JP3825004B2 - 車両用ドア開扉装置および車両用ドア開扉制御方法 - Google Patents

車両用ドア開扉装置および車両用ドア開扉制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア開扉装置に係り、特に、車両に備えられたドアを自動式又は手動式に切り替えて開扉させることが可能な車両用ドア開扉装置および車両用ドア開扉制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗用自動車等のドアを自動式に開扉させるための車両用ドア開扉装置が考案されている。この従来技術に係る車両用ドア開扉装置には、ドアの開閉を自動式で行うか又は手動式で行うかということをドアハンドルの操作態様に応じて切り替えることができるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、特許文献1に記載の車両用ドア開扉装置では、ドアを開扉させるためのモータにクラッチ機構が設けられており、このクラッチ機構とドアハンドルとがワイヤーによって接続されている。
【0004】
そして、ドアハンドルを一定角度以上回動させると、ドアハンドルによってワイヤーが引っ張られ、これにより、クラッチ機構が解除されるようになっている。このようにして、手動開扉モードから自動開扉モードへの移行をキャンセルして、ドアを手動で開扉可能な状態にするように構成されている。
【特許文献1】
特開平5−113074号公報(第2−5頁、第2図、第4図、第11図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記車両用ドア開扉装置では、上述のように、ドアを手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えるためには、ドアハンドルを一定角度以上回動させる必要がある。
【0006】
従って、自動開扉モードと手動開扉モードとの切替操作が煩雑となり、不便であることに加え、ドアハンドル自体の操作に慣れが必要なため、切替操作を簡単に行えるようにすることが望まれていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な操作によって、ドアを手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えることが可能な車両用ドア開扉装置および車両用ドア開扉制御方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、製造コストを低く抑えることが可能な車両用ドア開扉装置および車両用ドア開扉制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用ドア開扉装置によれば、ドアと、該ドアを車体に閉じた状態に保持する保持部と、前記ドアに設けられると共に前記保持部の保持状態を解除するドアハンドルと、を備えた車両における車両用ドア開扉装置において、前記ドアを自動的に開扉させるドア開扉駆動手段と、該ドア開扉駆動手段を手動開扉モードと自動開扉モードとに切り替えて制御する制御手段と、前記ドアハンドルの操作態様の変化を検出してドアハンドル操作態様変化信号を前記制御手段に出力するドアハンドル操作態様検出手段と、前記ドアの開度に応じて前記制御手段にドア開度検出信号を出力するドア開度検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記ドア開度検出信号に基づく検出開度が予め設定された設定開度より大きいと判断した場合に、前記ドア開扉駆動手段を手動開扉モードに維持するように構成されると共に、前記ドアハンドル操作態様変化信号の検出時における前記検出開度が前記設定開度以下であると判断した場合に、前記ドア開扉駆動手段を手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えて駆動制御するように構成されたこと、により解決される。
【0010】
このように、ドアを自動的に開扉させるドア開扉駆動手段と、ドア開扉駆動手段を手動開扉モードと自動開扉モードとに切り替えて制御する制御手段と、ドアハンドルの操作態様の変化を検出してドアハンドル操作態様変化信号を制御手段に出力するドアハンドル操作態様検出手段と、ドアの開度に応じて制御手段にドア開度検出信号を出力するドア開度検出手段と、を備え、制御手段が、ドア開度検出信号に基づく検出開度が予め設定された設定開度より大きいと判断した場合に、ドア開扉駆動手段を手動開扉モードに維持するように構成されると共に、ドアハンドル操作態様変化信号の検出時における検出開度が設定開度以下であると判断した場合に、ドア開扉駆動手段を手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えて駆動制御するように構成されていると、ドアハンドルを操作したままドアを所定の開度以上に開けるだけで、自動開扉モードへの移行をキャンセルでき、手動開扉モードを維持することにより、ドアを手動で開扉可能にすることができる。
【0011】
従って、手動でドアを開ける際に、従来のような特別な操作(ドアハンドルを一定角度以上回動させる等)を行う必要がないため、車両用ドア開扉装置を設けたことによりドア開扉操作が煩雑となることを防止することができる。
【0012】
また、本車両用ドア開扉装置を上記構成とすることにより、搭乗者がドアハンドルを操作してドアを開け、このドアが所定の開度以下にあるときにドアハンドルの操作態様を変化させるだけで、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えることができ、ドアを自動的に開扉させることが可能である。
【0013】
このように、ドアを少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドアを手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えることができる。
【0014】
また、本発明の車両用ドア開扉装置によれば、上記構成により、従来のようなクラッチを切断するための切断機構(例えば、ワイヤー)等を不要にできるので、製造コストを低く抑えることが可能である。
【0015】
