JP3819592B2 - 64qam、256qam変調解析方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は64QAM変調、256QAM変調の変調解析を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に従来の技術を示す。入力端子11からの入力信号はダウンコンバータ12において、局部発信器13からの局部信号により中間周波信号に変換される。この中間周波信号の中間周波数は、後段のAD変換器での変換可能な周波数であり、かつ変調信号の変調帯域をもつものである。この中間周波信号は帯域通過フィルタ14により、次段のAD変換器15でアリアジングが生じないように帯域制限されて、AD変換器15でデジタル信号に変換され、このデジタル信号はローカル信号発生器16からの余弦波と正弦波のデジタルローカル信号と乗算器17,18で乗算され、更に低域通過フィルタ21,22に通されてベースバンド信号、いわゆるI,Q信号に変換される。なお正弦波のローカル信号は移相器19により余弦波のローカル信号が90度移相されて得られる。このデジタル信号処理部分はソフトウエア処理、又はハードウエア処理の何れかで行われる。このようにして行われたベースバンドのI,Q信号はDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などよりなる変調解析部23で、周波数誤差推定、変調精度などの変調解析が行われる。この変調解析部23の具体的手法は例えば1993年2月16日発行米国特許第5,187,719号明細書、特に第15図を参照しての説明に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
変調解析を正しく行うためには、ローカル信号発生器16のローカル信号が、送信信号における直交変調の際のローカル信号と位相を同期させる必要がある。受信信号がシンクワードのような既知のデータパターンによる変調であれば、この既知データパターンを頼りに、受信側のローカル信号の位相を送信側のそれに同期させることができる。しかし計測器の場合は一般にそのデータパターンが解っていない場合があり、そのような場合にも測定ができることが要求される。
【0004】
また変調解析を行う場合、受信信号を復調して、復調データから理想変調信号を作成する必要がある。QPSK変調の場合、シンボル点がとり得る位相は、図4Aに示すように、45°、135°、−45°、−135°の4通りしかないので、最初の受信シンボル点を強制的に、この4点のうちどれかに合わせ込むことによって、理想変調信号は作成できる。送信パターンと復調パターンが一致していない場合でも、変調解析は可能である。
【0005】
ローカル信号の位相が送信側のそれと一致していないと、シンボル点の位相が例えば図4Bに示すようにずれてしまう。QPSK変調の場合は、シンボル点がとり得る位相は図4Aに示したように、4つの位相しかないから最初の受信シンボル点を、図4Aの1つに合わせ込むことにより図4Aに示した信号点配置になるため、理想変調信号を作成することができる。更に、QPSK変調の場合は、シンボル点の位相情報のみで復調することができ、振幅情報は無視でき、振幅情報の合わせ込みを行う必要がない。
【0006】
しかし、64QAM変調の信号空間は図5Aに示すように定義されている。送信側と受信側とのローカル信号の位相だけがずれても、例えば図5Bに示すようになる。この時、受信側では、位相のみずれているのか振幅もずれているのか、不明である上に、位相のみずれていると仮定しても、そのずれ量がわからないと、ただその最初の受信シンボルの振幅から、その振幅でとり得るいずれかの位相に合わせただけでは、図5Aの信号点配置となる場合の方が少なく、復調をすることができない。
【0007】
64QAM変調ではシンボル点の位相情報のみならず、振幅情報も復調に必要となるため、受信信号が既知のデータパターンをもつものでないと、変調解析を行うことが困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、入力信号のシンボル点における振幅の最大値と最小値を検出し、その検出した最小値(又は最大値)と規定値とから利得を決定し、その利得を入力信号のシンボル点の振幅に乗算し、その利得が乗算された入力信号のシンボル点列の位相を所定量回転させ、その位相回転された入力信号のシンボル点列を復調して、理想シンボル点列を求め、その理想シンボル点列と、位相回転された入力信号のシンボル点列と相互相関を求め、所定量の位相回転がπ/4ラジアンになるまで、シンボル点の位相回転と、理想シンボル点列の生成と、相互相関を求めることを繰返す。
【0009】
