JP3823782B2 - 先行車両認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車両の存在を運転者に提示するために、自車両の前方に存在する先行車両を認識する先行車両認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平11−44533号公報や特開平10−97699号公報で開示されているように、例えばレーザレーダや、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、超音波センサ等を利用し、送信波の伝搬時間に基づいて自車両と先行車両との距離を算出する測距センサと、車両前方の状況を撮像するビデオカメラとを有し、前方車両までの車間距離を算出する車間距離検出装置が知られている。このような車間距離検出装置は、各種レーダ等の測距センサを用いるのが一般的であるが、更にカメラを使用することで車間距離検出の信頼性を向上させている。
【0003】
また、カメラを用いて車間距離を検出するものとしては、特開平4−209100号公報で開示されている技術のように車両外形を検出するものがあり、更に、特開平10−143799号公報で開示されている技術のようにテンプレートマッチングの手法を利用するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術のようにカメラで撮像した前方画像を用いて車間距離を検出するときに、時間的に連続して先行車両を認識するために、一旦前方画像内で検出された先行車両を、短い処理間隔で車間距離の変化を連続的に検出するトラッキング(連続検出)処理が行われる。
【0005】
このトラッキング処理では、時間的に連続した各前方画像内において、車両の特徴量である車両下端の陰影部(以下、車両下影と呼ぶ。)と車両外形とを検出する。このとき、車両外形として、特に車両左右両端に発生する垂直エッジ成分の位置を連続して検出し、左右の垂直エッジ位置の間隔変化より車両距離の変化を検出すると共に、先行車両の左右位置変化を検出する。
【0006】
また、車両下影の位置は、車両の最下端を示すため、垂直エッジを検出する位置を特定するために使用される。これらのエッジは、その位置や強度が急変しないという仮定により、前回検出されたエッジ位置に対して所定範囲のエッジ検出用ウインドウを設定し、エッジ検出用ウインドウ内で前回検出されたエッジと強度が等しいよく似たエッジを検出することにより連続的にエッジ位置を検出する。
【0007】
しかしながら、先行車両の位置や周囲の道路環境により、以下のような問題点が生じる。
【0008】
例えば、車両左右端に発生する垂直エッジに関しては、図14に示すように、先行車両101が走行道路102の左右の何れかに寄りすぎて位置し、且つ、カーブ路等により車線識別線(白線)103が前方画像内で垂直方向に近い場合に、エッジ検出用ウインドウ104内において車両左右端の垂直エッジ105以外に白線103による垂直エッジ106が検出されてしまう。すなわち、単一のエッジ検出用ウインドウ内で2本の垂直エッジが検出されてしまう、誤検出が発生する可能性がある。
【0009】
車両左右端の垂直エッジは、主として先行車両のタイヤ111(黒い領域)と路面(灰色)の濃度差によって発生するエッジ成分であり、これに対し、白線103による垂直エッジは、路面(灰色)と白線(白色)の濃度差によって発生するエッジ成分であるため、エッジ方向が一致し、場合によってはエッジ強度も等しくなってしまう。したがって、エッジ検出用ウインドウ内における濃度値やエッジの強度情報だけでは、これらを正確にエッジ検出して先方車両を認識することが困難である。
【0010】
また、車両下影の水平エッジに関しては、例えば図15に示すように、先行車両101が路面上の黒い継ぎ目112を通り過ぎる場合に、車両下影位置113と、継ぎ目位置112とが一時的に一致し、その後、エッジ検出用ウインドウ114内に車両下影による水平エッジと継ぎ目部分112による水平エッジの2つのエッジが検出されてしまう。したがって、水平エッジについても、エッジ検出用ウインドウ114内における濃度値やエッジの強度情報だけでは、正確にエッジ検出をして先行車両を認識することが困難であり、誤検出を発生してしまう可能性がある。
【0011】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で検出することができる先行車両認識装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、上述の課題を解決するために、自車両の前方を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された前方画像から先行車両の位置を特定し、当該先行車両までの距離を算出する先行車両検出手段と、上記先行車両検出手段で特定された先行車両位置から先行車両の左右両端の垂直方向エッジ及び先行車両下端の水平方向エッジを検出するために、上記撮像手段で撮像された前方画像内に奇数個のエッジ検出用画像領域を設定する領域設定手段と、上記領域設定手段により設定された各エッジ検出用画像領域内に存在する垂直方向エッジ或いは水平方向エッジを検出するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段により検出されたエッジの正確度を各エッジ検出用画像領域ごとに判定する正確度検出手段と、上記正確度検出手段で検出された各エッジ検出用画像領域ごとのエッジの正確度に基づいて、上記奇数個のエッジ検出用画像領域のエッジのうち、正確度が高いと判定された偶数個のエッジ検出用画像領域で検出されたエッジを用いて、残りのエッジ検出用画像領域のエッジを補正するエッジ検出結果補正手段とを備え、上記エッジ検出結果補正手段は、正確度が高いと判定された偶数個のエッジを用いて車間距離を演算し、当該車間距離に相当するエッジの位置となるように、上記残りのエッジを補正し、上記先行車両検出手段は、当該補正されたエッジを含む奇数個のエッジから先行車両の位置及び先行車両までの距離を算出することを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