JP3816343B2 - ピストンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧ピストンポンプなどに適用されるピストンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、斜板50に複数のシュー51a、52aをかしめたピストン51、52のシュー端面を当接し、モータ53等の動力でシリンダ54又は斜板50を回転させることでモータ軸に対して表面が傾斜した斜板50に当接したまま、ピストン51、52がすべり順次シリンダ54内に押し込まれ、各ピストン51、52を往復動作させる油圧ピストンポンプがある。
【0003】
油圧ピストンポンプ等に適用される従来のピストンの製造方法を図5により説明する。(a)は中実のバー材59である。(b)は一端部60の径を残して筒部65の外形を形成する切削加工である。(c)は筒部65の内部に有底孔61を形成する穴明け加工である。(d)は一端部に球状部62および首部63を形成する切削加工である。(e)は球状部62を貫通する流体通孔64の穴明け加工である。この後さらに球状部62と円筒部65の外形の研磨加工、および球状部62のラップ加工ならびに筒部65の超仕上加工が行われる。
【0004】
このように、油圧のピストンポンプに使用するピストンの製作では、バー材59から切出し(図5(a))、穴明けと円筒外側をけずり外径を整えた後(図5(b)、(c))、球状部62と首部63を削り出す(図5(d))。そして球状部62と円筒部65を貫通する細穴の流体通孔64をあけた後(図5(e))、円筒部65と球状部62を研磨し、仕上げとして球殻部62にはラップ加工、円筒部65にはスーパーフィニッシュ(超仕上げ)を行うという方法がとられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のピストンは、製造工程数が多いため各工程にかかる人件費が大きく、全体的に切削加工であるため加工時間が長く、円筒部65の外径と中空部の有底孔61の深さにより、加工時間が例えば35〜120秒と変化する。また切削加工であるため、切粉が大量に発生し、材料ロスが多い。さらに切削用のチップ、ドリル等の消耗工具を多く使用するため、消耗工具費が嵩張るのでこれを削減する必要があるという欠点があった。
【0006】
また切削加工での金属組織の切断により強度が低下する。さらに円筒部65と球状部62を別々に切削加工するため、円筒部65の中心軸から球状部62の中心がずれてピストンの軸がぶれてしまう原因になる。
【0007】
したがって、この発明の目的は、工程数が少なく、加工時間を短縮でき、しかも材料ロスが少なく、消耗工具を少なくすることができ、またピストン首部の強度を増し、折れを起こしにくくすることができ、さらに球部分の軸ずれがないピストンの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のピストンの製造方法は、空洞部を有する受型と前記空洞部に加圧進入する加圧型を用い、中実材料を前記受型の前記空洞部に入れ、前記加圧型で前記中実材料を加圧して塑性変形し、一端が半球状となった中空筒状体を形成する鍛造工程と、
球殻部形成凹部および筒部形成凹部を有するロールを用い、前記中空筒状体を支持体上に載せ、両側から前記ロールで前記中空筒状体を挟み、回転しながら挟圧力を加えて、前記球殻部形成凹部により球殻部を形成し、前記筒部形成凹部により筒状部を形成する転造工程とを含むものである。
【0009】
請求項1記載のピストンの製造方法によれば、従来一番コストのかかった切削加工をなくし、工程数を削減でき、加工にかかる手間と時間も大幅に削減できる。また材料ロスが少なく消耗工具も少なくできる。また転造では切削加工による金属組織の切断がなく、金属組織が連続しているため強度が増し、ピストンの首部の折れを起こしにくくできる。さらに転造により球殻部と筒部を同時に形成するのでピストンの軸のぶれをなくすことができる。
【0010】
請求項2記載のピストンの製造方法は、請求項1において、前記ロールは、前記球殻部と前記筒状部との間に首部を形成する首部形成突部を有し、前記筒部形成凹部は前記筒状部の前記球殻部と反対の端部に曲面部を形成するものである。
【0011】
請求項2記載のピストンの製造方法によれば、請求項1と同様な効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1から図3により説明する。すなわち、このピストンの製造方法は、鍛造工程と、転造工程を有する。
【0015】
鍛造工程は、冷間鍛造により、図1(a)に示す中実材料1例えば線材から、図1(b)に示すように一端部3が塞がった例えば円筒形の中空筒状体2を形成する。図2(a)に示すように中実の線材を受型4の空洞部5に入れ、加圧型6で空洞部5内の中実材料1を加圧し塑性変形させて中空筒状体2を形成する。
【0016】
転造工程は、転造により、図1(c)に示すように中空筒状体2の一端部3に球殻部12を形成する。同時に球殻部12と中空筒状体2の中間部との間に内部が連通した首部13を形成する。図2(b)および図3(a)に示すように、中空筒状体2を支持体7上に載せ、両側からロール11で中空筒状体2を挾み、回転しながら挾圧力を加えて、球殻部12、首部13および筒状部14を形成する。このため、各ロール11の表面には図2(b)に示すように球殻部12を形成する球殻部形成凹部8、首部13を形成する首部形成突部9および筒状部14の外周面を形成する筒部形成凹部10を形成している。筒部形成凹部10の端部16により、筒状部14の球殻部12と反対の端部に曲面部15すなわちアールを形成している。
