JP3833111B2 - 画像形成機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、ファクシミリあるいは静電複写機等などの画像形成機、更に詳しくは、定着装置におけるジャム処理の容易化を図った画像形成機に関する。
【0002】
【従来の技術】
給紙カセットから給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路の途中に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に画像形成機本体に装着された搬送ユニットとを備えている画像形成機、例えばレーザプリンタはすでに開示されている。このプリンタにおいて、上記用紙搬送路は、定着装置の下流側からプリンタの後壁に沿って上方に向かって反転し、更にプリンタの上面に配設された排紙トレイまで延在している。プリンタ本体の背面側には、後カバーが閉位置と開位置との間を旋回しうるよう配設されている。後カバーが閉位置に位置付けられると、定着装置の直下流領域をプリンタ本体の背面から閉じ、後カバーが開位置に位置付けられると、定着装置の直下流領域はプリンタ本体の背面に開かれる。定着装置の静止枠体には、熱ローラと、熱ローラに圧接される圧ローラが配設されている。静止枠体には一対の加圧レバーの一端が軸を中心に回転可能に支持されている。加圧レバーの各々の中間領域の上面側には圧ローラが回転自在に支持されている。静止枠体の底壁と加圧レバーの各々の下面との間には、加圧レバーの各々を軸まわりに上方に付勢する圧縮コイルばねが配設され、該圧縮コイルばねによって圧ローラは熱ローラに圧接される。加圧レバーの他端を軸まわりに下方に押し下げると、圧ローラは下方に回転して熱ローラから離隔する。
【0003】
定着装置の上流側における用紙搬送路にジャム、すなわち紙詰まりが発生した場合には、搬送ユニットをプリンタ本体の前方に引出し、ジャム処理を行なう。他方、定着装置にジャムが発生した場合には、先ず後カバーを開く。次いで加圧レバーを押し下げて熱ローラに対する圧ローラの圧接を解除しながら、同時にジャム用紙を除去する。ジャム用紙を除去した後、加圧レバーの押し下げ操作を解除して圧ローラを熱ローラに圧接させる。最後に、後カバーを閉じて定着装置のジャム処理を終了する。
【0004】
上記ジャヤム処理の遂行に際しては、安全性を確保するため、定着装置の駆動回路及び加熱回路をON−OFFするスイッチを設ける必要がある。このため、上記プリンタ本体においては、該本体と搬送ユニットとの間、及び該本体と後カバーとの間にそれぞれスイッチを配設していた。該本体と搬送ユニットとの間に配設されたスイッチは、搬送ユニットが収容位置に位置付けられるとONとなり、定着装置の駆動回路及び加熱回路をONとするので、熱ローラ及び圧ローラ、又は熱ローラを駆動する電動モータの回転駆動及び熱ローラのヒータの加熱が可能になる。該本体と搬送ユニットとの間に配設されたスイッチはまた、搬送ユニットが収容位置から引き出されるとOFFとなり、定着装置の駆動回路及び加熱回路をOFFとするので、該電動モータの回転駆動及び熱ローラのヒータの加熱が不可能になる。他方、該本体と後カバーとの間に配設されたスイッチは、後カバーが収容位置に位置付けられるとONとなり、後カバーが収容位置から引き出されるとOFFとなり、定着装置の駆動回路及び加熱回路を、それぞれON、OFFする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記プリンタにおいて、定着装置にジャムが発生した場合には、オペレータが上記した如き比較的多数の連続したジャム処理動作を行なわなければならないので、オペレータの労力負担が増大し、ジャム発生からプリンタ開始可能な正常状態に復帰するまでの時間が長くなる。また、誤操作による部品の損傷や時間の浪費を防ぐためには、ジャム処理の手順を指示するラベルを貼着する必要があり、その結果、コストアップを招く。
【0006】
上記プリンタにおいてはまた、定着装置の駆動回路及び加熱回路をON−OFFするスイッチが2個必要であること、及び長いハーネスを配設する必要が生ずるので、部品点数の増加によるコストアップを招くことになる。また長いハーネスの配設は、プリンタの組立工数を増加させ、この面においてもコストアップの要因となる。
【0007】
本発明の目的は、定着装置に発生したジャム処理を容易かつ迅速に行なうことを可能にする、新規な画像形成機を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、定着装置に発生したジャム処理を容易かつ迅速に行なうことを可能にすると共にコストダウンを可能にする、新規な画像形成機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に該本体に装着された搬送ユニットとを備えている画像形成機において、
定着装置の下側に閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回自在に配設されて定着装置の底領域を開閉しうる底カバー及び/又は閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回しうるよう該本体の背面側に配設されて定着装置の下流側領域を該本体の背面から開閉しうる後カバーが備えられ、
底カバーは、搬送ユニットの引き出し方向における端部が該軸まわりに旋回自在に配設され、後カバーは下端部が該軸まわりに旋回自在に配設され、後カバーには、該軸よりも下方に延び出す垂下部が形成され、
搬送ユニットが該本体から所定量引き出されると、定着装置の下方には、搬送ユニットの退避空間が形成されかつ該本体の背面には該退避空間と連通する開口が形成され、
底カバー及び/又は後カバーは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態で、搬送ユニットが底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上に位置して開方向の旋回が阻止されることにより閉位置に保持され、後カバーは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態で、搬送ユニットの、該本体の背面側における端部が後カバーの垂下部における開方向の旋回軌跡上に位置して開方向の旋回が阻止され、
搬送ユニットが収容位置から引き出されて該開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー及び/又は後カバーは閉位置から開位置への旋回が許容され、底カバーが開位置まで旋回させられると、定着装置の底領域が該退避空間に開かれて、定着装置の下方における該退避空間と該開口とが連通させられ、後カバーが開位置まで旋回させられると、定着装置の下流側領域が該本体の背面側に開かれる、
ことを特徴とする画像形成機、が提供される。
搬送ユニットが収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー及び/又は後カバーは搬送ユニットに連動して閉位置から開位置へ自重により旋回させられる、ことが好ましい。
底カバー及び/又は後カバーを閉位置から開位置へ向けて常時付勢するばね手段が配設され、搬送ユニットが収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー及び/又は後カバーは搬送ユニットに連動して閉位置から開位置へ該ばね手段のばね力に強制されて旋回させられる、ことが好ましい。
底カバー及び/又は後カバーを開位置から閉位置へ向けて常時付勢するばね手段が配設され、搬送ユニットが収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避した状態で、底カバー及び/又は後カバーを該ばね手段のばね力に抗して手動により閉位置から開位置へ旋回させることができる、ことが好ましい。
該本体内の収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避させられた搬送ユニットを移動させて収容位置に収容すると、底カバー及び/又は後カバーは搬送ユニットに連動して開位置から閉位置へ旋回させられて閉位置に保持される、ことが好ましい。
本発明の他の局面によれば、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に該本体に装着された搬送ユニットとを備えている画像形成機において、
閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回しうるよう該本体の背面側に配設されて定着装置の下流側領域を該本体の背面から開閉しうる後カバーが備えられ、
