JP3823827B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3823827B2
JP3823827B2 JP2001400938A JP2001400938A JP3823827B2 JP 3823827 B2 JP3823827 B2 JP 3823827B2 JP 2001400938 A JP2001400938 A JP 2001400938A JP 2001400938 A JP2001400938 A JP 2001400938A JP 3823827 B2 JP3823827 B2 JP 3823827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support ring
end side
eddy current
annular casing
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001400938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003199322A (ja
Inventor
徹 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2001400938A priority Critical patent/JP3823827B2/ja
Publication of JP2003199322A publication Critical patent/JP2003199322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3823827B2 publication Critical patent/JP3823827B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に大型車両において補助ブレーキとして使用される渦電流式減速装置に係り、特に、作動不良の発生防止を図った渦電流式減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラック等の大型車両では一般に、補助ブレーキとして渦電流式減速装置(リターダ)が使用されている。
【0003】
渦電流式減速装置の概略構成を図7及び図8を用いて説明する。
【0004】
図7は渦電流式減速装置の上半分正面断面図を示しており、渦電流式減速装置は、車両の変速機の出力軸等の回転軸1に接続された円筒状の制動ドラム2と、その制動ドラム2の内側に配置され、変速機のギヤボックス等の固定側に接続された環状ケーシング3と、環状ケーシング3の内空部4に周方向に回動自在に設けられ、周方向に複数設けられた磁石5を支持する支持リング6と、支持リング6を周方向に回動させるアクチュエータ(エアシリンダ)7とを備えている。
【0005】
制動ドラム2は、ボス8、スポーク9及び円筒部10とからなり、円筒部10は磁性体(例えば、鋼)で形成される。ボス8のフランジ部8aが、駐車ブレーキの制動ドラム11と共に、回転軸1にスプライン嵌合された取付フランジ12に複数のボルトとナットにより締結されており、制動ドラム2は回転軸1と一体的に回転する。また、円筒部10の外周部には放熱フィン13が設けられている。
【0006】
環状ケーシング3は非磁性体(例えば、アルミニウム)からなり、その外周壁14には低炭素鋼等の強磁性体からなるポールピース(スイッチ板)15が、制動ドラム2の円筒部10の内周面と対向させて、周方向に等間隔を隔てて複数個設けられている。
【0007】
環状ケーシング3の内空部4には、磁性体からなる支持リング6が環状ケーシング3に対して周方向に回動自在に設けられており、その支持リング6の外周部に磁石5が上記ポールピース15に内側から対向するように周方向に等間隔を隔てて複数個配置されている。この磁石5は、図8(a)及び図8(b)に示すように、一つのポールピース15に対して二つの磁石5が対向するように設けられ、またポールピース15と対向する側の極性が2個毎に異なるように配置される。
【0008】
図7に示すように、支持リング6の軸方向一端部(図において左側端部)には支持リング6を回動させて、制動ドラム2に制動力を作用させる作動状態と、制動力を作用させない非作動状態とを切り換えるアクチュエータ7が接続されている。
【0009】
非作動時には、図8(a)に示すように、アクチュエータ7が、支持リング6をポールピース15に対向する二つの磁石5の極性が互いに異なるように回動させる。その結果、磁石5、ポールピース15及び支持リング6とで短絡的な磁気回路w1が形成され、制動ドラム2には磁気回路は作用しない。従って、制動ドラム2には制動力は作用しない。
