JP3833295B2 - 酢酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタノール及びジメチルエーテルの中から選ばれる含酸素化合物と一酸化炭素を反応原料とする酢酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酢酸を製造するために、多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂に担持させた陰イオン性のロジウム錯体をカルボニル化反応用触媒として用い、ヨウ化アルキルの存在下、有機溶媒中でメタノールと一酸化炭素とをカルボニル化反応させる方法は知られている(特開平6-315,637号)。このメタノールのカルボニル化反応工程においては、反応生成液と反応生成ガスが得られる。反応生成液は、メタノールのカルボニル化反応により生成した酢酸の他、未反応のメタノール:酢酸メチル、プロピオン酸、水、ヨウ化水素等の副生物;反応に際して用いた有機溶媒及びヨウ化アルキル;ビニルピリジン系樹脂から脱離したロジウム錯体等を含有する。一方、反応生成ガスは、未反応の一酸化炭素の他、CO2、H2、CH4等の副生物;反応に際して用いたヨウ化アルキル等を含有する。ところで、反応生成液は、それに含まれる酢酸を分離回収するために、蒸留処理されるが、この場合、反応生成液をそのまま蒸留処理すると、反応生成液中に含まれるロジウム錯体は蒸留液や蒸留残液中に移行し、酢酸の純度低下原因となる等の不都合を生じる。また、一部のロジウム錯体は蒸留工程において析出等の理由により、蒸留残液と共に反応工程に循環されず損失となる。ロジウム錯体は高価であることから、この様な損失は、プロセスの経済性の点からも好ましいものではない。従って、反応生成液中に含まれるロジウム錯体は、反応生成液を蒸留する以前に、反応生成液から分離回収し反応工程に循環することが望ましいが、現在のところ、反応生成液からそれに含まれるロジウム錯体を効率よくかつ経済的に分離する方法は未だ開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反応生成液からそれに含まれる陰イオン性のロジウム錯体(以下、単に「ロジウム錯体」という。)を効率よくかつ経済的に分離する工程を含む酢酸の製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、メタノール及びジメチルエーテルの中から選ばれる含酸素化合物と一酸化炭素を反応原料とする酢酸の製造方法において、(i)陰イオン性のロジウム錯体を含有する固体触媒を用い、ヨウ化アルキルの存在下、有機溶媒中で含酸素化合物と一酸化炭素とを反応させて酢酸を生成させるカルボニル化反応工程、(ii)該カルボニル化反応工程で得られた反応生成液を、樹脂中に含まれるピリジン環の窒素原子の少なくとも一部が4級化されているビニルピリジン系樹脂からなり、かつ、前記ロジウム錯体に対して吸着性を示す吸着剤と接触させて、反応生成液中に含まれるロジウム錯体を吸着させる吸着工程、(iii)該カルボニル化工程で得られた反応生成ガスを含酸素化合物及び/又は有機溶媒と接触させて、反応生成ガス中に含まれるヨウ化アルキルを含酸素化合物及び/又は有機溶媒に溶解させるヨウ化アルキル回収工程、(iv)該吸着工程で得られたロジウム錯体が分離された後の反応生成液を蒸留し、酢酸からなる重質成分と、ヨウ化アルキル、酢酸メチル及び水からなる軽質成分とに分離する蒸留工程、(v)該ヨウ化アルキル回収工程で得られたヨウ化アルキルを含む含酸素化合物及び/又は有機溶媒を、ロジウム錯体を吸着した吸着剤と接触させて、吸着剤に吸着されているロジウム錯体を脱着させる脱着工程、(vi)該脱着工程で得られたロジウム錯体を含む液体を前記カルボニル化反応工程へ循環させる循環工程、からなることを特徴とする酢酸の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明でロジウム錯体担持用に用いる担体は、多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹脂とも言う)である。本発明で用いるVP樹脂の場合、その架橋度は、10〜70%、通常、30〜60%に規定する。触媒を高温、例えば50〜180℃で用いる場合には、そのVP樹脂の架橋度を30%以上、好ましくは50〜60%に規定するのがよい。VP樹脂の架橋度が前記範囲より低くなると、VP樹脂の耐熱性及び機械的強度が低くなり、触媒の耐久性及び耐摩耗性が低下するので好ましくない。一方、その架橋度が前記範囲を超えると、触媒の活性が不十分になるので好ましくない。
【0006】
本発明で用いる前記VP樹脂は、多孔質構造を有するものであるが、その表面積は5〜80m2/g、好ましくは10〜40m2/gであり、その細孔容積は0.15〜0.5cc/g、好ましくは0.2〜0.4cc/gであり、その平均細孔径は20〜100nm、好ましくは30〜90nmである。VP樹脂の細孔容積が前記範囲より小さくなると、触媒活性の低下の問題を生じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなると、VP樹脂の耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくない。さらに、VP樹脂の平均細孔径が前記範囲より小さくなると、触媒活性の低下の問題を生じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなると、VP樹脂の耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくない。
【0007】
本明細書において、VP樹脂に関して言う架橋度は以下のように定義される。またVP樹脂に関して言う細孔容積及び表面積は以下のようにして測定されたものである。さらに、VP樹脂に関して言う平均細孔径は以下のようにして算出されたものである。
(架橋度)
架橋度(%)=A/B×100
A:樹脂中に含まれる架橋剤の重量
B:樹脂中に含まれるビニルピリジン系モノマーの重量
(細孔容積)
マーキュリー・プレッシャー・ポロシーメーター・モデル70(イタリア国ミラノ市のカルロ・エルバ社製)を用いる方法(いわゆる水銀圧入法)により測定した。この場合、水銀の表面張力は25℃で474dyne/cmとし、使用接触角は140度とし、絶対水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測定した。
(表面積)
