JP3835923B2 - 使い捨て着用物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観に優れ、且つフィット性にも優れた使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの使い捨て着用物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、使い捨ておむつとしては、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を有し、使用時に着用者のウエストに位置するウエスト部にウエスト部弾性部材が配されており、使用時に着用者の脚周りに位置するレッグ部にレッグ部弾性部材が配されており、使用時に着用者の胴回りに位置する胴回り部に胴回り弾性部材が配されているものが広く用いられている。
【0003】
このような使い捨ておむつにおいて上記胴回り弾性部材は、胴回りのフィット性を高めて、装着中におけるフィット性を向上させるために設けられた部材である。そして、該胴回り弾性部材は、通常、おむつの外表面にギャザーを形成するように上記裏面シートに貼り付けられて設けられていた。
このため、従来の胴回り弾性部材を有する使い捨ておむつにおいては、上記ギャザーにより外観が悪いという問題が生じていた。
【0004】
従って、本発明の目的は、装着中におけるフィット性に優れ、更には外観に優れた使い捨て着用物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、胴周り弾性部材を最外層シートに接着させずに配する構成とした使い捨ておむつが、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、使い捨て着用物品の外表面に位置する最外層シ−ト、及び上記表面シートと上記裏面シートとの間に介在された液保持性の吸収体を有し、胴回り部に胴回り弾性部材が配されている使い捨て着用物品において、
上記裏面シートと上記最外層シートとの間に外層シートが配されており、
上記胴回り部に位置する部分における上記最外層シートと上記外層シートとの間に、上記胴回り弾性部材の固定用シートが配されており、
上記胴回り弾性部材は、上記最外層シート以外の部材である上記固定用シートと上記外層シートとにより伸張状態で挟持固定されて該最外層シートの内方にギャザーを形成しており、
上記固定用シートと上記最外層シートとが接着されていないことによって、上記胴回り弾性部材と上記最外層シートとの間に非接着領域が設けられて、上記胴回り部の外表面にギャザーが形成されていないことを特徴とする使い捨て着用物品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の使い捨て着用物品の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。先ず、図1〜7を参照して本発明の使い捨ておむつの基本構造を示す第1の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の範囲外である。
ここで、図1は、本発明の使い捨て着用物品の第1の実施形態としての使い捨ておむつを示す正面図である。図2は、図1に示す実施形態の使い捨ておむつの展開図であり、図3は、図2のIII-III 断面図であり、図4は、図2のIV-IV 断面図であり、図5は、図2のV-V 断面図であり、図6は、図2のVI-VI 断面図である。また、図7は、図2に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。
【0008】
図1及び図2に示す第1の実施形態の使い捨ておむつ1は、液透過性の表面シート2、使い捨ておむつの外表面に位置する最外層シ−ト7、及び液保持性の吸収体4を有し、胴回り部Eに胴回り弾性部材13が配されている。
【0009】
而して、胴回り弾性部材13は、最外層シート7以外の部材に伸張状態で固定されてギャザーを形成しており、胴回り弾性部材13と最外層シート7との間に非接着領域Fが設けられており、上記胴回り部Eの外表面にギャザーが形成されていない。ここで、「最外層シート以外の部材に固定」とは、表面シートや吸収体等を含む最外層シート以外の部材には固定されているが、最外層シートに固定されていない状態を意味する。
【0010】
本実施形態の使い捨ておむつについて更に詳述すると、液不透過性の裏面シート3を有し、吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に介在されており、裏面シート3の内面側に弾性部材固定用シート5が配されており、裏面シート3の内面側には、吸収体4を載置する内層シート6が配されており、胴回り弾性部材13は、最外層シート7以外の部材である内層シート6と該弾性部材固定用シート5とにより挟持固定されており、 裏面シート3は、その直ぐ内面に位置するシートである弾性部材固定シート5とは、胴回り弾性部材13が存在する領域においては接着されていない。即ち、裏面シート3は、その内面が、弾性部材固定用シート5とは接着されずに、弾性部材固定用シート5が接着されていない部分において内層シート6に接着されていると共に、その外面側のほぼ全面が最外層シート7に接着されている。
