JP3828410B2 - 紙送りローラ及び紙送りローラの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙送りローラ及び紙送りローラの製造方法に関し、詳しくは、柔軟性、成形性が良好である上に、紙等の搬送物の搬送力を改良し、特に、シリカ紙のノンフィードを有効に防止し得る紙送りローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンター、レーザプリンター、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、自動預金支払機(ATM)等における紙送り機構にはゴムローラ等が使用されている。このゴムローラ等は紙やフィルム等の搬送物をピックアップし分離しながら紙送りをする必要があることから、その特性として優れた柔軟性と高い耐磨耗性が要求される。
【0003】
また、この種の紙送りローラは普通紙、シリカ紙、中国紙、OHPフィルム、フォトプリント紙等の種々の印刷媒体をノンフィードを起こすことなく、ピックアップし、分離、搬送することが望まれる。
【0004】
この種の紙送りローラとして、本出願人は先に特開平11−236465号において、ゴムに対して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂を混合し、上記ゴム成分を樹脂架橋剤で動的架橋して、上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとオレフィン系樹脂中にゴムを分散させた組成物からなる紙送りローラを提供している。上記組成物では、ゴムに対して、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びオレフィン系樹脂の混合割合を一定範囲内とすることにより、上記組成物からなる紙送りローラの耐摩耗性、摩擦係数、圧縮永久歪のいずれもが良好で、しかもブルーミングを防止でき、紙送り性能に優れた紙送りローラを提供している。
【0005】
また、特開平2−70636号には、EPDM100重量部に対して、軟化剤100〜300重量部、酸化チタン10〜300重量部を含むゴム層を表面に有することを特徴とする給紙ローラが開示されている。この給紙ローラは、EPDMゴムと酸化チタンを用いることにより、紫外線照射による摩擦係数の低下を防止することを目的としている。
【0006】
さらに、特開2001−38971号には無機質繊維状強化材と無機質粒子状充填材とを含むシリコーンゴムにより形成された給紙ローラが開示されており、無機質粒子状充填材の一例として酸化チタンが挙げられている。この給紙ローラは、特に感熱紙の裏側に粘着性を付与したタック紙に対して非粘着性に優れている給紙ローラの提供を目的としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した本出願人の先願の特開平11−236465号の紙送りローラでは、普通紙に対する摩擦係数は高いものの、シリカ紙等のシリカを多く含む紙に対しては多数の枚数を送ると、ノンフィードを起こす恐れがあり、シリカ紙等の搬送力の点で未だ改善の余地がある。
【0008】
また、従来、上記の紙送りローラとして用いられている加硫EPDMゴムローラや加硫塩素化ポリエチレンゴムローラは、上記のようなシリカ紙に対してノンフィードを起こし易い上に、成形性も良くないという問題がある。
【0009】
具体的には、後記した特開平2−70636号に開示のゴムローラでは、EPDMゴムのみを用いているため、通紙開始直後の紙等の搬送力が低い上に、成形性、製造コストにも問題がある。
さらに、特開2001−38971号に開示のゴムローラでは、シリコーンゴムにより形成されているため、通紙開始直後の紙等の搬送力が低い上に、原材料自体も高コストであり、また、成形性にも問題がある。
【0010】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共に、耐磨耗に優れ、特にシリカ紙に対して十分な搬送力を有する紙送りローラを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に、架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーを動的架橋させた分散させた組成物と、該動的架橋された組成物に混入される酸化チタンを含む熱可塑性エラストマー組成物から成形されるローラからなり、
上記ローラの少なくとも表面層は、上記酸化チタンを体積分率で1.5%以上50%以下の割合で含むことを特徴とする紙送りローラを提供している。
【0012】