後カバーは下端部における、搬送ユニットの引き出し方向における端部が該軸まわりに旋 回自在に配設され、後カバーの、該本体の背面側には、該軸よりも下方に延び出す垂下部が形成され、
搬送ユニットが該本体から所定量引き出されると、定着装置の下方には、搬送ユニットの退避空間が形成されかつ該本体の背面には該退避空間と連通する開口が形成され、
後カバーは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態で、搬送ユニットの、該本体の背面側における端部が後カバーの垂下部における開方向の旋回軌跡上に位置して開方向の旋回が阻止されることにより閉位置に保持され、
搬送ユニットが収容位置から引き出されて該開方向の旋回軌跡上から退避すると、後カバーは閉位置から開位置への旋回が許容され、後カバーが開位置まで旋回させられると、定着装置の下流側領域が該本体の背面側に開かれる、
ことを特徴とする画像形成機、が提供される。
本発明の更に他の局面によれば、
給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に該本体に装着された搬送ユニットとを備え、定着装置は、静止枠体と、静止枠体に回転自在に支持された熱ローラと、熱ローラに圧接される圧ローラとを備えている画像形成機において、
定着装置は、静止枠体に閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回自在に支持されたカバーユニットを備え、カバーユニットは底壁及び底壁と一体に形成された後カバーからなりかつ底壁の、搬送ユニットの引き出し方向における端部が静止枠体に該軸まわりに旋回自在に支持され、カバーユニットが閉位置に位置付けられると、定着装置の下流側領域は該本体の背面から閉じられて圧ローラは熱ローラに圧接され、カバーユニットが開位置に位置付けられると、定着装置の下流側領域は該本体の背面に開かれて圧ローラは熱ローラから離隔され、
搬送ユニットが該本体から所定量引き出されると、定着装置の下方には、搬送ユニットの退避空間が形成されかつ該本体の背面には該退避空間と連通する開口が形成され、
カバーユニットは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態では、搬送ユニットがカバーユニットの底壁の開方向の旋回軌跡上に位置してカバーユニットの開方向の旋回が阻止されることにより閉位置に保持され、搬送ユニットが収容位置から引き出されてカバーユニットの開方向の旋回軌跡上から退避すると、カバーユニットは閉位置から開位置への旋回が許容される、
ことを特徴とする画像形成機、が提供される。
圧ローラとカバーユニットの底壁との間には、圧ローラを熱ローラに圧接させるためのばね手段が配設され、搬送ユニットが収容位置から引き出されてカバーユニットの開方向の旋回軌跡上から退避すると、カバーユニットは搬送ユニットに連動して閉位置から開位置へ該ばね手段のばね力に強制されて旋回させられる、ことが好ましい。
該本体内の収容位置から引き出されてカバーユニットの開方向の旋回軌跡上から退避させられた搬送ユニットを移動させて収容位置に収容すると、カバーユニットは搬送ユニットに連動して開位置から閉位置へ旋回させられて閉位置に保持される、ことが好ましい。
搬送ユニットは、定着装置の上流側における用紙搬送路の上流方向に引出し可能に該本体に装着されている、ことが好ましい。
定着装置の駆動回路及び加熱回路をON−OFFするスイッチが、該本体と搬送ユニットとの間にのみ配設され、搬送ユニットが収容位置に位置付けられると該スイッチはONとなり、搬送ユニットが収容位置から引き出されると該スイッチはOFFとなる、ことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された画像形成機の好適な実施の形態を、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0011】
図1及び図2を参照して、番号200は画像形成機であるレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ」と略称する)を示しており、プリンタ200は、ほぼ直方体状の画像形成機本体であるプリンタ本体202を備えている。プリンタ本体202内のほぼ中央部には、感光体ドラム210、感光体ドラム210の周囲に配置された、主帯電器212、現像器214、転写ローラ216、クリーナ218、図示しない除電器、などの作像エレメントを備えている。プリンタ本体202内の上部位置には、入力された画像情報をレーザ光に変換し、感光体ドラム210の表面に照射するレーザスキャニングユニットLSUが配設されている。もちろん、レーザスキャニングユニットLSUも作像エレメントの一つの要素である。現像器214の上方位置には、トナーコンテナ219も配設されている。これらの作像エレメントから構成される画像形成手段は周知の構成を利用することでよく、またそれ自体の構成及び作用は本発明の特徴をなすものではないので、更なる説明は省略する。なお、以下の記載において、プリンタ本体202の前方、ないし前方とは、図1及び図2において右方向を示し、またプリンタ本体202の後方、ないし後方とは、図1及び図2において左方向を示す。
【0012】
プリンタ本体202内にはまた、用紙搬送路220、定着装置100及び搬送ユニット230などが備えられている。用紙搬送路220の一部領域は、ほぼ感光体ドラム210の接線方向に水平に延在するよう配設されている。搬送ユニット230には、給紙カセット240が配設されている。
【0013】
先ず、搬送ユニット230について説明する。全体としてほぼ箱形に形成された搬送ユニット230内の前方領域には、給紙ローラ232及び搬送ローラ231が配設されている。搬送ユニット230内の、搬送ローラ231の前方における上部領域には、搬送ローラ231の外周面の一部領域に対し間隔をおいて対向する搬送案内反転壁221が配設されている。搬送案内反転壁221は、下方から上方にかつプリンタ本体202の後方(用紙搬送路220の下流方向)に向かって湾曲している。搬送ユニット230の上端であって搬送案内反転壁221及び搬送ローラ231の下流側には、搬送案内上壁222a及び搬送案内板222bが相互に上下方向に間隔おいてほぼ水平に延在するよう配設されている。搬送案内上壁222a及び搬送案内板222bの下流側にはレジストローラ対233が配設され、レジストローラ対233の下流側には、搬送案内上壁223a及び搬送案内板223bが相互に上下方向に間隔おいてほぼ水平に延在するよう配設されている。搬送案内上壁223a及び搬送案内板223bの下流側には、上記転写ローラ216が配設されている。転写ローラ216の下流側には、搬送案内上壁224がほぼ水平に延在するよう配設されている。搬送案内上壁224の下流端位置よりも下方位置には、該下流端位置から更に後方に向かってほぼ水平に延在する後端部上壁234が形成され、搬送案内上壁224の下流端と後端部上壁234の上流方向端との間は、ほぼ鉛直に延びる垂下壁235により連続せしめられている。搬送ユニット230は、後端部上壁234の後端から垂下する後端壁236と、後端壁236の下端から前方に向かってほぼ水平に延在する底壁237と、底壁237の前端から直立する前端壁238とを備えている。前端壁238のほぼ下半分の領域はほぼ上半分の領域よりも若干後方に後退した位置にある。搬送ユニット230の両側は図示しない両側壁により覆われている。なお、後端部上壁234と後端壁236とが交わる角は、曲面により形成されている。
【0014】
搬送ユニット230の前端部の上壁には該上壁の上面から上方に延び出すスイッチ作動部239が形成されている。他方、プリンタ本体202内の前端部には、該突出部239に対応してスイッチSWが配設されている。スイッチSWは、後述する定着装置100の図示しない駆動回路及び加熱回路をON−OFFするためのスイッチであって、プリンタ本体202と搬送ユニット230との間にのみ1個だけ配設されている。搬送ユニット230が後述する収容位置に位置付けられるとスイッチSWはONとなり、搬送ユニット230が収容位置から引き出されるとスイッチSWはOFFとなる。
【0015】
プリンタ本体202内には、搬送ユニット230を収容する収容空間が形成されている。収容空間は、プリンタ本体202の前端面(図1及び図2において右端面)から後端面(図1及び図2において左端面)にわたって貫通している。搬送ユニット230は、該収容空間に収容された収容位置(図1参照)、したがってプリンタ本体202内に収容された収容位置からプリンタ本体202の前方に向かって引き出し可能に支持されている。搬送ユニット230の、プリンタ本体202への支持は、それ自体は周知の図示しないスライドレール手段により行なえばよい。スライドレール手段は、例えば、プリンタ本体202の両側壁の同じ高さ位置から内側に一定の幅だけ突出しかつプリンタ本体202の前後方向に平行に延びるガイドフランジと、搬送ユニット230の底壁237の両側縁部の下面とから構成される(図示せず)。ガイドフランジの各々の上面に、搬送ユニット230の底壁237の両側縁部の、対応する下面をスライド自在に支持することにより、搬送ユニット230はプリンタ本体202にスライド自在に支持される。搬送ユニット230の底壁237の両側縁部の下面の適宜の位置に下方に突出する図示しない被係止突部を設け、またプリンタ本体202のガイドフランジの各々の適宜の位置に各々の上面から上方に突出する図示しない係止突部ないし段差を形成しておくことが好ましい。このような構成により、搬送ユニット230は、プリンタ本体202内から所定の領域が引き出された位置で、搬送ユニット230の被係止突部の各々が、対応する係止突部ないし段差に係止(当接)されて引き出し方向の移動が阻止される。この状態で、搬送ユニット230の手前側を若干持ち上げると該係止が解除されるので、搬送ユニット230は、プリンタ本体202内から前方外方に完全に取り出すことが可能となる。
【0016】
搬送ユニット230内には、それ自体は周知の構成でよい給紙カセット240が、搬送ユニット230内に収容された収容位置から搬送ユニット230の前方に引き出し可能に配設されている。給紙カセット240内には、用紙載置台が図1において左方の一端部を中心に旋回可能に配設され、他端部が圧縮コイルばねにより上方に向かって付勢されている(いずれも図示せず)。用紙載置台上に積層された用紙のうち、最上部に位置する用紙の先端部上面は、圧縮コイルばねのばね力によって上記給紙ローラ232に圧接されるよう、相互の位置関係が規定されている。
【0017】
図1に示されているように、搬送ユニット230がプリンタ本体202の収容位置に収容された状態で、搬送ユニット230の搬送案内上壁224は、後述する定着装置100の上流側に位置付けられる(換言すれば、定着装置100は、搬送案内上壁224の下流側に位置付けられる)。搬送ローラ231の外周面の該一部領域と搬送案内反転壁221との間、搬送案内上壁222aと搬送案内板222bとの間、搬送案内上壁223aと搬送案内板223bとの間及び搬送案内上壁224などにより、用紙搬送路220の、定着装置100よりも上流領域が形成される。搬送ユニット230の後端壁236は、プリンタ本体202の背面(後端面)の一部領域を規定し、前端壁238のほぼ上半分の領域は、プリンタ本体202の前面の一部領域を規定している。
【0018】
プリンタ本体202内の、定着装置100の下流側には、搬送案内反転壁225a及び225bが相互に間隔をおいて配設されている。搬送案内反転壁225a及び225bは、定着装置100の下流領域から、プリンタ本体202の後壁に沿って上方に延び、更にプリンタ本体202の前方に向かって反転するように湾曲している。搬送案内反転壁225a及び225bの下流端には排出ローラ対250が配設され、プリンタ本体202の上面であって、排出ローラ対250の下流側(排出ローラ対250の前方)には、排出トレイ252が配設されている。搬送案内反転壁225a及び225bなどにより、用紙搬送路220の、定着装置100よりも下流領域が形成される。
【0019】
図3を参照して、定着装置100は、静止枠体10を備えている。適宜の合成樹脂、例えばPETからなる静止枠体10は、一対の側枠(側壁)11(図3においては、その片方の側枠11のみが示されている)と、側枠11の各々における上端間を延在する天枠12と、側枠11の各々における上流端部の上方領域間を延在する上流上横枠13と、側枠11の各々における上流端部の下方領域間を延在する上流下横枠14と、側枠11の各々における下流端部の下方領域間を延在する下流下横枠15とを備えている。静止枠体10の底面は、適宜の金属板、例えば鋼板からなる底板16により覆われている。底板16は、用紙搬送方向(図3において概ね右から左へ向かう方向)においては、上流下横枠14の下端から下流下横枠15の下端にわたって延在し、また、用紙搬送方向に対し水平方向に直交する方向(図3において紙面の表裏方向)においては、側枠11の各々の下端間を延在している。底板16は図示しない複数のビスにより静止枠体10に締結されている。底板16の、上流下横枠14と下流下横枠15との間の領域には、貫通孔16aがほぼ側壁11の各々間にわたって形成されている。
【0020】
側枠11の各々間には、定着ローラ対20が配設されている。定着ローラ対20は、熱ローラ22と、熱ローラ22の下方に配置されかつ熱ローラ22に圧接されて回転しうる圧ローラ24とから構成されている。熱ローラ22は、側枠11の各々に図示しない軸受を介して回転自在に支持されている。熱ローラ22は、アルミニウム製の中空芯金の表面に離型性の良好な材料、例えばPTFEの被覆層を備えた構造を有している。熱ローラ22の一端部は片方の側枠11の外側(図1において紙面の裏側)に突出し、熱ローラ22の該突出部には図示しない入力ギヤが取り付けられている。この入力ギヤは、駆動源である図示しない電動モータに駆動連結されている。熱ローラ22は、電動モータにより図1において時計方向に回転駆動される。熱ローラ22の中空内部には、ヒータであるハロゲンランプ22aが軸方向に延在するよう配設されている。電動モータは、上記したスイッチSWを含む図示しない、定着装置100の駆動回路によりその回転駆動が制御される。またハロゲンランプ22aは、上記したスイッチSWを含む図示しない、定着装置100の加熱回路によりその加熱が制御される。上記駆動回路及び加熱回路の制御は、プリンタ200に備えられている図示しないコントローラにより行なわれる。
【0021】
ヒータを備えていない圧ローラ24は、鉄にニッケルめっきした中実芯金の表面に耐熱性ゴムであるシリコンゴム層が形成され、更にシリコンゴム層の表面に(登録商標)の被覆層を備えた構造を有している。圧ローラ24の芯金の両端には軸24aが形成されている。圧ローラ24は、軸24aの両端部が、それぞれ、側枠11の各々に形成された、ほぼ上下方向に長い長孔11aに軸受部材24bを介してほぼ上下方向にスライド自在にかつ回転自在に支持されている。軸受部材24bは図示しないばね手段である圧縮コイルばねにより上方に付勢され、圧ローラ24は熱ローラ22に圧接される。上記コントローラの指令により電動モータが回転駆動されると、熱ローラ22は、図3において時計方向に回転駆動される。圧ローラ24は熱ローラ22に反時計方向に連れ回りさせられる。
【0022】
定着装置100における、定着ローラ対20の上流側領域には、片面にトナー像が転写された用紙を定着ローラ対20のニップ部に向けて案内する片方のガイド面である上ガイド面13aと、他方のガイド面である下ガイド面14aとが配設されている。上ガイド面13aは上流上横枠13に形成され、下ガイド面14aは上流下横枠14に形成されている。上ガイド面13aと下ガイド面14aは、上流から下流に向かって相互の間隔が徐々に狭くなるよう構成されている。側枠11の各々間の、定着ローラ対20よりも下流側には搬送ローラ対30が配設されている。搬送ローラ対30は、片方の搬送ローラ32と、片方の搬送ローラ32の下方に配置されかつ片方の搬送ローラ32に相対的に圧接された他方の搬送ローラ34とから構成されている。他方の搬送ローラ34の軸34aの一端部は、片方の側枠11の外側(図3において紙面の裏側)に突出し、軸34aの突出部には図示しない被駆動ギヤが取り付けられている。軸34aの被駆動ギヤは、片方の側枠11の外側に装着されている図示しないアイドルギヤに離脱自在に噛み合わされる。このアイドルギヤは、他の図示しないアイドルギヤを介して熱ローラ22の該入力ギヤに噛み合わされているので、該入力ギヤが回転駆動されると、他方の搬送ローラ34は図1において反時計方向に回転駆動させられ、他方の搬送ローラ34に圧接された片方の搬送ローラ32は、図1において時計方向に従動させられる。
【0023】
定着装置100の底板16の、上記上流下横枠14の下面に存在する領域には、適宜の合成樹脂製の板部材からなる矩形状の底カバー40が旋回自在に支持されている。更に具体的に説明すると、底板16の該領域の、定着ローラ対20の軸方向両端部には、それぞれ、支持フランジ16b(図3においては片方の支持フランジ16bのみが示されている)が下方に延び出している。そして、支持フランジ16bの各々間に軸42が回転自在に支持されている。軸42は相互に平行な熱ローラ22及び圧ローラ24の軸線に平行に延びている。底カバー40の、上記上流側の一端部であって軸線方向両端部が軸42に一体に連結されることにより、底カバー40は、定着装置100の下側に閉位置(図3において2点鎖線で示される位置)と、開位置(図3において実線で示される位置)との間を旋回自在に配設される。図3に示されているように、底カバー40が閉位置に位置付けられると、底板16の貫通孔16aは、底カバー40によって下方から閉じられ、底カバー40が開位置に位置付けられると、底板16の貫通孔16aは、底カバー40aによって下方に開かれる。なお、底カバー40の他端部には、底カバー40の下面から下方に突出する突起部40aが一体に形成されている。突起部40aの一端(底カバー40の一端方向に向いた一端)と底カバー40の下面との間は、比較的ゆるやかな傾斜面により連続せしめられている。
【0024】
図3に示す定着装置100の実施形態においては、底カバー40を閉位置から開位置へ向けて常時付勢するばね手段であるねじりコイルばね44が軸42に巻き掛けられている。ねじりコイルばね44の一端部は、底板16に形成された係止孔に挿入・係止され、また他端部は底カバー40の内側面に圧接されている。ねじりコイルばね44の他端部は、底カバー40の内側面に対しフリーであってもよいし、適宜の係止手段により係止されていてもよい。ねじりコイルばね44の両端部には互いに所定の角度位置まで開こうとするばね力が付与されているので、底カバー40は、ねじりコイルばね44により常時、図3において軸42を旋回中心として反時計方向に付勢され、ねじりコイルばね44のばね力に抗して底カバー40を軸42まわりに時計方向に旋回させる外力の作用がない限り、底カバー40は、軸42まわりに反時計方向に所定角度位置である開位置まで旋回させられて開位置に保持される(閉位置では軸42の軸線方向に見てほぼ水平となる)。図3において実線で示されているように、底カバー40が開位置に保持された状態で、軸42の軸線方向に見て、底カバー40は、軸42を通る水平面に対し鋭角をなすよう位置付けられている。この角度(すなわち開度)は、搬送ユニット230が引き出されることによって形成される、プリンタ本体202の後端に形成される開口から、収容空間を通して底板16の貫通孔16aないしその近傍まで手を挿入して後述する定着装置100における紙詰まりのジャム処理を行なう際に、底カバー40が邪魔にならないよう位置付けられる角度であればよい。
【0025】
図3に示す定着装置100におけるのとは逆に、底カバー40を開位置から閉位置へ向けて常時付勢するばね手段であるねじりコイルばね44を軸42に巻き掛ける、他の実施形態もある。この実施形態においては、ねじりコイルばね44の両端部には互いに所定の角度位置まで閉じようとするばね力が付与されているので、底カバー40は、ねじりコイルばね44により常時、図3において軸42を旋回中心として時計方向に付勢され、ねじりコイルばね44のばね力に抗して底カバー40を軸42まわりに反時計方向に旋回させる外力の作用がない限り、底カバー40は、軸42まわりに時計方向に閉位置まで旋回させられて閉位置に保持される。
【0026】
定着装置100の更に他の実施形態としては、ねじりコイルばね44を配設しない構成を挙げることができる(図示せず)。この実施形態においては、底カバー40は、その自重により常時、図3において軸42を旋回中心として反時計方向に旋回しようとする回転モーメントが作用するので、底カバー40の自重に抗して底カバー40を時計方向に旋回させる外力の作用がない限り、底カバー40は、軸42まわりに反時計方向に開位置まで旋回させられて自重により開位置に保持される。底カバー40が開位置に保持された状態で、軸42の軸線方向に見て、底カバー40は、自重による自由旋回により、軸42を通る水平面に対し直角をなすよう垂下せしめられてもよいが、先に述べたように軸42を通る水平面に対し鋭角をなすようにせしめてもよい。後者の場合には、底カバー40の自重による自由旋回を上記開度に阻止するための適宜のストッパを、底カバー40と静止枠体10又は底板16との間に配設する必要がある。
【0027】
再び図1及び図2を参照して、図1及び図2に示すプリンタ200には、底カバー40と底板16との間にねじりコイルばね44が配設されていない定着装置100の実施形態が備えられている。給紙カセット240を内蔵した搬送ユニット230がプリンタ本体202の収容位置に収容された状態において、転写ローラ216は感光体ドラム210の外周面に下方から接触される。搬送ユニット230の後端部上壁234は、定着装置100の下側であって、底カバー40の突起部40aの下面に当接するよう位置付けられる。すなわち、搬送ユニット230は底カバー40の開方向の旋回軌跡上に位置し、底カバー40の開方向の旋回が阻止されるので、底カバー40は閉位置に保持される。定着装置100の底領域である底板16の貫通孔16aは、底カバー40によって下側から閉じられる。上記スイッチSWは、搬送ユニット230のスイッチ作動部239によりONされる。定着装置100の駆動回路及び加熱回路がONとされる。プリンタ200の図示しないメーンスイッチがONされると、コントローラの指令により、定着装置100の電動モータが回転駆動され、またハロゲンランプ22aに通電され、熱ローラ22の加熱が開始され、プリンタ開始のための、定着装置100のウォームアップが行なわれる。
【0028】
図示しないプリンタキーがONされると、給紙ローラ232によって給紙カセット240から用紙が給紙される。給紙された用紙は、搬送ローラ231により用紙搬送路220を通してレジストローラ対233まで搬送され、一旦停止される。この用紙は、所定のタイミングを経てレジストローラ対233により搬送され、感光体ドラム210と転写ローラ216の間を通過する間にトナー像が用紙の片面に転写される。片面にトナー像が転写された用紙は、用紙搬送路220に沿って定着装置100に搬送され、定着ローラ対20のニップ部を通過する間に、用紙の片面に転写されたトナー像が定着される。用紙の片面にトナー像が定着された用紙は、排出ローラ対250に搬送された後、排出ローラ対250により排出トレー252上に排出される。以上のとおりにして、所定枚数の用紙のプリント動作が遂行される。
【0029】
上記プリント動作の遂行中に定着装置100において紙詰まりであるジャムが発生すると、コントローラの指令によりプリント動作が停止される。この段階において、定着装置100の電動モータの回転駆動及びハロゲンランプ22aへの通電は停止されるが、スイッチSWはONであるので、電動モータを含む駆動回路及びハロゲンランプ22aを含む加熱回路はONの状態にある。
【0030】
ジャム処理のため、オペレータがプリンタ本体202内の収容位置に装着されている搬送ユニット230を収容位置からプリンタ本体202の前方に(用紙搬送路220の上流方向に)向かって所定量だけ引き出すと、図2に示されているように、感光体ドラム210に接触させられていた転写ローラ216は、感光体ドラム210から離隔され、同時に、搬送ユニット230の後端部上壁234及び後端壁236は、定着装置100の下側から前方へ退避させられ、搬送ユニット230の後端部上壁234は、底カバー40に対し前方に完全に離隔する。したがって後端部上壁234は底カバー40の開方向の旋回軌跡上から退避する。定着装置100の下方には、搬送ユニット230の上記退避による退避空間が形成されて、底カバー40は閉位置から開位置への旋回が許容されるので、搬送ユニット230に連動して閉位置から開位置までその自重により旋回させられて、開位置に保持される。定着装置100の底板16の貫通孔の下方は、底カバー40により下方に開かれる。プリンタ本体202の背面には、上記退避空間と連通する開口が形成されるので、オペレータは、該開口から退避空間を通して底板16の貫通孔ないしはその近傍まで手を入れることが可能になるので、定着ローラ対20に巻きついた、あるいは定着ローラ対20の下方に垂れ下がった用紙を比較的容易に取り除くことが可能になる。また、搬送ユニット230が上記した如く、プリンタ本体202の前方へ所定量引き出されると、搬送ユニット230のスイッチ作動部239はスイッチSWから離隔するので、スイッチSWはOFFとなり、誤操作あるいは誤作動などによる定着装置100の駆動回路及び加熱回路への通電が完全に防止される。
【0031】
上記説明から明らかなように、定着装置100にジャムが発生した場合には、オペレータが、搬送ユニット230を収容位置からプリンタ本体202の前方に向かって所定量だけ引き出すだけの操作を行なうだけで、簡単に定着装置100のジャム処理を行うことができるので、オペレータの労力負担が軽減され、ジャム処理を迅速に行なうことが可能になるので、ジャム発生からプリンタ開始可能な正常状態に復帰するまでの時間を従来よりも短縮することが可能になる。また、ジャム処理のための機械の操作が単純化されることに起因して、ジャム処理の手順を指示するラベルを貼着する必要もなく、コストダウンが可能になる。
【0032】
上記プリンタ200においてはまた、定着装置100の駆動回路及び加熱回路をON−OFFするスイッチSWが、プリンタ本体202と搬送ユニット230との間にのみ1個だけ配設されているので、従来における如く、スイッチSWを2個配設したり、長いハーネスを配設する必要がなくなるので、部品点数が少なくなり、コストダウンが可能になる。また長いハーネスの配設が不要になることに起因して、プリンタの組立工数を減少せしめるので、この面においてもコストダウンが可能になる。
【0033】
上記した如き定着装置100のジャム処理が終了した後、搬送ユニット230を引き出した位置からプリンタ本体202の後方に向かって押し込むことにより、収容位置まで移動させ、収容位置に収容することができる(図1参照)。これにより転写ローラ216は感光体ドラム210に接触させられる。図示の実施形態において、搬送ユニット230は、その後端部上壁234と後端壁236との間の角部が開位置にある底カバー40の外側面(対向面)に当接しながら収容位置に向かって移動するので、底カバー40を軸42まわりに閉方向に旋回させる。先に述べたように、後端部上壁234と後端壁236とが交わる角は、曲面により形成されているので、相互に接触する面同士の損傷を防止すると共に、底カバー40の開位置から閉位置への軸42まわりの円滑な旋回(閉作動)が保証される。搬送ユニット230が収容位置に収容された状態で、搬送ユニット230の後端部上壁234は、底カバー40の突起部40aの下面に当接するよう位置付けられる。すなわち、搬送ユニット230は底カバー40の開方向の旋回軌跡上に位置し、底カバー40の開方向の旋回が阻止されるので、底カバー40は閉位置に保持される。定着装置100の底領域である底板16の貫通孔16aは、底カバー40によって下側から閉じられる。底カバー40の突起部40aの存在は、底カバー40の開位置から閉位置への軸42まわりの旋回をより円滑にせしめる。また先に述べたように、突起部40aの一端と底カバー40の下面との間が、比較的ゆるやかな傾斜面により連続せしめられていることも、底カバー40の開位置から閉位置への軸42まわりの旋回をより円滑にせしめる上で効果的である。また、本発明によれば、搬送ユニット230を収容位置に収容することにより自動的に底カバー40が開位置から閉位置へ軸42まわりに旋回させられて閉位置に保持されるので、ジャム処理後において底カバー40を閉め忘れることが確実に防止され、実用上、有用である。
【0034】
搬送ユニット230を収容位置に収容すると、上記スイッチSWは、搬送ユニット230のスイッチ作動部239によりONされるので、定着装置100の駆動回路及び加熱回路がONとされる。コントローラの指令により、定着装置100の電動モータが回転駆動され、またハロゲンランプ22aに通電され、熱ローラ22の加熱が開始され、定着装置100のウォームアップが開始され、プリント動作の再開に備えられる。
【0035】
図1及び図2を参照して説明したプリンタ200に備えられた定着装置100の実施形態においては、上記ねじりコイルばね44が配設されていないので、部品点数が少なく、低コストで製造することが可能になる。
【0036】
上記実施形態に代えて、底カバー40を閉位置から開位置へ向けて常時付勢するねじりコイルばね44を含む定着装置100を備えた実施形態(図3参照)においては、搬送ユニット230が収容位置から引き出されて底カバー40の開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー40は搬送ユニット230に連動して閉位置から開位置へねじりコイルばね44のばね力に強制されて旋回させられる。逆に搬送ユニット230が引き出された位置から収容位置まで移動させられると、底カバー40は搬送ユニット230によってねじりコイルばね44のばね力に抗して軸42まわりに閉方向に旋回させられ、閉位置に保持される。上記ねじりコイルばね44の存在は、底カバー40のガタを減少させ、また底カバー40の、更に安定した開閉動作、更に安定した開位置及び閉位置の保持に寄与するものである。
【0037】
更に上記実施形態に代えて、先に述べた如く、底カバー40を開位置から閉位置へ向けて常時付勢するねじりコイルばね44を含む定着装置100を備えた実施形態においては、搬送ユニット230が収容位置から引き出されて底カバー40の開方向の旋回軌跡上から退避しても、底カバー40は閉位置に保持されている。したがって、ジャム処理に際しては、ねじりコイルばね44のばね力に抗して手動により閉位置から開位置へ旋回させ、定着装置100の底領域を開放することによりジャム処理を行うことができる。この実施形態においては、搬送ユニット230の出し入れにより底カバー40を開閉する連動作用はないが、底カバー40の閉め忘れは確実に防止される。また、ねじりコイルばね44のばね力が弱くなり、ばねとしての機能が損なわれたとしても搬送ユニット230を収容位置に収容することにより底カバー40を閉位置に位置付けることが可能である。もちろん、搬送ユニット230を引き出すことにより底カバー40を開くことは可能であるので、ジャム処理に支障はない。このことは、ねじりコイルばね44を備えた先の実施形態についても実質的に同じである。
【0038】
図4及び図5には、本発明に従って構成されたプリンタ200の他の実施形態が示されている。この実施形態において、定着装置100には、閉位置と開位置との間を旋回しうるようプリンタ本体202の背面側に配設されて定着装置100の下流側領域をプリンタ本体202の背面から開閉しうる後カバー50が備えられている。更に具体的に説明すると、定着装置100の静止枠体10には底枠45が一体に形成されている。底枠45の、上記下流方向の端部には、後カバー50が、軸52を旋回中心として閉位置と開位置との間を旋回しうるよう配設されている。適宜の合成樹脂から形成することができる後カバー50は、プリンタ本体202における背面側に配設され、その上流側端部が底枠45に軸52を介して旋回自在に支持されている。後カバー50が閉位置(図4参照)に位置付けられると、定着装置100の下流側領域をプリンタ本体202の背面から閉じ、また開位置(図5参照)に位置付けられると、定着装置100の下流側領域をプリンタ本体202の背面側に開く。後カバー50が閉位置に位置付けられた状態で、後カバー50と、静止枠体10との間には、定着装置100の下流側における用紙搬送路220の一部領域が形成される。また、後カバー50の背面は、プリンタ本体202の背面の一部領域を規定するよう上下方向に延在する。この実施形態において、定着装置100には、先の実施形態における如き搬送ローラ対30は備えられていない。
【0039】
後カバー50の背面側の下端部には、下方に延び出す垂下部50aが形成されている。用紙搬送ユニット230の後端部上壁234と後端壁236とが交わる角部には、後端部上壁234の後端から下方に延びる垂下壁234aと、垂下壁234aの下端から後端壁236の上端に向かって水平に延びる水平壁236aとからなる段部が形成されている。後端部上壁234と垂下壁234aとが交わる角及び水平壁236aと後端壁236とが交わる角は、それぞれ曲面により形成されている。なお後カバー50の垂下部50aの、用紙搬送ユニット230の後端壁236ないし上記段部に対向する角も曲面により形成されている。その他の基本的構成は、図1に示すプリンタ200と実質的に同じであるので、実質的に同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。なお、図4及び図5においては、本発明の理解を容易にするため、本発明の特徴をなさない構成の一部が省略して図示されている。
【0040】
図4に示されているように、搬送ユニット230がプリンタ本体202内の収容位置に位置付けられた状態で、搬送ユニット230の後端部上壁234と、垂下壁234a及び水平壁236aとからなる段部とは、定着装置100の下側に位置付けられる。搬送ユニット230の垂下壁234aは、後カバー50の垂下部50aの対向面に、その上流側から当接させられる。すなわち、搬送ユニット230は後カバー50の開方向の旋回軌跡上に位置し、後カバー50の軸52を旋回中心とする開方向(図4において反時計方向)の旋回が阻止されるので、後カバー50は閉位置に保持される。後カバー50の背面と搬送ユニット230の後端壁236とは、プリンタ本体202の背面の一部領域を規定する。
【0041】
