JP3836866B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナに高周波電流を供給して高周波電界を発生させ、その電界によりプラズマを発生して、基板面にエッチングや薄膜形成等の表面処理を行うプラズマ処理装置に有用なプラズマ発生装置に関わり、特に液晶用ガラス基板等の大面積基板を処理するのに適するものである。
半導体デバイスや液晶ディスプレイの製造工程で使用されるドライエッチング装置やアッシング装置、プラズマCVD装置等のプラズマを用いた処理装置の分野においては、近年の処理基板の大型化に伴い、処理装置のプラズマ源も大口径化が要求されている。また、一方では、エッチングレートや成膜速度、スループットを確保するため、高真空下でのプラズマの高密度化が要求されている。
このうち、プラズマの高密度化に関しては、プラズマの励起効率を促進するために、高周波を用いて誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、 以下ICPと略称)を発生させる方法が採用されている。ICPは主としてアンテナ励起用コイルに高周波電流を流し、これによって真空中に誘導電磁界を発生させ、プラズマを生成するものであり、高真空下において高密度プラズマを均一に生成することができる。
従来のICPを用いたプラズマ処理装置の1例を図9に示す。図9において、21は基板のエッチング処理等を行なう真空容器(プロセスチャンバー)、22は真空容器の一部に設けられた石英等の絶縁体隔壁、23は絶縁体隔壁22の大気側の壁面に沿ってループ状あるいはスパイラル状に設けられた1ターン以上の巻数を有する周回形状の高周波アンテナ、24は高周波アンテナに高周波電力を供給する高周波電源、25は排気口、26は放電プラズマが生成される放電室、27は基板電極である。
しかし、図9の従来方式では、放電室26の径を400mmφ以上に大口径化しようとすれば、大気圧下にある外気と高真空下にある放電室内との圧力差に抗するのに必要となる機械的強度を得るために、絶縁体隔壁22の肉厚を10〜30mmもの厚みにしなくてはならず、このため高周波アンテナ23から放射される誘導電界強度は、アンテナから遠くなるに従って指数関数的に減少して放電効率が悪くなり、アンテナ23のインダクタンスが大きくなってアンテナに発生する高周波電圧が高くなってしまうこと等の問題があった。
一方、このように放電室の側面を周回させるようにアンテナを設ける代わりに、真空容器の放電室上面を絶縁体の天板にして、その外側にアンテナを設置する方式もあった。しかしこの方式では、現状での放電室径が300mmφのものの天板の絶縁体の厚みが20mm程度であるのに対し、放電室径を400mmφ以上に大口径化しようとした場合には、機械的強度を確保するために30〜50mmもの厚みが必要となるという問題があった。
真空容器の絶縁体隔壁あるいは天板の大気側の壁面に高周波アンテナを設置する従来の誘導結合型プラズマ発生装置では、放電室の径が大きくなるにつれ絶縁体の厚みを大幅に増大させなければならず、またアンテナから放射される誘導電界の内、真空容器の絶縁体隔壁あるいは天板に接する面の側に放射される誘導電界成分のみしか放電維持に利用されないため、投入される高周波電力の利用効率が悪いという問題があった。
上記の問題点を解決するために、本発明によるプラズマ発生装置においては、アンテナ自体を真空容器内部の任意の場所に設置し、つまり内部アンテナにしてアンテナの全表面が真空内にあるようにし、アンテナから放射される誘導電界の全てを有効利用できるようにするとともに絶縁体の隔壁や天板を用いる必要をなくしている。また同時に本発明では、内部アンテナの場合、アンテナに大きな電圧が印加されると異常放電を生じやすくなることから、アンテナのインダクタンスを極力小さくし、少なくともアンテナが周回しない構造としている。
さらに本発明では、上記したアンテナ自体の真空容器内部における配置の自由度を高めるため、アンテナを複数個の線状導体からなる構造とし、それら複数個の線状の導体のそれぞれの端部を、独立した導入端子を用いて真空容器の内壁面に支持するとともに、真空容器の外側で並列接続している。
以下に、本発明の原理について詳述する。
