JP3826326B2 - 鉄道車両用振動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両に用いられる振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄道車両用振動制御装置の一例として、図17に示すものがある。図において、鉄道車両の台車1には、車輪2が回動可能に支持されており、鉄道車両は車輪2を介しコンクリート軌道の1本のレール3に沿って走行するようになっている。
【0003】
台車1には、車体4がエアばね等のばね部材5を介して水平方向及び上下方向に揺動可能に支持されている。台車1及び車体4には、車両横方向で相対向するように台車側、車体側ブラケット6,7が取り付けられている。
台車側、車体側ブラケット6,7の間には、図示しないピストン及び減衰力調整機構を有した、減衰係数調整可能のダンパ8が介装されており、進行方向に対して水平横方向の車体4の運動を規制するようになっている。
ダンパ8のアクチュエータ9に接続してコントローラ10が設けられている。
コントローラ10は、あらかじめダンパ8の電流・減衰力特性データを格納し、例えば車体4の水平横方向速度から目標減衰係数を求め、この目標減衰係数に対応する電流を図示しない比例ソレノイド等のアクチュエータ9に出力してダンパ8に所望の減衰係数を設定して減衰力を発生させ車体4の揺動を抑制するようにしている。
【0004】
ここで、発生する減衰力Fsaは、車体4の水平横方向(図17左方向)の速度V2 、台車1の水平横方向(同図右方向)の速度V1 とし、設定された減衰係数をCsaとすると、次式で求められる。
sa=V21×Csa … … (1)
(但し、V21はダンパ速度で、V21=V2 −V1
【0005】
この鉄道車両用振動制御装置では、ダンパ速度V21としては所定の代表的な値を入力しており、所定のダンパ速度のときの電流・減衰力特性データがコントローラ10に格納されている。このため、ダンパ速度V21が変化した際には、減衰係数が同等であっても得られる減衰力が異なり、良好な振動抑制を果たすことができなくなってしまうという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に対し、ダンパ速度センサ、ダンパ変位センサ等のセンサ(以下、代表してダンパ速度センサという。)を設けてダンパ速度に応じてデータの補正を行って所望の減衰力を得るようにすることが考えられる。しかしながら、ダンパ速度センサ、ダンパ変位センサを備えると、信頼性低下、保守性の低下を招くことになり、このセンサの使用は極力、避けたいというのが実情であった。
【0007】
なお、制振性能の向上のために、図16に示すようにスカイフックダンパ8を用いた制御装置を設定し、現実のデータをこの制御装置のデータに置き換えて振動抑制制御(以下、適宜、スカイフック理論による制御という。)を行うことがある。図16に示す装置は、図17の装置が台車1と車体4との間にダンパ8を介装したのに代えて、ダンパ8を、車体4と、この車体4の右側に仮想的に設けた固定部との間に介装したことが異なっている。以下、適宜、図16のダンパ8をスカイフックダンパ8k、図17のダンパ8をセミアクティブダンパ8aという。
【0008】
図16に示す装置では、スカイフックダンパ8kの減衰係数がCsky に設定されている際に、車体4ひいてはスカイフックダンパ8kが速度(左右絶対速度=ダンパ速度)V2 で揺動する際に、スカイフックダンパ8kは例えば大きさFsky の減衰力を発生する。このことは次式(2)で表せられる。
sky =V2 ×Csky … … (2)
【0009】
一方、セミアクティブダンパ8aでは、車体4が速度(左右絶対速度)V21で揺動する際に、セミアクティブダンパ8aの減衰係数がCsaに設定されていると、セミアクティブダンパ8aは例えば大きさFsaの減衰力を発生する。このことは前記式(1)と同様に次式で表せられる。
sa=V21×Csa … … (1)
【0010】
ここで、セミアクティブダンパ8aの減衰力Fsaは前記式(1)で求められ、この値とスカイフックダンパ8kの減衰力Fsaとが同等(Fsky =Fsa)になるようにする。このときの変換式は次式(3)で示される。
sa=V2 ×Csky … … (3)
(但し、V2 ×V21<0のとき、Csa=最小値)
なお、式(3)中、但し書きは、スカイフックダンパ8kとセミアクティブダンパ8aとは、発生する力の方向が常には同じにならないので、異なる方向の力を発生するときはセミアクティブダンパ8aを最小減衰力を発生する指示値(減衰係数)に設定することを示している。
【0011】
