JP3837909B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、後突を予測(予知)または検出するセンサと、このセンサの後突予測または検出時にシートベルトのプリテンショナを作動させるCPUやマイクロコンピュータユニットのような制御手段とを備えて、乗員を保護する車両用乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両用乗員保護装置としては、例えば特開平9−175327号公報に記載の装置がある。
すなわち自車両と対象後続車両との相対距離に基づいて後突を予測する予測センサ(相対距離センサ)と、このセンサによる後突予測時にマイクロコンピュータユニット(いわゆるMCU)を介してシートベルトのリトラクタ(またはプリテンショナ)を作動させて、衝突不可避である場合、シートベルトの張力を増加させて乗員をシートに固定することにより衝突時に乗員を保護すべく構成した車両用乗員保護装置である。
【0003】
この従来装置においてはリトラクタ(またはプリテンショナ)によるシートベルトの巻込みスピードが一律であるため、その作動速度を遅く設定すると、乗員のシートバックに対する拘束が不充分となって、良好な乗員保護効果が得られず、逆に、その作動速度を早く設定すると乗員に対して違和感を与えるだけでなく、シートベルトにより乗員が後方へ急速に付勢され、頸椎への負担が増長のされる問題点があった。
【0004】
ここで、上述の頸椎への負担は次のようなメカニズムで発生するものと推考される。つまり、後突時において乗員の頭部は慣性で止ろうとする一方、乗員の胸椎はシートバック上部で押されて前進しながら直線化し、また乗員の体幹はシートバックに沿ってずり上がるので、乗員の頸椎に負担が発生するものと推考される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、後突予測または検出時に制御手段でプリテンショナの作動速度を、作動初期に低速で、その後に高速となるように設定して、該プリテンショナを作動させることで、プリテンショナによりに頸椎への負担が増大することを防止し、また後突時にあっては乗員の頭部をヘッドレストに確実に近接させて、頸椎への負担を未然に防止することができ、しかも、プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態の時、乗員検知手段が乗員を検出すると、作動速度が高速になることを禁止することで、乗員がシートバックまたはヘッドレストに既に当接している情況下にあっては無駄な制御を抑止することができ、さらに、プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態から高速状態に移行した後に、乗員検知手段が乗員を検知すると、プリテンショナの作動を禁止することにより、乗員がシートバックまたはヘッドレストに既に当接している状況下にあっては無駄なプリテンショナ作動を抑止することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0006】
この発明の一実施態様は、上述のプリテンショナの作動速度を2段階(例えば低速と高速との2段階)に制御することで、制御の簡素化を図ることができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0007】
この発明の一実施態様は、上述の作動速度の変化タイミングを、実際に後突が発生する以前に設定することで、後突予測時点から実際の後突発生時点までの間でプリテンショナの作動速度を可変して、頸椎への負担をより一層良好に未然防止することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の車両用乗員保護装置は、後突を予測または検出するセンサと、上記センサの後突予測または検出時にシートベルトのプリテンショナを作動させる制御手段と、乗員がシートバックに近接または当接したことを検知する乗員検知手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、上記制御手段は、プリテンショナの作動速度を、作動初期に低速で、その後に高速となるように設定する一方、上記プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態の時、上記乗員検知手段により乗員を検知すると、その作動速度が高速になることを禁止する第1の禁止手段と、上記プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態から高速状態に移行した後に、上記乗員検知手段により乗員を検知すると、プリテンショナの作動を禁止する第2の禁止手段とを備えたものである。