弾性部材固定用シート5は、裏面シート3と内層シート6との間に配されている。
また、本形態の使い捨ておむつ1においては、ウエスト開口部Cにウエスト部弾性部材11が配されており、レッグ部Dにレッグ部弾性部材12が配されており、ウエスト開口部Cの下方に位置する胴回り部Eに胴回り弾性部材13が配されている。即ち、本形態において、胴回り部Eは、図2に示すように、腹側部及び背側部においてウエスト開口部の下方に位置する部分である。
また、本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、腹側部Bの左右両側縁部B1,B2と背側部Aの左右両側縁部A1,A2とが接合固定されてなるパンツ型の使い捨ておむつである。
また、図2〜7に示すように、裏面シート3は、その内面が、弾性部材固定用シート5とは接着されずに、弾性部材固定用シートが接着されていない部分において内層シート6に接着されていると共に、裏面シート3はその外面側全面が最外層シート7に接着されている。
【0011】
即ち、本実施形態の使い捨ておむつ1は、図2〜7に示すように、下記の如く構成されている。
本実施形態の使い捨ておむつ1において、裏面シート3は、股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成されている。また、吸収体4は、T字状であり、裏面シート3のほぼ中央部に位置するように配されている。表面シート2は、裏面シート3よりも小さく且つ股下領域が溢れた砂時計状に湾曲形成されており、吸収体4を覆うように配されている。
【0012】
裏面シート3の外面側(おむつの外表面側)に配されている最外層シート7の形状は、裏面シート3の形状とほぼ同じであるが、前後両端部7a,7bが、裏面シート3よりも長く形成されている。
裏面シート3の内面側(吸収体4側の面側)に配された内層シート6の形状も、裏面シート3の形状とほぼ同じであるが、前後両端部6a,6bが裏面シート3の長さよりも長く且つ最外層シート7の長さよりも短くなされている。
また、おむつの胴回り部Eに位置する部分(腹側部B側及び背側部A側の両方)には、長方形状の弾性部材固定用シート5が配されている。
【0013】
また、使い捨ておむつ1の長手方向左右両側には、それぞれ不織布が配されて立体ガード8が形成されている。立体ガード8の自由端81には立体ガード弾性伸縮部材14が配されて、立体ギャザーを形成している。
また、最外層シート7は、その前後両端部7a,7bがおむつの前後両端縁において折り返されて、吸収体4、表面シート2及び立体ガード8の前後両端縁部を覆って、固着されている。
【0014】
また、吸収体4の周縁部におけるウエスト開口部Cとレッグ部Dとには、おむつを着用した際に、着用者にウエスト開口部Cとレッグ部Dとをフィットさせるためのウエスト部弾性部材11及びレッグ部弾性部材12が配されている。ウエスト部弾性部材11は、直線状に複数本(本形態においては3本)設けられており、また、レッグ部弾性部材12は、腹側部B側と背側部A側との両方において、それぞれU字状に複数本(本形態においては2本)設けられている。そして、ウエスト部弾性部材11は、最外層シート7と内層シート6とにより挟持固定されており、レッグ部弾性部材12は、最外層シート7と裏面シート3とにより挟持固定されている。
また、胴回り弾性部材13は、弾性部材固定シート5と内層シート6とにより挟持固定されている。
【0015】
そして、吸収体4は、内層シート6に直線状及び長方形状に塗布された接着剤61を介して接着されている。
また、弾性部材固定用シート5は、その内面(吸収体4側の面)ほぼ全面に接着剤(図7に示す斜線部分)が塗布されて内層シート6に接着されている。なお、分解斜視図における斜線の領域は接着剤が塗布された領域を示す。破線の斜線の領域は図に示す面の裏面側が接着剤が塗布された領域であることを示す。以下の各実施形態の説明において同じ。
また、裏面シート3は弾性部材固定用シート5と当接しない箇所に接着剤(図7に示す斜線部分)が塗布されて内層シート6に接着されている。即ち、弾性部材固定用シート5と裏面シート3とは接着されていない。更に、最外層シート7は、そのほぼ全面に接着剤(図7に示す斜線部分)が塗布されており、裏面シート3の全面に接着されていると共に、前後両端縁部7a,7bにおいて内層シート6の前後両端縁部6a,6bと接着されており、更に折り返された部分にて表面シート2及び立体ガード8の前後両端縁部を固定している。
【0016】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、胴回り弾性部材13が、上記弾性部材固定用シート5と内層シート6とにより挟持固定されて、裏面シート3ひいては最外層シート7には、直接的にも間接的にも固定されていないので、胴回り弾性部材13と最外層シートとの間に非接着領域Fが形成され、おむつの外表面における胴回り部Eに該胴回り弾性部材13によってギャザーが形成されない。
従って、胴回り弾性部材13の作用により、胴回り部Eのフィット性ひいてはおむつ全体の装着中におけるフィット性を向上させつつも外観を損なうことがないものである。