入力信号中に、64QAM又は256QAMの信号空間における最小値(又は最大値)が含まれていない場合があるから、検出した最小値(又は最大値)と信号空間から求まる規定振幅の最小値(最大値)から2番目の規定値とから利得を求め、この利得を検出した最大値(又は最小値)に対し乗算し、その乗算値が(最大値(又は最小値)+許容値)を越えないか、つまりしきい値を越えないかを調べ、しきい値を越えていれば、相互相関値が最大と対応する位相と利得を用いて周波数誤差の推定を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面を参照して説明する。図1にこの発明の機能構成例を示す。図4で述べたように入力信号は中間周波信号とされ、かつデジタルデータとされた信号がメモリ31に記憶される。このデジタル値とされ、かつ中間周波とされた入力信号は、メモリ31から取出され(図2、S1)、ローカル信号発生器16からのローカル信号により直交検波部32で直交検波され、ベースバンド信号のI,Q信号が得られる(S2)。直交検波部32は図3に示した乗算器17,18、移相器19、低域通過フィルタ21,22にて構成される。
【0011】
このI,Q信号はクロック遅延検出部33でクロック遅延が検出され、つまり、デジタル信号のサンプリング点と、入力信号の変調信号のシンボル点とのずれが検出され(S3)、その検出したクロック遅延がクロック遅延補正部34で、I,Q信号に対して補正され、サンプリング点と、シンボル点とが一致させられる(S4)。クロック遅延検出、クロック遅延補正の各手法は例えば前記米国特許明細書の第15図中のクロック遅延推定部63とリサンプラ64に説明されている。
【0012】
クロック遅延補正がなされたI,Q信号の各シンボル点の振幅を調べ、その最大値と最小値が最大値・最小値探索部35で探索される(S5)。その探索された最小値が、規格化された64QAM信号がとりうる振幅のもっとも小さい値になるように利得が利得決定部36で決定される(S6)。つまり64QAM信号の信号空間の0からπ/2ラジアンを示せば、図4Cに示すようになり、これより64QAM信号の全シンボルは図4C中に示す最小の1番目から最大の9番目の何れかの振幅をとることになる。この9つの振幅は規格で決められている。よって入力信号のシンボル点の最小振幅が、この規格化された1番目(最小)の振幅と一致するような利得を決定すればよい。
【0013】
この決定された利得がクロック遅延補正された入力シンボル列に対し利得乗算部37で乗算される(S7)。パラメータiが0に初期化され(S8)、利得乗算された入力シンボル点列がπi/256radだけ位相回転部39で位相回転される(S9)。この位相回転された入力シンボル点列が理想シンボル生成部41で復調されて、その復調データにもとづき、理想シンボル点列が生成される(S10)。その理想シンボル点列と、位相回転部39からの入力シンボル点列との相互相関が相関計算部42で計算される(S11)。その各回転位相πi/256radと相互相関値と利得との関係が制御部43内の記憶部44に記憶される。
【0014】
次にステップS9での位相回転がπ/4radになったか制御部43内の判定部45で判定される(S12)。つまり図4Cの信号空間の信号点から、信号点の何れかをπ/4の整数倍だけ回転すれば、他の全ての信号点を表わすことができる。位相回転の単位π/256は実験により適当に決める。この値をπ/256より小さくすると計算量が多くなり、π/256より大きくすると、入力シンボル点列を正しく復調することができないことがある。この位相回転πi/256の指定は制御部43中の回転位相決定部46で行う。
【0015】
ステップS12でπi/256=π/4と判定されないとiを+1してステップS9に戻る(S13)。従って、入力シンボルに対するπi/256の位相回転と、理想シンボル点列の生成と、これら位相回転入力シンボル点列との相互相関の計算が繰返される。πi/256=π/4になると、パラメータjが+1される(jは予め1に初期化されている)(S14)。最大値・最小値探索部35で探索した最小値を、信号空間で信号点がとり得る振幅中のj=2番目の振幅と一致するように利得を利得決定部36で決定する(S15)。
【0016】
この決定された利得を、探索した最大振幅に乗算し(S16)、その利得乗算した最大振幅が、規格振幅の最大値つまりj=9番目の振幅にあるマージンを加えたもの、つまりしきい値より大であるかを判定する(S17)。もし、探索最小値が規格振幅の最小値j=1と対応し、探索最大値が規格振幅の最大値j=9の値と対応していれば、ステップS17は、しきい値より大と判定される。ステップS15の利得決定、ステップS16の利得乗算、ステップS17の判定などは制御部43により行われる。