【0009】
この発明の一実施態様は、上記プリテンショナの作動速度を2段階に制御するものである。
この発明の一実施態様は、上記作動速度の変化タイミングを、実際に後突が発生する以前に設定したものである。
【0010】
【発明の作用及び効果】
この発明によれば、上述のセンサは後突を予測または検出し、上述の制御手段はセンサの後突予測または検出時にシートベルトのプリテンショナを作動させて、シートベルトを巻込むが、上述の制御手段はプリテンショナの作動速度を作動初期に低速で、その後に高速となるようにコントロールする。
このため作動初期において低速で違和感がないように、乗員をシートバック側へ引き寄せ、乗員の頭部とヘッドレストとの距離を短縮し、その後、高速でシートベルトを巻き込むので、プリテンショナにより頸椎への負担が増大することを防止し、また後突時にあっては乗員の頭部をヘッドレストに確実に近接させて、頸椎への負担を未然に防止することができる効果がある。
【0011】
しかも、上述の第1の禁止手段は、プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態の時、乗員検知手段が乗員の近接または当接を検知すると、作動速度が高速になることを禁止する。
この結果、乗員がシートバックまたはヘッドレストに既に当接している状況下にあっては、プリテンショナの作動速度を高速にするという無駄な制御を抑止することができる効果がある。
【0012】
また、上述の第2の禁止手段は、プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態から高速状態に移行した後に、乗員検知手段が乗員の近接または当接を検知すると、該プリテンショナの作動を禁止する。
この結果、乗員がシートバックまたはヘッドレストに既に当接している状況下にあっては無駄なプリテンショナ作動を抑止することができる効果がある。すなわち、プリテンショナの作動速度が高速状態に移行した後に、それまでのプリテンショナ作動により乗員の背部がシートバックに当接、または頭部がヘッドレストに当接すると、それ以上のプリテンショナ作動は無駄であるから、斯る不要制御を防止することができる。また、それ以上のプリテンショナ作動が仮りに実行されると乗員が過度に拘束されるが、このような点も解消することができる効果がある。
【0013】
この発明の一実施態様によれば、上述のプリテンショナの作動速度を2段階に制御するので、制御手段によるプリテンショナ制御の簡素化を図ることができる効果がある。
【0014】
この発明の一実施態様によれば、上述のプリテンショナの作動速度の変化タイミング(低速から高速に切換わるタイミング)を、実際に後突が発生する以前に設定したので、後突予測時点から実際の後突発生時点までの間でプリテンショナの作動速度を可変して、頸椎への負担をより一層良好に未然防止することができる効果がある。
【0015】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用乗員保護装置を示し、図1においてシートクッション1と、シートバック2と、ヘッドレスト3とを備えたシート4を設け、このシート4に着座した乗員Aを、タング5をバックル6に係入させた時、ショルダベルト7およびラップベルト8から成る3点式シートベルト装置にて拘束すべく構成している。
【0016】
上述のショルダベルト7は車体に内設されたプリテンショナ9(図3参照)に連結され、必要時にショルダベルト7に張力を付与すべく構成している。
なお、上述のショルダベルト7とラップベルト8との双方の端部に電動プリテンショナを設けて、これら両ベルト7,8を同時に巻取るように構成してもよい。
【0017】
また上述のシートバック2は図3に示すシートバック角度駆動モータ10によりシートクッション1に対して傾動可能に構成されており、リクライニング支点11を中心として起伏する。
【0018】
このシートバック2内には乗員がシートバック2に近接または当接したことを検出する近接センサ12を内蔵している。この近接センサ12は超音波センサで構成することができるが、乗員のシートバック2への当接の有無を検出する場合には近接センサ12に代えて、感圧センサ13(図3参照)を用いてもよい。
【0019】
さらに上述のシートバック2内の上方前部には図1、図2に示すように、中実構造のシートバックフレーム14に支持されて成るエアバッグ装置15を内蔵し、インフレータ16の作動時にはシートバック2の表皮縫目部を介してエアバッグ17を図1に仮想線で示すように乗員Aの頸部から後頭部にかけて展開して、乗員Aの頸部を保護すべく構成している。なお、図1において18はステアリングホイールである。
【0020】
