JP3824423B2 - 合成樹脂フィルム及び製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープなどの磁気記録メディアのベースフィルムに関するものであり、更に詳しくは例えば信号波長が0.5μm以下であるような高密度記録用磁気記録メディアのベースに好適な耐熱性合成樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープのベースフィルムの表面性が磁気テープ特性上重要であることは従来から指摘されていたところである。特に、磁気テープのカセット当りの高容量化のために、ベースフィルムとしてアラミドなどの高い弾性率を持つフィルムを用いて、テープ厚みを薄くしてカセット当りのテープ長さを高めること、また信号波長を短くすることが行われるにいたり、塗布タイプの磁気テープでも磁性粉の微細化や塗布厚みを薄くすることが行われ、また、金属を蒸着やスパッタした金属薄膜タイプの磁気テープが用いられるようになったため、更にベースフィルムの表面の平滑さが要求されるに至っている。
一方、表面が完全に平滑なフィルムは、フィルム製造工程や、磁気テープ加工工程において、各機材との滑りが悪く、しわが発生したり、走行抵抗が大きくなって切断したりするなどの問題があることが知られており、通常、微細な粒子を添加して微細な突起を設けて滑り性を付与したフィルムを製造することが行われている。
【0003】
これらの要求に応えるため、例えば、特開昭60−127523号公報では、正確な個々の微細突起の高さではないが、触針式の表面粗さ計で測定した高さとして3〜50nmである微細な突起が104 個〜108 個/mm2 のアラミドフィルムを提案しており、また特開平4−1493452号公報では、表面の微細突起を調整するために添加した微粒子を特定の凝集状態としたアラミドフィルムを提案している。特開平8−55328号公報では、電子顕微鏡で測定した高さが50nm以上の微細突起が2×103 個〜2×107 個のアラミドフィルムを用いた磁気テープを提案している。
【0004】
特開昭60−127523号公報は、磁気層を塗布するタイプに比べて、ベースフィルムの表面形状がそのまま磁気層表面に反映される金属薄膜をベースフィルム上に形成するタイプの磁気テープに用いることを目的としたものであるが、これらの提案はいずれも、当時のビデオ録画程度の記録密度では、上記の高さの微細突起でも十分であったが、最近のデータ記録用途では、デジタル信号を記録し、また記録波長も短くなっているため、上記の突起の高さでは、ヘッドが磁気テープ面よりその分浮上がり、いわゆるスペーシングロスが大きくなり、信号の書込み、読取りのエラーとなることが問題となってきた。
【0005】
最近の磁気テープの進歩に対応した、更に高さは低いが滑り性には有効な微細な突起を持つフィルムが従来の技術では実現されていない理由は、特開平4−149245号公報の実施例および比較例に見られるように、微粒子が十分に分散されず、数個〜数十個凝集した状態でフィルム中に存在するためにそれにより形成される微細突起が高くなってしまうからである。
また、微粒子として、各粒子が独立して液体中に分散されているコロイド状粒子を用いることも、特開昭61−246919号公報、特開平3−119512号公報、特開平4−34716号公報などにより推奨されているが、これらにおいてもその実施例でも明らかなように、フィルム製造に際して微粒子が凝集してしまっている。
【0006】
コロイド状粒子が凝集する理由は、アラミドや、ポリイミドなどの難溶性の樹脂の製膜においては、溶剤としてアミド型溶剤に塩化リチウムや塩化カルシウムなどの無機塩を溶解助剤として添加したもの、濃硫酸などの強酸などの極性が高い溶剤などを用いることが必要であり、これらの極性が高い溶剤にコロイド状微粒子分散液を添加して樹脂溶液を作成するに当り、極性の高い、特に濃硫酸を溶剤とする場合やイオン性の無機塩が含まれる有機溶剤中でコロイド状に微分散していた微粒子が、イオンにより凝集することは周知のことである。
また、微粒子の分散度を高めて平滑な表面を得ることの提案が見られない他の理由は、あまりにも平滑な表面はフィルムの滑り性を損なう結果となり、フィルムの製造工程や加工工程でしわ発生等の問題が発生するからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、好ましい機械的特性を示し磁気テープの厚みを薄くすることができる耐熱性合成樹脂のフィルムにおいて、短波長の記録特性に優れた高密度記録用磁気テープの提供を可能にする平滑な表面を持ち、且つフィルムの製造工程や磁気テープの製造工程において安定な走行性を持ったフィルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、コロイド状微粒子分散液を微粒子の凝集を発生させることなくフィルムを製造することに成功し、さらに滑り性に対する改良を加えて本発明を完成するに至った。
