JP3844070B2 - 高圧放電灯点灯装置および照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧放電ランプを点灯させる高圧放電灯点灯装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高圧放電灯点灯装置としてはたとえば特開平7−230884号公報に記載の構成が知られている。この特開平7−230884号公報に記載の高圧放電灯点灯装置は、インバータ回路を備え、このインバータ回路にLC共振回路を含み高圧放電ランプが接続される主回路を接続している。
【0003】
そして、高圧放電ランプの始動時には、LC共振回路の無負荷共振周波数によりインバータ回路を動作させて始動パルスの電圧を高くし、高圧放電ランプが点灯すると高圧放電ランプが音響共鳴しない周波数でLC共振回路の無負荷共振周波数より低い周波数に低下させる。
【0004】
また、高圧放電ランプのランプ電圧が所定値以上に上昇すると、インバータ回路の周波数を高くしてインバータ回路の出力を低下させ、高圧放電ランプを消灯させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−230884号公報に記載の構成では、高圧放電ランプの電圧が所定値以上に上昇した場合には、インバータ回路の周波数を高くしてインバータ回路の電流を小さくし、高圧放電ランプを立ち消えさせるには、かなり高い周波数までインバータ回路の動作周波数を高くしなければならないため、インバータのスイッチング特性などを高い周波数に耐えられるようにしなければならないなどの問題を有している。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、異常時に容易に高圧放電ランプを消灯できる高圧放電灯点灯装置および照明装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の高圧放電灯点灯装置は、透光性セラミックの発光管で電極が位置する断面が真円の球体である包囲部を有する高圧放電ランプが接続されLC共振回路を含む主回路と;スイッチング素子を有し主回路が出力側に接続されスイッチング素子をスイッチングして交流電力に変換して出力し主回路を介して高圧放電ランプを始動、点灯させるインバータ回路と;主回路の進相を検出する進相発振検出手段と;高圧放電ランプの点灯時には一定の周波数でインバータ回路を動作させて高圧放電ランプを点灯させ、進相発振検出手段でスイッチング素子のスイッチングが進相発振であることを検出すると、インバータ回路の周波数を高くさせ、LC共振回路の無負荷共振周波数に近づけて高圧放電ランプが音響共鳴する周波数までインバータ回路の周波数を高くさせて高圧放電ランプを消灯させる制御手段とを具備したもので、高圧放電ランプの点灯時には一定の周波数でインバータ回路を動作させることにより、高圧放電ランプの音響共鳴が生じにくい周波数に設定しておき音響共鳴が生じないで安定して高圧放電ランプを点灯でき、進相発振検出手段でインバータ回路のスイッチング素子のスイッチングが進相発振になっていると判断すると、インバータ回路の周波数を高くさせ、LC共振回路の無負荷共振周波数に近づけて高圧放電ランプを音響共鳴が発生する周波数で点灯するため、高圧放電ランプの電流が小さくて立ち消える場合の周波数より、高圧放電ランプが点灯している状態の周波数に近い周波数で高圧放電ランプを立ち消えさせることができるので、インバータ回路の動作周波数を従来に比べ少ない変化にすることができるため、進相発振の異常時に簡単に高圧放電ランプを消灯でき、さらに、高圧放電ランプの発光管の電極が位置する包囲部は断面が真円の球体であるので音響共鳴する周波数のばらつきが少なく一定であるので、音響共鳴させる周波数の設定が容易である。
【0008】
請求項2記載の照明装置は、請求項1記載の高圧放電灯点灯装置と;この高圧放電灯点灯装置で点灯される高圧放電ランプが装着される器具本体とを具備したもので、それぞれの作用を奏する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の照明装置の一実施の形態を図面に示すスポットライトを参照して説明する。
【0010】
図1は高圧放電灯点灯装置を示す回路図、図2はスポットライトを示す断面図、図3は高圧放電ランプの一部を切り欠いて示す側面図、図4は高圧放電ランプの発光管を切り欠いて示す側面図である。