本発明の紙送りローラは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に、架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーを動的架橋させて分散させているので、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共に、耐磨耗に優れる紙送りローラを得ることができ、さらに、上記ローラにおいて、少なくとも紙等の搬送物と接する表面層に、体積分率で1.5%以上50%以下の酸化チタンを含んでいるため、従来問題となっていたシリカ紙のノンフィードを低減し、通紙前あるいは通紙後においても良好な搬送力を得ることができる。
【0013】
上記ローラの表面層に含まれる酸化チタンの量は、体積分率で1.5%以上50%以下、好ましくは3.0%以上45%以下、さらに好ましくは6.0%以上40%以下としている。
上記範囲としているのは、1.5%より小さいと、シリカ紙に対して十分な搬送力が得られないためであり、50%より大きいと、ローラの硬度が高くなり、摩擦係数が低下したり、ローラの機械的強度が低下して実用に耐えられなくなる場合があるためである。
【0014】
上記表面層とは、ローラの厚み方向において、ローラ表面から全体厚みの5%以下の厚み範囲、好ましくはローラ表面から全体厚みの3%以下の厚み範囲のことで、実使用時にローラの磨耗が進んだ場合に、表面に出てくる可能性のある範囲である。動的架橋材料の場合、最表面には樹脂リッチなスキンが形成されるので、樹脂相(マトリクス相)中の酸化チタンの量が上記範囲になるようにする必要がある。
【0015】
上記熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)中に、EPDMを主成分とするゴム成分を含むコンパウンド(B)を動的架橋により分散させた組成物であるのが好ましい。これにより、普通紙等に対する初期の摩擦係数を高くできる上に、シリカ紙等の初期及び通紙後の搬送力を更に大きくすることができるので、多種多様な紙に対して大きく安定した搬送力を発揮することができる。
【0016】
上記コンパウンド(A)は、上記ゴム成分100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上500重量部以下、好ましくは25重量部以上400重量部以下の割合で含むのが良い。これにより、適度な柔軟性と弾性を得ることができる。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと硬度が高くなり充分な搬送力が得にくくなるためである。一方、上記範囲より大きいと動的架橋物の表面から軟化剤がブリードしてきたり、あるいは軟化剤が架橋阻害を起こして、ゴム分が十分に架橋されず、物性が低下しやすいためである。
【0017】
上記コンパウンド(A)は、上記ゴム成分100重量部に対して、オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂を1重量部以上50重量部以下、好ましくは2重量部以上40重量部以下、さらに好ましくは4重量部以上35重量部以下の割合で含むのが良い。これにより、耐磨耗性を向上することができる。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと充分な耐磨耗性を得にくくなるためである。一方、上記範囲より大きいとローラの硬度が高くなり、充分な搬送力が得にくくなるためである。
【0018】
上記コンパウンド(B)は、上記ゴム成分100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上600重量部以下、好ましくは25重量部以上400重量部以下の割合で含むのが良い。これにより、適度な柔軟性と弾性を得ることができる。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとローラの硬度が高くなり、充分な搬送力が得にくくなるためである。一方、上記範囲より大きいと動的架橋物の表面から軟化剤がブリードしてきたり、あるいは軟化剤が架橋阻害を起こして、ゴム分が十分に架橋されず、物性が低下しやすいためである。
【0019】
なお、本出願中、ゴム成分100重量部とは、ゴムが非油展ゴムの場合、非油展ゴム100重量部を表し、ゴムが油展ゴムの場合は、油展ゴムからオイル成分の重量を差し引いたゴム成分のみの重量で100重量部を表す。また、ゴムが油展ゴムと非油展ゴムの混合物の場合は、油展ゴムからオイル成分を差し引いたゴム成分のみの重量と非油展ゴムの重量の合計の100重量部である。
【0020】
上記軟化剤としては、オイル、可塑剤が挙げられる。オイルとしては、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチルアジペート(DOA)等を用いることができる。
【0021】