明では、請求項1記載の発明であって、上記エッジ検出手段は、上記領域設定手段で設定されたエッジ検出用画像領域内で時間的に前に検出されたエッジ強度と略等しいエッジ強度のエッジを検出し、上記正確度検出手段は、上記エッジ検出手段で検出されたエッジ数が少ないほど正確度が高いと判定することを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明では、請求項1記載の発明であって、上記水平方向エッジの垂直方向位置に基づいて自車両と先行車両との距離を求めると共に、上記垂直方向エッジの水平方向位置に基づいて先行車両の水平方向位置を求める先行車両位置検出手段と、上記先行車両検出手段で検出された自車両と先行車両との距離及び先行車両の水平方向位置を用いてカルマン・フィルタにより先行車両の状態を推定する先行車両位置推定手段とを更に備えることを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明では、請求項1記載の発明であって、上記領域設定手段は、上記撮像手段で撮像された前方画像のうち、先行車両の下陰部分を示す画像位置を含むようにエッジ検出用画像領域を設定し、上記エッジ検出手段は、垂直ソーベル演算子を用いて先行車両の下陰部分を含むエッジ検出用画像領域内に存在する水平方向エッジを検出することを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明では、請求項1記載の発明であって、上記領域設定手段は、上記撮像手段で撮像された前方画像のうち、先行車両の下陰部分の上方の画像位置を含むようにエッジ検出用画像領域を設定し、上記エッジ検出手段は、水平ソーベル演算子を用いてエッジ検出用画像領域内に存在する垂直方向エッジを検出することを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る発明では、請求項1記載の発明であって、上記エッジ検出手段は、時間的に前に検出されたエッジ強度を用いて連続的にエッジを検出する処理を行っているときにおいて、エッジが正確に検出されなかった場合には、上記撮像手段で新たに撮像して得た前方画像を用いてエッジ検出をすることを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る発明では、上記エッジ検出手段は、請求項1記載の発明であって、時間的に前に検出されたエッジ強度を用いて連続的にエッジを検出する処理を行っているときにおいて、次回に水平方向エッジ及び垂直方向エッジを検出するために、各エッジ検出用画像領域について、水平方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度、垂直方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度を記憶することを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、エッジ検出手段により検出されたエッジの正確度を各エッジ検出用画像領域ごとに判定し、各エッジ検出用画像領域ごとの正確度に基づいて、奇数個のエッジ検出用画像領域のうち、正確度が高いと判定された偶数個のエッジ検出用画像領域で検出されたエッジを用いて、残りのエッジ検出結果を補正するので、何れかのエッジ検出用画像領域でエッジ誤検出が発生しやすくなっても、他のエッジ検出用画像領域のエッジ検出結果に基づいて補正をして安定して先行車両のエッジのみを検出することができ、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で検出することができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、エッジ検出用画像領域内で時間的に前に検出されたエッジ強度と略等しいエッジ強度のエッジを検出し、検出されたエッジ数が少ないほど正確度が高いと判定するので、請求項1記載の発明の効果と同様に、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で検出することができる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、水平方向エッジの垂直方向位置に基づいて自車両と先行車両との距離を求めると共に、垂直方向エッジの水平方向位置に基づいて先行車両の水平方向位置を求め、自車両と先行車両との距離及び先行車両の水平方向位置を用いてカルマン・フィルタにより先行車両の状態を推定して、次回のエッジ検出処理におけるエッジ検出位置の推定領域を算出して、算出した推定領域の近傍にのみエッジ検出を行うためのエッジ検出用画像領域を設定してエッジ検出を行うことができる。したがって、請求項3に係る発明によれば、エッジ検出用画像領域を小さい面積で設定しても正確にエッジを検出することができ、誤検出をより少なくすることができる。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、撮像された前方画像のうち、先行車両の下陰部分を示す画像位置を含むようにエッジ検出用画像領域を設定し、垂直ソーベル演算子を用いて先行車両の下陰部分を含むエッジ検出用画像領域内に存在する水平方向エッジを検出するので、請求項1記載の発明の効果と同様に、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で検出することができる。
【0023】
請求項5に係る発明では、と共に、撮像された前方画像のうち、先行車両の下陰部分の上方の画像位置を含むようにエッジ検出用画像領域を設定し、上記エッジ検出手段は、水平ソーベル演算子を用いてエッジ検出用画像領域内に存在する垂直方向エッジを検出するので、請求項1記載の発明の効果と同様に、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で検出することができる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、時間的に前に検出されたエッジ強度を用いて連続的にエッジを検出する処理を行っているときにおいて、エッジが正確に検出されなかった場合には、撮像手段で新たに撮像して得た前方画像を用いてエッジ検出をするので、連続的にエッジが検出できない場合や、全てのエッジ検出用画像領域からエッジが複数検出される場合には、連続的にエッジ検出する処理を終了して、誤検出を低減することができる。
