JP3820001B2 - ポリマー分配板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成繊維を溶融紡糸する装置に用いるポリマー分配板であって、さらに詳しくは、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維を溶融紡糸する装置のポリマー流路内に設けるポリマー分配板に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維を溶融紡糸する装置に使用する溶融紡糸押出機先端部には、通常ブレーカープレートと呼ばれている押出機先端への背圧負荷とポリマーの流路内流速分布の平均化を目的とした丸孔多孔型のポリマー分配板が設置されることがしばしばある。また、ポリマー分配板は、ポリマー流路内にポリマーが含有する不純物の除去のためフィルターを設置する場合に、そのフィルターの変形防止、あるいは、フィルター設置位置を固定するための支えとして機能する。これらの機能を得るためのポリマー分配板として、例えば、図1のような丸孔多孔型のポリマー分配板が使用され、ポリマー流路内に設置される。図1は従来のポリマー分配板を例示する底面図(a)、及び側面図(b)である。
【0003】
特に、紡糸パック内の濾過層直下においては、特開昭55ー22030号公報、あるいは実公昭60ー38682号公報等に記載されているような種々の形状のポリマー分配板が使用され、図2に示すような構成で使用されてきた。すなわち、図2において図面上方から供給された溶融ポリマーは濾過層1を経てポリマー分配板2により整流され、紡糸口金4より吐出される。図2は従来のポリマー分配板を紡糸パックに装着した状態を示す概略図であって、3はリム付き金網フィルターを示す。
【0004】
一般にこれらポリマー分配板の主たる役割は、流路内ポリマー流速分布の平均化、ポリマー量の分配、及び流動内方向の制御であり、さらに当該ポリマー分配板直上に位置するフィルターあるいは濾過層の固定等である。また、前記のポリマー分配板は装置内での使用目的、使用個所、使用方法等の制約上から、取り外し交換、清掃の実施が可能な構造であることが要求される。
【0005】
しかし、ポリマー流路内に従来のポリマー分配板を設置することによって多少のポリマーの滞留が生ずることが避けられない。該滞留部位でのポリマーは長時間の受熱により分解劣化し、その後の工程に多大な悪影響を与えることになる。
【0006】
従来、ポリマー分配板をポリマー流路内に設けるときは該ポリマー分配板がポリマー流路壁面と面接触するか、又は面接触に近い状態で取付けられていた。このような取付け部分においては、わずかな間隙が生じるものであるが、この面接触する間隙にしばしばポリマーが流入する。このポリマーは壁面近くを遅いスピードで流動してきたものであるから流路中央部を流れるポリマーに比べて熱劣化が進んでいる傾向があり、その粘度も低下しているものである。このような粘度低下のポリマーが選択的に該間隙に滞留し、そこで著しい分解劣化が生じ、それが滞留部を離れ、再びポリマー流に混入した場合には、断糸等が多発し、工程調子を乱す原因になる。
【0007】
また、分解劣化したポリマー成分をその後に設けたフィルター等によって除去するにしても、滞留部で生じた100μmを超える巨大な劣化異物はフィルターの集塵機能を非常に短時間で低下させ、フィルターの交換周期を著しく短くするためフィルターの強制交換による紡糸装置停台等の工程損失を増大させる結果となる。
【0008】
本来はポリマーの流速平均化、フィルターの設置補助のために採用されているポリマー分配板であるが、ここで発生する劣化物によって、紡糸工程に悪影響を与え、安定した紡糸が継続出来る時間を結果的に短くしてしまう原因となるという問題点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決し、ポリマー流路内に滞留部を生じさせることなく、ポリマー流速、流量分布の制御、又は流速の平均化、分配を行なうことができ、長時間にわたって紡糸を行なってもポリマーの分解劣化物の発生に起因する断糸を発生させることなく、紡糸開始時と変わらぬ工程調子を継続することができるポリマー分配板を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合成繊維の溶融紡糸装置に使用し、可塑化したポリマーを流動させる流路内部に設けるポリマー分配板であって、該流路の壁面と線接触可能のように、該壁面に近接対向する該ポリマー分配板の底面部分にポリマー流動方向に沿った複数個の溝を形成し、隣接する溝の間には稜線部を形成したことを特徴とするポリマー分配板にある。
