JP3843687B2 - 軽量スクイズボトル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量スクイズボトルに関するもので、より詳細には適度の剛性、耐熱性、透明性などの外観特性及び成形性の組合せに優れた軽量スクイズボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器壁の押圧変形により、内容物を押し出すスクイズボトルとしては、各種ポリエチレン製のものが広く使用されている。
しかしながら、ポリエチレンから成る容器であっても、例えば高密度ポリエチレンを用いた場合には耐熱性は優れるが、透明性及び柔軟性に劣ったものとなり、また低密度ポリエチレンを用いたものは、柔軟性と透明性とには優れているが耐熱性に劣ったものになる。
【0003】
ポリエチレンのこのような欠点を解決するものとして、エチレンとα−オレフィンの共重合体である線状低密度ポリエチレン(以下、単にLLDPEと呼ぶこともある)を用いたものも知られている(特開平3−94756号公報)。
【0004】
本出願人の提案にかかる実開平6−55640号公報には、メルトフローレートが0.1乃至2.5g/10minの線状低密度ポリエチレン基体と、メルトフローレートが3乃至12g/10minの線状低密度ポリエチレンの外表面層との同時押出積層体のブロー成形物から成ることを特徴とする加熱殺菌可能な液体医薬容器が記載されている。
【0005】
また、特開平10−236451号公報には、メタロセン系触媒を用いて得られた密度が0.925乃至0.942g/cm3でメルトフローレートが1.0乃至15g/10minの範囲にあるポリエチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と高密度ポリエチレンとを95:5乃至60:40の重量比で含有する組成物の少なくとも1層を備えたパリソンをブロー成形して成ることを特徴とするブロー成形容器が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、容器の製造に必要な樹脂コスト及び輸送コストの削減のため、スクイズボトルの分野においても、容器の軽量化に関する要望は根強いものがある。
しかしながら、容器を軽量化すると、内容品充填状態での落下強度が低下し、また容器の剛性が失われて、内容物充填時の作業性や容器の取り扱いが難しくなるという問題を生じる。
更に、内容物の熱間充填時の熱変形性や減圧変形性等の影響も大きくなり、軽量容器の場合には耐熱性に関しての要求も一層シビアなものとなっている。
更にまた、ブロー成形時における成形性の影響も大であり、樹脂層表面におけるシャークスキンの発生や、異常流動に基づく外乱による外観不良、透明性低下等の問題がある。
【0007】
この種のスクイズボトルでは、器壁を通してのガス透過や、内容物中の香気成分の逸失を防止するため、中間層としてガスバリアー性樹脂層を設けるのが一般的であり、更にこのガスバリアー性樹脂層と内外層とを接着するためにこれらの層間に接着剤層を介在させる手段を採用している。
また、スクイズボトルの成形では、溶融押出されるパリソンを型でピンチオフし、流体の吹き込みを行うが、この際発生するパリソンのバリ、調整時に試作されるボトルなどは、これを破砕してリグラインド(リプロダクション、略してリプロともいう)とした上で、ボトル器壁内に層として挿入することが行われている。
【0008】
ところが、軽量のスクイズボトルでは、このリグラインド乃至リプロの取り扱いも面倒な問題であり、リグラインド乃至リプロを用いると、容器の軽量化に伴う落下強度低下、剛性低下、耐熱性低下、成形性低下、透明性低下等が一層顕著に生じやすくなる。
例えば、このリグラインド乃至リプロには、ガスバリアー性樹脂等が当然含有されており、この樹脂の分散不良による焦げやゲルの発生が障害となる。
【0009】
また、印刷された外層袋を省略し、ボトル成形後の面倒なラベル貼着操作を不要なものとする目的で、ボトル成形時にラベルの型内貼着(インモールドラベル、IML)操作がよく行われているが、器壁を薄肉化した軽量スクイズボトルでは、ラベルの型内貼着(IML)操作が円滑に進行しないという問題もある。
【0010】
更に、ボトルの器壁に器壁の凹凸によるロゴマークを入れることが、ボトル詰め製品の商品価値を高め、また製品の出所を明らかにする目的でよく行われているが、このようなロゴマークも軽量スクイズボトルでは、明確に現出させることが難しい。
【0011】
従って、本発明の目的は、容器が軽量化されていながら、落下強度、剛性、耐熱性、成形性、及び透明性が顕著に改善された軽量スクイズボトルを提供するにある。
本発明の他の目的は、ボトルのリグラインド乃至リプロを再利用した場合にも、リグラインド乃至リプロの樹脂の分散が良好で、前述した優れた特性を示す軽量スクイズボトルを提供するにある。
本発明の更に他の目的は、器壁が薄肉化されていながら、ラベルの型内貼着(IML)が可能であり、またロゴマークの形成を円滑にできる軽量スクイズボトルを提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エチレン系重合体を含有する内外層とガスバリアー性樹脂を含有する中間層とから成るスクイズボトルにおいて、前記内外層の少なくとも1層が密度0.918g/cm3以上で、分子量分布(Mw/Mn)が4.5以上で且つ融点が116℃以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層から成ることを特徴とする軽量スクイズボトルが提供される。