このとき、請求項2に記載のように、上記ドア開扉駆動手段は、より具体的には、モータと、該モータにクラッチ機構を介して接続された可動部とを有して構成されると共に、前記クラッチ機構により、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替え可能に構成されるものである。
【0016】
また、請求項3に記載のように、前記ドアが、蝶番式ドア又はスライド式ドアであると、より好適である。
【0017】
さらに、請求項4に記載のように、前記ドアハンドルは、より具体的には、前記ドアの内側又は前記ドアの外側に設けられるものである。
【0018】
また、前記課題は、請求項5に記載の車両用ドア開扉制御方法によれば、車両に設けられたドアを手動開扉モードと自動開扉モードとに切り替えて開扉させる車両用ドア開扉制御方法であって、手動開扉モード時における前記ドアの開度を検出するドア開度検出ステップと、該ドア開度検出ステップにて検出した検出開度と予め設定した設定開度とを比較する第一ドア開度比較ステップと、該第一ドア開度比較ステップにおける前記ドアの検出開度が前記設定開度より大きい場合に、前記ドアの自動開扉モードへの移行をキャンセルして手動開扉モードを維持する自動開扉モードキャンセルステップと、手動開扉モード時に、前記ドアに設けられたドアハンドルの操作態様の変化を検出するドアハンドル操作態様変化検出ステップと、該ドアハンドル操作態様変化検出ステップにて前記ドアハンドルの操作態様の変化を検出した場合に、前記ドアの開度を検出して前記設定開度と比較する第二ドア開度比較ステップと、該第二ドア開度比較ステップにおける前記ドアの検出開度が前記設定開度以下である場合に、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えて前記ドアを自動で開扉させるドア自動開扉駆動ステップと、を備えたこと、により解決される。
【0019】
このように、手動開扉モード時におけるドアの開度を検出するドア開度検出ステップと、ドア開度検出ステップにて検出した検出開度と予め設定した設定開度とを比較する第一ドア開度比較ステップと、第一ドア開度比較ステップにおけるドアの検出開度が設定開度より大きい場合に、ドアの自動開扉モードへの移行をキャンセルして手動開扉モードを維持する自動開扉モードキャンセルステップと、手動開扉モード時に、ドアに設けられたドアハンドルの操作態様の変化を検出するドアハンドル操作態様変化検出ステップと、ドアハンドル操作態様変化検出ステップにてドアハンドルの操作態様の変化を検出した場合に、ドアの開度を検出して設定開度と比較する第二ドア開度比較ステップと、第二ドア開度比較ステップにおけるドアの検出開度が設定開度以下である場合に、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えてドアを自動で開扉させるドア自動開扉駆動ステップと、を備えていると、ドアハンドルを操作したままドアを所定の開度以上に開けるだけで、自動開扉モードへの移行をキャンセルでき、手動開扉モードを維持することにより、ドアを手動で開扉可能にすることができる。
【0020】
従って、手動でドアを開ける際に、従来のような特別な操作(ドアハンドルを一定角度以上回動させる等)を行う必要がないため、ドア自動開扉機能を備えたことによりドア開扉操作が煩雑となることを防止することができる。
【0021】
また、本制御方法によれば、搭乗者がドアハンドルを操作してドアを開け、このドアが所定の開度以下にあるときにドアハンドルの操作態様を変化させるだけで、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えることができ、ドアを自動的に開扉させることが可能である。
【0022】
このように、ドアを少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドアを手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えることができる。
【0023】
また、本発明の車両用ドア開扉制御方法によれば、上記各処理により、従来のようなクラッチを切断するための切断機構(例えば、ワイヤー)等を不要にできるので、ドア自動開扉機能追加に伴う製造コストの増加を低く抑えることが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0025】
図1乃至図8は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図、図2は車両用ドア開扉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図、図3は駆動部の構成を示す斜視図、図4は内側ドアノブの構成を示す斜視図、図5は外側ドアノブの構成を示す斜視図、図6は車両用ドア開扉装置の全体構成を示すブロック図、図7は車両用ドア開扉装置における制御の流れを示すフローチャート、図8は車両用ドア開扉装置における各種信号発生状況を示す説明図である。
【0026】
(車両用ドア開扉装置の構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置の構成について説明する。図6に示す符号Sは、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置である。
【0027】
この車両用ドア開扉装置Sは、乗用自動車等の車両50(図1,図2参照)に配設され、この車両50に設けられたドア52を手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えて自動式に開扉させるためのものである。
【0028】
本実施形態に係る車両用ドア開扉装置Sは、図6に示すように、検出部10と、制御部20(本発明に係る制御手段に相当)と、ドア開扉駆動部30(本発明に係るドア開扉駆動手段に相当)とから構成されている。
【0029】
検出部10は、後述する車両50に設けられたドア52(図1,図2参照)の操作状況に応じて得られる種々の信号を検出するためのものであり、エンコーダ11と、内側ドアハンドルスイッチ12と、外側ドアハンドルスイッチ13とから構成されている。
【0030】
