JP3817825B2 - 振動アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転部材を振動子の振動運動を用いて回転させる振動アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動アクチュエータは、小型・高トルクを特徴とするアクチュエータであり、減速歯車輪列等を利用しなくても、直接駆動対象を駆動できることから、機構の簡素化により機器全体の小型化を図りたい小型機器の駆動源として使用することが提案されている。特開昭60ー51478号に開示された電子時計は、振動アクチュエータを時計の駆動源として利用することを提案した発明の例であり、開示された時計では、分針等の回転軸が直接振動アクチュエータにより回転駆動される。
ところで、振動アクチュエータでは、移動子が、振動している振動子と摩擦接触することにより回転駆動されるために、移動子の表面状態の不均一等を原因として、移動子の回転量・速度がその回転角により変化することがある。このような回転量等の変化は、分針の正確な位置決めにとって重大な障害となる。そこで、特開昭60−51478号に開示された電子時計では、振動アクチュエータの移動子に周方向に60分割された電極パターンを設け、その電極パターンを用いて移動子の回転角を検出し、移動子の回転量のフィードバック制御を行うこととしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の振動アクチュエータでは、電極パターンを移動子表面に直接設けているので、検出可能な回転角の最小単位が振動アクチュエータごとに決まってしまう。例えば、前述した電子時計用の振動アクチュエータでは、用途を一分間に6度だけ回転する分針の駆動源に限定しているので、電極パターンは6度の角度を検出できるように設けられている。このために、その振動アクチュエータの用途は限定され、異なる回転速度の用途、例えば一分間に数十回転する用途がある場合には、その用途にあわせ、電極パターンのみが異なり、ほかの構造は同一の振動アクチュエータを別途生産しなければならないという問題があった。
【0004】
一方、上記の問題を解決する方法として、移動子には電極パターンを設けず、別個独立に製造されたエンコーダを振動アクチュエータに取り付け、これにより移動子の回転量等を検出することも考えられる。しかし、完全に別部材であるエンコーダを取り付けることは、振動アクチュエータの大型化につながり、小型・高トルクという振動アクチュエータの特徴が失われるおそれがある。また、振動アクチュエータでは、電磁式のモータ等と異なり回転軸を有しいない構造のものが多く、モータの回転軸に取り付けられることを前提とするエンコーダの取り付けがそもそも困難であるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、用途に合わせて回転量、回転速度等の検出精度を変更可能な、小型の振動アクチュエータを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、振動子と、前記振動子の振動運動の少なくとも一部を伝達され、所定の回転軸の回りに回転する回転部材と、前記振動子を貫通し、前記回転部材を支持する軸部材と、前記回転部材と一体に回転し、前記回転部材の回転運動を外部に伝達する出力取り出し部とを備える振動アクチュエータにおいて、前記出力取り出し部は、前記回転部材の前記振動子と接する面とは反対側に着脱可能に設けられ、外部から検出可能な電気的、磁気的又は光学的な特性が異なる2以上の領域が、周方向に配列されていることを特徴とする振動アクチュエータである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータにおいて、前記軸部材は前記振動子に固定された固定軸であり、前記回転部材は前記固定軸に回転可能に支持され、かつ前記回転部材は前記固定軸に支持された加圧部材により前記振動子に加圧接触していることを特徴する振動アクチュエータである。
請求項の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータにおいて、前記2以上の領域は、前記出力取り出し部の、前記回転軸にほぼ垂直に交わる面に設けられていることを特徴とする振動アクチュエータである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、前記回転部材及び前記振動子が取付けられている前記固定軸に設置され、前記2以上の領域の位置を検出する検出部を有することを特徴とする振動アクチュエータである。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の振動アクチュエータにおいて、前記固定軸には、前記振動子、前記回転部材、前記回転部材を前記振動子に加圧する加圧部材、及び前記検出部の順に各部材が取り付けられている
ことを特徴とする振動アクチュエータ。
