JP3848598B2 - 鋳鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳鋼に関する技術分野に属し、特には、靱性および溶接性に優れ、かつ、耐火特性を有する鋳鋼に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
溶接構造に用いるもので、特に溶接性に優れた鋳鋼としては、JIS G 5102に規定される鋳鋼(溶接構造用鋳鋼)がある。この溶接構造用鋳鋼は、600 ℃での耐力は常温での耐力の約1/2であり、充分な耐火特性は有しておらず、耐火鋳鋼としては使用できない。
【0003】
従来、このような溶接構造用鋳鋼に耐火特性をもたせる方法として、Mo量を増量した組成にすることが開示されている(特開平07-188835 号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、Mo量を増量すると、Ceq(炭素等量)が上昇し、溶接性が阻害されるという問題点が生じてくる。そこで、必要な溶接性を確保しようとすれば、C量を低下させることとなる。しかし、Cは固液共存温度を広げる元素であるので、C量を低下させると、鋳鋼材の内部品質、特に引け巣の発生を助長することとなり、内部品質の確保が難しくなる。他の元素を低減すれば、多量に低下させる必要があり、常温での必要特性を満足させることが困難となってくる。(Ceq=C+Si/6+Mn/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14から考えれば、Cを低下させることが最も効果がある。)
【0005】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は、Mo量を増量することなく(換言すれば、JIS G 5102の成分範囲内において)、靱性および溶接性に優れ、かつ、耐火特性を有する鋳鋼を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る鋳鋼は、請求項1〜2記載の鋳鋼としており、それは次のような構成としたものである。
【0007】
即ち、請求項1記載の鋳鋼は、質量%で、C:0.12 %超 0.22 %以下、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.80〜1.30%、Ni:0.30〜2.20%、Cr:0〜0.35%(無添加の場合を含む)、Mo:0〜0.30%(無添加の場合を含む)、V:0.005 〜0.15%、W:0.30〜0.75%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳鋼である(第1発明)。請求項2記載の鋳鋼は、溶接構造用鋳鋼として用いられる請求項1記載の鋳鋼である(第2発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば次のような形態で実施する。
電気炉による溶解や高周波溶解炉による溶解により、C:0.12 %超 0.22 %以下、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.80〜1.30%、Ni:0.30〜2.20%、Cr:0〜0.35%、Mo:0〜0.30%、V:0.005 〜0.15%、W:0.30〜0.75%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼の溶湯を得、必要に応じて精錬(真空処理等含む)を実施した後に、これを所定の鋳型に注入し、鋳造する。そうすると、本発明に係る鋳鋼が得られる。
【0009】
上記鋳鋼は、所定の焼鈍および熱処理が施され、あるいは更に機械加工された後、所定の用途にて使用される。
【0010】
このような形態で本発明が実施される。以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0011】
本発明に係る鋳鋼は、前述の如く、質量%で、C:0.12 %超 0.22 %以下、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.80〜1.30%、Ni:0.30〜2.20%、Cr:0〜0.35%(無添加の場合を含む)、Mo:0〜0.30%(無添加の場合を含む)、V:0.005 〜0.15%、W:0.30〜0.75%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳鋼であり、この鋳鋼の組成、特に、W:0.30〜0.75%、Ni:0.30〜2.20%を含有することにより、Mo量を増量させずに、優れた靱性および溶接性を有すると共に優れた耐火特性を有することができる。
【0012】
即ち、本発明に係る鋳鋼は、JIS G 5102に規定される溶接構造用鋳鋼に対し、特には、Mo量を増量させず、新たにWを0.30〜0.75%添加すると共にNi量を0.30〜2.20%に調整した組成のものであり、このWの添加により耐火特性が向上して優れたものとなると共に、このNi量の調整により優れた靱性を確保することができ、また、溶接性の低下がなくて優れた溶接性を確保することができる。
【0013】