式(3)から明らかなように、ばね上の速度V2 に比例した減衰力をセミアクティブダンパ8aで発生させることによりスカイフックダンパ8kを用いた振動抑制制御を行って(すなわち、スカイフックダンパ8kを構成できて)、制振性能の向上を図ることが可能となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ダンパ速度センサを用いずに前述のスカイフック理論の制御を行って適正な振動抑制を図ることができる鉄道車両用振動制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
課題を解決するための手段
請求項1の発明は、鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間における進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規制するように介装された減衰係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度から水平横方向成分、ヨー成分を求め、該水平横方向成分、ヨー成分にそれぞれ対応する前、後側の目標減衰係数を示す前、後側の減衰係数指示信号をそれぞれ前記前、後側のダンパに出力して前記前、後側の目標減衰係数を設定させるコントローラとを備えた鉄道車両用振動制御装置において、車体の前、後側の水平横方向加速度を検出する加速度検出手段を有し、前記前、後側の目標減衰係数を前記加速度検出手段が検出した前、後側の水平横方向加速度から得られる除算用加速度で常に除算することにより前記前、後側の目標減衰係数を補正して前記減衰係数指示信号を出力することを特徴とする。
請求項1の構成において、水平横方向加速度が小さいときは、目標減衰係数が過大にならないように水平横方向加速度の最小値に制限を設けてもよい。また、請求項1又は2の構成において、水平横方向加速度が大きいときは、目標減衰係数が過小にならないように水平横方向加速度の最大値に制限を設けてもよい。
【0017】
請求項4の発明は、鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間における進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規制するように介装された減衰係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度から水平横方向成分、ヨー成分を求め、該水平横方向成分、ヨー成分にそれぞれ対応する前、後側の目標減衰力を示す前、後側の減衰力指示信号をそれぞれ前記前、後側のダンパに出力して前記前、後側の目標減衰力に対応する前、後側の減衰係数を設定させるコントローラとを備えた鉄道車両用振動制御装置において、車体の前、後側の水平横方向加速度を検出する前、後側の加速度検出手段を有し、前記各減衰力指示信号を、各目標減衰力の2倍の値から前記各水平横方向加速度に車体質量を乗算した値を減算して求めた値になるように補正することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施の形態の鉄道車両用振動制御装置を図1ないし図10に基づいて説明する。なお、図16、図17に示す部材、部分と同等の部材、部分についての図示、説明は、適宜、省略する。
この装置では、図1に示すように、台車1が車輪2を介して2本のレール3に走行可能に載置されている。車輪2を回動可能に支持する軸11と台車1との間にはばね部材5が介装されている。車体4の前、後側には、車体4の前、後側の水平横方向の加速度を検出する前、後側の横加速度センサ12f,12rが設けられている。
【0019】
図1、図2において、ダンパ8は車両の前、後側に設けられた前、後側のダンパ8f,8rからなっている。前、後側のダンパ8f,8rは、油液が封入されたダンパ本体13と、ダンパ本体13に変位可能に収納されたピストン(図示省略)と、ピストンに固定され一端部がダンパ本体13から突出するシャフト14と、ピストンを含むダンパ本体13内に設けられ、油液流路(図示省略)の調整により減衰力を発生する減衰力発生機構(図示省略)と、この減衰力発生機構を作動して減衰力を調整するバルブ機構15と、後述する制御電流を入力してバルブ機構15を駆動する比例ソレノイド16とから、なっており、ダンパ本体13が車体側ブラケット7に固定され、シャフト14が台車側ブラケット6に固定されている。
【0020】
