JP3820865B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電源のような交流電源から電力変換を行って高周波電力を負荷回路に供給する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にこの種の電源装置は、図21に示すように、交流電源Vinを整流器DBにより整流し、整流器DBの出力をインバータ回路INVにより高周波電力に変換して負荷回路Zに供給する構成を有する。図示するインバータ回路INVでは、いわゆるハーフブリッジ型の直列インバータを基本構成としインバータ回路INVに高調波低減機能を持たせた複合型部分平滑方式と称する構成を採用しており、インバータ回路INVを構成するスイッチング素子Q1,Q2に帰還トランスDT1を介してインバータ回路INVの出力が帰還されることによって、両スイッチング素子Q1,Q2が自励動作するように構成されている。また、負荷回路Zとしては、リーケージトランスからなる出力トランスLT1と、出力トランスLT1のリーケージインダクタンスとともに共振回路を構成するように出力トランスLT1の2次側に接続したコンデンサC4と、コンデンサC4に並列接続した蛍光灯のような熱陰極型の放電灯FLとを含む。具体的には、出力トランスLT1の2次巻線n2の各一端に放電灯FLの各フィラメントの一端がそれぞれ接続され、各フィラメントの他端間にコンデンサC4が接続されることになる。
【0003】
このような構成の負荷回路Zを採用するには、放電灯FLを予熱するための他制回路としての予熱回路PHが必要であり、また放電灯FLの寿命末期状態(いわゆるエミレス状態)を検出するために異常検出回路としてのエミレス検出回路ELも設けられる。ここに、寿命末期状態とは、放電灯FLに設けた2個の熱陰極(フィラメント)のうちの一方の熱陰極において電子放出物質(エミッタ)が蒸発することによって放電灯FLが半波点灯状態になる状態を意味している。
【0004】
インバータ回路INVは、一対のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が整流器DBの直流出力端間に接続されるとともに、帰還トランスDT1の1次巻線と負荷回路Zと直流カット用のコンデンサC1との直列回路が一方のスイッチング素子Q1に並列に接続され、さらに一方のスイッチング素子Q2を部分平滑回路とともに降圧チョッパ型アクティブフィルタを構成するスイッチング素子に兼用した構成を有する。ここに、上記一方のスイッチング素子Q1は他方のスイッチング素子Q2に対して整流器DBの出力端の高電位側に接続されているから必要に応じてハイサイドのスイッチング素子Q1と呼び、上記他方のスイッチング素子Q2を必要に応じてローサイドのスイッチング素子Q2と呼ぶ。各スイッチング素子Q1,Q2にはMOSFETを用いてあり、スイッチング素子Q1,Q2のオフ時にもボディダイオードを通してオン時とは逆向きの電流を流すことが可能になっている。つまり、スイッチング素子としては、トランジスタのコレクタ・エミッタにダイオードを逆並列に接続した構成と等価である。ここで逆並列とは、トランジスタのオン時におけるコレクタとエミッタとの間の順方向電流とは逆向きの電流をダイオードに流すことができる極性で、ダイオードをトランジスタのコレクタ・エミッタに並列に接続することを意味している。
【0005】
帰還トランスDT1は2個の2次巻線を備え、各2次巻線には抵抗R1,R2がそれぞれ接続され、各2次巻線と各抵抗R1,R2との直列回路は各スイッチング素子Q1,Q2のゲート・ソースに並列に接続されている。ただし、各トランジスタQ1,Q2に対する帰還トランスDT1の各2次巻線の極性は互いに逆にしてあり、一方のスイッチング素子Q1のオン時には他方のトランジスタQ2がオフになる関係としている。また、ローサイドのスイッチング素子Q2のゲートには起動回路が接続される。起動回路は、抵抗R3とコンデンサC3との直列回路が整流器DBの直流出力端間に接続され、抵抗R3とコンデンサC3との接続点がトリガ素子TD1を介してスイッチング素子Q2のゲートに接続されるとともに、抵抗R3とコンデンサC3との接続点がダイオードD4を介してスイッチング素子Q2のドレインに接続された構成を有している。ここに、ダイオードD4の極性は、ローサイドのスイッチング素子Q2のオン時にコンデンサC3の電荷を放電できる極性としてある。
【0006】
部分平滑回路は、平滑コンデンサC0とインダクタンス素子としてのインダクタL1とダイオードD3との直列回路を整流器DBの直流出力端間に接続し、インダクタL1とダイオードD3との接続点にダイオードD1を介して帰還トランスDT1と負荷回路Zとの接続点を接続した構成を有している。したがって、平滑コンデンサC0とインダクタL1とダイオードD1と帰還トランスDT1の1次巻線とローサイドのスイッチング素子Q2とからなる直列回路は整流器DBの直流出力端間に接続される。ダイオードD1の極性は、スイッチング素子Q2のオン時に整流器DB−平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−整流器DBの経路で平滑コンデンサC0に充電電流を流せる極性としてある。また、ダイオードD3の極性は、スイッチング素子Q2のオン時に平滑コンデンサC0−コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−ダイオードD3−インダクタL1−平滑コンデンサC0の経路で平滑コンデンサC0の放電電流を流せる極性としてある。スイッチング素子Q2のオン時に平滑コンデンサC0が充電されるか放電されるかは、整流器DBの出力電圧と平滑コンデンサC0の両端電圧との大小関係による。部分平滑回路を構成する平滑コンデンサC0とインダクタL1とダイオードD3との直列回路には力率改善用のコンデンサC2が並列接続される。
【0007】
ところで、上述したように、図示するインバータ回路INVは自励動作するから、定常動作時(つまり、放電灯FLが安定に点灯している期間)には制御は不要であるが、予熱期間には放電灯FLが点灯しないように負荷回路Zに電力を供給し、寿命末期時にはインバータ回路INVにストレスがかからないようにインバータ回路INVの出力を低減(動作の停止も含む)するように、定常動作時とは異なる動作が必要になる。そこで、予熱期間の制御を行う予熱回路PHと、寿命末期時の制御を行うエミレス検出回路ELとを設け、予熱回路PHとエミレス検出回路ELとにより、ローサイドのスイッチング素子Q2のオンオフを制御可能としてある。要するに、インバータ回路INVは自励動作するが、定常動作時とは異なる動作が必要なときにのみ、ローサイドのスイッチング素子Q2に対して他制制御を行う構成を採用している。
【0008】
予熱回路PHは、スイッチング素子Q2のゲートにエミッタが接続されるとともにソースにコレクタが接続されたpnp形のトランジスタQ6を備え、このトランジスタQ6のベース・コレクタにはnpn形のトランジスタQ5のコレクタ・エミッタが並設に接続される。また、トランジスタQ6のエミッタ・コレクタには、抵抗R10とダイオードD10と容量が比較的大きい他制用のコンデンサCt1と容量が比較的小さいコンデンサCp1との直列回路が並列に接続され、両コンデンサCt1,Cp1の接続点に抵抗R11を介してトランジスタQ5のベースが接続される。さらに、予熱回路PHは、コンデンサCt1,Cp1の接続点にアノードが接続され抵抗R10とダイオードD10との接続点にカソードが接続されたダイオードD8を有するとともに、コンデンサCp1に並列に接続されカソードがコンデンサCt1,Cp1の接続点に接続されたダイオードD9を有している。
【0009】
エミレス検出回路ELは、負荷回路Zに設けた出力トランスLT1に付設した検出巻線n3の誘起電圧を放電灯FLの両端電圧に比例した電圧として取り出し、ダイオードD14により半波整流した後に抵抗R4,R5の直列回路により分圧するとともにダイオードD11を介してコンデンサC5により平滑し、このコンデンサC5の両端電圧をエミレス状態の判別に用いている。コンデンサC5の両端電圧は、ツェナダイオードZD1と抵抗R7との直列回路に印加され、ツェナダイオードZD1と抵抗R7との接続点にはトランジスタQ4のベースが接続される。このトランジスタQ4はnpn形でありpnp形のトランジスタQ3のベースにコレクタが接続され、トランジスタQ3のコレクタにベースが接続される。また、抵抗R7はトランジスタQ4のエミッタとベースとの間に接続される。トランジスタQ3のエミッタとベースとの間には抵抗R8が接続され、トランジスタQ3,Q4と抵抗R7,R8とからなる回路には、ダイオードD5および抵抗R6の直列回路を介してコンデンサC5の両端電圧が印加される。さらに、トランジスタQ3のエミッタと抵抗R8との接続点には、上述した予熱回路PHのトランジスタQ6のベースにアノードを接続したダイオードD7のカソードが接続されるとともに、ダイオードD6のカソードが接続される。ダイオードD6のアノードは、予熱回路PHにおけるダイオードD10とコンデンサCt1との接続点に抵抗R9を介して接続される。
【0010】
次に、図21に示した回路の動作を説明する。電源が投入されると、起動回路を構成するコンデンサC3に整流器DBから抵抗R3を介して充電電流が流れ、コンデンサC3の電位が上昇してトリガ素子TD1のブレークオーバ電圧に達すると、トリガ素子TD1が導通しコンデンサC3の電荷がトリガ素子TD1を通して抵抗R2および帰還トランスDT1の2次巻線を通して放出されることにより、スイッチング素子Q2のゲート・ソースに電圧が印加されてスイッチング素子Q2がオンになる。
【0011】
ここで、電源投入直後には平滑コンデンサC0は充電されていないから、スイッチング素子Q2がオンになると、整流器DB−コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−整流器DBの経路に電流が流れるとともに、整流器DB−平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−整流器DBの経路に電流が流れる。平滑コンデンサC0およびコンデンサC1が充電されて帰還トランスDT1の1次巻線に流れる電流が減少すると2次巻線に電圧が誘起されなくなりスイッチング素子Q2がオフになる。スイッチング素子Q2がオフになると、負荷回路Zの回生電流が、負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q1のボディダイオード−コンデンサC1−負荷回路Zの経路で流れるとともに、インダクタL1の蓄積エネルギがダイオードD1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q1のボディダイオード−平滑コンデンサC0の経路で放出される。その後、帰還トランスDT1の蓄積エネルギが放出されることにより帰還トランスDT1の2次巻線に逆向きの電圧が誘起され、スイッチング素子Q1がオンになる。
