JP3846831B2 - スルーホール充填材並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法。 - Google Patents

スルーホール充填材並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルーホール充填材(以下、単に「充填材」ともいう。)並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法に関する。本発明のスルーホール充填材は各種のプリント配線板に設けられたスルーホールの穴埋めに使用することができる。更に、本発明のプリント配線板はMPU用ICパッケージ等に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板を多層化する方法として、基板に設けられたスルーホールに穴埋めペースト等を充填し、硬化させ(以下、単に「穴埋め」ともいう。)、その後、この基板上に絶縁層と、回路となる導体層とを交互に積層する手法がある。このような場合、図2に示すように穴埋めペースト等を充填する際にマスク汚染を生じ、マスクを除去した際に印刷不良となることがある。
【0003】
また、基板上に形成された導体層を防錆するため、及び/又は導体層と樹脂等との密着性を向上させるために親油化処理が施されることがある。この親油化処理された基板のスルーホールに上記のように充填された充填材を加熱硬化すると、加熱硬化後のスルーホールの開口面に凹部を生じることがある。この凹部(特に20μmを越える凹部)は研磨後も残り穴埋め不良となる。
【0004】
特開平4−206402号公報には、スルーホールに充填する導電性ペースト組成物が開示されているが、この組成物をスルーホールに充填後、硬化させた硬化体中にボイドが形成されることを防止するためのものであり、スルーホールの開口面に凹部の形成を防止する本発明の目的とは異なる。また、上記公報には降伏応力については言及されていないことに加え、親油化処理された基板に充填すること、及びこのような基板において凹部の形成を防止することは全く考慮された技術ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するものであり、プリント配線板の穴埋め不良を防止するスルーホール充填材並びにこのスルーホール充填材を用いたプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1発明のスルーホール充填材は、基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成されている周縁導体層が親油化処理されている基板に設けられたスルーホールの穴埋めに用いられるスルーホール充填材であり、降伏応力を有し、且つずり速度1S −1 においての粘度が200Pas以上1000Pas以下であることを特徴とする。
【0007】
上記「基板」は、プリント配線板を構成し、通常、プリント配線板の中心層に設けられている。この基板には厚さ方向に貫通する「スルーホール」が設けられている。このスルーホールの開口端の周縁であり、スルーホールの形成された基板の外表面(表裏面)には「周縁導体層」(図3における31)が設けられている。また、通常、スルーホールの内壁面には上記基板の表面及び裏面の各々に形成された周縁導体層を導通するための壁面導体層(図3における32)が設けられている。スルーホールのアスペクト比(基板の厚さ/スルーホールの孔径)は特に限定されないが、通常、2〜4である。
【0008】
尚、周縁導体層及び壁面導体層は同材料により、且つ連続して形成され、周縁導体層及び壁面導体層が一体となっていてもよい。また、本発明において上記基板及び導体層等の材質は特に限定されない。また、プリント配線板の材質等も特に限定されない。
【0009】
上記「降伏応力を有する」とは、負荷される応力が無い場合及び弾性限界以下の場合は弾性体であり、負荷される応力が弾性限界及び弾性限界を越える場合は流体となり、更に、応力の負荷を除いた場合には再び弾性体に回復する性質を有することをいう。尚、この応力の負荷を除いた直後に降伏応力が発現する(弾性体に回復する)ものであっても、また、時間経過により降伏応力が発現するものであってもよい。更に、この降伏応力は時間経過により上昇するものであってもよい。
【0010】
この降伏応力を有する充填材は、スルーホールに充填する際にその内壁面に接触し、応力が負荷される部分は流動性を有することとなる。一方、内壁面に触れず、応力の負荷が無い又は小さい中央部は弾性体(流動性を有してもわずか)である。このため、充填時には充填材の中央部は芯の役目を果たし、基板の表面だけでなく裏面にもスルーホールの開口面から十分な高さの突出部を形成することができるものと考えられる。
【0011】
更に、充填後は充填材全体が弾性体に回復するために、形成された突出部を保持することができる。従って、充填材が加熱硬化時に軟化するものであっても、充填材の粘度低下を抑制することができ、凹部の形成を抑制することができるものと考えられる。この充填は従来通りにスクリーン印刷等の方法により行うことができ、更にマスク汚染及び印刷不良を防止することができる(図1及び2参照)。