【0009】
請求項6に係る発明は、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、前記固定軸は、前記検出部が取り付けられる部位の径が、前記回転部材が取り付けられる部位の径より小さいことを特徴とする振動アクチュエータである。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、前記2以上の領域の個数、形状又は前記特性は、周方向の位置により異なっていることを特徴とする振動アクチュエータである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明に係る一実施形態について説明する。なお、以下の説明は、振動アクチュエータとして、超音波振動域を利用する超音波モータを例にとって行う。
【0011】
図1は、本発明に係る超音波モータの実施形態を示す断面図である。図1に示されるように、本実施形態の超音波モータ10は、主に移動子20と固定子30とから構成されている。
移動子20は、固定子30から駆動力を得て固定軸12を回転軸として回転する厚肉の円環状又は円筒状の部材である。移動子20は、移動子母材22と、移動子母材22の下面に備えられた摺動材26とから構成されている。摺動材26は、固定子30の駆動面Dと接触し摺動する部材である。摺動材26は、摺動特性を良好とするために、高分子材料等をその主成分としている。
【0012】
一方、移動子母材22は、ステンレス鋼、銅合金又はアルミニウム合金等からなる部材である。移動子母材22の上端部は、ほかの部位より径が小さい小径部となっており、その小径部には、ギア24が着脱可能に嵌合している。ギア24は、移動子20の回転出力を不図示の被駆動体の歯車に伝達するためのものであり、本発明に係る出力取り出し部に該当する部材である。
【0013】
図2は、ギア24が嵌合している移動子20の上面図である。図に示されるように、ギア24の上面には、メッキ等の方法により複数の線状部24bが周方向に等間隔で設けられている。このように線状部24bを設けているのは、ギア上面の光反射率を変化させることにより、全体で、周方向に配置されたエンコーダパターン得るためにである。また、このエンコーダパターンをギア24の上面に設けるのは、エンコーダパターンを検出する検出器をギア24の外周側ではなく、上面側に配置できるようにし、もって、超音波モータが径方向に大型化するのを防止するためである。
【0014】
図1に見られるように、移動子20は、ベアリング18を介して固定軸12に取り付けられている。ベアリング18は、移動子20の固定軸回りの回転を可能とするとともに、移動子20を固定軸12の所定の位置に位置決めする位置決め部材としての役割を果たしている。
【0015】
固定軸12は、移動子20が取り付けられている位置より上側にねじ部12aを有し、このねじ部12aには、ナットなどの調整部材14がねじ止めされている。また、調整部材14と移動子20との間には、皿バネ、コイルバネ又は板バネ等の加圧部材16が配置されている。加圧部材16は、移動子20を固定子30の方向へ加圧する。移動子20は、この加圧部材16から加圧力を受け、固定子30の駆動面Dに加圧接触する。一方、調整部材14は、ねじ止めされている位置を変化させることにより、加圧部材16を適度に圧縮し、移動子20へ加わる加圧力を調整する。
【0016】
また、ねじ部12aには、調整部材14等の加圧機構が取り付けられている位置より上部において、フォトセンサ44が取り付けられている。フォトセンサ44は、ギア表面からの光の反射量に基づいて、線状部24bが測定点に位置するか、あるいは測定点を通過したかを検出する。フォトセンサ44の出力は、不図示の回転量・速度演算装置に接続されている。当該演算装置は、フォトセンサ44の出力信号及びギア24の上面に設けられたエンコーダパターンの特性から移動子20の回転量、回転速度等を求める。
なお、ねじ部12aの外径は、移動子20が取り付けられている位置における固定軸12の外径より細く設定されている。これは、固定軸12への移動子、加圧機構及びフォトセンサ等の取り付けを容易とするためである。
【0017】
固定子30は、1次の縦振動と、2次の捩り振動を行うことにより駆動面Dに楕円運動を発生させる部材である。固定子30は、厚肉の円筒状の形状を有し、その中空部に固定軸12を通すことにより、固定軸12に固定されている。固定子30は、図3の分解図に示すように、電極板(55〜58)からなる層を圧電体(51〜54)からなる2つの層で挟んだものを、さらに弾性体32及び34とにより挟み込んだ構成をしている。なお、圧電素子、電極板及び弾性体は、互いに接着剤により接合されている。
【0018】