【0017】
ステップS17の判定がしきい値以下であれば、ステップS7に戻る。この際用いる利得はステップS16で求めたものを用いる。つまり、入力シンボル点列中に、規格振幅のj=1と対応するものがなったと判定され、最小値がj=2の規格振幅と一致するように利得が決定され、その利得が入力シンボル点列に乗算され、これに対するπi/256の位相回転が行われ、同様のことが行われる。
【0018】
探索最大値が規格振幅最大値j=9番目と対応するものがない場合は、探索最小値が対応規格値振幅と一致しても、ステップS17でしきい値を越えないが、jが+1されてステップS14〜S17が繰返され、探索最小値と対応する規格振幅よりも大きいものと一致するように利得が決定され、つまり大きな利得を探索最大値に乗算するようになり、ステップS17でしきい値を越える状態になる。
【0019】
ステップS17でしきい値を越えると、その時得られた記憶部44内の相互相関値の最大となった時の、回転位相と利得を求め(S18)、これより周波数誤差推定部47で周波数誤差を推定し(S19)、その推定周波数誤差がクロック遅延補正部34よりの遅延補正されたシンボル点列に対し、周波数誤差補正部48で行われ(S20)、その周波数誤差補正されたシンボル点列を用いて変調精度計算部49で、変調精度が計算され(S21)、表示部51に表示される。
【0020】
制御部43は各部を動作させたり、各種判定演算などを行うと共に、第1〜第9番目の規格振幅を記憶部52内にもつなど、所要データの記憶、その読出しを行う。
上述において、ステップS6で探索最小値を、規格最小振幅に一致させるように利得を決定したが、探索最大値を、規格最大振幅に一致させるようにしてもよい。この場合は、規格最大振幅をj=1番目とし、最小振幅をj=9番目とし、ステップS15では探索最大値がj番目の規格振幅となるように利得を決定し、その利得をステップS16では探索最小値に乗算し、ステップS17では最小規格振幅にマージンを引いたものをしきい値とし、そのしきい値以下になると、ステップS18に移り、しきい値以下でなければステップS7に移るようにすればよい。
【0021】
位相回転部39で入力シンボル点列に対して位相回転を行うかわりに、ローカル信号発生器16のローカル信号に対し位相回転を行ってもよい。また周波数誤差補正部48へ供給する入力シンボル点列は、前記ローカル信号の初期位相を、前記相互相関が最大の時の回転位相とする。
図1に示した構成は機能構成であり、これらをコンピュータにより実行させることもできる。上述ではこの発明を64QAM信号に適用したが、256QAM信号に対しても適用できる。この場合の、信号空間でのシンボル点がとり得る振幅は32通りとなる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば信号空間内で取り得る振幅値が予め決められた限られた値であることに着目し、入力シンボル点列の最大値と最小値を探し、その一方を基準として、規格振幅に対する利得を求め、また、各シンボルを正しく復調できる程に実験的に決められた単位位相ずつの回転を与えて、最大π/4の回転を与えることにより、理想シンボル点列を求め、これともとの入力シンボル点列との相互相関を求めることにより、入力シンボル点列の利得と、位相を求めることができ、64QAM信号、256QAM信号の変調精度解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を適用した変調解析装置の機能構成例を示すブロック図。
【図2】この発明の実施例における処理手順を示す流れ図。
【図3】従来の変調解析の一般的機能構成例を示すブロック図。
【図4】A及びBはQPSK信号の信号空間を示す図、Cは64QAM信号のシンボル点のとり得る振幅を示す図である。
【図5】Aは64QAM変調の信号空間を示す図、Bはその位相回転された図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は64QAM変調、256QAM変調の変調解析を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に従来の技術を示す。入力端子11からの入力信号はダウンコンバータ12において、局部発信器13からの局部信号により中間周波信号に変換される。この中間周波信号の中間周波数は、後段のAD変換器での変換可能な周波数であり、かつ変調信号の変調帯域をもつものである。この中間周波信号は帯域通過フィルタ14により、次段のAD変換器15でアリアジングが生じないように帯域制限されて、AD変換器15でデジタル信号に変換され、このデジタル信号はローカル信号発生器16からの余弦波と正弦波のデジタルローカル信号と乗算器17,18で乗算され、更に低域通過フィルタ21,22に通されてベースバンド信号、いわゆるI,Q信号に変換される。