B.E.T法により測定された。
(平均細孔径)
前記のようにして測定された細孔容積及び表面積の各測定値を用い、以下の式により算出した。
平均細孔径(nm)=4(C/D)×103
C:細孔容積(cc/g)
D:表面積(m2/g)
【0008】
VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、架橋剤としての2個のビニル基を持つ化合物を共重合させることによって製造される。VP樹脂を得るために用いるビニルピリジン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン等が挙げられる。また、このビニルピリジン系単量体には、他のビニル単量体、例えば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体又はアクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの脂肪族系ビニル単量体を混入することができる。これらのビニル単量体の混入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは20モル%以下にするのがよい。
前記ビニルピリジン系単量体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する化合物である。このようなものとしては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ジアクリル酸エチレングリコール、ブタジエン等の脂肪族化合物を挙げることができる。工業的に用いられるジビニルベンゼンは通常約50モル%のエチルビニルベンゼンを含んでいるが、本発明では、このようなジビニルベンゼンを用いることもできる。この架橋剤の使用量は、所望するVP樹脂の架橋度に応じて適宜決める。
前記VP樹脂に関しては、特開平6−315637号公報に詳述されている。
【0009】
VP樹脂の粒径は、0.01〜4mm、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2mmの粒状体として用いられ、その好ましい形状は球状体である。
【0010】
本発明で用いる触媒は、VP樹脂に担持させたロジウム錯体からなるものである。ロジウム錯体の担持量は、VP樹脂に対して、金属ロジウム換算量で、0.2〜2重量%、好ましくは0.5〜1重量%の範囲である。
【0011】
本発明で用いる好ましい触媒の1つの例は、VP樹脂中に含まれるピリジン環の少なくとも一部が、下記式(1)で表わされるロジウム錯体陰イオンが結合したピリジン環に形成されたものである。
【化1】
Figure 0003833295
前記式中、Rは水素又は低級アルキル基を示す。
【0012】
本発明で触媒として用いるロジウム錯体陰イオンが結合したピリジン環を有するVP樹脂は、以下の方法で得ることができる。
(1)VP樹脂のピリジン環の窒素原子に水溶液中でロジウムイオンを担持させた後、有機溶媒中でヨウ化アルキルと一酸化炭素の存在下にてロジウム錯体に変化させる方法。
この方法におけるピリジン環とロジウムとの反応は次式で表わされる。また、その反応条件としては、一般的には、ロジウムの担持は常温、常圧下の条件を、担持ロジウムの錯体化はメタノールのカルボニル化条件と同様の条件を用いることができる。
【0013】
【化2】
Figure 0003833295
【0014】
(2)VP樹脂を、一酸化炭素加圧下において、ヨウ化アルキルを含む溶媒中でロジウム塩と接触させる方法。
この方法の場合、一般的には、メタノールのカルボニル化反応条件下で、ロジウム塩とVP樹脂とを接触させればよい。この場合の接触反応においては、VP樹脂に含まれるピリジン環がヨウ化アルキルによって4級化されてピリジニウム塩となり、このピリジニウム塩に、ロジウム塩とヨウ化アルキルと一酸化炭素との反応により生成したロジウムカルボニル錯体[Rh(CO)22]~がイオン的に結合する。
【0015】
前記ロジウム塩としては、塩化ロジウムや、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム等のハロゲン化ロジウム;酢酸ロジウムやプロピオン酸ロジウム等のカルボン酸ロジウム塩が挙げられる。また、ヨウ化アルキルとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等の炭素数1〜5の低級アルキル基を有するものが挙げられるが、特にヨウ化メチルの使用が好ましい。ロジウム塩に対するヨウ化アルキルの使用割合は、ロジウム塩1モル当り、ヨウ化アルキル2〜2000モル、好ましくは50〜500モルの割合である。また、ロジウム塩とヨウ化アルキルを接触させる際の一酸化炭素圧は、7〜30kg/cm2G、好ましくは10〜20kg/cm2Gである。
【0016】
本発明で反応生成液中に含まれるロジウム錯体を吸着分離するために用いる吸着剤としては、ロジウム錯体に対して吸着性を示すものであれば任意のものが使用可能である。このような吸着剤としては、例えば、VP樹脂からなり、その樹脂中に含まれるピリジン環の窒素原子の少なくとも一部が4級化されているものを用いることができる。
このVP樹脂において、その4級化窒素原子を有するピリジン環は、次の一般式(3)で表わされる。
【化3】
Figure 0003833295
前記式中、Rは水素又は低級アルキル基を示し、Xはハロゲンを示す。好ましいRはメチル基であり、好ましいXはヨウ素である。
前記VP樹脂としては、ロジウム錯体の担持用担体として前記で示したVP樹脂を用いることができる。VP樹脂中に含まれるピリジン環は、その全てを前記一般式(3)で表わされる4級化構造のピリジン環に変換するのが好ましいが、反応液中にヨウ化アルキルが存在するため、吸着脱着工程においてピリジン環はほぼ全てが4級化される。従って必ずしも予め4級化構造とする必要はない。
【0017】
VP樹脂中のピリジン環を予め一般式(3)の4級化構造に変換させて吸着剤を調製する場合には、VP樹脂にハロゲン化アルキルを反応させてVP樹脂中のピリジン環を4級化すればよい。
【化4】
Figure 0003833295
(式中、Rはアルキル基又は水素を示し、Xはハロゲン原子を示す)
前記4級化構造のピリジン環を有するVP樹脂を用いることにより、ロジウム錯体陰イオンを含む反応生成液から、それに含まれるそのロジウム錯体陰イオンを吸着分離させることができる。この場合の吸着反応は次式の通りである。
【化5】
Figure 0003833295