図1に示すように、弾性体32及び34は、4つの大径部30A、30B、30C及び30Dと、3つの小径部30a、30b及び30cとを有する厚肉の円筒を縦に2分割した半円柱状の部材であり、鉄鋼、ステンレス鋼、リン青銅又はエンリバー材等の共振先鋭度が大きな金属材料からなる。小径部30a及び30cは、2次の捩り振動の節部を含む位置に、小径部30bは、1次の縦振動の節部を含む位置に、それぞれ形成されている。このように、固定子30を4つの大径部と3つの小径部とを有する形状とするのは、固定子30に励振される縦振動と捩り振動の共振周波数をほぼ一致させ、固定子30にいわゆる縮退を生じさせるためである。
【0019】
固定子30は、大径部30A及び30Dのそれぞれに、圧電体(51〜54)の積層方向と平行な4つの貫通孔30E〜30Hを有する。貫通孔30E〜30Hには、それぞれボルト36が挿入され、ナット38により固定されている。これにより、弾性体32及び34は、圧電体(51〜54)を挟み込んだ状態で一体に組まれている。
【0020】
また、固定子30は、小径部30aに貫通孔30Gを有する。貫通孔30Gは、スプリングピン40を通すための孔部である。スプリングピン40は、固定子30の貫通孔30aと、固定軸12に設けられている貫通孔12bとを貫通することにより、固定子30を固定軸12に固定し、固定軸12の主軸方向に固定子30を位置決めする部材である。
【0021】
一方、固定軸12は、長手方向の異なる2カ所に位置決め部材42を配置されている。位置決め部材42は、環状又は円筒状の部材であり、固定軸12にその端面側からはめ込まれている。位置決め部材42の外周面は、固定子30の内周面に当たっており、これにより、固定子30が径方向に位置決めされる。
【0022】
前述したように、固定子30を構成する2つの弾性体32及び34の間には、電極板(55〜58)からなる層と、圧電体(51〜54)からなる層とが配置されている。図3において、層La1、La3、La4及びLa6の4つの層は、圧電体から構成される層であり、層La2及びLa5は電極板からなる層である。
【0023】
圧電体からなる層La1は、同一平面上に配置された4つの圧電体から構成されている。4つの圧電体とは、駆動面Dに近いものから順に、捩り振動検出用圧電体51、捩り振動用圧電体52、縦振動用圧電体53、縦振動検出用圧電体54をいう。
捩り振動用圧電体52は、圧電定数d15を利用し、固定子30に捩り振動を励振する圧電体である。ここで、捩り振動とは、中心軸Aの回りに変位する振動をいう。捩り振動用圧電体52は、中心軸Aに平行な方向に分極されており板厚方向に電圧を印加されると、中心軸Aに平行な方向へのせん断変形を行う。
捩り振動検出用圧電体51は、圧電効果を利用して固定子30に励振されている捩り振動を検出するためのものである。
【0024】
縦振動用圧電体53は、圧電定数d31を利用し、固定子30に縦振動を励振する圧電体である。ここで縦振動とは、中心軸Aに平行な方向に変位する振動をいう。縦振動用圧電体53は、板圧方向に分極されており、板厚方向に電圧を印加されると、その面方向の伸縮変形を行う。
縦振動検出用圧電体54は、圧電効果を利用して固定子30に励振されている縦振動を検出するためのものである。
【0025】
層La3は、層La1と同一の構成をした層である。ただし、捩り振動用圧電体52及び縦振動用圧電体53の分極方向は、層La1と層La3では反対の方向となっている(図4中破線矢印を参照)。
一方、層La1とLa3の間に配置されている層La2は、4つの電極板、すなわち、捩り振動検出用電極板55、捩り振動用電極板56、縦振動用電極板57、縦振動検出用電極板58を同一平面上に配置したものである。
捩り振動用電極板56は、層La1及びLa3の捩り振動用圧電体52の間に配置されており、これら2つ圧電体に駆動信号(周波電圧)を同時に印加するための電極板である。
【0026】
同様に、縦振動用電極板57は、2つの縦振動用圧電体53の間に配置されており、それら圧電体に同時に駆動振動を印加するためのものである。
一方、捩り振動検出用電極板55及び縦振動検出用電極板58は、それぞれ2つの捩り振動検出用圧電体51又は2つの縦振動検出用圧電体54の間に配置され、それら圧電体に生じる電圧を検出可能としている。
なお、層La4〜La6は、固定子30の中心軸Aを中心に層La1〜La3を180度回転して得られるものであり、層La1〜La3と同一の構成を有するものである。よって、ここではその説明を省略する。
【0027】
図4は、固定子30における圧電体の配置と、固定子30に励振される振動モードを示す説明図である。図4において、(a)は固定子30の側面等を示す図、(b)は固定子30のFF断面図、(c)は固定子30に励振される振動モードを示す図である。
図4(c)に示されるように、固定子30には、1次の縦振動と2次の捩り振動が励振される。また、図4(a)に示されるように、固定子30の小径部30a及び30cは、捩り振動の節部の位置に設けられており、小径部30bは、縦振動の節部の位置に設けられている。
【0028】