なお、エンコーダ11は、本発明に係るドア開度検出手段に相当し、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13は、本発明に係るドアハンドル操作態様検出手段に相当する。
【0031】
エンコーダ11は、ドア52の回動軸中心(例えば、後述する出力軸38)に配設され、ドア52の開度に応じた数のパルスを制御部20のカウンタ23に出力することができるように構成されている。なお、上記ドア52の開度に応じた数のパルスが本発明に係るドア開度検出信号に該当する。
【0032】
このエンコーダ11には、例えば、複数のスリットが環状に設けられた円板と、光学素子とを備えてなる光学式ロータリエンコーダ等が用いられる。
【0033】
なお、エンコーダ11は、絶対的な回転量に応じたパルスを出力することが可能なアブソリュート型で構成されていることが望ましい。これにより、ドア52の絶対的な開度を正確に検出することが可能となる。
【0034】
内側ドアハンドルスイッチ12は、後述する車両50のドア内側に設けられた内側ドアハンドル54(図1,図2参照)の操作態様を検出するためのものである。
【0035】
この内側ドアハンドルスイッチ12は、内側ドアハンドル54が閉じている状態にあるときに、制御部20のドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、内側ドアハンドル54が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0036】
外側ドアハンドルスイッチ13は、後述する車両50のドア外側に設けられた外側ドアハンドル55(図1,図2参照)の操作態様を検出するためのものである。
【0037】
この外側ドアハンドルスイッチ13は、外側ドアハンドル55が閉じている状態にあるときに、制御部20のドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(例えば、LOW信号)を出力すると共に、外側ドアハンドル55が開いている状態にあるときに、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)を出力することができるように構成されている。
【0038】
なお、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル閉操作信号は、本発明に係るドアハンドル操作態様変化信号に相当する。
【0039】
制御部20は、検出部10から得られる検出信号に基づいてドア開扉駆動部30を駆動制御するためのものであり、制御回路21と、駆動回路22とから構成されている。
【0040】
制御回路21は、図示しないCPUや、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROM等を備えた演算回路で構成され、カウンタ23,ドアハンドル操作検出部24,演算処理部(不図示)を主要構成とするものである。
【0041】
カウンタ23は、エンコーダ11から出力されたパルス数をカウントし、このパルス数をドアの開度に換算することができるように構成されている。
【0042】
ドアハンドル操作検出部24は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号を検出することにより、内側ドアハンドル54及び外側ドアハンドル55の開操作の有無を検出することができるように構成されている。
【0043】
なお、ドアハンドル操作検出部24は、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からそれぞれ出力されるドアハンドル開操作信号およびドアハンドル閉操作信号(以下、まとめてドアハンドル操作信号と言う)に基づいて、内側ドアハンドル54又は外側ドアハンドル55のどちらが操作されたかということを判別可能に構成されていても良い。
【0044】
制御回路21は、カウンタ23によって得られるドアの開度情報と、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13から出力されるドアハンドル操作信号に応じて、モータ制御信号およびクラッチ制御信号を駆動回路22に出力することができるように構成されている。なお、制御部20の動作詳細については後述する。
【0045】
駆動回路22は、ドア開扉駆動部30のモータ31およびクラッチ32を制御するためのものである。駆動回路22は、不図示のバッテリから電力供給されると共に、制御回路21から出力されたモータ制御信号に応じて、モータ31に所定のモータ電圧を印加することができるように構成されている。
【0046】
また、駆動回路22は、制御回路21から出力されたクラッチ制御信号に応じて、クラッチ32に励磁信号を出力することができるように構成されている。
【0047】
ドア開扉駆動部30は、ドア52を自動式に開扉させるための駆動源となるものであり、図2,図6に示すように、モータ31と、クラッチ32と、駆動機構部33とから構成されている。
【0048】
このドア開扉駆動部30は、図2に示すように、車両50に設けられたドア開口部51の側部に位置するピラー53の内部に配設されている。
【0049】
モータ31は、例えば、ステッピングモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付きモータ等で構成され、駆動回路22によって印加されたモータ電圧に基づいて回転軸(不図示)を回転させ、駆動機構部33を駆動させることができるように構成されている。
【0050】
モータ31は、図2,図3に示すように、ブラケット34によって、ピラー53の内部に固定されている。
【0051】
クラッチ32は、モータ31の上端部に配設され、図6に示す駆動回路22から出力された励磁信号に応じて、ON/OFF制御される電磁クラッチで構成されている。
【0052】
すなわち、クラッチ32は、ON状態にあるときに、モータ31の回転力を駆動機構部33の駆動軸35(図3参照)に伝達すると共に、OFF状態にあるときに、モータ31の回転力を駆動機構部33に伝達しないように構成されている。
【0053】
なお、ドア開扉駆動部30は、クラッチ32がON状態にあるときに自動開扉モードとなり、クラッチ32がOFF状態にあるときに手動開扉モードとなる。
【0054】
