JP3826559B2 - デファレンシャル装置のブリーザ装置 - Google Patents

デファレンシャル装置のブリーザ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はデファレンシャル装置のブリーザ装置に係り、特に、オイルを遮蔽する専用のリブを設けることなくデファレンシャル装置に設けたフリーアクスル機構の構成部品を利用してオイルの飛び出しを防止し得て、また、フリーアクスル機構を駆動する電動モータのモータ用ブリーザホースを短縮し得て、クランプ数を削減し得て、クランプの取付スペースを不要にし得るデファレンシャル装置のブリーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、旋回走行等による左右の車輪の回転差を吸収するために、デファレンシャル装置を設けている。デファレンシャル装置は、デフキャリヤのキャリヤ室内に軸支するデフケースやデフギヤ列を潤滑するために、オイルを充填している。
【0003】
また、デファレンシャル装置は、デフキャリヤのキャリヤ室内の圧力を調整するために、ブリーザ装置を設けている。ブリーザ装置は、外気温の変化等によりキャリヤ室内の空気が膨張・収縮した場合に、デフキャリヤ内外で圧力の差分をやり取りすることにより、デフキャリヤの内圧を調整する。
【0004】
このようなデファレンシャル装置のブリーザ装置としては、実開平6−71247号公報、実開平7−40238号公報、特開平8−178027号公報に開示されものがある。
【0005】
実開平6−71247号公報に開示されるものは、デフキャリヤの天井面にデフケースの回転方向に対して前後一対のリブを突設し、この前後リブ間の天井面にブリーザ孔を形成したブリーザ構造において、前後リブ間の天井面に中間リブを突設し、後リブと中間リブとの間に前記ブリーザ孔を配設し、後リブの下端を中間リブの下方に向けて延出させたものである。
【0006】
実開平7−40238号公報に開示されるものは、負圧式アクチュエータにエンジン吸気管負圧と大気圧とを選択的に供給する負圧回路と、内部にオイルを封入したフロントデファレンシャルとを近接配置し、フロントデファレンシャルに一端が接続されたブリーザ配管の他端を前記負圧回路の大気開放用管に接続したものである。
【0007】
特開平8−178027号公報に開示されものは、デファレンシャルケースを回転可能に支持するテーパローラベアリングのポンプ作用によって、シャフト室側からデフ室側に潤滑油を流動させ、サイドギヤシャフトに軸孔及び側孔を設けてデフ室とシャフト室とを連通し、シャフト室に連通するブリーザを配設したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のデファレンシャル装置のブリーザ装置は、前記公報に開示されるように、デフキャリヤの天井面にデファレンシャルケースの回転によってキャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽する専用のリブを突設してブリーザ孔を形成し(実開平6−71247号公報)、デフキャリヤの上部にブリーザ配管を接続し(実開平7−40238号公報)、デフキャリヤ内のデフ室に連通するサイドギヤシャフトを覆うチューブ内のシャフト室にブリーザを接続したものがある(特開平8−178027号公報)。
【0009】
ところが、従来のブリーザ装置は、オイルを遮蔽する専用のリブを設けていることにより、デフキャリヤの構造が複雑になる不都合がある。また、単にデフキャリヤの上部にブリーザ配管を接続し、あるいはデフキャリヤのデフ室に連通するシャフト室にブリーザを接続したものは、キャリヤ室から飛来するオイルの飛び出しを防止できない不都合がある。
【0010】