【0018】
前記反応は、イオン交換反応に基づくものであり、有機溶媒中で実施される。その反応温度は常温以上の温度であり、その上限は200℃以下、好ましくは180℃以下である。また、圧力は有機溶媒を沸とうさせない圧力であり、常圧以上の圧力で、その上限は、通常、300kg/cm2G以下、好ましくは200kg/cm2G以下である。
有機溶媒中に含まれるロジウム錯体陰イオンの濃度は、通常、ロジウム金属換算濃度で、0.1〜50wtppm、好ましくは0.3〜10wtppmである。また、有機溶媒には、アルコール、カルボン酸、エステル、エーテル、ケトン、炭化水素等が包含される。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール等の一価アルコールの他、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸等が挙げられる。エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、安息香酸メチル等が挙げられる。エーテルとしては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等が挙げられる。ケトンとしては、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。炭化水素としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。本発明で用いる好ましい有機溶媒はメタノールや酢酸である。
【0019】
前記反応により、有機溶媒中に溶存するロジウムを含有する錯体陰イオンは、VP樹脂に吸着されるが、この場合、錯体がカルボニル錯体の場合には、その錯体の安定化のために、一酸化炭素を含む液体雰囲気を用いるのが好ましい。この場合、その一酸化炭素濃度は、その液体と気液平衡にあるガスのCO分圧で、0.01kg/cm2以上、好ましくは0.07kg/cm2以上にするのがよい。VP樹脂とロジウム錯体陰イオンを含む溶液とを接触させる装置としては、従来各種の固液接触装置が用いられる。このような装置としては、固定床方式の接触装置、懸濁床方式の接触装置等を挙げることができる。
【0020】
本発明では、吸着剤に吸着されたロジウム錯体は、該吸着剤にヨウ化アルキルを含む含酸素化合物及び/又は有機溶媒を接触させて、ロジウム錯体を脱着させる。この際、該脱着用溶媒はロジウムカルボニル錯体安定化のため、一酸化炭素を含むことが必要で、その濃度はその液体と気液平衡にあるガスのCO分圧で0.01kg/cm2以上、好ましくは0.07kg/cm2以上にするのがよい。
本発明では、該脱着用溶媒にヨウ化アルキル回収工程で得られたヨウ化アルキルを含む含酸素化合物、酢酸、酢酸メチル、水などの混合溶媒を用いることができ、この溶媒は該ヨウ化アルキル回収工程にて、CO、ヨウ化アルキルを含む反応生成ガスに接触し、COを十分溶解している。
更に、該脱着用溶媒は、蒸留工程で得られた含酸素化合物、酢酸、酢酸メチル、水などを混合して用いることができる。
【0021】
本発明において反応原料として用いる含酸素化合物は、これをヨウ化アルキル回収工程に導入し、ここで反応生成ガスを接触させてそのガス中に含まれるヨウ化アルキルを溶解回収し、このヨウ化アルキルを含む含酸素化合物に蒸留工程から得られる軽質成分を混合し、この混合物を脱着工程における脱着用溶媒として用いた後、カルボニル化反応工程に導入するのが好ましい。
【0022】
本発明における含酸素化合物と一酸化炭素を反応させるカルボニル化工程は、前記したVP樹脂に担持させたロジウム錯体触媒を用い、ヨウ化アルキルの存在下、有機溶媒中でメタノールと一酸化炭素とを反応させることにより実施される。このカルボニル化反応は、種々の反応器を用いて実施することができる。このような反応器の形式としては、固定床、混合槽、膨脹床等が挙げられる。
反応器内における触媒充填量は、一般には、反応器内溶液に対して2〜40wt%であるが、混合槽反応器の場合、2〜25wt%に選ぶのがよい。また、固定床反応器では20〜40wt%、膨張床反応器では2〜25wt%に選ぶのがよい。
【0023】
有機溶媒(反応溶媒)としては、従来公知の各種のものが用いられるが、一般的には、炭素数が2以上のカルボニル基含有有機溶媒を含むものが用いられる。このような有機溶媒としては、酢酸、酢酸メチル等のカルボン酸やカルボン酸エステルが挙げられるが、メタノールや酢酸を用いるのが好ましい。また、有機溶媒は、水を含有することができる。この場合、有機溶媒中の水の含有率は、反応生成液中の水分濃度が、0.05〜50wt%、好ましくは0.1〜20wt%、さらに好ましくは0.5〜10wt%となるような量である。ヨウ化アルキルとしては、炭素数1〜5のヨウ化アルキルが用いられるが、特に、ヨウ化メチルの使用が好ましい。
【0024】
反応器内における反応溶媒量は、含酸素化合物(メタノール及び/又はジメチルエーテル)1重量部部に対し0.30重量部以上に規定するのがよい。好ましい有機溶媒量は含酸素化合物1重量部に対し2.40重量部以上である。反応溶液中の有機溶媒量を前記範囲内に保持することにより、触媒の活性中心であるロジウム錯体の反応活性が高められるとともに、ロジウム錯体とVP樹脂との結合安定性も向上し、高い反応速度でかつVP樹脂からのロジウムの脱離を効果的に防止して、含酸素化合物のカルボニル化反応を円滑に進行させることができる。さらに重要なことには、反応器内の有機溶媒量を前記の範囲に保持することによって、7kg/cm2という極めて低いCO分圧条件下においてもロジウム錯体が安定に存在し、高い反応速度で含酸素化合物のカルボニル化反応を進行させることができる。このことは、反応器として特別の耐圧容器を使用する必要がなくなり、反応器コストを大幅に節約でき、実用性ある経済的酢酸プロセスが得られることを意味する。
【0025】
含酸素化合物のカルボニル化反応を行う際のCO分圧(一酸化炭素分圧)は、7kg/cm2以上であればよく、好ましくは10kg/cm2以上である。CO分圧を特に高くしても反応速度はあまり向上せず、格別の反応上の利点は得られず、経済的観点からはそのCO分圧の上限は30kg/cm2程度にするのがよい。従って、CO分圧は、7〜30kg/cm2、好ましくは10〜20kg/cm2の範囲に規定するのがよい。CO分圧をこのような範囲に保持することにより、全反応圧を経済的な15〜60kg/cm2G、特に15〜40kg/cm2G、更に好ましくは15〜30kg/cm2G以下という低圧に保持することが可能になる。
