JP3728892B2 - 芳香族ポリアミドフィルム、その製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルム、その製造方法およびそれを用いた磁気記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリアミドフィルム、特に高密度磁気記録媒体用として好適に用いられる芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法、および高密度磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリアミドフィルムや芳香族ポリイミドフィルムは、その優れた耐熱性、機械特性を活かして種々な用途に検討されている。特にパラ配向系の芳香族ポリアミドは剛性、強度等の機械特性が他のポリマーより優れているため、フィルムの薄物化に非常に有利であり、プリンタリボン、磁気テープ、コンデンサー等の用途が考えられている。特に磁気テープに使用する場合フィルムの表面性の改良が必要であり、例えば磁気記録媒体用フィルムとして無機粒子を添加することにより表面性を改良した例として、特開昭60ー127523、特開昭60−201914などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、デジタル記録技術の進歩、コンピュータの外部メモリへの展開などにより、薄膜化、高密度記録化、高耐久性の磁気記録媒体に適したフィルムの要求がより強くなってきている。すなわち、高出力を達成するために磁性層として、極薄塗布型磁性層を形成したり、フィルム上に磁性層を蒸着、スパッタなどにより直接形成する金属薄膜型磁性層に大きな進歩が見られているが、磁性層が高性能になればなるほどベースフィルムにも、平滑性、走行性を高いレベルで達成することが求められている。特に金属薄膜型磁気記録媒体においてはベースフィルムの表面性が磁性面の表面性を支配するために要求が厳しく、下記に記す問題が大きくなる。
【0004】
芳香族ポリアミドフィルムを用いる場合の問題として、第1に、出力特性を向上させるために表面を平滑にしようとするとヘッドとの摩擦により、磁性層が剥離したり、剥離した磁性粉によりヘッドに目詰まりを発生させることがある。またこうした耐久性を改善しようと粗面化を行うと高性能磁気記録媒体に要求される出力特性が得られなくなることがある。第2に走行性を付与するために表面を粗面化すると磁性層に転写が発生し、磁気記録媒体でデータの欠落が発生することがある。こうした問題を解決しようと磁性層側の面と走行側の面との表面性を変化させる提案もなされているが、必ずしも充分とは言えない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる問題点を解決するために、本発明は、基材芳香族ポリアミドフィルムの片面に磁性層が形成された磁気記録媒体であって、基材芳香族ポリアミドフィルムの磁性層が形成される片面(以下、A面という)に、一種以上の高分子体と無機粒子とからなる層が塗布により形成され、かつこのA面の原子間力顕微鏡測定による自乗平均粗さが2.0nm以上で、かつ最大高さが100nm以下であることを特徴とする芳香族ポリアミドフィルムとするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の芳香族ポリアミドとは、次の一般式(I)および/または一般式(II)で表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル%以上からなるものがより好ましい。
【0007】
一般式(I)
【化1】
Figure 0003728892
一般式(II)
【化2】
Figure 0003728892
ここで、Ar1,Ar2、Ar3は 例えば、
【化3】
Figure 0003728892
などが挙げられ、X、Yは
−O−,−CH2−,−CO−,−SO2−、−S−,−C(CH32
等から選ばれるが、これに限定されるものではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基)、メトキシ基。エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含む。
特性面からは上記の芳香環がパラ配向位で結合されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75%以上を占める重合体(以下、パラ配向性芳香族ポリアミドと言う)が、フィルムの剛性が高く耐熱性も良好となるため好ましい。ここで言うパラ配向位とは結合位が直線となるものである。また芳香環上の水素原子の一部がハロゲン基で置換された芳香環が全体の30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上であると、耐湿性が向上し、吸湿による寸法変化、剛性低下などの特性が改善され、また、芳香族ポリアミドフィルム上に有機物および/または無機物を塗布する場合の塗布物との密着性が向上するために好ましい。かかるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられるが、特に好ましいハロゲンは塩素である。