上記EPDMを主成分とするゴム成分を含むコンパウンド(B)において、ゴム成分はEPDMを100%とすることが最も好ましく、EPDMと他のゴムとをブレンドする場合、全ゴムに占めるEPDMの比率は、50重量%以上、さらには80重量%以上が好ましい。OA機器内で使用する紙送りローラには、優れた耐オゾン性と耐熱性が要求される。よってかかる紙送りローラの耐オゾン性及び耐熱性を両立するためには、主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくく、それ自体耐オゾン性及び耐熱性に優れたEPDMの比率を上記のように高めるのが好ましい。
【0022】
上記コンパウンド(B)中のEPDM以外のゴム成分、あるいは上記架橋可能なゴムとしては、ジエン系ゴムが好ましく、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が良好に用いられ、1種または2種以上をブレンドしても良い。ジエン系ゴムは熱可塑性樹脂と組み合わせることにより、ジエン系ゴムを架橋するが熱可塑性樹脂は架橋しない架橋剤を使用することが可能となるためである。その他、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム及びクロロスルフォン化ポリエチレンゴム等を用いることもできる。
【0023】
また、上記ゴムを油展ゴムとする場合には、オイルのブリードを防ぐ、また圧縮永久ひずみを小さく、かつローラの耐磨耗性を向上させるという理由により分子量が極力大きいものが好ましい。EPDMの場合、具体的な例としては、住友株式会社製エスプレン670F、同社エスプレン601F、出光DMS株式会社製KELTAN509X100等が挙げられる。
【0024】
上記オレフィン系樹脂としては、市販のオレフィン系樹脂であれば使用でき、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル系樹脂、塩素化ポリエチレン等が挙げられ、1種または2種以上をブレンドしても良い。また、その他種々の熱可塑性樹脂を用いることもできる。
【0025】
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、数平均分子量が8万以上、好ましくは15万以上、さらに好ましくは25万以上である高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーと、数平均分子量が7万以下、好ましくは6万以下である低分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物であるのが良い。これにより、高分子量の樹脂を使うことによる組成物の機械的物性の向上と、通紙時の耐久性能向上、磨耗粉体の発生の抑制等を実現すると同時に、非常に良好な分散性、加工性の大幅な改善、更にはそれによるゴム分の大幅なアップが可能となるので好ましい。さらに、ゴム分のアップによって磨耗粉体の大幅な減少と耐久性の向上が実現できる。なお、(ポリ)スチレン系以外にも、ポリオレフィン系、ポリエステル系
ポリアミド系、ポリウレタン系等の種々の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
【0026】
上記高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量が8万以上であるのは機械的物性(耐磨耗性、耐久性)の理由からである。一方、上記の低分子量の熱可塑性エラストマーの数平均分子量が7万以下であるのは、成形性、加工性を改善し、ゴムの分散性を向上させるからである。両者を使用する場合、好ましい組合せは当業者が適宜選択することができるが、例えば、分子量が8万以上のスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)と分子量が7万以下のスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)の組み合わせが特に好ましい。その他、スチレン−エチレン−スチレン共重合体(SES)、SEPS、SEEPS、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等から適宜選択される組合せも使用できる。
【0027】
上記数平均分子量の異なるスチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーであるのが好ましい。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加により二重結合が飽和されており、低硬度で摩擦係数が大きい。二重結合が無くなっているために、動的架橋に際して架橋剤と反応して架橋されることがないのでゴムの架橋を阻害せず、動的架橋後のエラストマー組成物が所望の可塑性を発現する。従って、本発明には動的架橋に際して架橋されない程度に水素添加されているスチレン系熱可塑性エラストマーを用いるのが好ましい。なお、加工性を失わない範囲で、水添されていない熱可塑性エラストマー(SBS、SIS等)を加えて、樹脂とゴムを架橋させ機械的強度を上げることも可能である。上記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばSES、SEPS、SEEPS、SEBS等が挙げられる。