【0012】
スイッチング素子Q1がオンになると、コンデンサC1を電源としてコンデンサC1−スイッチング素子Q1−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Z−コンデンサC1の経路で電流が流れる。コンデンサC1が放電されると帰還トランスDT1の1次巻線に流れる電流が減少し、2次巻線に電圧が誘起されなくなるからスイッチング素子Q1がオフになり、負荷回路Z−コンデンサC1−平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−負荷回路Zの経路と、負荷回路Z−コンデンサC1−コンデンサC2−スイッチング素子Q2のボディダイオード−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Zの経路とに電流が流れる。その後、帰還トランスDT1の蓄積エネルギが放出されることにより帰還トランスDT1の2次巻線に逆向きの電圧が誘起され、スイッチング素子Q2が再びオンになる。このような動作の繰り返しによってスイッチング素子Q1,Q2が交互にオンオフされ、負荷回路Zに交番電流が流れる。このような動作を以下ではインバータ回路INVの発振と呼ぶ。
【0013】
上述の動作から明らかなように、スイッチング素子Q2のオン時に平滑コンデンサC0がインダクタL1を通して充電され、スイッチング素子Q2のオフ時にインダクタL1から放出されるエネルギがスイッチング素子Q1のボディダイオードを通して平滑コンデンサC0が蓄積されるから、この動作は降圧型チョッパ型アクティブフィルタと同様の機能であって、コンデンサC0の両端電圧は整流器DBの出力電圧のピーク電圧よりも十分に低い電圧になる。
【0014】
インバータ回路INVが発振を開始すると、スイッチング素子Q2をオンにするためにスイッチング素子Q2のゲート・ソースに印加される電圧が、抵抗R10とダイオードD10とコンデンサCt1とコンデンサCp1との直列回路である積分回路にも印加され、コンデンサCt1,Cp1が充電される。コンデンサCt1はコンデンサCp1の容量よりも大きいから、コンデンサCt1,Cp1の接続点の電位は比較的短い時間で上昇してトランジスタQ5,Q6がオンになり、スイッチング素子Q2のゲート・ソースを短絡してスイッチング素子Q2をオフにする。したがって、抵抗R10、ダイオードD10、コンデンサCt1,Cp1からなる積分回路の時定数を適宜に設定することによって、スイッチング素子Q2のオン期間を自励動作させる場合よりも短くすることができる。つまり、スイッチング素子Q2のオン期間が短くなることによって、交流電源Vinからインバータ回路INVに供給されるエネルギが少なくなり、またスイッチング素子Q2のオン期間が短くなることによってスイッチング素子Q1,Q2がオンオフする周期が短くなり、負荷回路Zに印加される高周波電圧の周波数が高くなって、負荷回路Zに含まれる共振回路(リーケージインダクタンスとコンデンサC4とからなる)のインピーダンスが大きくなり、結果的に放電灯FLへの供給電力が低減する。つまり、放電灯FLの熱陰極(フィラメント)に予熱電流を流すことができる。
【0015】
コンデンサCt1は電源投入後にインバータ回路INVの発振に伴って徐々に充電され、図22(a)のように両端電圧が上昇するから、積分回路にしだいに電流が流れなくなる。コンデンサCt1の両端電圧が上昇すれば、コンデンサCt1,Cp1の接続点の電位が低下するから、トランジスタQ5のベース電位が低下して、トランジスタQ5,Q6がオフに保たれるようになる。つまり、予熱回路PHの動作によって、スイッチング素子Q2のオン期間は図22(b)のように電源投入から徐々に長くなり、最終的に予熱回路PHのトランジスタQ5,Q6がオフに保たれるようになると、他制制御が停止して定常動作時のオン期間と等しくなる。予熱回路PHによる予熱が終了すれば、インバータ回路INVの発振の周波数は低くなり、負荷回路Zに含まれる共振回路の共振周波数に近付くから、図22(c)のように、放電灯FLに印加される電圧が上昇して放電灯FLが点灯する。
【0016】
ところで、上述の動作では整流器DBの出力電圧がインバータ回路INVの電源になる場合についてのみ説明したが、実際には、交流電源Vinの電圧の絶対値と平滑コンデンサC0の両端電圧とのうち電圧の高いほうがインバータ回路INVの電源になる。交流電源Vinの電圧の絶対値が平滑コンデンサC0の両端電圧よりも高いときは整流器DBの出力電圧のピーク付近に対応するから山部と呼び、逆の関係を谷部と呼ぶ。山部では上述したように整流器DBの出力を電源としてインバータ回路INVが発振するのに対して、谷部では以下のように平滑コンデンサC0を電源として動作する。ここに、山部において整流器DBから平滑コンデンサC0に流れる充電電流のピーク値は整流器DBの出力電圧に比例するから、上述した回路では高力率が得られる。
【0017】
しかして、谷部においては、スイッチング素子Q2がオンになると、平滑コンデンサC0−コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−ダイオードD3−インダクタL1−平滑コンデンサC0の経路に電流が流れる。スイッチング素子Q2がオフになると、負荷回路Zからの回生電流が、負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q1のボディダイオード−コンデンサC1−負荷回路Zの経路もしくは負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q1のボディダイオード−コンデンサC2−整流器DB−コンデンサC1−負荷回路Zの経路に流れる。このような経路を通ることによって、谷部においても交流電源Vinから整流器DBへの入力電流を流すことができ高調波を低減することができる。
【0018】
その後、スイッチング素子Q1がオンになると、コンデンサC1−スイッチング素子Q1−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Z−コンデンサC1の経路で電流が流れる。さらに、スイッチング素子Q1がオフになると、負荷回路Z−コンデンサC1−平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−負荷回路Zの経路と、負荷回路Z−コンデンサC1−コンデンサC2−スイッチング素子Q2のボディダイオード−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Zの経路とに電流が流れる。その後、スイッチング素子Q2が再びオンになるから、上述の動作の繰り返しによってスイッチング素子Q1,Q2が交互にオンオフされ、負荷回路Zに交番電流が流れる。
【0019】
上述のように山部においては交流電源Vinから整流器DBへの入力電流を流すことができ、この入力電流はスイッチング素子Q1,Q2のオンオフに応じて高周波的に流れるから、交流電源Vinと整流器DBとの間にスイッチング素子Q1,Q2のオンオフの周波数を阻止する程度の高周波フィルタを挿入することで、インバータ回路INVから交流電源Vinへの高周波の周り込みを抑制することができ、結果的に交流電源Vinからの入力電流の高調波歪を抑制することができる。しかも、上述のように、平滑コンデンサC0への充電電流のピーク値が整流器DBの出力電圧に比例しているから、充電電流の包絡線は整流器DBの出力電圧に相似することになり高力率を得ることができる。
【0020】
図21に示した回路構成では、電源投入直後に平滑コンデンサC0が充電されていない状態であっても、予熱回路PHによって電源投入直後のスイッチング素子Q2のオン期間を短くしておけば、平滑コンデンサC0への充電電流による突入電流が流れるのを防止することができる。
【0021】
また、平滑コンデンサC0の両端電圧が零付近であると、インダクタL1の蓄積エネルギが大きくなるから、インダクタL1の蓄積エネルギを放出する期間のほうが負荷回路Zの回生電流を流す期間よりも長くなる。ここに、インダクタL1の蓄積エネルギによる電流および負荷回路Zの回生電流は、スイッチング素子Q1のボディダイオードを通過する。仮にスイッチング素子Q1のボディダイオードに電流が流れている期間内でスイッチング素子Q2がオンになるとすれば、スイッチング素子Q1のボディダイオードの逆回復時間にスイッチング素子Q1のボディダイオードとスイッチング素子Q2とに同じ向きの電流が流れ、結果的にスイッチング素子Q1,Q2の直列回路の両端間が導通して過大な電流(いわゆる貫通電流)が流れることになる。しかしながら、図21に示す構成では、インダクタL1の蓄積エネルギを放出する経路内に帰還トランスDT1の1次巻線を挿入しているから、スイッチング素子Q1のボディダイオードに電流が流れている間にスイッチング素子Q2がオンになることがなく、結果的に電源投入直後のように、スイッチング素子Q1のボディダイオードに定常動作時よりも長い期間に亘って電流が流れたとしても、2個のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路に貫通電流が流れるのを防止することができるのである。
【0022】
ところで、負荷回路Zにおいて放電灯FLがエミレス状態になるか放電灯FLが外されたとすると、放電灯FLの定常点灯時よりも出力トランスLT1の2次巻線n2の両端電圧が上昇し、結果的に検出巻線n3の両端電圧も上昇する。つまり、コンデンサC5の両端電圧が上昇するから、ツェナダイオードZD1のブレークオーバ電圧を越えるとツェナダイオードZD1が導通してトランジスタQ4がオンになる。トランジスタQ4がオンになると、コンデンサC5−ダイオードD5−抵抗R6−トランジスタQ3のエミッタ・ベース−トランジスタQ4のコレクタ・エミッタ−コンデンサC5の経路に電流を流すことができ、トランジスタQ3がオンになる。このとき、トランジスタQ3のエミッタ・コレクタとトランジスタQ4のベース・エミッタの経路でも電流が流れ、トランジスタQ3,Q4のオン状態がラッチされる。このラッチ状態はコンデンサC5からオンを維持できる電流が供給される限り継続する。ここに、抵抗R7,R8は保護用に設けられている。