また、本形態の使い捨ておむつによれば、更に、下記の如き効果が奏される。
布様のすっきりした外観でフィット性もよい。
ぴったりしたズボン・スカート・パンツを着用しても外観上おむつを着用していることが目立たない。
おむつ着用時及びズボン等の着用時に引っかからず、なめらかである。
絵柄・プリントなどを導入する場合、印刷した模様がしわよせられることによる見栄えの低下が防止される。
廃棄用テープを導入する場合に加工上接着が容易で生産性が向上する。
廃棄用テープが、ギャザーで寄せられてしわになったり、角が剥がれるなどの弊害が防止される。また、廃棄時にテープの接着面が平滑で貼りやすく、廃棄操作が容易である。
胴回り弾性部材よりも外側のシートとして、隠蔽性の高いもの(特に防水フィルム)を使用すると更に良好である。
【0017】
次に、使い捨ておむつ1を構成する各部材の形成材料について説明する。
表面シート2としては、***物を吸収体4へ透過させる液透過性シートで肌着に近い感触を有したものが好ましく、このような液透過性シートとしては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましく挙げられる。また、表面シート2の周縁にシリコン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を全体に塗布し、周縁を温水で洗浄する方法により、撥水処理を施し、周縁における尿等の滲みによる漏れを防止することができる。
【0018】
裏面シート3としては、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した液不透過性かつ蒸気透過性のフィルムシート、または繊維集合体と該フィルムシートとのラミネート等が用いられる。
【0019】
吸収体4としては、解繊パルプを主材とし、高吸水ポリマーを併用したものが好ましい。該高吸水ポリマーは、上記吸収体4の上層、中層、下層の何れの位置に存在させてもよく、また、パルプと混合したものでもよい。また、該高吸水ポリマーは自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましい。このような高吸水ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体などが好ましく挙げられる。
【0020】
ウエスト部弾性部材11、レッグ部弾性部材12、胴回り弾性部材13及び立体ガード弾性部材14としては、それぞれ、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴム、或いはポリウレタン又はメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体の弾性フィルム、糸ゴム、平ゴム、発泡体等が好ましく挙げられ、特に50%伸長時の応力が40〜150グラムのものが好ましい。
【0021】
また、立体ガード8を形成する不織布としては、通常おむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。
【0022】
また、最外層シート7、内層シート6、弾性部材固定用シート5としては、通常、衛生材料として用いられる各種製法による不織布または、ポリエチレン、ウレタン等のプラスチックフィルム、及びそれらのラミネート等を用いることができる。
【0023】
尚、本実施形態の使い捨ておむつは、通常のパンツ型の使い捨ておむつと同様にして使用することができるものであり、また、下記の如くして製造することができるものである。
即ち、図7に示すように、内層シート6の内面上に、吸収体4、表面シート2及び立体ガード8をこの順で載置し、更に、内層シート6の外面側(裏面シート3側)の前後両端部6a,6b側に胴回り弾性部材13が固着された弾性部材固定用シート5を配し、また、弾性部材固定用シート5と当接する部分には接着剤が塗布されておらず且つ内層シート6と直接当接する部分にのみ接着剤が塗布されてなる裏面シート3を貼り付け、更に、ほぼ全面に接着剤が塗布され且つ所定位置にウエスト部弾性部材11及びレッグ部弾性部材12が配された最外層シート7を該裏面シート3及び内層シート6に接着する。そして、更に最外層シート7の前後両端縁部7a,7bを矢印方向に折り返して、表面シート2及び立体ガード8を固定して、本実施形態の使い捨ておむつを得ることができる。
【0024】
以上、本発明の使い捨ておむつの基本構成を説明したが、この基本構成は上記実施形態に制限されるものではなく、種々の変更形態が可能である。
例えば、上述した実施形態において、最外層シート7を設けずに裏面シート3を最外層シートとして用い、該裏面シートと内層シート6とでウエスト部弾性部材11及びレッグ部弾性部材12を固定してなる形態、内層シート6を設けずに吸収体4及び表面シート2と弾性部材固定用シート5とにより胴回り弾性部材13を固定する形態、並びに、内層シート6及び最外層シート7を設けずに、裏面シートを最外層シートとして用い、吸収体4及び表面シート2と弾性部材固定用シート5とにより胴回り弾性部材13を固定する形態、等の形態とすることができる。
また、上述の形態においては、胴回り弾性部材が胴回り部全周に亘って設けられた例を示して説明したが、胴回り弾性部材は、胴回り部全周ではなく胴回り部の1部のみに設けられてもよい。
