JP3825525B2 - 継手装置の検査方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車のトランスファ装置等の継手装置の製造工程において、該継手装置を回転させて発生する騒音を検査し、当該継手装置の良否を判断するための継手装置の検査方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、自動車のトランスミッションから回転駆動力を車軸に伝達する際、継手装置が用いられる。この継手装置の製造工程では、継手装置を自動車に搭載された場合と同等の条件で回転させ、このとき発生する騒音から該継手装置を構成する複数の歯車の噛合状態を確認する等の検査が行われ、継手装置の良否が判断される。この場合、継手装置から発生する騒音を測定者が聴感により判断する検査方法が考えられるが、この方法では、測定者が代わると判断結果が異なることがあり、また、測定環境等により誤差が大きくなるという問題があった。
【0003】
そこで、予め継手装置を所定の測定装置に固定して該継手装置を回転させ、当該継手装置から発生する振動のトラッキング解析を行い、一方、継手装置を自動車に搭載させた状態で回転させた場合に発生する騒音を聴感で判断し、継手装置を測定装置に固定した場合と自動車に搭載された場合の両者の結果から互いの相関関係を求め、この相関関係から継手装置を所定の測定装置に固定して測定した場合の騒音の音圧レベルのしきい値を決定し、製造工程において継手装置の騒音が前記しきい値より大きいか小さいかにより、該継手装置の品質を判断する方法がある。
【0004】
また、特開昭59−164938号公報に開示された発明「歯車異常音検出装置」(以下、従来例1という)では、ギアユニットから発生する騒音をマイクロホンで検出し、一方、該ギアユニットの回転速度を速度検出器で検出し、該回転速度に比例した周波数の成分のみを前記マイクロホンの出力信号から抽出して回転速度または周波数対音圧の特性図をXY記録計で記録し、該記録に基づいてギアユニットの品質を判定している。
【0005】
さらに、特開平8−43258号公報に開示された発明「歯車の検査装置」(以下、従来例2という)は、予め、所定の振動発生部位と、当該振動発生部位において発生する振動周波数との関係がテーブルとして格納手段に格納されており、オートトランスミッションを回転させたときに検出手段により検出された異音の周波数から、前記テーブルに基づいてオートトランスミッションの振動発生部位を確認して、オートトランスミッションの品質を判断するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、継手装置を実際に自動車に搭載して聴感で騒音を判断する場合、多くの不快音が総合的に判断されているのに対し、前記の従来技術のように、継手装置を測定装置に固定して測定した場合や、前記従来例1および従来例2の装置によって測定して判定する場合、判定のための振動または騒音の測定は、振動や、回転速度または周波数に対する音圧、または異音の周波数を単独で測定しているので、測定結果に基づく判定結果と聴感に基づく判定結果との相関関係を高くすることが困難であり、測定結果と聴感で判断した結果とが異なることがある。また、自動車の車室内の静粛性が高まり、継手装置にも低い騒音レベルが要求されるようになると、低い騒音レベルにおける前記相関関係が一層小さくなる。このため、前記従来例の測定結果が必ずしも実際の自動車が発生する騒音と一致するものではなく、測定結果の信頼性が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は前記の課題を解決すべくなされたものであって、測定装置に固定して測定された継手装置の測定結果と実際の自動車に搭載して測定された場合のそれぞれの測定結果の相関関係を高くし、換言すれば、測定装置に固定して測定された継手装置の測定結果が、実際の自動車に搭載された継手装置が発生する騒音に可及的に近づくように種々の条件設定を行って、測定結果に基づく判定結果が誤判定とならないようにすることが可能な継手装置の検査方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、回転駆動中の継手装置から発生する騒音に基づいて継手装置を検査する方法であって、
継手装置の入力軸を回転させる回転駆動工程と、
前記継手装置から発生する騒音の音圧および振動を前記継手装置近傍に設けられた音圧センサと振動センサによって検出する検出工程と、
前記検出工程で検出した前記音圧および振動の中、前記継手装置の回転速度に比例した周波数の成分をトラッキング解析により測定するトラッキング解析工程と、
前記トラッキング解析の結果から得られた前記音圧および振動の大きさと、複数に区分された音圧設定値と振動設定値とを比較して前記音圧および振動の大きさに応じた所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値を選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて音圧レベル値と振動レベル値を得るレベル設定工程と、
前記検出工程とトラッキング解析工程とレベル設定工程とが行われる一方、前記回転駆動工程の後に前記継手装置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベルに応じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値を得る騒音レベル設定工程と、