【0012】
この降伏応力はどの様な方法により、その有無が判定されたものであってもよい。例えば、測定対象は異なるがJIS Z 8803に準じて判定することができる。即ち、共軸円筒回転粘度計等により、複数の所定のずり速度においてずり応力を測定する。この測定により得られたずり速度及びずり応力を前記(1)式(Herschel−Bulkley式)に代入し、最小二乗法及び最尤法等を使用して算出するs0の値が正の場合は降伏応力を有するものと判定し、負又は0の場合は降伏応力を有さないものと判定することができる。
【0013】
この他、低ずり速度(0.01〜0.1s-1程度)でずり応力を測定した場合に得られる測定時間−ずり応力曲線において極大値が認められる場合は降伏応力を有するものとし、これが認められない場合は降伏応力を有さないと判定することができる。
降伏応力を有する弾性体としては、ビンガム塑性体、非ビンガム塑性体及び降伏応力を有するチクソトロピー流体等を挙げることができる。
【0014】
また、上記降伏応力は第2発明のように、粘度計により複数の所定のずり速度においてずり応力を測定し、一定値となった後のずり応力を平衡ずり応力とし、各該ずり速度及び平衡ずり応力を前記一般式(1)に代入し、最小二乗法により算出する場合の降伏応力は50Pa以上(通常1000Pa未満)であることが好ましい。この降伏応力は100〜1000Paであることがより好ましく、200〜1000Paであることが特に好ましい。降伏応力が50Pa未満であると印刷不良及び凹部の形成を十分に抑制することができないことがあり好ましくない。
【0015】
本発明における降伏応力の測定には、測定対象は異なるがJIS Z 8803に準ずる方法を用いるものとする。更に、共軸円筒回転粘度計を使用するものとする。例えば、HAAKE社製、型式「VT550」、使用ローター「HV1−DINローター」等を使用することができる。また、複数の所定のずり速度とは0.5s-1、1.0s-1、3.0s-1、6.0s-1、10.0s-1の5点であるものとする。この各ずり速度においてずり応力を測定し、ずり応力の変動が無くなり、一定値に達した後にこのずり応力の値を平衡ずり応力として読みとるものとする。尚、充填材は温度23℃に保持する。
【0016】
また、第3発明のように、1時間静置後に、ずり速度0.05s-1で60秒間測定した場合の降伏応力は100Pa以上(通常、1000Pa以下、より好ましくは300〜1000Pa、更には500〜1000Pa)であることが好ましい。
本発明における降伏応力はずり応力の最大値である。この降伏応力は上記第2発明におけると同様に共軸円筒回転粘度計を用いて測定するものとするが、測定方法は異なる。この降伏応力が100Pa以上である場合、充填前の状態に関わらず、充填後1時間静置した後には負荷するずり応力が100Pa以上でなければ流体とすることができない弾性体であることを意味する。
【0017】
即ち、本発明の充填材はスルーホールに充填後、少なくとも1時間以内(より好ましくは10分〜60分、更には10分〜30分)に降伏応力が発現することが好ましい。言い換えれば1時間以内に弾性体に回復することが好ましい。上記好ましい時間の範囲内に弾性体に戻らなければ、実際の使用においては降伏応力を有することによる穴埋め不良を抑制する効果は得られにくい。従って、例えば基板のスルーホールに印刷後、加熱硬化工程を行う前1時間以内に充填材の降伏応力が100Pa以上(より好ましくは300Pa以上、更には500pa以上)に上昇していることが好ましい。
【0018】
本第4発明のスルーホール充填材は、粘度計により複数の所定のずり速度においてずり応力を測定し、一定値となった後のずり応力を平衡ずり応力とし、各該ずり速度及び平衡ずり応力を前記一般式(1)に代入し、最小二乗法により算出する場合の降伏応力は50Pa以上(通常1000Pa未満、より好ましくは100〜1000Pa、更には200〜1000Pa)であり、且つ、1時間静置した後に、ずり速度0.05s-1において60秒間ずり応力を測定した場合の降伏応力は100Pa以上(通常、1000Pa以下、より好ましくは300〜1000Pa、更には500〜1000Pa)であることが好ましい。
【0019】
本第4発明における降伏応力は、第2発明及び第3発明における降伏応力の両方を充足することが好ましい。
尚、上記「複数の所定のずり速度において」行う降伏応力の測定と、「1時間静置した後に、ずり速度0.05s-1において60秒間」行う降伏応力の測定は、その順序及び測定間隔等は限定されない。即ち、連続して測定を行っても、また非連続で測定を行ってもよい。
【0020】
本第5発明のスルーホール充填材は、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填材であって、スルーホールに充填後、加熱硬化させた後の該スルーホール充填材からなる硬化体(以下、スルーホールに充填後加熱硬化された硬化体を硬化体という。)は、スルーホールの基板表面側開口面及び基板裏面側開口面よりも基板外部側に各々突出部を有し、且つ上記両開口面よりも基板内部側に凹部は形成されない、又は形成される凹部の深さは20μm以下(より好ましくは10μm以下、更には5μm以下)であることを特徴とする。