【0008】
本発明の芳香族ポリアミドは、一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を50モル%以上含むものであって、50モル%未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされていても差し支えない。
【0009】
また本発明の芳香族ポリアミドには、フィルムの物性を損なわない程度に、酸化防止剤等の添加剤等がブレンドされていてもよい。
【0010】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、少なくとも片面(以下A面と略す)の原子間力顕微鏡(以下AFMと略す)測定による自乗平均粗さ(以下Rqと略す)が2.0nm以上で、かつ最大高さ(以下Rmと略す)が100nm以下である必要がある。Rqが2.0nm未満であると、表面が平滑すぎて磁気記録媒体としたときにヘッドの摺動により磁性層が損傷を受けるなど耐久性に劣ることがある。また、Rmが100nmを超えると、磁気記録媒体としたときにヘッドとのスペーシングロスが大きくなり、出力特性が不充分なことがある。Rqは好ましくは2.5nm以上、より好ましくは3.0nm以上である。また、Rmは好ましくは80nm以下、より好ましくは60nm以下である。
【0011】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、A面の高さ5nm以上の突起個数が106〜1010個/mm2であると、特に蒸着型磁気記録媒体の場合にヘッドとの接触面積が低下するので耐久性に優れるため好ましい。また、磁気記録媒体製造時においても冷却キャンへの接触面積の低下による熱寸法変化、いわゆる”熱負け”の発生を抑えることができるので好ましい。好ましくは、5×106個/mm2以上であり、より好ましくは107個/mm2以上であり、その上限値としては、1010個/mm2以下であるとベースフィルムと磁性層界面の密着性が低下しないので好ましい。
【0012】
また、A面に具備される突起において突起総数の30%以上が無機粒子で形成されたものであると、フィルムの表面硬度が高くなり、また突起が急峻に成形され易いため、磁気記録媒体としたときの耐久性が向上するため好ましい。好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上である。
【0013】
上記の表面性を達成するためには、芳香族ポリアミドフィルム中に無機および/または有機粒子を含有せしめる方法、粒子を含有する薄膜層を口金にて合流させ共押し出しする方法などがあるが、分散粒子/溶剤/高分子バインダーからなる塗剤を基材となる芳香族ポリアミドフィルム上に塗布、乾燥させることにより上記表面性を達成する方法を好適に用いることができる。
【0014】
塗剤の組成としては、粒子濃度が0.002〜10重量%および一種以上の高分子体が0.01〜10重量%含有された溶剤からなることが、塗布性、表面形成の点から好ましい。
【0015】
粒子としては、有機粒子、無機粒子何れでも差し支えなく、例えば架橋ポリビニルベンゼン、アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂などの有機高分子からなる粒子、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ゼオライト等の無機粒子、あるいは上記高分子粒子に他の有機物で被覆等の各種処理を施した上記有機高分子粒子、あるいは表面に上記の有機高分子で被覆等の各種処理を施した無機粒子等が挙げられる。これら何れの粒子を用いても差し支えないが、表面突起の硬度を高める目的からは、無機粒子あるいは上記の有機高分子で被覆等の各種処理を施した無機粒子を使用することがより好ましい。粒子径としては、平均粒子径として5〜100nmのものが好ましく、より好ましくは10〜50nm,更に好ましくは15〜30nmであり、単分散粒子を用いることが好ましい。また、これらの中から、異種、異径粒子を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0016】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは均一な突起を形成させるものであるため、粒子形状としては球形粒子が好ましく、また粒径の均一なものを使用することが望ましい。詳しくは粒径分布の相対標準偏差σ(標準偏差/平均粒子径)が、σ≦0.3を充たすことが好ましく、より好ましくはσ≦0.15である。
