JP3826034B2 - 偏流防止浸漬ノズル及びスライディングノズル装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、鋼の連続鋳造に際してモールド内に溶鋼を注入するために使用する浸漬ノズルに関する。
背景技術
この浸漬ノズルには、通常、そのノズル孔の下端付近の左右に2つの吐出口が形成されている。鋳造中はプレートや上ノズル等のノズル孔面積を絞って流量制御をしているため、浸漬ノズルの内径は、その絞った孔面積に対して1.1〜3倍程度となっている。このため、プレートや上ノズルから落下する溶鋼は、流心が偏心してノズル内孔の溶鋼の流れが一方に偏る偏流を生じる傾向がある。この結果、吐出口から左右均等に溶鋼が流出しなくなることがある。この吐出口での偏りは、鋳型内における溶鋼の均一な凝固を妨げ、凝固した後の鋳片の組織が不均一になる。
図17は、3枚のプレートからなるスライディングプレート80の中間プレート81を摺動することにより流量制御する装置の例であり、摺動方向が吐出口82と直角方向になっている。この例では溶鋼は矢印のように偏流するが,偏流方向が吐出口82と直角方向であるため、ノズルの吐出口からの吐出流は偏らないという意図で使用されている。しかし現実には、この吐出口からの吐出流も偏りが発生している。この原因は、中間プレート81の穴を摺動することで発生した偏流がノズルの内孔83を落下するときにねじれを起こすために吐出口82からの吐出流が偏りを起こすと考えられている。
また、特開平11−123509号公報には、浸漬ノズルの内孔部に段差構造を設けると、アルミナ付着による浸漬ノズルの閉塞を防止するとともに浸漬ノズル内孔部での偏流を防止して管内流速を均質化することができると記載されている。
しかしながら、本発明者等が水モデル実験でテストを繰り返したところ、段差を設けただけでは、タンディッシュから浸漬ノズルへの溶鋼の流量制御を行うスライディングノズルやストッパー等により発生している浸漬ノズル内孔部の偏流に起因する吐出流の偏流を完全に防止するには、不十分であることがわかった。
発明の開示
本発明は、鋼の連続鋳造に使用される浸漬ノズルにおいて内孔部の偏流に起因する吐出流の偏流を防止するための次の(1)〜(6)に示す偏流防止浸漬ノズルである。
(1)相対する2つの吐出口を有する浸漬ノズルであって、吐出口より上の内孔に一つ以上の内孔縮小部を有し、吐出口に最も近い内孔縮小部が水平断面における内孔の形状が長円である内孔長円形縮小部であり、その長円の長手方向の向きが吐出口の方向とほぼ平行であることを特徴とする偏流防止浸漬ノズル。
(2)長円の長手方向の向きが吐出口の方向とほぼ平行になっている内孔長円形縮小部を、吐出口に2番目に近い内孔縮小部として設けたことを特徴とする(1)に記載の偏流防止浸漬ノズル。
(3)最上部の内孔縮小部が、長円の向きがプレートの摺動方向に対して直角である内孔長円形縮小部であることを特徴とする(1)または(2)に記載の偏流防止浸漬ノズル。
(4)内孔縮小部以外の内孔が、その断面がほぼ円形であることを特徴とする(1)、(2)または(3)に記載の偏流防止浸漬ノズル。
(5)吐出口に最も近い内孔長円形縮小部の下端面が、吐出口の上端から吐出口高さHの0.3H〜2Hであることを特徴とする(1)、(2)、(3)または(4)に記載の偏流防止浸漬ノズル。
(6)吐出口に最も近い内孔長円形縮小部の下端面が、吐出口の上端から吐出口高さHの0.3H〜2Hで、その上部の内孔長円形縮小部との間隔が、内孔の径Dの0.3D〜2Dであり、しかもそれぞれの内孔縮小部の長さが0.5D〜5Dであることを特徴とする(1)、(2)、(3)または(4)に記載の偏流防止浸漬ノズル。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の実施例を図1と図2に示す。