【0021】
上記「基板」及び「スルーホール」は前記第1発明におけると同様である。本発明の充填材は応力の負荷されない状態では弾性体であるため、印刷時に所望の高さの充填材からなる突出部を形成することができる(図1参照)。従って、その充填材が加熱硬化時に軟化するものであれば、予めこの軟化により低下する突出部の高さを考慮して、充填材を調製することにより、常に加熱硬化後の硬化体はスルーホールの開口面よりも外表面側に突出する部分を有するものとすることができる。従って、研磨後は完全に平坦な基板を得ることができる。また、凹部が形成されたとしても20μm以下のものに留めることができる。この程度の凹部であれば問題なくこの基板上に積層を施すことができる。
【0022】
本発明のスルーホール充填材は、基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成されている周縁導体層が親油化処理されている上記基板に用いることができる
【0023】
上記「基板」、「スルーホール」及び「周縁導体層」は前記第1発明におけると同様である。
本発明の充填材は、更に、充填を行うスルーホールの周縁導体層が親油性処理が施されている場合に特に好適に用いることができる。親油化処理が施された基板に設けられたスルーホールに充填材を充填し、硬化させた場合、この穴埋め後のスルーホールの開口面に、スルーホール内部に向かって50〜300μmの凹部(穴埋め不良)が形成されることがある。加熱硬化させる過程で、軟化した充填材が周縁導体層の表面の樹脂に対する濡れ性が高いために、この周縁導体層を伝って急速に流れ出す(以下、この現象を「ブリードアウト」と言う。)ために、突出部の高さを超える凹部(図2参照)が形成され易くなるものと考えられる。
【0024】
上記「親油化処理」とは、基板に形成された導体層を防錆するため及び/又はその導体層上に積層される樹脂層との密着性を向上させるために施される処理等である。このような親油化処理は、通常、導体層表面をカップリング剤等により被覆することにより施される。
【0025】
このようなカップリング剤としては、シリコン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を挙げることができる。具体的には、シリコン系カップリング剤(シランカップリング剤)としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、イミダゾール系シラン化合物、ベンズイミダゾール系シラン化合物、ビストリアルコキシシリル化合物等を挙げることができる。
【0026】
また、チタン系カップリング剤としては、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、ヒドロキシビス(ラクトン)チタン、イソプロピルトリイソステアロルイルチタネート、イソプロピルトリ−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等を挙げることができる。
【0027】
この他、ジルコニウム系カップリング剤であるアセチルアセトントリブトキシジルコニウム、アルミニウム系カップリング剤である(アルキルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロピレート、バナジウム系カップリング剤であるバナジウムオキシアセチルアセトネート等も挙げることができる。これらの各カップリング剤は単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。また、こられ以外にも他の化合物が含有されてもよい。
【0028】
親油化処理により、周縁導体層表面の水に対する接触角は90度以上(更に93度以上、特に95度以上、通常120度以下)となることがある。この接触角は、温度20〜25℃、湿度40〜60%において接触角測定器により計測される角度である。また、その計測方法は以下の通りである。まず、被測定物の被測定面が水平となるように、平行器で調整する。この平行となった被測定面に、純水をその直径が1.5〜2mm(好ましくは2mm)となるように、極く静かに滴下又は付着させる。これにより形成された水滴と被測定面と大気との接触点から、水滴と大気との界面に接線をひく。この接線と被測定面とのなす角度のうち水滴を含む角度を、接触角測定器により読みとった値を接触角とする。
【0029】
通常、導体層として多く使用される金属銅表面において接触角を測定した場合、粗面化が施されていない導体層表面では70〜85度である。また、黒化処理等による粗面化が施された導体層表面では75〜90度である。更に、金属銅表面を溶出させる粗面化が施された導体層表面(微細な凹凸が形成された金属銅)では85〜100度である。
尚、通常、この粗面化及び親油化処理による接触角の変化は周縁導体層だけでなく壁面導体層にも同様に生じるものである。
【0030】