【0026】
カルボニル化反応における反応温度は140〜250℃、好ましくは160〜230℃であるが、その上限は、使用するVP樹脂の耐熱性に応じて適当に選定する。また、反応系におけるヨウ化アルキルの存在量は、反応器内溶液中、1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。さらに、反応系におけるロジウム濃度は、反応器内溶液中、50wtppm以上、好ましく300wtppm以上、より好ましくは400wtppm以上である。なお、ここで言うロジウム濃度は、反応器内からVP樹脂を除いた溶液に対するロジウム金属量のwt%である。
【0027】
反応器内における有機溶媒の量の規定は反応器の形式により、次のように行う。バッチ式反応器では反応器に仕込んだ原料液中の含酸素化合物に対する有機溶媒の量とする。反応の進行に伴い含酸素化合物濃度は減少するので反応器内の有機溶媒の濃度は仕込み原料以上となる。
混合槽流通式反応器では、反応器内の溶液は均一に混合され、反応器出口から抜出される反応生成液の組成に実質上等しい。即ち、この場合、反応器内有機溶媒の量の規定としては、実質上、反応器出口から抜出される反応生成物中の含酸素化合物に対する有機反応溶媒の量である。
ピストンフロー式反応器では、反応器に供給される全供給液中の含酸素化合物に対する有機溶媒の量として定められる。この場合、反応器入口から出口にいくに従って、含酸素化合物濃度は減少し、有機溶媒の量は増加するので、含酸素化合物に対する有機溶媒の量は反応器出口にいくに従って増加する。従って、有機溶媒量としては反応器入口に供給される全供給液中の含酸素化合物に対する有機溶媒の量と規定される。
【0028】
含酸素化合物としてメタノールを用いる場合のカルボニル化反応においては、下記反応式(6)の主反応とともに、下記反応式(7)、(8)の副反応が起る。
CH3OH+CO →CH3COOH (6)
CH3COOH+CH3OH⇔CH3COOCH3+H2O (7)
2CH3OH ⇔CH3OCH3+H2O (8)
【0029】
本発明において、酢酸を収率よく製造するには、前記副反応(7)、(8)を抑え、含酸素化合物のカルボニル化反応(6)を選択的に進行させることが必要になる。このためには、有機溶媒として、酢酸メチルや水を含むものを用いるのが有効である。
酢酸メチルを反応系に存在させて酢酸収率を高める場合、酢酸メチルは、これをあらかじめ含酸素化合物に添加して反応系に供給するのが好ましい。酢酸メチルは、含酸素化合物1wt部に対して、1.5wt部以上、好ましくは3wt部以上の割合で添加するのがよく、これにより酢酸メチルの副生を抑制して酢酸収率を高めることができる。また、添加水を反応系に存在させて酢酸収率を高める場合、添加水は、これをあらかじめ含酸素化合物に添加して反応系に供給するのが好ましい。添加水は、含酸素化合物1wt部に対して、0.3wt部以上、好ましくは0.5wt部以上の割合で添加するのがよく、これにより、酢酸メチルの副生を抑制して酢酸収率を高めることができる。
【0030】
本発明においては、有機溶媒として、酢酸メチルや水を含まない酢酸溶媒を用いても、含酸素化合物転化率が96%以上、好ましくは99%以上になるまで含酸素化合物のカルボニル化を行うことによって、酢酸メチルの副生を抑制して、酢酸収率を高めることができる。この場合、反応生成液中の含酸素化合物濃度は0.3wt%以下、好ましくは0.2wt%以下になるように、含酸素化合物転化率を調節するのがよい。
【0031】
含酸素化合物のカルボニル化に用いる反応器としては、反応液を撹拌翼で撹拌する撹拌混合式反応器や反応液を気泡で撹拌する気泡塔型反応器等の反応器を好ましく用いることができる。これらの反応器を含む反応装置の例を図1〜図3に示す。
図1は、撹拌混合式反応器からなる反応装置の説明図である。この図において、1は反応器である。2は撹拌翼を示し、4は冷却器を示す。
図1に示した反応装置を用いて含酸素化合物のカルボニル化反応を行うには、先ず、反応器1に触媒を充填した後、ライン5を通して含酸素化合物、反応溶媒(有機溶媒)及びヨウ化アルキルからなる混合液を充填する。次いで撹拌翼2を回転させるとともに、ライン5から含酸素化合物、反応溶媒及びヨウ化アルキルからなる混合液を反応器内に供給し、ライン6を通して一酸化炭素を含む反応性ガスを反応器内に導入し、ガス噴出ノズル7を介して液中に噴出させる。反応液はライン8を介して反応器から抜出す。また、未反応ガス(CO)及び気化した反応液はライン12、冷却器4及びライン13を通して反応器外へ抜出すが、この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器4で凝縮され、反応器内に戻される。
【0032】
図2は外部循環形式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。図2において、21は縦型反応筒、22は第1ガス分離槽、23は第2ガス分離槽を示し、49は冷却器を示す。
縦型反応筒21は中空筒体からなる。この反応筒21下部には、反応筒内下部にガスを噴出させるためのガス噴出ノズル(ガス噴出口)38が配設され、このガス噴出孔には、ガス導入管28が連結されている。
反応筒21の上端には、逆円錐台形状の短管26を介して第1ガス分離槽22が連結されている。この第1ガス分離槽22は、反応筒21の水平断面積と同じもしくはそれよりも大きな断面積を有する密閉筒体からなり、その天板25には、その槽内で分離されたガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管30が連結され、このガス抜出し管30には、冷却器49が連結されている。
【0033】
第2ガス分離槽23内下部と反応筒21内下部とは配管35によって連絡されている。配管35の上端は逆円錐台形状の短管34を介して第2ガス分離槽23の下端と連結し、その配管35の下端は反応筒底部に連結している。配管35には、反応筒内下部に液体を供給するための液体供給管37が連結されている。この液体供給管37は、必ずしも配管35に連結させる必要はなく、反応筒21の底部又は下部に連結させることもできる。
【0034】