図1は浸漬ノズル1の内孔2で吐出口4の上部に、内孔縮小部として内孔長円形縮小部3を有している。内孔長円形縮小部3の内孔は、図2(b)に示すように水平断面において長円形状をしている。また吐出口4は、図2(c)に示すように相対する2つの吐出口4を有している。図2の矢印で示す内孔長円形縮小部の水平断面における長円の長手方向の向きは、同じく矢印で示す吐出口方向とほぼ平行になっている。図1では内孔長円形縮小部以外は図2(a)に示すように内径がほぼ一定で断面が円形のストレートになっている。
本発明の第2の実施例を図3と図4に示す。
図3は浸漬ノズル1の内孔2の吐出口4より上部に、吐出口4に最も近い内孔縮小部と吐出口4に2番目に近い内孔縮小部の2つの内孔長円形縮小部3を有している。そして、2つの内孔長円形縮小部3の間に、内孔拡大部12を有している。内孔長円形縮小部3の内孔2は、図4(a)および図4(b)に示すように、水平断面において長円形状をしている。また吐出口4は図4(c)に示すように相対する2つの吐出口4を有している。図4の矢印で示す内孔長円形縮小部の水平断面における長円の長手方向の向きは、同じく矢印で示す吐出口方向とほぼ平行になっている。図3では内孔縮小部以外は内径がほぼ一定で断面が円形のストレートになっている。
本発明では、浸漬ノズルの上部にある流量制御ノズルの内孔面積を基準としてそれより小さい場合を内孔縮小部と呼ぶことにする。図1の場合、流量制御に内孔面積50.24cmのプレートれんがを使用し、内孔長円形縮径部の面積は35cmである。またストッパー制御の場合は上ノズル(タンディッシュノズル)の内孔の最小面積が基準となる。場合によっては上ノズルが一体になった浸漬ノズルもあり、この場合には、上ノズルに相当する部分の内孔の最小面積が基準である。
本発明の第3の実施例を図5と図6に示す。
本実施例の浸漬ノズルは、全部で3つの内孔縮小部を有している。内孔2の吐出口4の上部には、吐出口4に最も近い内孔縮小部と吐出口に2番目に近い内孔縮小部として内孔2が長円の2つの内孔長円形縮小部3を有している。
最上部の内孔縮小部は、水平断面が円形である内孔円形縮小部5を有している。2つの内孔長円形縮小部3は、その間に、この2つの内孔長円形縮小部3の内孔断面積より大きい断面積の内孔拡大部12を有している。図6の矢印で示す内孔縮小部の水平断面における長円の長手方向の向きは、同じく矢印で示す吐出口方向とほぼ平行になっている。この実施例の噴射ノズルの内孔縮小部以外の内孔は円形である。
このように吐出口4に最も近い内孔縮小部を内孔長円形縮小部3とすることで、その溶鋼流の流れを矯正し、偏流を改善することができる。つまり、内径を中心寄りに狭くすることで、偏心している流心を中心寄りに矯正する。この時、内孔2の形状は長円形状であり、しかも長円の長手方向の向きは、吐出口4の方向とほぼ平行になっている。このため、2つの吐出孔4に対してより均等に溶鋼を供給することが可能となり、左右の吐出口4からの溶綱の吐出量をより均等にすることができる。
さらに、吐出口に2番目に近い内孔縮小部として内孔長円形縮小部3を設けることで、より吐出口4から出る溶鋼の上下方向のバラツキを少なくする効果が得られる。
一般的に溶鋼の吐出口からモールドへ流出する流れは、図7に示すように吐出口4の下端部ほど流速が早くなり、矢印の長さで示すような流速分布となっている。そして、上下の流速の差が大きくなると、モールド内の溶鋼の流れが乱れ、鋼の品質に悪影響を及ぼすとされている。
図1の吐出口4に最も近い内孔長円形縮小部3を長くすると、吐出口に供給する溶鋼の左右方向の偏流防止には効果があると考えられるが、一方では内孔断面積が小さい部分がより長くなるため、溶鋼の流速が速くなる。内孔での流速が速くなると、この吐出口での上下方向での流速の差が大きくなり、鋼の品質に悪影響を与える恐れが出てくる。