アンテナを真空チャンバー内に導入した場合、アンテナ自体がプラズマに曝される為、アンテナに印加される電圧に依存してイオンや電子がアンテナに流入する。この時プラズマ中のイオンと電子の高周波電磁界に対する移動速度が大きく異なることから、時間平均では実効的にプラズマ中の電子がアンテナへ過剰に流入してプラズマ電位が上昇する。その結果、投入高周波電力の増加によるプラズマの高密度化に伴いアンテナ導体との静電結合によるプラズマ電位の上昇が顕著となり、真空容器内に異常放電を引き起こす。この様に内部アンテナ型のICPプラズマでは安定した高密度プラズマが得にくいという問題がある。また、静電結合の増加は、アンテナからシースを介してプラズマに印加される高周波電圧の振幅を大きくする。高周波電圧の振幅の増大は、プラズマの乱れ(プラズマ電位の高周波変動の増大)を誘発する。その結果、エッチングや薄膜形成時におけるプラズマの揺らぎが大きくなり(例えばイオン入射エネルギーの増大)、プラズマダメージの影響が懸念される。よって、内部アンテナ型のICPプラズマ生成においては、印加する高周波電圧の低動作電圧化が重要であり、そのためには、アンテナのインダクタンス低減および静電結合の抑制が必要である。
以上により、本発明のプラズマ発生装置は、以下のように構成される。
(1) 高周波電力を印加して誘導電界を発生させるアンテナを真空容器の内部に設置した高周波放電による誘導結合方式のプラズマ発生装置であって、前記アンテナは、真空容器の内壁面に沿って周回しないで終端する複数個の線状の導体からなり、該複数個の線状の導体は、それぞれの端部が、独立した導入端子を介して真空容器の内壁面に支持されるとともに、真空容器の外側で並列接続されることを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
(2) 前項1において、
前記複数個の線状導体には、直線状導体、コの字状導体、あるいは円弧状導体が含まれることを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
(3) 前項(1)または(2)において、
前記複数個の線状導体は、真空容器の内壁面に沿って縦方向か横方向、あるいは2次元状に配列されていることを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
(4) 前項(1)ないし(3)のいずれかにおいて、
前記真空容器の内壁面に沿って配列される複数個の線状導体は、その導体の方向が該内壁面の周長の方向に揃えられていることを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
(5) 前項(1)ないし(4)のいずれかにおいて、
前記真空容器の外側に、プラズマ密度を一様にする磁界発生手段を設けたことを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
(6) 前項(1)ないし(5)のいずれかにおいて、
前記複数個の線状導体の接地側の接続点と接地との間に、電気容量が固定または可変のコンデンサを挿入したことを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
(7) 前項(1)ないし(6)のいずれかにおいて、
前記真空容器内に導入される雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用いることを特徴とするプラズマ発生装置の構成。
本発明によるプラズマ発生装置の基本構成を、図1により説明する。なお、図1には、便宜上、本発明の1実施例装置の構成が示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1において、1は真空容器(プロセスチャンバー)、2は天板、3は排気口、4は基板電極、5は本発明によるアンテナ導体、6はアンテナ導体5の全表面を被覆する絶縁体チューブ、7はアンテナ導体5を接地から浮遊(フローティング)させる容量が固定あるいは可変のブロッキングコンデンサ、8、9はアンテナ導体5の各端部を支持するとともにアンテナ導体5に真空容器の外側から高周波電力を供給する導入端子である。
アンテナ導体5は、図では断面のみが示されているが、真空容器1の内壁面に沿って配置された複数個のコの字形あるいは円弧形等の種々の形状の線状導体で構成される。それらの線状導体は、いずれも真空容器1の内壁面を周回しない長さ、つまり内壁面を一周しないで終端する長さにつくられる。具体的には、例えば図8に示されているようなアンテナのパターンが適用できる。
プラズマ励起用のアンテナ全体が真空容器1内に収容されているため、真空容器の一部を厚い絶縁体材料で形成する必要がなく、装置の大口径化が容易であり、アンテナの形状変更も任意かつ容易に行うことができる。
図示のように、真空容器1内でアンテナ導体5の全表面を絶縁体チューブ6で覆った場合、図2の等価回路に示すように、プラズマのシース領域に印加される電圧(Vsheath )は、アンテナに発生する電圧 (Vantenna ) と絶縁体における電位降下分(Vinsulator ) を用いて次式のように表すことができる。
Vsheath=Vantenna −Vinsulator