本発明の軽量スクイズボトルにおいては、
1.前記エチレン・α−オレフィン共重合体が3g以上のメルトテンション(190℃にて計測される溶融張力)を有するものであること、
2.エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層が、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物から成ること、3.リグラインドが5乃至80重量%の量で含有されていること、
4.エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層がボトル全体厚みの30乃至95%の厚みで設けられていること、
5.エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する内層及び/または外層に低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体から成る最内層及び/または最外層が積層されていること、
6.ガスバリアー性樹脂中間層、ガスバリアー性樹脂中間層の両側に設けられた接着剤層、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物から成る内層及び/または外層、低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体から成る最内層及び最外層の層構成を有すること、が好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明の軽量スクイズボトルでは、エチレン系重合体を含有する内外層とガスバリアー性樹脂を含有する中間層とから成るが、前記内外層の少なくとも1層が密度0.918g/cm3以上で、分子量分布(Mw/Mn)が4.5以上で且つ融点が116℃以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層から成ることが特徴である。
【0014】
先ず、内外層の内少なくとも一層が、密度が0.918g/cm3以上、特に0.922〜0.932g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有していることが重要であり、これにより軽量化の目的で器壁を薄肉化したときにも、高強度を維持し、落下耐性にも優れている。
【0015】
即ち、上記の範囲の密度を有する通常の高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)では、スクイズボトルの器壁を薄肉化した場合落下強度への影響が著しく、後述する比較例1に示すとおり、目付が30gから27g、24gと減少するにつれて、ボトルの落下による破損の頻度が大きくなる。
これに対して、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体を用いると、目付を減少させた場合にも、尚落下による破損を有効に防止しうるのであって、この作用効果は、ボトルの胴壁にインモールドラベル(IML)を施したり、胴壁にロゴマークを設けたりする場合に特に顕著となる。
上で引用した比較例1のスクイズボトルでは、ロゴマークの際からボトルの破壊が発生しているのに対して、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を用いたボトルではこのような破壊の発生が全く認められず、本発明によれば、器壁軽量化のための薄肉化と同時に、インモールドラベルの配置やロゴマークの成形などが自由にできることを示している。
【0016】
上記の密度を有するエチレン・α−オレフィン共重合体は線状低密度ポリエチレンと呼ばれており、分子構造的にはα−オレフインに基づく短い側鎖を有するが、全体としての重合体鎖構造は線状である。この線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、高圧法の低密度ポリエチレン(LDPE)に比して、引張強度、衝撃強度及び剛性が高く、伸びが大きく、耐熱性及び耐環境応力亀裂性に優れているという利点を有しており、本発明においても、内外層の少なくとも一層として、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を用いることにより、これらの利点が奏されるものである。
【0017】
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、コモノマーであるα−オレフィンの含有量に影響され、含有量が増大するにつれて単調に減少する。この共重合体の密度が0.918g/cm3以上であることが、容器の剛性を維持し、ホット充填時の耐熱性(耐熱変形性)や、耐減圧変形性を維持する上で重要である。半面、密度が0.932g/cm3を越えると、容器の透明性が損なわれる傾向があり、また、器壁が硬くなって、内容品のスクイズ性が低下し、ボトル内にスクイズ残しが生じたりするので、好ましくない。
【0018】
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体は、4.5以上、好ましくは5.0よりも大きい分子量分布(Mw/Mn)を有することが重要である。この分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、狭分子量分布ポリスチレンを基準ポリマーに計測される。
一般に、通常の線状低密度ポリエチレン(LLPPE)は、分子量範囲が狭く、Mw/Mnが小さく、低密度ポリエチレン(LDPE)に比して、成形性及び透明性に劣るという欠点がある。
