JP3832561B2 - プラテンおよび記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
主走査方向に往復動する記録ヘッドに対向し、副走査方向に搬送される被記録材を下方から支えて、前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定するとともに、被記録材の端部に余白無く記録する際に、該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する孔を有するプラテン、およびそれを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドに対向し、被記録材を下方から支えて、被記録材と記録ヘッドとの間のギャップを規定するプラテンは、静的構造の突起体である複数のリブを有している。そして、被記録材は、この複数のリブの頂面を摺動して搬送される。また、プラテンには、被記録材の端部に余白無く記録する際に、該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する孔が1つ以上設けられている。
【0003】
一方、記録装置には、被記録材を副走査方向に搬送するための搬送ローラと、被記録材を搬送し、排出するための排出ローラが設けられている。そして、搬送ローラは、被記録材を搬送するとともに、被記録材を逆反りさせることで、被記録材をプラテン上のリブに押しつけ、これにより被記録材先端が排出ローラに到達するまでの間において、被記録材の姿勢を規制している。また、排出ローラは、被記録材を排出するとともに、被記録材を逆反りさせることで、被記録材をプラテン上のリブに押しつけ、これにより被記録材後端が搬送ローラを抜けた後においても被記録材の姿勢を規制している。
【0004】
そして、被記録材は、搬送ローラにより副走査方向に搬送され、記録ヘッドにより記録が行われた後、第1の孔の上を通過し、排出ローラに到達し、排出ローラにより排出される。このように、被記録材ををプラテン上のリブに押しつけ、被記録材の姿勢を規制することで、コックリング現象による被記録材の波打ち変形や被記録材の曲がり等によって被記録材がプラテンから浮き上がり、記録精度が低下することを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被記録材の端部に余白無く記録すると、被記録材の端部がコックリング現象による変形で下方に丸まる傾向が現れる。上記のように搬送ローラおよび排出ローラにおいて、被記録材を逆反りさせることで、被記録材をプラテン上のリブに押しつけるために、被記録材の端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する前記孔の近傍のプラテン表面に、被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生しやすくなるという問題が生じる。
【0006】
本願発明の課題は、被記録材の端部に余白無く記録する際に、プラテンに設けられて、前記端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する孔の近傍のプラテン表面に、被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生することを防止したプラテン、および記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、主走査方向に往復動する記録ヘッドに対向し、副走査方向に搬送される被記録材を下方から支えて、前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定するプラテンは、前記被記録材の端部に余白無く記録する際に、該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第1の孔を有し、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第1の回転体が、前記プラテンの前記被記録材が接する面の前記第1の孔の前記被記録材排出側端部近傍に、前記第1の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテンである。
【0008】
これにより、被記録材と記録ヘッドとの間のギャップを規定しつつ、被記録材のコックリング現象により下方に丸まった先端が接する、第1の孔の被記録材排出側端部近傍における摩擦を減らし、被記録材の先端が第1の孔の被記録材排出側端部近傍に、摩擦により引っ掛かることを防止している。本願請求項1に記載の発明に係るプラテンによれば、被記録材の端部に余白無く記録する際に、その被記録材の端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第1の孔の被記録材排出側端部近傍のプラテン表面に被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生することを防止する作用効果が得られる。
【0009】
また、本願請求項1に記載の発明は、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第2の回転体が、前記プラテンの被記録材が接する面の前記第1の孔の前記被記録材給送側端部近傍に、前記第2の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテンである。
【0010】
これにより、被記録材と記録ヘッドとの間のギャップを規定しつつ、被記録材のコックリング現象により下方に丸まった先端が接する、第1の孔の被記録材給送側端部近傍における摩擦を減らし、被記録材の先端が第1の孔の被記録材給送側端部近傍に、摩擦により引っ掛かることを防止している。本願請求項1に記載の発明に係るプラテンによれば、被記録材の端部に余白無く記録する際に、その被記録材の端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第1の孔の被記録材給送側端部近傍のプラテン表面に被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生することを防止する作用効果が得られる。