【0017】
また、ここで使用される高分子体とは粒子と芳香族ポリアミドの密着性を向上させるために添加されるもので、例えば、芳香族あるいは脂肪族のポリアミド樹脂、ポリイミドあるいはポリアミド酸樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂等、あるいは上記樹脂の変性物等、特に限定はされないが、芳香族ポリアミドとの親和性の観点から極性基を含有するものが好ましい。
【0018】
溶剤としては、上記高分子体を溶解させるものであれば使用可能であるが、水、イソプロパノール、メタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン類、N−メチルー2ーピロリドン、ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒などが好適に用いることができ、2種以上の溶剤を混合して用いても差し支えない。
【0019】
また、塗剤には、粒子、高分子体バインダー、溶剤の他に界面活性剤、シランカップリング剤等が含有されていても差し支えない。
【0020】
塗布量は、含有粒子濃度、粒子径、目標突起個数から最適化されるべきであるが、一般には0.1〜5g/m2であり、塗布方式は塗布量に応じグラビア法、マイクログラビア法、メイヤーバー法、ダイコーター法等から選ばれる。塗布厚みの均一性の観点からは、マイクログラビア法、メイヤーバー法が好適である。
【0021】
また、塗布の時期については、口金からの塗出後、乾式工程後、湿式工程後、フィルム成形後の何れの時期でも構わないが、塗布厚みの斑を低減させる点からは、フィルム成形後に、オフラインにて塗布する方法が好適である。
【0022】
また、基材となる芳香族ポリアミドフィルムは、表面に適度なうねりを持たせるために、前述の粒子群から選ばれる粒子を0.001〜2.0重量%含有していることがより好ましい。
【0023】
更に、基材となる芳香族ポリアミドフィルムは、塗布面のぬれ指数が45mN/m(45dyn/cm)であると粒子/高分子バインダーとの密着性が良好になるため好ましい。より好ましくは55mN/m(55dyn/cm)以上であり、更に好ましくは60mN/m(60dyn/cm)以上である。ぬれ指数を45mN/m(45dyn/cm)以上にするためにコロナ、プラズマ等による放電処理が有効に用いられる。
【0024】
本発明のフィルムの磁性層を設ける側の面は無欠点性の高い面である必要がある。すなわち該フィルムのA面において、高さh(nm)の粗大突起個数(L;個/100cm2 )が下記式を満足することが好ましい。
【0025】
h≧270 L<100
h>540 L<70
h>810 L<15
h>1080 L<5
デジタルビデオテ−プでは、この範囲を越えるような欠点の多い面では、電磁変換特性の一つであるドロップアウトが多く、到底本発明の用途に供することは出来ない。上記の式を満足するため、粒子塗布時において所定の濾過精度を有するフィルタ−を通過せしめて塗剤中に存在する粗大異物を除去する方法が好ましい。ここで濾過精度とは、粒子をポリマ−あるいは溶媒などに分散し、フィルタ−を通過させた時に、丁度95%フィルタ−上に補足された粒子の粒径として定義する。当然この濾過精度の値が小さくなるほど、より小さな異物の除去が可能となる。本発明のフィルタ−の濾過精度としては1000nm以下、好ましくは600nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。尚、上記粗大突起の個数は、上記と反対側の面(以下B面と略す)についても充たされることが更に好ましい。
【0026】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、A面における測定面積0.002mm2での3次元表面粗さSRa1と測定面積1.0mm2での3次元表面粗さSRa2が下記式を満足することが好ましい。
【0027】
0.8≦SRa2/SRa1≦2.5
SRa2/SRa1が2.5を超えるとフィルム表面に凹凸状のうねりが発生し、磁気テープとした場合にヘッドタッチが不安定となり出力低下、データの欠落等が発生することがある。一方、SRa2/SRa1が0.8未満であると、磁気テープの走行性の低下やロール状に巻いた際のブロッキングを起こすことがある。SRa2/SRa1は好ましくは下式の範囲内である。
【0028】
1.1≦SRa2/SRa1≦1.8
尚、上記SRa2/SRa1の範囲は、A面と反対側の面(以下B面と略す)についても充たされることが更に好ましい。
【0029】