【0011】
以下、本発明を図面により説明する。
図3は、本発明の分配板の例を示す平面図(a)、及び側面図(b)である。本発明のポリマー分配板には、図3に示すように熱可塑性ポリマーが通過する丸孔21及び側部孔22が複数個穿設され、且つ、該ポリマー分配板にはポリマー流路壁と接する部分が線接触可能となるように該ポリマー分配板の底面部分に複数個の溝23が設けられ、隣接する溝の間には稜線部24が形成されている。該溝23はポリマーの流動する方向に沿って形成され、該溝の断面はV字、若しくはU字型に作成されている。ポリマー分配板を通過したポリマーは丸孔21、若しくは側部孔22を通過した後、いずれも底面のV字、若しくはU字型断面形状の溝23に達し、該溝23を通過してポリマーはさらに装置の下流に移送される。なお、ポリマー分配板に穿設する丸孔の数及び底面のV字、若しくはU字型断面の溝の数についは、ポリマー分配板の径の大きさに合わせて任意に選択することができる。
【0012】
図4は、図3(b)に示したA部を拡大したものであってV字、若しくは、U字型断面溝を説明する断面図である。ポリマー分配板の破損を防止し、十分な強度を持たせるために該溝23の底部は適当な曲率の円弧に仕上げるか、又は、U字状等の円弧状に作成するものがよい。さらに、隣接する溝23の間には稜線部24が形成され、該稜線部24によってポリマー流路壁面と線接触することが可能となる。また、隣接する溝23の間に形成する稜線部24の側壁方向にある先端付近(外周付近)の形態は、対接触面への集中応力負荷を軽減するために、又は、自身の破損を防ぐために滑らかな曲線断面で僅かに面取りされているものが好ましい。
【0013】
さらに、ポリマー分配板の強度の観点から該V字、若しくはU字型断面溝の開角度:αが、45〜150°の範囲にあるものが好ましく例示され、さらに好ましくは、60〜120°の範囲である。ここにV字、若しくはU字型断面溝の開角度とは、図4(b)に示すように溝の山(稜線部)と谷(底)とのほぼ中央部において引いた接線の延長線がなす角度:αにより定義される。該V字、若しくはU字型断面溝の開角度:αが45°未満の場合には、ポリマー分配板の強度が低下する問題が発生するおそれがあり、逆に、開角度:αが150°を超えるとポリマー分配板の性能が低下するので好ましくない。
【0014】
【発明の作用】
本発明のポリマー分配板は、このようにポリマー流路壁面と面で接触することがないため、長時間に亘ってポリマーの分解劣化物の発生を防止することができる。すなわち、本発明のポリマー分配板は、ポリマー流路壁面に対向する底面部、若しくは側面部にポリマーが通過する溝を設け、該溝と溝の間には稜線部を形成し、該稜線部により該ポリマー流路壁面との線接触が可能となる。従来は、面接触する隙間にポリマーが流入・滞留し、このために該ポリマーが熱劣化を起こす問題があったが、該ポリマー流路壁面との線接触により該ポリマーの滞留がなくなり、ポリマーが熱劣化する問題が解消された。
【0015】
【発明の効果】
このように本発明のポリマー分配板を使用した場合には、合成繊維の紡糸工程においてポリマー流路内に滞留部を生じさせることなく、ポリマー流速、流量分布の制御、あるいは流速の平均化、分配を行なうことができ、長時間に亘って紡糸を行なっても、ポリマーの分解劣化物の発生に起因する断糸を発生することなく、紡糸開始時と変わらぬ工程調子を継続することができる。
【0016】
【実施例】
[実施例1、比較例1〜2]
ポリエステル繊維の紡糸装置の紡糸パック内部に用いるステンレス鋼からなる先端が円錐形状をした円柱型のポリマー分配板であって、ポリマー流路壁に対向するポリマー分配板の底面部には約120°の開角度を有するV字型断面溝を形成し、該底面部に向かってポリマーが供給可能に形成した合計72個の丸孔21を穿設し、該丸孔21は流量分布調整のために外周に近づくほど大きな直径となるように穿設して形成したポリマー分配板を図5に示すようにポリマー流路レジュース部に設置した(実施例1)。図5は、本発明のポリマー分配板を紡糸パックに装着した状態を示す概略図である。すなわち、図5の図面上方から供給されるポリマーは、濾過層1を経てポリマー分配板2に供給され、該ポリマー分配板2の丸孔21を通過した後、底面部に形成された溝23を通って紡糸口金4に供給される。3は金網フィルターである。このとき該ポリマー分配板2の底面部とポリマー流路壁面とは、溝と溝の間に形成される稜線部が接触する線接触となるように取付けられる。
【0017】