【0011】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記プラテンは、前記被記録材の端部に余白無く記録する際に、該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第2の孔を、前記第1の孔より前記被記録材給送側に有し、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第3の回転体が、前記プラテンの前記被記録材が接する面の前記第2の孔の前記被記録材給送側端部近傍に、前記第3の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテンである。
【0012】
これにより、被記録材と記録ヘッドとの間のギャップを規定しつつ、被記録材のコックリング現象により下方に丸まった先端が接する、第2の孔の被記録材給送側端部近傍における摩擦を減らし、被記録材の先端が第2の孔の被記録材給送側端部近傍に、摩擦により引っ掛かることを防止している。本願請求項2に記載の発明に係るプラテンによれば、本願請求項1に記載のプラテンの作用効果に加えて、被記録材の端部に余白無く記録する際に、被記録材の後端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第2の孔の被記録材給送側端部近傍のプラテン表面に被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生することを防止する作用効果が得られる。
【0013】
本願請求項3に記載の発明は、請求項2において、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第4の回転体が、前記プラテンの前記被記録材が接する面の前記第2の孔の前記被記録材排出側端部近傍に、前記第4の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテンである。
【0014】
これにより、被記録材と記録ヘッドとの間のギャップを規定しつつ、被記録材のコックリング現象により下方に丸まった先端が接する、第2の孔の被記録材排出側端部近傍における摩擦を減らし、被記録材の先端が第2の孔の被記録材排出側端部近傍に、摩擦により引っ掛かることを防止している。本願請求項3に記載の発明に係るプラテンによれば、本願請求項2に記載のプラテンの作用効果に加えて、被記録材の端部に余白無く記録する際に、被記録材の後端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第2の孔の被記録材排出側端部近傍のプラテン表面に被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生することを防止する作用効果が得られる。
【0015】
本願請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項において、主走査方向に互いに離間して、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する、複数の第5の回転体が配置され、前記第5の回転体の上端面において前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定している、ことを特徴としたプラテンである。
【0016】
これにより、被記録材は第5の回転体に接して搬送され、第5の回転体は被記録材の搬送に応じて回転するので、被記録材と第5の回転体との間には摩擦がほとんど生じない。本願請求項4に記載の発明に係るプラテンによれば、本願請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラテンの作用効果に加えて、コックリング現象による被記録材の波打ち変形を助長することが無くなり、それによる被記録材の浮き上がりによって生じる記録精度の低下を防止することが出来る。
【0017】
本願請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記第5の回転体は、駆動源により駆動される、ことを特徴としたプラテンである。
【0018】
これにより、被記録材と回転体との間に生じる摩擦は、さらに小さくなり、被記録材の波打ち変形が抑止される。本願請求項5に記載の発明に係るプラテンによれば、本願請求項4に記載のプラテンの作用効果に加えて、コックリング現象による被記録材の波打ち変形を抑止し、それによる被記録材の浮き上がりによって生じる記録精度の低下を防止することが出来る。
【0019】
本願請求項6に記載の発明は、主走査方向に往復動する記録ヘッドと、被記録材を副走査方向に搬送する被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段により副走査方向に搬送される前記被記録材を下方から支えて、前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定するプラテンとを備え、前記被記録材搬送手段により副走査方向に搬送される前記被記録材に、前記記録ヘッドにてインクを吐出して記録を行う記録装置であって、前記プラテンは、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラテンである、ことを特徴とした記録装置である。
【0020】
本願請求項6に記載の発明に係る記録装置によれば、記録装置において、前述した本願請求項1から5のいずれか1項に記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る第1の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の平面図であり、図2は、その断面図である。以下、図1および図2を参照しながら説明する。尚、図1および図2は、説明に必要な構成要素のみ示し、それ以外の構成要素は省略してある。
