JP3776621B2 - スルーホール充填用ペースト並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

スルーホール充填用ペースト並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルーホール充填用ペースト並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法に関する。更に詳しくは、スルーホールにスルーホール充填用ペーストを充填し、加熱硬化させた後に、スルーホールの開口面に凹部が形成されることを防止することができるスルーホール充填用ペーストに関する。更に、ゲル化乃至硬化することなく使用することができる時間(以下、単に「可使時間」ともいう。)が十分に長く、硬化させた後は高い耐熱性を有する硬化体となるスルーホール充填用ペーストに関する。また、このようなスルーホール充填用ペーストを使用することで、スルーホールの開口面に凹部が形成されないため、密着性及び耐久性に優れたプリント配線板及びその製造方法に関する。本発明は、スルーホールが形成された基板の外表面であり且つスルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層に、樹脂との密着性を向上させるための防錆処理等の親油化処理が施されている場合に、特に有用である。また、このスルーホール充填用ペーストを用いたプリント配線板は、MPU用ICパッケージ等に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
電気、電子機器等の小型化に伴い、搭載される回路もより小型化、高密度化が促進され、プリント配線板の多層化が多く行われる様になった。このプリント配線板を多層化する方法として、基板に設けられたスルーホールに樹脂を充填し、硬化させ、その後、この基板上に絶縁層と、回路となる導体層とを交互に積層する手法がある。
このような手法を用いる場合、基板に形成された銅めっき及び銅箔等からなる導体層の表面に粗面化処理を施した後に、この導体層上に積層される層間絶縁層及びソルダーレジスト層等との密着性を向上させるため、或いは、発錆を防止するための親油化処理が施こされることがある。これにより、導体表面と、層間絶縁材及びソルダーレジスト等に含まれる樹脂との密着性及び濡れ性が向上し、回路の多層化、高密度化を安定して行うことができるようになる。
【0003】
しかし、この親油化処理が施された基板に設けられたスルーホールに、従来より使用されているスルーホール充填用ペーストを充填し、硬化させた場合、このスルーホールの開口面に、スルーホール内部に向かって20〜300μmの凹部が形成されることがある。この凹部が形成されたまま、基板に積層を施した場合、凹部上の積層部にクラック、剥がれ等が発生し易いという問題がある。
これまで、この凹部が形成される原因は、樹脂成分の硬化収縮、又は、揮発成分の揮発による体積減少であると考えられてきた。このため、硬化収縮の少ない樹脂を用いたり、溶剤を用いないペースト等の使用が試みられたが、凹部の形成を十分に防止することはできていない。
【0004】
また、特開平8−83971号公報、特開平10−75027号公報、特開平10−200265号公報、特開平10−209615号公報、特開平10−224034号公報等には、プリント配線板に用いる穴埋めインク及び樹脂充填材、並びにこれらを用いたプリント配線板が開示されている。しかし、これらはいずれも親油化処理された基板に設けられたスルーホールに使用することを想定している技術ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するものであり、特に、スルーホール周縁に樹脂等に対する濡れ性が高い導体層が形成されている場合であっても、スルーホール充填用ペーストを充填し硬化させた後のスルーホールの開口面に凹部が形成されることを防止することができるスルーホール充填用ペースト並びにそれを用いたプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スルーホールにスルーホール充填用ペースト(以下、単にペーストともいう。)を充填した後、加熱硬化させる過程で、軟化したペーストが周縁導体層の表面の樹脂に対する濡れ性が高いために、この周縁導体層を伝って急速に流れ出す(以下、この現象を「ブリードアウト」と言う。)ために、凹部(図1におけるD)が形成されることを見い出し、この知見に基づきなされたものである。
【0007】
更に、ペーストを硬化させるために加熱し始めてから、ブリードアウトしなくなる程度の粘度にまでゲル化乃至硬化する時間を短くすることで、このブリードアウトを防止することができるものと考えられる。しかし、単にペーストのゲル化乃至硬化までに要する時間を短くするために、高い活性を有する硬化剤を使用した場合、同時に可使時間は短くなる。可使時間が短いと、作業性及び量産する場合の効率性において大きな不利となる。従って、可使時間を長くするために硬化開始温度は高く、且つ、硬化を開始してからブリードアウトしない程度の粘度にまで急速に硬化するペーストであることが好ましい。即ち、硬化開始温度と発熱ピーク温度の差が小さいペーストであることが好ましい。また、同時にこのペーストからなる硬化体は高い耐熱性を必要とする。本発明はこれら全ての要件を同時に満たすものである。
