JP3832809B2 - 簡易電磁波シールド構造およびその製造装置 - Google Patents

簡易電磁波シールド構造およびその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に電気自動車に搭載のモータの入出力端子、あるいは一般電子電気機器の入出力端子に電線・ケーブルやワイヤハーネスを接続する部分の簡易電磁波シールド構造と、その構造要部の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車は弱電回路や電子回路がますます増加の一途をたどっており、配索電線の大電流・高電圧化が進むなかで電磁波ノイズに弱い弱電回路を保護し、また電磁波ノイズの影響で電子回路における各種センサの検出精度を低下させないように有効かつ低コストの電磁波シールド対策が求められている。
【0003】
図13は、かかる電磁波シールド構造の従来例として実開平6−23179号公報に記載のシールドケーブル用コネクタを示す側面断面図である。円筒状の金属製シェル1内に設けた端子保持用リテーナ2に複数本のピン端子3が保持されている。シールドケーブル4は銅線などの導体5aを絶縁体5bで被覆した絶縁線心5の複数本を撚り合わせ、この撚り合わせた絶縁線心5の上から金属製の編組6を巻き付け、その上に最外層のシース7で被覆してなっている。そうしたシールドケーブル4の絶縁線心5の各端末を皮剥ぎして導体5aをピン端子3に接続している。また、ケーブル端末のシース7を皮剥処理して編組6を剥き出しにし、この編組6の裾端部の上に筒状の金属製ネット8を被せ、さらにこの金属製ネット8の上から熱収縮チューブ9を被せている。熱収縮チューブ9を加熱させてその収縮圧により金属製ネット8に上から締め込み、金属製ネット8を金属製シェル1の外周面に押し当てて接続することで、編組6から金属製シェル1に電気的に導通させて電磁波シールドする構造である。
【0004】
例えば、電気自動車に搭載されたモータの場合、その入出力端子に接続される大電流・高電圧の電源電線やケーブルなどから発生する電磁波によって外部機器への影響を防ぎ、また外部からの電磁波影響から防止するために、有効な電磁波シールド対策が求められる。
【0005】
図14は、そうしたモータの電源電線接続部における電磁波シールド構造の一例を示している。モータの外板ケースBはアルミニウムなどの金属製であり、その外板ケースBに設けた電線引き込み口bに電気コネクタを固定し、電気コネクタを介して電源電線10などを外板ケースB内部に引き込む。引き込んだ電線10端末を端子金具13によってモータ入出力端子に接続させる。この場合、外板ケースBはアース接地Gされ、電線10から発生する電磁波をグランドに落として吸収することでシールド導通を図っている。
【0006】
電線10は複数本からなっていて、束ねた上から導電性の金属素線を筒状に編んだ編組14で覆われ、その編組14の裾端部14aを電磁波シールドターミナル部材である筒状の金属製シェル15につないで接続している。両部材のつなぎは固定バンド17をかしめるなどして圧着し、編組裾端部14aを金属製シェル15の外周全周に圧接させている。金属製シェル15はそのフランジ部15aにおいてボルト16で上記外板ケースBに結合され、その外板ケースBをアース接地Gしている。したがって、電線10から発生する電磁波を、編組14→金属製シェル15→ボルト16→外板ケースB→アース接地Gの順にシールド導通経路を成立させて吸収している。
【0007】
一方、図15もまた電磁波シールド構造の一例を示している。複数の電線10は上から編組14で覆われ、電線のうちの1本がドレイン線(drain wire)として用いられる場合である。編組14の裾端部14bがそのドレイン線に沿わせるようにして細長く引き伸ばされ、引き伸ばしたその裾端部14bをかしめ金具18でドレイン線の導体11に圧着している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら図13〜図15の各図に示す電磁波シールド構造の従来例のいずれの場合も、それぞれ次の問題点がある。
【0009】