なお正弦波のローカル信号は移相器19により余弦波のローカル信号が90度移相されて得られる。このデジタル信号処理部分はソフトウエア処理、又はハードウエア処理の何れかで行われる。このようにして行われたベースバンドのI,Q信号はDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などよりなる変調解析部23で、周波数誤差推定、変調精度などの変調解析が行われる。この変調解析部23の具体的手法は例えば1993年2月16日発行米国特許第5,187,719号明細書、特に第15図を参照しての説明に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
変調解析を正しく行うためには、ローカル信号発生器16のローカル信号が、送信信号における直交変調の際のローカル信号と位相を同期させる必要がある。受信信号がシンクワードのような既知のデータパターンによる変調であれば、この既知データパターンを頼りに、受信側のローカル信号の位相を送信側のそれに同期させることができる。しかし計測器の場合は一般にそのデータパターンが解っていない場合があり、そのような場合にも測定ができることが要求される。
【0004】
また変調解析を行う場合、受信信号を復調して、復調データから理想変調信号を作成する必要がある。QPSK変調の場合、シンボル点がとり得る位相は、図4Aに示すように、45°、135°、−45°、−135°の4通りしかないので、最初の受信シンボル点を強制的に、この4点のうちどれかに合わせ込むことによって、理想変調信号は作成できる。送信パターンと復調パターンが一致していない場合でも、変調解析は可能である。
【0005】
ローカル信号の位相が送信側のそれと一致していないと、シンボル点の位相が例えば図4Bに示すようにずれてしまう。QPSK変調の場合は、シンボル点がとり得る位相は図4Aに示したように、4つの位相しかないから最初の受信シンボル点を、図4Aの1つに合わせ込むことにより図4Aに示した信号点配置になるため、理想変調信号を作成することができる。更に、QPSK変調の場合は、シンボル点の位相情報のみで復調することができ、振幅情報は無視でき、振幅情報の合わせ込みを行う必要がない。
【0006】
しかし、64QAM変調の信号空間は図5Aに示すように定義されている。送信側と受信側とのローカル信号の位相だけがずれても、例えば図5Bに示すようになる。この時、受信側では、位相のみずれているのか振幅もずれているのか、不明である上に、位相のみずれていると仮定しても、そのずれ量がわからないと、ただその最初の受信シンボルの振幅から、その振幅でとり得るいずれかの位相に合わせただけでは、図5Aの信号点配置となる場合の方が少なく、復調をすることができない。
【0007】
64QAM変調ではシンボル点の位相情報のみならず、振幅情報も復調に必要となるため、受信信号が既知のデータパターンをもつものでないと、変調解析を行うことが困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、入力信号のシンボル点における振幅の最大値と最小値を検出し、その検出した最小値(又は最大値)と規定値とから利得を決定し、その利得を入力信号のシンボル点の振幅に乗算し、その利得が乗算された入力信号のシンボル点列の位相を所定量回転させ、その位相回転された入力信号のシンボル点列を復調して、理想シンボル点列を求め、その理想シンボル点列と、位相回転された入力信号のシンボル点列と相互相関を求め、所定量の位相回転がπ/4ラジアンになるまで、シンボル点の位相回転と、理想シンボル点列の生成と、相互相関を求めることを繰返す。
【0009】
入力信号中に、64QAM又は256QAMの信号空間における最小値(又は最大値)が含まれていない場合があるから、検出した最小値(又は最大値)と信号空間から求まる規定振幅の最小値(最大値)から2番目の規定値とから利得を求め、この利得を検出した最大値(又は最小値)に対し乗算し、その乗算値が(最大値(又は最小値)+許容値)を越えないか、つまりしきい値を越えないかを調べ、しきい値を越えていれば、相互相関値が最大と対応する位相と利得を用いて周波数誤差の推定を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面を参照して説明する。図1にこの発明の機能構成例を示す。図4で述べたように入力信号は中間周波信号とされ、かつデジタルデータとされた信号がメモリ31に記憶される。このデジタル値とされ、かつ中間周波とされた入力信号は、メモリ31から取出され(図2、S1)、ローカル信号発生器16からのローカル信号により直交検波部32で直交検波され、ベースバンド信号のI,Q信号が得られる(S2)。直交検波部32は図3に示した乗算器17,18、移相器19、低域通過フィルタ21,22にて構成される。