【0023】
上述のようにしてトランジスタQ3,Q4がオンになると、ダイオードD7を介してトランジスタQ3,Q4に接続されたトランジスタQ6がオンになり、結果的にスイッチング素子Q2がオフになって、インバータ回路INVの発振が停止する。またこのとき、抵抗R9およびダイオードD6を通してコンデンサCt1,Cp1の電荷が放電するから、予熱回路PHは電源投入直後と同様の状態にリセットされる。
【0024】
エミレス状態によってトランジスタQ3,Q4がオンになり、インバータ回路INVの発振が停止すると、コンデンサC5に充電電流が流れなくなってコンデンサC5の両端電圧が低下する。こうして、トランジスタQ3,Q4をオン状態に維持することができなくなるまではインバータ回路INVの停止状態が維持される。コンデンサC5の両端電圧が低下してトランジスタQ3,Q4のオン状態が維持できなくなると、起動回路が動作してインバータ回路INVは再起動され、予熱回路PHの動作が開始される。エミレス状態が継続している間には、このような動作が繰り返され、インバータ回路INVは間欠的に発振する。
【0025】
一方、放電灯FLが外された場合には、負荷回路Zに含まれるコンデンサC4も回路から分離されることになり共振回路が機能しないから、インバータ回路INVの発振が一旦停止すると、起動回路が動作してもインバータ回路INVの発振が開始されることはなく、次に放電灯FLが装着されるまではインバータ回路INVの発振は停止することになる。
【0026】
上述のように動作するエミレス検出回路ELを設けたことによって、エミレス状態ではインバータ回路INVが間欠発振し、結果的に放電灯FLは点滅することになるから、使用者に対して放電灯FLが寿命末期であることを報知することができ、しかもエミレス状態での電流が半波で流れることによって生じる回路へのストレスを軽減することができるのである。エミレス状態によるインバータ回路INVの間欠発振の際には、各部の波形は図23のようになる。図23(a)はコンデンサC5の両端電圧を示しており、時刻t0においてエミレス状態になり検出巻線n3からコンデンサC5への充電電流が流れることで、コンデンサC5の両端電圧が上昇してツェナダイオードZD1のブレークオーバ電圧VZD1に達している。このときトランジスタQ3,Q4がオンになって、図23(c)のように、インバータ回路INVの発振が停止するから、コンデンサC5の両端電圧が徐々に低下する。また、トランジスタQ3,Q4がオンになることによって予熱回路PHのコンデンサCt1が放電するから、図23(b)のように、コンデンサCt1の両端電圧はインバータ回路INVの停止期間にはほぼ0Vに保たれる。
【0027】
図23(a)に示すように時刻t1においてコンデンサC5の両端電圧が低下してトランジスタQ3,Q4のオン状態を維持できなくなると、図23(c)のようにインバータ回路INVが起動され、予熱回路PHも起動される。したがって、図23(b)のようにコンデンサCt1の両端電圧が徐々に上昇し、スイッチング素子Q2のオフ期間が短くなって、図23(c)のようにインバータ回路INVの出力も増加する。エミレス状態が継続していれば、図23(a)のようにコンデンサC5の両端電圧が再び上昇するから、インバータ回路INVは再び停止する。このように、インバータ回路INVは発振と停止とを繰り返し、結果的に放電灯FLが点滅することになる。
【0028】
上述した構成では寿命末期時にはインバータ回路INVが間欠的に発振するから、寿命末期となった放電灯FLを取り外して正常な放電灯FLを再装着すれば、放電灯FLを自動的に点灯させることができる。つまり、いわゆる自己復帰型として動作するから、外来ノイズがコンデンサC5やトランジスタQ4のベースに印加されインバータ回路INVが誤動作して停止したとしても、電源を再投入することなくインバータ回路INVの発振が自動的に復帰するという利点を有している。
【0029】
ところで、電源装置としては、図24に示すように、図21に示した電源装置における整流器DBとコンデンサC1との接続点にアノードを接続するとともにスイッチング素子Q1と平滑コンデンサC0との接続点にカソードを接続したダイオードD2と、このダイオードD2に並列に接続した力率改善用のインピーダンス素子としてのコンデンサC6とを付加した構成が知られている。この構成では、電源投入からインバータ回路INVの発振までの動作は図21に示した回路構成とほぼ同様である。
【0030】
通常動作時において、谷部であると、平滑コンデンサC0を電源としてインバータ回路INVが動作する。すなわち、スイッチング素子Q2のオン時に、平滑コンデンサC0−コンデンサC6−コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−ダイオードD3−インダクタL1−平滑コンデンサC0の経路で共振電流が流れ、この間にコンデンサC6が充電される。コンデンサC6が充電されて、整流器DBの出力電圧とコンデンサC6の両端電圧との和が平滑コンデンサC0の両端電圧に達すると、上記経路での共振電流が流れなくなり、整流器DB−コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2−整流器DBの経路で電流が流れる。要するに、スイッチング素子Q2のオン期間に、コンデンサC6を充電する期間と交流電源Vinから整流器DBへの入力電流が流れる期間とが生じる。ここで、整流器DBの出力電圧が高いときほど交流電源Vinから整流器DBへの入力電流が流れる期間の割合が多くなる。
【0031】
スイッチング素子Q2がオフになると、負荷回路Zからの回生電流が、負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q1のボディダイオード−コンデンサC2−整流器DB−コンデンサC1−負荷回路Zの経路で流れる。つまり、この経路を通ることによって、谷部においても交流電源Vinから整流器DBへの入力電流を流していることになる。この電流のピーク値は山部と同様に交流電源Vinの電圧の絶対値にほぼ比例する大きさで流れるから高力率を得ることができる。
【0032】
スイッチング素子Q1がオンになると、コンデンサC1を電源としてコンデンサC1−コンデンサC6−スイッチング素子Q1−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Z−コンデンサC1の経路で共振電流が流れ、その後、コンデンサC6の電荷が減少して零になると、コンデンサC1−ダイオードD2−スイッチング素子Q1−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Z−コンデンサC1の経路で共振電流が流れる。さらに、スイッチング素子Q1がオフになると、負荷回路Zの回生電流が、負荷回路Z−コンデンサC1−ダイオードD2−平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−負荷回路Zの経路で流れることになる。
【0033】
上述した動作を繰り返すことによって、負荷回路Zに高周波電圧が印加され、負荷回路Zに含まれている放電灯FLを高周波で点灯させることができる。図24に示した回路構成では、図21の回路構成にコンデンサC6とダイオードD2との並列回路を付加したことによって、谷部において交流電源Vinから整流器DBに入力電流を流す期間を図21の回路構成よりも長くすることができ、結果的に高調波歪を図21の回路構成よりもさらに低減することが可能になる。しかも、入力電流のピーク値を交流電源Vinの入力電圧の絶対値にほぼ比例するように流すことができるから高力率が得られることになる。
【0034】
なお、図24に示した回路構成における山部の動作は、図21に示した回路と同様である。つまり、スイッチング素子Q2のオン時には、負荷回路Zを通る経路と平滑コンデンサC0およびインダクタL1を通る経路で電流を流し、スイッチング素子Q2がオフになると、インダクタL1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q1のボディダイオード−平滑コンデンサC0−インダクタL1の経路で回生電流が流れる。また、スイッチング素子Q1がオンになれば、コンデンサC1−コンデンサC6−スイッチング素子Q1−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Z−コンデンサC1の経路で共振電流が流れ、コンデンサC6の電荷が減少すればコンデンサC1−ダイオードD2−スイッチング素子Q1−帰還トランスDT1の1次巻線−負荷回路Z−コンデンサC1の経路で共振電流が流れる。さらに、スイッチング素子Q1がオフになれば、負荷回路Z−コンデンサC1−ダイオードD2−平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−負荷回路Zの経路に電流が流れる。
【0035】
電源装置としては図25、図26に示すように、パルス幅設定回路PWを付加した回路構成も知られている。図25は図21の回路にパルス幅設定回路PWを付加したものであり、図26は図24の回路にパルス幅設定回路PWを付加したものである。パルス幅設定回路PWは、予熱回路PHと同様に、スイッチング素子Q2のオン時間を制御するものであって、予熱回路PHにおいてスイッチング素子Q2のゲート電位を制御するトランジスタQ6のベース・コレクタにコレクタ・エミッタを接続したnpn形のトランジスタQ7を備える。パルス幅設定回路PHは、制御用電源Vccの両端間に接続された抵抗R13とコンデンサC8との直列回路を備え、トランジスタQ7のベースは抵抗R12を介して抵抗R13とコンデンサC8との接続点に接続される。また、コンデンサC8にはトランジスタQ8のコレクタ・エミッタが並列に接続される。ところで、スイッチング素子Q2には2本の抵抗R14,R15の直列回路が直流インピーダンス素子として並列接続され、両抵抗R14,R15の接続点にトランジスタQ8のベースが接続される。また、トランジスタQ8のベース・エミッタにはコンデンサC7が並列接続されている。
【0036】
パルス幅設定回路PWでは、スイッチング素子Q2のオンオフに応じてコンデンサC7の両端電圧が変化するから、スイッチング素子Q2のオンオフに応じてトランジスタQ8がオンオフされる。トランジスタQ8がオンになればコンデンサC8は放電され、トランジスタQ8がオフになれば制御用電源Vccから抵抗R13を介してコンデンサC8が充電される。