まず、図13の構造の場合、金属製シェル1に編組6をシールド導通させるために金属製ネット8といった面倒なつなぎ部材を用い、この金属製ネット8を熱収縮チューブ9で金属製シェル1に押しつけていることである。金属製ネット8や熱収縮チューブ9はコスト的にも高価について不利である他、熱収縮チューブ9による熱収縮力だけでは金属製ネット8を金属製シェル1に押しつける力が不十分である。そのため、シールド抵抗も不安定で有効な電磁波シールドを行えず、編組6から金属製シェル1へのシールド導通に対する信頼性に欠ける。加えて、仮にも熱収縮チューブ9が破れなどの損傷を受けた場合、金属製ネット8が外れて金属製シェル1と編組6のつなぎの役割を失って電気的な不導通を引き起こし、本来の電磁波シールド機能を損なう懸念がある。
【0010】
また、図14の構造の場合、複数本の電線13を挿通させてシールド対策を図るために、勢い金属製シェル15や固定バンド17が大径サイズ化し、コスト的にも高くついて不利である。また、上記図13の従来構造で示された熱収縮チューブ9と同様、固定バンド17で編組14の裾端部14aの筒口全周を均一かつ強固に金属製シェル15の外周面に圧接させることは困難であり、接触に斑が生じて十分な電磁波シールド性能を得ることができない。
【0011】
また、図15の構造については、ドレイン線を引き出す長さ分だけ編組14の裾端部14bの一部を細長く引き伸ばし、時には数10mmから数100mmといった長さに引き伸ばす作業は非常に手間がかかって非能率であり、編組14を引き伸ばす分だけ余分な長さを見込む必要もあって、材料コストや作業コストが嵩む。また、この場合電磁波シールド対策の基本に関する点で、複数本の電線10のうちの1本だけをドレイン線としただけでは、他の電線10のすべてに対してシールド対策を完全にカバーしきれない。さらに、大事な点であるが、編組14の裾端部14bを細長く引き伸ばす際、他の裾端部の素線14cがほつれたり、ばらけるなどして電磁波シールド性能を低下させる不具合がある。したがって、編組裾端部14bの素線14cがほつれたりせず、筒口の形状を安定して定形を保つことは重要な課題である。
【0012】
以上から、本発明の目的は、特に大電流・高電圧の配索電線から発生する電磁波を遮蔽して吸収し、満足すべきシールド性能を低コスト構造で得られるようにした簡易電磁波シールド構造と、その構造要部の製造装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる請求項1に記載の簡易電磁波シールド構造は、図1〜図3に示すように、電線端末に端子金具13を圧着した電線10を外側から導電性の素線を筒状に編んだ編組20で覆い、この編組20の筒口22に沿って熱圧着することで前記線を互いに融着結合させ、該編組20の筒口22の近傍側部を鍔状に広げて二重に重ね合わせて成形する重なり部23を設け,該重なり部23に締結ボルト45を通すボルト孔24を設け,機器側のアース接地Gされている被取付体Bに締結ボルト45を該ボルト孔24に通して該重なり部23と該被取付体Bをシールド結合したことを特徴とする。
【0014】
以上の構成から、第1実施の形態として示すように、導電性素線を筒状に編んだ編組20を締結ボルト45という簡単で安価な部品でもって、例えば電気自動車搭載のモータの外板ケースのごとき被取付体Bに強固に結合することで、信頼性のある電磁波シールド性能を得ることができる。その際、編組20の筒口22に沿って熱圧着(図2中の符号W)すると、網目を形成する導電性素線の1本1本がすべて互いにシールド導通状態に繋がり、その導通状態の繋がりは重なり部23にも及ぶ。すなわち、そうした重なり部23において上記モータ外板ケースBに金属結合することにより、編組20全体で生じた誘導電流を吸収し、グランドに落として逃がすことができる。
【0015】
また、請求項2に記載の簡易電磁波シールド構造は、前記ボルト孔24を孔縁に沿って熱圧着することで熱圧着座部24を設けたことを特徴とする。
【0016】
以上の構成から、同じく第1実施の形態を示す図2および図3において、筒口22を熱圧着して定形に整形処理した編組20は、筒口近くを二重に押し重ねるようにして重なり部23が設けられ、そこにボルト孔24が設けられ、この重なり部23は、孔縁に沿って熱圧着して孔縁周辺の素線を互いに融着結合させることによって熱圧着座部25が形成されている。
このように重なり部23にボルト孔24を開孔し、孔縁に沿って熱圧着して孔縁周辺の素線を互いに融着結合させ、熱圧着座部25を形成し、あたかも金属座金のように固まっているため、締結ボルト45をそのボルト孔24に挿通することが容易になり、組立作業をはかどらすことができる。