【0010】
一方、作動時には、アクチュエータ7は、図8(a)に示した状態から、支持リング6を磁石5の1ピッチp分だけ回動して、図8(b)に示すように、ポールピース15に対向する二つの磁石5の極性が同じになるようにする。その結果、磁石5、隣接する二つのポールピース15、制動ドラム2(より詳しくは円筒部10)及び支持リング6とで磁気回路w2が形成される。これによって、制動ドラム2の円筒部10に渦電流が発生して制動ドラム2に制動力が作用する。
【0011】
ところで、このような渦電流式減速装置では、支持リング6の内周面と、環状ケーシング3の内周壁16の外周面が摺動面となるため、それらの間にドライブッシュ(摺動部材)17を介設(圧入)している。このドライブッシュ17は、テフロン(登録商標)やPTFE等のフッ素樹脂で主に形成されるものであるが、フッ素樹脂で形成されたドライブッシュ17は、図9のグラフに示すように、摺動対象物(ここでは、支持リング6及び環状ケーシング3)との接触面圧Pmが低いときには摩擦係数μが大きくなり、接触面圧Pmが高くなるにつれて摩擦係数μが小さくなる特性を有している。従って、ドライブッシュ17と、支持リング6及び環状ケーシング3とが適切な接触面圧で接触・摺動する必要がある。つまり、ドライブッシュ17との接触面圧が小さすぎると、摩擦係数が増大し、高温となり、支持リング6が固着するといった作動不良を起こすおそれがあるのである。
【0012】
そこで、本出願人は、この問題を解消すべく特願平2000−2963に開示されているような渦電流式減速装置を発明した。これは、図7に示すように、環状ケーシング3の内周壁16の外周面の軸方向中央部に窪み部18を形成して、ドライブッシュ17と環状ケーシング3の内周壁16との摺動部(接触部)20a,20bの面積を小さくすることで適切な接触面圧を確保するようにしたものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この渦電流式減速装置は、支持リング6の一端部側、即ち、アクチュエータ7が接続された側の摺動部20aの面積と、他端部側の摺動部20bの面積はほぼ等しくなるように構成されており、その結果、次のような問題が発生することが分かった。
【0014】
即ち、アクチュエータ7は支持リング6を軸方向一端部側で片持ち支持しているため、支持リング6が回動するときにドライブッシュ17にかかる荷重はアクチュエータ7が設けられた一端部側の方が高く、他端部側に向かうにつれて低くなる。従って、ドライブッシュ17と、支持リング6の内周面及び環状ケーシング3の内周壁16との接触面圧も一端部側の方が高く、他端部側に向かうにつれて低くなる。これに対して、一端部側の摺動部20aの面積と、他端部側の摺動部20bの面積がほぼ等しいため、他端部側の摺動部20bにおいて接触面圧の不足が発生し、ドライブッシュ17の摩擦係数が増大、高温となり、ひいては支持リング6が固着して作動不良を起こす可能性があったのである。特に、軸方向に一つの磁石列を備えた単列式の渦電流式減速装置では、制動力を確保するために磁石5及び支持リング6の軸方向長さをある程度長くする必要があるため、この問題は顕著になる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、摺動部材(ドライブッシュ)と支持リング及び/又は環状ケーシングとの接触面圧の適正化を図り、作動不良の発生を防止した渦電流式減速装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に連結された制動ドラムと、該制動ドラムの内側で固定側に接続され、制動ドラムの内周面と対向するように設けられたポールピースを備えた環状ケーシングと、その環状ケーシングの内空部に周方向に回動自在に設けられ、上記ポールピースに内側から対向するように周方向に複数設けられた磁石を備えた支持リングと、該支持リングの内周面と環状ケーシングの内周壁との間に介設され、フッ素樹脂で主に形成されたドライブッシュと、支持リングの軸方向一端部に接続され、支持リングを回動させるアクチュエータとを備えた渦電流式減速装置において、上記ドライブッシュと、上記支持リング及び/又は環状ケーシングとの摺動部を軸方向に複数個形成すると共に、それらの摺動部の内、上記支持リングの上記軸方向一端部側に位置する摺動部よりも軸方向他端部側に位置する摺動部の方の面積を小さくしたものである。
【0017】
ここで、上記支持リングの軸方向他端部側に位置する上記摺動部の軸方向長さを、軸方向一端部側に位置する摺動部の軸方向長さよりも短くすることが好ましい。