【0028】
上記高分子量のスチレン系熱可塑性エラストマー:上記低分子量の熱可塑性エラストマーの重量比は、95:5〜1:99が適当であり、好ましくは90:10〜5:95、より好ましくは75:25〜15:85である。
上記重量比が、規定範囲外へはずれるとローラの機械的強度が低下し、磨耗粉体の発生等が生じる恐れがある。最適な比率は、使用目的、用いる他の成分との関係で、適宜選択することができる。
【0029】
上記動的架橋が樹脂架橋により行われているのが好ましい。樹脂架橋剤は加熱等によってゴムに架橋反応を起こさせる合成樹脂であり、硫黄と加硫促進剤とを併用する場合に比べ、ブルームが生じにくく圧縮永久ひずみも小さいため、精度維持や耐久性に優れる点で好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましく、給紙性能を高めることができる。
【0030】
その他の樹脂架橋剤としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられ、特に上記フェノール樹脂が好適である。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、硫化−p−第三ブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。樹脂架橋剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して1重量部以上50重量部以下、好ましくは8重量部以上15重量部以下が良い。
【0031】
本発明における動的架橋は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲンの存在下に行ってもよい。動的架橋時にハロゲンを存在させるには、ハロゲン化された樹脂架橋剤を用いるか、エラストマー組成物中にハロゲン供与性物質を配合してもよい。ハロゲン化された樹脂架橋剤としては、上記の各付加縮合型樹脂がハロゲン化されたものが挙げられる。なかでも、フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂、特にはハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。
【0032】
またハロゲン供与性物質としては、塩化第二スズ等の塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅等が挙げられる。ハロゲン化樹脂としては、例えば塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのハロゲン供与性物質は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
架橋反応を適切に行うために架橋活性剤を用いてもよい。架橋活性剤としては金属酸化物が使用され、特に酸化亜鉛、炭酸亜鉛が好ましい。
【0034】
上記動的架橋は、上記樹脂架橋以外に、ブルームを起こし難く、圧縮永久歪みが小さい等の理由により過酸化物架橋も好ましく行われる。なお、硫黄架橋とすることもできる。
【0035】
過酸化物架橋の場合は、過酸化物としては2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3や2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等、各種の過酸化物を必要に応じて選択することができる。なお、過酸化物架橋を行う場合は、疲労特性等の各種の機械的物性を改良、調整したり、架橋密度を向上させる目的で、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリメチロールプロパンメタクリレート(TMPT)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)等の架橋助剤を用いてもよい。
【0036】
また、上記熱可塑性エラストマー組成物には、機械的強度を向上させるために、必要に応じて充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場合、充填剤はゴム100重量部に対し、60重量部以下とするのが好ましい。充填剤の比率が上記範囲を越えると、ゴムの柔軟性が低下してしまうことがあるからである。
【0037】