従って、内孔拡大部を挟んで、吐出口に2番目に近い内孔縮小部として内孔長円形縮小部を設けることで、段差によって圧損が生じるため流速が低下し、全体の速度分布が均一な状態に近づく効果が得られる。しかも、長円の長手方向の向きが吐出口方向とほぼ平行になっているので、左右方向での溶鋼の偏流防止効果は1つの場合よりより高くなる。この場合、内孔拡大部は、流速を低下する目的で設けるので、両側の内孔長円形縮小部の断面積より大きければその効果が得られる。
また、内孔縮小部以外の内孔の断面がほぼ円形、しかも浸漬ノズルの外形もほぼ円形であるつまり基本構造が円筒形になっている方が、ノズルの実用面からは好ましい。円筒形の方が、製造面でより低コストで品質も安定して製造することができ、使用時にも、熱応力がより均一にかかるためライフもより長いのである。
従って、内孔縮小部以外の内孔の水平断面と浸清ノズルの外面の水平断面がほぼ円形であることが、実用面からより好ましい。
本発明の第4の実施例を図8及び図9に示す。
最上部の内孔縮小部6は、長円の長手方向の向きは、図中矢印で示すプレートの摺動方向Zと直角の方向になっている。つまり、プレートの内孔を絞って鋳造する場合に起因する偏流の流心を内孔の中心寄りにする効果が得られるのである。
この場合、円形の内孔縮小部でもその効果はある程度得られるものの、同面積の場合には、長円の方がはるかに効果が大きい。つまり、円の直径より長円の短辺方向の距離の方が小さいので流心がより中央に近づきやすいためである。しかも、吐出口の上にある内孔長円形縮小部が吐出口に平行になっているので、たとえ上部の内孔長円形縮小部が吐出口と直角になっていても、偏流防止効果が得られる。
図8の浸漬ノズルの内孔縮小部と吐出口との位置関係を説明するための図10において、吐出口4に最も近い内孔長円形縮小部8はその下端面9が、吐出口4の上端10から、吐出口高さHの0.3H〜2Hの範囲に設けることにより偏流防止効果がより得られる。内孔縮小部と吐出口4との間に内孔拡大部11を設けることで、内孔2を落下する溶鋼流が圧損を生じるため流速を低下することができる。前述の図7で説明したように流速が低下することで吐出口上下方向の流速のバラツキを少なくすることができる。従って、ここで言う内孔拡大部11は、吐出口4に最も近い内孔長円形縮小部8の内孔断面積より大きければその効果が得られるのである。
また、吐出口4に最も近い内孔長円形縮小部8と、2番目に吐出口4に近い内孔長円形縮小部7との間隔Kが、内孔の径をDとしてK=0.3D〜2Dであると、より偏流防止効果が得られる。この間隔は、溶鋼の流速を低下するために設けるものであり、間隔が0.3Dより小さいと、圧損による流速低下効果が十分得られず、間隔が2Dを超えると溶鋼の矯正効果が十分得られない。
また、内孔長円形縮小部の長さLは、0.5D〜5Dであるとより偏流を抑制する効果が得られ、0.5D未満では、矯正効果が不足し,5Dを超えると流速が早くなりすぎる。
ここで、内孔の径のDは、内孔のうち水平断面における内孔の断面積が最大部の径とする。
図10においては、内孔の径Dは90mm、吐出口4に2番目に近い内孔長円形縮小部7の長さLは150mm、吐出口4に最も近い内孔長円形縮小部8の長さLは150mm、内孔拡大部11つまり2つの内孔長円形縮小部7,8の間隔Kが100mm、吐出口上端と、吐出口4に最も近い内孔長円形縮小部8の下端面との長さは50mm、内孔高さHは70mmである。
本発明でいう水平断面において内孔が長円形状をした内孔長円形縮小部には、例えば図11に示すように、(a)の長円形、(b)の長方形、さらには、(c)に示す長多角形等も本発明にいう長円形状に含まれる。