さらに、形成した熱圧着座部25によってすべての素線をシールド導通状態にできるため、熱圧着座部25で定形に整形されたボルト孔24によって、電気コネクタ側ハウジングを介して被取付体であるモータ外板ケースBに、締結ボルト45を用い編組20の重なり部23を結合して有効なシールド導通状態を得ることができる。
【0019】
また、請求項に記載の簡易電磁波シールド構造の製造装置は、図4〜図7に示すように、電線端末に端子金具13を圧着した電線10を外側から導電性の素線を筒状に編んだ編組20で覆い、この編組20の筒口22近くを二重に押し重ねて重なり部23を設けて、機器側のアース接地Gされている被取付体Bに前記編組20の重なり部23を締結ボルト45で結合してなっている簡易電磁波シールド構造において、前記編組20の筒口22を熱圧着して素線すべてを互いにシールド導通状態にする熱圧着プレス機構を備え、また前記編組20の重なり部23に前記締結ボルト45を挿通させるためのボルト孔24を開けるのに同期して、そのボルト孔24の孔縁に沿って熱圧着して素線すべてを互いにシールド導通状態にする熱圧着パンチンング機構を備えたことを特徴とする。
【0020】
以上の構成から、編組20の筒口22を熱圧着プレス機構にセットして加熱しつつ加圧することにより、導電性の素線が互いに融着結合してシールド導通状態となる。また、編組20の重なり部23においては、この重なり部23を熱圧着パンチング機構にセットして加熱しつつ加圧することにより、重なり部23に締結ボルト45を挿通させるためのボルト孔24を開け、それに同期的にボルト孔24の孔縁に沿って熱圧着して素線を互いに融着結合させてシールド導通状態にする。その結果、編組20の全体が万遍なくシールド導通状態となり、そうした編組20を上記モータのごとき外板ケースBに結合することで、満足すべき電磁波シールド機能が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる簡易電磁波シールド構造と製造装置のそれぞれ実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、複数本の電線10を束ねて外側から覆う要旨部材の編組20を示す平面図である。自動車の車体などに引き回して配索されてきた電線・ケーブルやワイヤハーネス(以下、便宜的に電線10と総称する)は、それらの全長にわたって上から編組20で覆われ、また例えばその編組20の上から配索個所の要所ごとに図示しないコルゲートチューブを被せて保護することができる。編組20は、本例では導電性の金属素線を筒状に編んだものであるが、ポリエステルなどの樹脂線にCu(銅)メッキ仕上げした素線をスパイラルに巻き付けたものを網目素線とし、それを筒状に編んだものも周知である。
【0022】
電線10は、銅線などの導体11上に絶縁体12を押出し被覆したものが示され、各端末の絶縁体12を皮剥処理して剥き出しにした導体11にLA端子などの端子金具13がかしめ部13aでかしめ加工して圧着されている。そうした電線端末および端子金具13は、図2および図3に使用例を示すように、電気自動車に搭載されたモータのアルミニウムなど金属製の外板ケースBを被取付体にして、これに貫通して設けた電線引き込み口bから引き込まれる。引き込んだ端子金具13をボルト孔13bでボルト(図示せず)を用いてモータ入出力端子に締結し、電気的導通を図るようになっている。その際、電線10に流れる大電流・高電圧のために電磁波の影響が他機器に及ばないよう、上記編組20と次に示す各部材で電磁波シールド処理が施される。
【0023】
従来構造の説明で述べたように、有効な電磁波シールド機能を得るには、編組20の筒口22の処理が大事な要件となる。そこで、図4および図5に示すように、上下一対からなる熱圧着ロール31,32などから構成される熱圧着プレス機構30によって、その編組筒口22を熱圧着して素線を互いに融着結合(図1中の符号W)させてシールド導通状態にする。すなわち、熱圧着ロール31,32の一方を回転駆動側にして他方側を回転従動側にし、それらに通電してジュール熱による電熱を発生させる。そうした両ロール間に筒口22を挟み込んで回転を与えつつ熱圧着する。
【0024】