前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レベル値を加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の良否を判断する判定工程と、
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、騒音と振動のトラッキング解析の結果から、複数に区分されたレベル設定値のいずれか1つを選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音の大きさを判断するため、この定数を適当な値に設定することにより、継手装置を測定装置に固定して測定した場合の測定結果と自動車に搭載して測定した場合のそれぞれの測定結果の相関関係を高くすることができ、従って、継手装置の検査方法として好適である。
【0010】
この場合、前記トラッキング解析工程で、前記継手装置の回転速度に比例した周波数が、前記継手装置に設けられた歯車の歯数と、あらかじめ設定された所定の整数値とを前記回転速度に乗じて得られる周波数であり、前記所定の整数値は複数設定され、それぞれの整数値に対応して前記音圧および振動の大きさが測定されると、複数の整数値による測定結果によって継手装置の品質が判断されるため、測定精度が向上し、継手装置の検査方法として一層好適である。
【0011】
また、本発明は、回転駆動中の継手装置から発生する騒音に基づいて継手装置を検査する装置において、
継手装置の入力軸に係合し、該入力軸を回転させる回転駆動手段と、
前記継手装置に近接して設けられ、該継手装置の入力軸が前記回転駆動手段の付勢作用下に回転しているときに当該継手装置から発生する騒音の音圧を検出する音圧センサと、
前記継手装置に近接して設けられ、該継手装置の入力軸が前記回転駆動手段の付勢作用下に回転しているときに該継手装置の振動を検出する振動センサと、
前記音圧センサで検出した前記継手装置の騒音を測定者が聞くための音響再生器と、
前記音圧センサで検出した音圧および前記振動センサで検出した振動の中、前記継手装置の回転速度に比例した周波数の成分をトラッキング解析により測定するトラッキング解析器と、
前記トラッキング解析器によって得られた前記音圧および振動の大きさと、複数に区分された音圧設定値と振動設定値とを比較して前記音圧および振動の大きさに応じた所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値を選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて音圧レベル値と振動レベル値を得て、一方、前記継手装置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベルに応じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値を求め、前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レベル値を加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の良否を判断する演算装置と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前記回転駆動手段により前記継手装置の入力軸をその回転速度を変化させながら回転させ、このときの前記継手装置から発生する騒音の音圧を前記音圧センサで検出すると共に、前記継手装置の振動を前記振動センサにより検出する。さらに、前記騒音を前記音声再生器により再生し、測定者は聴感によりこの騒音を測定する。前記音圧および前記振動から、トラッキング解析器により前記継手装置の回転速度に比例した周波数の音圧および振動の大きさをトラッキング解析して前記演算装置に入力する。該演算装置では前記トラッキング解析された音圧および振動の大きさから所定のレベル設定値が選択され、このレベル設定値に予め設定された所定の定数を乗じて音圧レベル値および振動レベル値を得る。さらに、前記測定者が聴感によって測定した騒音の大きさから所定のレベル設定値が選択され、このレベル設定値に所定の定数を乗じて騒音レベル値を求め、この騒音レベル値と前記音圧レベル値および前記振動レベル値とを加算し、この加算された結果から前記継手装置の良否を判断する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る継手装置の検査方法について、それを実施する装置との関係において、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0014】
図1において、参照符号10は、本実施の形態に係る継手装置の検査装置を示す。この検査装置10は略L字状に形成されたテーブル12を備え、該テーブル12の上部には継手装置であるトランスファ装置14が載置位置決めされる測定台16が固着される。前記テーブル12の上部には回転駆動源であるモータ18が設けられ、該モータ18の回転軸20は前記トランスファ装置14の入力軸56と同軸的に延在している。前記回転軸20は前記トランスファ装置14の入力軸56に連結ロッド24によって連結されている。前記テーブル12には回転トルク検出器26が設けられ、該回転トルク検出器26の回転軸28の一端部は前記トランスファ装置14の出力軸70に連結部材30によって連結されている。前記回転トルク検出器26の回転軸28の他端部にはブレーキ装置32が設けられ、該ブレーキ装置32は前記出力軸70にかかるトルクが一定となるように制御される。
【0015】