【0025】
次に、図8〜10を参照して第2〜4の実施形態について詳述する。
ここで、図8は、第2の実施形態を示すおむつの分解斜視図であり、図9は、第3の実施形態を示すおむつの分解斜視図であり、図10は、第4の実施形態を示すおむつの分解斜視図である。
なお、以下の実施形態の説明においては、特に、上述した第1の実施形態と異なる点について詳述する。特に詳述しない点については、第1の実施形態の説明においてした説明が適宜適用される。
【0026】
図8に示す第2の実施形態の使い捨ておむつ1は、液不透過性の裏面シート3を有し、吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に介在されており、裏面シート3の内面に配され吸収体4を載置する内層シート6が設けられており、胴回り弾性部材13は、裏面シート3の内面側に配されている。
そして、胴回り弾性部材13は、裏面シート3の内面側(表面シート2側)に配されており、胴回り部Eの外表面にギャザーが形成されていない。
【0027】
具体的には、裏面シート3はその全面が内層シート6に接着されており、背側部A及び腹側部Bの胴回り部Eには胴回り弾性部材13が配されているが、胴回り弾性部材13は、裏面シート3と表面シート2との間において、裏面シート3と内層シート6とにより挟持固定されいる。
また、裏面シート3の胴回り弾性部材13が配されている胴回り部Eは、最外層シート7には接着されていない(図8に示す斜線のない部分)。これにより、胴回り弾性部材13と最外層シ−トとの間に非接着領域Fが設けられ、おむつの外表面における胴回り部Eにギャザーが形成されないようになされている。
【0028】
図9に示す第3の実施形態の使い捨ておむつは、液不透過性の裏面シート3を有し、吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に介在されており、内層シート6は設けられていない。胴回り弾性部材13は、裏面シート3の内面側(表面シート2側)に配されており、おむつの外表面における胴回り部Eにギャザーが形成されていない。
【0029】
具体的には、図9に示す第3の実施形態の使い捨ておむつ1は、胴回り弾性部材13が裏面シート3と表面シート2とにより挟持固定されており、裏面シート3と最外層シート7とは、胴回り弾性部材13が配されている胴回り部Eを除いて接着剤(図9の斜線部分)を介して接着されている。従って、胴回り弾性部材13が配されている箇所(上記胴回り部E)においては裏面シート3と最外層シート7とは接着されていない。これにより、胴回り弾性部材13と最外層シート7との間に非接着領域Fが設けられ、おむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0030】
図10に示す第4の実施形態の使い捨ておむつ1は、液不透過性の裏面シート3を有し、吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に介在されており、裏面シート3の内面に配され吸収体4を載置する内層シート6が設けられており、胴回り弾性部材13は、裏面シート3の内面側に配されている。
そして、最外層シート7は設けられておらず、裏面シートが最外層シートとして用いられている。また、胴回り弾性部材13は、裏面シート3の内面側(表面シート2側)に配されており、おむつの外表面における胴回り部Eにギャザーが形成されていない。このように、最外層シートは、特別の部材を用いずに裏面シートで代用してもよい。
【0031】
具体的には、図10に示す第4の実施形態の使い捨ておむつは、胴回り弾性部材13が内層シート6と表面シート2とにより挟持固定されており、内層シート6と裏面シート3とは、胴回り弾性部材13が配されている胴回り部Eを除いて接着剤(図10の斜線部分)を介して接着されている。従って、胴回り弾性部材13が配されている箇所(胴回り部E)においては裏面シート3と内層シート6とは接着されていない。これにより、胴回り弾性部材13と最外層シートとしての裏面シート3との間に非接着領域Fが設けられ、おむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0032】
上述した第2〜4の実施形態においても、上述した第1の実施形態とほぼ同様にして製造及び使用することができる。そして、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0033】
次いで、図11〜21を参照して第5〜9の実施形態について説明する。これらの実施形態のうち、第6の実施形態が本発明の範囲内のものである。それ以外の実施形態は、本発明の範囲外である。