【0025】
請求項7に係る発明によれば、時間的に前に検出されたエッジ強度を用いて連続的にエッジを検出する処理を行っているときにおいて、次回に水平方向エッジ及び垂直方向エッジを検出するために、各エッジ検出用画像領域について、水平方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度、垂直方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度を記憶するので、請求項1記載の発明の効果と同様に、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で時間的に連続して検出することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
本発明は、例えば図1に示すように構成された第1実施形態に係る先行車両認識システムに適用される。
【0028】
[第1実施形態に係る先行車両認識システムの構成]
この先行車両認識システムは、図1及び図2に示すように、自車両1のフロントウインドウ2上部に取り付けられた小型の画像入力装置11と、自車両の内部に設置された画像処理装置12とを備える。
【0029】
画像入力装置(撮像手段)11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor )カメラ等が使用可能であり、自車両1の前方道路の状況を撮像することにより前方画像を所定期間毎に生成し、画像処理装置12に連続的に出力する。
【0030】
画像処理装置12は、画像入力装置11からの前方画像を入力する先行車検出部21及び先行車追尾部22と、車間距離・先行車両位置出力部23とを備える。
【0031】
先行車検出部21は、前方画像にフィルタ処理や画像認識処理を施すことにより、自車両1が走行している自車線内の先行車両の左右位置及び車間距離を求めるために先行車両を検出する初回検出処理をする。なお、この先行車検出部21による処理内容の詳細については後述する。
【0032】
先行車追尾部22は、画像入力装置11から所定期間毎に前方画像が入力され、先行車検出部21で検出した先行車両を時間的に連続して追尾するトラッキング検出処理をする。なお、この先行車追尾部22による処理内容の詳細については後述する。
【0033】
車間距離・先行車両位置出力部(先行車両位置検出手段)23は、先行車追尾部22によるトラッキング検出処理により得た先行車両の水平方向エッジ及び垂直方向エッジの位置に基づいて、先行車両位置及び車間距離を求める。この車間距離・先行車両位置出力部23は、求めた先行車両位置及び車間距離を図示しない表示モニタやスピーカ等により運転者に提示する。
【0034】
この車間距離・先行車両位置出力部23は、例えば自車両1と先行車両との車間距離が短く接近度合いが大きい場合に運転者に注意を促す接近報知システムや、アクセルやブレーキを操作して車間距離を走行車速に応じた適切な値に自動的に保持するアダプティブクルーズコントロール(ACC)システム等に出力する。
【0035】
[第1実施形態に係る先行車両認識システムの動作]
上述した先行車両認識システムによる処理手順を図3を参照して説明する。
【0036】
先行車両認識システムは、自車両1が走行開始したことに応じて、自車線内における前方の先行車両位置及び車間距離を取得するために、ステップS1以降の処理を開始し、画像入力装置11により撮像した前方画像を画像処理装置12で取り込み、先行車検出部21により、前方画像内で自車線上の先行車両を検出し、先行車両の位置を特定するための初回検出処理を行って、ステップS2に処理を進める。なお、このステップS1の先行車検出部21の処理手順については後述する。
【0037】
なお、この初回検出処理は、前方画像内で確実に先行車両を検出することを目的としており、自車線を示す画像領域である自車線領域の認識や、自車線領域内での車両候補の検出、先行車両の特定、検出した先行車両との距離算出等の処理を行うために、数100ミリ秒程度の長い処理時間を要する。
【0038】
ステップS2において、先行車検出部21により、ステップS1において先行車両を検出したか否かの判定をし、検出したときにはステップS3に処理を進め、検出していないときには再度ステップS1の処理を行う。
【0039】
ステップS3において、先行車追尾部22により、ステップS1で検出した先行車両を時間的に連続して検出することで先行車両を追尾し、時間的に連続した先行車両位置及び車間距離の変化を検出するためのトラッキング検出処理をして、ステップS4に処理を進める。
【0040】
ステップS3におけるトラッキング処理は、前方画像内における先行車両の特徴のうち、車両下影による水平方向エッジの垂直方向位置(画像内上下方向)、車両左右端における垂直方向エッジの水平方向位置(画像内左右方向)のみを連続して検出して、ステップS4に処理を進める。
【0041】
なお、トラッキング処理は、処理を高速化して先行車両位置及び車間距離を短時間で出力することを目的としており、ステップS1での初回検出処理と比較して数10ミリ秒程度の短い間隔で処理を実行する。これにより、トラッキング検出処理で得た出力を用いてACC等の制御を行う場合により緻密な制御を行うことができるという利点がある。
【0042】
ステップS4において、先行車追尾部22により、ステップS3でのトラッキング検出処理で水平方向エッジ及び垂直方向エッジの検出ができずに先行車両を見失う、或いは、先行車両が前方画像の所定領域(エッジ検出ウインドウ)外となったか否か、すなわち先行車両がロスト状態になったか否かの判定をし、先行車両がロスト状態となったと判定したときにはステップS1の初回検出処理に処理を戻し、先行車両がロスト状態になっていないと判定したときにはステップS5に処理を進める。
【0043】