【0011】
このI,Q信号はクロック遅延検出部33でクロック遅延が検出され、つまり、デジタル信号のサンプリング点と、入力信号の変調信号のシンボル点とのずれが検出され(S3)、その検出したクロック遅延がクロック遅延補正部34で、I,Q信号に対して補正され、サンプリング点と、シンボル点とが一致させられる(S4)。クロック遅延検出、クロック遅延補正の各手法は例えば前記米国特許明細書の第15図中のクロック遅延推定部63とリサンプラ64に説明されている。
【0012】
クロック遅延補正がなされたI,Q信号の各シンボル点の振幅を調べ、その最大値と最小値が最大値・最小値探索部35で探索される(S5)。その探索された最小値が、規格化された64QAM信号がとりうる振幅のもっとも小さい値になるように利得が利得決定部36で決定される(S6)。つまり64QAM信号の信号空間の0からπ/2ラジアンを示せば、図4Cに示すようになり、これより64QAM信号の全シンボルは図4C中に示す最小の1番目から最大の9番目の何れかの振幅をとることになる。この9つの振幅は規格で決められている。よって入力信号のシンボル点の最小振幅が、この規格化された1番目(最小)の振幅と一致するような利得を決定すればよい。
【0013】
この決定された利得がクロック遅延補正された入力シンボル列に対し利得乗算部37で乗算される(S7)。パラメータiが0に初期化され(S8)、利得乗算された入力シンボル点列がπi/256radだけ位相回転部39で位相回転される(S9)。この位相回転された入力シンボル点列が理想シンボル生成部41で復調されて、その復調データにもとづき、理想シンボル点列が生成される(S10)。その理想シンボル点列と、位相回転部39からの入力シンボル点列との相互相関が相関計算部42で計算される(S11)。その各回転位相πi/256radと相互相関値と利得との関係が制御部43内の記憶部44に記憶される。
【0014】
次にステップS9での位相回転がπ/4radになったか制御部43内の判定部45で判定される(S12)。つまり図4Cの信号空間の信号点から、信号点の何れかをπ/4の整数倍だけ回転すれば、他の全ての信号点を表わすことができる。位相回転の単位π/256は実験により適当に決める。この値をπ/256より小さくすると計算量が多くなり、π/256より大きくすると、入力シンボル点列を正しく復調することができないことがある。この位相回転πi/256の指定は制御部43中の回転位相決定部46で行う。
【0015】
ステップS12でπi/256=π/4と判定されないとiを+1してステップS9に戻る(S13)。従って、入力シンボルに対するπi/256の位相回転と、理想シンボル点列の生成と、これら位相回転入力シンボル点列との相互相関の計算が繰返される。πi/256=π/4になると、パラメータjが+1される(jは予め1に初期化されている)(S14)。最大値・最小値探索部35で探索した最小値を、信号空間で信号点がとり得る振幅中のj=2番目の振幅と一致するように利得を利得決定部36で決定する(S15)。
【0016】
この決定された利得を、探索した最大振幅に乗算し(S16)、その利得乗算した最大振幅が、規格振幅の最大値つまりj=9番目の振幅にあるマージンを加えたもの、つまりしきい値より大であるかを判定する(S17)。もし、探索最小値が規格振幅の最小値j=1と対応し、探索最大値が規格振幅の最大値j=9の値と対応していれば、ステップS17は、しきい値より大と判定される。ステップS15の利得決定、ステップS16の利得乗算、ステップS17の判定などは制御部43により行われる。
【0017】
ステップS17の判定がしきい値以下であれば、ステップS7に戻る。この際用いる利得はステップS16で求めたものを用いる。つまり、入力シンボル点列中に、規格振幅のj=1と対応するものがなったと判定され、最小値がj=2の規格振幅と一致するように利得が決定され、その利得が入力シンボル点列に乗算され、これに対するπi/256の位相回転が行われ、同様のことが行われる。
【0018】
探索最大値が規格振幅最大値j=9番目と対応するものがない場合は、探索最小値が対応規格値振幅と一致しても、ステップS17でしきい値を越えないが、jが+1されてステップS14〜S17が繰返され、探索最小値と対応する規格振幅よりも大きいものと一致するように利得が決定され、つまり大きな利得を探索最大値に乗算するようになり、ステップS17でしきい値を越える状態になる。
【0019】