【0018】
また、上記ドライブッシュを上記支持リングの軸方向の略全域に渡って形成すると共に、上記支持リングの内周面及び/又は上記環状ケーシングの内周壁の軸方向中央部に窪み部を形成して、該窪み部の軸方向両側部にそれぞれ摺動部を形成するようにしても良い。
【0019】
また、上記ドライブッシュを、上記支持リングの軸方向一端部側と、軸方向他端部側とにそれぞれ設けても良い。
【0020】
また、上記支持リングの内周面及び/又は上記環状ケーシングの内周壁で、上記各ドライブッシュが位置する部分の中央部にそれぞれ窪み部を形成し、各ドライブッシュの軸方向両端部にそれぞれ摺動部を形成しても良い。
【0021】
更に、上記環状ケーシングの内周壁の外周面に、耐摩耗性向上部材を設けても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1は本実施形態に係る渦電流式減速装置の部分拡大断面図である。本実施形態の渦電流式減速装置は、図7に示したものと基本的な構成は同様であるので、同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
本発明は、摺動部材(ドライブッシュ)と、支持リング及び/又は環状ケーシングとの摺動部に改良を加えたものであり、以下その点について詳述する。
【0025】
図1に示すように、回転軸(図示せず)に連結された制動ドラム2の内側に、変速機のギヤボックス(図示せず)等の固定側に接続された環状ケーシング3が配置されている。環状ケーシング3はアルミニウム等の非磁性体からなり、その外周壁14には、制動ドラム2の円筒部10の内周面と対向するように、低炭素鋼等の強磁性体からなるポールピース(スイッチ板)15が周方向に等間隔を隔てて設けられている。環状ケーシング3の内空部4には、周方向に回動自在に支持リング6が配置されており、この支持リング6の外周部には周方向に沿って複数の磁石5が設けられている。本実施形態では、環状ケーシング3の軸方向に一つの磁石列を有する、所謂、単列式渦電流式減速装置である。支持リング6の一端部側(図において左側)には、支持リング6を回動させて制動ドラム2に制動力を作用させる作動状態と、制動力を作用させない非作動状態とを切り換えるアクチュエータ(例えば、エアーシリンダ)7が接続されている。
【0026】
そして、支持リング6の内周面と、環状ケーシング3の内周壁16の外周面及び側壁30との間には支持リング6の回動動作を円滑にすべく、ドライブッシュ(摺動部材)31が周方向全域に渡って介設(圧入)されている。このドライブッシュ31は、テフロン(登録商標)やPTFEなどのフッ素樹脂で主に形成されており、図9に示すように、摺動対象物(ここでは、支持リング6及び環状ケーシング3)との接触面圧Pmが低いときには摩擦係数μが大きくなり、接触面圧Pmが高くなるにつれて摩擦係数μが小さくなる特性を有している。
【0027】
環状ケーシング3の内周壁16の外周面は、アルマイト(登録商標)処理を施して耐摩耗性の向上が図られており、支持リング6をより円滑に回動できるようにしている。
【0028】
さて、本実施形態では、支持リング6の内周面と環状ケーシング3の内周壁16の外周面との間に介設されたドライブッシュ31は、支持リング6の軸方向全域に渡って設けられてはおらず、支持リング6の一端部(図中左側端部)、即ちアクチュエータ7が接続された側の端部に配置された第一ドライブッシュ31aと、他端部に配置された第二ドライブッシュ31bとからなる。環状ケーシング3の内周壁16の外周面には、その軸方向中央部に窪み部32が形成されており、ドライブッシュ31a,31bは窪み部32の軸方向両側にそれぞれ配置される。これらドライブッシュ31a,31bと、支持リング6の内周面及び環状ケーシング3の内周壁16の外周面とが接触する部分に、それぞれ摺動部33a,33bが形成される。
【0029】
ここで、これらドライブッシュ31a,31bは、支持リング6の一端部側の第一ドライブッシュ31aの軸方向長さLaよりも他端部側の第二ドライブッシュ31bの軸方向長さLbの方が短くなるように形成されている(La>Lb)。従って、支持リング6の一端部側における、ドライブッシュ31aと支持リング6及び環状ケーシング3との摺動部33aの面積よりも、他端部側におけるドライブッシュ31bと支持リング6及び環状ケーシング3との摺動部33bの面積の方が小さくなる。このため、仮にドライブッシュ31にかかる荷重が軸方向全域に渡って等しいとすると、摺動部33a,33bにおける接触面圧は、一端部側の摺動部33aよりも他端部側の摺動部33bの方が大きくなることになる。
【0030】