前記のように飛来するオイルを遮蔽する専用のリブを設けていない場合には、外気温が非常に低温になった際に、オイルの粘度が高くなってブリーザからオイルが飛び出す可能性がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、デフキャリヤのキャリヤ室内にインナデフケースとこのインナデフケースに外装されて相対的に回転可能なアウタデフケースとからなるデフケースを軸支して設け、このデフケースに内蔵されるデフギヤ列のデフサイドギヤに夫々アクスル軸の内側端を連結して設け、前記インナデフケースとアウタデフケースとを結合・離脱するフリーアクスル機構を設け、このフリーアクスル機構は前記アクスル軸の軸方向へ移動可能に前記アウタデフケースに保持されて前記インナデフケースに係合・離脱される切換スリーブを設け、この切換スリーブに係合される切換フォークを設け、この切換フォークが取付けられて前記アクスル軸の軸方向へ移動可能に前記デフキャリヤに保持される切換ロッドを設け、この切換ロッドの前記デフケースから離間する側にこの切換ロッドによって前記キャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽されるブリーザ室を形成して設け、前記切換ロッドの前記デフケースから離間する側に存する前記デフキャリヤのキャリヤ壁部を前記切換ロッドから離間するように外方に膨出させて第1膨出壁を形成して設け、この第1膨出壁内に前記切換ロッドによって前記キャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽される第1ブリーザ室を形成して設け、前記第1膨出壁の一部を前記切換ロッドからさらに離間するように外方に膨出させて第2膨出壁を形成して設け、この第2膨出壁内に前記切換ロッドによって前記キャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽されるとともに前記第1ブリーザ室に連通する第2ブリーザ室を形成して設けたことを特徴とを特徴とする。
【0012】
前記ブリーザ装置は、前記第2ブリーザ室を形成する第2膨出壁の上壁部に一端側を接続されるブリーザホースを設け、このブリーザホースの他端側を大気に開放して設けたことを特徴とする。
【0013】
前記ブリーザ装置は、前記フリーアクスル機構の切換ロッドを駆動する電動モータのモータケースに一端側を接続されるモータ用ブリーザホースを設け、このモータ用ブリーザホースの他端側を前記ブリーザホースに接続して設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明のデファレンシャル装置のブリーザ装置は、フリーアクスル機構の切換ロッドのデフケースから離間する側にこの切換ロッドによってキャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽されるブリーザ室を形成して設けていることにより、フリーアクスル機構の切換ロッドを利用してキャリヤ室からブリーザ室に飛来するオイルを遮弊することができる。
【0015】
このブリーザ装置は、ブリーザ室として第1ブリーザ室と第2ブリーザ室とを形成しており、第1ブリーザ室よりもさらに外方に位置する第2ブリーザ室を形成する第2膨出壁の上壁部にブリーザホースを接続して設けていることにより、第1ブリーザ室にたとえオイルが流れ込んでも、第1ブリーザ室よりもさらに外方に位置する第2ブリーザ室の上方に接続されるブリーザホースにオイルを流れ難くすることができる。
【0016】
また、このブリーザ装置は、フリーアクスル機構の切換ロッドを駆動する電動モータのモータケースに一端側を接続されるモータ用ブリーザホースを設け、このモータ用ブリーザホースの他端側をブリーザホースに接続して設けたことにより、モータ用ブリーザホースをデファレンシャル装置から離れたダッシュパネルまで取り回してクランプする必要がなくなる。
【0017】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。図において、2は図示しない車両のデファレンシャル装置、4はデフキャリヤである。デフキャリヤ4は、キャリヤ本体6とキャリヤカバー8とからなり、キャリヤ室10を形成している。キャリヤ室10には、オイルを充填している。
【0018】
キャリヤ本体6には、図1・図2に示す如く、円錐ころ軸受12・12によりドライブ軸14を軸支している。ドライブ軸14には、外端側に推進軸(図示せず)の接続される推進軸接続フランジ16を取付ナット18により取付けるとともに、キャリヤ室10に臨む内端側にドライブピニオン20を設けている。
【0019】
前記ドライブ軸14のドライブピニオン20には、リングギヤ22が噛合される。リングギヤ22は、固定ボルト24によりデフケース26に取付けて設けている。デフケース26は、インナデフケース28とアウタデフケース30とからなり、デフギヤ列32を内蔵して設けている。
【0020】