【0022】
当該実施の形態によるインクジェットプリンタは、主走査方向Xに往復動する記録ヘッド2と、被記録材Pを副走査方向Yに搬送する搬送ローラ3と、被記録材Pを副走査方向Yに排出する排出ローラ4と、記録ヘッド2に対向し、被記録材Pを下方から支えて、被記録材Pと記録ヘッド2との間のギャップ(以下、ペーパーギャップとする)を規定するプラテン1を備えている。記録ヘッド2の被記録材Pと対向する面には、多数のドット形成要素アレイ21が設けられており、そのドット形成要素アレイ21からインク22を被記録材Pの記録面に吐出して記録を行う。
【0023】
搬送ローラ3は、図示しない駆動源により回転駆動され、被記録材Pの下面に接して被記録材Pを搬送する搬送駆動ローラ31と、その搬送駆動ローラ31に個々に付勢され、被記録材Pの上面に接して、被記録材Pの搬送に従動して回転する複数の搬送従動ローラ32とで構成されている。また、排出ローラ4は、図示しない駆動源により回転駆動され、被記録材Pの下面に接して被記録材Pを排出する排出駆動ローラ41と、その排出駆動ローラ41に個々に付勢され、被記録材Pの上面に接して、被記録材Pの排出に従動して回転する複数の排出従動ローラ42とで構成されている。当該実施の形態では、該排出駆動ローラ41は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が被記録材の印刷面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラ(ギザローラまたはスターホイールともいう)からなる。
【0024】
そして、被記録材Pがインク22で濡れることで波打ち変形して伸びる、コックリング現象によって、被記録材Pがプラテン1から浮き上がってしまうのを防止するために、搬送ローラ3にて被記録材Pを逆反りさせ、被記録材Pがプラテン1に押しつけられるようにすることで、被記録材Pの先端が排出ローラ4に到達するまでの間において、被記録材Pの姿勢を規制している。そして、排出ローラ4においても同様に、被記録材Pを逆反りさせ、被記録材Pがプラテン1に押しつけられるようにすることで、被記録材Pの後端が搬送ローラ3を抜けた後においても被記録材Pの姿勢を規制している。そして、さらにプラテン1には、被記録材Pの端部に余白無く記録する際に、その端部から外れて打ち捨てられたインク22が落下する被記録材Pの幅方向に一連で長尺な第1の孔51が設けられている。
【0025】
このようなインクジェットプリンタにおいて、本願発明に係るプラテン1は、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第1の回転体11が、プラテン1の被記録材Pが接する面の第1の孔51の被記録材排出側端部近傍に、主走査方向に互いに離間して配置されている。そして、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第2の回転体12が、プラテン1の被記録材Pが接する面の第1の孔51の被記録材給送側端部近傍に、主走査方向に互いに離間して配置されている。
【0026】
また、プラテン1には複数のリブ16が設けられており、このリブ16の上端面頂面にて、ペーパーギャップを規定している。そして、第1の回転体11、および第2の回転体12は、リブ16ごとに設けられ、それらがペーパーギャップに影響しないように、第1の回転体11、および第2の回転体12は、当該実施の形態では、各リブ16毎に設けられ、それらがペーパーギャップに影響しないように、、第1の回転体11、および第2の回転体12の上端面がリブ16のペーパーギャップを規定している面より下方になるように配置されている。尚、このリブ16の主走査方向の配置間隔は、コックリング現象により生じる被記録材Pの波打ち変形の波打ちの間隔とほぼ等しい間隔にすることが好ましく、これにより被記録材Pの浮き上がりをより小さくすることが出来る。また、当然のことながら、個々のリブ16のペーパーギャップを規定している面の高さは、全て同じ高さに構成されており、個々の第1の回転体11、および個々の第2の回転体12についても同様である。
【0027】
これにより、プラテン1は、第1の孔51の被記録材排出側近傍に設けられた第1の回転体11と、第1の孔51の被記録材給送側近傍に設けられた第2の回転体12による動的構造を有し、被記録材Pが第1の回転体11と第2の回転体12に接して搬送されることで、被記録材Pと第1の孔51近傍の被記録材Pが接触する面との間の摩擦が小さくなる。
【0028】
このようにして、上記第1の実施の形態によれば、コックリング現象により下方に丸まった被記録材Pの先端が、第1の孔51近傍の被記録材Pが接触する面に摩擦によって引っ掛かり、被記録材Pが詰まるのを防止することが可能となる。
【0029】
また、他の実施の形態としては、以下に示す、第2の実施の形態によるものが挙げられる。図3は、本願発明に係る第2の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の平面図であり、図4は、その断面図である。以下、図3および図4を参照しながら説明する。尚、図3および図4は、説明に必要な構成要素のみ示し、それ以外の構成要素は省略してある。また、インクジェットプリンタのそれぞれの構成要素についての説明は、前述した第1の実施の形態と同様の部分については省略する。
【0030】
図3および図4に示した第2の実施の形態におけるプラテン1には、被記録材Pの端部に余白無く記録する際に、その端部から外れて打ち捨てられたインク22が落下する被記録材Pの幅方向に一連で長尺な第1の孔51と、第2の孔52が設けられている。第2の孔52は、第1の孔51の被記録材給送側(上流側)近傍に設けられている。主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第1の回転体11は、プラテン1の被記録材Pが接する面の第1の孔51の被記録材排出側端部近傍に、主走査方向に互いに離間して配置されている。そして、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第3の回転体13は、プラテン1の被記録材Pが接する面の第2の孔52の被記録材給送側端部近傍に、主走査方向に互いに離間して配置されている。
