ−ル155g加え、2−エチルヘキサン酸を1.0モル加えてアミン塩としたのち、反応温度を40℃以下に保ちながら、エチレンオキシド1.0モルを付加反応させて、アミン価326mgKOH/g,酸価0mgKOH/gの触媒組成物Bを得た。
【0079】
HPLC法で分析した結果、(a)第3級アミン8重量%、(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩67重量%、及び(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩25重量%からなる触媒組成物を70重量%含むエチレングリコール溶液であることが確認された。
【0080】
参考例3
N,N,N’,N”,N””,N””−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン1.0モルにエチレングリコ−ル185g加え、2−エチルヘキサン酸を1.0モル加えてアミン塩としたのち、反応温度を40℃以下に保ちながら、プロピレンオキシド1.0モルを付加反応させて、アミン価360mgKOH/g,酸価0mgKOH/gの触媒組成物Cを得た。
【0081】
HPLC法で分析した結果、(a)第3級アミン11重量%、(b)モノヒドリキシアルキル第4級アンモニウム塩63重量%、及び(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩26重量%からなる触媒組成物を70重量%含むエチレングリコール溶液であることが確認された。
【0082】
参考例4
N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン1モルにエチレングリコ−ル127g加え、2−エチルヘキサン酸を0.6モル加えてアミン塩としたのち、反応温度を40℃以下に保ちながら、プロピレンオキシド0.6モルを付加反応させて、アミン価397mgKOH/g,酸価0mgKOH/gの触媒組成物Dを得た。
【0083】
HPLC法で分析した結果、(a)第3級アミン30重量%、(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩60重量%、及び(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩10重量%からなる触媒組成物を70重量%含むエチレングリコール溶液であることが確認された。
【0084】
参考例5
N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン1モルにエチレングリコ−ル213g加え、2−エチルヘキサン酸を1.6モル加えてアミン塩としたのち、反応温度を40℃以下に保ちながら、プロピレンオキシド1.6モルを付加反応させて、アミン価236mgKOH/g,酸価0mgKOH/gの触媒組成物Eを得た。
【0085】
HPLC法で分析した結果、(a)第3級アミン2重量%、(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩41重量%、及び(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩57重量%の触媒混合物を70重量%含むエチレングリコール溶液であることが確認された。
【0086】
実施例1〜実施例5
表1に示す配合により、触媒としては、上記参考例に示す触媒組成物A、B、C、D、Eを用いて硬質ポリウレタンスプレーフォームの調製を行った。
【0087】
その評価結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
表1から明らかなように、本発明の方法により、触媒活性が高く、初期反応(白化時間)及びフォームの立ち上がり(クリームタイム)を促進し、スムーズな発泡プロファイルを得ることが可能となった。また、タックフリータイムが速く、フォームの横伸び性が小さく、接着強度が高いことから、硬化速度が速いとともに低温施工性に優れるフォームを得ることが可能となった。更に本発明の触媒組成物は、低臭気であり、フォーム製造工程における作業環境を改善するものであった。
【0090】
比較例1〜比較例5
表2に示す配合に従い、従来の第3級アミン触媒やイソシアヌレート触媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の調製を行った。その評価結果を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
表2から明らかなように、従来の第3級アミン類やアルカリ金属塩を触媒として用いた場合、初期反応とフォームの立ち上がりが遅く、タックフリータイムも遅く、接着強度も低いことがら、低温での硬化性や施工性が悪いことを示す。
【0093】
実施例6〜実施例10
表3に示す配合により、触媒としては、上記参考例に示す第4級アンモニウム塩類と第3級アミン類との触媒組成物A,B,C,D,Eを用いて硬質イソシアヌレートスプレーフォームの調製を行った。その評価結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
表3から明らかなように、本発明の方法により、初期反応を促進し、初期のフォームの立ち上がりを改善するものであった。また、タックフリータイムが速く、フォームの横伸び性が小さく、接着強度が高いことから、硬化速度が速いとともに低温施工性に優れるフォームを得ることが可能となった。また、得られたフォームは、酸素指数が高く、発煙性が低いことから難燃性に優れるものであった。更に本発明の触媒組成物は、低臭気であり、フォーム製造工程における作業環境を改善するものであった。
【0096】
比較例6〜比較例8
表4に示す配合に従い、従来の第3級アミン類やイソシアヌレート触媒を用いたこと以外は、実施例6と同様の調製を行った。その評価結果を表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
表4から明らかなように、従来の第3級アミン類やイソシアヌレート触媒を用いた場合、初期反応、フォームの立ち上がり及びタックフリータイムが遅く、接着強度も低いことがら、低温での施工性が悪いものであった。また、得られたフォームの難燃性も悪いものであった。更に、比較例7の触媒は、発泡中の臭気が高く、得られたフォームにアミン臭気を残すものであった。
Claims (2)
- ポリオ−ルとポリイソシアネートを触媒、発泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下に反応させ、硬質スプレーフォームを製造する方法において、発泡剤として、水をポリオールとポリイソシアネートの総量100重量部に対し0.2重量部以上使用し、かつ触媒として少なくとも、
(a)下記一般式(1)で表される第3級アミン類1〜50重量%、
nは、1〜3の整数を示す。また、R1、R2、R3、R4、R5は、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基であり、R1、R2、R3又はR3、R4、R5が結合し、ピペラジン環からなる複素環構造を構成しても良い。)
(b)上記一般式(1)で表される第3級アミン類の有機酸塩又は無機酸塩にアルキレンオキシド類を付加させて得られるモノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩29〜80重量%、及び
(c)上記一般式(1)で表される第3級アミン類の有機酸塩又は無機酸塩にアルキレンオキシド類を付加させて得られるジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩5〜70重量%
を含有する触媒組成物を使用することを特徴とする硬質イソシアヌレートフォームの製造法。 - 触媒組成物が、(a)第3級アミン類1〜40重量%、(b)モノヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩39〜70重量%、及び(c)ジヒドロキシアルキル第4級アンモニウム塩5〜60重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の製造法。
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