さらに、そのように筒口22を熱圧着して定形に整形処理した編組20は、筒口近くを二重に押し重ねるようにして重なり部23を設け、図1に示すように、そこにボルト孔24が設けられる。その場合、重なり部23は上下一対からなる孔開けポンチとダイス的な一対の熱圧着電極36,37などから構成される熱圧着パンチング機構35によって、その編組重なり部23の一方と他方を順番にボルト孔24を開孔しつつ、それと同時的に孔縁に沿って熱圧着して孔縁周辺の素線を互いに融着結合させる。それによって形成した熱圧着座部25(図1)ですべての素線をシールド導通状態にする。すなわち、ボルト孔24はその熱圧着座部25であたかも金属座金のように固まり、締結ボルト45がそのボルト孔24に挿通させ易くなって組立作業がはかどる。それにも増して重要なことは、熱圧着座部25で定形に整形されたボルト孔24によって、次に説明する電気コネクタ側ハウジングを介して被取付体であるモータ外板ケースBに、締結ボルト45を用い編組20の重なり部23を結合して有効なシールド導通状態を得る役割が担うことができる。
【0025】
上記一方の熱圧着電極36は、高耐熱金属と導通接続金属からなる熱圧着部36aを有し、中央部に開孔用コアとしての開孔ポンチ36bが備わっている。開孔ポンチ36bはセラミックスまたは熱硬化性樹脂などの不導通耐熱材料製であり、ポンチ先端部は鋭角なテーパ部となっている。それにより、編組20の重なり部23の網目を押し広げて孔を開ける役割をする。また、他方の熱圧着電極37は、タングステンのごとき高耐熱金属による熱圧着部37aを有し、接続材料としてクロム銅のごとき銅系が設けられている。その熱圧着部37aの中央部には凹形状の逃げ孔またはネジ孔によるポンチ受け孔37bが設けてあり、相対移動時にそのポンチ受け孔37bに上記開孔ポンチ36bが係合するようになっている。
【0026】
したがって、編組20の重なり部23を挟み込んだ状態にして、それら熱圧着電極36,37を相対に移動させ、通電してジュール熱による電熱を発生させて重なり部23に開孔ポンチ36bとポンチ受け孔37bの協動でボルト孔24を開けつつその孔縁を熱圧着して、熱圧着部36a,37aで押圧して素線同士を互いに融着結合させ、ボルト孔24の孔縁に熱圧着座部25を形成してシールド導通状態に固めるものである。
【0027】
このようにして設けられた編組20のボルト孔24に締結ボルト45を挿通させ、図2および図3に示すように、被取付体としてアース接地Gされているモータ外板ケースBに結合させることができる。そのように孔縁を熱圧着したボルト孔24は座金的に作用し、電磁波シールドターミナルとして機能する。
【0028】
図2および図3は、編組20のかかる重なり部23を締結ボルト45でモータ外板ケースBの雌ネジ孔bに螺合させて共締めし、編組20→外板ケースB間のシールド導通経路を成立させる構造の分解図と組立図である。
【0029】
モータ外板ケースBへの組立は、電線端末に端子金具13を備えた電線10を外板ケースBの電線引き込み口b(図14参照)に挿通させ、端子金具13をモータ入出力端子に接続させる。その際、電気コネクタを構成する金属製カバー40および樹脂製ハウジング50と一緒に編組20を締結ボルト45で外板ケースBに共締めするようになっている。金属製カバー40は本体部41の適所にボルト孔42を有し、側板部にロック孔43を有している。また、本体部41の天板に次に説明する樹脂製ハウジング50と位置決めするための位置決め孔44が設けられている。次に、樹脂製ハウジング50は本体部51の適所に締結ボルト45が挿通する金属製カラー52を嵌着して備えている。図3で明らかなように、金属製カラー52はこの両端で、編組20の重なり部23における熱圧着座部25と外板ケースBの双方に接触して電気的導通状態に中継している部材である。したがって、この金属製カラー52も熱圧着座部25と同様に電磁波シールドターミナル機能をもつ部材ということができる。
【0030】
また、樹脂製ハウジング50は、かかる金属製カラー52の近くに上記金属製カバー40側の位置決め孔44に係合させる位置決め突起54を形成してある。本体部51の側壁には金属製カラー52側のロック孔43にほぼワンタッチで嵌合するロック凸部54を有し、金属製カバー40とほぼワンタッチで組立可能となっている。
【0031】
このように、電気コネクタを構成する金属製カバー40と樹脂製ハウジング50は、少なくとも編組20の重なり部23を内部に収容できるだけの大きさや形状であればよいから、コネクタ全体を小型化できる利点がある。
【0032】