【0031】
また、当該実施の形態では、プラテン1には複数のリブ16が、第1の孔51と第2の孔52との間と、第1の孔51の被記録材排出側端部近傍に設けられており、このリブ16の上端面頂面にて、ペーパーギャップを規定している。そして、第1の回転体11は、第1の孔51の被記録材排出側端部近傍に設けられた各リブ16毎に設けられ、第3の回転体13は、第2の孔52の被記録材給送側端部近傍に設けられ、それらがペーパーギャップに影響しないように、第1の回転体11、および第3の回転体13の上端面が、リブ16のペーパーギャップを規定している面の頂面より下方になるように配置されている。
【0032】
尚、このリブ16の主走査方向の配置間隔は、コックリング現象により生じる被記録材Pの波打ち変形の波打ちの間隔とほぼ等しい間隔にすることが好ましく、これにより被記録材Pの浮き上がりをより小さくすることが出来る。また、当然のことながら、個々のリブ16のペーパーギャップを規定している面の高さは、全て同じ高さに構成されており、個々の第1の回転体11、および個々の第3の回転体13についても同様である。
【0033】
これにより、プラテン1は、第1の孔51の被記録材排出側近傍に設けられた第1の回転体11と、第2の孔52の被記録材給送側近傍に設けられた第3の回転体13による動的構造を有し、被記録材Pが第1の回転体11と第3の回転体13に接して搬送されることで、被記録材Pと第1の孔51近傍の被記録材Pが接触する面との間、および被記録材Pと第2の孔52近傍の被記録材Pが接触する面との間の摩擦が小さくなる。
【0034】
このようにして、上記第2の実施の形態によれば、被記録材Pの端部に余白無く記録する際に、その端部から外れて打ち捨てられたインク22が落下する第1の孔および第2の孔が設けられたプラテン1においても、コックリング現象により下方に丸まった被記録材Pの先端および後端が、第1の孔51近傍の被記録材Pが接触する面との間、および第2の孔52近傍の被記録材Pが接触する面との間の摩擦によって引っ掛かり、被記録材Pが詰まるのを防止することが可能となる。
【0035】
さらに他の実施の形態としては、第3の実施の形態として、上記第2の実施の形態におけるプラテン1に、さらに第4の回転体を設けたものが挙げられる。図5は、本願発明に係る第3の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の断面図である。尚、図5は、説明に必要な構成要素のみ示し、それ以外の構成要素は省略してある。また、インクジェットプリンタのそれぞれの構成要素についての説明は、前述した第2の実施の形態と同様の部分については省略する。
【0036】
プラテン1は、前述の第2の実施の形態のプラテン1に加えて、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第4の回転体14が、プラテン1の被記録材Pが接する面の第2の孔52の被記録材排出側端部近傍に、主走査方向に互いに離間して配置されている。また、上述の第1および第2の実施の形態と同様に、個々のリブ16のペーパーギャップを規定している面の高さは、全て同じ高さに構成されており、個々の第4の回転体14についても同様である。これにより、プラテン1は、さらに第4の回転体14を有することで、第1の孔51と第2の孔52との間に設けられた、複数のリブ16の被記録材Pが接触する面との間の摩擦が小さくなる。
【0037】
このようにして、上記第3の実施の形態によれば、前述の第2の実施の形態のプラテン1に加えて、さらに、コックリング現象により下方に丸まった被記録材Pの先端が、第1の孔51と第2の孔52との間に設けられた、複数のリブ16の被記録材Pが接触する面との間の摩擦によって引っ掛かり、被記録材Pが詰まるのを防止することが可能となる。
【0038】
さらに他の実施の形態としては、第4の実施の形態として、上記第2の実施の形態におけるプラテン1に、さらに第5の回転体を設けたものが挙げられる。図6は、本願発明に係る第4の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の断面図である。尚、図6は、説明に必要な構成要素のみ示し、それ以外の構成要素は省略してある。また、インクジェットプリンタのそれぞれの構成要素についての説明は、前述した第2の実施の形態と同様の部分については省略する。
【0039】
プラテン1は、前述した第2の実施の形態におけるプラテン1の第1の孔51と第2の孔52との間に設けられた複数のリブ16に替えて、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転し、その上端面においてペーパーギャップを規定している複数の第5の回転体15が、プラテン1の被記録材Pが接する面に、主走査方向に互いに離間して配置されている。これにより、プラテン1は、被記録材Pと被記録材Pが接触するペーパーギャップ面との間の摩擦が小さくなる。
【0040】
このようにして、上記第4の実施の形態によれば、前述の第2の実施の形態のプラテン1に加えて、当該第5の回転体15により、さらに、コックリング現象により下方に丸まった被記録材Pの先端が、第1の孔51と第2の孔52との間に設けられた、ペーパーギャップを規定している面と、被記録材Pとの間の摩擦によって引っ掛かり、被記録材Pが詰まるのを防止することが可能となる。そして、さらに、コックリング現象による被記録材Pの副走査方向Yへの伸びを摩擦により妨げないので、コックリング現象による被記録材Pの波打ち変形を助長しないという作用効果も得られる。
【0041】
さらに、他の実施の形態としては、上記第4の実施の形態において、第5の回転体15が、駆動源(図示せず)により駆動されるものが挙げられる。このようにして、第5の回転体15が回転駆動力により回転することで、被記録材Pの副走査方向Yへの伸びが促進され、被記録材Pの先端に余白無く記録する際に生じるコックリング現象による被記録材Pの先端の丸まり変形を抑止するので、上記第4の実施の形態に加えて、被記録材Pの先端の丸まり変形による被記録材Pのプラテン1からの浮き上がりを防止する作用効果も得られる。