駆動機構部33は、モータ31の回転力によって駆動し、ドア52を開扉させるためのものであり、図3に示すように、駆動軸35と、駆動側歯車36と、従動側歯車37と、出力軸38と、支持軸39と、ヒンジアーム40a,40bとから構成されている。
【0055】
駆動軸35は、クラッチ32を介してモータ31の回転軸(不図示)に接続されており、駆動軸35の上端部には、駆動側歯車36が配設されている。
【0056】
従動側歯車37は、出力軸38の下端部に配設されると共に、駆動側歯車36に歯合されている。また、従動側歯車37は、駆動側歯車36よりも大径の歯車で構成されており、これにより、駆動側歯車36および従動側歯車37によって減速機構が構成され、モータ31の回転が減速されるようになっている。
【0057】
出力軸38は、ピラー53の上側に固定された軸受部59aに回動可能に軸支されており、支持軸39は、ピラー53の下側に固定された軸受部59bに回動可能に軸支されている。
【0058】
出力軸38の中央部には、ヒンジアーム40aが固設されており、支持軸39の中央部には、ヒンジアーム40bが固設されている。
【0059】
ヒンジアーム40aの自由端は、図2に示すように、ドア52の回動軸側端面の上部に固定され、ヒンジアーム40bの自由端は、ドア52の回動軸側端面の下部に固定されている。
【0060】
そして、図3に示すように、本実施形態の駆動機構部33において、クラッチ32がON制御された状態でモータ31が回転すると、この回転力がクラッチ32を介して駆動軸35に伝達され、駆動側歯車36が回転する。
【0061】
駆動側歯車36が回転すると、従動側歯車37が回転し、出力軸38が回転する。これにより、ヒンジアーム40aが回動し、これに伴って、図1,図2に示すように、ドア52が開扉するようになっている。
【0062】
また、図2に示すように、ドア52が全開してモータ31が停止状態にあるときでも、クラッチ32を介して駆動機構部33およびモータ31の負荷抵抗がドア52に掛かるようになっており、これにより、ドア52が全開位置で保持されるようになっている。
【0063】
一方、クラッチ32がOFF制御された状態では、モータ31と駆動機構部33との接続が解除されるため、ドア52を手動で操作することが可能となる。このとき、モータ31や駆動機構部33の負荷がドア52に掛からないので、搭乗者は容易にドア52を開閉させることができる。
【0064】
(車両の構成)
次に、本発明の一実施形態に係る車両の構成について説明する。
図1,図2に示す符号50は、上記構成からなる車両用ドア開扉装置Sが装備された車両である。この車両50の側部には、搭乗者が乗降車するためのドア開口部51が形成されており、ドア開口部51には、このドア開口部51を塞ぐように蝶番式のドア52が配設されている。
【0065】
ドア開口部51の車両前方側には、ピラー53が配設されており、このピラー53には、ドア開扉駆動部30が配設されている。
【0066】
ドア52は、ドア開扉駆動部30に設けられたヒンジアーム40a,40bに一体的に固定され、これにより、車体に対して蝶番状に回動することができるようになっている。
【0067】
このドア52の室内側面には、内側ドアハンドル54が配設され、ドア52の外側面には、外側ドアハンドル55が配設されている。
【0068】
内側ドアハンドル54は、図4に示すように、ハンドルレバー54aを有して構成されており、このハンドルレバー54aを室内側(図4に示す矢印Aの方向)に引くと、後述するロック部56とストライカー部材58(本発明に係る保持部に相当)の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
【0069】
また、図4に示すように、内側ドアハンドル54のハンドルレバー54aが引かれると、これが内側ドアハンドルスイッチ12(図6参照)によって検出され、上述のように、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるようになっている。
【0070】
外側ドアハンドル55は、図5に示すように、ハンドルレバー55aを有して構成されており、このハンドルレバー55aを車両外側(図5に示す矢印Bの方向)に引くと、後述するロック部56とストライカー部材58の係合が解除され、ドア52が開くようになっている。
【0071】
また、図5に示すように、外側ドアハンドル55のハンドルレバー55aが引かれると、これが外側ドアハンドルスイッチ13(図6参照)によって検出され、上述のように、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(例えば、HIGH信号)が出力されるようになっている。
【0072】
ドア52の自由端側端面には、図1,図2に示すように、ロック部56が配設されており、ドア開口部51の車両中央側に配設されたピラー57には、ストライカー部材58が配設されている。このストライカー部材58は、ドア52を閉めたときにロック部56と整合する位置に配設されている。
【0073】
そして、ドア52を閉めると、ロック部56がストライカー部材58に係合し、これにより、ドア52が強固に閉じた状態に保持されるように構成されている。
【0074】
(車両用ドア開扉装置の動作)
次に、図6乃至図8を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置の動作について説明する。
【0075】
本発明の一実施形態の車両用ドア開扉装置Sは、内側ドアハンドル54又は外側ドアハンドル55(以下、まとめてドアハンドルと言う)の操作に応じて、ドア52を手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えて自動式に開扉させるためのものである。
【0076】
すなわち、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドア52が所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻すと、ドア52が自動で開扉するようになっている。
【0077】
また、ドアハンドルのハンドルレバーを引いたままドア52を所定の開度より大きくなるように開けると、自動開扉機能が解除され、ドア52を手動で開扉することができるようになっている。
