JP3827045B2 - カルバメートの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルバメートの製造法、特にアリールカルバメートからアルキル又はアラルキルカルバメートを高収率で製造する方法に関する。カルバメートは、医薬、農薬又はその合成原料、更に各種ファインケミカルズ又はその合成原料として、広範な用途を有する有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
カルバメートの製造法としては、(1)イソシアナートとアルコールを反応させる方法、(2)クロロギ酸エステルとアミンを塩基存在下に反応させる方法、(3)ホスゲンとアルコール及びアミンを反応させる方法、(4)尿素とアルコールを反応させる方法が一般的に知られている。
しかしながら、これらの方法は、(1)の方法ではイソシアナートが刺激性でその取扱が煩雑であること、(2)の方法では等モル以上の塩基を使用すること、(3)の方法ではホスゲンの毒性が極めて高いこと及び反応に塩基を使用すること、(4)の方法では高温又は高圧で反応を行う必要があることなど、それぞれ問題を有している。
【0003】
一方、エステル交換によるカルバメートの製造法としては、(5)低級脂肪族カルバメートと高沸点アルコールをアルキルチタネートの存在下で反応させる方法(特開昭53−73520号公報)、(6)カルバメートと高沸点脂肪族アルコールをタリウム化合物又はスズ化合物の存在下で反応させる方法(特開昭57−82360号公報)、(7)ペンタクロロフェニルカルバメートとフェノール化合物を塩基存在下で反応させる方法(特開昭58−17459号公報)、(8)高沸点アルコールのカルバメートと低級アルコールを高温下で反応させて低級アルコールのカルバメートを製造する方法(特開昭64−11016号公報)などが知られている。
【0004】
しかしながら、これらの方法にもそれぞれ問題がある。
(5)及び(6)の方法では、高価な触媒や有毒な触媒を用いること、更に反応中に生成する低沸点アルコールを留去しながら反応を行う必要があり高沸点アルコールのカルバメートからの製造が困難であるという問題があり、(7)の方法では、高価なペンタクロロフェニルカルバメートを用いるという問題がある。また、(8)の方法では、沸点が140℃以上のアルコールのカルバメートを得ることはできないこと、原料のカルバメートから生じるイソシアナートと高沸点アルコールが再結合する反応も同時に進行するために低級アルコールを比較的多量に用いる必要があること、低級(低沸点)アルコールを用いるために加圧下で反応を行わなければならないという問題がある。
【0005】
更に、カルバメートを対応するイソシアナートとアルコール成分に熱分解した後、イソシアナートを分離するイソシアナートの製造法、及び純粋なイソシアナートとアルコールを反応させるカルバメートの製造法もよく知られている。しかし、カルバメートを熱分解して生じるイソシアナートを分離することが容易でない場合も多く、そのような場合にはイソシアナートとアルコール成分を完全に分離するために多大の労力と複雑な装置が必要とされる。イソシアナートの分離が容易な場合でも、分離工程(分離装置)が必要になって製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、公知のカルバメートの製造法は種々の問題を抱えている。
即ち、(1)〜(4)の方法では、原料に関する問題(刺激性又は毒性の原料を用いること、塩基を用いること)や反応条件に関する問題(高温又は高圧下で反応を行うこと)などがあり、(5)〜(7)の方法では、触媒に関する問題(触媒が高価又は有毒であること)や原料カルバメートに関する問題(カルバメートが高価であること)などがある。また、(8)の方法では、反応性及び反応条件に関する問題(反応がカルバメートに対して汎用的でないこと、低級アルコールを比較的多量に用いる必要があること)などの問題がある。更に、カルバメートを熱分解して分離する方法では、イソシアナートの分離精製が必要であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題のないカルバメートの製造法を提供することを課題とする。特に、本発明は、アリールカルバメートをイソシアナートとアルコール成分(フェノール化合物)に熱分解し、そのイソシアナートとアルキル又はアラルキルアルコールを反応させて対応するアルキル又はアラルキルカルバメートを製造する方法において、上記のような問題(即ち、反応がカルバメートに対して汎用的でない、低級アルコールを比較的多量に用いる必要がある、イソシアナートの分離精製が必要であるなどの問題)がなく、高選択率、高収率でアルキル又はアラルキルカルバメートを製造できる、カルバメートの製造法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、化学構造式(I)で表されるカルバメートを化学構造式(II)で表されるイソシアナートと化学構造式 (III)で表されるフェノール化合物に分解し、次いで、該イソシアナートとフェノール化合物を分離することなく、該イソシアナートと化学構造式(IV)で表されるアルコールを酸存在下で反応させて、化学構造式(V)で表されるカルバメートを生成させることを特徴とするカルバメートの製造法によって解決される。
【0009】
【化6】
(式中、R1 はアリール基又は芳香族複素環基を表し、R2 はアリール基を表す。)
【0010】
【化7】
(式中、R1 はアリール基又は芳香族複素環基を表す。)
【0011】
【化8】
(式中、R2 はアリール基を表す。)
【0012】
【化9】
(式中、R3 はアルキル基又はアラルキル基を表す。)
【0013】
【化10】
(式中、R1 はアリール基又は芳香族複素環基を表し、R3 はアルキル基又はアラルキル基を表す。)