図3は車両用乗員保護装置の制御回路を示し、CPU20は後突を予測する予測センサ19からの信号と、ポテンショメータ等により構成されてシートバック2の傾斜角度を検出するシートバック角度センサ21からの信号と、近接センサ12または感圧センサ13からの信号とに基づいて、ROM22に格納されたプログラムに従って、プリテンショナ9、シートバック角度駆動モータ10、インフレータドライバ23を駆動制御し、またRAM24はタイマの所定値データなどのデータやその他の必要なデータおよびマップ等を記憶する。
【0021】
ここで、上述のCPU20は内蔵タイマ25を有し、後突の予測時点からタイマスタートして、計時を行なう。なお後突の予測時点から衝突までの時間は1秒前後である。
また、上述の予測センサ19は超音波を用いて自車と後突の可能性がある車両との間の相対距離や相対速度を計測して、後突を予測(予知)する。
【0022】
なお、この予測センサ19に代えて、後突を検出するGセンサを用いてもよい。
【0023】
さらに、上述のインフレータドライバ23はインフレータ16を介してエアバック装置15のエアバック17を展開制御する。
さらには、上述のCPU20は予測センサ19の後突予測時にシートベルト(ショルダベルト7参照)のプリテンショナ9を作動させる制御手段であり、この制御手段(CPU20参照)はプリテンショナ9の作動速度が初期に遅く、その後、速くなるように設定している。
【0024】
この実施例では、プリテンショナ9をその作動初期に低速で作動し、その後、高速で作動するように高低の2段階に制御すべく構成すると共に、プリテンショナ9の作動速度の変化タイミング(図5に示すフローチャートの第5ステップQ5におけるYES判定参照)を、実際に後突が発生する以前に設定している。
【0025】
しかも、上述のCPU20は、乗員検知手段としての近接センサ12または感圧センサ13がプリテンショナ9の作動速度の変化前において乗員Aを検出した時、作動速度を早くすることを禁止する第1の禁止手段(図5に示すフローチャートの第6ステップQ6参照)と、
乗員検知手段としての近接センサ12または感圧センサ13がプリテンショナ9の作動速度の変化後において乗員Aを検出した時、プリテンショナ9の作動を禁止する第2の禁止手段(図5に示すフローチャートの第12ステップQ12参照)と、
乗員検知手段としての近接センサ12または感圧センサ13が乗員を検出した時、プリテンショナ9の作動を禁止する規制手段(図5に示すフローチャートの第12ステップQ12参照、この実施例では該12ステップQ12が規制手段と上述の第2の禁止手段とを兼ねる)と、
乗員Aがシートバック2に近接または当接したことを上記センサ12,13にて検出した後に、上述のプリテンショナ9にてシートベルト(ショルダベルト7参照)を所定量巻込み作動させる定量作動手段(図5に示すフローチャートの第7,第11ステップQ7,Q11参照)と、
を兼ねる。
【0026】
このように構成した車両用乗員保護装置の作用を、図4に示すフローチャート(メインルーチン)と図5に示すフローチャート(サブルーチン)とを参照して、以下に詳述する。
まず、図4に示すフローチャートを参照して、後突の予測乃至エアバッグ展開処理について説明する。
【0027】
第1ステップS1で、CPU20は予測センサ19による検出を実行し、次の第2ステップS2で、CPU20は予測センサ19の出力に基づいて衝突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には第3ステップS3に、YES判定時には第4ステップS4にそれぞれ移行する。
【0028】
上述の第3ステップS3で、CPU20は各種機器(例えばシートバック2、シートベルト7,8および再使用可能なエアバッグ等)が作動されていれば、これらを違和感のないようにゆっくりと元に戻す。
【0029】
一方、上述の第4ステップS4で、CPU20はプリテンショナ9を作動させる。このプリテンショナ9の作動処理については図5に示すサブルーチンを参照して、後述する。
【0030】
次に第5ステップS5で、CPU20はインフレータドライバ23を介して、エアバッグ装置15のインフレータ16を作動して、図1に仮想線で示すようにエアバッグ17を展開し、乗員Aの頸部を保護する。なお、この第5ステップS5で、エアバッグ装置15を駆動する構成に代えて、ヘッドレスト3を前方へ移動させ、乗員Aの頭部とヘッドレスト3との間の間隔を縮小して、乗員の頭部、頸部を保護すべく構成してもよい。
【0031】
次に図5に示すフローチャートを参照してプリテンショナ9の作動処理について説明する。
このサブルーチンは図4で示したメインルーチンの第4ステップS4に相当するものであり、プリテンショナ9の低速、高速の切換えをタイマ25による時間に基づいて実行するフローチャートである。