【0078】
このように、本実施形態の車両用ドア開扉装置Sは、ドア52を少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドア52を手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えることができるものである。
【0079】
以下、上述のような動作機能を有する本実施形態の車両用ドア開扉装置Sの動作処理についてさらに詳述する。なお、以下の説明は、はじめにドア52が閉まった状態にあり、搭乗者が乗車又は降車しようとするときの動作を示すものである。また、ドア開扉駆動部30は手動開扉モードにある。
【0080】
はじめに、本実施形態の車両用ドア開扉装置Sは、ドアハンドル開操作の検出を行う(ステップS1)。ドアハンドル開操作の検出は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13を用いて行われる。
【0081】
すなわち、搭乗者が降車する際に内側ドアハンドル54のハンドルレバー54a(図4参照)を引くと、内側ドアハンドルスイッチ12からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(HIGH信号)が出力される。
【0082】
また、搭乗者が乗車する際に外側ドアハンドル55のハンドルレバー55a(図5参照)を引くと、外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号(HIGH信号)が出力される。
【0083】
このように、搭乗者が乗車又は降車する際に、ドアハンドルを開操作すると、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13によってドアハンドル開操作が検出され、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル開操作信号が出力される。
【0084】
次に、ドアハンドル開操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS2)。ドアハンドル開操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部24において行われる。
【0085】
すなわち、ドアハンドル操作検出部24において、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル閉操作信号が検出されたか否かによって、ドアハンドル開操作の有無が判断される。
【0086】
そして、ドアハンドル開操作がなかったと判断した場合(ステップS2のNO)には、ステップS1およびステップS2の処理を繰り返し行う。このドアハンドル開操作の検出・判断処理は一定時間間隔(例えば、4m秒毎)に行われる。
【0087】
一方、ドアハンドル開操作があったと判断した場合(ステップS2のYES)には、ドア52の開度を検出する(ステップS3:本発明に係るドア開度検出ステップに相当)。ドア52の開度検出は、エンコーダ11を用いて行う。
【0088】
すなわち、搭乗者によって開けられたドア52の開度に応じた数のパルスがカウンタ23に出力され、このパルス数をカウンタ23においてカウントすることにより、ドア52の開度が算出される。
【0089】
そして、制御回路21において、カウンタ23によって算出されたドア52の検出開度が、予め設定された設定開度αより大きいか否かの判断を行う(ステップS4:本発明に係る第一ドア開度比較ステップに相当)。
【0090】
ステップS4の処理において、ドア52の検出開度が設定開度αより大きいと判断した場合(ステップS4のYES)には、ステップS15の処理を行う。なお、ステップS15の処理については後述する。
【0091】
一方、ドア52の検出開度が設定開度αより大きくないと判断した場合(ステップS4のNO)には、ステップS5の処理を行う。すなわち、再度、ドア52の開度の検出を行う。
【0092】
そして、制御回路21において、ステップS5の処理によって得られる検出開度が、「0」であるか否かの判断を行う(ステップS6)。すなわち、搭乗者がハンドルレバーを引いているにもかかわらず、ドア52を開けていないのか否かチェックを行う。
【0093】
ここで、図8は、ドアハンドル操作によって出力されるドアハンドル操作信号とドアの開度との関係を示す説明図である。図8において、上欄は、▲1▼ドア駆動準備状態となるとき(ステップS6のYES)の様子、中欄は、▲2▼ドアが自動式に開扉されるとき(ステップS11のYES)の様子、下欄は、▲3▼ドアの自動式開扉が解除されて手動式となるとき(ステップS4のYES)の様子をそれぞれ示している。
【0094】
また、各欄の上側にはドアハンドル操作信号と時間との関係が示されており、各欄の下側にはドアの開度と時間との関係が示されている。
【0095】
なお、開度αは、ドア52の開扉を自動式で行うか手動式で行うかの閾値であり、予め設定されるものである。また、開度Βは、ドア52を全開にしたときの値である。さらに、T1はドアハンドルレバーを引いたときのタイミングを示すものである。
【0096】
そして、上述のように、搭乗者がハンドルレバーを引いているにもかかわらず、ドア52を開けていない場合には、図8の上欄に示すように、タイミングT1以降、時間が経過しても、ドアハンドル操作信号がHIGHを維持し、ドアの開度が0を維持する。
【0097】
従って、この場合には、ドア52の開度が0である(ドア52がほとんど開いてない)と判断される(ステップS6のYES)。
【0098】
このように、時間が経過しても、ドアハンドル操作信号がHIGHを維持し、ドアの開度が0を維持するようになっている状態では、未だにドア52が開けられていないため、搭乗者における自動式開扉にするか又は手動式開扉にするかの意思を判別することができない。
【0099】
従って、ドア52の自動駆動を準備した状態を維持し(ステップS7)、ステップS3の処理に戻る。
【0100】
一方、ステップS6の処理で、ドア52の開度が0でないと判断した場合(ステップS6のNO)には、ドアハンドル閉操作の検出を行う(ステップS8:本発明に係るドアハンドル操作態様変化検出ステップに相当)。
【0101】