ここで、図11は、本発明の第5の実施形態を示す展開平面図である。図12は、図11のXII-XII 断面図であり、図13は、図11に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。図14は、本発明の第6の実施形態の長手方向断面図(図12相当図)であり、図15は、図14に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。図16は、本発明の第7の実施形態の長手方向断面図(図12相当図)であり、図17は、図16に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。図18は、本発明の第8の実施形態の長手方向断面図(図12相当図)であり、図19は、図18に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。図20は、本発明の第9の実施形態の長手方向断面図(図12相当図)であり、図21は、図20に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。
【0034】
先ず、第5の実施形態について説明する。尚、以下の第5〜9の実施形態の説明においては、上述した第1の形態と同じ部材については100番台の番号を付し、同じ部分については特に説明しない。特に説明しない部分については、第1の形態の説明でした説明が適宜適用される。
【0035】
図11〜13に示す第5の形態の使い捨ておむつ101は、液不透過性の裏面シート103を有し、吸収体104は、表面シート102と裏面シート103との間に介在されており、裏面シート103と最外層シート107との間に外層シート109が配されており、胴回り弾性部材113は、外層シート109に直接固着されている。
【0036】
更に詳述すると、図11及び13に示すように、裏面シート103と表面シート102とは、長方形状であり、吸収体104は、股下領域が溢れた砂時計状に湾曲形成されている。また、表面シート102の上方における左右両側縁部分には、立体ガード108が配されている。
【0037】
最外層シート107の形状及び外層シート109の形状は、ほぼ同じに股下領域が溢れた砂時計状に湾曲形成されているが、最外層シート107の前後両端部107a,107bが、外層シート109よりも長く形成されている。
外層シート109の内面側には、表面シートの端縁を覆うように、長方形状のインナーシート121が配されている。
【0038】
また、最外層シート107は、その前後両端部107a,107bがおむつの前後両端縁において折り返されて、外層シート109及びインナーシート121の端縁部を覆って、固着されている。
ウエスト部弾性部材111及びレッグ部弾性部材112は、最外層シート107と外層シート109とにより挟持固定されている。
また、胴回り弾性部材113は、外層シート109の内面側(肌当接面側)に直接固着されており、外層シート109とインナーシート121とにより挟持固定されている。
【0039】
裏面シート103は、外層シート109のほぼ中央部において、直線状及び長方形状に塗布された接着剤161を介して接着されている。
そして、最外層シート107には胴回り部E以外の部分に接着剤が塗布されており(図13の斜線部分)、外層シート109と最外層シート107とは、胴回り部Eにおいては接着されていない。また、胴回り部E以外の部分においては接着剤を介して接着されている。これにより、胴回り弾性部材113と最外層シート107との間に非接着領域Fが設けられて、使い捨ておむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0040】
上記外層シート109及び上記インナーシート121の形成材料としては、通常、衛生材料として用いられる各種製法による不織布または、ポリエチレン、ウレタン等のプラスチックフィルム、及びそれらのラミネート等を用いることができる。
【0041】
この第5の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果が奏される。また、上述した第1の形態に準じて製造することができる。
また、本形態においては、胴回り弾性部材の一部が吸収体の下に位置してもよい。上述した「直接又は他のシートを介して」とは、全ての胴回り弾性部材が、外層シートに接着されていることを意味するものではなく、一部が吸収体の上方に位置するような場合をも含む意である。
【0042】
以下に、第6〜9の実施形態について説明するが、以下の説明においては上述した第5の実施形態と異なる点について詳述する。特に詳述しない点は、上述した第1及び第5の実施形態と同様であり、これらの説明が適宜適用される。
【0043】
図14〜15に示す第6の形態の使い捨ておむつは、おむつの胴回り部Eに位置する部分(腹側部B側及び背側部A側の両方)における最外層シート107と外層シート109との間に、長方形状の弾性部材固定用シート105が配されている。
また、胴回り弾性部材113は、弾性部材固定用シート105と外層シート109とにより挟持固定されている。
【0044】
また、弾性部材固定用シート105は、その内面(吸収体4側の面)全面に接着剤(図15に示す斜線部分)が塗布されて外層シート109に接着されている。弾性部材固定用シート105と最外層シート107とは、接着されていない。弾性部材固定用シート105と最外層シート107とが接着されていないことにより、胴回り弾性部材113と最外層シート107との間に非接着領域Fが設けられて、使い捨ておむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0045】