即ち、フィルムの表面の少なくとも片面が、原子間力顕微鏡により観察した10〜30nm高さの微細突起Aの密度が102 〜1010個/mm2 、原子間力顕微鏡により観察した40〜100nm高さの微細突起Bの密度が微細突起Aの密度の1/10以下で且つ1〜5×103 個/mm2 存在する表面であり、かつ、平均凝集度が1〜3の範囲に分散されている平均直径が5〜50nmの微粒子Aを0.005〜1重量%と、平均凝集度が1〜3の範囲に分散されている平均直径が60〜200nmの微粒子Bを0.005〜1重量%の範囲で且つ微粒子Aの平面密度の1/10以下であるように含有する高密度記録用磁気記録メディア用アラミド樹脂フィルムの製造方法であって、コロイド状に単独に分散されている平均直径が5〜50nmの微粒子Aを、アラミド樹脂に対して0.005〜1重量%になるように平均凝集度が1〜3の範囲に希釈分散し、コロイド状に単独に分散されている平均直径が60〜200nmの微粒子Bを、アラミド樹脂に対して0.005〜1重量%の範囲で且つ粒子数比で微粒子Aの1/32以下になるように、かつ、20重量%〜50重量%濃度の微粒子のコロイド分散液を微粒子濃度が1〜10重量%となるように希釈した後、この希釈分散液を無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合して、平均凝集度が1〜3の範囲に希釈分散させ、その希釈分散した溶剤を用いてアラミド樹脂溶液を調整し、乾式法または湿式法にてフィルムに成形することを特徴とする高密度記録用磁気記録メディア用アラミド樹脂フィルムの製造方法により解決できる。
【0009】
本発明の特徴とする微細突起Aは、その高さが10〜30nm、さらに好ましくは15〜25nmの高さであるべきであり、10nmに満たない突起では金属薄膜の磁性層をその上に形成した際の磁気ヘッドとの良好な滑り性を実現することができず、また30nmを越える突起はスペーシングロスが大きくなり好ましくない。
微細突起Aの密度は102 〜1010個/mm2 、さらに好ましくは103 〜108 個/mm2 で存在するべきであり、102 個/mm2 に満たない時は磁気テープのヘッドとの滑り性が損なわれ、また1010個/mm2 を越えると磁気テープの出力の低下が発生する。
【0010】
また、微細突起Aに混在してそれよりも高い微細突起Bが存在することが本発明の特徴であり、その高さは40〜100nm、さらに好ましくは50〜80nmであることが必要である。40nmに満たないときは本発明の目的とする滑り性を満足できず、また100nmを越えるものは磁気テープの電磁変換出力が低くなったり、磁気テープ製造中に裏面の突起が磁性面に転写されてエラーの原因となるために好ましくない。
また、微細突起Bの密度は微細突起Aの密度の1/10以下、さらに好ましくは1/100以下であるべきであり、且つ1〜5×103 個/mm2 、さらに好ましくは5〜2×103 個/mm2 存在すべきである。1/10よりも多いかまたは5×103 個/mm2 よりも多いときは磁気テープの出力が低下し、また少なすぎると必要な滑り性が得られないため少なくとも1個/mm2 以上であることが望ましい。
【0011】
フィルムには微細突起Aおよび微細突起B以外の高さの突起が、それらの合計の10%以下存在することも許される。
なお、本発明の微細突起AおよびBの高さは微細突起1個ずつの高さであり、従来の触診式表面粗さ計や光学的表面粗さ計で測定できる広い表面の高さとは異なるものであることに留意すべきである。
本発明のフィルムは、例えば、平均凝集度が1〜3の範囲に分散されている平均直径が5〜50nmの微粒子Aを0.005〜1重量%と、平均凝集度が1〜3の範囲に分散されている平均直径が60〜200nmの微粒子Bを0.005〜1重量%の範囲で且つ微粒子Aの密度の1/10〜1/10000であるように含有する耐熱性樹脂フィルムにより実現できる。
【0012】
微粒子はいわゆる滑剤としてフィルムに滑り性を与えるものである。
微粒子Aは微細突起Aを形成するためのものであり、平均直径は5〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmの範囲に選ばれるべきで、5nmに満たないときは次に述べる凝集度が高くなり、また50nmを越えるものでは微細突起Aの高さを実現できないことが多く避けられるべきである。微粒子Aはフィルムに0.005〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%含まれることが必要である。微粒子Aの量が0.005重量%未満では磁気テープのヘッドとの滑り性が損なわれ、また1重量%を越えると磁気テープの出力の低下が発生する。