【0037】
すなわち、スイッチング素子Q2がオンになると、トランジスタQ8がオフになってコンデンサC8が充電され、抵抗R13とコンデンサC8とにより決まる所定時間の経過後にトランジスタQ7がオンになって、トランジスタQ6をオンにし、結果的にスイッチング素子Q2をオフにする。このように、スイッチング素子Q2のオン期間が抵抗R13とコンデンサC8とからなる積分回路の時定数によって決まることになる。スイッチング素子Q2がオフになれば、トランジスタQ7がオンになるからコンデンサC8が放電され、次にスイッチング素子Q2がオンになるときに備える。このように、パルス幅設定回路PWは、スイッチング素子Q2のオン期間を決定することになる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図21、図24、図25、図26に示した各電源装置は、いずれもエミレス状態や放電灯FLが外れたときには負荷回路Zの状態が急激に変動して、電力の供給が電力の消費に対して過剰になり、平滑コンデンサC0の両端電圧が上昇した状態でインバータ回路INVの発振が停止することになる。エミレス状態のように、インバータ回路INVが停止した後に再起動すれば、コンデンサC3からスイッチング素子Q2のゲートに起動電圧が印加され、コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1−スイッチング素子Q2を通る経路で共振電流を流すことができるが、平滑コンデンサC0の両端電圧が高いものであるから、平滑コンデンサC0−インダクタL1−ダイオードD1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路には十分な電流を流すことができず(流れない場合もある)、帰還トランスDT1においてスイッチング素子Q1,Q2を駆動するに足る2次出力を得られないことがある。その結果、エミレス状態が検出された後に、放電灯FLを自動的に再点灯させることができない場合が生じる。
【0039】
しかも、エミレス状態や放電灯FLが外れてインバータ回路INVの発振を停止させたときに予熱回路PHのコンデンサCt1を放電させるから、予熱回路PHがスイッチング素子Q2のオン期間を短くしており、帰還トランスDT1の1次巻線に流れる電流が一層弱まることになる。したがって、インバータ回路INVの間欠発振時において、インバータ回路INVが停止状態から発振状態に移行する際に起動回路が動作しているにもかかわらずインバータ回路INVを起動できない場合がある。
【0040】
とくに、図25、図26に示す電源装置では、エミレス状態や放電灯FLが外れることによりエミレス検出回路ELが動作してスイッチング素子Q2がオフになったとすると、整流器DBの直流出力端間には、直流的にインピーダンスが無限大であるコンデンサC1と、直流的にインピーダンスが零である負荷回路Zと帰還トランスDT1との直列回路とのほかに、抵抗R14,R15の直列回路が挿入されるから、コンデンサC1に通常の動作時よりも高い電圧が印加された状態でインバータ回路INVの動作が停止することになる。このようにコンデンサC1の両端電圧が高いと、再起動してスイッチング素子Q2がオンになったときに、コンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路に流れる電流が小さくなり、また上述のように再起動時には平滑コンデンサC0−インダクタL1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路に流れる電流も小さいから、結局、インバータ回路INVを起動できない場合がより多くなる。要するに、スイッチング素子Q2に抵抗R14,R15の直列回路が並列に接続されていることが再起動を困難にする原因になっている。
【0041】
さらに、図26に示す電源装置では、上述のような問題に加えて、インバータ回路INVの共振電流の一部に入力電流を取り込むように動作するから、エミレス状態や放電灯FLが外れた場合のような軽負荷時であって出力電力に対して入力電力が過剰になると、図25に示した回路構成よりも平滑コンデンサC0やコンデンサC1の両端電圧が上昇しやすく、とくにエミレス回路動作時におけるコンデンサC1の両端電圧の上昇が大きいから、図25の回路構成よりもさらに再起動が困難になる。
【0042】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、負荷の異常状態が解除されるとインバータ回路を容易に通常動作状態に復帰させることができる電源装置を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の出力端に接続され負荷回路に出力電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路の出力電力を制限する機能を有した他制回路と、負荷回路の異常を検出するとインバータ回路の動作を一旦停止させるように他制回路を制御した後に通常動作時の出力電力に復帰させるように他制回路を制御する異常検出回路とを備え、負荷回路が、出力トランスを含み、インバータ回路が、整流器の出力端間に接続され交互にオンオフされる2個のスイッチング素子の直列回路と、出力電力の一部を帰還することによりスイッチング素子を交互にオンオフさせる帰還トランスと、出力トランスの1次巻線および帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の直流出力端の一方と両スイッチング素子の接続点との間に接続された直流カット用のコンデンサと、一方のスイッチング素子とインダクタンス素子と帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の出力端間に接続され整流器の出力電圧を部分平滑する平滑コンデンサと、前記一方のスイッチング素子に並列接続された直流インピーダンス素子と、直流カット用のコンデンサに並列接続され直流インピーダンス素子とともに分圧回路を形成する分圧用インピーダンス素子とを備えるものである。
【0044】
請求項2の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の出力端に接続され負荷回路に出力電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路の出力電力を制限する機能を有した他制回路と、負荷回路の異常を検出するとインバータ回路の動作を一旦停止させるように他制回路を制御した後に通常動作時の出力電力に復帰させるように他制回路を制御する異常検出回路とを備え、負荷回路が、出力トランスを含み、インバータ回路が、整流器の出力端間に接続され交互にオンオフされる2個のスイッチング素子の直列回路と、出力電力の一部を帰還することによりスイッチング素子を交互にオンオフさせる帰還トランスと、出力トランスの1次巻線および帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の直流出力端の一方と両スイッチング素子の接続点との間に接続された直流カット用のコンデンサと、一方のスイッチング素子とインダクタンス素子と帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の出力端間に接続され整流器の出力電圧を部分平滑する平滑コンデンサと、出力トランスの1次巻線と帰還トランスの1次巻線と直流カット用のコンデンサとの直列回路における整流器側の一端と両スイッチング素子の直列回路との間に整流器から平滑コンデンサへの充電電流を流す極性で挿入されたダイオードと、ダイオードに並列接続された力率改善用のインピーダンス素子と、前記一方のスイッチング素子に並列接続された直流インピーダンス素子と、直流カット用のコンデンサに並列接続され直流インピーダンス素子とともに分圧回路を形成する分圧用インピーダンス素子とを備えるものである。
【0045】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インダクタンス素子がインダクタであることを特徴とする。
【0046】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インダクタンス素子が前記負荷回路に含まれるインダクタンス成分であることを特徴とする。
【0059】
【発明の実施の形態】
(第1の参考例
参考例は、図1に示すように、基本的には図21に示した構成と同様のものであって、平滑コンデンサC0とインダクタL1との直列回路に放電用インピーダンス素子としての放電抵抗Rdを並列接続した点のみが相違する。放電抵抗Rdは通常の動作には影響しない程度の抵抗値に設定され、またエミレス検出回路ELによってスイッチング素子Q2がオフに保たれている間に平滑コンデンサC0の放電できる程度の抵抗値に設定されている。他の構成および動作は図21に示した従来構成と同様である。
【0060】
しかして、本参考例の構成によれば、エミレス検出回路ELによりエミレス状態や放電灯FLの外れ状態が検出されてスイッチング素子Q2がオフになると、コンデンサC5が放電されてスイッチング素子Q2が再び起動されるまでの間に平滑コンデンサC0の電荷が放電抵抗Rdを通して放電されることになる。したがって、コンデンサC5が放電され、かつ予熱回路PHに設けたコンデンサCt1,Cp1が放電された状態で、起動回路によりスイッチング素子Q2が再起動される時点では、平滑コンデンサC0の両端電圧が低下しており、電源投入直後と同様に、平滑コンデンサC0−インダクタL−ダイオードD1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路で、インバータ回路INVを発振させるのに十分な大きさの電流を流すことができる。つまり、インバータ回路INVの再起動が容易になるのである。ここに、放電抵抗Rdの抵抗値とコンデンサC5の放電時間との関係を適宜に選択すれば、再起動時に平滑コンデンサC0の電荷をほぼ零にすることができ、この場合には電源投入時と同程度の大きな電流を帰還トランスDT1の1次巻線に流すことが可能になる。しかも、従来構成に放電抵抗Rdを追加するだけであるから、インバータ回路INVの再起動における起動性能を高める構成を安価に実現することができる。
【0061】