本発明の充填材は、このようなスルーホールに用いた場合であっても、十分な高さを有する突出部を形成することができるため、この高さを超える深さの凹部(図1における突出部内の凹部)は形成され難い。従って、研磨後は穴埋め不良のない平坦な基板を得ることができる。又は、凹部が形成されたとしても、その深さは20μm以下(より好ましくは10μm以下、更には5μm以下)に留めることができる。これは、本発明の充填材は弾性体であるために加熱による粘度の低下が小さくてすむことに起因するものと考えられる。
【0031】
本第1〜6発明の充填材は、エポキシ系樹脂、イミダゾール系硬化剤、フィラーを含有することが好ましい。エポキシ系樹脂は硬化収縮が少ないため好ましい。特に、芳香族系エポキシ系樹脂は耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れる。また、イミダゾール系硬化剤を用いることで耐熱性及び耐薬品性に優れた硬化体とすることができる。また、フィラーを添加することでエポキシ系樹脂の硬化収縮を更に低減すると共に、熱膨張率及び粘度特性を制御し易い。
【0032】
降伏応力は、樹脂の粘度特性、硬化剤の性状(固体又は液体等)、液状硬化剤の粘度特性、固形硬化剤の粒径及び形状等によって制御することができる。更に、フィラーの粒径、形状及び添加量、フィラー表面の性状、フィラー表面の微量吸着成分の種類及び量、フィラー表面の改質に用いるカップリング剤の種類及び量等によっても制御することができる。また、充填材に添加する微量添加剤(消泡剤、レベリング剤、界面活性剤等)の種類や添加量及び充填材の混練方法等によっても制御することができる。
【0033】
上記エポキシ系樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂及びテトラフェノールエタン型エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0034】
特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名;E−828、YL−980)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名;E−807、YL−983U)及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂等(品名;E−152)を使用することが好ましい。これらの樹脂のうちでもとりわけ低塩素化されたエポキシ系樹脂である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名;YL−980)及びビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名;YL−983U)の使用並びにフェノールノボラック型エポキシ樹脂等(品名;E−152)の使用が好ましい。上記低塩素化エポキシ系樹脂を使用することで、プリント配線板を高温多湿の環境下において使用した場合であっても、回路のショートを防止することができる。
尚、これらのエポキシ系樹脂は単独で用いても、また2種以上を混合して用いてもよい。更に、その他の化合物等により変性されていてもよい。また、上記で示した品名はいずれも油化シェルエポキシ社の商品名である。
【0035】
上記イミダゾール系硬化剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール(品名;2MZ)、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−n−ブチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール(品名;2PZ)、2−ウンデシルイミダゾール(品名;C11Z)、2−ヘプタデシルイミダゾール(品名;C17Z)、2−(2’−メチルイミダゾリル−4’)−ベンズイミダゾール、2−(2’−フェニルイミダゾリル−4’)−ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(品名;2P4MZ)、2−シアノイミダゾール、4−シアノイミダゾール、4−メチル−5−シアノメチルイミダゾール、2−メチル−4−シアノメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(2PZ−CN)、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(C11Z−CN)、2−フェニル−4−シアノメチルイミダゾール、4−シアノメチル−イミダゾール、4−アザベンズイミダゾール、2−ヒドロキシ−4−アザベンズイミダゾール、2−ヒドロキシメチル−4−アザベンズイミダゾール、2−メルカプト−4−アザベンズイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(品名;2PHZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(品名;2P4MHZ)等を挙げることができる。