前記測定台16には前記トランスファ装置14の振動を検出する振動センサ34が配置される。該振動センサ34は、図示しない弾性部材、例えば、コイルスプリング等によって前記トランスファ装置14に押圧固定されるように構成してもよい。また、前記テーブル12には前記トランスファ装置14の入力軸56の延長線上に音圧センサであるマイクロフォン36が設けられる。前記振動センサ34および前記マイクロフォン36は増幅器38に電気的に接続され、該増幅器38には音響再生器であるヘッドホン40が接続される。該ヘッドホン40には前記マイクロフォン36で検出された前記トランスファ装置14の騒音が前記増幅器38によって増幅されて入力される。前記増幅器38には汎用トラッキング解析器42が接続され、該汎用トラッキング解析器42には演算装置であるコンピュータ44が接続される。
【0016】
本実施の形態に係る継手装置の検査装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に本実施の形態に係る検査方法で使用されるトランスファ装置14について、図2を参照して説明する。
【0017】
このトランスファ装置14は略L字状に形成された中空のケーシング50を備え、該ケーシング50には孔部50a〜50dが画成され、2つの孔部50a、50bは蓋部材52、54によって閉蓋される。前記ケーシング50の内部には入力軸56がベアリング58、60によって回転自在に支持される。該入力軸56の一方の端部には歯車62が形成され、該歯車62は前記ケーシング50の孔部50cから外方に突出している。前記入力軸56の他端部には傘歯車64が固着され、該傘歯車64はベアリング66によって前記ケーシング50に回動自在に支持される。
【0018】
前記ケーシング50の内部には前記入力軸56と直交して出力軸70が設けられ、該出力軸70はベアリング72、74によって回転自在に支持される。前記出力軸70の一端部には傘歯車76が形成され、該傘歯車76は前記傘歯車64に歯合する。前記出力軸70の他端部は前記孔部50dから突出して前記出力軸70と図示しない車軸等とを接続するためのコンパニオンフランジ78が固着される。該コンパニオンフランジ78と前記孔部50dを形成する壁部との間にはオイルシール80が設けられ、該オイルシール80は前記トランスファ装置14内部に導入された潤滑油等が該トランスファ装置14から漏洩することを防止している。
【0019】
本実施の形態の検査方法に使用されるトランスファ装置14は以上のように構成されるものであり、次に、本実施の形態に係る継手装置の検査方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0020】
先ず、検査装置10の測定台16にトランスファ装置14が載置位置決めされる(図1参照)。この場合、入力軸56はモータ18の主軸に連結ロッド24を介して係合し、一方、出力軸70は回転トルク検出器26に対し連結部材30を介して連結されている。このため、入力軸56はモータ18の回転軸20と一体的に回転し、一方、出力軸70は回転トルク検出器26の回転軸28と一体的に回転する。
【0021】
次に、モータ18を付勢して入力軸56を回転させ(ステップS1)、該入力軸56の回転速度を徐々に上昇させる。トランスファ装置14の内部では、前記のように入力軸56が回転すると傘歯車64が入力軸56と一体的に回転し、このため傘歯車76を介して出力軸70が回転する(図2参照)。出力軸70が回転すると、回転トルク検出器26の回転軸28が回転して出力軸70にかかるトルク(負荷)を測定する。ブレーキ装置32はこのトルクが所定の値となるように制御され、従って、出力軸70には特定のトルクがかかる。
【0022】
次いで、マイクロフォン36によってトランスファ装置14から発生する騒音の音圧を検出して(ステップS2)、音圧信号として電気信号に変換し、該音圧信号を増幅器38で増幅する。この増幅された音圧信号は汎用トラッキング解析器42とヘッドホン40に入力される。
【0023】
同時に振動センサ34によってトランスファ装置14の振動を振動信号として検出して(ステップS3)これを電気信号に変換し、該振動信号を増幅器38で増幅する。この増幅された振動信号は前記汎用トラッキング解析器42に入力される。
【0024】
汎用トラッキング解析器42では、入力された音圧信号および振動信号からトランスファ装置14の回転速度に比例した周波数の成分を測定する(ステップS5、S6)。詳細に説明すると、トランスファ装置14の入力軸56が回転すると、傘歯車64の1つの歯が傘歯車76の1つの歯に噛み合い、これを繰り返して傘歯車64の回転力が傘歯車76に伝達される。従って、それぞれの歯が噛み合う周期に応じて騒音および振動が発生し、入力軸56が回転するときに発生する騒音および振動には、傘歯車64と傘歯車76のそれぞれの歯が噛み合う周期に応じた周波数の成分と、この周波数の整数倍の成分が多く含まれる。すなわち、入力軸56の回転速度をi、傘歯車64の歯数をKとすると、前記騒音および振動には、
f=h・K・i
で表される周波数fの成分が多く含まれることになる。ここで、hは1、2、3、5等の予め設定された所定の整数値であり、次数という。
【0025】
入力軸56の回転速度iに対する音圧について、図5にグラフで表す。このグラフは、入力軸56の回転速度iが変化したときの音圧信号を周波数分析した結果であり、例えば、回転速度i1 のとき、音圧信号には周波数f1 とf2 の成分が多く含まれていることを示す。
【0026】
そこで、汎用トラッキング解析器42では、該汎用トラッキング解析器42に入力された音圧信号および振動信号から、次数hが1、2、3、5のときの回転速度iに対する周波数f=h・K・iの成分を測定する。例えば、1次の音圧信号、すなわち、次数h=1の場合について、説明すると、汎用トラッキング解析器42は、周波数f=K・iを表す直線(図5中、直線M)上の騒音の音圧(平面N)を測定し、この測定結果は、図6Aに示すように、回転速度iに対する音圧aとして表される。