エミレス検出回路ELにおいてエミレス状態が検出されインバータ回路INVが間欠発振を行う際には、各部の波形は図2のようになる。図2(a)はコンデンサC5の両端電圧を示しており、時刻t0においてエミレス状態になり検出巻線n3からコンデンサC5への充電電流が流れることで、コンデンサC5の両端電圧が上昇してツェナダイオードZD1のブレークオーバ電圧VZD1に達している。このときトランジスタQ3,Q4がオンになって、図2(c)のように、インバータ回路INVの発振が停止するから、コンデンサC5の両端電圧が徐々に低下する。また、トランジスタQ3,Q4がオンになることによって予熱回路PHのコンデンサCt1が放電するから、図2(b)のように、コンデンサCt1の両端電圧はインバータ回路INVの停止期間にはほぼ0Vに保たれる。こうしてインバータ回路INVの発振が停止すると、上述したように放電抵抗Rdを通して平滑コンデンサC0が放電されるのであって、図2(d)のように平滑コンデンサC0の両端電圧が徐々に低下する。
【0062】
平滑コンデンサC0の両端電圧が零に近くなる時刻t1においてコンデンサC5の両端電圧が低下してトランジスタQ3,Q4のオン状態を維持できなくなると、図2(c)のようにインバータ回路INVが起動され、図2(d)のように平滑コンデンサC0の両端電圧が上昇するとともに予熱回路PHが起動される。したがって、図2(b)のようにコンデンサCt1の両端電圧が徐々に上昇し、スイッチング素子Q2のオフ期間が短くなって、図2(c)のようにインバータ回路INVの出力も増加する。エミレス状態が継続していれば、図2(a)のようにコンデンサC5の両端電圧が再び上昇するから、インバータ回路INVは再び停止する。このように、インバータ回路INVは発振と停止とを繰り返し、結果的に放電灯FLが点滅する。
【0063】
(第2の参考例
参考例は、図3に示すように、図1に示した第1の参考例の構成に対して整流器DBとコンデンサC1との接続点にアノードを接続するとともにスイッチング素子Q1と平滑コンデンサC0との接続点にカソードを接続したダイオードD2を付加するとともに、ダイオードD2に並列接続したコンデンサC6を付加したものである。言い換えると、図24に示した従来構成において、平滑コンデンサC0とインダクタL1との直列回路に放電抵抗Rdを並列接続した構成を有する。放電抵抗Rdの抵抗値は第1の参考例と同様の基準で設定されるものであり、通常の動作には影響を与えず、かつエミレス検出回路ELによりスイッチング素子Q2がオフに保たれている間に平滑コンデンサC0を放電して、再起動時には平滑コンデンサC0を通して帰還トランスDT1の1次巻線に流れる電流がインバータ回路INVを発振させるのに十分な程度となるように設定されるのである。他の構成および動作は図24に示した従来構成と同様である。
【0064】
放電抵抗Rdを設けたことによる効果は第1の参考例と同様であって、エミレス検出回路ELが動作してインバータ回路INVが停止した後に、インバータ回路INVを再起動する際には平滑コンデンサC0の両端電圧が低下しており、電源投入直後と同様に、平滑コンデンサC0−インダクタL−ダイオードD1−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路で、インバータ回路INVを発振させるのに十分な大きさの電流を流すことができる。つまり、インバータ回路INVの再起動が容易になるのである。ここに、放電抵抗Rdの抵抗値とコンデンサC5の放電時間との関係を適宜に選択すれば、再起動時に平滑コンデンサC0の電荷をほぼ零にすることができ、この場合には電源投入時と同程度の大きな電流を帰還トランスDT1の1次巻線に流すことが可能になる。しかも、従来構成に放電抵抗Rdを追加するだけであるから、インバータ回路INVの再起動における起動性能を高める構成を安価に実現することができる。
【0065】
(第3の参考例
参考例は、図4に示すように、第2の参考例とは部分平滑回路を構成するダイオードD1のカソードの接続位置を変更したものである。すなわち、第2の参考例では、ダイオードD1のカソードを負荷回路Zと帰還トランスDT1の1次巻線との接続点に接続していたのに対して、本参考例では、ダイオードD1のカソードを負荷回路ZとコンデンサC1との接続点に接続してある。また、第2の参考例では部分平滑回路にインダクタL1を設けていたのに対して、本参考例ではインダクタL1を省略し、放電抵抗Rdは平滑コンデンサC0に並列接続してある。要するに、部分平滑回路を構成するインダクタL1に代えて、負荷回路Zに設けた出力トランスLT1や帰還トランスDT1のインダクタンスをインダクタンス素子として用いているのである。このような構成を採用することによって、インダクタL1を削減することができ、放電抵抗Rdの追加に対してインダクタL1を削減し、結果的に部品点数の増減をなくすことができる。他の構成および動作は第2の参考例と同様である。
【0066】
第1の実施の形態)
本実施形態は、図5に示すように、図25に示した従来構成に対してコンデンサC1に分圧用インピーダンス素子としての分圧抵抗Rsを並列接続した点のみが相違するものである。分圧抵抗Rsは通常の動作には影響しない程度の抵抗値に設定され、またエミレス検出回路ELによってスイッチング素子Q2がオフに保たれている間に抵抗R14,R15とともにインバータ回路INVに印加される電圧を分圧し、コンデンサC1の両端電圧が通常動作時よりも上昇するのを防止する程度の抵抗値に設定される。他の構成および動作は図25に示した従来構成と同様である。
【0067】
本実施形態の構成によれば、エミレス検出回路ELによりエミレス状態や放電灯FLの外れ状態が検出されてスイッチング素子Q2がオフになると、コンデンサC5が放電されてスイッチング素子Q2が再び起動されるまでの間には、コンデンサC1の両端電圧は、インバータ回路INVへの電源電圧を分圧抵抗Rsと抵抗R14,R15とにより分圧した電圧になる。ここに、負荷回路Zや帰還トランスDT1の1次巻線の直流抵抗は抵抗R14,R15や分圧抵抗Rsに比較して十分に小さいものとしている。コンデンサC1の両端電圧は分圧抵抗Rsの両端電圧であるから、分圧抵抗Rsを抵抗R14,R15の大きさに応じて適宜に設定することによって、コンデンサC1の両端電圧が過大になるのを防止することができる。
【0068】
要するに本実施形態の構成によれば、インバータ回路INVの発振が停止している期間におけるコンデンサC1の両端電圧の上昇を抑制することができるから、コンデンサC5が放電され、かつ予熱回路PHに設けたコンデンサCt1,Cp1が放電された状態で、起動回路によりスイッチング素子Q2が再起動される時点では、電源からコンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路でインバータ回路INVを発振させるのに十分な電流を流すことができる。つまり、インバータ回路INVの再起動が容易になる。ここに、従来構成に対して分圧抵抗Rsを追加するだけであるから、インバータ回路INVの再起動における起動性能を高める構成を安価に実現することができる。また、本実施形態ではコンデンサC1を放電させる必要はなく、分圧抵抗RsはコンデンサC1の両端電圧の上昇を抑制しているだけであり、コンデンサC1の放電電流を流す必要がないから、分圧抵抗Rsには定格電力の小さい抵抗器を用いることができ、第1ないし第3の参考例に用いる放電抵抗Rdよりも分圧抵抗Rsには安価な抵抗器を用いることができる。
【0069】
第2の実施の形態)
本実施形態は、図6に示すように、図26に示した従来構成に対してコンデンサC1に分圧抵抗Rsを並列接続した点、整流器DBの交流入力端にインダクタLfを接続するとともに整流器DBの直流出力端間にコンデンサCfを接続し、さらに整流器DBの一方(正極)の直流出力端とダイオードD2との間にダイオードD11を挿入した点が相違する。つまり、第1の実施の形態に対して、コンデンサCf、インダクタLf、ダイオードD11を付加するとともに、ダイオードD11とコンデンサC1との接続点にアノードを接続しスイッチング素子Q1と平滑コンデンサC0との接続点にカソードを接続したダイオードD2を付加し、さらにダイオードD2にコンデンサC6を並列接続した構成を有している。
【0070】
コンデンサCfとインダクタLfとはフィルタ回路を構成し、このフィルタ回路によって交流電源Vinから整流器DBへの入力電流から高周波成分を除去する。言い換えると、フィルタ回路によってインバータ回路INVから交流電源Vinへの高周波電流の漏洩を防止する。また、ダイオードD11はフィルタ回路用のコンデンサCfがインバータ回路INVの共振動作に影響しないように分離させるために設けてある。
【0071】
基本的な動作は図26に示した従来構成と同様であって、分圧抵抗Rsの機能は第1の実施の形態と同様である。すなわち、分圧抵抗Rsは通常の動作には影響しない程度の抵抗値に設定され、またエミレス検出回路ELによってスイッチング素子Q2がオフに保たれている間に抵抗R14,R15とともにインバータ回路INVに印加される電圧を分圧し、コンデンサC1の両端電圧が通常動作時よりも上昇するのを防止する程度の抵抗値に設定される。
【0072】
分圧抵抗Rsを設けたことによる効果は第1の実施の形態と同様であって、エミレス検出回路ELによりエミレス状態や放電灯FLの外れ状態が検出されてスイッチング素子Q2がオフになると、コンデンサC5が放電されてスイッチング素子Q2が再び起動されるまでの間には、コンデンサC1の両端電圧は、インバータ回路INVへの電源電圧を分圧抵抗Rsと抵抗R14,R15とにより分圧した電圧になり、分圧抵抗Rsを抵抗R14,R15の大きさに応じて適宜に設定することによって、コンデンサC1の両端電圧が過大になるのを防止することができる。
【0073】
このように、インバータ回路INVの発振が停止している期間におけるコンデンサC1の両端電圧の上昇を抑制することができるから、コンデンサC5が放電され、かつ予熱回路PHに設けたコンデンサCt1,Cp1が放電された状態で、起動回路によりスイッチング素子Q2が再起動される時点では、電源からコンデンサC1−負荷回路Z−帰還トランスDT1の1次巻線−スイッチング素子Q2の経路でインバータ回路INVを発振させるのに十分な電流を流すことができる。つまり、インバータ回路INVの再起動が容易になる。
【0074】
第3の実施の形態)