ここで、W量を0.30〜0.75%としているのは、0.30%未満にすると、耐火特性の向上の程度が小さく、耐火特性が不充分となり、0.75%超にすると、溶接性に悪影響があり、溶接性が低下して不充分となるからである。また、Wは高価な元素であり、大量の添加はコスト上昇を招くという点からも、W量の上限値を0.75%とした。
【0014】
Ni量を0.30〜2.20%としているのは、0.30未満にすると、靱性が低下し、優れた靱性を確保することができず、靱性が不充分となり、2.20%超にすると、JIS G 5102に記載のCeq(炭素等量)を満足させることが困難になり、ひいては、優れた溶接性を確保することが難しくなるからである。また、Niは高価な元素であり、大量の添加はコスト上昇を招くという点からも、Ni量の上限値を2.20%とした。
【0015】
本発明に係る鋳鋼において、不可避的不純物の種類は限定されず、場合によって異なるが、通常は不可避的不純物としてAl、Cu、P、S、N、O等が含まれている。これらの量は、場合によって異なるが、通常はAl:0.1 %以下、Cu:0.1 %以下、P:0.04%以下、S:0.04%以下、N:100ppm以下、O:100ppm以下である。
【0016】
本発明に係る鋳鋼において、これを引張強さ≧480MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 480 に相当する鋳鋼)として用いる場合、その組成については、C:0.16〜0.22%、Si:0.30〜0.60%、Mn:0.90〜1.30%、Ni:0.30〜0.50%、Cr:0〜0.50%(無添加の場合を含む)、Mo:0〜0.20%(無添加の場合を含む)、V:0.005 〜0.07%、W:0.30〜0.75%、残部:Feおよび不可避的不純物の組成とする。換言すれば、このような組成のものを選択すると、それは引張強さ≧480MPa級の鋳鋼となる。
【0017】
引張強さ≧550MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 550 に相当する鋳鋼)として用いる場合、C:0.14〜0.20%、Si:0.40〜0.60%、Mn:1.00〜1.30%、Ni:1.0 〜2.0 %、Cr:0〜0.50%(無添加の場合を含む)、Mo:0〜0.30%(無添加の場合を含む)、V:0.005 〜0.1 %、W:0.30〜0.75%、残部:Feおよび不可避的不純物の組成とする。即ち、このような組成のものを選択すると、引張強さ≧550MPa級の鋳鋼となる。
【0018】
引張強さ≧620MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 620 に相当する鋳鋼)として用いる場合、C:0.12 %超 0.16 %以下、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.90〜1.20%、Ni:1.80〜2.20%、Cr:0.15〜0.35%、Mo:0.05〜0.30%、V:0.05〜0.15%、W:0.30〜0.75%、残部:Feおよび不可避的不純物の組成とする。即ち、このような組成のものを選択すると、引張強さ≧620MPa級の鋳鋼となる。
【0019】
鋳鋼の耐火特性の指標として、一般的に、600 ℃での耐力が用いられる。この600 ℃での耐力が高いほど耐火特性が優れているとされる。耐火特性としては、この600 ℃での耐力が常温での耐力あるいは降伏点の規格値の下限値(規格下限値)の2/3以上であることが望まれる。例えば、引張強さ≧480MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 480 に相当する鋳鋼)の場合、600 ℃での耐力が275MPa(耐力の規格下限値)×2/3(=約183.3MPa)以上であることが望まれる。
【0020】
本発明に係る鋳鋼において、これを引張強さ≧480MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 480 に相当する鋳鋼)として用いる場合、前述のような組成とするが、これと共に下記 (1)式で求められるWeqが3.4 以上になるようにすると、600 ℃での耐力が常温での耐力(JIS G 5102でのSCW 480 の耐力の規格下限値:275MPa)の2/3以上となる。従って、このようにすることが、望ましい。
【0021】
Weq(%)=(Mn/6+Si/9+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14)×10
+(Mo+W+Cu/2) ----- (1)式
但し、上記 (1)式において、各元素記号は各元素含有量(質量%)である。
【0022】
本発明に係る鋳鋼において、これを引張強さ≧550MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 550 に相当する鋳鋼)として用いる場合、前述のような組成とするが、これと共に上記 (1)式で求められるWeqが3.8 以上になるようにすると、600 ℃での耐力が常温での耐力(JIS G 5102でのSCW 550 の耐力の規格下限値:355MPa)の2/3以上となる。従って、このようにすることが、望ましい。
【0023】