上記熱可塑性エラストマー組成物には、さらに老化防止剤、ワックス等を配合することができる。老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン,N,N´−ジ−6−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N´−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。
【0038】
本発明の紙送りローラの硬度はJIS6301のA型硬度形で測定したときの硬度が一般に15〜50、好ましくは20〜45の範囲であるのが良い。この範囲とすると、紙送りローラを比較的小さい圧接力で紙やフィルムに押付けても紙送りローラが充分に変形し、紙やフィルムとの間に大きい接触面積を得ることができる。
【0039】
また、紙送りローラは円筒状に成形した状態で、その肉厚は0.5mm〜20mm、好ましくは1mm〜15mmであるのが良い。これは、紙送りローラの強度との兼ね合いにもよるが、肉厚が小さすぎると、紙送りローラが変形しても紙との間に大きな接触面積が形成され難いためである。一方、肉厚が大きすぎると、ローラを変形させるために紙送りローラの紙への圧接力を大きくしなければならず、紙送りローラを紙に圧接させるための機構が大型化するためである。
【0040】
本発明は、また、紙送りローラの製造方法であって、
熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に、架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーと動的架橋剤を配合し、押し出し機または混練機にて混練し、動的架橋により上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に上記ゴム又は熱可塑性エラストマーを分散させた後に、
上記動的架橋により得られた組成物に酸化チタンを配合して、該酸化チタンを表面層に偏在させた熱可塑性エラストマー組成物を調製し、
上記熱可塑性エラストマー組成物をローラ状に成形し、
上記成形されたローラの少なくとも表面層は、酸化チタンを体積分率で1.5%以上50%以下の割合で含むことを特徴とする紙送りローラの製造方法を提供している。
【0041】
このように、押し出し機又は混練機にて、上記架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーを、動的架橋によりに上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に分散させた後に、上記のように酸化チタンを混入することで、酸化チタンを紙送りローラの表面層に偏在させることができる。このため、効率良く、紙送りローラの表面層の酸化チタンの体積分率を向上させることができ、紙送りに必要な表面近傍部分に酸化チタンを配置することができる。従って、不必要に酸化チタンの使用量を増やすことがなく、原材料コストを抑えることができる。
通常、押し出し機や射出成形機により作製された紙送りローラにおいては、その最表面層に樹脂が多く存在する構成となる。酸化チタンは、動的架橋したゴム相の方には入りにくく、樹脂の方に選択的に混入されるという特徴を持つため、上記製法によれば、熱可塑性エラストマーの樹脂の方、即ち、表面側に酸化チタンが選択的に配置されることとなる。
【0042】
上記動的架橋時の加熱温度は160℃〜200℃、加熱時間は1〜20分であるのが良い。また、上記酸化チタン混入時の加熱温度は160℃〜220℃、加熱時間は1〜20分であるのが良い。また、スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)を作製する際に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物は軟化剤中で膨潤させるのが好ましく、上記動的架橋により得られた組成物はペレット状とするのが良い。これにより、良好な成形性を得ることができる。
【0043】
上記押し出し機としては、2軸押出機等、上記混練機としては、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いることができる。なお、本発明の紙送りローラは、上記製造方法以外の従来の方法により作製することもでき、酸化チタンを含有させた状態で動的架橋することもできる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の紙送りローラ1は、図1に示すように、下記の組成物からなる熱可塑性エラストマーより円筒状のローラに成形し、その中空部に軸芯2を圧入するか、あるいは両者を接着剤で接合して固定している。あるいは、図2に示すように、円筒形状に成形したローラの中空部にD形状の芯材2’を圧入することにより紙送りローラ1’とすることもできる。なお、紙送りローラ1’の表面にはローレット状の溝1a’を有している。紙送りローラ1、1’の少なくとも表面層では、酸化チタンを体積分率で6.6%の割合で含んでいる。