SRa2/SRa1を上記の範囲に制御するためには、例えば以下の方法が有効である。すなわち該フィルムの製造工程において、エンドレスベルト等から剥離したフィルムに接触するロール面を鏡面加工する方法や、フィルムの溶媒抽出や乾燥が急激に起こるのを防ぐために、例えば溶媒抽出の工程での温度をー10〜50℃の範囲とする方法、およびエンドレスベルト等から剥離する際のフィルム中のポリマー濃度を30〜70重量%とする方法、テンターでの乾燥および熱処理を実施する前段階で50〜100℃の温度にフィルムを予熱する方法、あるいは上記方法の組み合わせなどが挙げられる。
【0030】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、単膜でも差し支えないが、塗布法により粒子/高分子体含有の薄膜層を持つことが好ましい。また、基材の芳香族ポリアミドフィルムは、単層であっても、多層であっても差し支えない。例えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加した後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。これら積層の方法としては、周知の方法たとえば、口金内での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておいてその上に他の層を形成する方法などがある。
【0031】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは少なくとも一方向の引張りヤング率が9.8GPaであることが好ましい。磁気テープの出力は、テープとヘッドとのヘッドタッチ性の向上に伴って上がるが、そのために基材フィルムの高ヤング率化が求められる。記録法方が固定ヘッド式の場合は長手方向の、ヘリカルスキャン方式の場合は幅方向のヤング率が特に必要であり、基材フィルムのいずれの方向も9.8GPa未満であれば、いずれの記録方式を採用しても高出力が得られないので好ましくない。尚、本発明の芳香族ポリアミドフィルムの少なくとも一方向のヤング率は好ましくは11.7GPa以上、更に好ましくは12.7GPa以上である。尚、全ての方向のヤング率が9.8GPa以上であることが好ましいのは言うまでもない。
【0032】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、フレキシブルプリント基板、コンデンサー、プリンタリボン、音響振動板、太陽電池のベースフィルムなど種々の用途に好ましく用いられるが、少なくとも片面に磁性層を設けた磁気記録媒体として用いられると高出力、高耐久性、無欠点性を兼ね備えた本発明の芳香族ポリアミドフィルムの効果が充分に発揮されるため特に好ましい。
【0033】
磁気記録媒体の形態は、ディスク状、カード状、テープ状等特に限定されないが、本発明の芳香族ポリアミドフィルムの優れた表面性、高ヤング率を活かした薄膜化に対応するため、芳香族ポリアミドフィルムからなる支持体の厚みが6.5μm以下、幅が2.3〜13mm、長さが100m/巻以上、磁気記録媒体としての記録密度(非圧縮時)が8キロバイト/mm2以上の長尺、高密度の磁気テープとした時に表面形状を規制すること、また高い剛性を持つことによる優れた効果をより一層奏することができるので特に好ましい。ここで定義する記録密度とは、1カセットあたりの全記録容量を使用されている磁気テープの(長さ×幅)で除したものである。磁気テープに代表される磁気記録媒体には近年ますます小型化、高容量化の要請が高いが、高容量化を実施する上で以下のポイントがある。一つは、支持体の厚さを薄くして長尺化により全体としての記録容量を向上させる方法であり、今一つは、トラック幅の狭幅化、記録波長の短波長化などにより単位面積当たりの記録容量を向上させる方法であり、一般的にはこれらを併用する方向にある。支持体の厚みを薄くする場合には、支持体の剛性が高いことがもちろん必要であるが、支持体が厚いときに較べてヘッドタッチ、ひいては電磁変換特性に関わる支持体表面の寄与が大きくなる。すなわちテープが厚い場合は走行テンション、ヘッドへのタッチ圧は高く設定できるため、支持体表面が無規制なものであってもヘッドに安定に接することができるのに対し、テープの薄膜化を行った場合、走行テンションやヘッドのタッチ圧は低くせざるを得ず、従って支持体表面が本発明のように規制されたものでないと、ヘッドへの密着性、走行性が不均一、不安定なものとなるためトラックの位置ずれやシグナルの欠落を発生しやすくなる。また、データ転送速度の高速化の要請により、従来以上にヘッドとテープの相対速度が大きくなる傾向にあるが、それによる摩擦熱を必要以上に発生させないためにも、突起高さと個数が特定範囲に制御された本発明の芳香族ポリアミドフィルムは極めて有効である。以上のように本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、こうした高容量化の要請に対し好適に応えることのできる磁気テープとすることができる。支持体の厚みは好ましくは、5.5μm以下、更に好ましくは4.5μm以下であり、磁気記録媒体としての記録密度は好ましくは25キロバイト/mm2以上、更に好ましくは34キロバイト/mm2以上である。