一方、捩り振動用圧電体52は、小径部30aを含む位置に、すなわち、捩り振動の2つの節部のうち駆動面Dに近い方を跨ぐように配置されている。また、縦振動用圧電体53は、小径部30bを含む位置に、すなわち、縦振動の節部を跨ぐように配置されている。このように、振動の節部を跨ぐように圧電体を配置するのは、節部において弾性体に力を作用させることにより、それぞれの振動を効率よく励振できるからである。
【0029】
捩り振動用圧電体52は、電極板56に弾性体(32、34)の電位に対し正の電圧を印加すると、図4(a)において矢印で示すせん断変形が生じる。せん断変形の方向は、層La1及びLa3の圧電体と、層La4及びLa6の圧電体とで反対となっている。捩り振動用圧電体52の上記せん断変形により、固定子30は、図4(b)において矢印mによって示す方向に捩られる。また、電極板56に負の電圧を印加すると、圧電体52のせん断変形の方向及び固定子30の捩りの方向はそれぞれ逆となる。したがって、電極板56に周波電圧を印加すると、固定子30には、捩り振動が励振される。
【0030】
一方、4つの縦振動用圧電体53は、電極板57に正の電圧を印加した場合に、図4(a)において矢印で示すように、すべて固定子30の中心軸Aと平行な方向に伸び変形をし、負の電圧を印加した場合には縮み変形をする。よって、電極板57に周波電圧を印加すると、固定子30に縦振動が励振される。
【0031】
次に、本実施形態に係る超音波モータの動作について図5を用いて説明する。図5は、固定子30の動作を模式的に示す説明図である。図中ωは、駆動周波数をfとしたときの角周波数(ω=2πf)を表す。
縦振動用圧電体53と捩り振動用圧電体52とに、互いに90°の位相差のある駆動信号(周波電圧)を入力すると、固定子30に発生する縦振動及び捩り振動の位相は90°相違し、その駆動面Dには、これらの振動を合成した楕円運動が生じる。
【0032】
具体的には、まず、時間t=0の時点で、捩り振動の変位は、左側に最大であり、縦振動の変位は零である。この状態では、移動子20は加圧部材16によって固定子30の駆動面Dに接触している。
この状態から、t=0〜(4/4)×(π/ω)までは、捩り振動が左側の最大から右側の最大まで変位する。一方、縦振動は、零から上側の最大に変位し、再び零に戻る。したがって、固定子30の駆動面Dは、移動子20を押しながら右方向に回転し、移動子20は駆動される。
【0033】
次に、t=(4/4)×(π/ω)〜(8/4)×(π/ω)までは、捩り振動が右側の最大から左側の最大まで変位する。一方、縦振動は、零から下側の最大へ変位し再び零に戻る。このときに、移動子20は、加圧部材16により加圧されていても、加圧部材16の固有振動数が超音波振動域より低いために、固定子の縮みに追従できない。したがって、固定子30の駆動面Dは、移動子20から離れながら左方向に回転子、移動子20は駆動されない。
このように、本実施形態では、縦振動用圧電体53と捩り振動用圧電体52とに位相差が90°の駆動信号を入力すると、駆動面Dに楕円運動が生じ、さらに駆動面Dの楕円運動の一部が移動子20に伝達されるので、移動子20が一定の方向に回転運動を行う。
【0034】
以上説明したように、本実施形態では、移動子の回転量、回転速度等を、移動子に取り付けられたギアのエンコーダパターンと、固定軸に取り付けられたフォトセンサとを用いて検出することとしている。したがって、異なるエンコーダパターンが設けられているギアを移動子に取り付けることにより、超音波モータの利用態様に合わせて、回転速度等の検出分解能を簡単に変更でき、1つの超音波モータを多数の異なる用途に利用することができる。
【0035】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0036】
1) 上記実施形態では、弾性体に1次の縦振動と2次の捩り振動とを励振する場合について説明したが、これは、縦振動、捩り振動のいずれについても、任意の次数のものを励振することであってもよい。
2) 上記実施形態では、弾性体に捩り振動又は縦振動を励振する振動発生源として圧電体を用いる場合を例に説明をしたが、これは、本発明において使用可能な振動発生源の種類を何ら制限する意味のものではない。振動発生源は、弾性体に所定の振動を与えることができるものであればよく、電気エネルギー、磁気エネルギー又は熱エネルギー等を機械的変位に変換することで弾性体を励振する素子(電歪素子、磁歪素子等)であってもよい。
3) 上記実施形態では、ギア24の上面に、周方向に等間隔で線状部を設ける場合、つまり、エンコーダパターンがいわゆるインクリメンタルタイプである場合について説明したが、これは、エンコーダパターンがアブソリュートタイプとなるように線状部の間隔、個数、形状又はその反射率等の特性を周方向の位置に対応させて変化させることであってもよい。
また、エンコーダパターンは、光反射率の変化、つまり光学的特性の変化を利用するものに限らず、電気的又は磁気的特性の変化を利用するものであってもよい。
4) 上記実施形態では、出力取り出し部がギアである場合を例に説明をしたが、これは、カム等であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下のような種々の効果がある。