図16及び17に示す第7の形態の使い捨ておむつ101は、胴回り弾性部材113が、インナーシート121に接着されており、インナーシート121と外層シート109とにより挟持固定されている。
【0046】
そして、最外層シート107には胴回り部E以外の部分に接着剤が塗布されており(図13の斜線部分)、外層シート109と最外層シート107とは、胴回り部Eにおいては接着されていない。また、胴回り部E以外の部分においては接着剤を介して接着されている。これにより、胴回り弾性部材113と最外層シート107との間に非接着領域Fが設けられて、使い捨ておむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0047】
図18〜19に示す第8の形態の使い捨ておむつは、弾性部材固定用シート105がインナーシート121と外層シート109との間に配されている。
そして、胴回り弾性部材113は、弾性部材固定用シート105とインナーシート121とにより挟持固定されており、これを外層シート109上に配している。
【0048】
そして、上記弾性部材固定用シート105は、幅方向両端縁部のみにおいて外層シート109に固定されており、胴回り部Eにおいては固定されていない。また、最外層シート107と外層シート109とは全面が固着されている。上記弾性部材固定用シート105と外層シート109とが胴回り部Eにおいて接着されていないことにより、胴回り弾性部材113と最外層シート107との間に非接着領域Fが設けられて、使い捨ておむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0049】
図20及び21に示す第9の形態の使い捨ておむつは、胴回り弾性部材113が外層シート109の最外層シート107側に接着されている。但し、本形態においては、胴回り弾性部材113の外層シート109側のみに接着剤が塗布されて外層シート109のみに接着されている。
これにより、胴回り弾性部材113と最外層シート107との間に非接着領域Fが設けられており、使い捨ておむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0050】
なお、上述の第5〜9の実施形態においては、上記インナーシートを用いずに最外層シート107の長手方向両端縁部が延出された形態のものを用い、この延出された部分を最内表面に位置させるように構成することもできる。
また、上述の第5〜9の実施形態の使い捨ておむつは、上述した第1の実施形態の使い捨ておむつと同様の効果を奏するが、特に、大人用として有用である。
【0051】
次に、図22及び23を参照して第10の実施形態について詳述する。本実施形態は、本発明の範囲外である。
ここで、図22は、本発明の第10の実施形態を示す斜視図であり、図23は、図22に示す使い捨ておむつのXXIII-XXIII 断面図である。
なお、以下の説明においては、上述した第1及び第5の実施形態と同じ部分については、200番台の符号を付して説明を省略する。特に詳述しない部分については、上述した第1及び5の実施形態の説明においてした説明が適宜適用される。
【0052】
図22及び23に示す第10の形態の使い捨ておむつ201は、表面シート202、液不透過性の裏面シート203、及びこれら両シート間に介在された吸収体(図示せず)からなるおむつ本体230と、おむつ本体230の前身頃(腹側部B)及び後身頃(背側部A)を連結する左右一対のウエストベルト部240とを具備し、ウエストベルト部240は、最内に位置する内面シート241と、最外に位置する上記最外層シート207と、両シート間に位置する中間シート242と、内面シート241及び中間シート242により挟持固定された胴回り弾性部材213とからなり、該中間シート242と該最外層シート207とは接着されておらず、該最外層シート207にギャザーが形成されないようになされている。
【0053】
更に詳述すると、おむつ本体230は、表面シート202、裏面シート203及び両者間に介在された吸収体からなる構成とされていればその構造は特に制限されない。本形態においては、表面シート202、裏面シート203及び吸収体により構成され、長手方向両端縁部分が先細の形状となされている。
また、ウエストベルト部240は、図23に示すように、内面シート241と中間シート242とはほぼ同じ大きさになされており、両者で胴回り弾性部材213を挟持固定している。そして、最外層シート207は中間シート242の外表面側に位置するように配されており、その両側縁部を内面シート241側に折り返して、この折り返した部分が内面シート241の内面に固着されている。最外層シート207は、中間シート242には接着されておらず、これにより、胴回り弾性部材213と最外層シート207との間に非接着領域Fが設けられ、使い捨ておむつの外表面にギャザーが形成されないようになされている。
【0054】
上記内面シート及び上記中間シートの形成材料としては、通常、衛生材料として用いられる各種製法による不織布または、ポリエチレン、ウレタン等のプラスチックフィルム、及びそれらのラミネート等を用いることができる。
【0055】