ステップS5において、車間距離・先行車両位置出力部23により、ステップS3でのトラッキング検出処理で得た水平方向エッジ及び垂直方向エッジから、先行車両位置及び車間距離を求めて出力し、ステップS3に処理を戻す。
【0044】
これにより、ステップS4で先行車両がロスト状態になるまで、ステップS3〜ステップS5の処理を繰り返して連続して先行車両位置及び車間距離を出力する。
【0045】
「初回検出処理」
上述のステップS1の先行車検出部21による初回検出処理の処理手順について図4を参照して説明する。
【0046】
ステップS11において、画像入力装置11により前方画像を撮像し、先行車検出部21により前方画像を取り込む処理をしてステップS12に処理を進める。
【0047】
ステップS12において、前方画像内における自車線領域を認識して、ステップS13に処理を進める。このとき、先行車検出部21は、例えば車線逸脱防止制御(レーンキープアシスト制御)等を目的として行われる既知の手法を行うことにより、車線識別線(白線)を前方画像から検出して、自車両1の自車線領域を検出する。すなわち、図5に示すように、自車両1及び2つの白線31を検出し、前方画像のうち、白線31と自車両1とで囲まれる領域を自車線領域32として検出する。
【0048】
ステップS13において、ステップS12で認識した自車線領域32から、前方画像内で自車両1が走行している道路の消失点を示す道路消失点の座標(Xvp,Yvp)を求める。具体的には、白線31を延長し、前方画像内での交点を道路消失点とする。この道路消失点は、前方画像内の無限遠方において白線31が収束する点であり、そのY座標値(前方画像内上下位置)は水平線の高さを示している。この道路消失点は後段の車間距離を求めるのに使用される。
【0049】
次のステップS14において、ステップS12で求めた自車線領域32から、図6に示す車両下影領域33を検出する。このとき、先行車検出部21は、自車線領域32の濃度値分布(明暗の分布)を検出し、通常の自車線領域32の濃度値よりも所定値以上小さい(暗い)領域を検出することにより、車両下影領域33を検出する。なお、このステップS14における処理では、後段の処理により車両が存在するか否かの特定を詳しく行うので、車両下影領域33の候補を検出する処理をする。
【0050】
そして、次のステップS15において、ステップS14において車両下影領域33を検出したか否かの判定をし、検出したときにはステップS16に処理を進め、検出していないときにはステップS11に処理を戻す。
【0051】
ステップS16において、車両下影領域33の位置を正確に特定するために、車両下影領域33による水平方向エッジを検出する。このとき、先行車検出部21は、図7に示すように、ステップS14で検出した車両下影領域33を含むようにエッジ検出用の水平エッジ検出ウインドウ34を設定し、水平エッジ検出ウインドウ34内で水平方向エッジを検出するためのフィルタ処理を施す。先行車検出部21は、例えば下記式1で示されるような垂直ソーベル演算子を用いたフィルタ処理を施すことにより、前方画像内で水平なエッジ成分を抽出する。
【0052】
【数1】
Figure 0003823782
上記式1では、水平エッジ検出ウインドウ34において、任意の3×3の微小画素群を選択して、垂直ソーベル演算子で示される係数と画素値(濃度値)とを乗算して得られる値に応じて垂直ソーベル演算子を適用した位置が水平方向エッジであるか否かの判定をする。具体的には前方画像の上方から下方へ明るく変化してる水平方向エッジ35の場合には、垂直ソーベル演算子により得られる値が負となる。車両下影領域33による水平方向エッジ35は、先行車両の真下が最も暗く、画像内の下方に向かって明るくなるため、フィルタ処理後、負の値で絶対値が最も大きくなるY座標値を求め、その座標値Ysを車両下影位置とする。
【0053】
車両下影座標値Ysを求めることにより、車両下影座標値YsとステップS13で求めた道路消失点の座標値(Xvp,Yvp)とから、検出した下影が先行車両であった場合の距離L0を下記(式2)に示すように算出する。
【0054】
【数2】
Figure 0003823782
上記式2において、fは焦点距離であり、Hcは画像入力装置11を構成するカメラ機構の取り付け高さである。
【0055】
ステップS17において、先行車両であることを特定するために、図8に示すように、車両左右端の垂直方向エッジを検出するための垂直エッジ検出ウインドウ36を設定する。この垂直エッジ検出ウインドウ36は、ステップS16で求めた車両下影座標値Ysのやや上方に、その幅をステップS14で求めた車両下影領域33の幅をやや上回る程度の値にし、高さを上記式2で求めた車間距離L0相当において所定高さ(例えばタイヤの高さ)となるように設定する。
【0056】
次のステップS18において、ステップS17で設定した垂直エッジ検出ウインドウ36内で、2つの垂直方向エッジを検出する。このとき、先行車検出部21は、水平方向エッジ35内で垂直方向エッジを検出するためのフィルタ処理を施す。先行車検出部21は、例えば下記式3で示されるような水平ソーベル演算子を用いたフィルタ処理を施すことにより、前方画像内で垂直なエッジ成分を抽出する。
【0057】
【数3】
Figure 0003823782
前方画像左方から右方へ暗くなるように変化している垂直エッジ部分においてフィルタ処理を行うことにより、水平ソーベル演算子を用いて得られる値が負の値になり、前方画像の右方から左方へ明るくなるように変化している垂直エッジ部分においてフィルタ処理を行うことにより、水平ソーベル演算子を用いて得られる値が正の値になる。
【0058】
本例において、ステップS17で設定した垂直エッジ検出ウインドウ36の高さはタイヤの高さ相当であるために、車両左端の路面からタイヤに向かって水平ソーベル演算子から得られる値が負となるエッジを検出し、車両右端のタイヤから路面に向かって水平ソーベル演算子から得られる値が正となるエッジを検出する。
【0059】
このような方向で水平ソーベル演算子を適用してエッジ検出をすることにより、垂直方向エッジを1組検出した場合、ステップS19において垂直方向エッジのペアが検出されたとして先行車両を特定し、ステップS20に処理を進める。一方、垂直方向エッジのペアが検出されなかった場合には、ステップS19からステップS11に処理を戻す。