ところが、上述したようにアクチュエータ7は支持リング6を片持ち支持しているため、支持リング6を回動するときにドライブッシュ31にかかる荷重は、アクチュエータ7側(一端部側)のドライブッシュ31aの方が高くなり、他端部側のドライブッシュ31bにかかる荷重は小さくなる。
【0031】
結果として、支持リング6の一端部側の摺動部33aにおける接触面圧と、他端部側の摺動部33bにおける接触面圧とは互いにほぼ等しくなり、かつ、適切な接触面圧を確保できる。つまり、他端部側のドライブッシュ31bにかかる荷重は一端部側のドライブッシュ31aにかかる荷重と比べて小さいのであるが、他端部側におけるドライブッシュ31bと支持リング6及び環状ケーシング3との摺動部33bの面積を小さくすることでこれを補って(接触面圧を高めて)、接触面圧の不足を防止したのである。従って、ドライブッシュ31a,31bと支持リング6及び環状ケーシング3との摺動部33a,33bに接触面圧の不足は生じず、ドライブッシュ6の摩擦係数の増大、高温化に伴う、支持リング6の作動不良を防止できる。
【0032】
このように、本発明は、ドライブッシュ31にかかる荷重が比較的小さい他端部側の摺動部33bの面積を、一端部側の摺動部33aの面積よりも小さくすることにより接触面圧の不足を防止し、作動不良を防止したものである。従って、両ドライブッシュ31a,31bの軸方向長さLa,Lbはそれぞれ適切な接触面圧が確保できるような値に適宜設定される。
【0033】
本発明の一実施形態を説明してきたが、本発明は様々な変形例が考えられる。例えば、図1において環状ケーシング3の内周壁16の外周面の軸方向中央部に窪み部32を形成するとして説明したが、窪み部32は必ずしも形成する必要はない。即ち、図中点線cで示すように、環状ケーシング3の内周壁16の外周面は直線上に形成してもよい。
【0034】
また、ドライブッシュ31を支持リング6の一端部側と他端部側とに分割して設けるとして説明したが、本発明はこの点において限定されず、一つのドライブッシュ31を支持リング6の軸方向ほぼ全域に渡って設けるようにしても良い。その場合、環状ケーシング3の内周壁16の外周面及び/又は支持リング6の内周面の軸方向中央部に窪み部を形成する。こうすることで、窪み部の軸方向両側部、即ち、支持リング6の一端部側と他端部側とにそれぞれ摺動部が形成される。そして、他端部側の摺動部の面積が一端部側の摺動部の面積よりも小さくなるように窪み部を形成すれば良い。なお、窪み部を軸方向に複数形成して、摺動部を支持リング6の軸方向に三つ以上形成し、他端部側に位置する摺動部の面積を、それよりも一端部側に位置する摺動部の面積よりも小さくするようにしても良い。
【0035】
次に、図2に示した形態は、支持リング6の軸方向両端部に第一及び第二ドライブッシュ31a,31bを設けた場合において、第一及び第二ドライブッシュ31a,31bが位置した部分の環状ケーシング3の内周壁16の外周面の中央部にそれぞれ窪み部35a,35bを形成したものである。この形態では、第一及び第二ドライブッシュ31a,31bと環状ケーシング3との摺動部33a,33b,33c,33dは、各窪み部35a,35bの軸方向両側部にそれぞれ形成される。この形態では、図1に示した形態と比較して総摺動面積が小さくなるため接触面圧が高く、ドライブッシュ31a,31bの摩擦係数をより低減できる。この形態においても、支持リング6の他端部側に位置する第二ドライブッシュ31bと環状ケーシング3との摺動部33c,33dの合計軸方向長さLcd(lc+ld)が、一端部側の第一ドライブッシュ31aと環状ケーシング3との摺動部33a,33bの合計軸方向長さLab(la+lb)よりも短くなるようにする(Lab>Lcd)。
【0036】
また、第一ドライブッシュ31aと環状ケーシング3の内周壁16との摺動部33a,33bにおいて、他端部側に位置する摺動部33bの軸方向長さlbを一端部側に位置する摺動部33aの軸方向長さlaよりも短くするようにしても良い(la>lb)。同様に、第二ドライブッシュ31bと環状ケーシング3の内周壁16との摺動部33c,33dにおいて、他端部側に位置する摺動部33dの軸方向長さldを一端部側に位置する摺動部33cの軸方向長さlcよりも短くしても良い(lc>ld)。なお、支持リング6の内周面に窪み部を形成しても良い。
【0037】
更に、ドライブッシュ31は必ずしも支持リング6の両端部まで形成する必要はなく、図3に示すように、他端部側のドライブッシュ31bを支持リング6の他端部から所定距離h隔てて配置するようにしても良い。
【0038】
また、摺動部材31は支持リング6の軸方向に一つ又は二つに限定されるものではなく、もっと多く設けても良い。