【0045】
上記熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)中に、EPDMを主成分とするゴム成分を含むコンパウンド(B)を動的架橋により分散させたものである。
【0046】
上記コンパウンド(B)のゴム成分は、油展EPDMとしゴムと同量のオイルを含んでいる。また、コンパウンド(A)には、オレフィン系樹脂であるポリプロピレンを含むと共に、所要量のオイルを含んでいる。上記熱可塑性エラストマーとしては、数平均分子量が30万である水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(SEEPS)と、数平均分子量が5.4万である水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(SEEPS)との混合物を用いている。
【0047】
架橋活性剤としては酸化亜鉛、樹脂架橋剤としてはフェノール系樹脂架橋剤を用いている。加工性向上、硬度調整等の目的で配合される軟化剤としてはパラフィンオイルを用いている。
【0048】
紙送りローラ1は、押し出し機又は混練機にて、上記コンパウンド(A)とコンパウンド(B)及びその他添加剤を配合し、動的架橋によりにゴムを分散させた後に、所要量の酸化チタンを混入し、再度、押し出し機又は混練機にて混練することで、上記熱可塑性エラストマー組成物を得、さらにそれを押し出し機にてローラ状に成形している。
【0049】
このように、紙送りローラ1は、上記のような熱可塑性エラストマー組成物より成形され、その表面層に体積分率で所要量の酸化チタンが含まれているため、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共に、耐磨耗にも優れ、従来問題となっていたシリカ紙のノンフィードを低減し、良好な搬送力を得ることができる。
【0050】
以下、本発明の実施例及び比較例について詳述する。
下記の表1〜表3に示すように、実施例1〜3および比較例1、2について、各々表1〜3に記載の配合からなる組成物を用いて以下の様にローラ状(円管状)とした後、軸芯にはめ込み、紙送りローラを製造した。なお、ローラ表面には、図2に示すようなローレット形状の溝を設けた。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
表中の酸化チタン表面体積分率より上欄の数値は重量部である。また、略語TPEは熱可塑性エラストマーを表す。
使用した材料は下記の通りである。なお、ゴム1について、100%油展EPDMのオイル分は表中、軟化剤1の欄に算入し、ゴム1の欄にはゴム成分のみの値が記載されている。
・ゴム1:住友化学製EPDM、エスプレン670F(パラフィンオイル100%油展)
・ゴム2:塩素化ポリエチレン(分子量20万以上のゴムグレードであるダイソー製ダイソラックN130)
・高分子量水素添加スチレン系TPE1: SEEPS (Mn=30万、Mw=34.2万)、クラレ製、セプトン4077
・低分子量水素添加スチレン系TPE2: 片末端水酸基変性SEEPS (Mn=5.4万、Mw=6.0万) 、クラレ製、セプトンHG252
・オレフィン系樹脂:ポリプロピレン、日本ポリケム製ノバテックPP BC6
・軟化剤1:パラフィンオイル、出光興産製ダイアナプロセスオイルPW-380
・軟化剤2:ジオクチルフタレート
・酸化チタン:チタン工業製 クロノス酸化チタンKR380
・脂肪酸処理炭酸カルシウム 白石カルシウム製白艶華CC
・架橋活性剤1:酸化亜鉛、三井金属鉱業社製 酸化亜鉛2種
・架橋活性剤2:酸化マグネシウム 協和化学製 マグサラット150ST
・架橋剤1:田岡化学製 タッキロール250-III
・架橋剤2:2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン ダイソー製 OF−100
・促進剤:ジシクロヘキシルアミンの2−メルカプトベンゾチアゾール塩 ダイソー製 M−181
【0055】
実施例1〜3の紙送りローラは以下のようにして作成した。
熱可塑性エラストマー組成物を軟化剤中で膨潤させてから、これをオレフィン系樹脂ペレットと共に2軸押出機、ニーダーまたはバンバリー等により160℃〜220℃の温度で、1〜20分間混練して、熱可塑性エラストマー組成物、オレフィン系樹脂、及び軟化剤の混合物(コンパウンド)からなるペレットを作製し、しかる後に、このペレットと、ゴム、樹脂架橋剤としての反応性フェノール樹脂、亜鉛華、老化防止剤、フィラー等の所要の添加剤を2軸押出機に投入し、160℃〜220℃の温度で加熱しながら1〜20分間混練してゴムを動的架橋した後、押し出した。