【0008】
本発明のスルーホール充填用ペーストは、プリント配線板に用いられるスルーホール充填用ペーストであって、エポキシ系樹脂及び20〜25℃において固体のイミダゾール系硬化剤を含有し、示差走査熱量計により10℃/分の速度で昇温させた場合の発熱曲線から求められる硬化開始温度と、発熱ピーク温度との温度差が7℃以下であり、且つ上記スルーホール充填用ペーストからなる硬化体のガラス転移温度は170℃以上であることを特徴とする。
【0009】
上記「プリント配線板」は、その中心層に「基板」を備える。この基板には厚さ方向に貫通する「スルーホール」が設けられている。このスルーホールの開口端の周縁であり、スルーホールの形成された基板の外表面には「周縁導体層」(図1における31)が設けられている。また、通常、スルーホールの内壁面には壁面導体層(図1における32)が設けられている。この壁面導体層は、周縁導体層を含む基板の表裏又はプリント配線板内等に設けられた導体層同士を導通させる機能を有する。このスルーホールの、アスペクト比(基板の厚さ/スルーホールの孔径)は、特に限定されないが、通常、2〜4である。
尚、周縁導体層及び壁面導体層は同材料により、且つ連続して形成され、周縁導体層及び壁面導体層が一体となっていてもよい。また、本発明において上記基板及び導体層等の材質は特に限定されない。また、プリント配線板の材質等も特に限定されない。
【0010】
上記「発熱曲線」は、「示差走査熱量計」を用いた示差走査熱量測定(以下、単にDSCともいう。)により得られる。この測定は、測定対象は異なるがJIS K 7121に準じて行うものとする。これにより加熱温度と硬化温度の相関等の諸特性を評価することができる。JIS K 7121に言う試験片は、本発明においてはペーストである。従って、「試験片の状態調節」、「試験片」はそれぞれ「ペーストの状態調節」、「ペースト」と言うことができる。ペーストの状態調節は、原則として、温度23±2℃及び相対湿度50±5%において6〜8時間静置して行い、熱処理等は一切行わない。また、ペーストはペースト状のまま測定するため、寸法に関する規定はない。
【0011】
上記「硬化開始温度」は、JIS K 7121に規定された補外融解開始温度の求め方に準じて算出するものとする。即ち、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、発熱ピークの低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点の温度を硬化開始温度とする。但し、JIS K7121では吸熱曲線であるのに対し、本発明では発熱曲線となる。
【0012】
上記凹部の形成は、硬化開始温度に影響される他、発熱ピーク温度にも影響される。この発熱ピーク温度は、JIS K 7121に規定された融解ピーク温度の求め方に準ずるものとする。即ち、発熱曲線の発熱ピークの頂点の温度を発熱ピーク温度とする。但し、JIS K7121では吸熱曲線であるのに対し、本発明では発熱曲線となる。
【0013】
更に、凹部の形成は、硬化開始温度と発熱ピーク温度との温度差によっても影響される。
【0014】
発明のスルーホール充填用ペーストは、示差走査熱量計により10℃/分の速度で昇温させた場合の発熱曲線から求められる硬化開始温度と、発熱ピーク温度との温度差が7℃以下であり、且つ上記スルーホール充填用ペーストからなる硬化体のガラス転移温度は170℃以上である。
【0015】
本発明のペーストは、硬化開始温度と発熱ピーク温度との温度差が7℃以下であり、且つガラス転移温度が170℃以上であればよい。このペーストからなる硬化体の耐熱性は高く、且つ硬化の過程においてはブリードアウトを防止することができる。即ち、硬化開始温度が90〜130℃でなく、より高温であってもよい。特に、このペーストからなる硬化体のガラス転移温度は170〜260℃であることが好ましく、175〜240℃であることがより好ましく、180〜220℃であることが特に好ましい。
【0016】
このガラス転移温度は、JIS C 6481(中でも5.17.2のDMA法)に準ずるものとする。このJIS C 6481は銅張積層板のガラス転移温度を測定するものであるが、同様にして、本発明のペーストからなる硬化体のガラス転移温度を測定することができる。この規格において、試料の厚さは、通常、0.2〜1.6のものを使用するとされているが、本発明の場合、通常、試料厚さは50〜1000μm(更には、50〜100μm)とする。また、JIS C 6481においては、標準試料としてはガラスクロスを含む場合が想定されているが、本発明では、通常含まないものとする。