【0060】
ステップS20において、ステップS3で行うトラッキング検出処理で水平方向エッジ及び垂直方向エッジを使用するために、水平方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度、2つの垂直方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度を図示しないメモリに記憶する。
【0061】
また、先行車検出部21は、ステップS3でのトラッキング検出処理において車間距離を算出するための基準となる車両幅を下記の式4を用いて算出して記憶する。車両幅を求めるとき、先行車検出部21は、
【数4】
Figure 0003823782
で示される式4を用いる。ここで、XRは車両左端の垂直方向エッジのエッジ位置であり、XLは車両左端の垂直方向エッジのエッジ位置である。
【0062】
このような初回検出処理をする先行車検出部21は、前方画像内に奇数個のエッジ検出ウインドウを設定する領域設定手段、領域設定手段により設定された各エッジ検出ウインドウ内に存在する垂直方向エッジ及び水平方向エッジを検出するエッジ検出手段として機能する。
【0063】
「トラッキング検出処理」
上述のステップS3の先行車追尾部22によるトラッキング検出処理の処理手順について図9を参照して説明する。
【0064】
このトラッキング検出処理は、上述の初回検出処理を行った結果、先行車検出部21により先行車両を特定したときにステップS31以降の処理を開始し、先行車追尾部22により、新たな前方画像を画像入力装置11から読み込んで、ステップS32に処理を進め、ステップS31〜ステップS43において、車両下影の水平方向エッジ、車両左右端の各垂直方向エッジに関して、前回のエッジ検出位置の近傍にエッジ検出用のウインドウを設定して、今回のステップS31で取り込んだ前方画像のエッジ候補のエッジ位置及びエッジ数を求める処理を行う。
【0065】
また、このトラッキング検出処理では、後述するが、初回検出処理に戻るまで、連続的に画像入力装置11から前方画像を読み込んで、ステップS31〜ステップS49までの処理を連続的に繰り返して行うことにより、連続的に先行車両との車間距離、先行車両の左右位置を車間距離・先行車両位置出力部23に出力する。
【0066】
先ず、ステップS32〜ステップS35で、車両下影による水平エッジ候補を検出するために、図10に示すように、前回に検出した先行車両左端の水平方向エッジのエッジ位置を中心とし、所定高さの水平エッジ検出ウインドウ41を設定し(ステップS32)、設定した水平エッジ検出ウインドウ41内に水平エッジ候補を検出するためのフィルタ処理を施し(ステップS33)、水平エッジ検出ウインドウ41内に存在する水平エッジ候補を算出する(ステップS34)。
【0067】
ここで、先行車追尾部22は、水平エッジ検出ウインドウ41内に検出される水平方向エッジの中で、前回に検出したエッジ強度とほぼ等しいエッジ強度を有する水平方向エッジを全て水平エッジ候補として検出する。具体的には、先行車追尾部22は、前回の水平方向エッジのエッジ強度と今回のエッジ強度との差が所定値以内となる水平エッジを水平エッジ候補とする。次いで、検出した水平エッジ候補のエッジ数をカウントする(ステップS35)。
【0068】
続いて、車両左端の垂直エッジ候補を検出するために、図11に示すように前回に検出した垂直方向エッジのエッジ位置を中心とし、所定高さの水平エッジ検出ウインドウ42を設定し(ステップS36)、設定した垂直エッジ検出ウインドウ42内に垂直エッジ候補を検出するためのフィルタ処理を施し(ステップS37)、垂直エッジ検出ウインドウ42内に存在する垂直エッジ候補を算出し(ステップS38)、垂直エッジ候補数をカウントする(ステップS39)。
【0069】
続いて、車両右端の垂直エッジ候補を検出するために、図11に示すように前回に検出した先行車両右端の垂直方向エッジのエッジ位置を中心とし、所定高さの垂直エッジ検出ウインドウ43を設定し(ステップS40)、設定した垂直エッジ検出ウインドウ43内に垂直エッジを検出するためのフィルタ処理を施し(ステップS41)、垂直エッジ検出ウインドウ43内に存在する垂直エッジ候補を算出し(ステップS42)、垂直エッジ候補数をカウントする(ステップS43)。
【0070】
次に、ステップS44において、ステップS32〜ステップS43での処理により検出したエッジ候補を参照して、各エッジ検出ウインドウにおいて正しくエッジを検出したか否かの判定を行う。
【0071】
すなわち、先行車追尾部22により、前方画像内でエッジ候補が正確に検出されない、エッジロストが発生したか否かの判定をする。エッジロストが発生する例としては、路面の凹凸により車体のピッチ角変化が発生し、画像入力装置11の撮像範囲が急変し、前回に検出したエッジがエッジ検出ウインドウ外となった場合等がある。
【0072】
エッジロストが発生したか否かの判定をするに際して、先行車追尾部22は、水平エッジ検出ウインドウ41と、2つの垂直エッジ検出ウインドウ42,43との3つのエッジ検出ウインドウのうち、1つのエッジ検出ウインドウにエッジ候補が検出されなかった場合には、ステップS1の初回検出処理に処理を戻す。
【0073】
エッジ候補を正しく検出したときのステップS45において、エッジ候補の補正処理を行う。この補正処理は、図12に示すように、各エッジ検出ウインドウ内で検出したエッジ候補数により場合分けして補正をする。ここで、3つのエッジ検出ウインドウで共にエッジ候補を1つづつ検出した場合には(図12のA)、補正処理を行わずに次のステップに処理を進める。
【0074】
補正処理を行うに際して、図12に示すように、
(1)車両下影の位置(Y座標)は車間距離に依存して決定される(式2)
(2)前方画像内での車両幅、すなわち車両左右端の垂直エッジ間距離は車間距離に反比例する(式4)
という2つの特徴を用いる。すなわち、3つ(奇数個)のエッジ検出ウインドウのうち、2つ(偶数個)のエッジ検出ウインドウでのエッジ候補数が1であり、残りの1つのエッジ検出ウインドウに2以上のエッジ候補を検出した場合には(図12のB、C、D)、上記の特徴(1)、特徴(2)を用いて、残りの1つのエッジ検出ウインドウ内の複数のエッジ候補のうち、最も正確度が高いエッジ候補を選択し、水平方向エッジ及び垂直方向エッジを特定する。