本発明に係る鋳鋼において、これを引張強さ≧620MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 620 に相当する鋳鋼)として用いる場合、前述のような組成とするが、これと共に上記 (1)式で求められるWeqが4.2 以上になるようにすると、600 ℃での耐力が常温での耐力(JIS G 5102でのSCW 620 の耐力の規格下限値:430MPa)の2/3以上となる。従って、このようにすることが、望ましい。
【0024】
本発明に係る鋳鋼は、溶接構造用鋳鋼として好適に用いることができる(第2発明)。また、溶接性および耐火特性が要求される用途に好適に用いることができる。さらに、優れた靱性および溶接性を有すると共に優れた耐火特性を有する鋳鋼として好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】
本発明の実施例及び比較例を以下説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0026】
高周波溶解炉にて原料を溶解し、次いで鋼の溶湯を鋳型[形状寸法:約100t×500w×390hと 60t×300w×230h(押湯を除いた形状)、材質:クロマイト砂で作製(バインダー:フラン)]に注入して鋳造する。これにより、種々の組成の鋳鋼を得た。これらの鋳鋼の組成を表1に示す。なお、表1においては、組成(成分)元素の含有量として、本発明に係る鋳鋼での必須成分元素であるC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、V、Wの含有量の他にCuの含有量も示している。これらの成分元素の他(残部)は、Feおよび不可避的不純物からなるものである。
【0027】
上記鋳鋼について熱処理[焼鈍として920 ℃×3Hr保持後→放冷、920 ℃×1Hr保持後→50℃/min の冷却速度でR.T.まで、600 ℃×6Hr保持後→放冷(昇温速度:いずれも80℃/Hr)]を施した後、引張試験片、シャルピー衝撃試験片、溶接性評価試験片を採取し製作した。そして、これらの試験片を用いて、常温(室温)での引張試験、シャルピー衝撃試験、600 ℃での引張試験、溶接性評価試験を行った。
【0028】
なお、引張試験片の形状及び寸法は、JIS Z 2201の14A号試験片、シャルピー衝撃試験片の形状及び寸法は、JIS Z 2202のVノッチシャルピー衝撃試験片のものとした。室温での引張試験は、JIS Z 2241に記載の方法により行った。600 ℃での引張試験は、JIS G 0567記載の方法(試験片形状:II-6形試験片)により行った。シャルピー衝撃試験は、JIS Z 2242に記載の方法により行った。
【0029】
溶接性評価試験片としては、JIS Z 3158に記載の試験片とし、t=50mm、g=2.0mm を採用した。溶接性評価試験の条件は、次の通りである。yスリット部の溶接方法:SMAW、溶接材料:(株)神戸製鋼所製LB-490FRφ4.0mm(耐火鋼用被覆アーク溶接棒)、棒乾燥条件:350 ℃×1Hr、試験雰囲気:50℃予熱では温度27℃,湿度53%、100 ℃予熱では温度24℃,湿度40%、溶接電流:170 A、運棒比:0.8(溶接長さ/溶接棒消耗長さ)、放置時間:48Hrである。
【0030】
上記試験の結果を表2に示す。表2からわかるように、本発明の実施例に係る鋳鋼と比較例に係る鋳鋼とを同一強度(引張強さ)級のもの同士で比較すると、本発明の実施例に係る鋳鋼は、比較例に係る鋳鋼に比較して、600 ℃での耐力が高くて耐火特性に優れ、また、シャルピー衝撃値が高くて靱性に優れている。また、yスリット割れ率は同等に低く、比較例に係る鋳鋼と同等に溶接性に優れている。
【0031】
即ち、比較例5の鋳鋼および実施例4の鋳鋼はいずれも引張強さ≧480MPa級の鋳鋼であり、両者を比較するに、実施例4の鋳鋼は比較例5の鋳鋼に比較して、600 ℃での耐力が非常に高くて耐火特性に極めて優れ、また、シャルピー衝撃値が著しく高くて靱性に極めて優れている。また、50℃でのyスリット割れ率は同等であり、比較例5の鋳鋼と同様に溶接性に優れている。
【0032】
比較例6の鋳鋼および実施例5の鋳鋼はいずれも引張強さ≧550MPa級の鋳鋼であり、両者を比較するに、実施例5の鋳鋼は比較例6の鋳鋼に比較して、600 ℃での耐力が非常に高くて耐火特性に極めて優れ、また、シャルピー衝撃値が高くて靱性に優れている。また、50℃でのyスリット割れ率は同等もしくはそれよりも低く、比較例6の鋳鋼と同等に溶接性に優れている。
【0033】
比較例1,2,3,7,8の鋳鋼および実施例1,2,3の鋳鋼はいずれも引張強さ≧620MPa級の鋳鋼である。この中、比較例2の鋳鋼および実施例2の鋳鋼は、Cr、Mo、Vの含有量において両者は同程度であり、両者を比較するに、実施例2の鋳鋼は比較例2の鋳鋼に比較して、600 ℃での耐力が著しく高くて耐火特性に極めて優れている。シャルピー衝撃値は同等である。また、50℃でのyスリット割れ率は同等であり、比較例2の鋳鋼と同等に溶接性に優れている。
【0034】
なお、比較例3はW上限を超えたために、yスリットの割れ率が非常に高い。比較例1は耐火特性を満足しているが、yスリットの割れ率が非常に高い。
【0035】