ドアハンドル閉操作の検出は、内側ドアハンドルスイッチ12および外側ドアハンドルスイッチ13を用いて行われる。
【0102】
すなわち、搭乗者が降車時に内側ドアハンドル54のハンドルレバー54a(図4参照)を引いた状態から元の状態に戻すと、内側ドアハンドルスイッチ12からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(LOW信号)が出力される。
【0103】
同様に、搭乗者が乗車時に外側ドアハンドル55のハンドルレバー55a(図5参照)を引いた状態から元の状態に戻すと、外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号(LOW信号)が出力される。
【0104】
このように、搭乗者が乗車又は降車する際に、ドアハンドルを閉操作すると、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13によってドアハンドル閉操作が検出され、ドアハンドル操作検出部24にドアハンドル閉操作信号が出力される。
【0105】
次に、ドアハンドル閉操作が行われたか否かの判断を行う(ステップS9)。ドアハンドル閉操作の有無の判断は、ドアハンドル操作検出部24において行われる。
【0106】
すなわち、ドアハンドル操作検出部24において、内側ドアハンドルスイッチ12又は外側ドアハンドルスイッチ13からドアハンドル閉操作信号が検出されたか否かによって、ドアハンドル閉操作の有無が判断される。
【0107】
そして、ドアハンドル閉操作がなかったと判断した場合(ステップS9のNO)には、搭乗者が依然としてハンドルレバーを引いたままドア52を開けようとしているものと推測されるので、ステップS3〜ステップS8の処理を繰り返し行う。
【0108】
一方、ドアハンドル閉操作があったと判断した場合(ステップS9のYES)には、ドア52の開度を検出する(ステップS10)。ドア52の開度検出は、上述のように、エンコーダ11を用いて行う。
【0109】
そして、搭乗者によって開けられているドア52の開度に応じた数のパルスがカウンタ23に出力され、制御回路21において、カウンタ23によって算出されたドア52の検出開度が、予め設定された設定開度α以下であるか否かの判断を行う(ステップS11)。
【0110】
なお、ステップS10〜S11は、本発明に係る第二ドア開度比較ステップに相当する。
【0111】
ステップS11の処理において、ドア52の検出開度が設定開度α以下であると判断した場合(ステップS11のYES)には、搭乗者がドア52の自動式開扉を希望したものと判断する。
【0112】
すなわち、図8の中欄に示すように、搭乗者がハンドルレバーを戻したとき、タイミングT2にて、ドアハンドル操作信号がHIGHからLOWへ立ち下がる。このとき、ドア52の開度が開度α以下である場合には、搭乗者がドア52の自動式開扉を希望したものと判断する。
【0113】
なお、図8に示す開度αは、車両の動作仕様に応じて種々設定することができることは勿論であるが、この開度αは、例えば、図1に示すように、ドア52が僅かに開いているような状態にあるときのドア52の回動角度に設定されるものである。
【0114】
そして、ステップS11の処理によって搭乗者がドア52の自動式開扉を希望したものと判断した場合には、ドア52の自動開扉を開始する(ステップS12)。
【0115】
すなわち、制御回路21から駆動回路22へモータ制御信号およびクラッチ制御信号が出力される。駆動回路22は、モータ制御信号に応じてモータ31に所定のモータ電圧を印加すると共に、クラッチ制御信号に応じてクラッチ32へ励磁信号を出力する。
【0116】
これにより、ドア開扉駆動部30が手動開扉モードから自動開扉モードに切り替わり、ドア52が自動的に開扉する(図1,図2参照)。
【0117】
次に、ドア52が十分に開扉したか否かを検出し、十分に開扉したところで、ドア52を停止させる。ここで、ドア52が十分に開扉した状態とは、例えば、図2に示すように、ドア52が車体に対して大きく開いた状態をいうものである。
【0118】
そして、ドア52が自動的に開扉しているときのドア52の開度をエンコーダ11によって検出し(ステップS13)、ドア52の開度が所定の値に達したか否かの判断を行う(ステップS14)。
【0119】
ドア52が十分に開扉したと判断した場合(ステップS14のYES)には、ドア52の自動的開扉動作を終了する。なお、ドア52の開度が所定の値に達したか否かの判断を別途リミットスイッチを設けて行うようにしても良い。
【0120】
このように、本実施形態の車両用ドア開扉装置Sでは、ドアハンドルのハンドルレバーを引いてドア52を開け、このドア52が所定の開度以下にあるときにハンドルレバーを戻すと、ドア52が自動で開扉するようになっている。
【0121】
なお、ステップS12〜ステップS14は、本発明に係るドア自動開扉駆動ステップに相当する。
【0122】
一方、ステップS4の処理において、ドア52の検出開度が設定開度αより大きいと判断した場合(ステップS4のYES)には、ステップS15(本発明に係る自動開扉モードキャンセルステップに相当)の処理を行う。
【0123】
すなわち、図8の下欄に示すように、搭乗者がハンドルレバーを引きながらドア52を開けているときに、ドア52の開度が開度αを超えた場合(すなわち、図8のタイミングT3以降、ドア52の開度が開度αを超える)、搭乗者がドア52の手動式開扉を希望したものと判断する。
【0124】
そして、搭乗者がドア52の手動式開扉を希望したものと判断した場合には、ドア52の自動開扉を行わずに、ドア52の自動式開扉動作をキャンセルし(ステップS15)、直ちに終了する。
【0125】
すなわち、ドア開扉駆動部30は、自動開扉モードへの移行をキャンセルして手動開扉モードを維持する。これにより、搭乗者がドア52を自由に開扉させることが可能な状態になる。
【0126】
このように、本実施形態の車両用ドア開扉装置Sでは、ドアハンドルのハンドルレバーを引いたままドア52を所定の開度より大きくなるように開けると、自動開扉機能が解除され、ドア52を手動で開扉することができるになっている。