【0013】
微粒子Bは微細突起Bを形成するためのものであり、平均直径は60〜200nm、さらに好ましくは70〜120nmの範囲に選ばれるべきで、60nmに満たないときは微細突起Bを形成できないことが多く、また200nmを越えるものでは微細突起Bの高さを実現できないことが多く避けられるべきである。また、微細粒子Bの密度は、形成すべき微細突起Bの微細突起Aに対する密度比に対応して、微粒子Aの平面密度の1/10以下に選ばれるべきである。
微粒子A、Bはいずれも本来独立して存在すべきであるが、極微細な粒子は会合して凝集しやすいことが知られており、本発明の目的とするフィルム表面状態を実現する上で、微粒子は平均凝集度として1〜3、更に好ましくは1〜2程度の低い凝集状態であることが必要である。平均凝集度が3を超える場合は100nmを超える粗大突起が形成されることとなり、本発明の目的とする高密度記録用磁気テープに用いるに当り、エラーが発生しやすいという問題がある。
【0014】
微粒子としては、有機化合物、無機化合物などがあるが、通常は、例えば、SiO2 、TiO2 、ZnO、Al2 3 、CaSO4 、BaSO4 、CaCO3 、カーボンブラック、ゼオライト、その他金属粉末などの無機化合物が用いられる。また、微粒子の分散性の観点からは、コロイド状に分散されているものが好適である。これらの条件を満たすものとしては、コロイド状シリカ(SiO2 )が市販されており、好適に利用できるが、シリカ以外のものであっても上記の条件を満たすものであれば本発明の実施に用いられてよい。
またコロイド状シリカは、通常pH8〜11の範囲で安定化されているものが用いられるが、酸性タイプとしてpH2〜4で安定化されているものもあり、溶剤が酸性を示すものを用いるにおいては好ましく用いられる。
本発明のフィルムは、微細突起Bを形成するための微粒子Bのみを樹脂に添加し、微細突起Aは湿式凝固などの際に相分離して形成される樹脂の1次粒子により形成したフィルムによっても実現できる。
【0015】
本発明を実施する上で、フィルムの磁性層を形成する表面とその裏面は同様の表面性であっても、異なっていてもよいが、さらに滑り性を改良する上では裏面の表面粗度を例えば光学的表面粗さ計による中心面平均粗さ(SRa)が2〜10nm程度に選ぶことも許される。
本発明を実施する上で、磁気記録メディアとしては、磁気テープ、フロッピーディスク等が挙げられるが、磁気テープではカセット当たりの記録容量を高めるため、磁気テープの厚みを薄くすることが肝要であり、フイルムの厚みとしては厚さが2μm以上、8μm以下に選ばれ、またフロッピーディスクにおいては25μm以上、75μm以下が好ましく用いられる。
【0016】
ベースフィルムを薄くする上で、磁気テープの製造工程での加工性、磁気テープの走行性や電磁変換特性の点でベースフィルムの強度および弾性率が高いことが好ましい。例えば、フィルムのいずれの方向においても、強度が20kg/mm2 以上、更に好ましくは30kg/mm2 以上であることが好適である。本発明を実施する上で強度の上限は特に限定する理由はないが、機械的特性に優れるアラミドフィルムでも、通常実現可能な強度としては60kg/mm2 程度である。また、同様に弾性率は1000kg/mm2 以上、更に好ましくは1300kg/mm2 以上であることが好適である。弾性率の上限も特に制限されるものではないが、アラミドフィルムにおける実現可能な弾性率としては2500kg/mm2 程度である。
【0017】
これらのフィルムの特性は、長尺方向、幅方向のいずれにおいても満足されるべきであるが、それらが必ずしも同じである必要はなく、目的に応じていずれかの特性を高めることも行われてよく、いわゆる長尺方向、幅方向の特性がほぼ等しいバランスタイプ、いずれかの方向により緊張処理された一軸緊張タイプのいずれであってもよい。
本発明の目的とする高密度記録用磁気メディアとしては、磁性金属粉をバインダにより塗布積層したタイプの他に、磁性金属を蒸着またはスパッタなどのベーパーデポジット法による磁性金属薄膜を磁性層とするものも好ましく用いられるが、ベーパーデポジット法を用いる上でフイルムの耐熱性が必要であり、耐熱性の尺度として200℃における熱収縮率が、フィルムのいずれの方向においても2%以下、更に好ましくは1%以下であることが必要である。ベースフィルムの耐熱性がこれ以下であれば、金属薄膜を設置する際フィルムの変形が生じるため望ましくない。特に、今後の更なる磁性層の高性能化の要請により、金属薄膜製造時のエネルギー密度の増大が考えられ、フィルムの受ける熱エネルギーは増大する一方であり、フィルムの耐熱性は重要である。