【0075】
また、車両左右両端の垂直方向エッジのうち、いずれか一方のエッジ候補数のみが1つである場合には(図12のE、F)、前方画像上での先行車両の車両幅は車間距離に依存して決定され、且つ車両幅が急変しないという特徴を用いることにより、先ず、1のエッジ検出ウインドウで検出したエッジ候補から、もう一方のエッジ検出ウインドウで検出した複数のエッジ検出候補のうち正確度の高いエッジ候補を特定する。これにより、先行車両下影の水平方向エッジ、車両左右端の垂直方向エッジを特定する。
【0076】
但し、車両左右端の垂直エッジ候補が共に複数である場合には(図12のG)、推定が困難であるために、エッジロストとみなして初回検出処理に戻すことが望ましい。
【0077】
このように、ステップS45でエッジ候補に補正処理をして、各エッジ検出ウインドウで1つのエッジを検出した場合にはステップS47に処理を進め、補正処理ができなかった場合にはステップS1の初回検出処理を再度行う(ステップS46)。
【0078】
ステップS47において、次回のトラッキング検出処理のために、各エッジ検出ウインドウで検出され、ステップS45の補正処理で特定した各エッジのエッジ位置及びエッジ強度をメモリに記憶する。
【0079】
次のステップS48において、ステップS45の補正処理で特定したエッジ位置から、先行車両位置及び車間距離を算出する。具体的には、車両左右端の垂直方向エッジの位置から、先行車両の左右位置Xcを下記式5で求めると共に、車間距離Lを下記式6で求める。
【0080】
【数5】
Figure 0003823782
次に、ステップS48で求めた先行車両の左右位置及び車間距離を車間距離・先行車両位置出力部23に出力し、次回のトラッキング検出処理を行うためにステップS31に処理を戻す。
【0081】
このようなトラッキング検出処理を画像入力装置11が前方画像を撮像する期間ごとに行うことにより、初回検出処理と比較して短い処理時間で連続して先行車両の左右位置及び車間距離を車間距離・先行車両位置出力部23に出力することができる。
【0082】
また、このようなトラッキング処理をする先行車追尾部22は、前回のエッジ検出結果に基づいてエッジ検出ウインドウを設定する領域設定手段、領域設定手段で設定されたエッジ検出ウインドウ内でエッジを検出するエッジ検出手段、各エッジ検出ウインドウでのエッジ検出結果の正確度を検出する正確度検出手段、正確度検出手段で検出した各エッジ検出ウインドウごとの正確度に基づいてエッジ検出結果を補正するエッジ検出結果補正手段として機能する。
【0083】
[第1実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、第1実施形態に係る先行車両認識システムによれば、先行車両の左右両端を示す垂直方向エッジ及び先行車両の下端を示す水平方向エッジを連続的に検出すると共に、各エッジ検出ウインドウ毎に前回検出したエッジ強度に応じてエッジ候補を検出し、各エッジ検出ウインドウで検出したエッジ候補が少ないほどエッジ候補の正確度が高いとし、奇数個(3つ)のエッジ検出ウインドウのうち偶数(2つ)のエッジ検出ウインドウで検出したエッジを用いて残りのエッジ検出ウインドウ(1つ)におけるエッジ候補を補正する処理をするので、何れかのエッジ検出ウインドウに白線や道路継ぎ目により、エッジの誤検出が発生しやすくなっても、他のエッジ検出ウインドウのエッジ検出結果に基づいて補正をして安定して先行車両のエッジのみを検出することができる。
【0084】
したがって、この先行車両認識システムによれば、運転者に提示する先行車両位置や車間距離を求める安定性を向上させることができ、先行車両の左右位置及び先行車両との車間距離を高い精度で検出することができる。
【0085】
また、先行車両認識システムによれば、正確に先行車両を検出する初回検出処理と、連続して先行車両を検出するトラッキング検出処理とを組み合わせることにより、連続的にエッジが検出できない場合や、全てのエッジ検出ウインドウからエッジ候補が複数検出される場合には、トラッキング処理を終了して初回検出処理を実行するので、誤検出を低減すると共に短い時間で先行車両を検出し、先行車両位置や車間距離を短い周期で出力することができる。
【0086】
[第2実施形態]
つぎに、本発明を適用した第2実施形態に係る先行車両認識システムについて説明する。第2実施形態に係る先行車両認識システムの説明では、上述の第1実施形態に係る先行車両認識システムと同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0087】
第2実施形態に係る先行車両認識システムは、ステップS3におけるトラッキング検出処理において、先行車追尾部22によりカルマン・フィルタを用いて先行車両の状態を推定し、カルマン・フィルタを用いた推定結果に基づいて水平方向エッジ及び垂直方向エッジを連続的に検出する点で第1実施形態に係る先行車両認識システムと異なる。
【0088】
「第2実施形態におけるトラッキング検出処理」
第2実施形態に係る先行車両認識システムによるトラッキング処理では、ステップS31〜ステップS42において、車両下影の水平方向エッジ、車両左右端の各垂直方向エッジに関して、前回のエッジ検出位置の近傍にエッジ検出ウインドウを設定して、今回のステップS31で取り込んだ前方画像のエッジ候補のエッジ位置を求める処理を行う。
【0089】
先ず、ステップS32〜ステップS34で、車両下影による水平エッジ候補を検出するために、図10に示すように、前回に検出した水平方向エッジのエッジ位置を中心とし、所定高さの水平エッジ検出ウインドウ41を設定し(ステップS32)、設定した水平エッジ検出ウインドウ41内に水平エッジ候補を検出するためのフィルタ処理を施し(ステップS33)、水平エッジ検出ウインドウ41内に存在する水平エッジ候補を算出する(ステップS34)。これにより、検出した水平方向エッジによる車両下影座標値Ysを得る。
【0090】