【0011】
図2に示すように、照明装置としてのスポットライト1は器具本体としてのスポットライト本体2を備え、このスポットライト本体2は天井などに取り付けられる天井取付部3を有し、この天井取付部3にアーム4が設けられている。また、アーム4には前面が開口し内部が中空なケース体5が取り付けられ、このケース体5の前面の開口に臨んでライト部6が設けられている。そして、このライト部6は、筒状の基体部7を有し、この基体部7の基端側には回転反射面が形成された反射体8が取り付けられ、この反射体8の基端側にはランプソケット11が設けられ、基体部7の先端には開口を閉塞する前面ガラス12が設けられている。さらに、ランプソケット11にはたとえば20Wセラミックメタルハライドランプなどの高圧放電ランプ15が装着され、この高圧放電ランプ15の先端部分には筒状の遮光体16が間隙を介して取り付けられている。そして、このランプソケット11には、スポットライト本体2とは別個に設けられた図1に示す高圧放電灯点灯装置18が電気的に接続される。
【0012】
また、高圧放電ランプ15は、図3に示すように、ランプ基体21を有し、このランプ基体21にはランプソケット11に電気的および機械的に接続される口金22が形成され、先端側には透光性を有する先端が円弧状に閉塞され内部が真空の筒状の外管23を有している。そして、外管23内には、発光管24が収納されており、この発光管24は透光性セラミック容器の放電容器25を有し、この放電容器25は断面がほぼ真円のほぼ球状の包囲部26と、この包囲部26の上下方向にそれぞれ曲面で連続して形成されたキャピラリといわれる小径筒部27,28が上下対称に形成されている。また、それぞれの小径筒部27,28の先端はシール31,32により閉塞され、小径筒部27のシール31には上部側の上部導入導体33が挿入され、小径筒部28のシール32には下部側の下部導入導体34が挿入されている。さらに、上部導入導体33には口金22に電気的に接続された外部接続端子35が電気的に接続され、この外部接続端子35は下側の小径筒部28の周囲に巻回された始動補助体としての金属コイル36に電気的に接続されるとともに、ゲッタ37が支持されている。また、下部導入導体34には上側の小径筒部27の周囲に巻回された始動補助体としての金属コイル38が電気的に接続され、下部導入導体34も外部接続端子35とは電気的に絶縁された状態で口金22に電気的に接続されている。そして、電極41,44および金属コイル36,38などの間で浮遊容量を形成している。
【0013】
さらに、放電容器25の内部には、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)などの始動ガスを含む放電ガスが封入され、上側の小径筒部27内には上部導入導体33に電気的に接続された上部側の電極41が取り付けられ、この電極41は上部導入導体33に接続された軸部42および包囲部26内に位置し軸部42の先端に取り付けられたコイル部43を有しており、一方、下側の小径筒部28内には下部導入導体34に電気的に接続された下側の電極44が上部側の電極41に対向して設けられ、この下部側の電極44は下部導入導体34に接続された軸部45および包囲部26内に位置し軸部45の先端に取り付けられ上側のコイル部43に対向する下側のコイル部46を有している。そして、電極41に対して極性の異なる金属コイル36が対向し、電極44に対しても同様に極性の異なる金属コイル38が対向し、電極41,44および金属コイル36,38などの間で浮遊容量を形成している。
【0014】
次に、高圧放電灯点灯装置18を図1を参照して説明する。
【0015】
まず、商用交流電源eにヒューズF、抵抗R1を介してノイズフィルタ回路51が接続され、このノイズフィルタ回路51はコンデンサC1およびトランスTr1が接続されて形成され、整流および平滑機能を有する昇圧用のチョッパ回路52に接続されている。
【0016】
このチョッパ回路52は、トランスTr1にダイオードD1〜D4の全波整流手段としてのダイオードブリッジ53の交流入力端子が接続され、このダイオードブリッジ53の出力端子には平滑手段となる平滑用のコンデンサC2が接続され、このコンデンサC2にはチョッパ部54が接続されている。また、チョッパ部54は、コンデンサC2に対して並列にインダクタL1、スイッチング素子としての電界効果トランジスタQ1および電流検出用の抵抗R2の直列回路が接続され、電界効果トランジスタQ1および抵抗R2の直列回路にはダイオードD5およびコンデンサC3の直列回路が接続されている。
【0017】
さらに、コンデンサC2に対して並列に、入力電圧を検出する分圧用の抵抗R4および抵抗R5の直列回路が接続され、これら抵抗R4および抵抗R5の接続点にはチョッパ回路制御手段となるたとえばSTマイクロ社製型番L6561のIC55の3番ピンに接続されている。また、同様に、コンデンサC2に対して並列に、抵抗R6およびコンデンサC4の時定数回路で構成される起動回路となるとともに電源を構成する直列回路が接続され、抵抗R7およびコンデンサC4の接続点はIC55の8番ピンに接続されている。さらに、インダクタL1には、インダクタL1に流れる電流を検出する検出巻線L2が磁気的に結合され、この検出巻線L2は抵抗R7を介してIC55の5番ピンに接続されるとともに、IC55の6番ピンおよびダイオードブリッジ53の負極に接続される。また、検出巻線L2および抵抗R7の接続点は、コンデンサC5、抵抗R8およびダイオードD6の直列回路を介してコンデンサC4に接続され、コンデンサC4に対して並列にツェナダイオードZD1が接続され、ダイオードD6およびコンデンサC4の接続点にはIC55の8番ピンが接続されている。
【0018】
また、IC55の1番ピンおよび2番ピンの間にはコンデンサC7が接続され、IC55の3番ピンはコンデンサC8を介してダイオードブリッジ53の負極に接続されている。さらに、IC55の4番ピンは電界効果トランジスタQ1および抵抗R2の接続点に接続され、IC55の7番ピンは電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されている。
【0019】
なお、チョッパ回路52のIC55を起動する起動回路の抵抗R6およびコンデンサC4の時定数を1秒ないし3秒、好ましくは2秒程度に設定している。
【0020】
さらに、コンデンサC3に対して並列に、抵抗R11および抵抗R12の直列回路が接続され、抵抗R11および抵抗R12の接続点は逆極性のダイオードD7を介して、IC55のフィードバック用の1番ピンに接続されている。なお、この1番ピンに入力される電圧により、電界効果トランジスタQ1の動作を制御して、チョッパ回路52が一定の出力電圧になるように制御する。
【0021】
そして、チョッパ回路52には、ハーフブリッジ形のインバータ回路61が接続され、このインバータ回路61はスイッチング素子としての電界効果トランジスタQ2および電界効果トランジスタQ3の直列回路を有し、電界効果トランジスタQ3には、主回路62が接続され、この主回路62は直流カット用のコンデンサC11およびLC共振回路63の共振インダクタとしてのバラストチョークとなるインダクタL3およびインダクタL4、および、抵抗R13の直列回路を介して高圧放電ランプ15が接続され、この高圧放電ランプ15に対して並列にLC共振回路63の共振コンデンサとなるコンデンサC12およびコンデンサC13の直列回路が接続されている。
【0022】
また、インバータ回路61は制御回路64を有し、この制御回路64は電界効果トランジスタQ3に制御手段となるインバータ回路制御手段としてのたとえばフィリップスセミコンダクタ社製型番UBA2021のIC66を有し、このIC66の補助電源を兼ねたスナバ回路67が接続されている。このスナバ回路67は、電界効果トランジスタQ3に並列に、抵抗R14、コンデンサC14、ダイオードD6およびコンデンサC15の直列回路が接続され、このダイオードD6およびコンデンサC15の直列回路に対して並列にダイオードD7が接続されている。
【0023】
さらに、電界効果トランジスタQ2のゲートにはIC66の2番ピン、電界効果トランジスタQ3のゲートにはIC66の6番ピンが接続されている。このIC66には、1番ピンおよび3番ピン間にコンデンサC16が接続されるとともに、3番ピンは電界効果トランジスタQ2および電界効果トランジスタQ3の接続点に接続され、12番ピンおよび14番ピン間にはコンデンサC17およびコンデンサC18の直列回路が接続され、13番ピンは抵抗R15および抵抗R16の直列回路を介してダイオードD5に接続されている。また、8番ピンおよび10番ピン間には、コンデンサC19、可変抵抗R17および抵抗R18の直列回路が接続され、可変抵抗R17、抵抗R18およびコンデンサC19で時定数回路が構成されて発振周波数を設定している。
【0024】
そして、抵抗R13を介した高圧放電ランプ15の両端には、抵抗R21、抵抗R22および抵抗R23の直列回路が接続されている。
【0025】
また、抵抗R22および抵抗R23の直列回路に対して並列に、ダイオードD11およびコンデンサC21の直列回路が接続され、コンデンサC21に対して並列に抵抗R24、ツェナダイオードZD2およびコンデンサC22の直列回路が接続され、ツェナダイオードZD2およびコンデンサC22の接続点はトランジスタQ4のベースに接続され、トランジスタQ4のベース、エミッタ間には抵抗R25が接続され、電界効果トランジスタQ3のコレクタはIC66の5番ピンに接続されている。
【0026】
さらに、抵抗R23に対して並列にコンデンサC23およびダイオードD12の直列回路が接続され、このダイオードD12にはダイオードD13および抵抗R26の直列回路が接続され、この抵抗R26に対して並列にコンデンサC23、コンデンサC24およびダイオードD14の直列回路、スイッチング素子であるトランジスタQ5のコレクタ、エミッタおよびツェナダイオードZD3および抵抗R27の直列回路が接続され、コンデンサC24およびダイオードD14の接続点はトランジスタQ5のベースに接続されている。
【0027】
また、抵抗R27に対して並列にコンデンサC25が接続され、ツェナダイオードZD3およびコンデンサC25の接続点はサイリスタQ6のゲートに接続され、このサイリスタQ6のアノードはトランジスタQ4のコレクタおよびIC66の5番ピンに接続され、サイリスタQ6のカソードは抵抗R23およびIC66の7番ピンに接続されている。
【0028】
さらに、コンデンサC23およびダイオードD13を介した抵抗R23の両端には、ランプ電圧検出手段としてのツェナダイオードZD4および抵抗R28の直列回路が接続され、ツェナダイオードZD4および抵抗R28の接続点にはトランジスタQ7のベースおよびエミッタが接続され、このトランジスタQ7のベースおよびエミッタ間にはコンデンサC26が接続され、トランジスタQ7のコレクタは可変抵抗R17および抵抗R18の接続点に接続されている。
【0029】
次に、上記実施の形態の動作について説明する。
【0030】
まず、商用交流電源eを投入すると、ダイオードブリッジ53で全波整流し、コンデンサC2で平滑してチョッパ回路52に直流電圧を印加する。IC55は電源投入後2秒程度動作しないので、チョッパ回路52は動作せず昇圧しないコンデンサC2の電圧のそのままの出力電圧を出力している状態である。
【0031】
そして、抵抗R15および抵抗R16を介してIC66に微小電流を供給することによりIC66は電源投入後1秒以内に動作を開始し、IC66は電界効果トランジスタQ2および電界効果トランジスタQ3を交互にオン、オフしてスイッチングさせる。この発振開始直後には、LC共振回路63の無負荷共振の周波数付近で発振する。
【0032】
また、インバータ回路61が出力を開始するとコンデンサC21が充電され、このコンデンサC21の電圧が所定以上になるとツェナダイオードZD2がオンし、コンデンサC22を充電することによりトランジスタQ4にベース電流が供給されて、トランジスタQ4が5番ピンの電流をバイパスして、IC66が動作を停止し、始動パルスを発生する。すなわち、図5に示すように、IC66は発振周波数を無負荷共振周波数よりも高い周波数から低い周波数に向けてスイーブさせて、出力電圧の低いAの部分では図6に示すように低い電圧で、LC共振回路63の共振周波数になると、出力電圧が高いBの状態になり図7に示すように高い電圧、すなわち波高の始動パルスが出力されて、インバータ回路61の動作を停止させる。なお、インバータ回路61の動作開始後には、このようにインバータ回路61は高い周波数で発振しているので、IC66はスナバ回路67を電源として動作を維持し、インバータ回路61の発振動作を開始した直後のみ、発振周波数を高くしているのでIC66に安定して定常電流電源が供給される。
【0033】
そして、ツェナダイオードZD2のオンによりインバータ回路61が発振を停止し、コンデンサC22が放電され、高圧放電ランプ15が始動しない場合にはこのような始動パルスの出力が繰り返される。
【0034】
さらに、この状態ではコンデンサC23はタイマとして充電しつづけられ、たとえばコンデンサC23が充電される時間を10分程度とすると、このコンデンサC23が充電されることによりコンデンサC24も充電されトランジスタQ5のベース電流がなくなり、トランジスタQ5がオフしてツェナダイオードZD3がオンしサイリスタQ6をオンして、IC66の5番ピンの電流をバイパスし、IC66の出力を停止させる。