=Vantenna Zsheath/(Zinsulator +Zsheath) (1)
ここでZinsulator 及びZsheathは絶縁体及びシース領域のインピーダンスを示す。これらインピーダンスは主に抵抗成分と静電容量成分で構成されている。高周波電力を増大させプラズマの密度が増加した際、プラズマ中の等価抵抗(抵抗成分)の減少とシースの厚みの低下による静電容量の増加(注:シースの静電容量はシースの厚さに逆比例する。)のためにZsheathは減少する。(注:インピーダンスの静電容量成分は静電容量の逆数比例するため、シースの静電容量増加はインピーダンスの減少に寄与する。)これに対しZinsulator はプラズマ状態に関わらず一定であることにより、プラズマ密度が高くなるほどVsheathの値は小さくなる。この様にアンテナ表面を絶縁体で被覆することにより、アンテナへの電子流入が遮断され、アンテナとプラズマとの静電結合成分が抑制される。その結果、プラズマの高密度化に伴うプラズマ電位の急増が抑制され、異常放電を起こすことなく安定した高密度プラズマ生成が可能になる。また、シース電位が小さくなることにより、プラズマによる真空容器内壁やアンテナへのスパッタリングが抑制され、基材表面や薄膜中への不純物混入を低減できる。
絶縁体の材質ならびに厚さの選択にあたっては、シースの等価インピーダンスよりも十分(例えば一桁以上)大きいインピーダンスを有する(Zinsulator >>Zsheath)ことが必要であり、さらにはプラズマに直接曝されても問題を生じない耐熱性、化学的安定性、機械的強度、電気絶縁性等を有することを要件とする。このため、例えば高純度アルミナ、石英、ジルコニア等の高抵抗、高絶縁性、低誘電率を同時に満たすことが可能なセラミックス誘電体群の材質で、厚みは2〜4mm程度であればよい。
本発明で用いられる周回しないアンテナは、従来のループやコイルなどの周回する形状のアンテナに比べ、アンテナの持つインダクタンスを大幅に低減できる。その結果、高周波電力増大に伴う高周波電圧の増大を抑制することが出来る。
図1のアンテナの接地側の導入端子9と接地との間には、ブロッキングコンデンサ7が挿入され、駆動側の導入端子8へは、図3(a)、(b)に示す整合器11を介して高周波電力が供給される。図3(a)、(b)は、接地電位に直接接続された接地型アンテナと、コンデンサを介して接地電位に接続された浮遊型アンテナの等価回路を示す。ここでLはアンテナのインダクタンス、rc はアンテナの内部抵抗、C0 、C1 、C2 はマッチングコンデンサ、Cb はブロッキングコンデンサ、ωは高周波電流の角周波数である。
図3(a)、(b)の何れの場合においても、高周波アンテナの高電位側電圧|VH |と低電位側電圧|VL |との間に発生する高周波電圧は、アンテナ電流Irf、アンテナのインダクタンスL、アンテナの内部抵抗rc を用いて、次の数1に示す式(2)で与えられる。
Figure 0003836866
ここで、また一般に使用される金属製アンテナにおいては、内部抵抗rc は無視できる程度に小さい。したがって図3(b)に示すように、アンテナの終端にブロッキングコンデンサCb を接続した浮遊型アンテナの場合のアンテナ両端の電位|VL |、|VH |はそれぞれ次式(3)(4)で表せる。
|VL |=(1/ωCb )Irf (3)
|VH |=|1/jωCb +jωL|Irf (4)
図3(a)、(b)において共振条件が成立する時、LとC0
1/ω2 =[C0 1 /(C0 +C1 )]L=C1 Lとなる。
また、一般に整合器11における入力インピーダンスは50オーム程度の低インピーダンスであるため、C0 >>C1 を満たす。さらに、アンテナとの整合時には1/C1 =1/C2 +1/Cb を満足する。その結果、図3(b)の浮遊型アンテナにおけるアンテナ両端の電圧比は次式(5)のように表せる。
|VH /VL |=Cb /C2 (5)
図3(a)に示すアンテナの終端を接地電位に直接接続している接地型アンテナの場合における高電位側の高周波電圧の振幅は、低電位側が接地電位
(VL =0V)に固定されるのでωLrfとなる。
これに対し図3(b)の浮遊型アンテナのアンテナ両端の電圧は、式(2)、(5)からωLIrfより小さくなる。そして終端容量が平衡条件を満たしてCb とC2 の比が1となる時、最小値VH =VL =ωLIrf/2が得られる。 ここで、プラズマへの高周波電流の漏洩が無視できる単純な場合を想定すると、図4(a)、(b)に示すように、アンテナ導体に沿って分布する高周波電圧は、VL からVH まで直線状に変化する。この場合、図3(b)に示すアンテナ終端にコンデンサ(Cb )を接続した浮遊型アンテナでは、アンテナ自体(L)と整合器内のマッチングコンデンサ(C2 )及び接地電位の間に挿入したブロッキングコンデンサ(Cb )の各インピーダンスが