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるカルバメートとしては、前記の化学構造式(I)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
化学構造式(I)において、R1 は、アリール基(好ましくは炭素数6〜14のアリール基)又は芳香族複素環基(好ましくは炭素数5〜10でN、O、S等のヘテロ原子を一つ以上含む芳香族複素環基)を表す。また、R2 はアリール基(好ましくは炭素数6〜14のアリール基)を表す。
【0015】
更に、R1 、R2 は、炭素数1〜15のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数7〜15のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル基、トリル基等)、炭素数1〜15のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、炭素数1〜15のチオアルコキシ基(チオメトキシ基、チオエトキシ基等)、炭素数6〜14のアリールオキシ基(フェノキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜15のジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基等)を置換基として有していてもよい。
【0016】
また、R1 、R2 が置換基として有するアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、ジアルキルアミノ基の炭素原子は、O、S、NR4 などの原子又は原子団で置換されていてもよい(但し、R4 は水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基を表す)。なお、R1 、R2 が有する各種置換基には、o−、m−、p−、n−、i−、sec−、tert−等の各種異性体が含まれる。
【0017】
R1 、R2 で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基、ビフェニリル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、ニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、シアノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。なお、これらのアリール基はo−、m−、p−の各異性体を含み、アリール基に結合している置換基はn−、i−、sec−、tert−等の各異性体を含む。
【0018】
化学構造式(I)で表されるカルバメートとしては、例えば、
R1 がアリール基で、R2 が置換基を有していないアリール基であるものとして、フェニル N−フェニルカルバメート、フェニル N−(4−メチルフェニル)カルバメート、フェニル N−(2−クロロフェニル)カルバメート、フェニル N−(3−クロロフェニル)カルバメート、フェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、フェニル N−(2,4−ジフルオロフェニル)カルバメート、フェニル N−(2,4,6−トリフルオロフェニル)カルバメート、フェニル N−(4−ニトロフェニル)カルバメート、フェニル N−(4−シアノフェニル)カルバメート、フェニル N−(3,4−ジシアノフェニル)カルバメート、フェニル N−(4−メトキシフェニル)カルバメート、フェニル N−〔3−(2−フルオロエトキシ)フェニル〕カルバメート、フェニル N−〔4−(2−フルオロエトキシ)フェニル〕カルバメート等や、
【0019】
1−ナフチル N−(3−クロロフェニル)カルバメート、1−ナフチル N−(4−クロロフェニル)カルバメート、1−ナフチル N−(4−メトキシフェニル)カルバメート等が挙げられ、
【0020】
R1 がアリール基で、R2 が置換基を有しているアリール基であるものとして、3−クロロフェニル N−フェニルカルバメート、4−クロロフェニル N−フェニルカルバメート、4−クロロフェニル N−(3−クロロフェニル)カルバメート、4−クロロフェニル N−(4−クロロフェニル)カルバメート、3,4−ジクロロフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、3,5−ジクロロフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、2−フルオロフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、3−フルオロフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、4−フルオロフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、4−フルオロフェニル N−(3−フルオロフェニル)カルバメート、4−クロロフェニル N−(4−メチルフェニル)カルバメート等や、
【0021】
3−メチルフェニル N−フェニルカルバメート、4−メチルフェニル N−フェニルカルバメート、4−メチルフェニル N−(3−クロロフェニル)カルバメート、4−メチルフェニル N−(4−クロロフェニル)カルバメート、2−メチルフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、3−メチルフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、4−メチルフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート等や、