次いで、この押し出した混練ゴム組成物を冷却しペレット化した。更に、このようにして得られた動的架橋ゴム組成物のペレットに酸化チタンを混合して、再度2軸押出機に投入し、160℃〜220℃の温度で加熱しながら1〜20分間混練した。なお、ここでは2軸押出機を用いているが、ニーダー又はバンバリー等で混練してもよい。その後、動的架橋ゴム組成物と酸化チタンとの混合物を通例の方法によりペレット化した。このペレットを押し出し成形機によりチューブ状に成形し、それを必要寸法にカットして、キャノン製インクジェットプリンタBJ S630搭載用の紙送りローラと同一形状のローラを作製した。
【0056】
比較例1の紙送りローラは酸化チタンを混合する前までは実施例と同様に製造し、酸化チタンを混合する前のペレットを押し出し成形機によりチューブ状に成形し、それを必要寸法にカットしてローラを作製した。
また比較例2の紙送りローラは以下のようにして作製した。すなわち、表3に記載の材料を密閉式混練機に投入し、混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物を金型に投入して、160℃〜170℃で10〜60分間加熱し、チューブ状に成形した。その後、上記と同様に必要寸法にカットして、キャノンインクジェットプリンタBJ S630搭載用給紙ローラと同一形状のローラを作製した。
【0057】
(実施例1乃至実施例3)
実施例1乃至実施例3の紙送りローラはいずれも、数平均分子量が8万以上であるスチレン系熱可塑性エラストマーと数平均分子量が7万以下であるスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物とオレフィン系樹脂、及び所要量の軟化剤を含むコンパウンド(A)に、所要量の軟化剤を含むEPDMを主成分とするコンパウンド(B)を動的架橋させて分散させた熱可塑性エラストマー組成物からなり、いずれも表面層での酸化チタンの体積分率を1.5%以上とした。
【0058】
(比較例1、2)
他方、比較例1及び比較例2は本発明の範囲外の紙送りローラの例であり、比較例1は実施例とおなじ熱可塑性エラストマー組成物であるが、酸化チタンを配合しなかった。また、比較例2は、酸化チタンが配合されているが、熱可塑性エラストマー組成物ではなく、塩素化ポリエチレンゴムを主体とする加硫ゴム配合とした。
【0059】
(給紙試験(搬送力の測定))
搬送力を図3に示す以下の方法で測定した。すなわち、キャノンインクジェットプリンタBJ S630の実機において、紙送りローラ21とプレート23等からなる給紙機構中でASFユニットの上にA4サイズの紙24(シリカ紙:LC301、普通紙:キャノンPBペーパー)を載せて一番上の紙をデジタルフォースゲージ25につなげる。
次いで、温度23℃、湿度55%の条件下で、給紙機構を作動させ、上記紙送りローラ21を図3中、実線の矢印aで示す方向に回転させた。通紙中において、図3中、白失印で示す方向に発生した紙24の搬送力F(gf)をデジタルフォースゲージ25で測定した。
なお、上記搬送力は、キャノンインクジェットプリンタBJ S630に実施例及び比較例の紙送りローラからなる給紙ローラを装着し、紙としてシリカ紙または普通紙を使用し、給紙ローラを回転させて紙送りを開始させ、下記の各枚数通紙後の搬送力を測定した。各ローラについて、シリカ紙(LC301)または普通紙(キャノンPBペーパー)について2000枚の給紙を行い、通紙試験開始直後のシリカ紙または普通紙についての各搬送力(初期性能)および100枚目、200枚目、500枚目、1000枚目、及び2000枚目通紙後の搬送力を上記方法により測定した。
上記方法で測定した搬送力の数値は高い方が好ましいが、本機(BJ S630)の場合、実用には140gf〜150gf程度以上の搬送力が必要と考えられる。
【0060】
表1〜表3に示すように、実施例1乃至実施例3のローラは、全て、普通紙及びシリカ紙の両方の場合について2000枚目においても140gf以上の搬送力を有し、実用に適する値であることが確認できた。特に酸化チタン表面体積分率が実施例1〜3の中で一番多い実施例1は、シリカ紙について2000枚目においての搬送力が実施例1〜3の中で最も大きく、より優れていた。
【0061】
一方、酸化チタンを配合していない点のみが実施例1の配合と異なる比較例1のローラは、普通紙の搬送力は実施例1とほぼ同レベルであり、優れていたが、シリカ紙についての搬送力は2000枚目には140gf以下となってしまい、実用に適さなくなってしまった。塩素化ポリエチレンゴムを主体とする配合である比較例2のローラは、普通紙の搬送力は2000枚目においても185gfであり、実用に適する値ではあったが、実施例では2000枚目においても262〜264gfであるのと比較して、普通紙の搬送力は大きく低下した。また、シリカ紙についての搬送力は1000枚目にはすでに140gf以下となってしまい、実用に適さなくなってしまった。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に、架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーを動的架橋させて分散させているので、ゴムのような耐久性、弾性、柔軟性と樹脂のような成形性を併せ持つと共に、耐磨耗に優れる紙送りローラを得ることができ、さらに、上記ローラにおいて、少なくとも紙等の搬送物と接する表面層に、体積分率で1.5%以上50%以下の酸化チタンを含んでいるため、従来問題となっていたシリカ紙のノンフィードを低減し、通紙前あるいは通紙後においても良好な搬送力を得ることができる。