反応筒21内上部と第2ガス分離槽23内とは配管31で連絡されている。配管31の一端は、反応筒上部の周壁に連結され、その他端は第2ガス分離槽の周壁に連結されている。第2ガス分離槽23は、密閉筒体からなり、その天板33には、その槽内で分離されたガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管32が連結され、その周壁には、槽内の液体を槽外へ抜出すための液体抜出し管29が連結されている。また、その第2ガス分離槽23には、液体抜出しガス巻込み防止板36が配設されている。このものは、液体中にガスが巻込まれて液体の抜出しが行われることを防止するためのもので、平板であっても弯曲板であってもよく、その形状は特に制約されない。ガス抜出し管32は、第1ガス分離槽の上部又はガス抜出し管30に連結させることができる。
【0035】
第1ガス分離槽22の水平断面積S(2)と反応筒21の水平断面積S(1)との比S(2)/S(1)は、1〜10、好ましくは2〜5の範囲である。また、第2ガス分離槽23の水平断面積S(3)と反応筒21の水平断面積S(1)との比S(3)/S(1)は、0.5〜5、好ましくは1〜3の範囲である。反応筒21におけるその内径R(1)とその高さH(1)との比H(1)/R(1)は、5〜100、好ましくは10〜20である。
【0036】
図2に示した反応装置において、ガス噴出ノズル38は単管ノズルであってもよいが、リング状の管体の周壁に多数のガス噴出孔を有する環状ノズルであることができる。
【0037】
図2に示した構造の反応装置は種々の変更が可能であり、例えば、配管31は、その傾斜が第2ガス分離槽23に向かって降下するように配設することができるし、反応筒21の上端及び下端にそれぞれ連結する短管26及び短管27に代えて、中央部に開口を有する板体を用いることもできる。
【0038】
図2に示した構造の反応装置を用いて含酸素化合物のカルボニル化反応を行うには、先ず、反応筒21内に触媒を充填した後、液体供給管37から原料混合液を反応装置内に充填する。
次に、液体供給管37から原料混合液を反応筒21内に供給するとともに、ガス導入管28から一酸化炭素を含む反応性ガスをガス噴出ノズル38を介して液体中に噴出させる。ノズル38から液体中に噴出された反応性ガスは気泡となって液体中を上昇し、その際のガスリフト効果により、触媒は液体とともに反応筒内を上昇する。このような触媒の上昇により、反応筒内の液体中への触媒の分散が達成され、反応筒内においては、含酸素化合物とCOとの円滑なカルボニル化反応が行われる。
【0039】
反応筒内でのカルボニル化反応により得られる反応液は、未反応ガス(CO)と触媒を含み、反応筒の上方に配設されている第1ガス分離槽22内に流入し、この第1ガス分離槽内に保持される。図2において、Sは反応液の液面を示す。この第1ガス分離槽22においては、反応液中に含まれていたガス成分及び気化した反応液が液面から上部空間に放散され、ガス抜出し管30及び冷却器49を通して槽外へ抜出される。この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器49で凝縮され、第1ガス分離槽22に戻される。
【0040】
反応筒21内を液体とともに上昇した触媒は、未反応ガスを含む反応液とともに、反応筒上部から配管31を通って第2ガス分離槽23内に流入し、ここで反応液中に含まれていたガス成分が分離され、分離されたガス成分及び気化した反応液は、配管32を通って抜出される。一方、反応液は、液体抜出し管29を通して抜出される。第2ガス分離槽23内には、ガス巻込み防止板36が配設されているため、抜出される反応液へのガスの混入が防止され、反応液を静置状態で液抜出し管29を通して抜出すことができる。ガス成分が分離された反応液と触媒はその自重により、第2ガス分離槽23から配管35を通って反応筒21内下部に循環される。反応筒21内下部に反応液とともに循環された触媒は、再び、反応筒21内を上昇する。
【0041】
触媒を上方向に移動させる力は、液体の上方向への線速度に関係し、液体の線速度が大きいほど触媒を上方に移動させる力も大きくなる。従って、液体の線速度を、液体中に存在する触媒を落下させる重力よりも大きくなるように調節することにより、触媒粒子を上方に移動させることができる。しかし、図2に示した反応装置の場合、第1ガス分離槽22の水平断面積S(2)が反応筒21の水平断面積S(1)よりも大きくなっているため、液体の線速度は第1ガス分離槽内に入ると急激に小さくなり、触媒の第1ガス分離槽内への移動は防止され、反応筒21内上部から配管31を通って第2ガス分離槽23に選択的に流入する。
【0042】
前記のようにして、図2に示した装置においては、反応筒21内を上昇する液体流と、反応筒21の上部から、配管31、第2ガス分離槽23、配管35を通って反応筒21内下部へ循環する循環流が形成される。
【0043】
図3は内部循環形式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。この図において、51は反応器を示し、このものは、反応筒52とその上端に連結されたガス分離槽54からなる。ガス分離槽54の水平断面積は、反応筒52の水平断面積よりも大きくなっている。53は内筒を示す。
この反応装置を用いて含酸素化合物のカルボニル化反応を行うには、先ず、反応器内に触媒を充填した後、ライン56から原料混合液を充填する。
次に、ライン56から原料混合液を反応器内へ供給するとともに、ライン57から一酸化炭素を含む反応性ガスを内筒53の底部のガス噴出ノズル58を介して液中へ気泡状態で噴出させる。
この混合ガスの液中への噴出により、内筒53内には、液体と混合ガスの気泡との混合物からなる上昇流が形成され、また、この上昇流の形成にともなって、内筒53と反応筒52との間の環状間隙部に下降流が生じ、反応器内には循環流が形成される。液体中に分散する触媒はその上昇液体流に同伴されて内筒53内を上昇する。そして、これらの含酸素化合物、一酸化炭素及び触媒は、その上昇間に相互に接触し、含酸素化合物のカルボニル化反応が達成される。
【0044】
内筒53を上昇する気液混合物は、反応筒52の上端に連結されたガス分離槽54内に流入し、反応液から未反応ガス(CO)等のガス成分の分離が行われる。一方、触媒は液体に分散された状態で内筒53と反応筒52との間の環状間隙部内を下降し、反応筒52の底部に循環される。
ガス分離槽54において分離されたガス成分は気化した反応液とともに、ライン60、冷却器55及びライン61を通って排出されるが、この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器55で凝縮され、反応器内に戻される。反応液はライン59を通って反応器から抜出される。
【0045】
次に、本発明の方法のフローシートの1例を図4に示す。