【0034】
また本発明の磁気記録媒体は、民生用、プロ用、D−1,D−2,D−3等の放送局用、デジタルビデオカセット、DDS−2,3,4、データ8mm、QIC等のデータストレージ用途に好適に用いることができるが、データ欠落等の信頼性が最も重視されるデータストレージ用途に最適に用いることができる。
【0035】
また磁性層の形成法は、酸化鉄、メタル粉等の磁性粉を熱硬化性、熱可塑性あるいは放射線硬化性などのバインダーと混練し塗布、乾燥を行う湿式法、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより基材フィルム上に直接磁性金属薄膜層を形成する乾式法のいずれの方式も採用できるが、乾式法を採用した場合に本発明のフィルムの優れた表面性が一層活かされるために好ましい。
【0036】
この金属薄膜型の磁性層としては、Co、Fe、Niなどの金属の単体または合金やこれら単体とCr,Mo,W,V,Nb,Ti,Rh,Ru等との合金およびこれら金属あるいは合金の酸化物が例示でき、必要に応じ同種あるいは異種の磁性層を積層することもできる。
【0037】
更にこうした磁性層の上に、磁気記録媒体の更なる耐久性向上、滑り性付与を目的としてダイアモンド・ライク・コーティングのような保護層、更にその上に潤滑層を好ましく形成することができる。
【0038】
また、磁化方式については、水平磁化、垂直磁化のいずれをも問わず、更に光記録テープにも好適に使用できる。
【0039】
次に本発明の製造方法を説明するが、これに限定されるものではない。
【0040】
まず芳香族ポリアミドであるが、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。ポリマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【0041】
これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。
【0042】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得るためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好ましい。
製膜原液には溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中のポリマ濃度は2〜40重量%程度が好ましい。
【0043】
粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリ−化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒として使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加する方法などがある。
【0044】
上記のように調製された製膜原液は、濾過精度が6000nm以下のフィルターによって濾過された後、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがある。湿式法で製膜する場合には該原液を瀘過後、口金から直接製膜用浴中に押し出すか、又は一旦ドラムやベルト等の支持体上に押し出し、支持体ごと湿式浴中に導入する方法が採用される。この浴は一般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機、無機の溶媒や無機塩等を含有していてもよい。該浴温度は通常0〜100℃で使用され、湿式浴を通すことでフィルム中に含有された塩類、溶媒の抽出が行なわれる。ここで湿式浴に導入されるときのフィルムは未だ充分な表面硬度を持っていないため、湿式浴媒体にコンタミ等があるとフィルム表面の付着し表面性が悪化する。このため湿式浴に使用される媒体は、好ましくは濾過精度6000nm以下、より好ましくは5000nm以下、更に好ましくは3000nm以下のフィルターを通して供給される。これら湿式浴全体を通過する時間はフィルムの厚みにもよるが10秒〜30分である。さらに必要に応じフィルムの長手方向に延伸が行なわれる。次いで乾燥、熱処理が行なわれるがこれらの処理は一般に200〜500℃で、合計で1秒〜30分で行われるのが好ましい。なおこの過程で必要に応じて横延伸が行なわれる。
【0045】