比較用として、公知の円盤型の多孔ポリマー分配板を図2に示すように設置したもの(比較例1)、及び他の比較例として、実施例1と同様に先端が円錐形状をした円柱型のポリマー分配板であるが、該ポリマー分配板の底面部がポリマー流路壁とは面で接触する形状を有するものを図6に示すようにポリマー流路レジュース部に設置した(比較例2)。図6は、比較例2のポリマー分配板を紡糸パックに装着した状態を示す概略図である。図6において、同様に上方から供給されるポリマーはポリマー分配板2を通過して紡糸口金4に供給されるが、この場合はポリマー分配板の底面部には溝を形成する稜線部がなく、ポリマー流路壁面とは面接触する状態で取付けられている。
【0018】
実施例1と比較例1、2のポリマー分配板の滞留防止性能とこれに伴う製糸安定性能を確認するため、実施例1と比較例1、2のポリマー分配板を同時に試験使用した。該試験使用には、エクストルーダによってポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸させ後、計量ポンプにより1ホールあたり約0.7g/minで、直径0.3mm、ランド長:L=0.7mmの口金吐出孔を介して紡出し、常法に従って溶融紡糸して3000m/minで糸条を巻き取った。このときの紡糸調子、パック内ポリマー劣化及び異物発生状態を調査しその結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0003820001
【0020】
表1から明らかなように、本発明のポリマー分配板を用いたものでは、比較例1〜2に比べ、紡糸中の断糸回数が半減化し、また、紡糸パックの交換周期が約2倍に延長できた。さらに、一定期間使用後に使用したパックを分解して、各ポリマー分配板を取り出して調査したところ、比較例1及び比較例2では、ポリマー分配板の側壁部、あるいはその他の流路壁面と面接触する部分に多量の熱分解劣化物の堆積が見られた。一方、実施例1のポリマー分配板においては、ポリマーの滞留部、あるいは劣化物の発現が全くないことが目視で確認でき、ポリマー滞留を防止し、長時間安定した溶融紡糸の製造を行なうことができる効果があることが分かった。
また、異物滞留による紡糸パック交換の必要周期を表2示す。
【0021】
【表2】
Figure 0003820001
【0022】
表2に示す通り本発明のポリマー分配板を使用したものはパック交換の必要周期を大幅に延長させることができた。
【0023】
[実施例2]
実施例1と同様のポリマー分配板について、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂混練を目的としたケスニック型静的混合機を挿入した紡糸パック中の該静的混練機の直前部に該実施例1と同様のポリマー分配板を設置した場合と、設置しなかった場合とについて比較した。該ポリマー分配板を使用したものではポリマー流速の平均化効果とポリマー分配効果により、ポリマー分配板を設置しなかった場合に比べて混練効果が向上した。また、長時間の使用後に分解調査の結果、劣化有機物の発生あるいは滞留物の発生は全く見当たらなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は従来のポリマー分配板を例示する底面図(a)、及び側面図(b)である。
【図2】図2は従来のポリマー分配板を紡糸パックに装着した状態を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の分配板の例を示す平面図(a)、及び側面図(b)である。
【図4】図4は、図3(b)に示したA部を拡大したものであってV字、若しくはU字型断面の溝を説明する断面図である。
【図5】図5は、本発明のポリマー分配板を紡糸パックに装着した状態を示す概略図である。
【図6】図6は、比較例2のポリマー分配板を紡糸パックに装着した状態を示す概略図である。
【符号の説明】
2はポリマー分配板
23は溝
24は稜線部
αは溝の開角度

Claims (3)

  1. 合成繊維の溶融紡糸装置に使用し、可塑化したポリマーを流動させる流路内部に設けるポリマー分配板であって、該流路の壁面と線接触可能のように、該壁面に近接対向する該ポリマー分配板の底面部分にポリマー流動方向に沿った複数個の溝を形成し、隣接する溝の間には稜線部を形成したことを特徴とするポリマー分配板。
  2. 溝の断面が、V字、又は、U字型をしている請求項1に記載のポリマー分配板。
  3. 溝の断面の開角度が45〜150°の範囲にある請求項2に記載のポリマー分配板。
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