ωL=2/ωCb =2/ωC2
を満足するとき、アンテナ高電位側の電圧VH の振幅は、図3(a)に示すアンテナを直接接地電位に接続した接地型アンテナの場合の振幅(ωLIrf)の半分となる。
そして、先に示したように、周回しない線状導体のアンテナへ高周波電流を供給することと、アンテナの終端にコンデンサを挿入してインピーダンスの整合を取ることを組み合わせることにより、アンテナにかかる高周波電圧の振幅を大きく低減できる。例えば、インダクタンスが1/2となれば、高周波電圧の対地振幅は約1/4となる。これは、アンテナに発生する対地電圧振幅として、従来方式と同程度の電圧が許される場合、従来方式に比べて16倍もの高出力の高周波電力を供給可能であることを示している。
本発明では、プラズマ生成用のアンテナ自体を真空容器内に設置しているため、真空容器の外側に高周波アンテナを設けている従来装置のように放電室の形状や口径および長さがアンテナの大きさによって制限されるということがない。また、アンテナの大型化に伴うインダクタンスの増加を抑制するため、アンテナを直線状や、コの字状、円弧状などの周回しない複数個の線状の導体で構成して、いわゆるセグメント構造とし、さらにそれら複数個の線状の導体のそれぞれの端部を、独立した導入端子により真空容器の内壁面に支持するとともに、真空容器の外側で並列接続しているため、個々の線状導体の配置の自由度が高められ、ひいては放電室におけるプラズマ分布状態の制御を容易にすることができる。またアンテナ自体の作製とその取り付けや支持が容易となる。
加えて本発明では、アンテナの終端と接地との間に電気容量が固定または可変のコンデンサを挿入して整合させることにより、高密度でプラズマ電位の低いプラズマが生成されるため、ダメージの少ないプラズマ処理を実現可能にするとともに、異常放電を発生させることなく大電力の高周波電力を供給できるため、プラズマの高密度化を図ることが容易である。
アンテナの接地側に挿入したコンデンサの効果を検討するため、コンデンサを挿入した場合(浮遊型アンテナ)とアンテナ終端を直接接地電位に接続した場合(接地型アンテナ)について実験を行い比較した。
図5に、浮遊型アンテナと接地型アンテナそれぞれのアンテナ状態における高周波投入電力(Prf)とプラズマ密度(np )との関係を示す。同図に見られるように、浮遊型アンテナ及び接地型アンテナ何れにおいてもPrfの増加に伴いnp は増大し、Prf=2.4kWで荷電粒子密度が5×1011(cm3 )の高密度プラズマが得られ、アンテナ接地状態の違いによるnp の違いは無いことがわかる。また、本実施例で得られるプラズマ密度は、従来方式による放電室径が300mmφ以下のプラズマ発生装置で得られているものと同程度かそれより高い値となっており、本発明のプラズマ発生方式によれば、従来方式のプラズマ発生装置に比べて大口径化した場合でも実用化レベルの高密度プラズマが容易に得られることを示している。
さらに図6には、同時にオシロスコープで計測した接地型アンテナと浮遊型アンテナそれぞれにおける高周波電圧(Vantenna )の変化を示す。接地型アンテナの場合、np が1×1011(cm3 )以上になるPrf500W以上の領域では、Prfの増加に依存してVantenna も増大する。これに対し高周波電圧平衡条件を満たす浮遊型アンテナの場合、接地型アンテナの場合の半分かそれ以下のVantenna 値を示す。そして、Prf=2.5kwの時、接地型アンテナではVantenna =約1800Vに対し、浮遊型アンテナでは、Vantenna =600Vと、約1/3の電圧に抑えられている。これらの結果から、アンテナの接地側に高周波電圧平衡条件を満たすコンデンサを挿入することは、プラズマ密度を低下させることなくアンテナにかかる電圧値の低減を可能にし、大電力投入による安定した高密度プラズマの生成を容易にする。
図1の実施例と同様の装置を用いて、アルゴンガス(Ar ) を1.1 Paまで導入し、高周波電力を120W〜2400Wまで投入し、真空容器内にプラズマを発生させた。この時アンテナの終端は直接接地電位に接続した。またこの時アンテナ表面の絶縁体被覆の効果を検討するため、アンテナ表面に絶縁体を被覆した場合としない場合について同様の実験を行って比較した。
図7に、それぞれのアンテナ状態における高周波投入電力(Prf)に対するプラズマ密度(np )の変化を示す。絶縁体被覆無しのアンテナ状態の場合、Prf=500WまではPrfの増加に依存してプラズマ密度(np )は増加する。しかしPrf=500W以上になると真空容器内の至る所(例えば、導入端子部)で異常放電が多発し、安定したプラズマを得ることができなかった。これはプラズマ密度の増加に伴いプラズマ電位が急激に上昇し、その結果、真空容器内の各所で異常放電が生じたと考えられる。