上記試験結果に基づき、引張強さ≧620MPa級の鋳鋼についてWの含有量と100 ℃におけるyスリット割れ率との関係、及び、Wの含有量と600 ℃における耐力との関係に関する図を作成した。この図を図1の(A)及び(B)に示す。この図1の(A)からわかるように、Wの含有量が増えると600 ℃での耐力が高くなり、W量:0.30%以上において600 ℃での耐力が充分な水準となり、さらにW量の増大に伴って600 ℃での耐力が高くなる。一方、図1の(B)からわかるように、Wの含有量が約0.50%以上に増えると100 ℃でのyスリット割れ率が高くなり、W量:0.75%超ではyスリット割れ率:20%超となるが、W量:0.75%以下に抑えればyスリット割れ率が充分に低く、充分な水準の溶接性が得られる。
【0036】
また、上記試験結果に基づき、引張強さ≧480MPa級の鋳鋼についてNiの含有量とシャルピー衝撃値との関係に関する図を作成した。この図を図2に示す。図2からわかるように、Niの含有量:約0.20%の場合、W添加せず(図中●印:比較例5)の場合に比べてW添加(図中■印:比較例4)の場合はシャルピー衝撃値は若干低下するが、Niの含有量を増やすことにより、シャルピー衝撃値を高くすることができ、Ni量:0.30%以上にするとシャルピー衝撃値が充分に高くなり、充分な水準の靱性を得ることができる。なお、図2において、Ni量:0.40%での■印は、実施例4の鋳鋼に係るデータのプロットに相当するものである。
【0037】
更に、上記試験結果に基づき、Weq(%)、即ち、(Mn/6+Si/9+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14)×10+(Mo+W+Cu/2)と600 ℃における耐力との関係に関する図を作成した。この図を図3に示す。図3に示すように、Weqが大きくなるに伴って600 ℃での耐力は高くなる。
【0038】
JIS G 5102でのSCW 480 、SCW 550 、SCW 620 の耐力の規格下限値は、それぞれ275MPa、355MPa、430MPaである。図3からわかるように、Weq:3.4 以上の場合、600 ℃での耐力はSCW 480 の耐力の規格下限値の2/3以上となる。Weq:3.8 以上の場合、600 ℃での耐力はSCW 550 の耐力の規格下限値の2/3以上となる。Weq:4.2 以上の場合、600 ℃での耐力はSCW 620 の耐力の規格下限値の2/3以上となる。
【0039】
これは、本発明に係る鋳鋼を引張強さ≧480MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 480 に相当する鋳鋼)として用いる場合、Weq:3.4 以上にすると、600 ℃での耐力が常温での耐力(JIS G 5102でのSCW 480 の耐力の規格下限値:275MPa)の2/3以上となり、耐火特性の点で特に望ましいことを示している。また、引張強さ≧550MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 550 に相当する鋳鋼)として用いる場合、同様の意味で、Weq:3.8 以上にすることが望ましく、更に、引張強さ≧620MPa級の鋳鋼(引張強さの面でJIS G 5102に記載のSCW 620 に相当する鋳鋼)として用いる場合、同様の意味で、Weq:4.2 以上にすることが望ましいことを示している。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る鋳鋼は、Mo量を増量させずに、優れた靱性および溶接性を有すると共に優れた耐火特性を有することができる。従って、Mo量の増量による場合のような問題点を生じることなく、優れた靱性および溶接性を有すると共に優れた耐火特性を有する鋳鋼として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例および比較例に係る鋳鋼のW量と100 ℃におけるyスリット割れ率および600 ℃における0.2%耐力との関係を示す図であって、図1の(A) はW量と100 ℃におけるyスリット割れ率との関係、図1の(B) はW量と600 ℃における0.2%耐力との関係を示す図である。
【図2】 実施例および比較例に係る鋳鋼のNi添加量と常温のシャルピ衝撃値との関係を示す図である。
【図3】 実施例および比較例に係る鋳鋼の(Mn/6+Si/9+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14)×10+(Mo+W+Cu/2)と600 ℃における0.2 %耐力との関係を示す図である。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.12 %超 0.22 %以下、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.80〜1.30%、Ni:0.30〜2.20%、Cr:0〜0.35%(無添加の場合を含む)、Mo:0〜0.30%(無添加の場合を含む)、V:0.005 〜0.15%、W:0.30〜0.75%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋳鋼。
- 溶接構造用鋳鋼として用いられる請求項1記載の鋳鋼。
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