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は室温〜220℃、60分以内の範囲であり、好ましくは室温〜200℃の範囲である。また、この乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルトの表面欠点頻度を制御することでB面の表面性を制御できる。好ましくは径が30μm以上の表面欠点頻度が0.001〜0.02個/mm2、より好ましくは0.002〜0.015個/mm2である。乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、上記の湿式法と同様に脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
【0046】
乾式法のプロセスを採用した場合には、ドラム、あるいはエンドレスベルト等の上で乾燥され、自己保持性をもったフィルムを、これら支持体から剥離し、フィルムの長手方向に延伸を行なう。さらに残存溶媒を除去するための乾燥や、延伸、熱処理が行なわれるが、これらの処理は200〜500℃で1秒〜30分で行われるのが好ましいが、有機粒子の耐熱温度以下で行われるのがより好ましい。
【0047】
以上のように形成されるフィルムはその製膜工程中で、機械特性、熱特性が本発明の範囲となるように延伸が行なわれるが、延伸倍率は面倍率で0.8〜8.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.1〜5.0である。
【0048】
また、こうして得られた最終フィルムあるいは製造工程内のフィルムに前述した塗布法により、表面突起を形成することが好ましい。
【0049】
【実施例】
本発明の特性値は次の測定法、評価基準によるものである。
【0050】
(1)Rq、Rm、突起個数について
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて以下の条件で、場所を変えて測定を10回行い、その平均値を求めた。
【0051】
装置:NanoScopeIII AFM(Digital Instruments社製)
カンチレバー:シリコン単結晶
走査モード :タッピングモード
走査範囲 :5μm×5μm
走査速度 :0.5Hz
測定環境 :温度 25℃、相対湿度 55%
尚、突起個数については、走査電子顕微鏡にてシャドーイング(5°)をかけた像を倍率30000倍以上で観察し、高さ5nm以上の突起をカウントすることによっても求めることができる。
【0052】
(2)無機粒子による突起数分率
電界放射型走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析計(FE−SEM−XMA)を用いて任意の突起100個について分析を行い、無機成分を検出した突起の個数のパーセンテイジとした。
【0053】
Figure 0003728892
【0054】
(3)3次元表面粗さ
小坂製作所(株)製の微細形状測定器ET−30HKを用いて測定した。検出には光触針(HIPOSS,商品名)を用い、フィルム表面に真空下でアルミ蒸着を施した後に測定した。測定条件を以下に記す。
【0055】
イ.SRa1(測定面積0.002mm2
・長手方向の測定長 0.02mm
・幅方向の測定長 0.10mm
・カットオフ値 0.08mm
ロ.SRa2(測定面積1.0mm2
・長手方向の測定長 0.50mm
・幅方向の測定長 2.00mm
・カットオフ値 0.08mm
(4)粗大突起個数について
フィルム表面50cm2 以上の範囲を実体顕微鏡にて偏光下に観察し異物などの粗大突起をマーキングする。その突起高さは多重干渉法により求め、個数を100cm2 当たりの個数に換算した。
【0056】
(5)引張りヤング率
フィルムを幅10mm、長さ150mmに切断し、チャック間距離100mmにして引張速度300mm/分、チャート速度500mm/分、温度23℃、相対湿度65%の条件下にて、インストロンタイプの引張試験装置にて引っ張る。得られた荷重ー伸び曲線の立ち上がり部の接線より引張りヤング率を求める。
【0057】
(6)含有粒子の平均粒子径
電子顕微鏡にて粒子を観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメ−ジアナライザ−(たとえばケンブリッジインストルメンタル製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理を行い、それによって求めた数平均径Dを平均粒子径とする。
【0058】
D=ΣDi/N
ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
【0059】
(7)含有粒子の相対標準偏差
上記(4)の方法で測定されたここの粒子径Di、平均粒子径D、粒子総数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(Di−D)2 /N})を平均粒子径Dで割った値(σ/D)で表わした。
【0060】
(8)含有粒子の含有量
粒子は溶解させない溶媒を選択しフィルムを溶解させ、粒子を遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0061】