【0127】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態の車両用ドア開扉装置Sによれば、上記構成により、ドアハンドルを操作したままドアを所定の開度以上に開けるだけで、自動開扉モードへの移行をキャンセルでき、手動開扉モードを維持することにより、ドア52を手動で開扉可能にすることができる。
【0128】
従って、手動でドアを開ける際に、従来のような特別な操作(ドアハンドルを一定角度以上回動させる等)を行う必要がないため、車両用ドア開扉装置を設けたことによりドア開扉操作が煩雑となることを防止することができる。
【0129】
(ロ)また、車両用ドア開扉装置Sを上記構成とすることにより、搭乗者がドアハンドルを操作してドア52を開け、このドア52が所定の開度α以下にあるときにドアハンドルの操作態様を変化させるだけで、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えることができ、ドア52を自動的に開扉させることが可能である。
【0130】
このように、ドア52を少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドア52を手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えることができる。
【0131】
(ハ)さらに、本発明の車両用ドア開扉装置Sによれば、上記構成により、従来のようなクラッチを切断するための切断機構(例えば、ワイヤー)等を不要にできるので、製造コストを低く抑えることが可能である。
【0132】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、車両用ドア開扉装置Sが蝶番式のドア52を有する車両50に備えられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0133】
例えば、車両用ドア開扉装置Sは、図9に示すようなスライド式のドア152を有する車両150に用いられていても良い。このときの開度αはドア152のスライド量で求められる。
【0134】
また、車両用ドア開扉装置Sは、跳ね上げ式のドアを有する車両等に用いられていても良い。さらに、自動開扉させるドアは、前席用のドアに限らず、後席用や背面ドア等であっても良い。
【0135】
(b)上記実施形態では、外側ドアハンドル55が、いわゆる回動式のハンドルレバー55aを有する構成となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示す外側ドアハンドル255のように、プッシュボタン255aとハンドル255bとを備えた構成であっても良い。
【0136】
このとき、プッシュボタン255aの押操作が、上記ハンドルレバー55aにおけるドアハンドル開操作に相当し、プッシュボタン255aの戻操作が、上記ハンドルレバー55aにおけるドアハンドル閉操作に相当するものである。
【0137】
(c)ドア52にタッチセンサや負荷センサを設け、ドア52に外部から負荷が掛かった場合に、ドア52の開扉制御が自動的に停止されるような構成であっても良い。
【0138】
すなわち、図11に示すように、ドア52の自動開扉中における開度検出と共に、負荷検出(ステップS16)、検出負荷判断(ステップS17)を行い、この検出負荷判断処理にて、予め設定した負荷を超えたと判断した場合に、ドア52を停止させる(ステップS18)ようにしても良い。
【0139】
このようにすると、自動開扉中のドア52に搭乗者が触れるだけでドア52の自動開扉を停止させることができる。従って、狭い駐車場に車両50を駐車した際などに有効である。
【0140】
(d)車両50のドア52の付近に音声報知装置や表示報知装置等を設け、車両用ドア開扉装置Sがドア52を自動式に開扉させている最中に、その旨を前記音声報知装置や表示報知装置等によって報知するように構成されていても良い。また、車両用ドア開扉装置Sの作動中に車両50を発進させてしまわないように、運転席等に警告灯を設けても良い。
【0141】
(e)車両50のドア52の付近にドア52の開度インジケータ等を設け、この開度インジケータ等に、手動開扉モードから自動開扉モードへの切り替えまであとどれくらいの開度があるか等ということを表示しても良い。このようにしておくと、ドアハンドルの閉操作タイミングを搭乗者に報知することができ、操作性をさらに向上させることができる。
【0142】
(f)上記実施形態では、駆動機構部33が2つの平歯車からなる減速機構を有して構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動機構部33は、ウォームギアと平歯車とからなる減速機構やベルト機構を備えた構成であっても良い。
【0143】
(g)上記実施形態では、モータ31がピラー53の内部に固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ31がドア52に固定されるような構成であっても良い。
【0144】
(h)手動開扉モードから自動開扉モードへ切り替える際の閾値となる上記開度αを任意に調整できる調整機構を設け、搭乗者が操作しやすいように任意に調整することができるような構成であっても良い。また、ドア52の全開停止位置を予め設定できるような構成であっても良い。
【0145】
(i)また、上記開度αは、内側ドアハンドル54を操作したときと、外側ドアハンドル55を操作したときとでそれぞれ異なる値を用いるように構成されていても良い。すなわち、降車するときと乗車するときとで、ドア52の自動開扉モードへの切替タイミングが異なるように構成されていても良い。
【0146】
(j)上記実施形態では、内側ドアハンドル54を操作して降車する場合と、外側ドアハンドル55を操作して乗車する場合において、ドア52が自動的に開扉するように構成されていたが、降車又は乗車のどちらか一方のみについてドア52を自動的に開扉させるような構成であっても良い。また、これを不図示の選択スイッチ等により、設定できるような構成であっても良い。
【0147】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ドアハンドルを操作したままドアを所定の開度以上に開けるだけで、自動開扉モードへの移行をキャンセルでき、手動開扉モードを維持することにより、ドアを手動で開扉可能にすることができる。
【0148】