【0063】
従って、本発明の紙送りローラは、紙やフィルム等の搬送物をピックアップし分離しながら紙送りをする必要があるインジェクションプリンターなどに極めて有用であり、特に、従来問題となっていたシリカ紙のノンフィードを防止することができる。また、本発明の紙送りローラは熱可塑性を有することから、リサイクル性も確保でき、製造コストも低減することができる。
【0064】
さらに、本発明の紙送りローラの製造方法によれば、組成物を動的架橋後に、酸化チタンを混入しているため、酸化チタンを紙送りローラの表面層に偏在させることができる。従って、効率良く、紙送りローラの表面層の酸化チタンの体積分率を向上させることができ、紙送りに必要な表面近傍部分に酸化チタンを配置することができ、不必要に酸化チタンの使用量を増やすことがなく、原材料コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紙送りローラの概略図である。
【図2】 D形状とした紙送りローラの概略図である。
【図3】 搬送力の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1、1’ 紙送りローラ
2、2’ 軸芯
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に、架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーと動的架橋剤を配合し、押し出し機または混練機にて混練し、動的架橋により上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に上記ゴム又は熱可塑性エラストマーを分散させた後に、
上記動的架橋により得られた組成物に酸化チタンを混入して、該酸化チタンを表面層に偏在させた熱可塑性エラストマー組成物を調製し、
上記熱可塑性エラストマー組成物をローラ状に成形し、
上記成形されたローラの少なくとも表面層は、酸化チタンを体積分率で1.5%以上50%以下の割合で含むことを特徴とする紙送りローラの製造方法。 - 熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に、架橋可能なゴム又は熱可塑性エラストマーを動的架橋させて分散させた組成物と、該動的架橋された組成物に混入される酸化チタンを含む熱可塑性エラストマー組成物から成形されるローラからなり、
上記ローラの少なくとも表面層は、上記酸化チタンを体積分率で1.5%以上50%以下の割合で含むことを特徴とする紙送りローラ。 - 請求項1に記載の製造方法で製造された請求項1に記載の紙送りローラ。
- 上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーはスチレン系熱可塑性エラストマーを主成分とするコンパウンド(A)からなり、該コンパウンド(A)に動的架橋される上記ゴム又は熱可塑性エラストマーはEPDMを主成分とするゴム成分を含むコンパウンド(B)からなり、上記コンパウンド(A)にコンパウンド(B)を動的架橋させる架橋剤として樹脂架橋剤を用いている請求項2または請求項3に記載の紙送りローラ。
- 上記コンパウンド(A)は、コンパウンド(B)のゴム成分100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上500重量部以下、オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂を1重量部以上50重量部以下の割合で含むと共に、
上記コンパウンド(B)は、上記ゴム成分100重量部に対して、軟化剤を15重量部以上600重量部以下の割合で含む請求項4に記載の紙送りローラ。 - 上記コンパウンド(A)のスチレン系熱可塑性エラストマーは、数平均分子量が8万以上であるスチレン系熱可塑性エラストマーと数平均分子量が7万以下であるスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物である請求項4又は請求項5に記載の紙送りローラ。
- 上記数平均分子量の異なるスチレン系熱可塑性エラストマーは水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーである請求項6に記載の紙送りローラ。
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