ダンパ8は、図3、図4に示す減衰力特性を有している。ここで、図3は、比例ソレノイド16に供給される電流Iに対するピストンのスピード(ダンパ8スピード)10cm/s のときの減衰力を示したものである。ダンパ8は、通常電流I2 では減衰力は、伸び側、縮み側共に小さい値(ソフト)になっている。電流IをI2 からI1 へと小さくすると、減衰力特性は、縮み側減衰力を小さい(ソフト)状態で伸び側の減衰力が大きく(ハードに)なる。これに対して、電流IをI2 からI3 へと大きくしていくと、伸び側減衰力を小さい(ソフト)状態で縮み側の減衰力が大きく(ハードに)なる。
【0021】
また、図4は、ピストンのスピードに対する減衰力を示している。電流IがI1 からI2 の間では、縮み側は、実線E1 に示すように略一定値の状態で伸び側が実線E2 から実線E3 の間の減衰力を得ることになる。また、電流がI2 からI3 の間では、伸び側減衰力は実線E3 に示すように略一定の状態で、縮み側減衰力が実線E1 から実線E4 の間で可変になる。
【0022】
コントローラ10は、図5に示すように電力供給を受ける(ステップS1)と、まず初期設定を行なって(ステップS2)制御周期に達したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3では、制御周期に達したと判定するまで繰り返して制御周期に達したか否かを判定する。
【0023】
ステップS3で制御周期に達したと判定すると、前制御周期の電流信号に基づいてアクチュエータ(比例ソレノイド16)を駆動し電流信号に対応する減衰係数を得る(ステップS4)。続いてステップS5でアクチュエータ以外の機構(LEDなど)に信号を出力して制御する。次に横加速度センサ12f,12rから横加速度信号αを読み込む(ステップS6)。続いて横加速度信号αに基づいて図6の演算処理を行って、目標減衰係数Cを求め、これに対応する電流Iの決定を行い(ステップS7)、次の制御周期のステップS4で電流信号に基づいてアクチュエータ(比例ソレノイド16)を駆動して所望の減衰係数を得る。
【0024】
ここで、上記ステップS7の演算処理内容を前側の横加速度センサ12fの検出信号を対象にして図6に基づいて説明する。なお、後側の横加速度センサ12rの検出信号についても以下に示す図6と同等の処理が行われるが、その図示、説明は、適宜、省略する。
まず、横加速度センサ12fで検出された横加速度αはブロックB1で積分処理され、これにより横速度Vが得られ、この横速度VがブロックB2に送られる。ブロックB2ではハイパスフィルタ処理を実行しブロックB1の積分誤差を除去する。
【0025】
ブロックB2からの横速度VにブロックB3で制御周波数帯域を制限するローパスフィルタ処理を行う。ブロックB3でローパスフィルタ処理を行うことにより、ノイズ成分などの余分な高周波成分や非制御周波数領域を制限することができる。
ブロックB3のローパスフィルタ処理後の信号に、ブロックB4でゲインK1 を乗算し制御量の大きさを最適な値に設定して速度データV′を得る。この速度データV′が補正部B5で目標減衰係数Cに変換されて選択部B6に送られ制御電流Iとして比例ソレノイド16に送られる。選択部B6では、あらかじめ設定された、目標減衰係数Cとこれに対応する電流信号(便宜上、図6のブロックB6中にこの情報を示すグラフを模式的に示している。)とを格納しており、前記補正部B5からの目標減衰係数Cをアドレスとして指定し、これに対応する電流信号が出力される。
【0026】
補正部B5は、横加速度センサ12f側にブロックB7を介して接続されている。ブロックB7は、図6に示すような加速度αと除算用加速度Jを対応して格納している。すなわち、加速度αの絶対値が小さい(A≠0)領域では除算用加速度Jを、加速度αの正負に対応した正負の一定値とし、加速度αの絶対値が大きい領域では除算用加速度Jを加速度αに略比例した値とし、A=0の際には、前記正負の一定値(J≠0)としている。A=0の際には、正負の一定値(J≠0)とすることにより、後述するように補正部B5の演算においてブロックB4からの速度データを「0」で除算しないようにしている。
そして、ブロックB7は、横加速度センサ1fからの加速度αに応じた除算用加速度JをブロックB7に出力する。補正部B5は、ブロックB4からの速度データVを除算用加速度Jで除算して目標減衰係数CとしてブロックB6に出力している。
【0027】
ブロックB7に格納するデータは、図7、図8または図9に示すようなデータでもよい。
図7に示すデータは、加速度αの絶対値が小さい領域では除算用加速度Jを一定値とし、加速度αの絶対値が大きい領域では除算用加速度Jを加速度αに略比例した値としたものになっている。
図8に示すデータは、加速度αの絶対値が小さい領域における除算用加速度Jを一定値としているが、その値は図7に示すものに比して大きく設定し、補正部B5で得られる目標減衰係数Cが過大になるのを防止している。
図9に示すデータは、図7に示すデータに比して、加速度αが最大、または最小側の領域において一定値とし、補正部B5で得られる目標減衰係数Cが過小になるのを防止している。
【0028】
上述したように、補正部B5でブロックB4からの速度データを除算用加速度Jで除算して目標減衰係数Cを求めるようにしたのは、制御データを次のように変換してスカイフック理論による制御を可能なものとするためである。
すなわち、式(1)を変換すると、式(2)のFsa=V21×Csaから、
21×Csa=V2 ×Csky … … (3)
となる。この式から次式(4)が導かれる。
sa=(V2 /V21)×Csky … … (4)
【0029】
式(4)は、セミアクティブダンパ8aの減衰係数をダンパ速度で補正することにより、得られる目標減衰係数Cがスカイフックダンパ8kの減衰係数と等価なものになることを示している。このとき、ダンパ速度が速い場合には、減衰力がばね力に対して大きくなるため、車体4の加速度と減衰力とが比例関係に近くなり、式(4)の除算用のV21は車体4の加速度αで置き換えられ、式(4)は、式(5)に変換される。
sa=(V2 /α)×Csky … … (5)
【0030】
この式(5)は、セミアクティブダンパ8aの減衰係数を加速度αで補正することにより、得られる目標減衰係数Cがスカイフックダンパ8kの減衰係数と等価なものになることを示している。このため、補正部B5の処理を行うことにより、スカイフックダンパ8kによる各種データを用いた振動抑制制御が行われ(すなわち、スカイフックダンパ8kが構成され)、制振性能の向上を図ることが可能となる。
また、良好な制振性の確保をダンパ速度センサを用いずに達成するので、装置のコストアップを招かず、かつ保守性を損ねることがない。
【0031】
上述した実施の形態では、本発明の装置を、レール3が2本であるタイプの鉄道車両に用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、図10に示すモノレールタイプの鉄道車両に用いてもよい。図10に示す装置は、図1の装置に比して、2本のレール3に代えて、コンクリート軌道の1本のレール3を有したものになっていること、図1の装置で用いた軸11と台車1との間に介装したばね部材5を用いないことが異なっている。
【0032】
また、図6の制御に代えて、図11に示すように水平横方向の移動、ヨーに係る制御(以下、水平横方向、ヨー制御という。)に際し、スカイフック理論の制御を行えるように構成してもよい。図11において、合成部B10は、前、後側の速度を加算し(すなわち、車体の前、後側の水平横方向速度から両速度の和に相当する水平横方向成分を得)、減算処理部B11は、前側の速度から後側の速度を引く減算処理を行う(すなわち、車体の前、後側の水平横方向速度から両速度の差に相当するヨー成分を得る)。合成部B10、減算処理部B11には、ブロックB4、B3を介して上述したのと同等の補正部B5が接続されている。補正部B5には、それぞれ合成部B12、減算処理部B13を介して、前、後側のブロックB6が接続されている。合成部B12は、両補正部B5からの信号を加算する。また、減算処理部B13は、水平横方向側の補正部B5の出力値からヨー側の補正部B51の出力値を減算する。補正部B5は、前、後側の横加速度センサ12f,12r側にそれぞれ、上述したのと同等のブロックB7を介して接続されている。
【0033】
この装置では、合成部B10、合成部B12を設けることにより、車両が水平横方向移動することを検出すると共に、減算処理部B11、ブロックB13を設けることにより、車両がヨー移動するのを検出し、検出データに応じてブロックB6等により所望の減衰係数を設定して水平横方向移動、ヨー移動を抑制する。また、補正部B5の処理を行うことにより、上述したのと同様にスカイフックダンパ8kによる各種データを用いた振動抑制制御が行われ(すなわち、スカイフックダンパ8kが構成され)、制振性能の向上を図ることが可能となる。
【0034】
次に、図12ないし図14に基づいて本発明の第2実施の形態を説明する。なお、図1ないし図11に示す部材、部分と同等の部材、部分についての説明、図示は、適宜、省略する。
【0035】
この装置のコントローラ10は、図12に示すように、図5のステップS7に代えて、目標減衰力Dを決定するステップS7A 、及び目標減衰力Dの補正を行うと共に目標減衰力Dに対応する目標電流(制御電流)Iの決定を行うステップS7B を設けている。
また、図13に示すように、図6の補正部B5に代えて、乗算部B20及び減算部B21を設け、かつブロックB7に代えてブロックB23を設けている。乗算部B20は、ブロックB4からのデータに「2」を乗算して減衰力Dを得る。ブロックB23は、横加速度αに車体4の質量Mを乗算して推定荷重F(=Mα)を出力する。減算部B21は、D−Mαの演算を行う。本実施の形態では、乗算部B20、減算部B21及びブロックB23が補正部を構成している。
【0036】
減算部B21が、前述したようにD−Mαの演算を行うように構成したのは、スカイフック理論による制御を行えることに基づくものである。このことを、図14に基づいて説明する。
図14は、図4の伸び側部分について細かく区切って示したものである。横軸がピストンスピード(ダンパ速度)で、縦軸が減衰力であり、電流をパラメータとして示している。
【0037】
図中、実線E5 は、本装置のコントローラ10に格納したデータであり、I1 〜I2 間の所定電流におけるダンパ8のピストンスピード・減衰力特性(電流特性)を示し、ダンパ速度(V)をx、減衰力(Y)をyとすると、次式(6)で表すことができる。
y=ax+b1 (a,b1 ;定数) … … (6)
ここで、目標減衰力が減衰力Y2 とされると、ピストンスピードが減衰力Y2 (◎印)に対応するV1 であれば、最適な減衰力制御を行えるが、仮にピストン速度がV2 になっていると、実線E5 中の●印で示す減衰力Y3 (Y3 >Y2 )を発生し、振動抑制が過剰に行われてしまうことになる。前記減衰力Y3 は、略、横方向加速度αに車体4の質量Mを乗算した値となる。
【0038】
前記過剰な振動抑制を防止するために、次のようにセミアクティブダンパ8aへの制御データの変換処理を行う。すなわち、ピストンスピードV2 においてスカイフックダンパ8kの減衰力Y2 (◎と等価な○印)を得られるようなセミアクティブダンパ8aの制御電流を求めれば良い。なお、電流特性(横軸;ピストンスピード(ダンパ速度)、縦軸;減衰力)は、ダンパ速度が比較的大きな場合には、その傾きは同等であり、式で示すと次式(7)で示され、図14には実線E6 で表せる。
y=ax+b2 (a,b2 ;定数) … … (7)
【0039】
そのため、
◎印の座標(目標減衰力)(V1 ,Y2
●印の座標(実際に発生している力)(V2 ,Y3
○印の座標(V2 における目標減衰力)(V2 ,Y2
△印の座標(V2 における目標減衰力をダンパスピードV1 に変換した場合の座標)(V1 ,Y0
を前記式(6)、(7)にそれぞれ代入し、整理することにより、
0 =2×Y2 −Y3 … … (8)
が、得られ、これによりY0 を推定することができる。そこで、このY0 に従ってコントローラ10に予め格納された、電流・減衰力特性データを参照し、電流を決定すると、補正後に実際に発生する減衰力は、ダンパスピードがV2 になっているため○印の座標に位置し、スカイフック理論で目標とした減衰力◎印の座標(Y2 )を発生させることができる。
【0040】
ここで、Y2 は、実際の目標減衰力(図13中ブロックB4の出力に相当する。)であるから明かである。なお、2×Y2 は図13中ブロックB20の出力である減衰力Dに相当する。Y3 は、Mαであり、これは図13中ブロックB23の出力である推定荷重Fに相当する。
すなわち、目標減衰力の2倍の値から実際に車体4に働いている力を引いた値に基づいて比例ソレノイド16を制御することによりスカイフック理論による制御を構成でき、これにより制振性能の向上を図ることが可能になる。
【0041】
また、図13の制御に代えて、図15に示すように水平横方向、ヨー制御に際し、スカイフック理論の制御を行えるように構成してもよい。この装置では、合成部B10(図11参照)図15に示すように合成部B12を設けることにより、車両が水平横方向移動することを検出すると共に、減算処理部B11(図11参照)、ブロックB13を設けることにより、車両がヨー移動するのを検出し、検出データに応じてブロックB6等により所望の減衰係数を設定して水平横方向移動、ヨー移動を抑制する。また、図13に示したようにブロックB20、ブロックB21、ブロックB23による演算処理により、上述したのと同様にスカイフックダンパ8kによる各種データを用いた振動抑制制御が行われ(すなわち、スカイフックダンパ8kが構成され)、制振性能の向上を図ることが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、セミアクティブダンパの減衰係数がスカイフックダンパの減衰係数に対しダンパ速度に反比例し、かつダンパ速度がダンパ速度が大きい時に車体横加速度に略比例することにより、加速度データを用いてセミアクティブダンパの減衰係数の算出が図れ、スカイフックダンパの構成が可能となって良好な制振性を維持できる。また、良好な制振性の確保をダンパ速度センサを用いずに達成するので、装置のコストアップを招かず、かつ保守性を損ねることがない。
【0043】