【0017】
発明における上記「スルーホール充填用ペースト」は、スルーホールに充填され、硬化させ生成する硬化体によりスルーホール内を埋めることのできるペーストである。このペーストを構成する成分等は特に限定されないが、通常、熱硬化性樹脂を含有する。この熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、付加重合型ポリイミド樹脂及びビスマレイミド型ポリイミド樹脂等を使用することができる。これらのうち、耐熱性、絶縁性、耐湿性及び機械的強度が高く、熱膨張率が小さく、硬化による収縮率が小さいため、エポキシ樹脂、付加重合型ポリイミド樹脂及びビスマレイミド型ポリイミド樹脂を使用することが好ましい。
【0018】
これらのうちでも、エポキシ樹脂を含有することがより好ましい。この「エポキシ樹脂」としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂及びテトラフェノールエタン型エポキシ樹脂等を使用することができる。これらからなる硬化体はいずれも耐熱性等に優れる。
【0019】
特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名;E−828)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名;E−807)及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂等(品名;E−152)を使用することが好ましく、これらの樹脂のうちでもとりわけ低塩素化されたエポキシ樹脂である、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名;YL−980)及びビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名;YL−983U)を使用することが好ましい。この低塩素化エポキシ樹脂を使用することで、プリント配線板を高温多湿の環境下において使用した場合であっても、回路のショートを防止することができる。
尚、これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、また2種以上を混合して用いてもよい。更に、その他の化合物等により変性されていてもよい。また、上記で示した品名はいずれも油化シェルエポキシ社の商品名である。
【0020】
これらのエポキシ系樹脂は硬化剤の種類によって得られる硬化体の性質が大きく異なるため、特に、耐熱性が高く、吸水性が低く、絶縁性が高い硬化体を形成することのできる硬化剤を使用することが好ましい。このような「硬化剤」としては、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、イソシアネート、有機酸、アミン類、イミダゾール及びルイス酸等を使用することができる。これらのうち、イミダゾール系硬化剤を使用することが好ましい。更に、イミダゾール系硬化剤の中でも、常温(20〜25℃)において固体であるイミダゾール系硬化剤を使用することが好ましい。これにより前記のような硬化開始温度等の温度特性を有するペーストを製造することができる。
【0021】
このような常温において固体であるイミダゾール系硬化剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール(品名;2MZ)、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−n−ブチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール(品名;2PZ)、2−ウンデシルイミダゾール(品名;C11Z)、2−ヘプタデシルイミダゾール(品名;C17Z)、2−(2’−メチルイミダゾリル−4’)−ベンズイミダゾール、2−(2’−フェニルイミダゾリル−4’)−ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(品名;2P4MZ)、2−シアノイミダゾール、4−シアノイミダゾール、4−メチル−5−シアノメチルイミダゾール、2−メチル−4−シアノメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(2PZ−CN)、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(C11Z−CN)、2−フェニル−4−シアノメチルイミダゾール、4−シアノメチル−イミダゾール、4−アザベンズイミダゾール、2−ヒドロキシ−4−アザベンズイミダゾール、2−ヒドロキシメチル−4−アザベンズイミダゾール、2−メルカプト−4−アザベンズイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(品名;2PHZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(品名;2P4MHZ)等を挙げることができる。