図4において、1はカルボニル化反応装置、2、3は吸着剤充填塔、4は蒸発槽、5は蒸留塔、6は気液分離器、7、8はスクラバー、9は熱交換器、10は冷却器を各示す。
カルボニル反応装置1は、前記した各種の方式のものであることができ、その内部には、VP樹脂に担持したロジウム錯体触媒が充填されている。
吸着剤充填塔2、3は、その内部にロジウム錯体に吸着性を示す吸着剤が充填されている。
スクラバー7、8は、その内部に気液接触効率を高めるために、充填材が充填されている。従来公知の各種のもの、例えば、ラシッヒリング、テラレット、ポールリング、サドル、レッシングリング等を挙げることができる。
【0046】
図4に示したフローシートに従って、本発明の酢酸製造方法について以下に詳述する。
反応装置1には、ライン21、26を通して含酸素化合物が供給され、また、吸着剤充填塔2からライン41を通して抜出されたヨウ化アルキル及びロジウム錯体を含有する含酸素化合物がライン44、53を通して供給される。さらに、この反応装置1には、ライン22を通して一酸化炭素が供給される。
反応装置1においては、VP樹脂に担持されたロジウム錯体の存在下で含酸素化合物と一酸化炭素のカルボニル化反応が行われる。この図4に示したフローシートの場合、反応溶媒としては含酸素化合物が兼用されている。含酸素化合物とは別の反応溶媒を用いる場合には、その反応溶媒は、ライン21やライン26を通る含酸素化合物に混合することができるし、含酸素化合物とは別に、直接反応装置1に供給することもできる。
【0047】
反応装置1からは、ライン31を通して反応生成液が抜出され、ライン61を通して反応生成ガスが抜出される。反応生成液は、酢酸、酢酸メチル、ジメチルエーテル、プロピオン酸、ヨウ化アルキル、ヨウ化水素、ロジウム錯体、メタノール等からなり、そのロジウム錯体の含有量は、金属ロジウム換算で、0.1〜50wtppm、通常、0.3〜10wtppmである。反応生成ガスは、ヨウ化アルキル、ヨウ化水素、水素、メタン、CO2等からなる。
反応生成液は、熱交換器9を通り、ライン33、ライン39、バルブ12、ライン40を通って吸着剤充填塔3に導入される。
一方、反応生成ガスは、スクラバー7に導入され、ここで、ライン28を通ってスクラバー7に導入された含酸素化合物と接触する。これにより、反応生成ガス中のヨウ化アルキルが含酸素化合物中に溶解し、反応生成ガスから分離回収される。また、反応生成ガス中に含まれるヨウ化水素や、酢酸メチル、ジメチルエーテル等も含酸素化合物中に分離回収される。このヨウ化アルキルを含む含酸素化合物は、ライン62を通してスクラバー7から抜出され、ライン64、熱交換器9、ライン32、ライン35、バルブ13、ライン36を通って吸着剤充填塔2に導入される。
【0048】
前記熱交換器9においては、反応生成液とヨウ化アルキルを含む含酸素化合物との間の間接的熱交換が行われ、これにより、反応生成液の温度は低められ、ヨウ化アルキルを含む含酸素化合物の温度は高められる。熱交換器9に入る以前の反応生成液の温度は、通常、160〜200℃であるが、前記熱交換器通過後には40〜80℃程度低められた温度(通常、100〜140℃)となる。一方、熱交換器に入る以前のヨウ化アルキルを含む含酸素化合物の温度は、通常、20〜50℃であるが、前記熱交換器通過後には50〜90℃程度高められた温度(通常、100〜140℃)となる。
スクラバー7を通過した反応生成ガスは、ライン65を通して排出される。
【0049】
吸着剤充填塔3に導入された反応生成液は、ここで吸着剤と接触し、反応生成液中に含まれるロジウム錯体の95〜100%が吸着分離される。この場合の吸着温度は100〜140℃に調節するのがよい。吸着剤充填塔3を出た反応生成液は、ライン45、バルブ16、ライン47、ライン49、流量バルブ19を通って蒸発槽4に導入される。
一方、吸着剤充填塔2に導入されたヨウ化アルキルを含む含酸素化合物は、ここで吸着剤と接触し、前回の吸着工程で吸着されたロジウム錯体が吸着剤からその含酸素化合物液中に脱着される。この場合の脱着温度は、100〜140℃に調節するのがよい。吸着剤充填塔2を出たヨウ化アルキル、及びロジウム錯体を含む含酸素化合物は、ライン41、ライン43、バルブ17、ライン44、ライン53を通って反応装置1に導入される。
吸着剤充填塔2及び3は、ロジウム錯体の吸着と脱着を交互に繰返し行うもので、一方が吸着工程の状態にあるときは、他方は脱着工程の状態にある。吸着剤充填塔における吸着工程と脱着工程の切換えは、バルブ操作により行われ、前記した状態にあるときは、バルブ13、バルブ12、バルブ16、バルブ17は開の状態にありバルブ14、バルブ11、バルブ18、バルブ15は閉の状態にある。
【0050】
蒸発槽4に導入されたロジウム錯体の分離された後の反応生成液は、ここで蒸発処理される。この蒸発処理において、その温度は100〜150℃、好ましくは110〜130℃であり、その圧力は1〜5気圧、好ましくは1〜2気圧である。
前記蒸発処理においては、反応生成液中の一部が蒸発気化され、ライン51を通って蒸留塔5に導入される。一方、蒸発槽における残液は、ライン53を通って反応装置1に返還される。
蒸発槽4において反応生成液が蒸発気化される割合は特に制約されないが、その50〜100重量%、好ましくは90〜100重量%である。蒸発気化された反応生成液の組成は、酢酸:50〜60重量%、含酸素化合物:0.1〜1重量%、酢酸メチル:10〜20重量%、ヨウ化アルキル:5〜20重量%、水:5〜20重量%である。一方、蒸発残液の組成は、酢酸:80〜95重量%、含酸素化合物:0〜0.5重量%、プロピオン酸:0〜5重量%、酢酸メチル:0〜10重量%、ヨウ化アルキル:0〜1重量%、水:0〜10重量%である。
前記蒸発槽4は必ずしも必要とされず、蒸発槽を用いない場合は、ライン49を通る反応生成液は、その全量が蒸留塔5に導入される。
【0051】
蒸留塔5においては、反応生成液の蒸留が行われ、塔頂からの蒸気成分は冷却器10に入り、ここで凝縮された後、気液分離器6に入り、ここで気液分離される。分離された気体は、ライン56を通ってスクラバー8に導入され、ここで、ライン27を通って導入された含酸素化合物と接触し、気体中のヨウ化アルキル、ヨウ化水素、水等の可溶性成分が含酸素化合物に溶解され、気体から分離され、含酸素化合物に溶解されなかったガス成分(水素、メタン、CO2等)はライン66を通って排出され、一方、気体中の可溶性成分を含む含酸素化合物は、ライン63を通って抜出され、スクラバー7から抜出されたヨウ化アルキルを含む含酸素化合物に混合される。