【0027】
このようにして得られたトラッキング解析の結果から、音圧信号のピーク値a1 を検出し、コンピュータ44に入力する(図4中、ステップS51)。該コンピュータ44では、該ピーク値a1 を複数の区分された音圧設定値Ba 〜Bc と比較し、音圧のピーク値に応じた所定のレベル設定値c1 を選択する(ステップS52)。例えば、レベル設定値c1 が0〜Ba なら1、Ba 〜Bb なら2、Bb 〜Bc なら3、Bc 以上なら4と設定されている場合、音圧ピーク値a1 がBb 〜Bc ならばレベル設定値c1 として3を選択する。
【0028】
この選択されたレベル設定値c1 に重み付けとして設定された所定の定数N1 を乗じてレベル値d1 を求める(ステップS53)。この場合、音圧信号と振動信号の各次数毎に定数N1 〜N8 が設けられており、定数N1 〜N8 の値は、予めトランスファ装置14を自動車に搭載して音圧と振動の大きさを測定した結果によって設定された値である。
【0029】
同様にして、音圧信号の2次、3次、5次、および振動信号の1次、2次、3次、5次のそれぞれのトラッキング解析の結果について、音圧信号と振動信号のピーク値a2 〜a8 からレベル設定値c2 〜c8 を選択し、このレベル設定値c2 〜c8 に所定の定数N2 〜N8 を乗じてレベル値d2 〜d8 を求める(図6B〜図6Dおよび図7A〜図7D参照)。
【0030】
一方、測定者はヘッドホン40から聴感により騒音を測定する(ステップS4 )。この場合、測定者は騒音に含まれる長周期の音(うなり)、ベアリング等から発生する不規則な音等を聞き取り、このような音が聞こえた場合にはレベル設定値c9 を4としてコンピュータ44に入力し、このような音が聞こえない場合には、騒音の大きさ、音色等によって判断して1〜3のいずれかをレベル設定値c9 としてコンピュータ44に入力する(ステップS71)。そして、このレベル設定値c9 に重み付けとして設定された定数N9 を乗じてレベル値d9 が得られる(ステップS72)。このようにして求められたレベル値d1 〜d9 は全て加算されて合計値Dが求められる。
【0031】
コンピュータ44は、全ての前記レベル設定値c1 〜c9 が最低レベルの1である場合、このトランスファ装置14は異常なしと判断する(ステップS81)。
【0032】
一方、レベル設定値c1 〜c9 に1つでも2以上の値がある場合、前記合計値Dと総合レベル設定値Ea 〜Ec とを比較して総合レベルgが決定される。総合レベル設定値Ea 〜Ec は、Ea <Eb <Ec であり、合計値Dが総合レベル設定値Ea 未満では総合レベルgとして1を、合計値Dが総合レベル設定値Ea 〜Eb であれば2を、合計値Dが総合レベル設定値Eb 〜Ec であれば3を、合計値Dが総合レベル設定値Ec 以上であれば4を選択する(ステップS82)。そして、総合レベルgが1であればこのトランスファ装置14は異常なしと判断され(ステップS91)、モータ18を滅勢して入力軸56と出力軸70の回転を停止させる(図3、ステップS11)。そして、トランスファ装置14は次の工程に搬送され、自動車に組み付けられる(ステップS13)。一方、総合レベルgが2〜4であればこのトランスファ装置14は異常ありと判断される(ステップS91)。そして、入力軸56と出力軸70の回転を停止させた後(ステップS10)、このトランスファ装置14は製造工程から取り除かれる(ステップS12)。
【0033】
以上のように、トラッキング解析により回転速度に同期した周波数の騒音および振動の大きさを精度よく測定してトランスファ装置14の良否を判断すると共に、聴感により歯車等の歯面上の傷、歯面の振れによる周期的な音、ベアリングから発生する異音など、トラッキング解析により検出することが困難な騒音について判断することができ、トランスファ装置14の騒音検査が精度よく遂行される。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る継手装置の検査方法およびその装置によれば、以下のような効果ならびに利点が得られる。
【0035】
継手装置の騒音の音圧と振動の大きさを音圧センサと振動センサにより検出し、この音圧と振動の大きさからトラッキング解析器によりトラッキング解析を行い、この結果から複数に区分されたレベル設定値のいずれか1つを選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音の大きさを判断するため、この定数を適当な値に設定することにより、継手装置を測定装置に固定して測定した場合の測定結果と自動車に搭載して測定した場合のそれぞれの測定結果の相関関係を高くすることが可能となり、また、聴感による測定も行い、測定装置によって検出することができない騒音を検出するため、測定結果の信頼性を向上させることができる。
【0036】
さらに、トラッキング解析工程では予め複数の所定の整数値が設定され、それぞれの整数値毎に音圧レベル値および振動レベル値が求められ、このレベル値によって継手装置の良否が判断されるため、前記相関関係を一層高くすることができ、従って、測定精度が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査装置を示す概略平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法に使用されるトランスファ装置の概略横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法のフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートのトラッキング解析工程を示す詳細フローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法の説明図であり、継手装置の回転速度に対する騒音の大きさの周波数解析結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法によってトラッキング解析された回転速度対音圧信号のグラフであり、