【0036】
上記で挙げた硬化剤の中でも2−フェニル−4−メチルイミダゾール(品名;2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(品名;2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(品名;2P4MHZ)を使用することが特に好ましい。
尚、これらのイミダゾール系硬化剤は単独で用いても、また、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記で示した品名はいずれも四国化成工業株式会社の商品名である。
【0037】
また、エポキシ系樹脂と硬化剤との配合割合は、エポキシ系樹脂及び硬化剤の合計量を100重量部(以下、単に部という。)とした場合に、エポキシ系樹脂は90〜98部であり、硬化剤は2〜10部(より好ましくはエポキシ系樹脂は92〜97部、硬化剤は3〜7部)とすることが好ましい。エポキシ系樹脂の配合割合が98部を超えると、即ち、硬化剤の配合割合が2部未満であるとエポキシ系樹脂を十分に硬化させることができないため好ましくない。また、エポキシ系樹脂の配合割合が90部未満であると、即ち、硬化剤の配合割合が10部を超えると硬化体の耐熱性が低下し易いため好ましくない。
【0038】
上記フィラーとしてはシリカ、アルミナ等からなる無機フィラー、銅、ニッケル、鉄等からなる金属フィラー及びこれらの混合物等を使用することができる。これらのうちでも特に、シリカフィラーを使用することが好ましい。また、フィラーの粒径は、充填材の粘度及び充填材を硬化させた後の硬化体の機械的強度等を考慮して選択することが好ましく、通常0.1〜20μm(より好ましくは0.1〜10μm)であるものを使用することができる。このフィラーの粒径が20μmを超えると充填材をスルーホールに充填し難く、また、フィラーと樹脂の界面において割れが発生し易いため好ましくない。0.1μm未満であると飛散し易く取り扱いにくく好ましくない。このフィラーは充填材を100部とした場合に、25〜300部(より好ましくは60〜150部、更に好ましくは90〜130部)配合することが好ましい。
【0039】
この他、特に、表面張力を制御することのできる添加剤を添加することができる。このような添加剤としては親水性及び疎水性の化合物を同時に含有する添加剤、親水性モノマーと疎水性モノマーとのブロック重合部を有する重合体添加剤等を挙げることができる。具体的には界面活性剤及び消泡剤等を挙げることができる。これらの添加剤の添加量はその種類及びその他の要因により大きく変化するため特に限定されない。
【0040】
このような材料から調製される本発明の充填材によると、スルーホールの開口面から30μm以上(通常200μm以下、より好ましくは50〜200μm、更には100〜200μm)の高さの突出部を形成することができる。更に、この基板を加熱硬化した後であっても、スルーホールの開口面からの突出部は10μm以上(通常200μm以下、より好ましくは20〜100μm、更には40〜100μm)の高さを保持することができる。更に、通常この突出部の高さを越える深さの凹部は形成されない。また、この突出部の高さを越える凹部が形成された場合であっても、その深さは20μm以下(より好ましくは10μm以下、更には5μm以下)である。
【0041】
また、本第7発明のプリント配線板は、基板に設けられたスルーホールと、該基板の外表面であり且つ該スルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層と、を備えるプリント配線板において、該周縁導体層は親油化処理されており、該スルーホールの内部は請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填材からなる硬化体により構成されており、且つ該スルーホールの基板表面側開口面及び基板裏面側開口面よりも基板内部側に凹部は形成されていない、又は形成される凹部の深さは20μm以下(より好ましくは10μm以下、更には5μm以下)である基板を備えることを特徴とする。
【0042】
上記「プリント配線板」、「基板」、「スルーホール」、「周縁導体層」、「スルーホール充填材」の各々は前記、第1乃至第6発明におけると同様である。通常、このようなプリント配線板は図3に示すような構造を有する。即ち、基板1に設けられたスルーホールの周縁及び内壁面には周縁導体層31及び壁面導体層32を有し、このスルーホールは本第1乃至第6発明の充填材からなる硬化体22により構成される。また、周縁導体層表面には、更に層間絶縁層4が積層される。この層間絶縁層の表面には、更に導体層3が形成される。この導体層3の表面には、更にソルダーレジスト層5が形成される。尚、層間絶縁層及び導体層は基板の表裏面に2層以上形成されていてもよい。但し、ソルダーレジスト層は最外層にのみ形成される。
【0043】