本実施形態は、図7に示すように、図6に示した第2の実施の形態に対して分圧抵抗RsとコンデンサC1との接続関係を変更したものである。すなわち、第2の実施の形態では、分圧抵抗RsをコンデンサC1に並列接続していたのに対して、本実施形態では分圧抵抗RsをダイオードD11とコンデンサC1との直列回路に並列接続している。この構成では、コンデンサC1と分圧抵抗Rsとの間にダイオードD11が挿入され、ダイオードD11の極性はコンデンサC1の電荷が分圧抵抗Rsを通して放電するのを阻止する向きになっている。その結果、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止している間に、コンデンサC1の電荷が抵抗Rsを通して放電するのを確実に防止して抵抗Rsによる損失を第2の実施の形態よりも低減することができる。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0075】
第4の実施の形態)
本実施形態は、図8に示すように、図6に示した第2の実施の形態に対して分圧抵抗RsとコンデンサC1との接続関係を変更したものである。すなわち、第2の実施の形態では、分圧抵抗RsをコンデンサC1に並列接続していたのに対して、本実施形態では分圧抵抗RsをダイオードD2とコンデンサC1との直列回路に並列接続している。この構成では、コンデンサC1と分圧抵抗Rsとの間にダイオードD2が挿入されているが、第2の実施の形態と同様に、分圧抵抗Rsの抵抗値を適宜に設定すれば、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止している間にコンデンサC1の両端電圧が通常動作時よりも高くなるのを防止することができる。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0076】
第5の実施の形態)
本実施形態は、図9に示すように、図6に示した第2の実施の形態に対して分圧抵抗Rsの接続位置を変更したものである。すなわち、第2の実施の形態では、分圧抵抗RsをコンデンサC1に並列接続していたのに対して、本実施形態では分圧抵抗Rsをスイッチング素子Q1に並列接続している。エミレス検出回路ELが動作してスイッチング素子Q2がオフになったときには、負荷回路Zおよび帰還トランスDT1の1次巻線による直流インピーダンスはほぼ零とみなしてよいから、スイッチング素子Q1に分圧抵抗Rsを並列接続した状態と、コンデンサC1に分圧抵抗Rsを並列接続した状態とはほぼ等価になる。その結果、本実施形態においても、第2の実施の形態と同様に、分圧抵抗Rsの抵抗値を適宜に設定すれば、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止している間にコンデンサC1の両端電圧が通常動作時よりも高くなるのを防止することができる。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0077】
第6の実施の形態)
本実施形態は、図10に示すように、図6に示した第2の実施の形態に対してダイオードD1のカソードの接続位置を変更したものである。すなわち、ダイオードD1のカソードを、第2の実施の形態では負荷回路Zと帰還トランスDT1の1次巻線との接続点に接続していたのに対して、本実施形態ではコンデンサC1と負荷回路Zとの接続点に接続してある。また、本実施形態では平滑コンデンサC0に直列接続してあったインダクタL1を省略してある。この構成は第1の参考例に対する第3の参考例の変更点と同様の変更であって、インダクタL1に代えて、負荷回路Zに設けた出力トランスLT1や帰還トランスDT1のインダクタンスを用いている。本実施形態の構成を採用することによって、インダクタL1を削減することができ、第2の実施の形態よりも部品点数を低減することができる。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0078】
第7の実施の形態)
本実施形態は、図11に示すように、図10に示した第6の実施の形態に対して分圧抵抗RsとコンデンサC1との接続関係を変更したものである。すなわち、第6の実施の形態では、分圧抵抗RsをコンデンサC1に並列接続していたのに対して、本実施形態では分圧抵抗RsをダイオードD11とコンデンサC1との直列回路に並列接続している。換言すれば、本実施形態と第6の実施の形態との関係は、第3の実施の形態と第2の実施の形態との関係と同様である。
【0079】
したがって、本実施形態の構成では、コンデンサC1と分圧抵抗Rsとの間にダイオードD11が挿入され、ダイオードD11の極性はコンデンサC1の電荷が分圧抵抗Rsを通して放電するのを阻止する向きになる結果、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止している間に、コンデンサC1の電荷が抵抗Rsを通して放電するのを確実に防止して抵抗Rsによる損失を第6の実施の形態よりも低減することができる。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0080】
第8の実施の形態)
本実施形態は、図12に示すように、図10に示した第6の実施の形態に対して分圧抵抗RsとコンデンサC1との接続関係を変更したものである。すなわち、第6の実施の形態では、分圧抵抗RsをコンデンサC1に並列接続していたのに対して、本実施形態では分圧抵抗RsをダイオードD2とコンデンサC1との直列回路に並列接続している。換言すれば、本実施形態と第6の実施の形態との関係は、第4の実施の形態と第2の実施の形態との関係と同様である。
【0081】
したがって、本実施形態の構成では、第6の実施の形態と同様に、分圧抵抗Rsの抵抗値を適宜に設定すれば、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止している間にコンデンサC1の両端電圧が通常動作時よりも高くなるのを防止することができる。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0082】
第9の実施の形態)
本実施形態は、図13に示すように、図10に示した第6の実施の形態に対して分圧抵抗Rsの接続位置を変更したものである。すなわち、第6の実施の形態では、分圧抵抗RsをコンデンサC1に並列接続していたのに対して、本実施形態では分圧抵抗Rsをスイッチング素子Q1に並列接続している。換言すれば、本実施形態と第6の実施の形態との関係は、第5の実施の形態と第2の実施の形態との関係と同様である。
【0083】
本実施形態の構成によれば、エミレス検出回路ELが動作してスイッチング素子Q2がオフになったときには、負荷回路Zおよび帰還トランスDT1の1次巻線による直流インピーダンスはほぼ零とみなしてよいから、スイッチング素子Q1に分圧抵抗Rsを並列接続した状態と、コンデンサC1に分圧抵抗Rsを並列接続した状態とはほぼ等価になる。その結果、本実施形態においても、第6の実施の形態と同様に、分圧抵抗Rsの抵抗値を適宜に設定すれば、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止している間にコンデンサC1の両端電圧が通常動作時よりも高くなるのを防止することができる。他の構成および動作は第6の実施の形態と同様である。
【0084】
第4の参考例
参考例は、図25に示した従来構成において、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVが一旦停止した後の再起動時に予熱回路PHが予熱動作を最初から行うのではなく、予熱動作を途中から行うようにすることによって、帰還トランスDT1の1次巻線に流れる電流不足による再起動の困難性を解消しようとするものである。つまり、インバータ回路INVが間欠発振を行っているときには、熱陰極(フィラメント)の温度は比較的高く、予熱動作を最初から行う必要はないと考えられる。そこで、本参考例では、インバータ回路INVの発振開始時におけるスイッチング素子Q2のオン期間を再起動時には電源投入時よりも長くし、帰還トランスDT1の1次巻線に十分な電流を流すことによって再起動を容易にしている。
【0085】
図25に示した従来構成では、エミレス検出回路ELの動作時に、エミレス検出回路ELにおけるコンデンサC5が放電されてインバータ回路INVが再起動されるまでの間に、予熱回路PHのコンデンサCt1の電荷を完全に放電させるように抵抗R9を設定していたのに対して、本参考例では抵抗R9の抵抗値を従来構成よりも大きくすることによって上述の動作を実現している。すなわち、抵抗R9を従来構成よりも大きく設定することによりコンデンサC5の電荷が放電されてエミレス検出回路ELによるインバータ回路INVの停止状態が解除されても、コンデンサCt1には電荷が残るようにしている。要するに、本参考例の構成は図25に示した回路と同等の回路であって、図1に示した第1の参考例から放電抵抗Rdを削除した構成もしくは図5に示した第1の実施の形態から分圧抵抗Rsを削除した構成と同等の回路である。この構成によれば、インバータ回路INVが再起動するときにはコンデンサCt1の電荷が残っているから、スイッチング素子Q2のオン期間のうち予熱回路PHによって強制的に短縮される期間が少なくなり、結果的にインバータ回路INVの再起動時におけるスイッチング素子Q2のオン期間を電源投入時よりも長くすることができる。
【0086】
参考例の動作は図14のようになる。図14(a)はコンデンサC5の両端電圧を示しており、時刻t0においてエミレス状態になり検出巻線n3からコンデンサC5への充電電流が流れることで、コンデンサC5の両端電圧が上昇してツェナダイオードZD1のブレークオーバ電圧VZD1に達している。このときトランジスタQ3,Q4がオンになって、図14(c)のように、インバータ回路INVの発振が停止するから、コンデンサC5の両端電圧が徐々に低下する。ここで、トランジスタQ3,Q4がオンになることによって予熱回路PHのコンデンサCt1は抵抗R9を通して放電するが、図14(b)のように、コンデンサCt1の両端電圧はインバータ回路INVの停止期間においては0Vにならないようにしてある。
【0087】
図14(a)に示すように時刻t1においてコンデンサC5の両端電圧が低下してトランジスタQ3,Q4のオン状態を維持できなくなると、図14(c)のようにインバータ回路INVが起動され、予熱回路PHも起動される。この時点では図14(b)のようにコンデンサCt1の両端電圧は0Vではないからスイッチング素子Q2のオフ期間は比較的短く、図14(c)のようにインバータ回路INVの出力は比較的大きい状態から再起動されることになる。エミレス状態が継続していれば、図14(a)のようにコンデンサC5の両端電圧が再び上昇するから、インバータ回路INVは再び停止する。このように、インバータ回路INVは発振と停止とを繰り返し、結果的に放電灯FLが点滅することになる。