ジャム処理のため、オペレータがプリンタ本体202内の収容位置に装着されている搬送ユニット230を収容位置からプリンタ本体202の前方に所定量だけ引き出すと、図5に示されているように、搬送ユニット230の後端壁236と、垂下壁234a及び水平壁236aとからなる段部とは、プリンタ本体202の背面から前方に退避する。したがって搬送ユニット230は、後カバー50の開方向の旋回軌跡上から退避する。定着装置100の下方には、搬送ユニット230の上記退避による退避空間が形成されて、後カバー50は閉位置から開位置への旋回が許容されるので、搬送ユニット230に連動して閉位置から開位置までその自重により旋回させられて、開位置に保持される。定着装置100の下流側領域はプリンタ本体202の背面側に開かれる。オペレータは、プリンタ本体202の開かれた背面から定着ローラ対20に巻きついた、あるいは定着ローラ対20の下流側の用紙搬送路220に詰まった用紙を、機械(プリンタ200)の背面から容易に取り除くことが可能になる。
【0042】
上記説明から明らかなように、定着装置100にジャムが発生した場合には、オペレータが、搬送ユニット230を収容位置からプリンタ本体202の前方に向かって所定量だけ引き出すだけの操作を行なうだけで、機械の背面から簡単に定着装置100のジャム処理を行うことができるので、オペレータの労力負担が軽減され、ジャム処理を迅速に行なうことが可能になるので、ジャム発生からプリンタ開始可能な正常状態に復帰するまでの時間を従来よりも短縮することが可能になる。また、ジャム処理のための機械の操作が単純化されることに起因して、ジャム処理の手順を指示するラベルを貼着する必要もなく、コストダウンが可能になる。この実施形態においては、定着ローラ対20に巻きついた、あるいは定着ローラ対20の下流側の用紙搬送路220に詰まった用紙を、機械(プリンタ200)の背面から目視により容易に確認できるので、ジャム処理は更に容易となる。
【0043】
上記した如き定着装置100のジャム処理が終了した後、搬送ユニット230を引き出した位置からプリンタ本体202の後方に向かった押し込むことにより、収容位置まで移動させ、収容位置に収容することができる。搬送ユニット230は、その水平壁236aと後端壁236との間の角部又は後端壁236が開位置にある後カバー50の垂下部50aにおける、対向する角部に当接しながら収容位置に向かって移動するので、後カバー50を軸52まわりに図5において時計方向である閉方向に旋回させる。なお、適宜のストップ手段を静止枠体10と後カバー50との間に配設することにより、後カバー50の開位置を、前記したような相対作動が可能となるよう、規定することができる。搬送ユニット230が収容位置に収容された状態で、搬送ユニット230の垂下壁234aは、後カバー50の垂下部50aの対向面に、その上流側から当接させられる。すなわち、搬送ユニット230は後カバー50の開方向の旋回軌跡上に位置し、後カバー50の軸52を旋回中心とする開方向(図4において反時計方向)の旋回が阻止されるので、後カバー50は閉位置に保持される。
【0044】
その他、図4及び図5に示すプリンタ200の実施形態が、図1〜図3を参照して説明した先の実施形態と実質的に同じ構成に基づく作用効果は、実質的に先に述べたとおりであるので、更なる説明は省略する。なお、後カバー50の軸52に後カバー50を閉位置から開位置へ向けて常時付勢するねじりコイルばねを配設する他の実施形態、あるいは逆に、後カバー50を開位置から閉位置へ向けて常時付勢するねじりコイルばねを配設する更に他の実施形態も成立する。
【0045】
図6及び図7には、本発明に従って構成されたプリンタ200の更に他の実施形態が示されている。この実施形態において、定着装置100の静止枠体10には、カバーユニット60が閉位置と開位置との間を旋回自在に支持されている。更に具体的に説明すると、適宜の合成樹脂から一体に形成することができるカバーユニット60は、底壁61と、底壁61に一体に配設された後カバー62からなる。カバーユニット60の底壁61における、上記上流側の一端部は、静止枠体10に軸63を介して旋回自在に支持されている。底壁61の他端部には、底壁61の下面から下方に突出する突起部61aが一体に形成されている。突起部61aの一端(底壁61の一端方向に向いた一端)と底壁61の下面との間は、比較的ゆるやかな傾斜面により連続せしめられている。静止枠体10には、図3を参照して説明したとおり、熱ローラ22が回転自在に支持されている。底壁61の軸方向(図6及び図7において紙面の表裏方向)両端部には、可動アーム部材64の、上記上流側の一端が、それぞれ軸65を介して回転可能に支持されている。可動アーム部材64の各々の中間領域の上面側には圧ローラ24の軸が軸受部材を介して回転自在に支持されている。軸受部材は可動アーム部材64の各々の他端部における上縁部に配設され、圧ローラ24の軸線方向に見て、上方に開放されたU形状をなしている。カバーユニット60の底壁61と可動アーム部材64の各々の他端部における下面との間には、可動アーム部材64の各々を軸65まわりに上方に付勢するばね手段である圧縮コイルばね66が配設されている。圧縮コイルばね66の各々によって、可動アーム部材64の各々は、それぞれ軸65まわりに上方に(図6及び図7において時計方向)に旋回するよう付勢されている。
【0046】
カバーユニット60が閉位置(図6参照)に位置付けられると、定着装置100の下流側領域をプリンタ本体202の背面から閉じ、かつ圧ローラ24は熱ローラ22に下方から圧接される。カバーユニット60が開位置(図7参照)に位置付けられると、定着装置100の下流側領域はプリンタ本体202の背面に開かれ、かつ圧ローラ24は熱ローラ22から下方に離隔され、圧接が解除される。カバーユニット60が閉位置に位置付けられた状態で、カバーユニット60の後カバー62と、静止枠体10との間には、定着装置100の下流側における、用紙搬送路202の一部領域が形成される。また、カバーユニット60の後カバー62の背面は、プリンタ本体202の背面の一部領域を規定する。この実施形態においても、定着装置100には、図1〜図3に示す先の実施形態における如き搬送ローラ対30は備えられていない。その他の基本的構成は、図1に示すプリンタ200と実質的に同じであるので、実質的に同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。なお、図6及び図7においては、本発明の理解を容易にするため、本発明の特徴をなさない構成の一部が省略して図示されている。
【0047】
ジャム処理のため、オペレータがプリンタ本体202内の収容位置に装着されている搬送ユニット230を収容位置からプリンタ本体202の前方に向かって所定量だけ引き出すと、図7に示されているように、搬送ユニット230の後端部上壁234及び後端壁236は、定着装置100の下側から前方に退避させられ、搬送ユニット230の後端部上壁234は、カバーユニット60の底壁61に対し前方に完全に離隔する。したがってカバーユニット60の開方向の旋回軌跡上から退避する。定着装置100の下方には、搬送ユニット230の上記退避による退避空間が形成されて、カバーユニット60は閉位置から開位置への旋回が許容されるので、搬送ユニット230に連動して閉位置から開位置まで圧縮コイルばね66のばね力に強制されて旋回させられて、開位置に保持される。搬送ユニット230に連動してカバーユニット60を閉位置から開位置まで強制するばね手段である圧縮コイルばね66は、圧ローラ24を熱ローラ22に強制するばね手段を利用しているので、カバーユニット60を閉位置から開位置まで強制するためのばね手段を別に用意する必要がなく、部品点数を低減し、コストダウンを可能にする。カバーユニット60が開位置に位置付けられると、定着装置100の下流側領域はプリンタ本体202の背面側に開かれかつ圧ローラ24は熱ローラ22から下方に離隔され、圧接が解除される。オペレータは、プリンタ本体202の開かれた背面から定着ローラ対20に巻きついた、あるいは定着ローラ対20の下流側の用紙搬送路220に詰まった用紙を、プリンタ200の背面から目視により確認しながら容易に取り除くことが可能になる。
【0048】
上記した如き定着装置100のジャム処理が終了した後、搬送ユニット230を引き出した位置からプリンタ本体202の後方に押し込むことにより、収容位置まで移動させ、収容位置に収容することができる。搬送ユニット230は、その後端部上壁234と後端壁236との間の角部が開位置にあるカバーユニット60の底壁61の外側面(対向面)に当接しながら収容位置に向かって移動するので、カバーユニット60を軸63まわりに閉方向に旋回させる。搬送ユニット230が収容位置に収容された状態で、搬送ユニット230の後端部上壁234は、カバーユニット60の底壁61における突起部40aの下面に当接するよう位置付けられる。すなわち、搬送ユニット230はカバーユニット60の開方向の旋回軌跡上に位置し、カバーユニット60の開方向の旋回が阻止されるので、カバーユニット60は閉位置に保持される。その他、図6及び図7に示すプリンタ200の実施形態が、図1〜図3を参照して説明した先の実施形態と実質的に同じ構成に基づく作用効果は、実質的に先に述べたとおりであるので、更なる説明は省略する。なお、図6及び図7に示す実施形態において、圧ローラ24は底壁61に装着された可動アーム部材64の各々に支持されているが、他の支持機構により支持してもよい。例えば、静止枠体10の側枠11の各々の長孔11a(図3参照)に上下方向に移動自在に支持し、底壁61との間に配設したばね手段により熱ローラ24に向けて付勢する他の実施形態であってもよい。