【0022】
4−ニトロフェニル N−フェニルカルバメート、4−ニトロフェニル N−(4−ニトロフェニル)カルバメート、4−ニトロフェニル N−(4−メトキシフェニル)カルバメート等や、
4−メトキシフェニル N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバメート、4−メトキシフェニル N−(4−メトキシフェニル)カルバメート等が具体的に挙げられる。
【0023】
また、R1 が複素環基で、R2 がアリール基であるものとして、フェニル N−(2−ピリジル)カルバメート、フェニル N−(4−ピリジル)カルバメート、フェニル N−(4−ピリダジル)カルバメート、4−ニトロフェニルN−(4−ピリジル)カルバメート等が具体的に挙げられる。
【0024】
前記のカルバメートは公知の方法により合成することができる。例えば、毒物や刺激臭の強い化合物を使用せずに、炭酸ジアリールエステルとアミンから容易に合成することができる。
【0025】
本発明では、最初に、前記のカルバメートが、化学構造式(II)で表されるイソシアナートと化学構造式 (III)で表されるフェノール化合物に分解される。
この分解は、例えば、槽型や薄膜型の蒸留装置を用いて、カルバメートを好ましくは100〜400℃、更に好ましくは120〜300℃、特に好ましくは150〜280℃で加熱することによって行われる。反応圧は加圧、常圧、減圧のいずれでもよいが、分解により生成したイソシアナートとフェノール化合物の混合物を反応系から抜き出すためには減圧であることが好ましい。なお、この分解では、カルバメートは100%近く分解されて、生成したイソシアナートとフェノール化合物が反応系から抜き出される。
【0026】
カルバメートの分解においては、必要に応じて反応溶媒を単独又は複数で用いても差し支えない。この溶媒は、原料のカルバメート、中間体のイソシアナートやフェノール化合物、他の原料のアルコール、酸、及び生成物のカルバメートに対して不活性であれば特に制限されるものではないが、その沸点が前記の分解温度と同程度かもしくは分解温度より高いものが好ましい。
反応溶媒としては、例えば、リグロイン、シクロドデカン、デカリン、潤滑油等の脂肪族炭化水素、イソプロピルベンゼン、テトラリン、n−ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、メチルナフタレン、クロロナフタレン、ジフェニルエーテル、高沸点芳香族炭化水素系熱媒等の芳香族炭化水素などが用いられる。
【0027】
カルバメートの分解により、前記の化学構造式(II)で表されるイソシアナートと化学構造式 (III)で表されるフェノール化合物がカルバメートに対応してそれぞれ生成する。
このイソシアナートとしては、前記のカルバメートに対応して、例えば、フェニルイソシアナート、4−メチルフェニルイソシアナート、2−クロロフェニルイソシアナート、3−クロロフェニルイソシアナート、4−クロロフェニルイソシアナート、3,4−ジクロロフェニルイソシアナート、2,4−ジフルオロフェニルイソシアナート、3−フルオロフェニルイソシアナート、4−ニトロフェニルイソシアナート、4−シアノフェニルイソシアナート、4−メトキシフェニルイソシアナート、1−ナフチルイソシアナートや、
2−ピリジルイソシアナート、4−ピリジルイソシアナート等が生成する。
【0028】
また、フェノール化合物としては、前記のカルバメートに対応して、例えば、フェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、3,4−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、4−ニトロフェノール、4−メトキシフェノール等が生成する。
【0029】
本発明では、次に、カルバメートの分解により生成したイソシアナートとフェノール化合物を互いに分離することなく、その混合物に化学構造式(IV)で表されるアルコールを酸存在下で接触させることによって、該イソシアナートとアルコールとの反応が行われる。そして、前記の化学構造式(V)で表されるカルバメートが生成する。
この反応は、例えば、カルバメートの分解により生成したイソシアナートとフェノール化合物を混合物の状態で連続的又は間欠的に分解反応の反応器から留出させ、この留出物を、該アルコールと酸を入れた反応器へ導いてイソシアナートと該アルコールとの反応を行うことができる。酸はカルバメートを分解する際に分解反応の反応器に添加して、イソシアナート、フェノール化合物と共に留出させてもよく、その代わりに酸を発生する化合物(塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化ベンジル、無水酢酸等)を添加してもよい。また、わずかに酸を放出するカルバメート(フェニル N−(4−クロロフェニル)カルバメート等)を分解する際には特に酸を添加しなくてもよい。
【0030】
イソシアナートとアルコール(IV)との反応において、反応温度は−30℃〜100℃、更には−20℃〜80℃であることが好ましく、圧力は加圧、常圧、減圧のいずれでもよい。反応時間は0.1〜24時間程度でよい。
また、アルコール(IV)は、原料のカルバメート(I)に対して1〜50倍モル、更には1.1〜20倍モル、特には1.1〜10倍モル用いられることが好ましい。前記の酸はごく少量であっても溶媒として多量に存在していてもよいが、原料のカルバメート(I)に対して、好ましくは0.0001〜50倍モル、更に好ましくは0.001〜20倍モル、特に好ましくは0.005〜10倍モル用いられる。
【0031】
前記の化学構造式(IV)において、R3 は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基)又はアラルキル基(好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基)を表す。