以上の構成から、この第1実施の形態にかかる簡易電磁波シールド構造は次の作用する。電線端末の端子金具を外板ケースBに電線引き込み口からセットした状態で、図2および図3のように、編組20の筒口22に近い重なり部23で締結ボルト45により外板ケースBの雌ネジ孔b2に螺合させて直結する。その際、締結ボルト45を順番に電気コネクタの金属製カバー40、編組重なり部23のボルト孔24、そして樹脂製ハウジング50側の金属製カラー52に素通しさせ、外板ケースBの雌ネジ孔b2に螺合させる。
【0033】
その結果、実機搭載後の使用中、通電された大電流・高電圧の電線10から発生する電磁波は、編組20の重なり部23→熱圧着座部25→金属製カラー52→締結ボルト45→外板ケースB→アース接地Gというシールド導通経路で吸収される。なお、金属製カバー40もまた電磁波シールドターミナルを構成する金属シェルとして電磁波を吸収することができる。
【0034】
編組20の筒口22は、熱圧着処理がなされて金属素線による網目の1本1本のすべてが互いに電気的にシールド導通状態に繋がっている。したがって、すべての金属素線同士の繋がりによるシールド導通は重なり部23のボルト孔24に設けた熱圧着座部25にも及ぶことになる。結果、編組20のその熱圧着座部25を外板ケースBに金属結合で直結させてアース接地Gすれば、編組20全体で生じる誘導電流を吸収し、グランドに落として逃がすことができる。
【0035】
このように編組20側の熱圧着座部25と締結ボルト45という簡単で安価な部品を用いるだけで、強力かつ確実に編組20を被取付体であるモータ外板ケースBに直結することもでき、有効な電磁波シールド性能を実現できる。そうした効果や利点は、上記図13,図14,図15のいずれの従来構造と比較しても明らかである。
【0036】
なお、図1に示すように、編組20の筒口22全周にわたって熱圧着した態様が示されたが、全周にわたらずとも図8に示すように筒口22の周を断続的に熱圧着座部26を設けたり、図9に示す熱圧着座部27のように周縁から筒長方向へ適宜長さLで設けた場合も有効である。また、図示はしていないが、筒口22の周縁を袖口のごとくに外側に折り曲げてその折り曲げ部に熱圧着座部を設けてもよい。
【0037】
次に、図10は、本発明にかかる第2実施の形態の簡易電磁波シールド構造を示す分解図と組立図である。この場合、上記第1実施の形態で示された樹脂製ハウジング50に代わる部材または部分として、金属製カバー60の本体61側壁から一体にブラケット62を設け、このブラケット62に直接編組20の重なり部23を仮位置決めできるようにしている。したがって、樹脂製ハウジング50を削減できるので、コスト低下に大きく寄与でき、しかも電気コネクタ全体を小型化できるので、車体など設置スペースに厳しく制限される場合は特に有効である。
【0038】
すなわち、金属製カバー60のブラケット62に締結ボルト45を通す素孔のボルト孔63を設け、このブラケット周端の数個所に切欠加工して係止爪64,65を設け、編組20の重なり部23に背後からそれら係止爪64,65を折り曲げて圧着させて掛止保持できるようになっている。
【0039】
また、図11および図12は、直結型という考え方では、上記図10の第2実施の形態の変形例ともいうべき第3実施の形態を示す分解図と組立図である。この場合、金属製カバー70のブラケット72は締結ボルト45を通す素孔のボルト孔73を有し、ブラケット周縁の数個所に係止爪74を設けて、これら係止爪74を編組20の重なり部23の数個所に引っかけて保持する構造である。
【0040】
これら第2実施の形態を示す図10、第3実施の形態を示す図11および図12において、他の部材は上記第1実施の形態で示された部材や部分と共通しており、同一符号を付して省略する。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる請求項1に記載の簡易電磁波シールド構造は、導電性素線を筒状に編んだ編組を締結ボルトという簡単で安価な部品でもって、例えば電気自動車搭載のモータの外板ケースのごとき被取付体に強固に結合することで、信頼性のある電磁波シールド性能を得ることができる。その際、編組の筒口に沿って熱圧着することで網目を形成する導電性素線の1本1本がすべて互いにシールド導通状態に繋がり、その導通状態の繋がりは重なり部にも及び外板ケースなどに金属結合させて、編組全体で生じた誘導電流を吸収し、グランドに落として逃がすことができる。
【0042】