また、気液分離器6で得られた液体は、ヨウ化アルキル、酢酸メチル、ヨウ化水素、水、酢酸等からなり、このものはライン57を通って、スクラバー7及び8から抜出されたヨウ化アルキル等の可溶性成分を含む含酸素化合物と混合される。また、ライン57を通る液体には、ライン58を通ってヨウ化アルキルが補給される。
蒸留塔5に対しては、必要に応じ、ライン24を通って含酸素化合物が供給される。この含酸素化合物は、蒸留塔5の塔底部において、ヨウ化水素と反応する。この場合の反応は、含酸素化合物としてメタノールを用いる場合、次式で表わされる。
CH3OH+HI → CH3I+H2
蒸留塔5に導入される含酸素化合物とヨウ化水素との割合は、ヨウ化水素1モルに対して、含酸素化合物は、メタノール換算量で1モル以上、好ましくは3〜10モルの割合である。このような含酸素化合物とヨウ化水素との反応により、反応生成液中に溶存していたヨウ化水素はヨウ化アルキル(ヨウ化メチル)に変換され、そのヨウ化水素の反応生成液中濃度は500wtppb以下、通常、100wtppb程度にまで減少する。
蒸留塔5の底部からは、ヨウ化水素濃度が500wtppb以下、通常、100wtppb以下にまで低められた酢酸がライン59を通って抜出される。この酢酸は、ヨウ化水素の他、水を約2重量%程度含有する。
【0052】
図4に示したフローシートにおいては、気液分離器6から抜出された液体は、ライン64を通る液体に直接混合(配管混合)する例が示されているが、好ましくは混合槽を用いて混合するのがよい。即ち、ライン57の液体とスクラバー7、8からの液体とを混合槽に導入し、ここで均一に混合した後、ライン64及び熱交換器9を通って吸着剤充填塔2に導入するのが好ましい。
また、図4に示したフローシートにおいては、2つのスクラバー7、8が用いられているが、本発明の場合、必ずしも2つのスクラバーは必要とされず、1つのスクラバーを用いてもよい。さらに、気液分離器6からライン56を通って抜出される気体はスクラバー8に導入されているが、必ずしもスクラバー8に導入する必要はなく、他の排ガス処理法により処理することもできる。この場合には、スクラバー8の設置は不要となる。
【0053】
前記蒸留塔5の底部から抜出された酢酸は、これを更に精製するために、さらに第2蒸留塔に導入して蒸留処理することができる。この場合、第2蒸留塔に導入する酢酸には、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属塩等のアルカリ金属化合物(例えばKOHやNaOHの水溶液)はこれらのアルカリ金属化合物と次亜リン酸(PH32)との混合物を添加するのが好ましい。アルカリ金属化合物は、第2蒸留塔内において酢酸中に残存する微量のヨウ化水素と反応し、ヨウ化水素はアルカリ金属ヨウ化物となり、酢酸中のヨウ化水素を20wtppb以下にすることができる。添加するアルカリ金属化合物の量は、酢酸中のヨウ化水素1モル当り、1モル以上、好ましくは1〜10モルの割合である。第2蒸留塔からは高純度の酢酸が得られるが、その酢酸中に含まれるヨウ化アルキル及びヨウ素イオンを含めた総ヨウ素含有量は、数十wtppb以下である。さらにまた、この高純度酢酸は、それに含まれるヨウ素成分を吸着除去することにより、さらに高純度の製品とすることができる。
【0054】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0055】
参考例1(触媒の調製)
架橋度60%、細孔容積0.32cc/g、平均細孔径21nm、平均粒径0.43mmのPV樹脂(4-ビニルピリジン/ジビニルベンゼン共重合体樹脂)10.5g(乾燥重量6.7g)をメタノールに十分なる時間浸漬した後、これにヨウ化メチル、メタノール及び酢酸からなる混合溶液(ヨウ化メチル8重量%、メタノール45重量%、酢酸47重量%)140gを加え、チタン製オートクレーブ(250cc)に仕込み、さらに塩化ロジウム3水和物(RhCl3、3H2O)0.14gを加えた。この混合物を一酸化炭素で数回脱気した後、190℃まで昇温したところで、全圧が50kg/cm2(一酸化炭素の初期分圧では15kg/cm2)となるように一酸化炭素を自力式調節弁を介してオートクレーブ内に供給した。そして、30分経過後に反応器を冷却し、窒素でパージした後、PV樹脂をデカンテーションで除去し、メタノールで洗浄を数回繰り返し、PV樹脂に担持されたロジウム錯体触媒を得た。このPV樹脂中のRhを原子吸光法により分析したところ、樹脂重量の0.8重量%に相当するRhがPV樹脂に担持されていることが確認された。この場合のロジウム錯体は、式〔Rh(CO) 2 2 - で表わされる陰イオン性のものである。
【0056】
参考例2(陰イオン性ロジウム錯体用吸着剤の調製)
参考例1で用いたのと同じPV樹脂10.5g、及び酢酸65.2g、ヨウ化メチル11.1gを200mlオートクレーブに入れ100℃、600rpmで1時間処理し、ピリジン環が4級化構造に変成されたPV樹脂を得た。反応前後のヨウ化メチルの減少量から求めたVP樹脂中のNの4級化割合は95%以上であった。回収した4級化樹脂をメタノールで十分に洗浄し、陰イオン性ロジウム錯体用吸着剤を得た。
【0057】
図4に示したフローシートに従って酢酸の製造実験を行った。この場合、反応装置1としては、図1に示した構造の撹拌混合槽を用い、カルボニル化触媒としては、参考例1で調製したものを用いた。また、吸着剤充填塔2、3における吸着剤としては、参考例2で調製したものを用いた。さらに、スクラバー7、8としては、その内部に充填材として金網を充填したものを用いた。
前記図4のフローシートに従った酢酸の製造実験における主な操作条件を図4に示した装置及びラインとの関連で以下に示す。
(1)ライン31
(反応生成液)
(i)流量:263重量部/h
(ii)温度:180℃
(iii)成分組成
酢酸:57wt%
メタノール:0.6wt%
ジメチルエーテル:0.07wt%
ヨウ化メチル:14.6wt%
水:5.6wt%
酢酸メチル:21wt%
(2)ライン61
(反応生成ガス)
(i)流量:5.4重量部/h
(ii)温度:40℃
(iii)成分組成
一酸化炭素:85wt%
ヨウ化メチル:6.6wt%
(3)ライン32
(反応生成液冷却物)
(i)温度:110℃
(4)吸着剤充填塔3
(吸着工程)
(i)温度:110℃
(ii)圧力:30kg/cm2
(5)ライン49
(吸着処理液)
(i)ロジウム濃度:0.3wtppm
(6)蒸発槽4
温度:121℃
圧力:0.8kg/cm2
(7)ライン51
(反応生成液蒸発物)
(i)流量:258重量部/h
(ii)成分組成:
酢酸:57wt%
メタノール:0.6wt%