本発明では、上記のように分子量分布の広いエチレン・α−オレフィン共重合体を用いることにより、成形性及び透明性を向上させることができる。
【0019】
即ち、分子量分布(Mw/Mn)が4.5よりも低いエチレン・α−オレフィン共重合体を内外層に用いた場合、後述する比較例2、3及び4に示すとおり、内外層に著しいシャークスキンが発生し、また形成されるボトルのヘイズ値が著しく大きな値となり、光線透過率もかなり低下する。
これに対して、上記分子量分布(Mw/Mn)を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を用いると、成形性を向上させ、ヘイズ値を減少させて透明性も向上させることが可能となるのである。
【0020】
上述した分子量分布(Mw/Mn)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、押出成形性やブロー成形性に優れており、押出のための樹脂圧が低くてよいため、高吐出時の押出機の電流負荷を低減させることができ、作業性、省エネルギーの点で優れている。
更に、この樹脂を内外層に用いることにより、成形時の樹脂の温度をかなり下げることが可能であるという利点がある。
特に、ガスバリアー性樹脂としてエチレン−ビニールアルコール共重合体(EVOH)を用いた場合、耐熱性が不安定であって、焦げやゲル化などのトラブルが発生しやすいが、成形時の温度を下げ得るため、これらの不良発生を相当量低減することができる。
また、樹脂温度を低減することができるため、ブロー成形時のパリソンを安定化することもでき、特にロータリーブロー成形では金型間での肉厚変動を小さくでき、これは薄肉ボトルを成形する上で顕著な利点となる。
【0021】
更に、本発明に用いる上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、リグラインドの分散性にも優れている。広い分子量分布を反映して、比較的低剪断での粘度が高く、混練性に優れていることによる。
既に指摘したとおり、ボトル成形の際発生するスクラップ樹脂をリグラインドとして再利用することは、資源節約及び廃棄物削減のために極めて重要な事項であるが、本発明の樹脂を用いると、リグラインドとの混練がきわめて円滑に行われるという利点がある。即ち、このリグラインド中には、エチレン−ビニールアルコール共重合体のようなガスバリアー性樹脂が含まれており、この樹脂の分散不良や焦げやゲルの発生が問題となるのであるが、上記エチレン・α−オレフィン共重合体では、これらの樹脂も良好に分散させることが可能で、成形時の樹脂温をかなり低下できることとも相俟って、上記トラブルを解消することができるのである。
【0022】
本発明で規定した密度及び分子量分布(Mw/Mn)を有するエチレン・α−オレフィン共重合体、 特にチグラー系、あるいはクロム系触媒のLLDPEでは、従来のLDPEに比べて結晶化温度が高く、融解温度以下の同一温度で比較すると結晶化速度が速い。そのため、ブロー成形時に金型からより高温で取り出すことができ、冷却時間の短縮が可能となるという利点がある。ボトルの薄肉化により、この効果は更に一層顕著になる傾向にある。
また、メタロセン系触媒のLLDPEの場合では、結晶化温度はそれほど高くはないが、結晶化速度が速いため同様な効果がある。また、触媒の種類により、複数の融解ピークを所有する事があり、高融点ピークがより顕著な効果を奏する場合がある。
このような傾向は、ボトルの収縮率がより小さくなることの効果も生み、同一の金型で成形速度の異なる成形を行っても、ボトルの計量値を所定の範囲内に納める上でも有利であり、IMLを使用する場合にボトルとラベルの収縮率の差が原因で発生するボトルの局所的変形を防止する上でも効果を奏する。
【0023】
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体は、耐熱性の点で、116℃以上の融点を有するべきである。この融点が、116℃を下回ると、温度が85℃程度の熱間充填に際して、容器が変形したり、ノズルの保形性が低下するので好ましくない。複数の融点を有する場合には、高温側のピークが耐熱性に寄与する場合が多い。
【0024】
また、このエチレン・α−オレフィン共重合体は、3g以上のメルトテンションを有するものであることが、パリソンのドローダウンを防止し、胴部の肉厚やノズル部の肉厚を正確にコントロールする上で好ましい。
即ち、エチレン・α−オレフィン共重合体のメルトテンションが3gを下回ると、後述する比較例5及び6に示すとおり、ドローダウンや肉厚の変動が発生しやすいが、メルトテンションが上記範囲内にあれば、これらのトラブルを防止できる。
【0025】
本発明の軽量スクイズボトルにおいては、エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層が、エチレン・α−オレフィン共重合体単独の層であってもよく、またバージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物から成る層であってもよく、或いはこれらの層の組合せであってもよい。
既に指摘したとおり、エチレン・α−オレフィン共重合体にボトルのリグラインドを配合して、ボトル器壁の一部に用いることにより、前述した種々のトラブルなしに、資源の有効活用が可能となる。
この場合、ボトルの最外層や最内層には、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体を用いることが、衛生的特性の点で好ましい。その場合、成形時のシャークスキン、透明性を配慮したメイン層材と独立した樹脂系の選択が望ましい。