本発明の浸漬ノズルによって、鋼の連続鋳造において対向する吐出口から偏流を防止し、吐出流を均等化することにより、モールド内の溶鋼の流れを安定化、モールド内の偏流を防止して、パウダー、気泡等の巻き込みを低減し、鋼の均質凝固に寄与し、鋼の安定鋳造、品質向上を可能にする。さらに、ノズル孔及び吐出口への介在物の付着が減少した。
以下、本発明に係わる各種内孔形状の浸漬ノズルをアクリルで作成し、図12に示す要領で水モデル実験を行い偏流状態を観察した結果を示す。
試験装置はアクリルで作成したモールドを想定した水槽13とその中に配置したアクリル製浸漬ノズル14で、一定の水を浸漬ノズルの内孔に供給しつつ、同じ量の水を水槽から排出し、常に水面のレベルが一定になるようにした。偏流の程度を調査するため、水槽表面の水の速度と吐出口から出る水の流速を測定した。
水槽表面の流速は、歪ゲージ15を取り付けた薄いプラスチック板16を水面付近の左右に配置しその歪量を測定した。この歪は、以下の式に示すように水流の速度に対応したものであり、以下の式により歪量から流速を計算することができる。
Figure 0003826034
そして,この表面の水の流れは、矢印で示すように、吐出口17から出る水の反転流であり、この反転流の左右の差が吐出口17からの偏流の程度を知ることができる。さらに、吐出口17の上下方向の水流の分布はピトー管を吐出口17の上中下の3箇所に配置することで流速を測定した。
表1には、図13に示す各種浸漬ノズルについて反転流を測定した結果を示す。反転流の評価は、左右の水の流速差をB[m/sec]、内孔の水の通過量をSとして[m/min]、B/Sで示した。B/Sと表示する理由は、反転流は水の通過量にほぼ比例するためである。
流速は30分間テストを実施し、その間の歪量の平均値から算出した。
吐出口の水流の分布は、反転流と同様、水の通過量にほぼ比例するので、吐出口の流速をVt[m/sec]として、Vt/Sで表示した,浸漬ノズルはアクリル製で、全長900mm、内径70mm、吐出口径70mmでありA〜Fに共通である。比較例Bの内孔縮小部は、面積は浸漬ノズル内孔の80%、長さが70mm、下端面からの距離は50mmである。比較例Cの内孔縮小部は、面積は浸漬ノズル内孔の80%、長さが70mm、下端面からの距離は50mmである。比較例Dの内孔縮小部は、面積は浸漬ノズル内孔の80%、長さが300mmである。実施例Eの内孔縮小部は、面積は浸漬ノズル内孔の80%、長さが70mm、下端面からの距離は50mmである。実施例Fの内孔縮小部は、内孔に最も近い方が面積は浸漬ノズル内孔の80%、長ざが70mm、下端面からの距離は50mmで、内径に2番目に近い方が面積は浸漬ノズル内孔の80%、長さが70mmである。実施例Fで、2つの内孔縮小部間の距離は50mmである。
実施例Eは内孔長円形縮小部を吐出口と平行に1つ設けだものであるが、B/Sが0.12と比較例の約1/2の値となり、大きな偏流防止効果が得られている。さらに内孔長円形縮小部を吐出口と平行に2つ設けた実施例Fは、実施例Eよりもかなり偏流防止効果が得られ、B/Sが0.10と小さい。さらに、吐出口の流速分布の差も十分小さい。
比較例のAは、ストレート形状の場合で、B/Sが0.50と偏流の程度が大きい。比較例のBは、内孔縮小部が円形でありB/Sが0.34とだいぶ改善されるが偏流はまだかなりある.比較例のCは、内孔は長円形で、内孔縮小部は円形である。これは内孔縮小部が円形のため、流れが全体的に中心部に集まるため、左右に均等に分配できないため左右の吐出口の流量に差が出る。比較例のDは、吐出口付近の内孔の断面が長円形をしているが、断面積が小さくなっているので、吐出口からの流速分布の差が大きくなっている。
Figure 0003826034