また、搭乗者がドアハンドルを操作してドアを開け、このドアが所定の開度以下にあるときにドアハンドルの操作態様を変化させるだけで、手動開扉モードから自動開扉モードへ移行でき、ドアを自動的に開扉させることができる。
【0149】
このように、ドアを少し開けた状態でドアハンドルの操作態様を変化させるという非常に簡単な操作により、ドアを手動開扉可能な状態から自動的に開扉する状態に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両においてドアが半開き状態にある様子を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置によってドアが全開状態にある様子を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る駆動部の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る内側ドアノブの構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る外側ドアノブの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置の全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置における制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置における各種信号発生状況を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車両の改変例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る外側ドアハンドルの改変例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車両用ドア開扉装置における制御の流れの改変例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 検出部、11 エンコーダ、12 内側ドアハンドルスイッチ、13 外側ドアハンドルスイッチ、20 制御部、21 制御回路、22 駆動回路、23 カウンタ、24 ドアハンドル操作検出部、30 ドア開扉駆動手段、31モータ、32 クラッチ、33 駆動機構部、34 ブラケット、35 駆動軸、36 駆動側歯車、37 従動側歯車、38 出力軸、39 支持軸、40a,40b ヒンジアーム、50 車両、51 ドア開口部、52 ドア、53ピラー、54a ハンドルレバー、54 内側ドアハンドル、55a ハンドルレバー、55 外側ドアハンドル、56 ロック部、57 ピラー、58 ストライカー部材、59a,59b 軸受部、150 車両、152 ドア、255 外側ドアハンドル、255a プッシュボタン、255b ハンドル、S 車両用ドア開扉装置

Claims (5)

  1. ドアと、該ドアを車体に閉じた状態に保持する保持部と、前記ドアに設けられると共に前記保持部の保持状態を解除するドアハンドルと、を備えた車両における車両用ドア開扉装置において、
    前記ドアを自動的に開扉させるドア開扉駆動手段と、
    該ドア開扉駆動手段を手動開扉モードと自動開扉モードとに切り替えて制御する制御手段と、
    前記ドアハンドルの操作態様の変化を検出してドアハンドル操作態様変化信号を前記制御手段に出力するドアハンドル操作態様検出手段と、
    前記ドアの開度に応じて前記制御手段にドア開度検出信号を出力するドア開度検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記ドア開度検出信号に基づく検出開度が予め設定された設定開度より大きいと判断した場合に、前記ドア開扉駆動手段を手動開扉モードに維持するように構成されると共に、前記ドアハンドル操作態様変化信号の検出時における前記検出開度が前記設定開度以下であると判断した場合に、前記ドア開扉駆動手段を手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えて駆動制御するように構成されたことを特徴とする車両用ドア開扉装置。
  2. 前記ドア開扉駆動手段は、モータと、該モータにクラッチ機構を介して接続された可動部とを有して構成されると共に、前記クラッチ機構により、前記手動開扉モードから前記自動開扉モードに切り替え可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア開扉装置。
  3. 前記ドアは、蝶番式ドア又はスライド式ドアからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア開扉装置。
  4. 前記ドアハンドルは、前記ドアの内側又は前記ドアの外側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドア開扉装置。
  5. 車両に設けられたドアを手動開扉モードと自動開扉モードとに切り替えて開扉させる車両用ドア開扉制御方法であって、
    手動開扉モード時における前記ドアの開度を検出するドア開度検出ステップと、
    該ドア開度検出ステップにて検出した検出開度と予め設定した設定開度とを比較する第一ドア開度比較ステップと、
    該第一ドア開度比較ステップにおける前記ドアの検出開度が前記設定開度より大きい場合に、前記ドアの自動開扉モードへの移行をキャンセルして手動開扉モードを維持する自動開扉モードキャンセルステップと、
    手動開扉モード時に、前記ドアに設けられたドアハンドルの操作態様の変化を検出するドアハンドル操作態様変化検出ステップと、
    該ドアハンドル操作態様変化検出ステップにて前記ドアハンドルの操作態様の変化を検出した場合に、前記ドアの開度を検出して前記設定開度と比較する第二ドア開度比較ステップと、
    該第二ドア開度比較ステップにおける前記ドアの検出開度が前記設定開度以下である場合に、手動開扉モードから自動開扉モードに切り替えて前記ドアを自動で開扉させるドア自動開扉駆動ステップと、
    を備えたことを特徴とする車両用ドア開扉制御方法。
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