続いて、車両左端の垂直エッジ候補を検出するために、図11に示すように前回に検出した垂直方向エッジのエッジ位置を中心とし、所定高さの水平エッジ検出ウインドウ42を設定し(ステップS36)、設定した垂直エッジ検出ウインドウ42内に垂直エッジ候補を検出するためのフィルタ処理を施し(ステップS37)、垂直エッジ検出ウインドウ42内に存在する垂直エッジ候補を算出する(ステップS38)。
【0091】
続いて、車両右端の垂直エッジ候補を検出するために、図11に示すように前回に検出した垂直方向エッジのエッジ位置を中心とし、所定高さの垂直エッジ検出ウインドウ43を設定し(ステップS40)、設定した垂直エッジ検出ウインドウ43内に垂直エッジ候補を検出するためのフィルタ処理を施し(ステップS41)、垂直エッジ検出ウインドウ43内に存在する垂直エッジ候補を算出する(ステップS42)。これにより、先行車両左右端の垂直方向エッジによるX座標XR、XLを得る。
【0092】
次のステップS51において、先行車追尾部22により、ステップS34で得られた車両下影座標値Ysを用いて下記式7により車間距離Lを求めると共に、ステップS38及びステップS42で得られた各垂直方向エッジの座標を用いて、下記式7により左右位置Xの計測値を算出して、ステップS52に処理を進める。
【0093】
【数6】
Figure 0003823782
ステップS52において、先行車追尾部22により、カルマン・フィルタを用いて、先行車両の状態を推定する。このとき、先行車両の時刻tにおける状態ベクトルx、観測されるベクトルyが下記式9、式10で示されることとする。
【0094】
【数7】
Figure 0003823782
ここで、X、Zはそれぞれ前方画像上のX軸及び前方画像に垂直な軸(車間距離)であり、V、Aはそれぞれの軸の速度及び加速度を意味する。画像処理により観測されるベクトルとして、式7及び式8で得られるX値、L値をそれぞれX値、Z値として用いる。
【0095】
また、システムのノイズ、観測のノイズを考慮すると、下記式11、式12が得られる。
【0096】
【数8】
Figure 0003823782
ここで、式11及び式12における係数F、G、Hは下記式13、式14、式15で示される。
【0097】
【数9】
Figure 0003823782
上記式13において、dtはサンプリングタイムを意味し、1回のトラッキング検出処理にかかる時間である。また、カルマンゲインKtのカルマン・フィルタ処理を行うことにより、時刻t+1における状態ベクトルの予測値は下記式16、式17で表される。
【0098】
【数10】
Figure 0003823782
従って、時刻tにおける観測データであるX値、L値から、観測されるベクトルと時刻t−1における状態ベクトルに基づき、式16により時刻tにおける状態ベクトルを算出し、式17により時刻t+1における状態ベクトルの予測値を算出する。
【0099】
そして、カルマン・フィルタから出力した状態ベクトルに基づき、エッジ検出ウインドウで検出されるエッジ位置を推定し、次いで、ステップS53において推定したエッジ位置とステップS32〜ステップS42の処理を行うことで実際に検出したエッジ候補とが合致するか否かの判定をする。
【0100】
推定したエッジ位置と実際に検出したエッジ候補とが合致したときには、カルマン・フィルタにより正しくエッジ位置の推定ができたとしてステップS54に処理を進める。一方、推定したエッジ位置と実際に検出したエッジ候補とが合致していないときには、エッジ候補を誤検出している可能性が高いと判定してステップS1の初回検出処理に処理を進める。
【0101】
ステップS54において、カルマン・フィルタを用いて算出される次回の状態ベクトル予測値に基づいて、次回のトラッキング検出処理で各エッジ候補が発生するエッジ検出予測位置を算出して、メモリに記憶する。また、今回のトラッキング検出処理で求めた各エッジのエッジ強度もメモリに記憶する。
【0102】
次のステップS55において、カルマン・フィルタにより状態ベクトルとして得られる車間距離(Z値)と先行車両の左右位置(X値)とを車間距離・先行車両位置出力部23に出力してステップS31に処理を戻し、次回以降のトラッキング検出処理に処理を進める。
【0103】
このようなトラッキング検出処理をする先行車追尾部22は、カルマン・フィルタにより先行車両の状態を推定する先行車両位置推定手段として機能する。
【0104】
[第2実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、第2実施形態に係る先行車両認識システムによれば、第1実施形態に係る先行車両認識システムで発揮する効果に加えて、カルマン・フィルタにより、次回のトラッキング検出処理におけるエッジ検出位置の推定領域を算出して、算出した推定領域の近傍にのみエッジ検出を行うための各エッジ検出ウインドウをステップS32,ステップS36,ステップS40で設定してエッジ検出を行うことができる。
【0105】
したがって、この先行車両認識システムによれば、第1実施形態に係る先行車両認識システムにより設定する各エッジ検出ウインドウと比較して、エッジ検出ウインドウ幅を小さい面積で設定しても正確にエッジ候補を検出することができ、エッジ検出ウインドウ内に白線や道路継ぎ目が入ることによる誤検出をより少なくすることができる。
【0106】
更に、この先行車両認識システムによれば、エッジ検出ウインドウを小さくすることができるので、エッジ検出に要する処理負担を少なくすることができ、より短時間でトラッキング検出処理を実行することができる。
【0107】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムの構成を示す外観構成図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムにより先行車両との車間距離及び左右位置を出力するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムにより初回検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】自車両及び2つの白線を検出して、白線と自車両とで囲まれる領域を自車線領域として検出することを説明するための図である。