【0035】
また、電源投入から3秒程度経過すると、チョッパ回路52のIC55が動作を開始し、インバータ回路61に昇圧した電圧を印加して、この昇圧した電圧によりインバータ回路61は動作し、高圧放電ランプ15に高い電圧を印加して、グローアーク転移を確実にする。また、高圧放電ランプ15がグロー放電を開始すると高圧放電ランプ15の電圧が低下し、抵抗R21、抵抗R22および抵抗R23の電圧が低下し、コンデンサC21の電圧が低下して始動パルスの出力は終了する。このように、インバータ回路61が動作した後の所定時間にチョッパ回路52が動作するので、特にネオン(Ne)、アルゴン(Ar)を用いた高圧放電ランプ15では、アーク転移のために1秒ないし3秒程度は高い開放電圧が印加されてグロー放電時間を確保してグローアーク転移時間を適切にでき、高圧放電ランプ15にストレスがかかることを防止する。このように、グロー放電時間を確保することにより、高圧放電ランプ15のいずれの電極41,44も十分に加熱昇温させることができるため、いずれか一方の電極41,44のみがアンバランスに昇温して半波アークが生ずることがなくなり、グロー側となった電極41,44のスパッタが促進され、点滅黒化特性が低下して、発光効率が低下することを防止する。
【0036】
また、インダクタL3およびインダクタL4は、高圧放電ランプ15のグロー放電開始時に飽和する。そして、たとえばインダクタL3およびインダクタL4が飽和すると、インダクタンスが小さくなるため主回路62のLC共振の共振周波数が高くなるが、抵抗R13の電流に基づきIC66により進相を検出して、進相状態になった場合にはIC66の発振周波数を高くして、インバータ回路61の動作を進相状態から通常の状態に戻し、進相発振防止機能として動作する。
【0037】
そして、高圧放電ランプ15が通常の点灯状態になると、LC共振回路63の無負荷時の共振周波数より低く、高圧放電ランプ15が音響共鳴しない周波数一定でインバータ回路61は動作し、高圧放電ランプ15の始動直後から寿命末期まで高圧放電ランプ15を安定して点灯させることができる。
【0038】
また、高圧放電ランプ15が始動した後に高圧放電ランプ15のランプ電圧が寿命末期などの原因で高くなると、ツェナダイオードZD4がオンしてトランジスタQ7にベース電流を供給し、トランジスタQ7をオンすることによりIC66の8番ピンおよび10番ピンの入力を変化させ、インバータ回路61の周波数を高くしてLC共振回路63の無負荷共振周波数に一致させて高圧放電ランプ15の音響共鳴が発生する周波数に設定し、高圧放電ランプ15を音響共鳴により立ち消え消灯させ、チョッパ回路52およびインバータ回路61のストレスを防止する。そして、再びインバータ回路61は始動電圧を発生するが、所定時間経過後にツェナダイオードZD3およびサイリスタQ6がオンして、IC66の動作を停止させ、インバータ回路61および高圧放電ランプ15を保護する。
【0039】
上記実施の形態によれば、高圧放電ランプ15の点灯時のインバータ回路61の動作周波数を、LC共振回路63の無負荷共振周波数に近づけることができるため、高い始動電圧を得ることができるとともに、音響共鳴を利用して高圧放電ランプ15を消灯させることにより、インバータ回路61の動作周波数の変化領域を狭くでき、素子などに与えるストレスを小さくできる。
【0040】
特に、上記実施の形態の高圧放電ランプ15の発光管24の電極41,44が位置する包囲部26は断面が真円の球体であるので音響共鳴する周波数のばらつきが少なく一定であるので、音響共鳴させる周波数の設定が容易である。また、包囲部26からは小径筒部27,28が連続しているが、筒状で対称に位置するため、これら小径筒部27,28によっても音響共鳴周波数が大きくずれることは少ない。
【0041】
次に、他の実施の形態を図8を参照して説明する。
【0042】
図8は他の実施の形態の高圧放電灯点灯装置を示す回路図で、この図8に示す高圧放電灯点灯装置18は、基本的には図1に示す高圧放電灯点灯装置18と同様であるが、ツェナダイオードZD4、抵抗R28、コンデンサC26およびトランジスタQ7を有さないものである。
【0043】