【0022】
特に、発明のように耐熱性の高い硬化体を得ることができる硬化剤として、下記一般式(1)で示される構造を有するフェニルイミダゾール系化合物を使用することが好ましい。この一般式において、イミダゾール環の1位の窒素原子は2級であり、この窒素原子に結合する水素原子が、例えば、シアノエチル基等の他の基に置換されると、通常、発熱ピーク温度が低下するため好ましくない。また、イミダゾール環の2位の炭素原子にはフェニル基が結合しているが、このフェニル基が、例えば、アルキル基等の他の基に置換されると、通常、可使時間が短くなること、及び硬化後の硬化体の耐熱性が十分でなくなることがあり好ましくない。
【0023】
【化1】
Figure 0003776621
但し、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。このアルキル基は1〜2個のシアノ基等の一価の置換基が結合していてもよい。これらR1及びR2は同一であっても、また異なっていてもよい。
【0024】
上記で挙げた硬化剤の中でも融点が40〜260℃(より好ましくは60〜260℃、更には80〜260℃)であるイミダゾール系硬化剤を使用することがより好ましい。このようなイミダゾール系硬化剤としては、2−フェニルイミダゾール(品名;2PZ)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(品名;2P4MZ)、2−ウンデシルイミダゾール(品名;C11Z)、2−ヘプタデシルイミダゾール(品名;C17Z)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(品名;2P4MHZ)等を挙げることができる。
【0025】
更に、上記のような温度範囲の融点であるイミダゾール系硬化剤のうち、特に効果的にブリードアウトを防止することができ、且つ十分な耐熱性を有する硬化体を形成することができる硬化剤として、2−フェニルイミダゾール(品名;2PZ)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(品名;2P4MZ)を使用することが好ましい。
尚、これらのイミダゾール系硬化剤は単独で用いても、また、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記で示した品名はいずれも四国化成工業株式会社の商品名である。
【0026】
また、エポキシ系樹脂と硬化剤との配合割合は、エポキシ系樹脂及び硬化剤の合計量を100重量部(以下、単に部という。)とした場合に、エポキシ系樹脂は90〜98部であり、硬化剤は2〜10部(より好ましくはエポキシ系樹脂は92〜97部、硬化剤は3〜7部)とすることが好ましい。エポキシ系樹脂の配合割合が98部を超えると、即ち、硬化剤の配合割合が2部未満であるとエポキシ系樹脂を十分に硬化させることができないため好ましくない。また、エポキシ系樹脂の配合割合が90部未満であると、即ち、硬化剤の配合割合が10部を超えると硬化体の耐熱性が低下し易いため好ましくない。
【0027】
本発明のペーストの硬化による収縮を更に低減させるために、また、同時に熱膨張率を基板を構成する素材に近づけるために各種のフィラーを添加することができる。このようなフィラーとしてはシリカ、アルミナ等からなる無機フィラー、銅、ニッケル、鉄等からなる金属フィラー及びこれらの混合物等を使用することができる。これらのフィラーの材質等は、ペーストを硬化させた後の硬化体の熱安定性、耐湿性及び機械的強度等を考慮して選択することが好ましい。
【0028】
また、フィラーの粒径は、ペーストの粘度及びペーストを硬化させた後の硬化体の機械的強度等を考慮して選択することが好ましく、通常0.1〜20μm(より好ましくは0.1〜10μm)であるものを使用することができる。このフィラーの粒径が20μmを超えるとペーストをスルーホールに充填し難く、また、フィラーと樹脂の界面において割れが発生し易いため好ましくなく、0.1μm未満であると飛散し易く取り扱いにくく好ましくない。
【0029】
このフィラーはペーストを100部とした場合に、25〜300部(より好ましくは60〜150部、更に好ましくは90〜130部)配合することが好ましい。
このような配合割合で、エポキシ系樹脂、硬化剤及びフィラーを配合することにより、ペーストの粘度は10〜2000Pa・s(より好ましくは50〜1500Pa・s、更には100〜1000Pa・s)とすることができる。
【0030】
発明のペーストは、周縁導体層が親油化処理されたスルーホールに好適に使用することができる。このような親油化処理された周縁導体層の表面は、樹脂等に対する親和性が高く、ブリードアウトし易いため、また、ブリードアウトするペーストの量が増加し易いために、凹部は特に生じやすい。しかし、発明のペーストを用いることで、その凹部は、スルーホール内部に向かって10μm未満(好ましくは5μm未満、更には形成されない。)の深さに留めることができる。この程度の凹部であれば、何ら問題なく積層を施すことができる。
尚、通常、この親油化処理は周縁導体層だけでなく壁面導体層にも施されている。
【0031】
上記「親油化処理」とは、通常、少なくとも導体層表面を、カップリング剤等により被覆することを意味するものとする。このようなカップリング剤としては、シリコン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を挙げることができる。具体的には、シリコン系カップリング剤(シランカップリング剤)としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、イミダゾール系シラン化合物、ベンズイミダゾール系シラン化合物、ビストリアルコキシシリル化合物等を挙げることができる。
【0032】
また、チタン系カップリング剤としては、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、ヒドロキシビス(ラクトン)チタン、イソプロピルトリイソステアロルイルチタネート、イソプロピルトリ−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートを挙げることができる。
【0033】
この他、ジルコニウム系カップリング剤であるアセチルアセトントリブトキシジルコニウム、アルミニウム系カップリング剤である(アルキルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロピレート、バナジウム系カップリング剤であるバナジウムオキシアセチルアセトネート等も挙げることができる。これらの各カップリング剤は単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。また、こられ以外にも他の化合物が含有されてもよい。
【0034】
このような親油化処理により、周縁導体層表面の水に対する接触角は90度以上(更に93度以上、特に95度以上、通常120度以下)となることがある。本発明のペーストはこのような高い接触角を有する周縁導体層を備えるスルーホールに特に好適に使用することができる。本発明のペーストを、このようなスルーホールに用いた場合であっても、スルーホールの開口面に形成される凹部は、スルーホールの内部に向かって10μm未満(好ましくは5μm未満、更には形成されない)の深さに留めることができる。この程度の凹部であれば何ら問題なく積層を施すことができる。
【0035】
この水に対する接触角が90度以上となる周縁導体層は、この周縁導体層の表面を防錆するため、及び/又はこの周縁導体層上に更に積層される樹脂層の密着性を向上させるために、前記のような親油化処理が施されることにより形成される。
この接触角は、温度20〜25℃、湿度40〜60%において接触角測定器により計測される角度であるものとする。また、その計測方法は以下の通りである。まず、被測定物の被測定面が水平となるように、平行器で調整する。この平行となった被測定面に、純水をその直径が1.5〜2mm(好ましくは2mm)となるように、極静かに滴下又は付着させる。これにより形成された水滴と被測定面と大気との接触点から、水滴と大気との界面に接線をひく。この接線と被測定面とのなす角度のうち水滴を含む角度を、接触角測定器により読みとった値を接触角とする。
【0036】
通常、導体層として多く使用される金属銅表面において接触角を測定した場合、粗化処理が施されていない導体層表面では70〜85度である。また、酸化処理(通常、黒化処理と称される)による粗化処理が施された導体層表面では75〜90度である。更に、金属銅表面を溶出させる粗化処理が施された導体層表面(微細な凹凸が形成された金属銅)では85〜100度である。
【0037】
本発明のプリント配線板は、基板に設けられたスルーホールと、該基板の外表面であり且つ該スルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層と、を備えるプリント配線板において、上記周縁導体層の表面は親油化処理されており、上記スルーホールの内部は本発明のスルーホール充填用ペーストからなる硬化体により構成されていることを特徴とする。
【0038】
上記「プリント配線板」、「基板」、「スルーホール」、「周縁導体層」、「スルーホール充填用ペースト」の各々は、上記記載と同様である。通常、このようなプリント配線板は図2に示すような構造を有する。即ち、基板1に設けられたスルーホールの周縁及び内壁面には周縁導体層31及び壁面導体層32を有し、このスルーホールは本発明のペーストからなる硬化体2により構成される。また、周縁導体層表面には、更に層間絶縁層4が積層される。この層間絶縁層の表面には、更に導体層33が形成される。この導体層33の表面には、更にソルダーレジスト層5が形成される。尚、層間絶縁層及び導体層は基板の表裏面に2層以上形成されていてもよい。但し、ソルダーレジスト層は最外層にのみ形成される。