また、このプリント配線板は、周縁導体層に前記と同様の親油化処理が施されている場合であっても、更に、その親油化処理によって水に対する接触角が90度以上(更には93度以上、特に95度以上)であっても、前記の理由からスルーホールを第1乃至第6発明に記載の充填材で充填し、加熱硬化させた場合は穴埋め不良を防止することができる。これにより基板上には良好な積層を施すことができる。従って、高温多湿の環境下であっても、クラック、剥がれ及び湾曲等を生じることのない高い信頼性を有するプリント配線板とすることができる。尚、このプリント配線板は多層プリント配線板だけでなく、両面プリント配線板等であってもよい。
【0044】
本第8発明のプリント配線板の製造方法は、基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層の表面を親油化処理する工程、親油化処理された該基板に設けられたスルーホールに、該スルーホールの基板表面側開口面及び基板裏面側開口面よりも基板外部側に各々突出部が形成されるように請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填材を充填する工程、充填された該スルーホール充填材を加熱硬化する工程、該基板表面側開口面及び該基板裏面側開口面よりも基板外部側に各々突出する該スルーホール充填材からなる硬化体の突出部を研磨し、上記両開口面よりも基板内部側に、凹部は形成されない、又は形成される凹部の深さは20μm以下(より好ましくは10μm以下、更には5μm以下)である基板を得る工程、の各工程を順次備えてプリント配線板を得ることを特徴とする。
【0045】
上記「基板」、「スルーホール」及び「親油化処理」は前記第1〜第6発明におけると同様である。本発明の製造方法によると、親油化処理された基板に設けられたスルーホールであっても、前記第5発明のように十分な高さの突出部を形成することができる。そのため加熱硬化後も少なくともスルーホールの開口面よりも基板内部側に凹部は形成され難く、この基板を研磨した後は完全に平坦化された基板を得ることができる。また、凹部が形成されたとしても20μm以下のものに留めることができる。この程度の凹部であれば問題なくこの基板上に積層を施すことができ、実用上問題のないプリント配線板を得ることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例
(1)充填材の調製
表1に示すエポキシ系樹脂、硬化剤、フィラー及び添加剤を、表1に示す量比で3本ロールミルによって混合し、十分に分散させ、実施例1〜6及び比較例1〜3のスルーホール充填材を調製した。
【0047】
【表1】
Figure 0003846831
【0048】
但し、表1において、
▲1▼エポキシ系樹脂
E−A;低塩素型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「YL−980」
E−B;低塩素型ビスフェノールF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「YL−983U」
E−C;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「E−152」
【0049】
▲2▼硬化剤
K−A;2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2P4MZ」
K−B;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2E4MZ−CN」
【0050】
▲3▼フィラー
F−A;シリカフィラー、株式会社龍森製、商品名「SOC2」(平均粒径0.5μm)
F−B;シリカフィラー、株式会社龍森製、商品名「SOC1」(平均粒径0.2μm)
▲4▼添加剤
AD;シリコーン系添加剤、共栄社化学株式会社製、商品名「グラノール」
尚、表1において*は本第1発明の範囲外であることを表す。
【0051】
(2)降伏応力の有無及び測定
▲1▼粘度計(HAAKE製、形式「VT550」ローター形式「HV1−DINローター」)の所定位置に実施例1〜6及び比較例1〜3の各々の充填材をセットした。その後、JIS Z 8803に従い測定条件の調整を行った。次いで、温度23℃、ずり速度0.5、1、3、6、10s-1の各速度において1分間測定を行った。各々のずり速度において、ずり応力が平衡状態に達した時のずり応力及び粘度値を読みとり、表2に記した。
【0052】
▲2▼縦軸をずり応力、横軸をずり速度として▲1▼で得られた測定値をプロットし、近似曲線を作図し、近似的な平衡流動曲線を得た。各充填材の測定値には各々の近似的な平衡流動曲線から大きく外れる値は認められないことを確認した。次いで、▲1▼で得られた測定値を前記(1)式に代入し、式中s0を最小二乗法により算出し、この値を降伏応力とした。但し、s0が負となった場合は降伏応力は無いものとする。この結果を表2に併記する。
【0053】
【表2】
Figure 0003846831
【0054】
(3)1時間静置後の降伏応力の測定
(2)と同様の粘度計の所定位置に実験例1〜6及び比較例1〜3の充填材を各々セットし、このまま1時間静置した。その後、23℃において、ずり速度0.05s-1で60秒間測定を行った。測定された最大のずり応力を1時間静置後の降伏応力として表2に記した。但し、この測定においてずり応力の極大値が得られなかった充填材については表2中に「−」と記した。