【図6】自車線領域から車両下影領域を検出することを説明するための図である。
【図7】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムにおいて、初回検出処理で水平方向エッジを検出するときに設定するエッジ検出ウインドウを示す図である。
【図8】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムにおいて、初回検出処理で垂直方向エッジを検出するときに設定するエッジ検出ウインドウを示す図である。
【図9】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムによるトラッキング検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムによりトラッキング検出処理で水平エッジ候補を検出するときに設定するエッジ検出ウインドウを示す図である。
【図11】本発明を適用した第1実施形態に係る先行車両認識システムによりトラッキング検出処理で垂直エッジ候補を検出するときに設定するエッジ検出ウインドウを示す図である。
【図12】各エッジ検出ウインドウで検出したエッジ候補数に応じた補正処理について説明するための図である。
【図13】本発明を適用した第2実施形態に係る先行車両認識システムによるトラッキング検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】従来において、垂直方向エッジを検出するときに複数の垂直方向エッジが検出されることを説明するための図である。
【図15】従来において、水平方向エッジを検出するときに複数の水平方向エッジが検出されることを説明するための図である。
【符号の説明】
1 自車両
2 フロントウインドウ
11 画像入力装置
12 画像処理装置
21 先行車検出部
22 先行車追尾部
23 車間距離・先行車両位置出力部
31 白線
32 自車線領域
33 車両下影領域
34 水平エッジ検出ウインドウ
35 水平方向エッジ
36 垂直エッジ検出ウインドウ
41 水平エッジ検出ウインドウ
42 水平エッジ検出ウインドウ
43 垂直エッジ検出ウインドウ

Claims (7)

  1. 自車両の前方を撮像する撮像手段と、
    上記撮像手段により撮像された前方画像から先行車両の位置を特定し、当該先行車両までの距離を算出する先行車両検出手段と、
    上記先行車両検出手段で特定された先行車両位置から先行車両の左右両端の垂直方向エッジ及び先行車両下端の水平方向エッジを検出するために、上記撮像手段で撮像された前方画像内に奇数個のエッジ検出用画像領域を設定する領域設定手段と、
    上記領域設定手段により設定された各エッジ検出用画像領域内に存在する垂直方向エッジ或いは水平方向エッジを検出するエッジ検出手段と、
    上記エッジ検出手段により検出されたエッジの正確度を各エッジ検出用画像領域ごとに判定する正確度検出手段と、
    上記正確度検出手段で検出された各エッジ検出用画像領域ごとのエッジの正確度に基づいて、上記奇数個のエッジ検出用画像領域のエッジのうち、正確度が高いと判定された偶数個のエッジ検出用画像領域で検出されたエッジを用いて、残りのエッジ検出用画像領域のエッジを補正するエッジ検出結果補正手段とを備え、
    上記エッジ検出結果補正手段は、正確度が高いと判定された偶数個のエッジを用いて車間距離を演算し、当該車間距離に相当するエッジの位置となるように、上記残りのエッジを補正し、
    上記先行車両検出手段は、当該補正されたエッジを含む奇数個のエッジから先行車両の位置及び先行車両までの距離を算出することを特徴とする先行車両認識装置。
  2. 上記エッジ検出手段は、上記領域設定手段で設定されたエッジ検出用画像領域内で時間的に前に検出されたエッジ強度と略等しいエッジ強度のエッジを検出し、
    上記正確度検出手段は、上記エッジ検出手段で検出されたエッジ数が少ないほど正確度が高いと判定すること
    を特徴とする請求項1記載の先行車両認識装置。
  3. 上記水平方向エッジの垂直方向位置に基づいて自車両と先行車両との距離を求めると共に、上記垂直方向エッジの水平方向位置に基づいて先行車両の水平方向位置を求める先行車両位置検出手段と、
    上記先行車両検出手段で検出された自車両と先行車両との距離及び先行車両の水平方向位置を用いてカルマン・フィルタにより先行車両の状態を推定する先行車両位置推定手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の先行車両認識装置。
  4. 上記領域設定手段は、上記撮像手段で撮像された前方画像のうち、先行車両の下陰部分を示す画像位置を含むようにエッジ検出用画像領域を設定し、上記エッジ検出手段は、垂直ソーベル演算子を用いて先行車両の下陰部分を含むエッジ検出用画像領域内に存在する水平方向エッジを検出することを特徴とする請求項1記載の先行車両認識装置。
  5. 上記領域設定手段は、上記撮像手段で撮像された前方画像のうち、先行車両の下陰部分の上方の画像位置を含むようにエッジ検出用画像領域を設定し、上記エッジ検出手段は、水平ソーベル演算子を用いてエッジ検出用画像領域内に存在する垂直方向エッジを検出すること
    を特徴とする請求項1記載の先行車両認識装置。
  6. 上記エッジ検出手段は、時間的に前に検出されたエッジ強度を用いて連続的にエッジを検出する処理を行っているときにおいて、エッジが正確に検出されなかった場合には、上記撮像手段で新たに撮像して得た前方画像を用いてエッジ検出をすること
    を特徴とする請求項1記載の先行車両認識装置。
  7. 上記エッジ検出手段は、時間的に前に検出されたエッジ強度を用いて連続的にエッジを検出する処理を行っているときにおいて、次回に水平方向エッジ及び垂直方向エッジを検出するために、各エッジ検出用画像領域について、水平方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度、垂直方向エッジのエッジ位置及びエッジ強度を記憶することを特徴とする請求項1記載の先行車両認識装置。
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