【0039】
また、本発明のプリント配線板は、周縁導体層に前記と同様の親油化処理が施されている場合であっても、更に、その親油化処理によって水に対する接触角が90度以上(更には93度以上、特に95度以上)であっても、スルーホールを発明のペーストで充填し、硬化させることで、そのスルーホールの開口端に形成される凹部は、10μm未満(好ましくは5μm未満、更には、形成されない)とすることができ、この基板上には良好な積層を施すことができる。従って、高温多湿の環境下であっても、クラック、剥がれ及び湾曲等を生じることない高い信頼性を有するプリント配線板とすることができる。尚、このプリント配線板は多層プリント配線板だけでなく、両面プリント配線板等であってもよい。
【0040】
本発明のプリント配線板の製造方法は、基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層の表面に親油化処理を施し、次いで、該スルーホールに本発明のスルーホール充填用ペーストを充填し、その後、該スルーホール充填用ペーストを加熱し、硬化させる工程を備えることを特徴とする。
【0041】
上記「プリント配線板」、「スルーホール」、「周縁導体層」及び「親油化処理」は前記と同様である。また、親油化処理を施した後の上記周縁導体層の表面の水に対する接触角が90度以上である場合に、この製造方法は特に好適に用いることができる。尚、上記「接触角」は前記におけると同様である。
【0042】
本発明のペーストを使用することで、スルーホールの開口面の凹部の形成を防止することができる理由は定かでない。例えば、エポキシ系樹脂の場合は、加熱により硬化する前に、ペースト中の比較的高分子量の重合前樹脂を核としたミクロゲルが形成され、この後、樹脂全体がゲル化する。そのため、このミクロゲルが形成されてからゲル化するまでの間に、ペーストの粘度が小さくなり、ブリードアウトが起きると考えられる。しかし、本発明のペーストは、このミクロゲルが形成されてからゲル化が起こるまでの時間が通常のものよりも短い。このため、ブリードアウトする樹脂の量を少なくすることができ、又はブリードアウトを防止することができるために凹部の形成を抑えることができるものと推察される。
【0043】
更に、硬化剤の活性の高低は、イミダゾール系化合物の塩基性の強さによって影響を受けることが考えられ、この塩基性を低減させることで、ペーストの可使時間を長くすることができる。例えば、一般式(1)に挙げる硬化剤は、イミダゾール環の2位の炭素原子に結合するフェニル基の電子吸引性により、イミダゾールの塩基性が低減しているものと考えられる。このフェニル基の代わりに、可使時間を長くするためにウンデシル基のような高級アルキル基を置換させた場合、このような長鎖を有する基は、硬化時に大きな立体障害となり、硬化体の耐熱性は低下することが考えられる。更に、このイミダゾール環の2位の窒素原子は2級アミンとなっており、活性の高い水素原子を伴っている。このため、硬化が促進されるものと考えられる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例
(1)ペーストの調製
表1に示すエポキシ樹脂及び硬化剤を、表1に示す量比で3本ロールミルによって混合し、十分に分散させ、実験例1〜16のスルーホール充填用ペーストを調製した。
【0045】
【表1】
Figure 0003776621
【0046】
但し、表1において、
▲1▼エポキシ樹脂
E−A;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「E−828」
E−B;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「E−152」
E−C;ビスフェノールF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「E−807」
E−D;低塩素型ビスフェノールF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ社製、商品名「YL−983U」
【0047】
▲2▼硬化剤
K−A;2−フェニルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ」
K−B;2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2P4MZ」
K−C;2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2P4MHZ」
K−D;2−ウンデシルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「C11Z」
K−E;2−ヘプタデシルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「C17Z」
K−F;1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「1B2MZ」