【0055】
(4)基板の導体層表面の処理及び接触角の測定
以下の2種類のうちのいずれかの処理を基板に施し、周縁導体層の接触角を測定した。接触角は接触角測定器(協和界面科学株式会社製、商品名「CA−A」)により測定した。また、その方法は付属の説明書に従い行った。
▲1▼黒化処理を施した後の周縁導体層の接触角
エポキシ系樹脂製の基板を75℃のNaClO2水溶液に5分間浸漬し、導体表面を粗面化した。この黒化処理を施した周縁導体層(周縁導体層の表面は酸化銅である。)の接触角を測定したところ87度であった。
▲2▼防錆処理(親油化処理)を施した周縁導体層の接触角
基板の導体表面を市販のマイクロエッチング液によって粗面化した後、更に、付属の防錆液に1分間浸漬して防錆処理を施した。この処理を施した周縁導体層の接触角を測定したところ101度であった。
【0056】
(5)各充填材の充填及び突出高さの評価
(1)で調製した実施例1〜6及び比較例1〜3の充填材を、黒化処理又は防錆処理が施されたエポキシ樹脂製の基板に設けられたスルーホールに各々印刷機により充填した。印刷方法は基板の表裏面にメタルマスク(表面マスク層の厚さ200μm、裏面マスク層の厚さ500μm)を形成し、基板の表裏面から充填材が突出するように印刷を行った。このようにして得られた基板に充填された充填材の状態を測定顕微鏡により観察し、その充填材の突出部の高さを測定した。この結果を表2に併記する。但し、表2における「○」は、印刷時に基板の表裏面共に100μmを越える突出部を形成することができた充填材を示す。また、「△」は、基板の表裏面共に50〜100μmの突出部を形成することができた充填材を示す。更に、「×」は、基板の表裏面共に50μm以上の突出部を形成することができなかった充填材、及び基板の表裏面共にマスク汚染を生じた充填材を示す。
【0057】
(6)加熱硬化
(5)で充填材を充填した各基板を、温度120℃で20分間加熱した後、更に、150℃で5時間加熱した。このようにして得られた基板の硬化体の状態を測定顕微鏡により観察し、その加熱硬化後の突出部の高さを評価した。この結果を表2に併記する。
【0058】
但し、表2における硬化体の突出部の高さにおいて「○」は、基板の表裏面共に40μmを越える突出部を保持することができた充填材を示す。また、「△」は、基板の表裏共に20〜40μmの突出部を保持することができた充填材を示す。更に、「×」は、基板の表裏共に20μm以上の突出部を保持することができなかった充填材を示す。
【0059】
尚、突出部内に凹部を生じた場合(図1参照)は、加熱硬化後の突出部の高さから、突出部内に形成された凹部の深さを差し引いた距離を硬化体の突出部の高さとして示した。この突出部内に形成された凹部の深さが、硬化体の突出部の高さよりも小さい場合、基板を研磨した後には完全に平坦な穴埋めを達することができる。
【0060】
(7)
(6)で得られた基板をの表面をベルトサンダーにより荒研磨した。その後、バフ研磨により基板表面を平坦化した。その後、(6)と同様にして測定顕微鏡により穴埋めされたスルーホールの開口面の表面を観察し、穴埋め不良の有無及びその深さを計測した。この結果を表2に併記する。尚、「◎」は、穴埋め不良が認められない充填材を示す。また、「○」は0〜10μmの穴埋め不良が認められる充填材を示す。更に、「△」は10〜20μmの穴埋め不良が認められる充填材を示す。また、「×」は20μmを越える穴埋め不良が認められる充填材を示す。この穴埋め不良は、通常20μm以下であると積層は実質的に影響なく行うことができる。
【0061】
表2の結果より、実施例1〜6のように降伏応力を有する充填材では、粘度の大きさに関わらず実用上問題ない程度に十分な穴埋めを達することができた。特に、降伏応力が70Pa以上である充填材においては加熱硬化後も40μm以上の高さの突出部を保持することができることが分かる。また、これは基板表面の状態に関わらずいずれの基板においても完全な平坦化を達することができた。これに対して、比較例3では突出部の高さを上回る、突出部内の凹部が形成されたために基板の研磨後に穴埋め不良を生じた。
【0062】
また、1時間静置後の降伏応力が250Pa以上である充填材においては、その粘度に関わらず加熱硬化後も高さ40μm以上の突出部を保持することができ、同時に、突出部内に形成された凹部も10μm以下に抑えることができた。更に、1時間静置後の降伏応力が550Pa以上である充填材においては、突出部内の凹部の形成はほとんど認められず、加熱硬化後も十分な高さの突出部を保持することができたために特に良好な充填を行うことができることが分かる。
【0063】
【発明の効果】