【0026】
エチレン・α−オレフィン共重合体にリグラインドを配合する場合、この層中のリグラインド配合率は、5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%であることが好ましい。リグラインドの配合率が上記範囲を上回ると、この層の層荒れが目立つようになり、また機械的特性や光学的特性の低下が大きくなる傾向があり、好ましくない。一方、エチレン・α−オレフィン共重合体にリグラインドを配合する際の手間の上からは、上記配合率以下では経済的でない。
【0027】
本発明の軽量スクイズボトルにおいては、エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層がボトル全体厚みの30乃至95%の厚みで設けられていることが本発明の目的から好ましい。
即ち、この厚みの比率が上記範囲を下回ると、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を用いたことによる上記利点が損なわれる傾向があり、一方この厚み比上記範囲を上回ると、ガスバリアー性等のボトルの総合評価が低下する傾向がある。
【0028】
本発明の軽量スクイズボトルにおいては、エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する内層及び/または外層に低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体から成る最内層及び/または最外層が積層されていることができる。
外層にLDPE,EVA等のエチレン系樹脂を設けることで、外部ヘイズを減らし、光沢、透明性を向上させることができる。また、ノズル・フィニッシュのエアホールシールも従来通り実施できる。更に、リサイクル層へリプロを配合する場合にリプロ分散性を向上させ、透明性をより高度に維持することも可能となる。
【0029】
本発明の軽量スクイズボトルでは、ガスバリアー性樹脂中間層、ガスバリアー性樹脂中間層の両側に設けられた接着剤層、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物から成る内層及び/または外層、低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体から成る最内層及び最外層の層構成を有することが最も好ましい。
上記構成の多層容器では、前述した種々の利点に加えて、ガスバリアー性、保香性等を加味した容器としての総合的評価に優れている。
【0030】
[エチレン・α−オレフィン共重合体]
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.918g/cm3以上、特に0.922乃至0.932g/cm3で、分子量分布(Mw/Mn)が4.5以上、特に5.0よりも大で且つ融点が116℃以上のものである。この共重合体のメルトテンションは、3g以上であることが好ましい。
【0031】
この共重合体を構成するα−オレフィンとしては、炭素数が4乃至8の範囲にあるものが好ましく、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の単独或いは2種以上の組合せを挙げることができる。
これらのα−オレフィンコモノマーの含有量は、上記密度の範囲となる量に規定される。即ち、α−オレフィンの含有量が増大するにつれて、共重合体の密度は単調に減少し、また一般にα−オレフィンコモノマーの分岐鎖炭素数が増大するにつれて密度の低下の度合いも大きくなる傾向がある。これらを考慮して、密度が上記範囲内となるようにα−オレフィンコモノマーの種類及び含有量を定めるべきである。
【0032】
分子量分布(Mw/Mn)の広いエチレン・α−オレフィン共重合体を得るためには、重合触媒の選択に加え、必要により、2段重合などの複数の連続した重合プロセスを用いることができる。重合法としては、公知の気相、溶液、スラリー更に高圧法など各種の方法が可能である。
触媒としては、チーグラー系触媒、クロム系触媒、メタロセン系触媒などが用いられる。多段で重合する場合に、それぞれの工程で触媒、使用コモノマー等を異にすることもできる。
また、重合後の造粒工程にて、重合の生産性を損なわない範囲の割合で、成形性、透明性を向上するために他のプロセスにて重合された低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などのエチレン系樹脂樹脂を配合することもある。
分子量分布の形態としては、なだらかな広い分布や、2山のいわゆるbimodal分布となる場合もある。また、組成分布の異なるものも可能である。コモノマーとしては、比較的低重合度で良好な物性を確保する場合、高い溶融張力を得る場合にいわゆるHAO:C5以上の炭素数を有するα−オレフィンを用いることも効果的である。
【0033】
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR、JIS K 6922−2)は、一般に0.2乃至10.0g/10min、特に0.5乃至5.0g/10minの範囲にあることが、成形性と落下強度等のバランスの点で好ましい。
本発明に用いる各樹脂には、添加剤として公知の添加剤を配合することができる。エチレン・α−オレフィン共重合体では、特にチーグラー系触媒を用いる場合には、残さの中和を目的にステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、天然もしくは合成ハイドロタルサイト類などの中和剤が用いられ、必要に応じてフェノール系、リン系、ヒンダードアミン系などの添加剤を酸化防止剤として用いることができる。また、容器最外層に用いる場合には、公知の脂肪酸アミド系滑剤を公知の添加量にて用いることができる。
内容品と直接接触する最内層を無添加乃至中和剤のみの添加とすることで、たとえメイン層樹脂に酸化防止剤が添加されていても、内容品への移行を実質的に防ぐことができる。
【0034】
[ガスバリアー性樹脂]
ガスバリヤー性樹脂としては、一般に酸素透過係数(PO2)が5.5×10−12cc・cm/cm2sec・cmHg 以下、特に4.5×10−12cc・cm/cm2sec・cmHg以下で、しかも透明性を有するものが好適に使用される。
バリヤー性樹脂の最も適当な例としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げることができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フエノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して0.01 dl/g 以上、特に0.05 dl/g 以上の粘度を有することが望ましい。
また、炭素数100個当りのアミド基の数が3乃至30個、特に4乃至25個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミドまたはそのブレンド物が好適に使用される。特にポリアミドとしては、脂肪族酸と芳香族ジアミン類との重縮合物、例えばメタキシリレンジアミンとアジピン酸の重縮合物等があげられる。この場合、リサイクル性を考慮して、末端基を特定官能基にて封鎖したものも用いられる。
勿論、上述したエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリアミドとはブレンド物の形で使用することもできるし、実用的バリヤー性を大きく損なわない範囲内、例えば30重量%以下の範囲内で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィンやアイオノマーなどポリオレフィンとの間の接着性を付与する樹脂等をブレンドとして用いることもできる。
【0035】
また、水分バリアー性樹脂として、環状オレフィン系共重合体を使用することができ、このものは、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)から成る。
共重合体を構成するオレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
環状オレフィンとしては、基本的には、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物である。
この共重合体(COC)は、50乃至22モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に150乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよい。
この共重合体の分子量は、特に制限はないが、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至20dL/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以下である。
【0036】
これらの酸素バリアー性樹脂や水分バリアー性樹脂は、単独で用いても、或いは組合せで用いてもよい。
【0037】
[積層構造]
本発明の軽量スクイズボトルは、基本的には、エチレン系重合体を含有する内外層と、バリアー性樹脂を含有する中間層とからなり、内外層の少なくとも一層がエチレン・α−オレフィン共重合体を含有するという条件下に任意の層構成を有することができる。
【0038】
エチレン系重合体を含有する内外層としては、前述したエチレン・α−オレフィン共重合体(LLDPE)や、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインド(BRG)とのブレンド物(LLDPE+BRG)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが挙げられる。
【0039】
本発明に用いる積層体は、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物(LLDPE+RGB)からなる少なくとも1個の層を有するのが好ましい。
この層中のリグラインド配合率は、5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%であることが好ましい。
このブレンド物は、エチレン系重合体に対しては勿論のこと、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)に対してもある程度の実用的な接着性を示す。
【0040】
上記積層体の製造に当たって、各樹脂層間に必要により接着剤樹脂を接着剤層(AD)として介在させることもできるし、或いは接着すべき樹脂層の一方或いは両方に接着剤樹脂をブレンドして、接着性向上を図ることもできる。
【0041】
このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸
を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500meq/100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフイン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフイン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組合せである。
【0042】
適当な積層構造の例を示すと次の通りとなるが、本発明はこの例に限定されない。尚、次の積層構造の例では、左が容器の内面側として示されている。
【0043】
[軽量スクイズボトル]
本発明の軽量スクイズボトルの一例を示す図1及びラベルエッジ部を拡大した部分断面を示す図2において、この軽量スクイズボトルは、インモールドラベル(IML)1が施されたボトル3からなっている。
このボトル3は、胴部A、胴部の下端に連なり、パリソン(ボトル基材)のピンチオフにより形成された閉塞底部B、及び胴部Aの上端に肩部を介して連なる内容物押出のための口部Cからなっている。
ボトル基材(器壁)5は前述した積層パリソンから形成される。
図2は、ラベル1のエッジとボトル基材5との水平断面での位置関係を示すものであり、ラベル1の外面とボトル基材5との外面は面一となっており、この位置関係でラベル1はボトル基材内に埋め込まれている。
このため、ラベルエッジ部分4は構造的に弱い部分となりやすいが、本発明によればこのエッジ部分の落下による破壊をも有効に防止することができる。
【0044】
本発明の軽量スクイズボトルで他の例を示す図3及びロゴマーク際の部分を拡大した部分断面を示す図4において、この軽量スクイズボトルは、径方向の凹凸からなるロゴマーク2が形成されたボトル3からなっている。
このボトル3は、胴部A、胴部の下端に連なり、パリソン(ボトル基材)のピンチオフにより形成された閉塞底部B、及び胴部Aの上端に肩部を介して連なる内容物押出のための口部Cからなっている。
ボトル基材5は前述した積層パリソンから形成される。
図4は、ロゴマーク2のボトル基材5との際での位置関係を示すものであり、ロゴマーク2とボトル基材5とは際6の部分で段差となっており、従ってこの部分は構造的に弱い部分となりやすいが、本発明によればこのロゴマーク際の部分の落下による破壊をも有効に防止することができる。
【0045】
ボトル基材の積層構成の一例である4種7層の積層構造を示す図5において、このボトル基材は、外面側から、エチレン系重合体から成る表面層10、リグラインド配合エチレン・α−オレフィン共重合体層9、接着樹脂層7、ガスバリアー性樹脂層8、接着樹脂層7、リグラインド配合エチレン・α−オレフィン共重合体層9、エチレン系重合体から成る表面層10の層構成となっている。
また、ボトル基材積層構成の他の例である3種5層の積層構造を示す図6において、このボトル基材は、外面側から、エチレン系重合体から成る表面層10、リグラインド配合エチレン・α−オレフィン共重合体層9、接着剤配合ガスバリアー性樹脂層11、リグラインド配合エチレン・α−オレフィン共重合体層9、エチレン系重合体から成る表面層10の層構成となっている。
ボトル基材積層構成の更に他の例である4種6層の積層構造を示す図7において、このボトル基材は、外面側から、エチレン系重合体から成る表面層10、接着樹脂層7、ガスバリアー性樹脂層8、接着樹脂層7、リグラインド配合エチレン・α−オレフィン共重合体層9、エチレン系重合体から成る表面層10の層構成となっている。
【0046】
本発明の軽量スクイズボトルにおいて、ボトル胴部の最大径部での厚みは、内容積によっても相違するが、一般に 0.20乃至 1.20mm、特に 0.25乃至 1.00mmの範囲にあるのが望ましい。
器壁の厚みが上記範囲を下回ると、容器の落下強度が不十分となる傾向があり、一方上記範囲を上回ると、容器を軽量化するという本発明の目的に反するとともに、透明性、内容物の押出性能も低下する傾向がある。
【0047】
本発明の軽量スクイズボトルにおいては、エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層がボトル全体厚みの30乃至97%の厚みで設けられていることが本発明の目的から好ましい。
【0048】
軽量スクイズボトルの成形は、前述した積層体のパリソンを用いてそれ自体公知の溶融成形法で行うことができる。例えば、単頭又は多頭のダイレクトブロー押し出しブロー成形機、多数個金型が回転しながら連続的に押し出し成形するロータリーブロー成形機などを用いる方法があり、そこでは多層のパリソンを溶融押出し、これを割金型内に供給し、その内部に流体を吹き込んで膨張させる、所謂ブロー成形で製造することができる。
成形用金型としては通常の内面がフラットなものも使用できるし、型の内面に微細な凹凸が形成されたものも使用できる。
多層押出成形体の製造には、それ自体公知の共押出成形法を用いることができ、例えば樹脂の種類に応じた数の押出機を用い、多層多重ダイを用いて押出成形を行えばよい。
スクイズボトルの形態として、その成形法より、ブローチューブに類似した形態もあり得る。
【0049】
本発明のインモールドラベル(IML)付容器を製造するには、キャビティ金型に予めラベルを位置決めして貼着し、この金型でパリソンのブロー成形を行えばよい。
ラベルとしては、二軸延伸、一軸延伸、或いは未延伸のプラスチックフィルム、例えばポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエステルフィルムに印刷を施したものが使用され、ボトルとの接着面には、ホットメルト接着剤、ポリエチレン系接着剤などを施しておくこともできる。
また、ボトル胴部などに凹凸のロゴマークを形成する場合には、キャビティ金型に予めロゴマーク形成用の凹凸パターンを形成しておくのがよい。
【0050】
【実施例】
本発明を次の例で更に説明するが、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
【0051】
[実施例1]
従来材との比較において、▲1▼バージン層(10%)/▲2▼バージン+リプロ層(26%)/▲3▼バリヤー材層(4%)/▲2▼(52%)/▲1▼(10%)なる3種5層(3M5L)構成の内容量1100ml、匁付け30g、27g、24gにて、胴部表裏にロゴマークを配設した金型により、毎時150kgの吐出量にて、ボトルをロータリーブロー成形した。
【0052】
ここで、本発明1−1〜3では、WDLLDPE/WDLLDPE+リプロ/EVOH系/WDLLDPE+リプロ/WDLLDPEの構成、本発明2−1〜3では、LDPE/WDLLDPE+リプロ/EVOH系/WDLLDPE+リプロ/LDPEの構成、比較例1−1〜3では、LDPE/LDPE+リプロ/EVOH系/LDPE+リプロ/LDPE、比較例2−1〜3では、NDLLDPE/NDLLDPE+リプロ/EVOH系/NDLLDPE+リプロ/NDLLDPEの構成のボトルを作成した。ここで、使用樹脂の明細は次の通り。
【0053】
【表1】
【0054】
得られた結果を表2に示す。
結果として、従来のLDPEを使用の構成では、落下時にロゴマーク際を起点として破壊する。また、シャークスキンが発生し、透明性著しく損なわれる。落下強度は良好。
低温落下強度、透明性を以下に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
[実施例2]
ここでは、先の実施例1と同じ金型を用い、容器外面より、▲1▼バージン層(10%)/▲2▼バージン+リプロ層(26%)/▲3▼接着材層(1%)/▲4▼バリヤー材層(2%)/▲3▼接着材層(1%)/▲2▼(52%)/▲1▼(10%)4種7層(4M7L)構成よりなる積層パリソンを使用し、目付け量24gで、成形時に両金型内に発泡PP層を構成層に有する厚み80ミクロンのIMLを挿入しながら、同様のボトルの成形を行った。
積層構成を図5に示し、ボトル形状を図1に示す。
【0057】
ここで、主たる樹脂として、分子量分布Mw/Mnの容器の成形性、性能に及ぼす数値の臨界性を明らかにするため、異なるMw/Mnの樹脂として、下記の樹脂をそれぞれ用い、接着材として無水マレイン酸変性のLLDPEからなる樹脂、バリヤー材としてエチレン含量32モル%のEVOHを使用した。
【0058】
【表3】
【0059】
得られた結果を表4に示す。
Mw/Mnが4.5を切ると、高吐出時にダイスと接触する内外層表面にシャークスキンが生じそのため著しく透明性が低下する。またその表面の凹凸のため、IMLの接着面に小さな気泡が発生した。
分布の狭いメタロセン系触媒LLDPEでは、ドローダウンが大きくなるためボトルの高さ方向の肉厚調整が困難になり、胴部の偏肉が著しく増大した。またノズルの寸法も安定せずキャップとの嵌合性にも劣っていることが認められた。
【0060】
【表4】
【0061】
[実施例3]
実施例1の本発明2と同じく外層にLDPEを使用し、先の実施例2と同じ4M7L構成にて、主たる樹脂の溶融張力(MT)が容器の成形性、性能に及ぼす数値の臨界性を明らかにするため、MFRをほぼ一定で、次に示す異なるMTの樹脂をメイン層樹脂として用い、先の実施例と同じくIML付きボトルを作成した。
【0062】
【表5】
【0063】
得られた結果を表6に示す。
溶融張力が3.0gを切るとドローダウンが大きくなり比較例5、6と同様に肉厚制御が困難になり落下で割れやすくなる傾向にある。また、リプロの分散性が低下し透明性が低下する一方、凝集粒子が増加するため層内での破壊やミゲルが多くなる傾向にあった。その傾向は、溶融張力の低下とともに顕著となり、本来透明性の向上するメタロセン系触媒LLDPEであってもその特性が生かされないことが分かった。
MT3.0で外層LDPEとの組合せにてパリソンが安定する結果、偏肉も少なく成形性良好となることが認められる。
また、リプロの分散安定化、ある程度の微粒、均一分散が図れるため、透明性に加え内容品の色相の再現性良いボトルが得られることも分かった。
【0064】
【表6】
添加剤
エチレン・α−オレフィン共重合体は、ダイスからの高速、高吐出時にダイス界面でのせん断応力が異常に高くなったり、流動性の異なる樹脂層界面で異常流れを生じることがあり、これを防止するために、界面での接触状態を改良する目的で、各種の添加剤を用いることがある。有効な添加剤として脂肪酸金属塩、あるいはフッ素などのハロゲン元素にて変性されたポリオレフィン系樹脂成分を添加して用いる。
【0065】
[実施例4]
ここでは、先の実施例1と同じ金型を用い、▲1▼バージン層(10%)/▲3▼接着材層(1.5%)/▲4▼バリヤー材層(3%)/▲3▼接着材層(1.5%)/▲2▼バージン+リプロ層(74%)/▲1▼(10%)の4種6層(4M6L)の構成(本発明7)、同様の構成で外層のバージン層樹脂を変更したもの(本発明8)、▲2▼バージン+リプロ層(20%)/▲3▼接着材層(1.5%)/▲4▼バリヤー材層(3%)/▲3▼接着材層(1.5%)/▲2▼バージン+リプロ層(74%)の3種5層(3M5L)構成(本発明9)よりなる積層パリソンを用いた。目付け量24gのボトルを、成形時に両金型内に一軸延伸PPフィルムを原反とする厚み60ミクロンのIMLを挿入しながら、同様の成形を行った。
下記にそれぞれ使用した主たる樹脂の特性を示した。▲3▼接着材として無水マレイン酸変性のLDPEからなる樹脂、▲4▼バリヤー材としてエチレン含量32モル%のEVOHを使用した。
【0066】
【表7】
【0067】
得られた結果を表8に示す。
その結果、いずれの例でも、軽量化した場合でも十分な落下強度が確保されることが分かった。
外層に広い分子量分布のチグラー系触媒LLDPEを用いる場合には、流動性改良材を用いることで、表面の肌荒れがある程度抑制され、実用的水準の外観が得られる。しかし、成形機をでた後にエアーホールシールを完全に実施するには、設定温度条件を従来条件より30℃程度アップする必要があった(本発明9)。
外層に流動性良好なLLDPEを用いることで、透明性も含めた外観特性、成形性、エアーホールシール性も従来のLDPE並みで良好であった(本発明7)。
また、外層の高流動性で比較的密度の低いメタロセン系触媒LLDPEを用いることで、透明感に加えて光沢性良好なボトルを得ることが可能であり、この場合表面ベトツキ感が少ないことから滑剤の添加量を従来の半分に抑えても、十分に充填ラインでのボトル搬送性が良好であった(本発明8)。
【0068】
【表8】
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、エチレン系重合体を含有する内外層とガスバリアー性樹脂を含有する中間層とから成るスクイズボトルにおいて、前記内外層の少なくとも1層を、密度が0.918g/cm3 以上で、分子量分布(Mw/Mn)が4.5以上で且つ融点が116℃以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層で形成することにより、容器が軽量化されていながら、落下強度、剛性、耐熱性、成形性、及び透明性が顕著に改善された軽量スクイズボトルを提供することができる。
また、上記エチレン・α−オレフィン共重合体に、ボトルのリグラインド乃至リプロをブレンドして器壁の形成に利用することにより、リグラインド乃至リプロの樹脂の分散が良好で、前述した優れた特性を示す軽量スクイズボトルが得られる。
更に、本発明によれば、器壁が薄肉化されていながら、ラベルの型内貼着(IML)が可能であり、またロゴマークの形成を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽量スクイズボトルの一例を示す側面図である。
【図2】図1のラベルエッジ部を拡大して示す水平部分断面図である。
【図3】本発明軽量スクイズボトルの他の例を示す側面図である。
【図4】図3のロゴマークの際を拡大して示す水平部分断面図である。
【図5】ボトル器壁の断面構造の一例を示す断面図である。
【図6】ボトル器壁の断面構造の他の例を示す断面図である。
【図7】ボトル器壁の断面構造の更に他の例を示す断面図である。
【記号の説明】
1. インモールドラベル、2.ロゴマーク、3.ボトル、4.ラベルエッジ、5.ボトル基材、6.ロゴマーク際、7.接着材、8.バリヤー材:EVOH、9.メイン材(リプロ含有)、10.外層材、11.バリヤー材:EVOH複合系。
Claims (7)
- エチレン系重合体を含有する内外層とガスバリアー性樹脂を含有する中間層とから成るスクイズボトルにおいて、前記内外層の少なくとも1層が密度0.918g/cm3以上で、分子量分布(Mw/Mn)が4.5以上で且つ融点が116℃以上のエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層から成ることを特徴とする軽量スクイズボトル。
- 前記エチレン・α−オレフィン共重合体が3g以上のメルトテンションを有するものであることを特徴とする請求項1に記載のボトル。
- エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層が、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物から成ることを特徴とする請求項1または2に記載のボトル。
- リグラインドが5乃至80重量%の量で含有されていることを特徴とする請求項3に記載のボトル。
- エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する層がボトル全体の厚みの30乃至97%の厚みで設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のボトル。
- エチレン・α−オレフィン共重合体を含有する内層及び/または外層に低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体から成る最内層及び/または最外層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のボトル。
- ガスバリアー性樹脂中間層、ガスバリアー性樹脂中間層の両側に設けられた接着剤層、バージンのエチレン・α−オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物から成る内層及び/または外層、低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体から成る最内層及び最外層の層構成を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のボトル。
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