K−G;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「2E4MZ−CN」
K−H;2,4−ジアミノ−6−{2’−メチルイミダゾリル−(1’)}−エチル−s−トリアジン、四国化成工業株式会社製、商品名「2MZA」
K−I;1−フェニル−2−メチルイミダゾール、四国化成工業株式会社製、商品名「1B2PZ」
【0048】
3.フィラー
F−A;シリカフィラー、株式会社龍森製、商品名「SOC2」
F−B;シリカフィラー、株式会社龍森製、商品名「SOC5」
【0049】
(2)示差走査熱量計による測定
実験例1〜16の各々のペースト5±1mgについて、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、形式「DSC22」)により温度30〜180℃で、10℃/分の速度で昇温させてDSC曲線を得た。このDSC曲線より前記に示す方法により硬化開始温度及び発熱ピーク温度を求めた。これらの温度を表1に併記する。また、実験例4及び13の発熱曲線を図3に示す。図3におけるa及びbは実験例4の硬化開始温度及び発熱ピーク温度である。またc、dは実験例13の硬化開始温度及び発熱ピーク温度である。a、b、c、dは各々123℃、128℃、138℃、151℃である。
【0050】
(3)DMA法によるガラス転移温度の測定
実験例1、4、9、10、13、15及び16の各々のペーストを厚さ80μmにポリエチレンテレフタレート製のフィルムの上に印刷し、120℃で20分間、更に、150℃で5時間加熱し、シート状の硬化体を得た。これら各ペーストからなる硬化体から4×50mmの試験片を切り出し、JIS C 6481の5.17.2に示されるDMA法(曲げ及び引張り法)に準じてガラス転移温度を測定した。この結果を表1に併記する。
【0051】
(4)基板の導体層表面の処理
以下の2種類のうちのいずれかの処理を基板に施し、周縁導体層の接触角を測定した。
[1]接触角の測定方法
接触角測定器(協和界面科学株式会社製、商品名「CA−A」)により測定した。また、その方法は付属の説明書に従い行った。即ち、純水(電気伝導率が0〜1μs/cmである純水。)を液滴調整器により調整し、滴下用の針先に液滴を形成した。この液滴はQI光学内目盛りで15〜20目盛りであり、直径が約2mmの液滴とした。この液滴に向かって、基板を固定した試料台を上昇させ、液滴に基板をゆっくり触れさせて、基板上に液滴を移動させた。レンズに十字が描かれた拡大鏡から、この液滴を目視しながら、十字により液滴の頂点を探した。即ち、図4のaのように、液滴と大気との界面に十字を合わせた後、図4のbのように、十字を垂直に移動し、十字の交差点と、液滴及び大気の界面とを合わせる。この十字の交差点と、液滴及び大気の界面とが交わる点が液滴の頂点である。その頂点と、基板と液滴と大気との界面である接点を直線で結ぶ。即ち、図4のcのようにする。この直線と試料台との角度θの2倍を接触角とした。
【0052】
[2]周縁導体層の表面処理及びその表面の接触角の測定
▲1▼黒化処理を施した後の周縁導体層の接触角
エポキシ樹脂製の基板を75℃のNaClO2水溶液に5分間浸漬し、導体表面を粗面化した。この黒化処理を施した周縁導体層(周縁導体層の表面は酸化銅である。)の接触角を測定したところ87度であった。
▲2▼防錆処理(親油化処理)を施した周縁導体層の接触角
基板の導体表面を市販のマイクロエッチング液によって粗面化した後、更に、付属の防錆液に1分間浸漬して防錆処理(親油化処理)を施した。この処理を施した周縁導体層の接触角を測定したところ101度であった。
【0053】
(5)各ペーストの充填及び硬化
(1)で調製した実験例1〜16のペーストを、黒化処理又は防錆処理が施されたエポキシ樹脂製の基板に設けられたスルーホールに各々充填し、温度120℃で20分間加熱した後、更に、150℃で5時間加熱した。このようにして得られた基板のスルーホールを測定顕微鏡により観察し、その凹部の有無及び深さを評価した。この結果を表1に併記する。但し、表1における「なし」は凹部の形成のないもの、「○」は10μm未満の凹部が形成されたもの、「△」は10〜20μmの凹部が形成されたもの、「×」は20μm以上の凹部が形成されたものをそれぞれ表す。
【0054】
表1の結果より、ペーストの硬化開始温度が130℃以下であるか、又は硬化開始温度が130℃を超えるものであっても、硬化開始温度と発熱ピーク温度との温度差が7℃以下であれば、黒化処理が施された基板においては凹部が形成されないことが分かる。更に、硬化開始温度が130℃以下、且つ硬化開始温度と発熱ピーク温度との温度差が10℃以下であれば、黒化処理が施された基板においても、防錆処理が施された基板においても凹部が形成されないことが分かる。
【0055】