R3 において、OH基に結合している炭素は1級、2級、3級のいずれであってもよい。また、R3 は、炭素数1〜15のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数7〜15のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜14のアリール基(フェニル基、トリル基等)、炭素数1〜15のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、炭素数1〜15のチオアルコキシ基(チオメトキシ基、チオエトキシ基等)、炭素数6〜14のアリールオキシ基(フェノキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ニトロ基、シアノ基、炭素数2〜15のジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基等)を置換基として有していてもよい。R3 が有する各種置換基には、o−、m−、p−、n−、i−、sec−、tert−等の各種異性体が含まれる。
【0032】
R3 で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
【0033】
前記の化学構造式(IV)で表されるアルコールとしては、R3 がアルキル基であるものとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、tert−ペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘプタノール、シクロヘプタノール、n−オクタノール、シクロオクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、シクロドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、n−エイコサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2−シアノエタノール等が具体的に挙げられ、
【0034】
R3 がアラルキル基であるものとして、例えば、ベンジルアルコール、α−フェネチルアルコール、β−フェネチルアルコール、ジフェニルカルビノール、トリフェニルカルビノール、o−メチルベンジルアルコール、m−メチルベンジルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、o−クロロベンジルアルコール、m−クロロベンジルアルコール、p−クロロベンジルアルコール、o−ニトロベンジルアルコール、m−ニトロベンジルアルコール、p−ニトロベンジルアルコール、o−シアノベンジルアルコール、m−シアノベンジルアルコール、p−シアノベンジルアルコール、2−ナフチルエタノール等が具体的に挙げられる。
【0035】
前記の酸としては、プロトン酸やルイス酸が単独又は複数で用いられる。酸の中ではプロトン酸が好ましいが、特に水中、25℃におけるpKaが6以下のプロトン酸が好ましい。プロトン酸としては、例えば、無機酸、有機スルホン酸、有機リン酸、カルボン酸(炭素数1〜16の鎖式脂肪族カルボン酸、炭素数6〜16の環式脂肪族カルボン酸、炭素数7〜18の炭素環式芳香族カルボン酸、炭素数5〜16の複素環式芳香族カルボン酸等)などが挙げられる。これらプロトン酸の中では、カルボン酸が好ましい。
【0036】
無機酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等が具体的に挙げられ、有機スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が具体的に挙げられ、有機リン酸としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジブトキシホスフィン酸、ジェフェノキシホスフィン酸等が具体的に挙げられる。
【0037】
炭素数1〜16の鎖式脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ジブロモ酢酸、トリブロモ酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、n−ウンデシレン酸、ラウリン酸、n−トリデシレン酸、ミリスチン酸、n−ペンタデシレン酸、パルミチン酸、トリエチル酢酸等が挙げられ、炭素数6〜16の環式脂肪族カルボン酸としては、例えば、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デカリンカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸等が具体的に挙げられる。
【0038】
炭素数7〜18の炭素環式芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、2−トルイル酸、3−トルイル酸、4−トルイル酸、2−エチル安息香酸、3−エチル安息香酸、4−エチル安息香酸、2−プロピル安息香酸、3−プロピル安息香酸、4−プロピル安息香酸、2−フェニル安息香酸、3−フェニル安息香酸、4−フェニル安息香酸、2−ベンジル安息香酸、2−アニス酸、3−アニス酸、4−アニス酸、2−エトキシ安息香酸、3−エトキシ安息香酸、4−エトキシ安息香酸、2−プロポキシ安息香酸、3−プロポキシ安息香酸、4−プロポキシ安息香酸、2−ブトキシ安息香酸、3−ブトキシ安息香酸、4−ブトキシ安息香酸、2−ベンジルオキシ安息香酸、3−ベンジルオキシ安息香酸、4−ベンジルオキシ安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