次に、内孔縮小部8の下端面9と吐出口上端10との距離の偏流に与える影響に関して、同様な水モデルテストを行った結果を図14に示す。図14(a)は前記反転流の差について、図14(b)は吐出口からの流速について測定した結果を、図14(c)はテストサンプル概略図を示す。テストサンプルはアクリル製で、吐出口は断面が円形で高さHは70mm、内孔長円形縮小部の長さLは70mm、浸漬ノズルの全長は900mm、内孔長円形縮小部は長円の向きが吐出口と平行、内孔縮小部以外の内径は円形である。
図14(a)から内孔縮小部の下端面と吐出口の上端との距離が大きくなるに従って、B/Sが増加し、偏流の程度が大きくなっている。この図から明らかなようにこの距離が2Hまでが顕著な効果を示しているが、それ以上になるとその効果が少なくなる。
また、内孔縮小部の下端面と吐出口の上端との距離は小さくなっても、B/Sは悪化しないが、吐出口からの流速の低下効果を得にくい。つまり、図14(b)に示すように内孔縮小部が吐出口に近づきすぎると、吐出口の流速が上昇する。この時、特に吐出口下端部が影響を受けやすく、流速が大きくなる。このため吐出流の上下方向のバラツキが大きくなるのである。このバラツキが大きくなると、反転流の上昇及び吐出口上部の逆流によるパウダー巻き込みの問題がある。従って、内孔縮小部の下端面と吐出口の上端との距離は0.3H以上であることが好ましい。
吐出口に最も近い内孔長円形縮小部と吐出口に2番目に近い内孔長円形縮小部との間隔が偏流に与える影響に関して、同様な水モデルテストを行った結果を図15に示す。図15(a)は前記反転流の差について、図15(b)は吐出口からの流速について測定した結果を、図15(c)はテストサンプル概略図を示す。テストサンプルはアクリル製で、吐出口は断面が円形で高さHは70mm、それぞれの内孔長円形縮小部の長さLは70mm、浸漬ノズルの全長は900mm、内孔長円形縮小部は長円の向きが吐出口と平行、内孔縮小部以外の内径は円形である。吐出口に最も近い内孔長円形縮小部は、その下端面と吐出口上端との距離は50mmと固定し、吐出口に2番目に近い内孔縮小部の位置を変えることで、2つの内孔長円形縮小部間の距離を変化させた。
図15(a)から2つの内孔縮小部の間隔が大きくなるに従ってB/Sが増加し、偏流の程度が大きくなっている。この図から明らかなように、この間隔が2Dまでが顕著な効果を示しており、2つの内孔長円形縮小部間の距離は2D以下が好ましい。
また、2つの内孔縮小部の間隔が小さくなるとB/Sは小さくなり、左右の吐出口の偏流は少なくなる。しかしその距離が小さくなりすぎると、吐出口の流速が上昇する。つまり、図15(b)のように、このため吐出流の上下方向のバラツキが大きくなるのである。このバラツキが大きくなるとパウダー巻き込みの問題がある。従って、吐出口に最も近い内孔長円形縮小部と吐出口に2番目に近い内孔縮小部との間隔下限は0.3D以上であることが好ましい。
図16は、図1の第1実施例の浸漬ノズル、図3の第2実施例の浸漬ノズル、図8の第4実施例の浸漬ノズル、比較例1として内孔がストレートな浸漬ノズル及び比較例2として図3の内孔縮小部が円形のものについて実炉で600tの溶鋼の鋳造に使用し、鋼片の表面欠陥について調査した結果をまとめたたものである。
ストレート形状の浸漬ノズルを使用した場合の、鋼片の1m当たりの欠陥の数を100と指数表示してそれぞれの場合を指数で表示した。いずれの実施例の場合にも、従来の内孔縮小部が円形の比較例2より表面欠陥が少なく、品質が良好な結果となった。
産業上の利用可能性
本発明は、鋼の連続鋳造に際してモールド内に溶鋼を注入するための浸漬ノズルに使用する。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の第1実施例の浸漬ノズルの垂直断面図である。
図2の(a)、(b)及び(c)はそれぞれ図1のA−A断面、B−B断面、C−C断面で、内孔、内孔縮小部及び吐出口部の水平断面図である。