(9)電磁変換特性(初期出力特性)
得られたフィルムを−10℃のクーリングキャンに沿わせて1×10−5Torrの真空中でCo−O合金(Co,Oの重量分率はそれぞれ80%、20%)を0.2μmの厚みに電子ビーム蒸着し、磁性層を形成した。このフィルムを幅6.35mm、長さ150mにスリットし、カセットに組み込んだ後、6.5MHzの正弦波を最適記録電流で記録し、再生出力を実施例1を基準に評価した。
【0062】
(10)耐久性
上記(9)で得られたテープカセットを温度40℃、相対湿度30%の環境下でヘッドに接触させつつ100回走行させ、出力特性を測定し、以下の基準で評価した。
【0063】
◎:初期出力とのとの差が0.5dB未満
○:初期出力特性との差が1dB未満
△:初期出力特性との差が1dB以上3dB未満
×:初期出力特性との差が3dB以上
次に実施例に基づき本発明を説明するがこれらに限定されるものではない。
【0064】
実施例1
N−メチルー2ーピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分として80モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、20モル%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを溶解させ、これに100モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和して、ポリマ濃度10重量%、粘度3000ポイズの芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0065】
このポリマー溶液を濾過精度5000nm、1000nmのフィルタ−を通した後、径が30μm以上の表面欠点の頻度が0.005個/mm2のエンドレスベルト上に流延し、180℃の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に濾過精度4000nmのフィルターで濾過された40℃の水槽内へフィルムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行ない、テンタ−でまず80℃で30秒予備乾燥を行った後、280℃で1.5分間水分の乾燥と熱処理を行い、20℃/秒の速度で徐冷を行って厚さ4.2μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た(フィルムAとする)。この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.16倍、1.43倍延伸を施した。このフィルムのぬれ指数は43mN/m(43dyn/cm)、ヤング率は長手方向、幅方向それぞれ12.1GPa、16.8GPaであった。
【0066】
このフィルムのA面(ベルト非接触面)に以下の組成にて調製された塗液を濾過精度0.6μmのフィルターを通した後、マイクログラビアロールを用いて、WET厚み1.5μmとなるように連続的に塗布し、120℃の熱風オーブンで10秒乾燥後巻き取って芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0067】
コロイダルシリカ(粒径20nm) 0.018重量%
水溶性ポリエステル樹脂 1.4重量%
メチルセルロース 0.05重量%
シランカプリング剤 0.1重量%
溶剤:水
このフィルムのA面におけるRqは2.4nm、Rmは31nm、5nm以上の突起個数は1500万個/mm2、無機粒子による突起分率は94%、SRa2/SRa1は1.08であり、電磁変換特性、耐久性ともに優れたものであった。評価結果を表1に示す。
【0068】
実施例2、3
実施例1で得られたフィルムAに、実施例1で用いた塗液を用いてWET厚みがそれぞれ5.0μm、0.8μmとなるように実施例1と同様に塗布、乾燥し芳香族ポリアミドフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
【0069】
実施例4
実施例1で得られたフィルムAにコロナ放電処理を行いA面のぬれ指数を72mN/m(72dyn/cm)とした他は実施例1と同様に塗布、乾燥を行って芳香族ポリアミドフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
【0070】
実施例5
実施例1で得られたフィルムAに以下の組成にて調製された塗液を濾過精度0.6μmのフィルターを通した後、マイクログラビアロールを用いてWET厚み1.0μmとなるように連続的に塗布し、195℃の熱風オーブンで20秒乾燥後巻き取って芳香族ポリアミドフィルムを得た。
コロイダルシリカ(粒径25nm) 1.2重量%
芳香族ポリアミド樹脂(*) 2.5重量%
シランカプリング剤 0.3重量%