【0017】
また転造工程と同時に球殻部12に図2(b)に示すように穿孔機18により流体通孔17を切削加工する孔加工工程が行われる。この場合、球殻部12は回転するため、球殻部12の回転軸に沿って流体通孔17を形成するのが好ましい。
【0018】
その後は従来例と同様に球外形の研磨加工、球殻部12のラップ加工、筒状部14の超仕上加工を行う。
【0019】
このように、まず冷間鍛造によりほぼ仕上に近い寸法の外径をもつ、例えば試験管形状の中空筒状体2を製作し、続けて転造を行い、ピストンの首部13を絞り球殻部12の形状を整える。そして、球殻部12に細穴の流体通孔17をあけてピストン形状ができあがる。後は球殻部12と筒状部14を研磨し、ラップ加工、超仕上げを行うことでピストンができあがる。図3(b)と図3(c)は本発明と従来例の球殻部と首部を比較したものである。金属組織は冷間鍛造や転造では図3(b)のように筒状部14、首部13および球殻部12の形状に沿って連続しているのに対して、従来例では図3(c)のように切削加工のため球殻部の形状に沿って連続していない。転造では切削加工による金属組織の切断がなく、金属組織が連続しているため強度が増し、ピストンの首部13の折れを起こしにくくできる。また加工中に球殻部12と筒状部14の軸ぶれが起きず、球殻部12内が空洞のため軽量化でき、さらに転造により筒状部14の円筒端部にスムースな曲面部15すなわちアールを付けることができる。
【0020】
したがって、冷間鍛造と転造という加工方法を連続して行うことで、製品の精度を向上でき、しかも製作コストも下げることが可能である。また切削加工を行わず品物に旋盤目が付いていないので、転造後の研磨加工を省いて、球殻部12のラップと超仕上げを行うことも可能となる。
【0021】
上記から球殻部12の穴明け加工までは従来よりも少ない工程で製造でき、流体通孔の穴明け加工も従来例では球殻部の直径分と首部の長さ分を切削する必要があるのに対して、本発明では中空であり球殻部の肉厚分でよいため簡単である。
【0022】
さらに従来例と比較すると、工程数が少なく人件費を削減できる。冷間鍛造は約5秒程度であり、大きさ寸法によらず加工時間はほとんど変化せず、転造は約2秒である。また工程数が減らせるので、加工時間を短縮でき生産能力が向上する。
【0023】
また材料ロスが少なく、切粉を出さず、材料費を削減でき、また消耗工具が少なく消耗工具費を削減できる。
【0024】
なお、転造加工の後工程で孔加工工程を行ってもよい。
【0025】
この発明の第2の実施の形態を図4により説明する。すなわち、第1の実施の形態において、図4(b)の中空筒状体2を形成する際、一端部3を筒状体2の外径よりも小さい径の球殻部に突出して形成されるようにしている。その後工程の転造等は第1の実施の形態と同様である。
【0026】
なお、この発明において、中空筒状体2および筒状部14は球殻部12と反対側の端部の径が次第に大きくなる、例えば円錐形等の錐形に形成してもよい。
【0027】
【発明の効果】
請求項1記載のピストンの製造方法によれば、従来一番コストのかかった切削加工をなくし、工程数を削減でき、加工にかかる手間と時間も大幅に削減できる。また材料ロスが少なく消耗工具も少なくできる。また転造では切削加工による金属組織の切断がなく、金属組織が連続しているため強度が増し、ピストンの首部の折れを起こしにくくできる。さらに転造により球殻部と筒部を同時に形成するのでピストンの軸のぶれをなくすことができる。
【0028】
請求項2記載のピストンの製造方法によれば、請求項1と同様な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のピストンの製造工程の断面図である。
【図2】(a)は実施の形態の冷間鍛造工程を示す説明図、(b)は転造工程を示す説明図である。
【図3】(a)は転造工程の正面図、(b)は転造された球部から首部の金属組織の模式図、(c)は従来の球部から首部の金属組織の模式図である。
【図4】第2の実施の形態のピストン形成体の冷間鍛造までの断面図である。
【図5】従来例の製造工程の断面図である。
【図6】油圧ピストンポンプの説明図である。
【符号の説明】
1 中実材料
2 中空筒状体
3 一端部
4 受型
11 ロール
12 球殻部
13 首部
14 筒状部
Claims (2)
- 空洞部を有する受型と前記空洞部に加圧進入する加圧型を用い、中実材料を前記受型の前記空洞部に入れ、前記加圧型で前記中実材料を加圧して塑性変形し、一端が半球状となった中空筒状体を形成する鍛造工程と、
球殻部形成凹部および筒部形成凹部を有するロールを用い、前記中空筒状体を支持体上に載せ、両側から前記ロールで前記中空筒状体を挟み、回転しながら挟圧力を加えて、前記球殻部形成凹部により球殻部を形成し、前記筒部形成凹部により筒状部を形成する転造工程とを含むピストンの製造方法。 - 前記ロールは、前記球殻部と前記筒状部との間に首部を形成する首部形成突部を有し、前記筒部形成凹部は前記筒状部の前記球殻部と反対の端部に曲面部を形成する請求項1記載のピストンの製造方法。
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