また、請求項2に記載の簡易電磁波シールド構造は、重なり部23に熱圧着座部25を形成し、あたかも金属座金のように固めてあるため、締結ボルト45をそのボルト孔24に挿通することが容易になり、組立作業がはかどるという利点がある。
【0044】
一方、本発明にかかる請求項に記載の簡易電磁波シールド構造の製造装置は、編組の筒口を熱圧着プレス機構にセットして加熱しつつ加圧することにより、導電性の素線が互いに融着結合してシールド導通状態となり、また編組の重なり部では、熱圧着パンチング機構にセットして加熱しつつ加圧することにより、重なり部に締結ボルトを挿通させるためのボルト孔を開けつつ、そのボルト孔の孔縁に沿って熱圧着して素線を互いに融着結合させてシールド導通状態にする結果、編組の全体が万遍なくシールド導通状態となり、そうした編組をモータ外板ケースなどに結合すれば、満足すべき電磁波シールド機能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる簡易電磁波シールド構造の要旨部材である編組で電線を覆った状態を示す平面図である。
【図2】第1実施の形態にかかる構造を被取付体であるモータ外板ケースに結合する場合を示す分解斜視図である。
【図3】同第1実施の形態の組立断面図である。
【図4】本発明にかかる熱圧着プレス装置を示す斜視図である。
【図5】同装置において熱圧着状態を示す正面図である。
【図6】本発明にかかる熱圧着パンチング装置を示す斜視図である。
【図7】同装置においてボルト孔開孔と熱圧着状態を示す組立断面図である。
【図8】要旨部材である編組の熱圧着部の別態様を示す斜視図である。
【図9】同編組の熱圧着部の別態様を示す斜視図である。
【図10】第2実施の形態にかかる構造を被取付体であるモータ外板ケースに結合する場合を示す分解斜視図である。
【図11】第3実施の形態にかかる構造を被取付体であるモータ外板ケースに結合する場合を要部拡大して示す斜視図である。
【図12】同第3実施の形態の組立断面図である。
【図13】電磁波シールド構造に関する従来構造の一例を示す組立側面断面図である。
【図14】他の電磁波シールド構造に関する従来構造の一例を示す組立側面断面図である。
【図15】他の電磁波シールド構造に関する従来構造の一例を示す組立側面断面図である。
【符号の説明】
10 電線
11 導体
12 絶縁体
13 端子金具
20 編組
21 編組本体
22 筒口
23 重なり部
24 ボルト孔
25 熱圧着座部
26,27 熱圧着座部
30 熱圧着プレス機構
31,32 熱圧着ロール
35 熱圧着パンチング機構
36,37 熱圧着電極
40,60,70 金属製カバー(電気コネクタ)
45 締結ボルト
50 樹脂製ハウジング(電気コネクタ)
52 金属製カラー
53 編組の位置決め突起
62,72 ブラケット
63,73 ボルト孔
64,75,74 係止爪
B モータの外板ケース(被取付体)
電線引き込み口
ボルト螺合用の雌ネジ孔

Claims (3)

  1. 電線端末に端子金具を圧着した電線を外側から導電性の素線を筒状に編んだ編組で覆い、この編組の筒口に沿って熱圧着することで前記線を互いに融着結合させ、該編組の筒口の近傍側部を鍔状に広げて二重に重ね合わせて成形する重なり部を設け,該重なり部に締結ボルトを通すボルト孔を設け,機器側のアース接地されている被取付体に締結ボルトを該ボルト孔に通して該重なり部と該被取付体をシールド結合したことを特徴とする簡易電磁波シールド構造。
  2. 前記ボルト孔を孔縁に沿って熱圧着することで熱圧着座部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の簡易電磁波シールド構造。
  3. 電線端末に端子金具を圧着した電線を外側から導電性の素線を筒状に編んだ編組で覆い、この編組の筒口近くを二重に押し重ねて重なり部を設けて、機器側のアース接地されている被取付体に前記編組の重なり部を締結ボルトで結合してなっている簡易電磁波シールド構造の製造装置であって,
    前記編組の筒口を熱圧着して素線すべてを互いにシールド導通状態にする熱圧着プレス機構を備え、また前記編組の重なり部に前記締結ボルトを挿通させるためのボルト孔を開けるのに同期して、そのボルト孔の孔縁に沿って熱圧着して素線すべてを互いにシールド導通状態にする熱圧着パンチング機構を備えたことを特徴とする簡易電磁波シールド構造の製造装置。
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