【0049】
図1〜図3を参照して説明した定着装置100の実施形態を備えたプリンタ200において、定着装置100には、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉する底カバー40が備えられ、また、図4及び図5を参照して説明した定着装置100の実施形態を備えたプリンタ200において、定着装置100には、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉する後カバー50が備えられているが、底カバー40及び後カバー50が、共に、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉するような他の実施形態も成立する。該他の実施形態としては次の二つの実施形態が考えられる。
【0050】
第1の実施形態は、底カバー40及び後カバー50が、相互に独立して定着装置の100の静止枠体10に旋回自在に支持される形態である。この第1の実施形態は、図1及び図2に示す如く底カバー40が搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉される構成と、図4及び図5に示す如く後カバー50が搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉される構成とを合わせ備えた形態であるといえる。
【0051】
また、第2の実施形態は、底カバー40及び後カバー50が一体に形成され、すなわち、底カバー40及び後カバー50が一体化されたカバーユニットが形成され、カバーユニットが定着装置100の静止枠体10に旋回自在に支持される形態である。この第2の実施形態は、図6及び図7に示す定着装置100において、可動アーム部材64及び圧縮コイルばね66を除去し、かつ、圧ローラ24の軸を静止枠体10の側枠11の各々の長孔11a(図3参照)に上下方向に移動自在に支持し、静止枠体10の側枠11の各々との間に設けたばね手段(圧縮コイルばね66に代わるばね手段)により圧ローラ24を熱ローラ22に圧接させる如き形態である。したがってこの第2の実施形態においては、底カバー40及び後カバー50が一体化されたカバーユニットが、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉させられる動作は、ばね手段を介在させないで行なわれるので、図6及び図7に示すカバーユニット60と比較したとき、圧ローラ24の加圧力が大きい場合(圧縮コイルばね66のばね力が大きい場合)には、この第2の実施形態の方が搬送ユニット230に対する負荷(特に、搬送ユニット230を収容位置へ押し込む動作に対する負荷)が少なくて済み、この点で有利であるといえる。もちろん、必要に応じて、底カバー40及び後カバー50が一体化されたカバーユニットを閉位置から開位置へ又は開位置から閉位置へ向けて常時付勢するばね手段を配設してもよい。なぜならば、このばね手段のばね力の設定は自由であるので、搬送ユニット230に対する負荷(カバーユニットを閉位置から開位置へ向けて常時付勢するばね手段を配設した場合の負荷)を実用上問題とならない程度に抑えることが可能であるからである。なお、この第2の実施形態においては、定着装置100における底壁を省略することができる。
【0052】
上記した変形例においては、底カバー40及び後カバー50が、共に、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉できるよう構成されているが、底カバー40及び後カバー50を開位置から閉位置へ向けて常時付勢するばね手段を配設した場合には、搬送ユニット230が収容位置から引き出されて底カバー40及び後カバー50の開方向の旋回軌跡上から退避した状態で、底カバー40及び後カバー50を該ばね手段のばね力に抗して手動により閉位置から開位置へ旋回させることができる。底カバー40及び後カバー50が、相互に独立して定着装置の100の静止枠体10に旋回自在に支持される形態の場合には、底カバー40及び後カバー50をそれぞれ独立して開閉可能であり、また上記した如く、底カバー40及び後カバー50が一体化されたカバーユニットが形成され、カバーユニットが定着装置の100の静止枠体10に旋回自在に支持される形態の場合には、底カバー40及び後カバー50を同時に開閉可能である。これらの実施形態は、底カバー40及び後カバー50が、共に、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動しない形態で手動により開閉できるものである。更に他の実施形態について言及すれば、底カバー40及び後カバー50を、上記した如く、共に、開閉できる実施形態において、底カバー40又は後カバー50のうちの一方を、搬送ユニット230の引出し及び収容動作に連動して開閉できるよう構成し、他方を手動で開閉できる構成とすることも可能である。なお、本発明において、底カバー40及び/又は後カバー50を手動により開閉できる上記実施形態においては、底カバー40及び/又は後カバー50をばね手段により開位置から閉位置へ向けて常時付勢しているが、ばね手段を使用することなく、底カバー40及び/又は後カバー50を、閉位置に、適宜のロック手段により解除自在にロックする他の実施形態もある。この場合、閉位置に保持された底カバー40及び/又は後カバー50を手動により開方向に強制すればロック手段のロックが解除されて開かれ、また、開位置にある底カバー40及び/又は後カバー50を手動により閉方向に旋回させればロック手段がロックされて閉位置に保持される。ロック手段は底カバー40及び/又は後カバー50と静止枠体の間に適宜に配設すればよい。
【0053】
なお、定着装置100において、熱ローラ22や圧ローラ24の外周面には、(登録商標)からなる用紙分離爪が当接されていることが多い(図1〜図3には、熱ローラ22の外周面に当接された用紙分離爪が符号無しで図示されている)。この用紙分離爪は、熱ローラ22や圧ローラ24の軸方向に間隔をおいて複数個配設されている。そして圧ローラ24に用紙が巻きついた場合には(両面印字処理中で片面がすでに印字されしかもトナー占有率が大きなベタ黒に近い状態で両面印字するような場合には、特に圧ローラ24に巻きつき易い)、用紙分離爪が、巻きついた用紙の除去を妨げることになる。このような場合、先端のとがった硬い道具などを使って無理に用紙を除去しようとすると、圧ローラ24や熱ローラ22の表面を傷つけてしまうことがある。このような場合において、上記した如く(図6及び図7に示す実施形態及び上記したその他の実施形態の如く)、底カバー40及び後カバー50が共に(すなわち、底カバー40及び後カバー50が別体であろうと一体であろうと共に)開閉しうるよう構成した場合には、用紙の除去作業がかなり楽になり、圧ローラ24や熱ローラ22の表面を傷つける、といった可能性も低減される。
【0054】
【発明の効果】
本発明による画像形成機によれば、定着装置に発生したジャム処理を容易かつ迅速に行なうことを可能にする。また、定着装置に発生したジャム処理を容易かつ迅速に行なうことを可能にすると共にコストダウンを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたレーザプリンタの実施形態の全体構成を簡略に示す断面図であって、搬送ユニットが収容位置に収容された状態を示す断面図。
【図2】図1に示すレーザプリンタにおいて、搬送ユニットが収容位置から部分的に引き出された状態を示す断面図。
【図3】図1に示すレーザプリンタに備えられた定着装置の他の実施形態を示す断面図。
【図4】本発明に従って構成されたレーザプリンタの他の実施形態の全体構成を簡略に示す断面図であって、搬送ユニットが収容位置に収容された状態を示す断面図。
【図5】図4に示すレーザプリンタにおいて、搬送ユニットが収容位置から部分的に引き出された状態を示す断面図。
【図6】本発明に従って構成されたレーザプリンタの更に他の実施形態の全体構成を簡略に示す断面図であって、搬送ユニットが収容位置に収容された状態を示す断面図。