、3−フェノキシ安息香酸、4−フェノキシ安息香酸、2−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、2−クロロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、2−ブロモ安息香酸、3−ブロモ安息香酸、4−ブロモ安息香酸、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸、2−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、2−シアノ安息香酸、3−シアノ安息香酸、4−シアノ安息香酸、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸等が具体的に挙げられる。
【0039】
また、炭素数5〜16の複素環式芳香族カルボン酸としては、例えば、2−フランカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−チオフェンカルボン酸、3−チオフェンカルボン酸、2−ピロールカルボン酸、3−ピロールカルボン酸、2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸等が具体的に挙げられる。
【0040】
イソシアナートと化学構造式(IV)で表されるアルコールとの反応においては、原料カルバメートの分解におけると同様に、必要に応じて反応溶媒を単独又は複数で用いても差し支えない。この溶媒は、原料のカルバメート、中間体のイソシアナートやフェノール化合物、他の原料のアルコール、酸、及び生成物のカルバメートに対して不活性であれば特に制限されるものではない。
【0041】
反応溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン、リグロイン、デカリン、潤滑油等)、脂肪族ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム等)、脂肪族エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族ケトン(アセトン、メチルイソブチルケトン等)、脂肪族ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル等)、脂肪族アミド(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等や、芳香族炭化水素(イソプロピルベンゼン、テトラリン、n−ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン)、芳香族ハロゲン化炭化水素(o−ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等)、芳香族エーテル(アニソール、ジフェニルエーテル等)、芳香族ケトン(ベンゾフェノン等)、芳香族ニトリル(ベンゾニトリル等)などが用いられる。
【0042】
反応終了後、生成したアルキル又はアラルキルカルバメート(V)は種々の方法で分離することができる。例えば、反応液を減圧濃縮して過剰のアルコール、フェノール化合物、酸、反応溶媒等を除去することによって分離することができる。また、必要であれば溶媒を添加して反応液を冷却した後、カルバメートを析出させ、濾過又は遠心分離によって分離することもできる。更に、反応液をアルカリ洗浄して酸及び/又はフェノール化合物を除去した後、減圧濃縮又は晶析などによ分離することもできる。
分離されたアルキル又はアラルキルカルバメートは、必要であれば、再結晶、蒸留、昇華、カラムクロマトグラフィーなどにより更に精製される。
【0043】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、収率は原料のカルバメートに対してモル基準で求めた。
【0044】
実施例1
フェニル N−フェニルカルバメート(23.4mmol)を仕込んだ内容積20mlのガラス製反応器(A)に、蒸留器と冷却管を備えた蒸留装置を取り付け、更にシクロヘキサノール(58.6mmol)と酢酸(0.8mmol)を仕込んだ内容積50mlのガラス製反応器(B)を蒸留装置の受器として取り付けた。その後、100mmHgの減圧下、バス温220℃で反応器(A)を加熱し、反応器(B)は室温(25℃)に維持しながら、フェニル N−フェニルカルバメートを攪拌下で10分間熱分解した。そして、熱分解により生成するフェニルイソシアナートとフェノールの混合物は蒸留装置を通して留出させて反応器(B)に導き、室温(25℃)、常圧下で攪拌しながら、シクロヘキサノールと4時間反応させた。
【0045】
反応終了後、反応液を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率が96.1%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が0.8%であった。
次いで、減圧蒸留により、反応液から未反応のシクロヘキサノールとフェノール及び酢酸を除去した後、残渣を更に減圧蒸留することにより(182℃/4mmHg)、純度98.0%以上のシクロヘキシル N−フェニルカルバメートを分離した。ジイソプロピルエーテルより再結晶したところ、その融点は85℃で、元素分析値は理論値とよく一致していた。
【0046】
実施例2〜6
酢酸を表1記載のプロトン酸に変えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果を表1に示す。
【0047】
比較例1
酢酸を加えなかったほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率は79.4%で、フェニル
N−フェニルカルバメートの収率は15.6%であった。
【0048】
比較例2
酢酸をトリエチルアミン(0.1mmol)に代えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率は19.0%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率は75.5%であった。
【0049】
実施例7
酢酸の添加量を23.5mmol加えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率が92.7%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が3.0%であった。
実施例1〜7及び比較例1、2の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
実施例8
シクロヘキサノールをメタノール(58.6mmol)に代え、カルバメートの熱分解の間(10分間)は反応器(B)を氷−食塩バスで冷却したほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、メチル N−フェニルカルバメートの収率が97.1%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が0.9%であった。
【0052】
比較例3
酢酸を加えなかったほかは、実施例8と同様に反応と分析を行った。その結果、メチル N−フェニルカルバメートの収率は84.0%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率は14.0%であった。
【0053】
実施例9
シクロヘキサノールをi−ペンタノール(58.6mmol)に代えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、i−ペンチル N−フェニルカルバメートの収率が94.1%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が1.0%であった。
【0054】
比較例4
酢酸を加えなかったほかは、実施例9と同様に反応と分析を行った。その結果、i−ペンチル N−フェニルカルバメートの収率は83.5%で、フェニル
N−フェニルカルバメートの収率は10.7%であった。
【0055】
実施例10
シクロヘキサノールをベンジルアルコール(58.6mmol)に代えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、ベンジル N−フェニルカルバメートの収率が90.6%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が3.7%であった。
【0056】
比較例5
酢酸を加えなかったほかは、実施例10と同様に反応と分析を行った。その結果、ベンジル N−フェニルカルバメートの収率は73.8%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率は15.8%であった。
【0057】
実施例11
シクロヘキサノールをtert−ブタノール(58.6mmol)に代え、カルバメートの熱分解の後に反応器(B)に常圧下で塩化メチレン(5ml)を入れ24時間反応を行ったほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、tert−ブチル N−フェニルカルバメートの収率が86.4%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が6.0%であった。
【0058】
比較例6
酢酸を加えなかったほかは、実施例11と同様に反応と分析を行った。その結果、tert−ブチル N−フェニルカルバメートの収率は26.1%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率は65.9%であった。
実施例8〜11及び比較例3〜6の結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
実施例12
フェニル N−フェニルカルバメートを3−メチルフェニル N−フェニルカルバメート(22.0mmol)に代え、シクロヘキサノール添加量を55.0mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率が94.9%で、3−メチルフェニル N−フェニルカルバメートの収率が0.9%であった。
【0061】
比較例7
酢酸を加えなかったほかは、実施例12と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率は80.0%で、3−メチルフェニル N−フェニルカルバメートの収率は13.3%であった。
【0062】
実施例13
フェニル N−フェニルカルバメートを2−メトキシフェニル N−フェニルカルバメート(20.6mmol)に代え、シクロヘキサノール添加量を51.5mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率が95.3%で、2−メトキシフェニル N−フェニルカルバメートの収率が0.7%であった。
【0063】
比較例8
酢酸を加えなかったほかは、実施例13と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率は83.2%で、2−メトキシフェニル N−フェニルカルバメートの収率は12.7%であった。
実施例12、13及び比較例7、8の結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
実施例14