【0088】
参考例の動作を示す図14と従来構成の動作を示す図23とを比較すればわかるように、本参考例ではコンデンサC5が放電されてインバータ回路INVが再起動する時刻t1において、コンデンサCt1には電荷が十分に残されており、結果的に再起動時には帰還トランスDT1に十分に大きい電流を流すことが可能になっている。その結果、従来構成に比較して再起動が容易になるのである。他の構成および動作は図25に示した従来構成と同様である。
【0089】
第5の参考例
参考例は、図15に示すように、第4の参考例の構成に対して、整流器DBの交流入力端にインダクタLfを接続するとともに整流器DBの直流出力端間にコンデンサCfを接続し、整流器DBの一方(正極)の直流出力端とダイオードD2との間にダイオードD11を挿入し、さらにダイオードD11とコンデンサC1との接続点にアノードを接続しスイッチング素子Q1と平滑コンデンサC0との接続点にカソードを接続したダイオードD2を付加し、加えてダイオードD2にコンデンサC6を並列接続した構成を有している。コンデンサCfとインダクタLfとはフィルタ回路を構成し、このフィルタ回路によって交流電源Vinから整流器DBへの入力電流から高周波成分を除去する。言い換えると、フィルタ回路によってインバータ回路INVから交流電源Vinへの高周波電流の漏洩を防止する。また、ダイオードD11はフィルタ回路用のコンデンサCfがインバータ回路INVの共振動作に影響しないように分離させるために設けてある。本参考例の構成と第4の参考例との関係は、図5に示した第1の実施の形態と図6に示した第2の実施の形態との関係と同様である。また、ダイオードD2とコンデンサC6とによる動作は、図24に示した従来構成と同様である。
【0090】
参考例においても第4の参考例と同様に、エミレス検出回路ELの動作によってインバータ回路INVの発振が停止した後にコンデンサC5が放電してインバータ回路INVが再起動する際に、コンデンサCt1の電荷が完全に放電してしまわないように抵抗R9を設定しているのであって、第4の参考例と同様の動作によって再起動が容易になる。他の構成および動作は第4の参考例と同様である。
【0091】
第6の参考例
参考例は、図16に示すように、図15に示した第5の参考例に対してダイオードD1のカソードの接続位置を変更したものである。すなわち、ダイオードD1のカソードを、第5の参考例では負荷回路Zと帰還トランスDT1の1次巻線との接続点に接続していたのに対して、本参考例ではコンデンサC1と負荷回路Zとの接続点に接続してある。また、本参考例では平滑コンデンサC0に直列接続してあったインダクタL1を省略してある。この構成は第1の参考例に対する第3の参考例の変更点と同様の変更であって、インダクタL1に代えて、負荷回路Zに設けた出力トランスLT1や帰還トランスDT1のインダクタンスを用いている。本参考例の構成を採用することによって、インダクタL1を削減することができ、第5の参考例よりも部品点数を低減することができる。他の構成および動作は第5の参考例と同様である。
【0092】
第7の参考例
上述した各参考例では、エミレス検出回路ELの動作時にインバータ回路INVの発振を一旦停止させた後に再起動させることによってインバータ回路INVが間欠発振動作となるように制御していたが、本参考例はエミレス検出回路ELの動作時にインバータ回路INVの発振を停止させるのではなく、インバータ回路INVの出力を低下させるようにしたものである。したがって、エミレス検出回路ELの動作時にインバータ回路INVは通常出力と低出力とを交互に繰り返すことになる。
【0093】
具体的には、本参考例は、図17に示すように、図25に示した従来構成において、予熱回路PHのコンデンサCt1に、pnp形のトランジスタQ10のコレクタ・エミッタと抵抗R16との直列回路を並列接続し、トランジスタQ10のベースに抵抗R9の一端を接続し、さらにダイオードD7を削除した構成としてある。つまり、図25に示した従来構成では抵抗R9の一端をコンデンサCt1の一端に直截に接続していたのに対して、本参考例では抵抗R9の一端をトランジスタQ10のベース・エミッタと抵抗R16とを介してコンデンサCt1の一端に接続しているのである。
【0094】
この構成によれば、ダイオードD7を設けていないからエミレス検出回路ELの動作時に予熱回路PHのトランジスタQ6がオンになることはなく、インバータ回路INVは停止することがない。また、エミレス検出回路ELが動作することによってトランジスタQ10がオンになったときに、コンデンサCt1の両端電圧は抵抗R16を含む分圧回路(抵抗R16のほか抵抗R7〜R9を含む)で決まる電圧に低下し、コンデンサCt1の両端電圧は0Vにはならない。つまり、エミレス検出回路ELの動作時にはスイッチング素子Q2のオン期間は、通常動作時よりは短くなるが電源投入直後よりは長くなる。このように、エミレス検出回路ELの動作時には、インバータ回路INVは通常動作時よりも出力を低下させて動作を継続することになる。また、エミレス検出回路ELのコンデンサC5が放電してトランジスタQ3,Q4がオフになると、トランジスタQ10もオフになり、コンデンサCt1の両端電圧が上昇して通常動作に移行する。
【0095】
参考例の動作は図18のようになる。図18(a)はコンデンサC5の両端電圧を示しており、時刻t0においてエミレス状態になり検出巻線n3からコンデンサC5への充電電流が流れることで、コンデンサC5の両端電圧が上昇してツェナダイオードZD1のブレークオーバ電圧VZD1に達している。このときトランジスタQ3,Q4がオンになって、図18(c)のように、インバータ回路INVは発振を継続するものの通常動作時よりも低出力になる。こうしてコンデンサC5の両端電圧が徐々に低下する。ここで、トランジスタQ3,Q4がオンになることによって予熱回路PHのコンデンサCt1の両端電圧は図18(b)のように抵抗R16を含む分圧回路で決まる電圧まで低下する。
【0096】
図18(a)に示すように時刻t1においてコンデンサC5の両端電圧が低下してトランジスタQ3,Q4のオン状態を維持できなくなると、図18(c)のようにインバータ回路INVの出力が再び増大する。この時点において図18(b)のようにコンデンサCt1の両端電圧は0Vではないからスイッチング素子Q2のオフ期間は比較的短く、図18(c)のようにインバータ回路INVの出力は比較的大きい状態から増加することになる。エミレス状態が継続していれば、図18(a)のようにコンデンサC5の両端電圧が再び上昇するから、インバータ回路INVは再び低出力になる。このように、インバータ回路INVは通常動作と低出力動作とを交互に繰り返し、負荷回路Zへの供給電力を変化させることになる。つまり、負荷回路Zに含まれる放電灯FLの明るさを変化させることによりエミレスを報知できるようになっている。
【0097】
参考例の動作を示す図18と従来構成の動作を示す図23とを比較すればわかるように、本参考例ではエミレス検出回路ELが動作する時刻t0においてインバータ回路INVの発振は停止することがなく、またコンデンサC5が放電された時刻t1において、コンデンサCt1には電荷が残されており、帰還トランスDT1に十分に大きい電流を流すことが可能になっている。その結果、従来構成に比較して再起動の問題が生じることがなく、またエミレス状態においては出力を低減させることで回路ストレスを低減することが可能になっている。
【0098】
第8の参考例
参考例は、図19に示すように、図17に示した第7の参考例の構成に対して、整流器DBの交流入力端にインダクタLfを接続するとともに整流器DBの直流出力端間にコンデンサCfを接続し、整流器DBの一方(正極)の直流出力端とダイオードD2との間にダイオードD11を挿入し、さらにダイオードD11とコンデンサC1との接続点にアノードを接続しスイッチング素子Q1と平滑コンデンサC0との接続点にカソードを接続したダイオードD2を付加し、加えてダイオードD2にコンデンサC6を並列接続した構成を有している。コンデンサCfとインダクタLfとはフィルタ回路を構成し、このフィルタ回路によって交流電源Vinから整流器DBへの入力電流から高周波成分を除去する。言い換えると、フィルタ回路によってインバータ回路INVから交流電源Vinへの高周波電流の漏洩を防止する。また、ダイオードD11はフィルタ回路用のコンデンサCfがインバータ回路INVの共振動作に影響しないように分離させるために設けてある。本参考例の構成と第7の参考例との関係は、図5に示した第1の実施の形態と図6に示した第2の実施の形態との関係と同様である。また、ダイオードD2とコンデンサC6とによる動作は、図24に示した従来構成と同様である。
【0099】
参考例においても第7の参考例と同様に、エミレス検出回路ELが動作したときにインバータ回路INVは発振を継続するが低出力になる。また、その後にコンデンサC5が放電してインバータ回路INVの出力が再び増大する際に、コンデンサCt1の両端電圧が0Vにならないように抵抗R16およびトランジスタQ10を設けてある。他の構成および動作は第4の参考例と同様である。
【0100】
第9の参考例
参考例は、図20に示すように、図19に示した第8の参考例に対してダイオードD1のカソードの接続位置を変更したものである。すなわち、ダイオードD1のカソードを、第8の参考例では負荷回路Zと帰還トランスDT1の1次巻線との接続点に接続していたのに対して、本参考例ではコンデンサC1と負荷回路Zとの接続点に接続してある。また、本参考例では平滑コンデンサC0に直列接続してあったインダクタL1を省略してある。この構成は第1の参考例に対する第3の参考例の変更点と同様の変更であって、インダクタL1に代えて、負荷回路Zに設けた出力トランスLT1や帰還トランスDT1のインダクタンスを用いている。本参考例の構成を採用することによって、インダクタL1を削減することができ、第8の参考例よりも部品点数を低減することができる。他の構成および動作は第8の参考例と同様である。
【0101】
なお、上述した各実施形態および各参考例において、負荷回路Zの構成は従来構成として示したもののほか、共振回路を含む負荷回路であればどのような構成でも採用することができ、また負荷回路Zに放電灯FLを含む回路構成において放電灯FLの灯数は1灯に限定されるものではない。
【0102】
【発明の効果】