【図7】図6に示すレーザプリンタにおいて、搬送ユニットが収容位置から部分的に引き出された状態を示す断面図。
【符号の説明】
20 定着ローラ対
22 熱ローラ
22a ハロゲンランプ
24 圧ローラ
40 底カバー
42 ねじりコイルばね
50 後カバー
60 カバーユニット
61 底壁
62 後カバー
200 レーザプリンタ
202 レーザプリンタ本体
220 用紙搬送路
230 搬送ユニット
SW スイッチ

Claims (11)

  1. 給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に該本体に装着された搬送ユニットとを備えている画像形成機において、
    定着装置の下側に閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回自在に配設されて定着装置の底領域を開閉しうる底カバー及び/又は閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回しうるよう該本体の背面側に配設されて定着装置の下流側領域を該本体の背面から開閉しうる後カバーが備えられ、
    底カバーは、搬送ユニットの引き出し方向における端部が該軸まわりに旋回自在に配設され、後カバーは下端部が該軸まわりに旋回自在に配設され、後カバーには、該軸よりも下方に延び出す垂下部が形成され、
    搬送ユニットが該本体から所定量引き出されると、定着装置の下方には、搬送ユニットの退避空間が形成されかつ該本体の背面には該退避空間と連通する開口が形成され、
    底カバー及び/又は後カバーは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態で、搬送ユニットが底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上に位置して開方向の旋回が阻止されることにより閉位置に保持され、後カバーは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態で、搬送ユニットの、該本体の背面側における端部が後カバーの垂下部における開方向の旋回軌跡上に位置して開方向の旋回が阻止され、
    搬送ユニットが収容位置から引き出されて該開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー及び/又は後カバーは閉位置から開位置への旋回が許容され、底カバーが開位置まで旋回させられると、定着装置の底領域が該退避空間に開かれて、定着装置の下方における該退避空間と該開口とが連通させられ、後カバーが開位置まで旋回させられると、定着装置の下流側領域が該本体の背面側に開かれる、
    ことを特徴とする画像形成機。
  2. 搬送ユニットが収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー及び/又は後カバーは搬送ユニットに連動して閉位置から開位置へ自重により旋回させられる、請求項1記載の画像形成機。
  3. 底カバー及び/又は後カバーを閉位置から開位置へ向けて常時付勢するばね手段が配設され、搬送ユニットが収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避すると、底カバー及び/又は後カバーは搬送ユニットに連動して閉位置から開位置へ該ばね手段のばね力に強制されて旋回させられる、請求項1記載の画像形成機。
  4. 底カバー及び/又は後カバーを開位置から閉位置へ向けて常時付勢するばね手段が配設され、搬送ユニットが収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避した状態で、底カバー及び/又は後カバーを該ばね手段のばね力に抗して手動により閉位置から開位置へ旋回させることができる、請求項1記載の画像形成機。
  5. 該本体内の収容位置から引き出されて底カバー及び/又は後カバーの開方向の旋回軌跡上から退避させられた搬送ユニットを移動させて収容位置に収容すると、底カバー及び/又は後カバーは搬送ユニットに連動して開位置から閉位置へ旋回させられて閉位置に保持される、請求項1記載の画像形成機。
  6. 給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に該本体に装着された搬送ユニットとを備えている画像形成 機において、
    閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回しうるよう該本体の背面側に配設されて定着装置の下流側領域を該本体の背面から開閉しうる後カバーが備えられ、
    後カバーは下端部における、搬送ユニットの引き出し方向における端部が該軸まわりに旋回自在に配設され、後カバーの、該本体の背面側には、該軸よりも下方に延び出す垂下部が形成され、
    搬送ユニットが該本体から所定量引き出されると、定着装置の下方には、搬送ユニットの退避空間が形成されかつ該本体の背面には該退避空間と連通する開口が形成され、
    後カバーは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態で、搬送ユニットの、該本体の背面側における端部が後カバーの垂下部における開方向の旋回軌跡上に位置して開方向の旋回が阻止されることにより閉位置に保持され、
    搬送ユニットが収容位置から引き出されて該開方向の旋回軌跡上から退避すると、後カバーは閉位置から開位置への旋回が許容され、後カバーが開位置まで旋回させられると、定着装置の下流側領域が該本体の背面側に開かれる、
    ことを特徴とする画像形成機。
  7. 給紙された用紙を搬送する用紙搬送路と、用紙搬送路に配設された定着装置と、定着装置の上流における用紙搬送路の少なくとも一部領域が形成されかつ画像形成機本体に収容された収容位置から引出し可能に該本体に装着された搬送ユニットとを備え、定着装置は、静止枠体と、静止枠体に回転自在に支持された熱ローラと、熱ローラに圧接される圧ローラとを備えている画像形成機において、
    定着装置は、静止枠体に閉位置と開位置との間を軸まわりに旋回自在に支持されたカバーユニットを備え、カバーユニットは底壁及び底壁と一体に形成された後カバーからなりかつ底壁の、搬送ユニットの引き出し方向における端部が静止枠体に該軸まわりに旋回自在に支持され、カバーユニットが閉位置に位置付けられると、定着装置の下流側領域は該本体の背面から閉じられて圧ローラは熱ローラに圧接され、カバーユニットが開位置に位置付けられると、定着装置の下流側領域は該本体の背面に開かれて圧ローラは熱ローラから離隔され、
    搬送ユニットが該本体から所定量引き出されると、定着装置の下方には、搬送ユニットの退避空間が形成されかつ該本体の背面には該退避空間と連通する開口が形成され、
    カバーユニットは、搬送ユニットが収容位置に収容された状態では、搬送ユニットがカバーユニットの底壁の開方向の旋回軌跡上に位置してカバーユニットの開方向の旋回が阻止されることにより閉位置に保持され、搬送ユニットが収容位置から引き出されてカバーユニットの開方向の旋回軌跡上から退避すると、カバーユニットは閉位置から開位置への旋回が許容される、
    ことを特徴とする画像形成機。
  8. 圧ローラとカバーユニットの底壁との間には、圧ローラを熱ローラに圧接させるためのばね手段が配設され、搬送ユニットが収容位置から引き出されてカバーユニットの開方向の旋回軌跡上から退避すると、カバーユニットは搬送ユニットに連動して閉位置から開位置へ該ばね手段のばね力に強制されて旋回させられる、請求項記載の画像形成機。
  9. 該本体内の収容位置から引き出されてカバーユニットの開方向の旋回軌跡上から退避させられた搬送ユニットを移動させて収容位置に収容すると、カバーユニットは搬送ユニットに連動して開位置から閉位置へ旋回させられて閉位置に保持される、請求項記載の画像形成機。
  10. 搬送ユニットは、定着装置の上流側における用紙搬送路の上流方向に引出し可能に該本体に装着されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の画像形成機。
  11. 定着装置の駆動回路及び加熱回路をON−OFFするスイッチが、該本体と搬送ユニットとの間にのみ配設され、搬送ユニットが収容位置に位置付けられると該スイッチはONとなり、搬送ユニットが収容位置から引き出されると該スイッチはOFFとなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成機。
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