ジメチルエーテル:0.07wt%
ヨウ化メチル:14.9wt%
水:5.6wt%
酢酸メチル:22wt%
(8)ライン53
(反応生成液の蒸発残液)
(i)流量:5.0重量部/h
(ii)成分組成
酢酸:88wt%
ヨウ化メチル:0.9wt%
水:3.8wt%
酢酸メチル:6.7wt%
(9)ライン24
(メタノール)
(i)流量:3.0重量部/h
(ii)温度:25℃
(10)ライン59
(蒸留残液)
(i)流量:12.6重量部/h
(ii)温度:139℃
(iii)成分組成
酢酸:99.8wt%
水:0.2wt%
(11)ライン57
(蒸留物凝縮液)
(i)流量:128重量部/h
(ii)温度:40℃
(iii)成分組成
酢酸:16wt%
メタノール:1.2wt%
ジメチルエーテル:0wt%
ヨウ化メチル:28wt%
水:11wt%
酢酸メチル:42wt%
(12)ライン62
(スクラバー抜出液)
(i)流量:35重量部/h
(ii)温度:25℃
(iii)成分組成
酢酸:0wt%
メタノール:96wt%
ジメチルエーテル:0wt%
ヨウ化メチル:0.2wt%
水:0.2wt%
酢酸メチル:0.2wt%
(13)ライン64
(スクラバー抜出液混合物)
(i)流量:200重量部/h
(ii)温度:34℃
(iii)成分組成
酢酸:11wt%
メタノール:34wt%
ジメチルエーテル:0.1wt%
ヨウ化メチル:19wt%
水:7wt%
酢酸メチル:28wt%
(14)ライン33
温度:110℃
(15)吸着剤充填塔2
(脱着工程)
(i)温度:110℃
(ii)圧力:40kg/cm2
(16)ライン41
(脱着処理液)
(i)ロジウム濃度:0.4wtppm
(17)ライン21
(メタノール)
(i)流量:67重量部/h
(ii)温度:25℃
(18)ライン22
(一酸化炭素)
(i)流量:63重量部/h
(ii)温度:30℃
(19)反応装置1
(i)温度:180℃
(ii)圧力:42kg/cm2
【0058】
実施例2
触媒として参考例2で得た触媒を用い、吸着剤として参考例1で示したPV樹脂自体を用い、実施例1と同様にして酢酸の製造を行った。この場合にも、収率よく酢酸を製造することができた。また、反応生成液中に含まれるロジウム錯体も高分離率で反応生成液から吸着分離することができた。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、含酸素化合物と一酸化炭素から、収率よくかつ経済的に酢酸を製造することができる。しかも、本発明の場合、含酸素化合物のカルボニル化工程において、PV樹脂から脱離し、反応生成液中に移行したロジウム錯体を、高分離率で分離し、反応装置に循環させることができ、これにより反応装置内の反応液中に溶存するロジム錯体濃度は一定濃度に保持され、PV樹脂からのロジウム錯体の脱離が防止される。また、ロジウム錯体の製品酢酸への移行が防止され、ロジウム錯体の消失もなくなり、プロセスの経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌混合式反応器からなる反応装置の説明図である。
【図2】外部循環式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。
【図3】内部循環式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。
【図4】本発明による酢酸製造方法のフローシートの1例を示す。
【符号の説明】
(図1〜図3)
1 反応器
2 撹拌翼
21 縦型反応器
22 第1ガス分離槽
23 第2ガス分離槽
51 反応器
53 内筒
54 ガス分離槽
(図4)
1 反応装置
2,3 吸着剤充填塔
4 蒸発槽
5 蒸留塔
6 気液分離器
7,8 スクラバー
9 熱交換器
10 冷却器

Claims (5)

  1. メタノール及びジメチルエーテルの中から選ばれる少なくとも1種の含酸素化合物と一酸化炭素を反応原料として用いる酢酸の製造方法において、(i)陰イオン性のロジウム錯体を含有する固体触媒を用い、ヨウ化アルキルの存在下、有機溶媒中で含酸素化合物と一酸化炭素とを反応させて酢酸を生成させるカルボニル化反応工程、
    (ii)該カルボニル化反応工程で得られた反応生成液を、樹脂中に含まれるピリジン環の窒素原子の少なくとも一部が4級化されているビニルピリジン系樹脂からなり、かつ、前記ロジウム錯体に対して吸着性を示す吸着剤と接触させて、反応生成液中に含まれるロジウム錯体を吸着させる吸着工程、
    (iii)該カルボニル化工程で得られた反応生成ガスを含酸素化合物及び/又は有機溶媒と接触させて、反応生成ガス中に含まれるヨウ化アルキルを含酸素化合物及び/又は有機溶媒に溶解させるヨウ化アルキル回収工程、
    (iv)該吸着工程で得られたロジウム錯体が分離された後の反応生成液を蒸留し、酢酸からなる重質成分と、ヨウ化アルキル、酢酸メチル及び水からなる軽質成分とに分離する蒸留工程、
    (v)該ヨウ化アルキル回収工程で得られたヨウ化アルキルを含む含酸素化合物及び/又は有機溶媒を、ロジウム錯体を吸着した吸着剤と接触させて、吸着剤に吸着されているロジウム錯体を脱着させる脱着工程、
    (vi)該脱着工程で得られたロジウム錯体を含む液体を前記カルボニル化反応工程へ循環させる循環工程、
    からなることを特徴とする酢酸の製造方法。
  2. 該ヨウ化アルキル回収工程で得られたヨウ化アルキルを含む含酸素化合物及び/又は有機溶媒に、該蒸留工程で得られた軽質成分を混合する請求項1の方法。
  3. 該ヨウ化アルキル回収工程で得られたヨウ化アルキルを含むメタノール及び/又は有機溶媒と該カルボニル化反応工程で得られた反応生成液との間で間接的熱交換を行わせ、高められた温度のヨウ化アルキルを含む含酸素化合物及び/又は有機溶媒と、低められた温度の反応生成液を形成させる請求項1又は2の方法。
  4. 該ヨウ化アルキル回収工程において反応生成ガスを含酸素化合物と接触させることにより得られるヨウ化アルキルを含む含酸素化合物を、該脱着工程における脱着用溶媒として用いた後、該カルボニル化反応工程に循環させる請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 該吸着工程で得られたロジウム錯体が分離された後の反応生成液を蒸発処理し、蒸発を蒸留工程にて蒸留し未蒸留部分をカルボニル化反応工程に循環させる請求項1〜4のいずれかの方法。
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