前記インナデフケース26には、デフピニオン軸34によりデフギヤ列32のデフピニオン36・36を軸支して設けている。デフピニオン36・36には、左右の第1・第2デフサイドギヤ38−1・38−2を噛合して設けている。
【0021】
前記アウタデフケース30は、第1アウタデフケース部30−1と第2アウタデフケース部30−2とからなり、前記固定ボルト24により結合されている。第1アウタデフケース部30−1と第2アウタデフケース部30−2とには、前記第1・第2デフサイドギヤ38−1・38−2を夫々軸支して設けている。このアウタデフケース30は、前記インナデフケース28に外装されて相対的に回転可能に設けられている。
【0022】
前記アウタデフケース30は、第1アウタデフケース部30−1に第1ケースボス部40−1を設け、第2アウタデフケース部30−2に第2ケースボス部40−2を設けている。前記デフキャリヤ4は、キャリヤ本体6の左右に第1・第2キャリア本体ボス部42−1・42−2を設け、キャリヤカバー8の左右に前記第1・第2キャリヤ本体ボス部42−1・42−2に対応する第1・第2キャリヤカバーボス部44−1・44−2を設けている。
【0023】
アウタデフケース30は、デフキャリヤ4のキャリヤ室10内に、第1ケースボス部40−1と第2ケースボス部40−2とを、第1キャリヤ本体ボス部42−1及び第1キャリアカバーボス部44−1と第2キャリヤ本体ボス部42−2及び第2キャリアカバーボス部44−2とに夫々保持される左右の第1・第2軸受46−1・46−2によって、軸支して設けている。
【0024】
前記第1・第2デフサイドギヤ38−1・38−2には、夫々第1・第2アクスル軸48−1・48−2の内側端を連結して設けている。第1・第2アクスル軸48−1・48−2は、第1ケースボス部40−1と第2ケースボス部40−2とにより支持されてデフキャリヤ4のキャリヤ室10外に延長され、外側端に左右の車輪(図示せず)を取付けている。
【0025】
このデファレンシャル装置2には、フリーアクスル機構50を設けている。フリーアクスル機構50は、図1・図2に示す如く、インナデフケース28にインナデフ側スプライン52を設け、アウタデフケース30の第1アウタデフケース部30−1にアウタデフ側スプライン54を設け、インナデフ側スプライン52及びアウタデフ側スプライン54にスプライン係合される切換スリーブ56を設けている。
【0026】
切換スリーブ56は、スリーブ側スプライン58をアウタデフ側スプライン54にスプライン係合されて第1・第2アクスル軸48−1・48−2の軸方向に移動可能に第1アウタデフケース30−1に保持され、スリーブ側スプライン58をインナデフ側スプライン54に係合・離脱させることによりインナデフケース28にアウタデフケース30を結合・離脱させる。
【0027】
切換スリーブ56のスリーブ溝60には、切換フォーク62の略U字形状の係合縁64が係合される。切換フォーク62は、略U字形状の係合縁64から外方に向かって略三角形状に突設される突設部66を設け、この突設部66の頂端部に取付部68を設け、この取付部68を切換ロッド70に取付けて設けている。
【0028】
切換ロッド70は、両端部位をキャリヤカバー8のカバー側キャリヤ壁部72に形成した第1・第2保持孔74−1・74−2に、第1・第2アクスル軸48−1・48−2の軸方向に移動可能に保持して設けている。切換ロッド70には、デフケース26に近接するキャリヤ室10の内奥側に位置させてラック76を設けている。
【0029】
前記デフキャリヤ4のキャリヤ本体6及びキャリヤカバー8の上部には、電動モータ78を内蔵するモータケース80を取付ボルト82により取付けて設けている。電動モータ78は、カバー側キャリヤ壁部72に形成した挿通孔84からキャリヤ室10内に挿入配設されたモータ軸86にピニオン88を取付けて設けている。ピニオン88は、前記切換ロッド70のラック76に噛合される。
【0030】
フリーアクスル機構50は、図示しない制御部により電動モータ78を駆動して切換ロッド70を動作させ、切換フォーク62により切換スリーブ56をインナデフ側スプライン52及びアウタデフ側スプライン54に係合させることにより、インナデフケース28とアウタデフケース30とを結合して通常のデフ状態とし、第1・第2アクスル軸48−1・48−2に駆動力を伝達させる。
【0031】
また、フリーアクスル機構50は、図示しない制御部により電動モータ78を駆動して切換ロッド70を動作させ、切換フォーク62により切換スリーブ56をインナデフ側スプライン52から離脱させてアウタデフ側スプライン52にのみ係合させることにより、インナデフケース28とアウタデフケース30とを離脱させて相対的に回転可能としてフリーアクスル状態とし、第1・第2アクスル軸48−1・48−2に駆動力を伝達させずに自由回転させる。
【0032】
このデファレンシャル装置2には、ブリーザ装置90を設けている。ブリーザ装置90は、図1・図2に示す如く、フリーアクスル機構50の切換ロッド70のデフケース26から離間する側に、この切換ロッド70によってキャリヤ室10から飛来するオイルを遮蔽されるブリーザ室92を形成して設けている。
【0033】
この実施例のブリーザ装置90は、ブリーザ室92として第1・第2ブリーザ室92−1・92−2を形成して設けている。ブリーザ装置90は、切換ロッド72のデフケース26から離間する側に存するデフキャリヤ4を構成するキャリヤカバー8のカバー側キャリヤ壁部72を切換ロッド70から離間するように外方に膨出させて第1膨出壁94−1を形成して設け、この第1膨出壁94−1内に切換ロッド70によってキャリヤ室10から飛来するオイルを遮蔽される第1ブリーザ室92−1を形成して設けている。
【0034】
また、この実施例のブリーザ装置90は、前記第1膨出壁94−1の一部を切換ロッド70からさらに離間するように外方に膨出させて第2膨出壁94−2を形成して設け、この第2膨出壁94−2内に切換ロッド70によってキャリヤ室10から飛来するオイルを遮蔽されるとともに第1ブリーザ室92−1に連通する第2ブリーザ室92−2を形成して設けている。
【0035】
このブリーザ装置90は、第2膨出壁94−2の上壁部96に上下方向に指向させてブリーザパイプ98を嵌装して設けている。ブリーザパイプ98には、ブリーザホース100の一端側を接続して設けている。ブリーザホース100の他端側には、絞り102を嵌装して設けている。ブリーザホース100は、この絞り102を介して他端側を大気に開放して設けている。
【0036】
ブリーザホース100は、途中においてブリーザ室側ホース部100−1と大気側ホース部100−2とに分割して設け、ブリーザ室側ホース部100−1を3ウエイパイプ104の第1パイプ部104−1に接続して設けるとともに大気側ホース部100−2を3ウエイパイプ104の第2パイプ部104−2に接続して設けている。
【0037】
また、このブリーザ装置90は、フリーアクスル機構50の切換ロッド70を動作させる電動モータ78のモータケース80に嵌装したモータ用ブリーザパイプ106に一端側を接続されるモータ用ブリーザホース108を設けている。モータ用ブリーザホース108は、外気温の変化によりモータケース80内のケース室108が負圧となることにより水分を吸入することを防止する。このモータ用ブリーザホース108は、他端側をブリーザホース100の途中に介装した3ウエイパイプ104の第3パイプ部104−3に接続して設けている。
【0038】
次に、この実施例の作用を説明する。
【0039】
デファレンシャル装置2は、フリーアクスル機構50によって、インナデフケース28とアウタデフケース30とを結合して通常のデフ状態とし、第1・第2アクスル軸48−1・48−2に駆動力を伝達させる。また、このデファレンシャル装置2は、フリーアクスル機構50によって、インナデフケース28とアウタデフケース30とを離脱させて相対的に回転可能としてフリーアクスル状態とし、第1・第2アクスル軸48−1・48−2に駆動力を伝達させずに自由回転させる。
【0040】
デファレンシャル装置2のデフキャリヤ4に軸支したデフケース26は、図示しない車両の走行時に、図2に矢印で示す方向に回転する。デフキャリヤ4のキャリヤ室10に充填されたオイルは、デフケース26の回転によって飛散され、ブリーザ室92の方向に飛来する。
【0041】
このデファレンシャル装置2のブリーザ装置90は、フリーアクスル機構50の切換ロッド70のデフケース26から離間する側に、この切換ロッド70によってキャリヤ室10から飛来するオイルを遮蔽されるブリーザ室92を形成して設けている。これにより、このブリーザ装置90は、フリーアクスル機構50の切換ロッド70を利用して、キャリヤ室10からブリーザ室92に飛来するオイルを遮弊することができる。
【0042】
この実施例のブリーザ装置90は、切換ロッド70のデフケース26から離間する側に存するデフキャリヤ4を構成するキャリヤカバー8のカバー側キャリヤ壁部72を切換ロッド70から離間するように外方に膨出させて第1膨出壁94−1を形成して設け、この第1膨出壁94−1内に切換ロッド70によってキャリヤ室10から飛来するオイルを遮蔽される第1ブリーザ室92−1を形成して設けている。
【0043】
また、この実施例のブリーザ装置92は、前記第1膨出壁94−1の一部を切換ロッド70からさらに離間するように外方に膨出させて第2膨出壁94−2を形成して設け、この第2膨出壁94−2内に切換ロッド70によってキャリヤ室10から飛来するオイルを遮蔽されるとともに第1ブリーザ室92−1に連通する第2ブリーザ室92−2を形成して設けている。
【0044】
このブリーザ装置90は、第2膨出壁94−2の上壁部96に上下方向に指向させてブリーザパイプ98を嵌装してブリーザホース100の一端側を接続して設け、ブリーザホース100の他端側を絞り102を介して大気に開放して設けている。
【0045】
このように、このブリーザ装置90は、ブリーザ室92として第1ブリーザ室92−1と第2ブリーザ室92−92とを形成しており、第1ブリーザ室92−1よりもさらに外方に位置する第2ブリーザ室92−2を形成する第2膨出壁94−2の上壁部96にブリーザホース100を接続して設けていることにより、第1ブリーザ室92−1にたとえオイルが流れ込んでも、第1ブリーザ室92−1よりもさらに外方に位置する第2ブリーザ室92−2の上方に接続されるブリーザホース100にオイルを流れ難くすることができる。
【0046】
このため、このブリーザ装置90は、飛来するオイルを遮弊する専用のリブを設けることなく、デファレンシャル装置2に設けたフリーアクスル機構50の構成部品である切換ロッド70を利用して、オイルの飛び出しを防止することができる。
【0047】
また、このブリーザ装置90は、フリーアクスル機構50の切換ロッド70を動作させる電動モータ78のモータケース80に一端側を接続されるモータ用ブリーザホース108を設けている。このモータ用ブリーザホース108は、他端側をブリーザホース100の途中に介装した3ウエイパイプ104の第3パイプ部104−3に接続して設けている。
【0048】
これにより、このブリーザ装置90は、モータ用ブリーザホース108をデファレンシャル装置2から離れたダッシュパネル(図示せず)にまで取り回してクランプする必要がなくなる。
【0049】
このため、このブリーザ装置90は、フリーアクスル機構50を駆動する電動モータ78のモータ用ブリーザホース108を短縮し得て、クランプ数を削減し得て、クランプの取付スペースを不要にし得る。
【0050】
図5は、ブリーザ装置90の別の実施例(SG1)を示すものである。図5に示すブリーザ装置90は、一端側を第2ブリーザ室92−2に連通されるブリーザホース100の他端側に絞り102を嵌装して大気に開放して設けるとともに、このブリーザホース100の途中に接続されるモータ用ブリーザホース108の途中に大気に開放される第2の絞り112を嵌装して設けたものである。
【0051】
このように、図5のブリーザ装置90は、ブリーザ室92に連通するブリーザ室側ホース部100−1に対して、3ウエイパイプ104によって並列に分岐される大気側ホース部100−2とモータ用ブリーザホース108とに、夫々第1の絞り102と第2の絞り112とを設けている。
【0052】
これにより、このブリーザ装置90は、たとえ一系統の大気側ホース部100−2側の第1の絞り102が詰まった場合にも、別系統のモータ用ブリーザホース108側の第2の絞り112によってデフキャリヤ室10及びケース室110の圧力を調整することができる。
【0053】
このため、このブリーザ装置90は、ブリーザ装置90によるデフキャリヤ室10及びモータ室110の圧力調整を確実に機能させ得て、圧力の均一化を果たし得て、デフキャリヤ室10からのオイルの飛び出しやケース室110への水分の吸入を確実に防止することができる。
【0054】
【発明の効果】
このように、この発明のデファレンシャル装置のブリーザ装置は、フリーアクスル機構の切換ロッドを利用してキャリヤ室からブリーザ室に飛来するオイルを遮蔽することができ、第1ブリーザ室と第2ブリーザ室とからなるブリーザ室の第1ブリーザ室にたとえオイルが流れ込んでも、第1ブリーザ室よりもさらに外方に位置する第2ブリーザ室の上方に接続されるブリーザホースにオイルを流れ難くすることができる。