請求項記載の発明によれば、セミアクティブダンパ、スカイフックダンパの電流をパラメータとしたダンパ速度・減衰力特性から、セミアクティブダンパの目標減衰力指示値が目標減衰力の2倍の値から水平横方向加速度に車体質量を乗算した値を減算して求めた値になるように補正することにより、セミアクティブダンパの減衰力をスカイフックダンパで等価的に置き換えることが可能となるので、スカイフックダンパの構成が可能となって良好な制振性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態の鉄道車両用振動制御装置を模式的に示す図である。
【図2】同鉄道車両用振動制御装置のダンパを示す正面図である。
【図3】同ダンパのピストンスピード・減衰力特性を示す図ある。
【図4】同ダンパの電流・減衰力特性を示す図である。
【図5】同鉄道車両用振動制御装置のコントローラの制御内容を示すフローチャートである。
【図6】同コントローラのステップS7の処理内容を模式的に示すブロック線図である。
【図7】図6のブロックに格納するデータの一例を示す加速度・除算用加速度特性を示す図である。
【図8】図7のデータに代える他の加速度・除算用加速度特性を示す図である。
【図9】さらに他の加速度・除算用加速度特性を示す図である。
【図10】モノレールタイプの鉄道用車両を模式的に示す図である。
【図11】図6に代える制御ブロック図である。
【図12】本発明の第2実施の形態の鉄道車両用振動制御装置のコントローラの処理内容を示すフローチャートである。
【図13】同鉄道車両用振動制御装置の制御ブロック図である。
【図14】同鉄道車両用振動制御装置のダンパをスカイフックダンパに置き換えるための説明図である。
【図15】図13に代える制御ブロック図である。
【図16】スカイフックダンパを説明するための模式図である。
【図17】従来の鉄道車両用振動制御装置の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 台車
4 車体
8f,8r 前、後側のダンパ
10 コントローラ
12f,12r 前、後側の横加速度センサ

Claims (4)

  1. 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間における進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規制するように介装された減衰係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度から両速度の和に相当する水平横方向成分、差に相当するヨー成分を求め、該水平横方向成分、ヨー成分にそれぞれ対応する前、後側の目標減衰係数を示す前、後側の減衰係数指示信号をそれぞれ前記前、後側のダンパに出力して前記前、後側の目標減衰係数を設定させるコントローラとを備えた鉄道車両用振動制御装置において、車体の前、後側の水平横方向加速度を検出する加速度検出手段を有し、前記前、後側の目標減衰係数を前記加速度検出手段が検出した前、後側の水平横方向加速度から得られる除算用加速度で常に除算することにより前記前、後側の目標減衰係数を補正して前記減衰係数指示信号を出力することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  2. 水平横方向加速度が小さいときは、目標減衰係数が過大にならないように水平横方向加速度の最小値に制限を設けた請求項1記載の鉄道車両用振動制御装置。
  3. 水平横方向加速度が大きいときは、目標減衰係数が過小にならないように水平横方向加速度の最大値に制限を設けた請求項1又は2記載の鉄道車両用振動制御装置。
  4. 鉄道車両の台車と該台車に水平方向に揺動可能に支持された車体との間における進行方向の前、後側に、進行方向に対して水平横方向の車体の運動を規制するように介装された減衰係数調整可能の前、後側のダンパと、車体の前、後側の水平横方向速度から両速度の和に相当する水平横方向成分、差に相当するヨー成分を求め、該水平横方向成分、ヨー成分にそれぞれ対応する前、後側の目標減衰力を示す前、後側の減衰力指示信号をそれぞれ前記前、後側のダンパに出力して前記前、後側の目標減衰力に対応する前、後側の減衰係数を設定させるコントローラとを備えた鉄道車両用振動制御装置において、車体の前、後側の水平横方向加速度を検出する前、後側の加速度検出手段を有し、前記各減衰力指示信号を、各目標減衰力の2倍の値から前記各水平横方向加速度に車体質量を乗算した値を減算して求めた値になるように補正することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
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