そして、基本的な動作、作用および効果なども図1に示す高圧放電灯点灯装置18と同様であるが、高圧放電ランプ15に異常が生ずるなどして、主回路62に流れる電流が進相になると、進相発振検出手段としての抵抗R13の電流を検出してIC66によりインバータ回路61の周波数を進相発振にならないレベルまで高くし、高圧放電ランプ15の音響共鳴が発生する周波数に致ると、高圧放電ランプ15を音響共鳴により立ち消え消灯させ、チョッパ回路52およびインバータ回路61のストレスを防止する。
【0044】
このように、進相を検出する場合には、もともと進相発振検出手段の抵抗R13を有しているので、構成が複雑になることを防止できる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の高圧放電灯点灯装置によれば、高圧放電ランプの点灯時には一定の周波数でインバータ回路を動作させることにより、高圧放電ランプの音響共鳴が生じにくい周波数に設定しておき音響共鳴が生じないで安定して高圧放電ランプを点灯でき、進相発振検出手段でインバータ回路のスイッチング素子のスイッチングが進相発振になっていると判断すると、インバータ回路の周波数を高くさせ、LC共振回路の無負荷共振周波数に近づけて高圧放電ランプを音響共鳴が発生する周波数で点灯するため、高圧放電ランプの電流が小さくて立ち消える場合の周波数より、高圧放電ランプが点灯している状態の周波数に近い周波数で高圧放電ランプを立ち消えさせることができるので、インバータの動作周波数を従来に比べ少ない変化にすることができるため、進相発振の異常時に簡単に高圧放電ランプを消灯でき、さらに、高圧放電ランプの発光管の電極が位置する包囲部は断面が真円の球体であるので音響共鳴する周波数のばらつきが少なく一定であるので、音響共鳴させる周波数の設定が容易にできる。
【0046】
請求項2記載の照明装置によれば、請求項1記載の高圧放電灯点灯装置で点灯される高圧放電ランプが装着される器具本体を具備したので、それぞれの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の高圧放電灯点灯装置を示す回路図である。
【図2】 同上スポットライトを示す断面図である。
【図3】 同上高圧放電ランプの一部を切り欠いて示す側面図である。
【図4】 同上高圧放電ランプの発光管を切り欠いて示す側面図である。
【図5】 同上インバータ回路の出力電圧を示す波形図である。
【図6】 同上Aの部分を示す波形図である。
【図7】 同上Bの部分を示す波形図である。
【図8】 同上他の実施の形態の高圧放電灯点灯装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 照明装置としてのスポットライト
2 器具本体としてのスポットライト本体
15 高圧放電ランプ
18 高圧放電灯点灯装置
61 インバータ回路
62 主回路
63 LC共振回路
66 制御手段としてのIC
Q2,Q3 スイッチング素子としての電界効果トランジスタ
R13 進相発振検出手段としての抵抗
ZD4 ランプ電圧検出手段としてのツェナダイオード
Claims (2)
- 透光性セラミックの発光管で電極が位置する断面が真円の球体である包囲部を有する高圧放電ランプが接続されLC共振回路を含む主回路と;
スイッチング素子を有し主回路が出力側に接続されスイッチング素子をスイッチングして交流電力に変換して出力し主回路を介して高圧放電ランプを始動、点灯させるインバータ回路と;
主回路の進相を検出する進相発振検出手段と;
高圧放電ランプの点灯時には一定の周波数でインバータ回路を動作させて高圧放電ランプを点灯させ、進相発振検出手段でスイッチング素子のスイッチングが進相発振であることを検出すると、インバータ回路の周波数を高くさせ、LC共振回路の無負荷共振周波数に近づけて高圧放電ランプが音響共鳴する周波数までインバータ回路の周波数を高くさせて高圧放電ランプを消灯させる制御手段と;
を具備したことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。 - 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置と;
この高圧放電灯点灯装置で点灯される高圧放電ランプが装着される器具本体と;
を具備したことを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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