請求項1の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の出力端に接続され負荷回路に出力電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路の出力電力を制限する機能を有した他制回路と、負荷回路の異常を検出するとインバータ回路の動作を一旦停止させるように他制回路を制御した後に通常動作時の出力電力に復帰させるように他制回路を制御する異常検出回路とを備え、負荷回路が、出力トランスを含み、インバータ回路が、整流器の出力端間に接続され交互にオンオフされる2個のスイッチング素子の直列回路と、出力電力の一部を帰還することによりスイッチング素子を交互にオンオフさせる帰還トランスと、出力トランスの1次巻線および帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の直流出力端の一方と両スイッチング素子の接続点との間に接続された直流カット用のコンデンサと、一方のスイッチング素子とインダクタンス素子と帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の出力端間に接続され整流器の出力電圧を部分平滑する平滑コンデンサと、前記一方のスイッチング素子に並列接続された直流インピーダンス素子と、直流カット用のコンデンサに並列接続され直流インピーダンス素子とともに分圧回路を形成する分圧用インピーダンス素子とを備えるものであり、異常検出回路の動作によるインバータ回路の停止時に、分圧用インピーダンス素子が直流インピーダンス素子とともにインバータ回路に印加される電圧を分圧し、直流カット用のコンデンサの両端電圧の上昇を抑制しているから、再起動時には帰還トランスの1次巻線に直流カット用のコンデンサを通して十分に大きい電流を流し、インバータ回路の起動性を高めることができる。その結果、間欠動作時における再起動が容易になる。
【0103】
請求項2の発明は、交流電源を整流する整流器と、整流器の出力端に接続され負荷回路に出力電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路の出力電力を制限する機能を有した他制回路と、負荷回路の異常を検出するとインバータ回路の動作を一旦停止させるように他制回路を制御した後に通常動作時の出力電力に復帰させるように他制回路を制御する異常検出回路とを備え、負荷回路が、出力トランスを含み、インバータ回路が、整流器の出力端間に接続され交互にオンオフされる2個のスイッチング素子の直列回路と、出力電力の一部を帰還することによりスイッチング素子を交互にオンオフさせる帰還トランスと、出力トランスの1次巻線および帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の直流出力端の一方と両スイッチング素子の接続点との間に接続された直流カット用のコンデンサと、一方のスイッチング素子とインダクタンス素子と帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の出力端間に接続され整流器の出力電圧を部分平滑する平滑コンデンサと、出力トランスの1次巻線と帰還トランスの1次巻線と直流カット用のコンデンサとの直列回路における整流器側の一端と両スイッチング素子の直列回路との間に整流器から平滑コンデンサへの充電電流を流す極性で挿入されたダイオードと、ダイオードに並列接続された力率改善用のインピーダンス素子と、前記一方のスイッチング素子に並列接続された直流インピーダンス素子と、直流カット用のコンデンサに並列接続され直流インピーダンス素子とともに分圧回路を形成する分圧用インピーダンス素子とを備えるものであり、異常検出回路の動作によるインバータ回路の停止時に、分圧用インピーダンス素子が直流インピーダンス素子とともにインバータ回路に印加される電圧を分圧し、直流カット用のコンデンサの両端電圧の上昇を抑制しているから、再起動時には帰還トランスの1次巻線に直流カット用のコンデンサを通して十分に大きい電流を流し、インバータ回路の起動性を高めることができる。その結果、間欠動作時における再起動が容易になる。しかも、力率改善用のインピーダンス素子を設けているから、交流電源から整流器への入力電流の休止期間が少なくなり比較的簡単な構成の高周波阻止用のフィルタ回路を用いるだけで高周波歪を低減することができ、また入力電流が交流電源からの入力電圧の絶対値にほぼ比例することによって高力率を得ることができる。
【0104】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インダクタンス素子がインダクタであるから、インダクタンス素子を目的仕様に応じて設計するのが容易になり、請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記インダクタンス素子が前記負荷回路に含まれるインダクタンス成分であるから、部品点数の低減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例を示す回路図である。
【図2】 同上の動作説明図である。
【図3】 本発明の第2の参考例を示す回路図である。
【図4】 本発明の第3の参考例を示す回路図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態を示す回路図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態を示す回路図である。
【図9】 本発明の第5の実施の形態を示す回路図である。
【図10】 本発明の第6の実施の形態を示す回路図である。
【図11】 本発明の第7の実施の形態を示す回路図である。
【図12】 本発明の第8の実施の形態を示す回路図である。
【図13】 本発明の第9の実施の形態を示す回路図である。
【図14】 本発明の第4の参考例の動作説明図である。
【図15】 本発明の第5の参考例を示す回路図である。
【図16】 本発明の第6の参考例を示す回路図である。
【図17】 本発明の第7の参考例を示す回路図である。
【図18】 同上の動作説明図である。
【図19】 本発明の第8の参考例を示す回路図である。
【図20】 本発明の第9の参考例を示す回路図である。
【図21】 従来例を示す回路図である。
【図22】 同上の動作説明図である。
【図23】 同上の動作説明図である。
【図24】 他の従来例を示す回路図である。
【図25】 さらに他の従来例を示す回路図である。
【図26】 別の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
C0 平滑コンデンサ
C1 (直流カット用の)コンデンサ
C6 コンデンサ
Ct1 (他制用の)コンデンサ
D2 ダイオード
DB 整流器
DT1 帰還トランス
EL エミレス検出回路
INV インバータ回路
L1 インダクタ
LT1 出力トランス
PH 予熱回路
Q1,Q2 スイッチング素子
R14,R15 抵抗
Rd 放電抵抗
Rs 分圧抵抗
Vin 交流電源
Z 負荷回路

Claims (4)

  1. 交流電源を整流する整流器と、整流器の出力端に接続され負荷回路に出力電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路の出力電力を制限する機能を有した他制回路と、負荷回路の異常を検出するとインバータ回路の動作を一旦停止させるように他制回路を制御した後に通常動作時の出力電力に復帰させるように他制回路を制御する異常検出回路とを備え、負荷回路が、出力トランスを含み、インバータ回路が、整流器の出力端間に接続され交互にオンオフされる2個のスイッチング素子の直列回路と、出力電力の一部を帰還することによりスイッチング素子を交互にオンオフさせる帰還トランスと、出力トランスの1次巻線および帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の直流出力端の一方と両スイッチング素子の接続点との間に接続された直流カット用のコンデンサと、一方のスイッチング素子とインダクタンス素子と帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の出力端間に接続され整流器の出力電圧を部分平滑する平滑コンデンサと、前記一方のスイッチング素子に並列接続された直流インピーダンス素子と、直流カット用のコンデンサに並列接続され直流インピーダンス素子とともに分圧回路を形成する分圧用インピーダンス素子とを備えることを特徴とする電源装置。
  2. 交流電源を整流する整流器と、整流器の出力端に接続され負荷回路に出力電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路の出力電力を制限する機能を有した他制回路と、負荷回路の異常を検出するとインバータ回路の動作を一旦停止させるように他制回路を制御した後に通常動作時の出力電力に復帰させるように他制回路を制御する異常検出回路とを備え、負荷回路が、出力トランスを含み、インバータ回路が、整流器の出力端間に接続され交互にオンオフされる2個のスイッチング素子の直列回路と、出力電力の一部を帰還することによりスイッチング素子を交互にオンオフさせる帰還トランスと、出力トランスの1次巻線および帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の直流出力端の一方と両スイッチング素子の接続点との間に接続された直流カット用のコンデンサと、一方のスイッチング素子とインダクタンス素子と帰還トランスの1次巻線との直列回路が整流器の出力端間に接続され整流器の出力電圧を部分平滑する平滑コンデンサと、出力トランスの1次巻線と帰還トランスの1次巻線と直流カット用のコンデンサとの直列回路における整流器側の一端と両スイッチング素子の直列回路との間に整流器から平滑コンデンサへの充電電流を流す極性で挿入されたダイオードと、ダイオードに並列接続された力率改善用のインピーダンス素子と、前記一方のスイッチング素子に並列接続された直流インピーダンス素子と、直流カット用のコンデンサに並列接続され直流インピーダンス素子とともに分圧回路を形成する分圧用インピーダンス素子とを備えることを特徴とする電源装置。
  3. 前記インダクタンス素子がインダクタであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電源装置。
  4. 前記インダクタンス素子が前記負荷回路に含まれるインダクタンス成分であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電源装置。
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