【0032】
第1ステップQ1で、CPU20はその内蔵タイマ25をスタートさせ、次の第2ステップQ2で、CPU20はプリテンショナ9をその動作初期に対応して遅いスピードつまり低速にて作動し、ショルダベルト7を低速で巻込む。
次に第3ステップQ3で、CPU20は近接センサ12または感圧センサ13の検出を実行し、次の第4ステップQ4で、CPU20は乗員Aがシートバック2に当接または近接しているか否かを判定する。つまりショルダベルト7の巻込みにより乗員Aが図1に実線で示す状態から同図に仮想線で示すようにシートバック2に当接または近接したかを判定する。
【0033】
而して、第4ステップQ4でのNO判定時には次の第5ステップQ5に移行する一方、YES判定時には別の第6ステップQ6に移行する。
この第6ステップQ6で、CPU20はシートベルト7,8の弛みをとる目的で、プリテンショナ9を低速作動させ、次の第7ステップQ7で、CPU20は乗員Aがシートバック2に当接または近接した後に、プリテンショナ9の所定量の作動が完了したか否かを判定する。
【0034】
そして、NO判定時には第6ステップQ6にリターンする一方、弛みがないことに相当するYES判定時には第12ステップQ12に移行して、プリテンショナ9を停止する。
【0035】
一方、前述の第5ステップQ5で、CPU20は内蔵タイマ25のタイマ値が所定値(後突予測と実際の後突との中間に相当する値)に達したか否かを判定し、NO判定時には第2ステップQ2にリターンする一方、YES判定時には次の第8ステップQ8に移行する。
この第8ステップQ8で、タイマ値が所定値に達したことに対応して、CPU20はプリテンショナ9を低速作動から高速作動に切換えて、ショルダベルト7を高速で巻込む。
【0036】
次に第9ステップQ9で、CPU20は近接センサ12または感圧センサ13の出力に基づいて乗員Aがシートバック2に当接または近接したか否かを判定し、NO判定時には第8ステップQ8にリターンする一方、YES判定時には次の第10ステップQ10に移行する。
【0037】
この第10ステップQ10で、CPU20はシートベルト7,8の弛みをとる目的で、プリテンショナ9を低速作動させ、次の第11ステップQ11で、CPU20は乗員Aがシートバック2に当接または近接した後に、プリテンショナ9の所定量の作動が完了したか否かを判定する。
【0038】
そして、第11ステップQ11でのNO判定時には第10ステップQ10にリターンする一方、弛みがないことに相当するYES判定時には次の第12ステップQ12に移行し、この第12ステップQ12で、CPU20はプリテンショナ9を停止し、次の第13ステップQ13で、CPU20はタイマをリセットする。
【0039】
このように図1〜図5で示した実施例によれば、上述の予測センサ19は後突を予測し、上述の制御手段(CPU20参照)は予測センサ19の後突予測時にショルダベルト7のプリテンショナ9を作動させて、ショルダベルト7を巻込むが、上述の制御手段(CPU20参照)はプリテンショナ9の作動速度が初期に遅く、その後速くなるようにコントロールする。
このため作動初期において低速で違和感がないように乗員Aをシートバック2側へ引き寄せ、乗員Aの頭部とヘッドレスト3との距離を短縮し、その後、速いスピードでショルダベルト7を巻き込むので、プリテンショナ9により頸椎への負担が増大することを防止し、また後突時にあっては乗員Aの頭部をヘッドレスト3に確実に近接させて、頸椎への負担を未然に防止することができる効果がある。
【0040】
また、上述のプリテンショナ9の作動速度を2段階(低速と高速との2段階)に制御するので、制御手段(CPU20参照)によるプリテンショナ制御の簡素化を図ることができる効果がある。
【0041】
さらに、上述のプリテンショナ9の作動速度の変化タイミング(遅いスピードから早いスピードに切換わるタイミング)を、実際に後突が発生する以前に設定したので、後突予測時点から実際の後突発生時点までの間でプリテンショナ9の作動速度を可変して、頸椎への負担をより一層良好に未然防止することができる効果がある。
【0042】
加えて、上述の第1の禁止手段(第6ステップQ6参照)は、シートバック2に設けられた乗員検知手段(近接センサ12、感圧センサ13参照)がプリテンショナ9の作動速度の変化前において乗員Aを検出した時、作動速度を早くすることを禁止する。
【0043】
この結果、乗員Aがシートバック2に既に当接している状況下にあっては、プリテンショナ9の作動速度を早くするという無駄な制御を抑止することができる効果がある。
【0044】
また、上述の第2の禁止手段(第12ステップQ12参照)は、シートバック2に設けられた乗員検知手段(近接センサ12、感圧センサ13参照)がプリテンショナ9の作動速度の変化後において乗員Aを検出した時、該プリテンショナ9の作動を禁止する。
この結果、乗員Aがシートバック2に既に当接している状況下にあっては無駄なプリテンショナ作動を抑止することができる効果がある。すなわち、プリテンショナ9の作動速度の変化後に、それまでのプリテンショナ作動により乗員Aの背部がシートバック2に当接すると、それ以上のプリテンショナ作動は無駄であるから、斯る不要制御を防止することができる。
【0045】
さらに、上述の規制手段(第12ステップQ12参照、この実施例では該12ステップQ12が規制手段と第2の禁止手段とを兼ねる)は、シートバック2に設けられた乗員検知手段(近接センサ12、感圧センサ13参照)が乗員Aを検出した時、プリテンショナ9によるショルダベルト7の巻き込み作動を禁止する。
【0046】
このため、乗員Aがシートバック2に既に当接している状況下にあっては不要なプリテンショナ作動を省略することができる効果がある。
【0047】
加えて、上述の定量作動手段(各ステップQ7,Q11参照)は、乗員Aがシートバック2に近接または当接したことを検出した後に、プリテンショナ9にてショルダベルト7を所定量巻込み作動させる。この結果、ショルダベルト7,8の弛みを確実に除去して、乗員保護性能をさらに向上させることができる効果がある。
【0048】
なお、予測センサを用いて後突を予測する構成に代えて、Gセンサにより後突を検出すべく構成してもよいことは勿論である。
【0049】
図6、図7は車両用乗員保護装置の他の例を示すフローチャートおよびタイムチャートで、この実施例においても図1〜図3で示した回路装置を用いる。
この場合、上述のCPU20は、乗員検知手段としての近接センサ12または感圧センサ13がプリテンショナ9の作動速度の変化前において乗員Aを検出した時、作動速度を早くすることを禁止する第1の禁止手段(図6に示すフローチャートの第6ステップC6参照)と、
乗員検知手段としての近接センサ12または感圧センサ13がプリテンショナ9の作動速度の変化後において乗員Aを検出した時、プリテンショナ9の作動を禁止する第2の禁止手段(図6に示すフローチャートの第14ステップC14参照)と、
乗員検知手段としての近接センサ12または感圧センサ13が乗員Aを検出した時、プリテンショナ9の作動を禁止する規制手段(図6に示すフローチャートの第14ステップC14参照、この実施例では該14ステップQ14が規制手段との上述の第2の禁止手段とを兼ねる)と、
乗員Aがシートバック2に近接または当接したことを上記センサ12,13にて検出した後に、上述のプリテンショナ9にてシートベルト(ショルダベルト7参照)を所定量巻込み作動させる定量作動手段(図6に示すフローチャートの第7,第13ステップC7,C13参照)と、
衝突の微弱時間前t3から後突タイミングt4の直前まで上述のプリテンショナ9を低速作動させ、かつ後突タイミングt4時点では上述のプリテンショナ9を完全に停止させる停止手段(図6に示すフローチャートの第12ステップC12参照)と、
を兼ねる。
【0050】
なお、図6に示すフローチャートは図4で先に示したメインルーチンの第4ステップS4に相当するサブルーチンであって、この図6に示す実施例では衝突タイミングt4を検出し、このタイミングt4に基づいてプリテンショナ9の作動速度を低速から高速に切換えるようにしたものである。
【0051】
このように構成した車両用乗員保護装置の作用を、図6に示すフローチャート、図7に示すタイムチャートを参照して、以下に詳述する。
第1ステップC1で、CPU20は衝突タイミングt4を検出(演算)する。つまり予測センサ19による予測時点t1から、相対距離と相対速度とにより衝突タイミングt4が求められる。
【0052】
次に第2ステップC2で、CPU20はプリテンショナ9を低速で作動して、ショルダベルト7を遅いスピードで巻き込む。
次に第3ステップC3で、CPU20は近接センサ12または感圧センサ13による検出を実行する。
【0053】
次に第4ステップC4で、CPU20は乗員Aが図1に仮想線で示したようにシートバック2に当接または近接したか否かを判定し、ショルダベルト7の低速巻込みにより乗員Aがシートバック2に当接、近接した際(YES判定時)には第6ステップC6に移行し、乗員Aがシートバック2に当接または近接していない時(NO判定時)には次の第5ステップC5に移行する。
【0054】
上述の第6ステップC6で、CPU20はシートベルト7,8の弛みをとる目的で、プリテンショナ9を低速作動させ、次の第7ステップC7で、CPU20は乗員Aがシートバック2に当接または近接した後に、プリテンショナ9が所定量の作動を完了したか否かを判定し、NO判定時には第6ステップC6にリターンする一方、YES判定時には第14ステップC14に移行して、プリテンショナ9の作動を停止する。
【0055】
一方、上述の第5ステップC5で、CPU20は衝突タイミングt4の所定時間前t2か否かを判定し、NO判定時には第2ステップC2にリターンする一方、YES判定時には次の第8ステップC8に移行する。つまり時点t1〜時点t2までの間で、乗員Aがシートバック2に当接、近接していないうちは、プリテンショナ9が低速作動される。
【0056】
次に第8ステップC8で、CPU20はプリテンショナ9を低速動作から高速動作に切換えて、ショルダベルト7を早いスピードで巻き込む。
次に第9ステップC9で、CPU20は近接センサ12または感圧センサ13からの出力に基づいて、乗員Aが図1に仮想線で示したようにシートバック2に当接または近接したか否かを判定し、NO判定時には第8ステップC8にリターンする一方、YES判定時には次の第10ステップC10に移行する。
【0057】
この第10ステップC10で、CPU20は衝突タイミングt4の微弱時間前t3か否かを判定し、NO判定時(未だt3に達していない時)には第11ステップC11に移行する一方、時点t3に達したYES判定時には別の第12ステップC12に移行する。
【0058】
上述の第11ステップC11で、CPU20はシートベルト7,8の弛みをとる目的で、プリテンショナ9を低速作動させ、次の第13ステップC13で、CPU20は乗員Aがシートバック2に当接または近接した後に、プリテンショナ9が所定量の作動を完了したか否かを判定し、NO判定時には第10ステップC10にリターンする一方、YES判定時には第14ステップC14に移行して、プリテンショナ9の作動を停止する。
【0059】
一方、上述の第12ステップC12で、CPU20は衝突タイミングt4の微弱時間前t3に達したことに対応して、プリテンショナ9を完全に停止させるか或は衝突タイミングt4の直前までプリテンショナ9を低速に切換えて作動し、ショルダベルト7を遅いスピードで巻き込み、次の第14ステップC14に移行し、この第14ステップC14で、CPU20はプリテンショナ9を完全に停止させる。
【0060】
このように図6、図7で示した構成によれば、上述の予測センサ19は後突を予測し、上述の制御手段(CPU20参照)は予測センサ19の後突予測時(時点t1参照)にショルダベルト7のプリテンショナ9を作動させて、ショルダベルト7を巻込むが、上述の制御手段(CPU20参照)はプリテンショナ9の作動速度が初期に遅く、その後速くなるようにコントロールする。
【0061】
このため作動初期において低速で違和感がないように乗員Aをシートバック2側へ引き寄せ、乗員Aの頭部とヘッドレスト3との距離を短縮し、その後(時点t2以降参照)、速いスピードでショルダベルト7を巻き込むので、プリテンショナ9により頸椎への負担が増大することを防止し、また後突時にあっては乗員Aの頭部をヘッドレスト3に確実に近接させて、頸椎への負担を未然に防止することができる効果がある。
【0062】
また、上述のプリテンショナ9の作動速度を低速および高速の2段階に制御するので、制御手段(CPU20参照)によるプリテンショナ制御の簡素化を図ることができる効果がある。
【0063】
さらに、上述のプリテンショナ9の作動速度の変化タイミング(遅いスピードから早いスピードに切換わるタイミングのことで、図7に示す時点t2参照)を、実際に後突が発生する以前に設定したので、後突予測時点t1から実際の後突発生時点t4までの間でプリテンショナ9の作動速度を可変して、頸椎への負担をより一層良好に未然防止することができる効果がある。
【0064】
加えて、上述の第1の禁止手段(第6ステップC6参照)は、シートバック2に設けられた乗員検知手段(近接センサ12、感圧センサ13参照)がプリテンショナ9の作動速度の変化前において乗員Aを検出した時、プリテンショナ9の作動速度を早くすることを禁止する。
この結果、乗員Aがシートバック2に既に当接している状況下にあっては、プリテンショナ9の作動速度を早くするという無駄な制御を抑止することができる効果がある。
【0065】
また上述の第2の禁止手段(第14ステップC14参照)は、シートバック2に設けられた乗員検知手段(近接センサ12、感圧センサ13参照)がプリテンショナ9の作動速度の変化後において乗員Aを検出した時、該プリテンショナ9の作動を禁止する。
【0066】
この結果、乗員Aがシートバック2に既に当接している状況下にあっては無駄なプリテンショナ作動を抑止することができる効果がある。すなわち、プリテンショナ9の作動速度の変化後に、それまでのプリテンショナ作動により乗員Aの背部が図1に仮想線で示す如くシートバック2に当接すると、それ以上のプリテンショナ作動は無駄であるから、斯る不要制御を防止することができる。
【0067】
さらに、上述の規制手段(第14ステップC14参照、この実施例では該ステップC14が規制手段と第2の禁止手段とを兼ねる)は、シートバック2に設けられた乗員検知手段(近接センサ12、感圧センサ13参照)が乗員Aを検出した時、プリテンショナ9によるショルダベルト7の巻き込み作動を禁止する。
【0068】
このため、乗員Aがシートバック2に既に当接している状況下にあっては不要なプリテンショナ作動を省略することができる効果がある。
一方、上述の定量作動手段(各ステップC7,C13参照)は、乗員Aがシートバック2に近接または当接したことを検出した後に、プリテンショナ9にてショルダベルト7を所定量巻込み作動させる。この結果、シートベルト7,8の弛みを確実に除去して、乗員保護性能をさらに向上させることができる効果がある。
【0069】
さらに、上述の停止手段(第12ステップC12参照)は、後突タイミングt4の直前までプリテンショナ9を低速作動させ、後突タイミング時点t4ではプリテンショナ9を停止させるので、後突時にショルダベルト7による後方側への力を乗員Aに付勢しないように成して、乗員保護性能をより一層向上させることができる効果がある。
【0070】
なお、この実施例においても予測センサで後突を予測する構成に代えて、Gセンサで後突を検出すべく構成してもよい。
【0071】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の制御手段は、実施例のCPU20に対応し、
以下同様に、
シートベルトは、ショルダベルト7、ラップベルト8に対応し、
乗員検知手段は、近接センサ12、感圧センサ13に対応し、
第1の禁止手段は、各ステップQ6に対応し、
第2の禁止手段は、各ステップQ12に対応し、
規制手段は、各ステップQ12に対応するも
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0072】
例えば、上記各実施例においては近接センサ12または感圧センサ13をシートバック2に設けて乗員検知を実行すべく構成したが、これら近接センサ12または感圧センサ13をヘッドレスト3に設けて乗員の頭部の近接または当接を検出すべく構成してもよいことは勿論である。
【0073】
さらに、図示実施例においては車両用乗員保護装置を運転席側に適用した場合について例示したが、これは運転席、助手席、リヤ席の何れに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用乗員保護装置を示す側面図。
【図2】シートの正面図。
【図3】制御回路のブロック図。
【図4】後突予測乃至エアバッグ展開処理を示すフローチャート。
【図5】プリテンショナ作動処理を示すフローチャート。
【図6】プリテンショナ作動処理の他の構成を示すフローチャート。
【図7】プリテンショナ作動処理を示すタイムチャート。
【符号の説明】
2…シートバック
3…ヘッドレスト
7…ショルダベルト
8…ラップベルト
9…プリテンショナ
12…近接センサ(乗員検知手段)
13…感圧センサ(乗員検知手段)
19…予測センサ(センサ)
20…CPU(制御手段)
Q6…第1の禁止手段
Q12…第2の禁止手段(規制手段)

Claims (3)

  1. 後突を予測または検出するセンサと、
    上記センサの後突予測または検出時にシートベルトのプリテンショナを作動させる制御手段と、
    乗員がシートバックに近接または当接したことを検知する乗員検知手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、
    上記制御手段は、プリテンショナの作動速度を、作動初期に低速で、その後に高速となるように設定する一方、
    上記プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態の時、上記乗員検知手段により乗員を検知すると、その作動速度が高速になることを禁止する第1の禁止手段と、
    上記プリテンショナの作動速度が作動初期の低速状態から高速状態に移行した後に、
    上記乗員検知手段により乗員を検知すると、プリテンショナの作動を禁止する第2の禁止手段とを備えた
    車両用乗員保護装置。
  2. 上記プリテンショナの作動速度を2段階に制御する
    請求項1記載の車両用乗員保護装置
  3. 上記作動速度の変化タイミングを、実際に後突が発生する以前に設定した
    請求項1記載の車両用乗員保護装置。
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