本第1発明によると、少なくとも周縁導体層が親油化処理されている基板において、マスク汚染及び印刷不良を生じず、スルーホールの開口面から十分な高さの突出部を形成することのできる充填を行うことができる。更に、基板の表面状態に関わらず、加熱硬化後もこの突出部の高さを保持することができ、研磨後は完全に平坦化された基板を得る、又は凹部が形成されたとても20μm以下の深さに留めることのできるスルーホール充填材が得られる。第2乃至第発明によると、特に、優れた基板を形成することのできるスルーホール充填材を得る。また、第7発明によるとスルーホールの完全に平坦化された基板、又は凹部が形成されたとても20μm以下の深さに留めた基板を備えるプリント配線板を得ることができる。更に、第8発明によると第7発明のプリント配線板を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明品の充填材を使用した場合の各工程後における基板の状態を模式的に説明する説明図である。
【図2】 比較品の充填材を使用した場合の各工程後における基板の状態を模式的に説明する説明図である。
【図3】 本発明のプリント配線板を模式的に説明する説明図である。
【符号の説明】
1;基板、21、充填材、22;硬化体、3;導体層、31;周縁導体層、32;壁面導体層、4;層間絶縁材、5;ソルダーレジスト。

Claims (8)

  1. 基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成されている周縁導体層が親油化処理されている基板に設けられたスルーホールの穴埋めに用いられるスルーホール充填材であり、降伏応力を有し、且つずり速度1S −1 においての粘度が200Pas以上1000Pas以下であることを特徴とするスルーホール充填材。
  2. 粘度計により複数の所定のずり速度においてずり応力を測定し、一定値となった後のずり応力を平衡ずり応力とし、各該ずり速度及び該平衡ずり応力を下記一般式(1)に代入し、最小二乗法により算出する場合の上記降伏応力は50Pa以上である請求項1記載のスルーホール充填材。
    S=s+μD (1)
    (但し、Sは平衡ずり応力(Pa)、Dはずり速度(s−1)、sは降伏応力(Pa)、μは粘性係数、nは粘度指数を表す。)
  3. 1時間静置した後に、粘度計によりずり速度0.05s−1において60秒間測定した場合の上記降伏応力は100Pa以上である請求項1記載のスルーホール充填材。
  4. 粘度計により複数の所定のずり速度においてずり応力を測定し、一定値となった後のずり応力を平衡ずり応力とし、各該ずり速度及び該平衡ずり応力を下記一般式(1)に代入し、最小二乗法により算出する場合の上記降伏応力は50Pa以上であり、且つ、1時間静置した後に、ずり速度0.05s−1において60秒間測定した場合の上記降伏応力は100Pa以上である請求項1記載のスルーホール充填材。
    S=s+μD (1)
    (但し、Sは平衡ずり応力(Pa)、Dはずり速度(s−1)、sは降伏応力(Pa)、μは粘性係数、nは粘度指数を表す。)
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填材であって、スルーホールに充填後、加熱硬化させた後の該スルーホール充填材からなる硬化体は、スルーホールの基板表面側開口面及び基板裏面側開口面よりも基板外部側に各々突出部を有し、且つ上記両開口面よりも基板内部側に凹部は形成されない、又は形成される凹部の深さは20μm以下であることを特徴とするスルーホール充填材。
  6. エポキシ系樹脂、イミダゾール系硬化剤、及びフィラーを含有する請求項1乃至5のいずれかに記載のスルーホール充填材
  7. 基板に設けられたスルーホールと、該基板の外表面であり且つ該スルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層と、を備えるプリント配線板において、該周縁導体層は親油化処理されており、該スルーホールの内部は請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填材からなる硬化体により構成されており、且つ該スルーホールの基板表面側開口面及び基板裏面側開口面よりも基板内部側に凹部は形成されていない、又は形成される凹部の深さは20μm以下である基板を備えることを特徴とするプリント配線板。
  8. 基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層の表面を親油化処理する工程、親油化処理された該基板に設けられたスルーホールに、該スルーホールの基板表面側開口面及び基板裏面側開口面よりも基板外部側に各々突出部が形成されるように請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填材を充填する工程、充填された該スルーホール充填材を加熱硬化する工程、該基板表面側開口面及び該基板裏面側開口面よりも基板外部側に各々突出する該スルーホール充填材からなる硬化体の突出部を研磨し、上記両開口面よりも基板内部側に、凹部は形成されない、又は形成される凹部の深さは20μm以下である基板を得る工程、の各工程を順次備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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