ステップS17でしきい値を越えると、その時得られた記憶部44内の相互相関値の最大となった時の、回転位相と利得を求め(S18)、これより周波数誤差推定部47で周波数誤差を推定し(S19)、その推定周波数誤差がクロック遅延補正部34よりの遅延補正されたシンボル点列に対し、周波数誤差補正部48で行われ(S20)、その周波数誤差補正されたシンボル点列を用いて変調精度計算部49で、変調精度が計算され(S21)、表示部51に表示される。
【0020】
制御部43は各部を動作させたり、各種判定演算などを行うと共に、第1〜第9番目の規格振幅を記憶部52内にもつなど、所要データの記憶、その読出しを行う。
上述において、ステップS6で探索最小値を、規格最小振幅に一致させるように利得を決定したが、探索最大値を、規格最大振幅に一致させるようにしてもよい。この場合は、規格最大振幅をj=1番目とし、最小振幅をj=9番目とし、ステップS15では探索最大値がj番目の規格振幅となるように利得を決定し、その利得をステップS16では探索最小値に乗算し、ステップS17では最小規格振幅にマージンを引いたものをしきい値とし、そのしきい値以下になると、ステップS18に移り、しきい値以下でなければステップS7に移るようにすればよい。
【0021】
位相回転部39で入力シンボル点列に対して位相回転を行うかわりに、ローカル信号発生器16のローカル信号に対し位相回転を行ってもよい。また周波数誤差補正部48へ供給する入力シンボル点列は、前記ローカル信号の初期位相を、前記相互相関が最大の時の回転位相とする。
図1に示した構成は機能構成であり、これらをコンピュータにより実行させることもできる。上述ではこの発明を64QAM信号に適用したが、256QAM信号に対しても適用できる。この場合の、信号空間でのシンボル点がとり得る振幅は32通りとなる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば信号空間内で取り得る振幅値が予め決められた限られた値であることに着目し、入力シンボル点列の最大値と最小値を探し、その一方を基準として、規格振幅に対する利得を求め、また、各シンボルを正しく復調できる程に実験的に決められた単位位相ずつの回転を与えて、最大π/4の回転を与えることにより、理想シンボル点列を求め、これともとの入力シンボル点列との相互相関を求めることにより、入力シンボル点列の利得と、位相を求めることができ、64QAM信号、256QAM信号の変調精度解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を適用した変調解析装置の機能構成例を示すブロック図。
【図2】この発明の実施例における処理手順を示す流れ図。
【図3】従来の変調解析の一般的機能構成例を示すブロック図。
【図4】A及びBはQPSK信号の信号空間を示す図、Cは64QAM信号のシンボル点のとり得る振幅を示す図である。
【図5】Aは64QAM変調の信号空間を示す図、Bはその位相回転された図である。
Claims (2)
- 入力信号を復号し、その理想シンボル点を推定し、その理想シンボル点列を生成し、その理想シンボル点列と上記入力信号とから周波数誤差を推定する変調解析方法において、
上記入力信号のシンボル点における振幅の最大値、最小値を検出する第1過程と、
上記検出した最大値又は最小値と規定値とから利得を決定する第2過程と、
上記決定された利得を上記入力信号のシンボル点の振幅に乗算する第3過程と、
利得が乗算された入力信号のシンボル点列の位相を所定量回転させる第4過程と、
上記位相回転された入力信号のシンボル点列を復調して、理想シンボル点列を生成する第5過程と、
上記理想シンボル点列と位相回転された入力信号シンボル点列との相互相関を求める第6過程と、
上記所定量の位相回転がπ/4ラジアンになるまで上記第4過程乃至第6過程を繰返す第7過程と、
上記相互相関の最大値を求め、その時の利得と、位相を上記周波数誤差の推定に用いる第8過程とを有することを特徴とする64QAM、256QAM変調解析方法。 - 上記第7過程の後、上記第2過程で利得決定に用いた規定値に対し、次に小さい又は大きい規定値を用いて、上記最大値又は最小値とを用いて利得を決定する第9過程と、
上記第9過程で決定された利得を、上記最小値又は最大値を乗算する第10過程と、
上記第10過程の乗算結果がしきい値より大であるか判定し、小であれば上記第3過程に戻り、その際の利得として上記第9過程で求めたものを用い、判定が大であれば上記第8過程に移る第11過程とを有することを特徴とする請求項1記載の64QAM、256QAM変調解析方法。
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