フェニル N−フェニルカルバメートをフェニル N−(4−メチルフェニル)カルバメート(22.0mmol)に代え、シクロヘキサノール添加量を55.0mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−(4−メチルフェニル)カルバメートの収率が92.9%で、フェニル N−(4−メチルフェニル)カルバメートの収率が1.4%であった。
【0066】
比較例9
酢酸を加えなかったほかは、実施例14と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−(4−メチルフェニル)カルバメートの収率は73.4%で、フェニル N−(4−メチルフェニル)カルバメートの収率は17.7%であった。
【0067】
実施例15
フェニル N−フェニルカルバメートをフェニル N−(4−ブロモフェニル)カルバメート(17.1mmol)に代え、シクロヘキサノール添加量を42.8mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−(4−ブロモフェニル)カルバメートの収率が90.7%で、フェニル N−(4−ブロモフェニル)カルバメートの収率が0.4%であった。
【0068】
比較例10
酢酸を加えなかったほかは、実施例15と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−(4−ブロモフェニル)カルバメートの収率は82.2%で、フェニル N−(4−ブロモフェニル)カルバメートの収率は2.3%であった。
【0069】
実施例16
フェニル N−フェニルカルバメートをフェニル N−(4−メトキシフェニル)カルバメート(20.6mmol)に代え、シクロヘキサノール添加量を51.5mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−(4−メトキシフェニル)カルバメートの収率が95.4%で、フェニル N−(4−メトキシフェニル)カルバメートの収率が0.4%であった。
【0070】
比較例11
酢酸を加えなかったほかは、実施例15と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−(4−メトキシフェニル)カルバメートの収率は88.3%で、フェニル N−(4−メトキシフェニル)カルバメートの収率は6.2%であった。
実施例14〜16及び比較例9〜11の結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
実施例17
反応器(A)にフェニル N−フェニルカルバメート(23.4mmol)と酢酸(0.8mmol)を仕込み、反応器(B)にシクロヘキサノール(58.6mmol)を仕込んだほかは、実施例1と同様に反応と分析を行った。その結果、シクロヘキシル N−フェニルカルバメートの収率が92.2%で、フェニル N−フェニルカルバメートの収率が0.8%であった。
【0073】
実施例18
実施例8、9及び14〜16で得られたアルキルカルバメートを実施例1と同様に分離し、トルエン又はジイソプロピルエーテルより再結晶した。これらの融点を表5に示す。また、実施例1、9、11及び14〜16で得られたアルキルカルバメートのIRスペクトル測定、 1H−NMRスペクトル測定、元素分析の結果を表6に示す。なお、実施例8及び10で得られたアルキル又はアラルキルカルバメートの元素分析値は理論値とよく一致していた。
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【発明の効果】
本発明により、公知のカルバメートの製造法が抱えている種々の問題を解決することができる。即ち、原料に関する問題(刺激性又は毒性の原料を用いること、塩基を用いること、カルバメートが高価であること)、反応条件に関する問題(高温又は高圧下で反応を行うこと、低級アルコールを比較的多量に用いる必要があること)、触媒に関する問題(触媒が高価又は有毒であるなど)や、反応性に関する問題(反応がカルバメートに対して汎用的でないこと)、カルバメートを熱分解して分離する方法ではイソシアナートの分離精製が必要である問題などを解決できる。
本発明によれば、特に、アリールカルバメートをイソシアナートとアルコール成分(フェノール化合物)に熱分解し、そのイソシアナートとアルキル又はアラルキルアルコールを反応させて対応するアルキル又はアラルキルカルバメートを製造する方法において、反応がカルバメートに対して汎用的でない、低級アルコールを比較的多量に用いる必要がある、イソシアナートの分離精製が必要であるなどの問題を解決してカルバメートを製造することができる。更に、本発明では、カルバメートをイソシアナートとアルコール成分(フェノール化合物)に熱分解した場合、該イソシアナートとフェノール化合物を分離することなく、そしてそれにも拘らず原料のアリールカルバメートの生成を押さえて、高選択率、高収率で目的のアルキル又はアラルキルカルバメートを製造できる。
Claims (4)
- 化学構造式(I)で表されるカルバメートを化学構造式(II)で表されるイソシアナートと化学構造式 (III)で表されるフェノール化合物に分解し、次いで、該イソシアナートとフェノール化合物を分離することなく、該イソシアナートと化学構造式(IV)で表されるアルコールを酸存在下で反応させて、化学構造式(V)で表されるカルバメートを生成させることを特徴とするカルバメートの製造法。
- 酸としてプロトン酸を用いることを特徴とする請求項1記載のカルバメートの製造法。
- プロトン酸としてカルボン酸を用いることを特徴とする請求項2記載のカルバメートの製造法。
- プロトン酸として、水中、25℃におけるpKaが6以下のプロトン酸を用いることを特徴とする請求項2記載のカルバメートの製造法。
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