【0039】
要するに本発明は、支持リング6の他端部側に位置する摺動部の面積が、一端部側(アクチュエータ7が接続された側)に位置する摺動部よりも小さくなるようにすればその効果を得ることができるのである。
【0040】
更に他の実施形態として、図4に示したものは、環状ケーシング3の内周壁16の外周面、即ち、ドライブッシュ31a,31bと対向する面に鋼製の耐摩耗性向上部材40を鋳込んだものである。この形態によれば、環状ケーシング3の内周壁16の外周面に上述したアルマイト(登録商標)処理を施す必要がなく、製造工程の簡易化が図れる。耐摩耗性向上部材40は、環状ケーシング3の内周壁16の外周面に圧入するようにしても良い。また、耐摩耗性向上部材40の形状はこれまで説明してきたように種々考えられるものである。例えば、図5に示すように、第一及び第二ドライブッシュ31a,31bが位置する部分の中央部に窪み部41a,41bをそれぞれ形成するようにしても良い。
【0041】
これまで、ポールピース15は支持リング6の周方向に複数設けるとして説明してきたが、本発明はこの点において限定されず、図6に示すように周方向に一体に形成されたポールピース15’を備えた渦電流式減速装置にも適用できるものである。
【0042】
なお、本発明は支持リング6を回動させて制動・非制動を切り換えるタイプであればあらゆる渦電流式減速装置に適用できるものである。
【0043】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、摺動部材と支持リング及び/又は環状ケーシングとの接触面圧の適正化を図り、作動不良の発生を防止できるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の部分拡大正面断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置の部分拡大正面断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置の部分拡大正面断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置の部分拡大正面断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る渦電流式減速装置の部分拡大正面断面図である。
【図6】周方向に一体化されたポールピースを備えた渦電流式減速装置の部分拡大断面図である。
【図7】従来の渦電流式減速装置の上半分断面図である。
【図8】(a)図7の渦電流式減速装置において非制動時の状態を示す部分側面断面図である。
(b)図7の渦電流式減速装置において制動時の状態を示す部分側面断面図である。
【図9】フッ素樹脂系の摺動部材における接触面圧と摩擦係数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 回転軸
2 制動ドラム
3 環状ケーシング
5 磁石
6 支持リング
7 アクチュエータ
15 ポールピース
16 内周壁
31 摺動部材
33a,33b,33c,33d 摺動部

Claims (6)

  1. 回転軸に連結された制動ドラムと、該制動ドラムの内側で固定側に接続され、制動ドラムの内周面と対向するように設けられたポールピースを備えた環状ケーシングと、その環状ケーシングの内空部に周方向に回動自在に設けられ、上記ポールピースに内側から対向するように周方向に複数設けられた磁石を備えた支持リングと、該支持リングの内周面と環状ケーシングの内周壁との間に介設され、フッ素樹脂で主に形成されたドライブッシュと、支持リングの軸方向一端部に接続され、支持リングを回動させるアクチュエータとを備えた渦電流式減速装置において、
    上記ドライブッシュと、上記支持リング及び/又は環状ケーシングとの摺動部を軸方向に複数個形成すると共に、それらの摺動部の内、上記支持リングの上記軸方向一端部側に位置する摺動部よりも軸方向他端部側に位置する摺動部の方の面積を小さくした渦電流式減速装置。
  2. 上記支持リングの軸方向他端部側に位置する上記摺動部の軸方向長さを、軸方向一端部側に位置する摺動部の軸方向長さよりも短くした請求項1記載の渦電流式減速装置。
  3. 上記ドライブッシュを上記支持リングの軸方向の略全域に渡って形成すると共に、上記支持リングの内周面及び/又は上記環状ケーシングの内周壁の軸方向中央部に窪み部を形成して、該窪み部の軸方向両側部にそれぞれ摺動部を形成した請求項1又は2記載の渦電流式減速装置。
  4. 上記ドライブッシュを、上記支持リングの軸方向一端部側と、軸方向他端部側とにそれぞれ設けた請求項1又は2記載の渦電流式減速装置。