【0018】
これらの特性を満足する耐熱性フィルムとしては、アラミド樹脂やポリイミド樹脂よりなるフィルムの一部の物が使用可能である。
本発明のフィルムは、コロイド状に単独に分散されている平均直径が5〜50nmの微粒子Aを耐熱性合成樹脂に対して0.005〜1重量%になるように、平均凝集度が1〜3の範囲に希釈分散し、コロイド状に単独に分散されている平均直径が60〜200nmの微粒子Bを耐熱性合成樹脂に対して0.005〜1重量%の範囲で且つ粒子数比で微粒子Aの1/32以下になるように、平均凝集度が1〜3の範囲に希釈分散した溶剤を用いて樹脂溶液を調整し、フィルムに成形することにより製造できる。ここで微粒子Aと微粒子Bの粒子数比は、それぞれの平均直径と濃度により算出され、フィルム表面のそれぞれの微粒子の平面密度として1/10以下に相当する量比である。
【0019】
本発明に用いられるアラミド樹脂としては、次の構成単位からなる群より選択された単位より実質的に構成される。
−NH−Ar1 −NH− (1)
−CO−Ar2 −CO− (2)
−NH−Ar3 −CO− (3)
ここでAr1 、Ar2 、Ar3 は少なくとも1個の芳香環を含み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表例としては次の化1で表される基などが挙げられる。
【0020】
【化1】
Figure 0003824423
【0021】
また、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基などで置換されているものも含む。また、Xは−O−、−CH2 −、−SO2 −、−S−、−CO−などである。
特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合されているアラミド樹脂は、本発明に用いられるフィルムを製造する上で好ましい。
本発明に用いられるポリイミド樹脂としては、ポリマーの繰り返し単位の中に芳香環とイミド基をそれぞれ1個以上含むものであり、次の化2または化3の一般式で表されるものである。
【0022】
【化2】
Figure 0003824423
【0023】
【化3】
Figure 0003824423
ここでAr4 およびAr6 は少なくとも1個の芳香環を含み、イミド環を形成する2個のカルボニル基は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このAr4 は、芳香族テトラカルボン酸またはその無水物に由来する。代表例としては、次の化4で表される基が挙げられる。
【0024】
【化4】
Figure 0003824423
ここでYは、−O−、−CO−、−CH2 −、−S−、−SO2 −などである。また、Ar6 は無水トリカルボン酸、あるいはそのハライドに由来する。代表例としては、次の化5で表される基が挙げられる。
【0025】
【化5】
Figure 0003824423
Ar5 、Ar7 は、少なくとも1個の芳香環を含み、芳香族ジアミン、芳香族イソシアネートに由来する。Ar5 またはAr7 の代表例としては次の化6で表される基が挙げられる。
【0026】
【化6】
Figure 0003824423
ここで、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基などで置換されているものも含む。Zは、−O−、−CH2 −、−S−、−SO2 −、−CO−などである。
【0027】
特に、Ar5 、Ar7 の80%以上がパラ位に結合された芳香環であるポリイミド樹脂が、本発明に用いられるフィルムを製造する上で好ましい。
また、本発明を実施する上で、フィルムを製造するに用いられるアラミド樹脂またはポリイミド樹脂には、フィルムの物性を損ねたり、本発明の目的に反しない限り、前述の微粒子の他に、酸化防止剤、その他の添加剤などや、他のポリマーが含まれていてもよい。
また、フィルムには染料や顔料などの着色剤や、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の改質剤についても、それが本発明の目的に反しない限り含まれていてもよい。
【0028】
本発明のフィルムの製造法については、特に限定されるものではなく、それぞれの樹脂に適した製造法が採用されてよい。
まずアラミド樹脂については、有機溶剤可溶のものでは、直接溶剤中で重合するか、一旦ポリマーを単離した後再溶解するなどして溶液とし、ついで乾式法または湿式法にて製膜され、また、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)等の有機溶剤に難溶のものについては、濃硫酸などに溶解して溶液とし、ついで湿式法にて製膜される。
一方、ポリイミド樹脂については、有機溶剤中にてテトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを反応させて、ポリアミド酸とし、この溶液をそのまま、または一旦閉環処理してポリイミドとし、再度溶剤に溶解して溶液を得、それらを乾式法または湿式法にて製膜される。
【0029】
乾式法では、溶液はダイから押し出され、金属ドラムやエンドレスベルトなどの支持体上にキャストされ、キャストされた溶液が自己支持性あるフィルムを形成するまで乾燥またはイミド化反応が進められる。
湿式法では、溶液はダイから直接凝固液中に押し出されるか、乾式と同様に金属ドラムまたはエンドレスベルト上にキャストされた後、凝固液中に導かれ、凝固される。
ついでこれらのフィルムはフィルム中の溶剤や無機塩などを洗浄され、延伸、乾燥、熱処理などの処理を受ける。
本発明の表面平滑性のフィルムは、アラミド樹脂またはポリイミドもしくはポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液中に、特定の凝集状態に調整された微粒子を混入し、この溶液を製膜することにより製造される。
【0030】
本発明のフィルムの表面の表面粗さを実現する上で、表面を形成する樹脂溶液の微粒子の分散が重要である。微粒子AおよびBはいずれも樹脂溶液中で平均凝集度が1〜3、更に好ましくは1〜2程度に分散されていることが肝要である。このような樹脂溶液中での微粒子の分散状態を実現する方法としては、用いる溶剤に微粒子を平均凝集度が1〜3、好ましくは1〜2の範囲に分散させ、そのように調整された溶剤を用いて樹脂溶液を調整する。樹脂溶液の調整法としては、上記の微粒子分散溶剤中で樹脂を重合するか、その溶剤中に樹脂を溶解するか、または微粒子を含有しない溶剤に樹脂を溶解した溶液に、上記の微粒子分散溶剤を添加して混合する方法が用いられる。
【0031】
溶剤中でこのような微粒子の分散状態を実現する上で、粉末の微粒子を水または各種有機溶剤に分散する方法では、強力なホモジナイザーを用いたとしても、完全な凝集微粒子の分離、分散が実現されず、好ましくなく、微粒子がコロイド状に単独に分散されているものを用いる必要がある。
市販のコロイド状の微粒子分散液は通常20重量%〜50重量%程度の濃度で販売されているが、これらの市販のコロイド状の微粒子分散液を用いたとしても、無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合する際に微粒子の凝集が発生し、目的とする分散状態を実現することは難しい。
【0032】
本発明のフィルムを製造するに当たって、微粒子の好ましい分散状態を実現する具体的な方法としては、例えば、微粒子のコロイド状分散液を、予め無機酸または無機塩を含有しない溶剤または分散液に用いられている分散剤で、微粒子濃度が1〜10重量%、更に好ましくは2〜8重量%となるように希釈した後、この希釈分散液を無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合して、平均凝集度が1〜3に微粒子を分散させた溶剤とし、これを用いて耐熱性合成樹脂溶液を調整することによって実現できる。微粒子濃度が10重量%を超える分散液を無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合すると、コロイド状微粒子の凝集度が高くなり好ましくない。
【0033】
微粒子のコロイド状分散液を希釈する方法や条件は特に限定されるものではない。また、微粒子の希釈分散液を無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合する方法は特に限定するものではなく、通常の混合装置の他、撹拌式ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーなども用いてよい。
また、微粒子濃度が3〜10重量%となるように希釈した希釈分散液を、無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合するに当っては、溶剤が毎分50〜1000mの速度で流動する中に、希釈分散液の添加量を毎分溶剤量の0.1容量%を超えない速度で溶剤に加えることは、好ましい分散性を実現することができ、好ましい実施態様である。
【0034】
また、無機酸または無機塩を含有する溶剤に直接コロイド状微粒子を10%を超えて含有する分散液を添加するに当り、分散液を超音波ホモジナイザかきまぜ下の溶剤中に、分散液の添加量を毎分溶剤量の0.1%を超えない速度で溶剤に加えることによっても、平均凝集度が1〜3に微粒子を分散することが可能である。
上記の方法で微粒子を分散された溶剤は、重合や樹脂の溶解に用いられるに先立って、万が一発生した凝集粒子や微粒子以外の異物を除去するためろ過することも好ましい実施形態である。
【0035】
平均直径が5〜50nmの微粒子Aと平均直径が60〜200nmの微粒子Bは、希釈に先立って所定の比率に混合された後所定の濃度まで希釈分散しても、それぞれを個別に所定の濃度に希釈分散させた後混合しても、いずれの方法であっても良い。またいずれかの微粒子を分散した溶剤に耐熱性樹脂を溶解した後、他の微粒子を分散した溶剤を添加して混合することも本発明の一実施態様である。
一旦溶剤中に分散された微粒子は比較的安定で、経時的に微粒子が凝集することは少ないが、調整後速やかに用いることは好ましい。
【0036】
本発明のフィルムを用いて磁気テープを製造する方法については、特に制限するものではなく、従来の磁性粉をバインダーによりフィルム上に塗工する方法でも、ベーパーデポジット法により磁性層の金属薄膜を形成する方法でもよい。塗布型磁気テープを製造するにおいても、磁性材料の種類や寸法、バインダーの種類や配合、塗布方法などは任意のものが選択されてよい。また、磁性層の金属薄膜を形成する方法も公知の方法が任意に用いられてよく、例えば、Co、Ni、Cr、Feや、これらの合金をベーパーデポジション法、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などにより、ベースフィルム上に直接、またはAl、Ti、Crなどのプレコート層を形成した後、薄膜状に結晶として成長させる。水平磁化方式では、磁性層の結晶軸をベースフィルムに斜めに傾けて、垂直磁化方式では垂直に成長させるなどの工夫も、必要に応じて行ってよい。金属薄膜磁性層の表面の耐磨耗性を改良するなどの目的のため、その表面を酸化処理や窒化処理したり、アモルファスカーボン層や結晶ダイヤモンド薄膜相を気相成長法などの手段で設けることも好ましい実施態様である。
【0037】
本発明のフィルムは、磁気メディアに用いられて有用であるが、勿論用途は磁気テープに限られるものではなく、アモルファスシリコン太陽電池、熱転写印刷リボンなどのベースフィルムとして用いるものにおいても好ましい性能が発揮できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明をこれら実施例などにより何ら限定するものではない。また、例中特に表示のない%は重量%である。コロイダルシリカの粒径はいずれも平均粒径で示す。
<特性の測定法>
本発明の特性値の測定法は次の通りである。
(1)フィルムの厚み、強度、伸度、弾性率の測定法
フィルムの厚みは、デジタル電子マイクロメータ(アンリツ株式会社製K351C型)により直径2mmの測定子を用いて無作為に10点を測定しその平均値で表す。
【0039】
強度、伸度、弾性率は、定速伸長型強伸度測定機を用い、測定長100mm、引っ張り速度50mm/分で測定したものである。
(2)熱収縮率の測定法
フィルムから2cm×5cmの試料片を切り出し、4cmの間隔に刃物で傷をつけて標識とし、予め23℃、55%RHの雰囲気下に72時間放置した後、標識間の距離を読み取り顕微鏡にて測定し、次いで200℃の熱風式オーブンに2時間拘束することなく放置した後、再度23℃、55%RHの雰囲気下に72時間放置した後、標識間の距離を読み取り顕微鏡にて測定して求めた。
(3)原子間力顕微鏡(AFM)による微細突起Aの密度、最大突起高さ(Zmax)および中心面自乗平均粗さ(RMS)測定法
フィルムをシリコンウエハ上にカーボンペーストにて固定し、Topometorix社製のTMX2010 Discoverer型AFMを用いて、ノンコンタクトモードにて30μm×30μmの範囲を走査速度2Hzにて観測した。画像処理に当っては、三次元のレベリング処理を施した。なお、微細突起Aの密度、Zmax、RMSいずれも、10視野の測定値の平均値で表す。
【0040】
(4)微粒子の平均凝集度測定法
フィルムの表面をアルゴンプラズマにてエッチングして微粒子を露出させた後常法により走査型顕微鏡で5万倍で観察し、必要あれば複数の視野から微粒子凝集物(単独で存在するものも含む)の50個以上につき、各単独または凝集して分散している各々について、それらを構成している微粒子の数を数え、その平均値で表す。
(5)微粒子AおよびBの平面密度の測定法
フィルムから常法により厚み約100nmの薄片試料を切出し、JEOL社製JEM200FX型透過型顕微鏡により、50000倍で観察し、必要あれば複数の視野から微粒子の径の分布を測定し、5〜50nmの微粒子数に対する60〜200nmの微粒子数の比率を算出した。
【0041】
【実施例1】
N−メチルピロリドン(NMP)中に2−クロロパラフェニレンジアミン80モル%と4、4’−ジアミノジフェニルエーテル20モル%を芳香族ジアミン成分として溶解し、ジアミン成分と当モルの2−クロルテレフタル酸クロライドを添加し、2時間撹拌して重合した。これを水酸化リチウムで中和して、ポリマー濃度が11%の塩素置換アラミド溶液を得た。
一方、40nmのコロイド状シリカ粒子を40%含有する水分散液と80nmのコロイド状シリカ粒子を40%含有する分散液を1000対1の比率で混合し、これを超音波ホモジナイザーでかき混ぜつつNMP中に分散して、シリカ粒子濃度を0.44%とし、ついで、上記の芳香族ポリアミドフィルム溶液100部に対し10部の割合で添加、混合し樹脂濃度10%の溶液に調整した。
【0042】
この溶液を10μmカットの金属繊維焼結不織布製フィルタにてろ過した後、Tダイを通じてエンドレスベルト上にキャストし、180℃の熱風で2分間溶剤を蒸発させた後、ベルトからフィルムを剥離した。次いで、フィルムを水洗しつつ縦方向に1.2倍延伸し、テンターでフィルムを把持し、横方向に1.3倍延伸しつつ150℃の熱風にて乾燥し、次いで280℃で1.5分間熱処理を施し、厚さ6μmのフィルムを問題なく巻き取った。
得られたフィルムのシリカ微粒子の平均凝集度は粒径が40nm前後の微粒子が2.9であり、粒径が80nm前後の微粒子が2.3であった。フィルムの微細突起Aの密度は5×105 個/mm2 、微細突起Bの密度は1.2×103 個/mm2 であり、フィルムの長手方向、幅方向の機械的特性がそれぞれ、強度は35、34kg/mm2 、弾性率が1250、1200kg/mm2 であり、200℃での熱収縮率は1.0、1.1%であった。
このフィルムは、製造工程での滑り性には全く問題なく、また蒸着型磁気テープ製造においても全く問題は発生しなかった。
【0043】
【比較例1】
比較のため実施例1の40nmのコロイド状シリカ粒子を加えなかったほかは同様にしてアラミドフィルムを製造したところ、フィルムの滑りが悪くしわが発生しやすいため連続して安定に巻き取ることができなかった。
得られたフィルムは、粒径が80nm前後の微粒子シリカ微粒子の平均凝集度は2.3であり、微細突起Aの密度は2×102 個/mm2 、微細突起Bの密度は1.0×103 個/mm2 であり、フィルムの長手方向、幅方向の機械的特性がそれぞれ、強度は34、34kg/mm2 、弾性率が1200、1220kg/mm2 であり、200℃での熱収縮率は1.0、1.1%であった。
【0044】
【実施例2】
20nmのコロイド状シリカ粒子を40%含有する分散液を蒸留水に混合して5%のシリカ濃度の希釈液を準備し、100.6%の濃硫酸が100m/分の速度で循環されているパイプの枝管から、循環濃硫酸量に対し0.06容量%/分の比率でシリカ希釈液を送り混合して、シリカ濃度が0.02%の濃硫酸を調整した。
この濃硫酸を用いてPPTAを溶解し、ポリマー濃度が14.0%のPPTA溶液を調整した。
100nmのコロイド状シリカ粒子を40%含有する分散液を、20nmのコロイダルシリカの場合と同様にして濃硫酸に分散し、シリカ濃度が0.02%の濃硫酸を調整し、上記のPPTA溶液100部に対し12部となるように、混練しつつ添加し、20nmのシリカを0.016%、100nmのシリカを0.0019%含有する12.5%のPPTA溶液を調整した。
【0045】
このPPTA溶液を5μmカットのステンレス鋼の焼結不織布製のフィルターでろ過した後、ダイから鏡面に研磨したタンタル製のエンドレスベルト上にドラフト率1.2でキャストした。次いで、ベルト上で加熱と同時に吸湿処理して、樹脂溶液を液晶相から等方相に相転換した後、10℃の30%硫酸中にて凝固させ、中和、水洗し、縦方向に1.1倍に延伸した後、クリップテンターにより横方向に1.1倍の延伸を施し、定長状態を保ちつつ熱風乾燥し、次いでテンターでフィルムを保持したまま430℃で熱処理した後巻き取った。フィルムの製造状況は極めて安定しており、6000mを連続して巻き取れた。
得られたPPTAフィルムは4.5μmの厚みであり、シリカ微粒子の平均凝集度は2.0であり、フィルムの微細突起Aの密度は5×109 個/mm2 、微細突起Bの密度は2×103 個/mm2 であり、フィルムの物性は長尺方向、幅方向にそれぞれ、強度42、43kg/mm2 、伸度14、12%、弾性率1510、1510kg/mm2 、200℃熱収縮率0.2、0.2%であった。
【0046】
【比較例2】
実施例2において、100nmのシリカ分散液に代えて、シリカを全く含まない濃硫酸を用いた他は同様にしてPPTAフィルムを製造したところ、フィルムの滑りが悪いために巻き取りに際してしわの発生が多発し、長尺の巻き取りは不可能であった。
得られたPPTAフィルムは4.5μmの厚みであり、シリカ微粒子の平均凝集度は2.8であり、フィルムの微細突起Aの密度は5.1×109 個/mm2 、微細突起Bの密度は0.5個/mm2 であり、フィルムの物性は長尺方向、幅方向にそれぞれ、強度43、43kg/mm2 、伸度14、13%、弾性率1500、1510kg/mm2 、200℃熱収縮率0.2、0.2%であった。
【0047】
【比較例3】
50nmの粉体の球状シリカを100%の濃硫酸中に6%添加し、超音波ホモジナイザにて24時間処理した後、未分散シリカをろ過して除去し、次いで100%濃硫酸にてシリカ濃度を0.25%とし、PPTAを溶解して12.5%のPPTA溶液を調整した。この溶液を用いた他は実施例2と同様にしてPPTAフィルムを製造した。
得られたPPTAフィルムは4.5μmの厚みであり、シリカ微粒子の平均凝集度は18.5であり、粉体シリカの場合は長時間の分散処理にも関わらず完全な分散が不可能であることが分かる。フィルムの微細突起Aの密度は5.1×109 個/mm2 、微細突起Bの密度は3.2×105 個/mm2 であり、フィルムの物性は長尺方向、幅方向にそれぞれ、強度43、43kg/mm2 、伸度14、13%、弾性率1500、1510kg/mm2 、200℃熱収縮率0.2、0.2%であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、高密度記録用磁気メディアの磁性層を形成する上で要求される極めて平滑な表面性を持ちながら適度の滑り性を同時に実現できるため、フィルム製造工程、磁気メディア製造工程での各設備との滑り性は損われず、一方本発明のフィルムを用いて製造された磁気メディアは、磁気ヘッドの磁性層表面の追従を妨げることのない平滑な表面が得られ、短波長の信号の書込み、読取りに際してもエラーの発生が少ない。
本発明のフィルムを用いた磁気メディアによれば、今後ますます要求が高まる短波長信号による高記録容量の磁気記録が可能となり、マルチメディアなどの情報記録用途、デジタルハイビジョンなどの高品位テレビ映像の録画、高度情報化社会におけるコンピュータ情報記録のバックアップなどに有用である。
また、本発明のフィルムはその他の用途、例えば昇華型プリンタ用インクリボンのベースなどに用いも、極めて平滑な表面と滑り性が発揮され、特に用途を限定されるものではない。

Claims (2)

  1. フィルムの表面の少なくとも片面が、原子間力顕微鏡により観察した10〜30nm高さの微細突起Aの密度が102 〜1010個/mm2 、原子間力顕微鏡により観察した40〜100nm高さの微細突起Bの密度が微細突起Aの密度の1/10以下で且つ1〜5×103 個/mm2 存在する表面であり、かつ、平均凝集度が1〜3の範囲に分散されている平均直径が5〜50nmの微粒子Aを0.005〜1重量%と、平均凝集度が1〜3の範囲に分散されている平均直径が60〜200nmの微粒子Bを0.005〜1重量%の範囲で且つ微粒子Aの平面密度の1/10以下であるように含有する高密度記録用磁気記録メディア用アラミド樹脂フィルムの製造方法であって、コロイド状に単独に分散されている平均直径が5〜50nmの微粒子Aを、アラミド樹脂に対して0.005〜1重量%になるように平均凝集度が1〜3の範囲に希釈分散し、コロイド状に単独に分散されている平均直径が60〜200nmの微粒子Bを、アラミド樹脂に対して0.005〜1重量%の範囲で且つ粒子数比で微粒子Aの1/32以下になるように、かつ、20重量%〜50重量%濃度の微粒子のコロイド分散液を微粒子濃度が1〜10重量%となるように希釈した後、この希釈分散液を無機酸または無機塩を含有する溶剤に混合して、平均凝集度が1〜3の範囲に希釈分散させ、その希釈分散した溶剤を用いてアラミド樹脂溶液を調整し、乾式法または湿式法にてフィルムに成形することを特徴とする高密度記録用磁気記録メディア用アラミド樹脂フィルムの製造方法。
  2. フィルムのいずれの方向においても、強度が20〜60kg/mm2 、弾性率が1000〜2500kg/mm2 、200℃における熱収縮率が2%以下である請求項1記載の高密度記録用磁気記録メディア用アラミド樹脂フィルムの製造方法。
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