溶剤:N−メチル−2−ピロリドン
(*)芳香族ポリアミド樹脂は、実施例1で得られたポリマーを大量の水中に再沈、粉砕し、温水、メタノール、アセトンで充分に洗浄後、乾燥させて得られたパウダーとして用いた。
【0071】
評価結果を表1に示す。
【0072】
実施例6
平均粒径50nmで粒度分布の相対標準偏差が0.12の球状シリカをNMP中で24時間超音波分散を行った後、濾過精度1.0μm、0.6μm、0.3μmのフィルターを用いて順次濾過した。こうして得られたシリカスラリーを実施例1で得られた芳香族ポリアミド溶液にシリカ濃度がポリマーに対して0.01重量%となるように添加し充分に撹拌を行い、この製膜原液を用いて実施例1と同様に製膜、塗液のの塗布、乾燥を行った。評価結果を表1に示す。
【0073】
比較例1
実施例1で得られたフィルムAに塗液の塗布を行わずに、蒸着型磁性層を形成し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0074】
比較例2
実施例1で得られたフィルムAに以下の組成にて調製された塗液を濾過精度0.6μmのフィルターを通した後、マイクログラビアロールを用いて、WET厚み1.5μmとなるように連続的に塗布し、120℃の熱風オーブンで10秒乾燥後巻き取って芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0075】
コロイダルシリカ(粒径20nm) 15.0重量%
水溶性ポリエステル樹脂 12.0重量%
メチルセルロース 1.6重量%
シランカプリング剤 1.1重量%
溶剤:水
評価結果を表1に記す。
【0076】
【表1】
Figure 0003728892
【0077】
【発明の効果】
本発明は、所定の面の突起高さや突起個数を制御することにより、表面平滑性、走行性に優れた芳香族ポリアミドフィルムを提供することができる。本発明のフィルムは、フレキシブルプリント基板、コンデンサー、プリンタリボン等にも好適に使用できるが、磁気記録媒体用、中でも高密度、高精度が要求される蒸着型磁性層を形成したコンピュータ用外部メモリ、デジタルビデオ用テ−プに特に適している。

Claims (9)

  1. 基材芳香族ポリアミドフィルムの片面に磁性層が形成された磁気記録媒体であって、基材芳香族ポリアミドフィルムの磁性層が形成される片面(以下、A面という)に、一種以上の高分子体と無機粒子とからなる層が塗布により形成され、かつこのA面の原子間力顕微鏡測定による自乗平均粗さが2.0nm以上で、かつ最大高さが100nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体
  2. A面において高さ5nm以上の突起個数が106〜1010個/mm2であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体
  3. A面において突起の30%以上が無機粒子からなる突起であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の磁気記録媒体
  4. 基材芳香族ポリアミドフィルムを構成する芳香族ポリアミドが、パラ配向性芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1、2あるいは3に記載の磁気記録媒体
  5. 基材芳香族ポリアミドフィルムを構成する芳香族ポリアミドにおいて、構造単位中の芳香核上の水素原子の一部がハロゲン基により置換されている芳香核が全体の30%以上であることを特徴とする請求項1、2、3あるいは4に記載の磁気記録媒体
  6. 基材芳香族ポリアミドフィルムのぬれ指数が45mN/m(45dyn/cm)以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4あるいは5に記載の磁気記録媒体
  7. 粒子濃度が0.002〜10重量%、および少なくとも一種以上の高分子体が0.01〜10重量%含有される溶剤を基材芳香族ポリアミドフィルム上に塗布、しかる後に乾燥させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5あるいは6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体において、磁性層が金属薄膜型磁性層であることを特徴とする磁気記録媒体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の磁気記録媒体において幅が2.3〜10mm、支持体厚みが6.5μm以下、幅が3.5〜13.0mm、長さが100m/巻以上、磁気記録媒体としての記録密度が8キロバイト/mm2以上である磁気テープであることを特徴とする磁気記録媒体。
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