尚、本発明においては、上記の具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本発明に実質的に影響を及ぼさない範囲で、他の成分を混合してもよい。例えば、絶縁性及び耐湿性等に実質的に影響を及ぼさない範囲で、揺変剤、着色剤、レベリング剤、粘度調整剤、安定剤等を添加することもできる。
また、本発明のペーストは、通常、スルーホールに充填され使用されるが、ビア等他の穴、孔及び溝等を充填する目的で使用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によると、表面に防錆処理及び樹脂との密着性を向上させるための親油化処理等が施された周縁導体層を有するスルーホールであっても、ブリードアウトすることなく、更には、スルーホールの開口面に凹部が形成されることなく硬化させることができるペーストを得ることができる。また、本発明によると、親油化処理が施された基板に設けられたスルーホールにペーストを充填し、硬化させた基板を備えるプリント配線板であっても、クラック、剥がれ及び湾曲等を生じることのなく、密着性に優れたプリント配線板を得ることができる。更に、本発明によると、親油化処理を施すことにより、水に対する接触角が90度以上である周縁導体層をが形成された場合であっても、効果的にブリードアウトを防止し、凹部の形成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スルーホールの周辺の構成をそれぞれ模式的に示す断面図である。但し、Aはスルーホールの開口面に凹部が形成されることなくスルーホール充填用ペーストが硬化した状態、Bはブリードアウトしたために、凹部が形成された状態をそれぞれ模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のスルーホール充填用ペーストを充填し、硬化させたプリント配線板の構成の一例を、模式的に示す断面図である。
【図3】実験例4及び13の硬化開始温度、発熱ピーク温度を示す発熱曲線である。
【図4】接触角の測定方法を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
S;スルーホール、D;凹部、1;基板、2;スルーホール充填用ペーストからなる硬化体、31;周縁導体層、32;壁面導体層、33;導体層、4;層間絶縁層、5;ソルダーレジスト層。

Claims (9)

  1. プリント配線板に用いられるスルーホール充填用ペーストであって、エポキシ系樹脂及び20〜25℃において固体のイミダゾール系硬化剤を含有し、示差走査熱量計により10℃/分の速度で昇温させた場合の発熱曲線から求められる硬化開始温度と、発熱ピーク温度との温度差が7℃以下であり、且つ上記スルーホール充填用ペーストからなる硬化体のガラス転移温度は170℃以上であることを特徴とするスルーホール充填用ペースト。
  2. 上記硬化剤は、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである請求項1記載のスルーホール充填用ペースト。
  3. 上記エポキシ系樹脂及び上記硬化剤の合計量を100重量部とした場合に、上記エポキシ系樹脂は90〜98重量部であり、上記硬化剤は2〜10重量部である請求項1又は2記載のスルーホール充填用ペースト。
  4. 基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に周縁導体層が形成され、該周縁導体層の表面が親油化処理されたプリント配線板に用いられる請求項1乃至3のいずれかに記載のスルーホール充填用ペースト。
  5. 上記周縁導体層の表面の水に対する接触角は90度以上である請求項4記載のスルーホール充填用ペースト。
  6. 基板に設けられたスルーホールと、該基板の外表面であり且つ該スルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層と、を備えるプリント配線板において、上記周縁導体層の表面は親油化処理されており、上記スルーホールの内部は請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填用ペーストからなる硬化体により構成されていることを特徴とするプリント配線板。
  7. 上記周縁導体層の表面の水に対する接触角は90度以上である請求項6記載のプリント配線板。
  8. 基板の外表面であり且つ該基板に設けられたスルーホールの開口端の周縁に形成された周縁導体層の表面に親油化処理を施し、次いで、該スルーホールに請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のスルーホール充填用ペーストを充填し、その後、該スルーホール充填用ペーストを加熱し、硬化させる工程を備えることを特徴とするプリント配線板の製造方法
  9. 親油化処理を施した後の上記周縁導体層の表面の水に対する接触角が90度以上である請求項8記載のプリント配線板の製造方法。
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