なお、第10の実施形態においても本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することができ、例えば、吸収体の形状を長方形状としたり、左右一対のウエストベルトの代わりに環状のウエストベルトを用いたりすることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の使い捨て着用物品は、装着中におけるフィット性に優れ、更には外観に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の使い捨て着用物品の第1の実施形態としての使い捨ておむつを示す正面図である。
【図2】図2は、図1に示す実施形態の使い捨ておむつの展開図である。
【図3】図3は、図2のIII-III 断面を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、図2のIV-IV 断面を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、図2のV-V 断面を模式的に示す断面図である。
【図6】図6は、図2のVI-VI 断面を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は、図2に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。
【図8】図8は、第2の実施形態を示すおむつの分解斜視図である。
【図9】図9は、第3の実施形態を示すおむつの分解斜視図である。
【図10】図10は、第4の実施形態を示すおむつの分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第5の実施形態を示す展開平面図である。
【図12】図12は、図11のXII-XII 断面を模式的に示す断面図である。
【図13】図13は、図11に示す使い捨ておむつの分解斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第6の実施形態の長手方向断面を模式的に示す断面図(図12相当図)である。
【図15】図15は、図14に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。
【図16】図16は、本発明の第7の実施形態の長手方向断面を模式的に示す断面図(図12相当図)である。
【図17】図17は、図16に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。
【図18】図18は、本発明の第8の実施形態の長手方向断面を模式的に示す断面図(図12相当図)である。
【図19】図19は、図18に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。
【図20】図20は、本発明の第9の実施形態の長手方向断面を模式的に示す断面図(図12相当図)である。
【図21】図21は、図20に示す使い捨ておむつの分解斜視図(図13相当図)である。
【図22】図22は、本発明の第10の実施形態を示す斜視図である。
【図23】図23は、図22に示す使い捨ておむつのXXIII-XXIII 断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 弾性部材固定用シート
6 内層シート
7 最外層シート
8 立体ガード
11 ウエスト部弾性部材
12 レッグ部弾性部材
13 胴回り弾性部材
14 立体ガード弾性部材
A 背側部
B 腹側部
C ウエスト部
D レッグ部
E 胴回り部
Claims (5)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、使い捨て着用物品の外表面に位置する最外層シ−ト、及び上記表面シートと上記裏面シートとの間に介在された液保持性の吸収体を有し、胴回り部に胴回り弾性部材が配されている使い捨て着用物品において、
上記裏面シートと上記最外層シートとの間に外層シートが配されており、
上記胴回り部に位置する部分における上記最外層シートと上記外層シートとの間に、上記胴回り弾性部材の固定用シートが配されており、
上記胴回り弾性部材は、上記最外層シート以外の部材である上記固定用シートと上記外層シートとにより伸張状態で挟持固定されて該最外層シートの内方にギャザーを形成しており、
上記固定用シートと上記最外層シートとが接着されていないことによって、上記胴回り弾性部材と上記最外層シートとの間に非接着領域が設けられて、上記胴回り部の外表面にギャザーが形成されていないことを特徴とする使い捨て着用物品。 - 上記最外層シートの長手方向両端縁部が表面シートの端縁から延出しており、この延出された部分を最内表面に位置させた請求項1記載の使い捨て着用物品。
- 上記最外層シートの形状及び上記外層シートの形状はほぼ同じであり、股下領域が溢れた砂時計状に湾曲形成されている請求項1記載の使い捨て着用物品。
- 上記固定用シートが長方形状である請求項1記載の使い捨て着用物品。
- 上記胴回り弾性部材が、胴回り部全周にわたって又は胴回り部の一部に、複数本設けられている請求項1記載の使い捨て着用物品。
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