図3は本発明の第2実施例の浸漬ノズルの垂直断面図である。
図4の(a)、(b)及び(c)は図3のA−A断面、B−B断面、C−C断面で、内孔縮小部及び吐出口部の水平断面図である。
図5は本発明の第3の実施例の浸漬ノズルの垂直断面図である。
図6の(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ図5のA−A断面、B−B断面、C−C断面及びD−D断面で、内孔縮小部及び吐出口部の水平断面図である。
図7は溶鋼の吐出口からモールドへ流出する流れの状態を示す図である。
図8は本発明の第4の実施例の浸漬ノズルの垂直断面図である。
図9の(a)、(b)、(c)及び(d)はそれぞれ図5のA−A断面、B−B断面、C−C断面及びD−D断面で、内孔縮小部及び吐出口部の水平断面図である。
図10(a)は図8の浸漬ノズルの内孔縮小部と吐出口との位置関係を説明するための垂直断面図、(b)は(a)を90°回転した断面図である。
図11は本発明でいう水平断面において内孔が長円形状をした内孔縮小部の他の例を示す断面図である。
図12は水モデル実験に使用した試験装置の概略図である。
図13は各種浸漬ノズルの垂直断面図である。
図14は内孔縮小部の下端面と吐出口上端との距離の偏流に与える影響を示すグラフである。
図15は吐出口に最も近い内孔長円形縮小部と吐出口に2番目に近い内孔長円形縮小部との間隔が偏流に与える影響を示すグラフである。
図16は各実施例、比較例の浸漬ノズルを使用して鋳造した鋼片の表面欠陥についての調査結果である。
図17は3枚のプレートからなるスライディングプレートの中間プレートを摺動することにより流量制御する装置の垂直断面図である。

Claims (5)

  1. 相対する二つの吐出口と、吐出口より上の内孔に一つ以上の内孔縮小部とを有し、縮小部以外の内孔の水平断面が円形である浸漬ノズルにおいて、吐出口に最も近い内孔縮小部が、その内孔縮小部の水平断面が長円形状をなし、この長円の長手方向を吐出口の相対する方向とほぼ平行となし、かつこの内孔縮小部の下端が吐出口上端から吐出口の高さHの0.3H〜2Hの範囲に位置するように設けられていることを特徴とする偏流防止浸漬ノズル。
  2. 相対する二つの吐出口と、吐出口より上の内孔に二つ以上の内孔縮小部とを有し、縮小部以外の内孔の水平断面が円形である浸漬ノズルにおいて、吐出口に最も近い内孔縮小部及び吐出口に2番目に近い内孔縮小部が共に、その内孔縮小部の水平断面が長円形状をなし、この長円の長手方向を吐出口の相対する方向とほぼ平行であることを特徴とする偏流防止浸漬ノズル。
  3. 吐出口に最も近い内孔縮小部の下端が吐出口上端から吐出口の高さHの0.3H〜2Hの範囲に位置するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の偏流防止浸漬ノズル。
  4. 吐出口に2番目に近い内孔縮小部とその下の吐出口に最も近い内孔縮小部との間隔が内孔の径Dの0.3D〜2Dの範囲に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の偏流防止浸漬ノズル。
  5. 摺動するプレートれんがとその下部に浸漬ノズルを備えたスライディングノズル装置において、内孔縮小部の水平断面が長円形状であり、かつこの長円の長手方向がスライディングノズル装置のプレートれんがの摺動方向と直角方向である内孔縮小部を最上段に設けた請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の偏流防止浸漬ノズルが設けられていることを特徴とするスライディングノズル装置
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