【0042】
さらに、他の実施の形態としては、第1の回転体11〜第5の回転体15を、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態以外の組み合わせにて、実施することも可能であり、いずれにおいても本願発明の実施が可能となるものである。
【0043】
【発明の効果】
本願発明によれば、プラテンに設けられた、被記録材の端部に余白無く記録する際に該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する孔の近傍のプラテン表面に、被記録材が引っ掛かり、被記録材詰まりが発生することを防止したプラテン、および記録装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る第1の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の平面図である。
【図2】本願発明に係る第1の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の断面図である。
【図3】本願発明に係る第2の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の平面図である。
【図4】本願発明に係る第2の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の断面図である。
【図5】本願発明に係る第3の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の断面図である。
【図6】本願発明に係る第4の実施の形態によるインクジェットプリンタにおいて、記録紙の先端に余白無く記録している状態の断面図である。
【符号の説明】
1 プラテン
2 記録ヘッド
3 搬送ローラ
4 排出ローラ
11 第1の回転体
12 第2の回転体
13 第3の回転体
14 第4の回転体
15 第5の回転体
16 リブ
21 ドット形成要素アレイ
31 搬送駆動ローラ
32 搬送従動ローラ
41 排出駆動ローラ
42 排出従動ローラ
51 第1の孔
52 第2の孔
P 被記録材
X 主走査方向
Y 副走査方向
Claims (6)
- 主走査方向に往復動する記録ヘッドに対向し、副走査方向に搬送される被記録材を下方から支えて、前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定するプラテンは、
前記被記録材の端部に余白無く記録する際に、該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第1の孔を有し、
主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第1の回転体が、前記プラテンの前記被記録材が接する面の前記第1の孔の前記被記録材排出側端部近傍に、前記第1の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されており、
主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第2の回転体が、前記プラテンの被記録材が接する面の前記第1の孔の前記被記録材給送側端部近傍に、前記第2の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテン。 - 請求項1において、前記プラテンは、前記被記録材の端部に余白無く記録する際に、該端部から外れて打ち捨てられたインクが落下する第2の孔を、前記第1の孔より前記被記録材給送側に有し、
主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第3の回転体が、前記プラテンの前記被記録材が接する面の前記第2の孔の前記被記録材給送側端部近傍に、前記第3の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテン。 - 請求項2において、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する複数の第4の回転体が、前記プラテンの前記被記録材が接する面の前記第2の孔の前記被記録材排出側端部近傍に、前記第4の回転体の上端が、前記プラテンの前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定する面よりも下方になるように、主走査方向に互いに離間して配置されている、ことを特徴としたプラテン。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、主走査方向に互いに離間して、主走査方向に平行な軸を回転軸として回転する、複数の第5の回転体が配置され、前記第5の回転体の上端面において前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定している、ことを特徴としたプラテン。
- 請求項4において、前記第5の回転体は、駆動源により駆動される、ことを特徴としたプラテン。
- 主走査方向に往復動する記録ヘッドと、被記録材を副走査方向に搬送する被記録材搬送手段と、該被記録材搬送手段により副走査方向に搬送される前記被記録材を下方から支えて、前記被記録材と前記記録ヘッドとの間のギャップを規定するプラテンとを備え、前記被記録材搬送手段により副走査方向に搬送される前記被記録材に、前記記録ヘッドにてインクを吐出して記録を行う記録装置であって、
前記プラテンは、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラテンである、ことを特徴とした記録装置。
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