【0055】
このため、このブリーザ装置は、オイルを遮弊する専用のリブを設けることなく、デファレンシャル装置に設けたフリーアクスル機構の構成部品を利用して、オイルの飛び出しを防止することができる。
【0056】
また、このブリーザ装置は、フリーアクスル機構の切換ロッドを駆動する電動モータのモータケースに接続されるモータ用ブリーザホースをデファレンシャル装置から離れたダッシュパネルにまで取り回してクランプする必要がなくなる。
【0057】
このため、このブリーザ装置は、フリーアクスル機構を駆動する電動モータのモータ用ブリーザホースを短縮し得て、クランプ数を削減し得て、クランプの取付スペースを不要にし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すブリーザ装置を設けたデファレンシャル装置の水平面における断面図である。
【図2】デファレンシャル装置の垂直面における断面図である。
【図3】図2の矢印IIIによるデファレンシャル装置の平面図である。
【図4】図2の矢印IVによるデファレンシャル装置の正面図である。
【図5】ブリーザ装置の別の実施例を示すデファレンシャル装置の要部断面図である。
【符号の説明】
2 デファレンシャル装置
4 デフキャリヤ
6 キャリヤ本体
8 キャリヤカバー
26 デフケース
28 インナデフケース
30 アウタデフケース
32 デフギヤ列
36 デフピニオン
38−1 第1デフサイドギヤ
38−2 第2デフサイドギヤ
48−1 第1アクスル軸
48−2 第2アクスル軸
50 フリーアクスル機構
56 切換スリーブ
62 切換フォーク
70 切換ロッド
78 ラック
78 電動モータ
82 モータケース
88 ピニオン
92 ブリーザ室
92−1 第1ブリーザ室
92−2 第2ブリーザ室
94−1 第1膨出壁
94−2 第2膨出壁
100 ブリーザホース
104 3ウエイパイプ
108 モータ用ブリーザホース

Claims (3)

  1. デフキャリヤのキャリヤ室内にインナデフケースとこのインナデフケースに外装されて相対的に回転可能なアウタデフケースとからなるデフケースを軸支して設け、このデフケースに内蔵されるデフギヤ列のデフサイドギヤに夫々アクスル軸の内側端を連結して設け、前記インナデフケースとアウタデフケースとを結合・離脱するフリーアクスル機構を設け、このフリーアクスル機構は前記アクスル軸の軸方向へ移動可能に前記アウタデフケースに保持されて前記インナデフケースに係合・離脱される切換スリーブを設け、この切換スリーブに係合される切換フォークを設け、この切換フォークが取付けられて前記アクスル軸の軸方向へ移動可能に前記デフキャリヤに保持される切換ロッドを設け、この切換ロッドの前記デフケースから離間する側にこの切換ロッドによって前記キャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽されるブリーザ室を形成して設け、前記切換ロッドの前記デフケースから離間する側に存する前記デフキャリヤのキャリヤ壁部を前記切換ロッドから離間するように外方に膨出させて第1膨出壁を形成して設け、この第1膨出壁内に前記切換ロッドによって前記キャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽される第1ブリーザ室を形成して設け、前記第1膨出壁の一部を前記切換ロッドからさらに離間するように外方に膨出させて第2膨出壁を形成して設け、この第2膨出壁内に前記切換ロッドによって前記キャリヤ室から飛来するオイルを遮蔽されるとともに前記第1ブリーザ室に連通する第2ブリーザ室を形成して設けたことを特徴とするデファレンシャル装置のブリーザ装置。
  2. 前記ブリーザ装置は、前記第2ブリーザ室を形成する第2膨出壁の上壁部に一端側を接続されるブリーザホースを設け、このブリーザホースの他端側を大気に開放して設けたことを特徴とする請求項1に記載のデファレンシャル装置のブリーザ装置。
  3. 前記ブリーザ装置は、前記フリーアクスル機構の切換ロッドを駆動する電動モータのモータケースに一端側を接続されるモータ用ブリーザホースを設け、このモータ用ブリーザホースの他端側を前記ブリーザホースに接続して設けたことを特徴とする請求項2に記載のデファレンシャル装置のブリーザ装置。
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