(1)出力取り出し部には、特性の異なる2以上の領域が周方向に配列されているので、移動子の回転量、回転速度等が容易に検出可能である。また、出力取り出し部は着脱可能であるので、上記領域の配置等が異なる出力取り出し部を回転部材に装着することにより、回転部材の回転量等の検出精度を容易に変更することができる。
【0038】
(2)2以上の領域は、出力取り出し部の、回転軸にほぼ垂直に交わる面に設けられているので、それら領域の位置は、回転軸に平行な方向から検出することが可能であり、それら領域の位置を検出するための検出器を設置することにより、振動アクチュエータが径方向に大型化することを防止できる。
【0039】
(3)出力取り出し部に設けられた2以上の領域の位置を検出する検出部をも有するので、単体で、回転部材の回転量、回転速度を検出可能な振動アクチュエータを提供することが可能となった。
(4)検出部は、回転部材及び振動子が取り付けられている固定軸に設置されているので、検出部の設置用に、新たな機構や部材を用意する必要はなく、検出部の設置により、振動アクチュエータの小型化が著しく損なわれることはない。
【0040】
(5)固定軸には、振動子、回転部材、加圧部及び検出部の順に各部材が取り付けられているので、検出部を固定軸に着脱する際に、加圧部を着脱すること、あるいは、加圧部の発生する加圧力を再調整する必要がない。
(6)固定軸は、検出部が取り付けられる部位の径が、回転部材が取り付けられている部位の径より細いので、固定軸への回転部材等の取り付けが容易である。
(7)2以上の領域の個数、形状又は特性は、周方向の位置により異なっているので、その個数、形状又は特性を検出することにより、回転部材の絶対回転角が確認可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの実施形態を示す断面図である。
【図2】ギア24が嵌合している移動子20の上面図である。
【図3】振動子30を示す分解斜視図である。
【図4】振動子30における圧電体の配置と、振動子に励振される振動モードを示す説明図である。
【図5】振動子30の動作を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 超音波モータ
12 固定軸
20 移動子
22 移動子母材
24 ギア
24b エンコーダパターン
26 摺動材
30 振動子
32、34 弾性体
44 フォトセンサ
51〜54 圧電体
55〜58 電極板

Claims (7)

  1. 振動子と、
    前記振動子の振動運動の少なくとも一部を伝達され、所定の回転軸の回りに回転する回転部材と、
    前記振動子を貫通し、前記回転部材を支持する軸部材と、
    前記回転部材と一体に回転し、前記回転部材の回転運動を外部に伝達する出力取り出し部と
    を備える振動アクチュエータにおいて、
    前記出力取り出し部は、前記回転部材の前記振動子と接する面とは反対側に着脱可能に設けられ、外部から検出可能な電気的、磁気的又は光学的な特性が異なる2以上の領域が、周方向に配列されている
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記軸部材は前記振動子に固定された固定軸であり、前記回転部材は前記固定軸に回転可能に支持され、かつ前記回転部材は前記固定軸に支持された加圧部材により前記振動子に加圧接触している
    ことを特徴する振動アクチュエータ。
  3. 請求項1に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記2以上の領域は、前記出力取り出し部の、前記回転軸にほぼ垂直に交わる面に設けられている
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記回転部材及び前記振動子が取付けられている前記固定軸に設置され、前記2以上の領域の位置を検出する検出部を有する
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記固定軸には、前記振動子、前記回転部材、前記回転部材を前記振動子に加圧する加圧部材、及び前記検出部の順に各部材が取り付けられている
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記固定軸は、前記検出部が取り付けられる部位の径が、前記回転部材が取り付けられる部位の径より小さい
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにおいて、
    前記2以上の領域の個数、形状又は前記特性は、周方向の位置により異なっている
    ことを特徴とする振動アクチュエータ。
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