一方、絶縁体で被覆したアンテナではPrfの増加に対し異常放電を起こすことなくnp は増加し、Prf=2.4kwで5×1011(cm-3)の高密度プラズマが安定して得られている。これは、アンテナ表面を絶縁体にて被覆したことにより、プラズマからアンテナに流入する電子が遮断され、その結果プラズマ電位の上昇が抑制されたことに起因すると考えられる。この様に、アンテナ表面を絶縁体で被覆することにより安定した高密度プラズマが得られることが明らかになった。
図8に示す実施例は、複数の直線状アンテナ18a〜18fを、真空容器17の内壁面に沿って縦方向か横方向、あるいは2次元状に配置したマルチ型直線状アンテナである。各直線状アンテナ18a〜18fのそれぞれの端子は図1に示された導入端子8,9と同様な独立した導入端子によって真空容器の内壁面に支持されるとともに、真空容器17の外側で並列接続され、整合器11とブロッキングコンデンサ7が接続される。図8の実施例ではマルチ型直線状アンテナが用いられており、特に大口径で長軸の真空容器内での高密度プラズマ生成を行うのに有効である。なお必要に応じて、各直線状アンテナ18a〜18fをコの字形あるいは円弧形のアンテナに変更することも可能である。
また図1、図8などの実施例において、真空容器の外壁に沿いマルチカスプ型の永久磁石を取り付けるなど、適当な磁界発生手段を付加することによって、プラズマ密度の一様性をさらに向上させることができる。
本発明の基本構成説明図である。 アンテナ導体を絶縁体で被覆した場合の等価回路図である。 接地型アンテナと浮遊型アンテナの等価回路図である。 接地型アンテナと浮遊型アンテナの電圧分布説明図である。 接地型アンテナと浮遊型アンテナにおける高周波投入電力とプラズマ密度の関係を示すグラフである。 接地型アンテナと浮遊型アンテナにおける高周波電圧の変化を示すグラフである。 アンテナ表面の絶縁体被覆の効果を示すグラフである。 複数の直線状導体を用いたアンテナの実施例構成図である。 従来のICPを用いたプラズマ処理装置の1例を示す構成図である。
符号の説明
1:真空容器
2:天板
3:排気口
4:基板電極
5:アンテナ導体
6:絶縁体チューブ
7:ブロッキングコンデンサ
8、9:導入端子

Claims (7)

  1. 高周波電力を印加して誘導電界を発生させるアンテナを真空容器の内部に設置した高周波放電による誘導結合方式のプラズマ発生装置であって、前記アンテナは、真空容器の内壁面に沿って周回しないで終端する複数個の線状の導体からなり、該複数個の線状の導体は、それぞれの端部が、独立した導入端子を介して真空容器の内壁面に支持されるとともに、真空容器の外側で並列接続されることを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. 請求項1に示されたプラズマ発生装置において、
    前記複数個の線状導体には、直線状導体、コの字状導体、あるいは円弧状導体が含まれることを特徴とするプラズマ発生装置。
  3. 請求項1または請求項2に示されたプラズマ発生装置において、
    前記複数個の線状導体は、真空容器の内壁面に沿って縦方向か横方向、あるいは2次元状に配列されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに示されたプラズマ発生装置において、
    前記真空容器の内壁面に沿って配列される複数個の線状導体は、その導体の方向が該内壁面の周長の方向に揃えられていることを特徴とするプラズマ発生装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに示されたプラズマ発生装置において、
    前記真空容器の外側に、プラズマ密度を一様にする磁界発生手段を設けたことを特徴とするプラズマ発生装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに示されたプラズマ発生装置において、
    前記複数個の線状導体の接地側の接続点と接地との間に、電気容量が固定または可変のコンデンサを挿入したことを特徴とするプラズマ発生装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに示されたプラズマ発生装置において、
    前記真空容器内に導入される雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用いることを特徴とするプラズマ発生装置。

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