図6Aは1次の音圧信号を示し、
図6Bは2次の音圧信号を示し、
図6Cは3次の音圧信号を示し、
図6Dは5次の音圧信号を示す。
【図7】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法によってトラッキング解析された回転速度対振動信号のグラフであり、
図7Aは1次の振動信号を示し、
図7Bは2次の振動信号を示し、
図7Cは3次の振動信号を示し、
図7Dは5次の振動信号を示す。
【符号の説明】
10…検査装置 14…トランスファ装置
18…モータ 56…入力軸
26…回転トルク検出器 32…ブレーキ装置
34…振動センサ 36…マイクロフォン
42…汎用トラッキング解析器 44…コンピュータ
70…出力軸

Claims (3)

  1. 回転駆動中の継手装置から発生する騒音に基づいて継手装置を検査する方法であって、
    継手装置の入力軸を回転させる回転駆動工程と、
    前記継手装置から発生する騒音の音圧および振動を前記継手装置近傍に設けられた音圧センサと振動センサによって検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出した前記音圧および振動の中、前記継手装置の回転速度に比例した周波数の成分をトラッキング解析により測定するトラッキング解析工程と、
    前記トラッキング解析の結果から得られた前記音圧および振動の大きさと、複数に区分された音圧設定値と振動設定値とを比較して前記音圧および振動の大きさに応じた所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値を選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて音圧レベル値と振動レベル値を得るレベル設定工程と、
    前記検出工程とトラッキング解析工程とレベル設定工程とが行われる一方、前記回転駆動工程の後に前記継手装置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベルに応じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値を得る騒音レベル設定工程と、
    前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レベル値を加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の良否を判断する判定工程と、
    を有することを特徴とする継手装置の検査方法。
  2. 請求項1記載の継手装置の検査方法において、
    前記トラッキング解析工程で、前記継手装置の回転速度に比例した周波数は、前記継手装置に設けられた歯車の歯数と、あらかじめ設定された所定の整数値とを前記回転速度に乗じて得られる周波数であり、前記所定の整数値は複数設定され、それぞれの整数値に対応して前記音圧および振動の大きさが測定されることを特徴とする継手装置の検査方法。
  3. 回転駆動中の継手装置から発生する騒音に基づいて継手装置を検査する装置において、
    継手装置の入力軸に係合し、該入力軸を回転させる回転駆動手段と、
    前記継手装置に近接して設けられ、該継手装置の入力軸が前記回転駆動手段の付勢作用下に回転しているときに当該継手装置から発生する騒音の音圧を検出する音圧センサと、
    前記継手装置に近接して設けられ、該継手装置の入力軸が前記回転駆動手段の付勢作用下に回転しているときに該継手装置の振動を検出する振動センサと、
    前記音圧センサで検出した前記継手装置の騒音を測定者が聞くための音響再生器と、
    前記音圧センサで検出した音圧および前記振動センサで検出した振動の中、前記継手装置の回転速度に比例した周波数の成分をトラッキング解析により測定するトラッキング解析器と、
    前記トラッキング解析器によって得られた前記音圧および振動の大きさと、複数に区分された音圧設定値と振動設定値とを比較して前記音圧および振動の大きさに応じた所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値を選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて音圧レベル値と振動レベル値を得て、一方、前記継手装置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベルに応じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値を求め、前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レベル値を加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の良否を判断する演算装置と、
    を備えることを特徴とする継手装置の検査装置。
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