  5. 上記支持リングの内周面及び/又は上記環状ケーシングの内周壁で、上記各ドライブッシュが位置する部分の中央部にそれぞれ窪み部を形成し、各ドライブッシュの軸方向両端部にそれぞれ摺動部を形成した請求項4記載の渦電流式減速装置。
  6. 上記環状ケーシングの内周壁の外周面に、耐摩耗性向上部材が設けられた請求項1〜5いずれかに記載の渦電流式減速装置。
JP2001400938A 2001-12-28 2001-12-28 渦電流式減速装置 Expired - Fee Related JP3823827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400938A JP3823827B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 渦電流式減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400938A JP3823827B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 渦電流式減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003199322A JP2003199322A (ja) 2003-07-11
JP3823827B2 true JP3823827B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=27605221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001400938A Expired - Fee Related JP3823827B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 渦電流式減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3823827B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003199322A (ja) 2003-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5804897A (en) Permanent magnet vehicle braking apparatus
US6039157A (en) Eddy current braking system
EP0762620B1 (en) Guide frame for eddy current type retarder device
JP3823827B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3706891B2 (ja) 渦電流減速装置
JP4715546B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP7373545B2 (ja) インホイールモーター
JP4905148B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP7350832B2 (ja) インホイールモーター
JP2631418B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3760721B2 (ja) 渦電流減速装置
JPH04168970A (ja) 渦電流式減速装置
JPH0974736A (ja) 渦電流式減速装置の制動ドラム
JP2000236655A (ja) 渦電流減速装置
JPH04161053A (ja) 渦電流式減速装置
JP3755717B2 (ja) 渦電流減速装置
JPH10127040A (ja) 渦電流減速装置
JP2000102240A (ja) 渦電流減速装置
JP3800309B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3800304B2 (ja) 渦電流減速装置
JP3988318B2 (ja) 渦電流減速装置
JPH04161052A (ja) 渦電流式減速装置
JP3704946B2 (ja) 永久磁石式渦電流減速装置
JP2002354781A (ja) 渦電流減速装置
JP3704877B2 (ja) 渦電流式減速装置の制動ドラム支持構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees