JP3815030B2 - 希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関に併設される燃料タンク等で発生する蒸発燃料を処理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される内燃機関では、燃料消費量の低減を図るべく、理論空燃比より高い空燃比(酸素過剰状態)の混合気を燃焼可能な希薄燃焼内燃機関の開発が進められている。このような希薄燃焼内燃機関としては、その噴孔が燃焼室内に臨むよう燃料噴射弁が取り付けられた筒内噴射式の内燃機関が知られている。
【0003】
筒内噴射式内燃機関は、吸気行程において燃焼室内に新気を導入し、続く圧縮行程において燃料噴射弁から燃料を噴射し、点火栓の近傍のみに可燃な混合気を形成する。つまり、燃焼室内の混合気は、点火栓近傍が可燃混合気層となり、それ以外の領域が空気層となる、いわゆる成層化状態となる。成層化された混合気は、点火栓近傍の可燃混合気層を着火源として燃焼される。
【0004】
このように、筒内噴射式内燃機関は、点火栓近傍のみに可燃混合気を形成すればよいので、燃焼室内全体の燃料濃度を希薄にすることができ、燃料消費量を大幅に低減することが可能となる。
【0005】
一方、内燃機関には、燃料タンク等で発生した蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置が併設されている。この蒸発燃料処理装置は、燃料タンクで発生した蒸発燃料を一旦貯留するチャコールキャニスタと、チャコールキャニスタ内に大気を導入する大気導入通路と、スロットル弁下流の吸気通路内で発生する吸気管負圧をチャコールキャニスタ内へ導入する負圧導入通路と、負圧導入通路内の流量を調節する流量制御弁とから構成される。
【0006】
流量制御弁が閉弁されている間は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料がチャコールキャニスタに内装される活性炭等の吸着剤に吸着される。そして、流量制御弁が開弁されると、吸気通路内で発生する吸気管負圧が負圧導入通路を介してチャコールキャニスタに印加され、大気導入通路からチャコールキャニスタ内に大気が吸い込まれるとともに、チャコールキャニスタ内の大気が負圧導入通路内に吸い込まれる。つまり、チャコールキャニスタを貫流する大気の流れが発生する。
【0007】
上記した大気の貫流により吸着剤に吸着された蒸発燃料が脱離され、大気とともに吸気通路へ導かれる。吸気通路へ導かれた蒸発燃料及び大気は、吸気通路上流からの新気と混ざり合いながら内燃機関の燃焼室へ導入され、燃料噴射弁から噴射される燃料とともに燃焼及び処理される。
【0008】
ところで、筒内噴射式の内燃機関では、ポンピング作用による駆動損失を低減すべく極低負荷運転時を除く大部分の運転領域においてスロットル弁を実質的に全開状態としているため、吸気管負圧が発生し難くい。この結果、チャコールキャニスタを貫流する大気の流れが形成され難く、チャコールキャニスタ内の蒸発燃料を吸気系へ導入及び処理することが困難となる。
【0009】
このような問題に対し、特開平5−71430号公報に記載された内燃機関の蒸発燃料処理装置が知られている。この内燃機関の蒸発燃料処理装置は、チャコールキャニスタの大気取入口と吸気管負圧取入口とをほぼ同一の静圧が発生する機関吸気通路内に開口せしめ、空気取入口の開口の向きを吸入空気流の上流方向に設定することにより、空気取入口に作用する吸入空気流の動圧と吸気負圧取入口に作用する静圧との圧力差を利用して蒸発燃料を機関吸気通路内へ導入させようとするものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スロットル弁が実質的に全開状態である場合は吸入空気流の静圧と動圧との圧力差が幅広い運転領域において略一定となるため、燃料タンク内の温度が上昇した場合のように蒸発燃料量が急激に増加した場合に、それらの蒸発燃料を吸気系へ導入することができず、蒸発燃料を処理しきれなくなる虞がある。
【0011】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、筒内噴射式の内燃機関のように大部分の運転領域でスロット弁が実質的に全開状態となる内燃機関において、蒸発燃料量が増加した場合でも効率的に蒸発燃料を処理することができる技術を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明にかかる希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置は、酸素過剰状態の混合気を燃焼可能な希薄燃焼内燃機関と、
前記希薄燃焼内燃機関に併設される燃料タンク内で発生する蒸発燃料を前記希薄燃焼内燃機関の吸気系へ導くパージ通路と、
前記吸気系へ導入すべき蒸発燃料量を調節する蒸発燃料量制御手段とを備える希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置であり、
前記燃料タンク及び前記希薄燃焼内燃機関の状態に基づいて前記吸気系へ導入すべき要求蒸発燃料量を算出する蒸発燃料量算出手段と、
前記パージ通路の上流と下流との圧力差を、前記要求蒸発燃料量に応じて変更する差圧変更手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
このように構成された蒸発燃料処理装置では、要求蒸発燃料量に応じてパージ通路の上流と下流との圧力差を変更するため、例えば、要求蒸発燃料量が多い場合はパージ通路の上流と下流との圧力差を大きくすることでパージ通路の流量が増加し、要求蒸発燃料量が確実にパージされる。
【0014】
また、差圧変更手段は、要求蒸発燃料量が所定量を越えたときに起動され、前記パージ通路の上流と下流との圧力差を変更するようにしてもよい。すなわち、蒸発燃料をパージする時点の圧力差で要求蒸発燃料量をパージ可能な場合は、パージ通路の上流と下流との圧力差を変更しないようにし、パージに起因した内燃機関の運転状態の変更を抑制するようにしてもよい。
【0015】
尚、パージ通路の上流と下流との圧力差を急激に変更すると、吸気系の圧力が急激に変動し、内燃機関の運転状態が急変する虞があるため、差圧変更手段は、運転状態に応じて圧力差の変更量を決定するようにしてもよい。
【0016】
また、差圧変更手段は、吸気系に設けられたスロットル弁の開度を調整して、パージ通路の上流と下流との圧力差を変更するようにしてもよい。これは、パージ通路の一端がスロットル弁下流の吸気系に接続されている場合等に、スロットル弁の開度が変更されると、スロットル弁下流の吸気系の圧力が変化し、その結果、パージ通路の上流と下流との圧力差が変化するという知見に基づくものである。
【0017】
さらに、内燃機関の吸気系に過給器が取り付けられている場合は、差圧変更手段は、過給器の運転状態を制御してパージ通路の上流と下流との圧力差を変更するようにしてもよい。例えば、過給器の運転状態を制御して過給圧を変更すると、吸気系の圧力も変化するので、積極的に過給圧を高く、あるいは低くすべく過給器の運転状態を制御することでパージ通路の上流と下流との圧力差を変更することが可能となる。
【0018】
その際、差圧変更手段は、スロットル弁と過給器の運転状態とを選択的に制御して、パージ通路の上流と下流との圧力差を変更するようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0020】
〈実施の形態1〉
図1は、希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置を適用する内燃機関の概略構成図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒2を備えるとともに、各気筒2内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁9を具備する4サイクルの筒内噴射式内燃機関である。
【0021】
前記内燃機関1は、複数の気筒2及び冷却水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1aとを備える。
【0022】
前記シリンダブロック1bには、機関出力軸であるクランクシャフト4が回転自在に支持され、このクランクシャフト4は、各気筒2内に摺動自在に装填されたピストン3と連結される。
【0023】
前記ピストン3の上方には、前記ピストン3の頂面と前記シリンダヘッド1aとに囲まれた燃焼室5が形成される。そして、前記シリンダヘッド1aには、燃焼室5に臨むよう点下栓6が取り付けられ、この点下栓6には、点下栓6に駆動電流を印加するためのイグナイタ6aが接続される。
【0024】
続いて、前記シリンダヘッド1aには、2つの吸気ポート7と2つの排気ポート8の開口端が前記燃焼室5に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が前記燃焼室5に臨むよう燃料噴射弁9が取り付けられる。
【0025】
前記吸排気ポート7、8の各開口端は、前記シリンダヘッド1aに進退自在に支持された吸気弁70及び排気弁80により閉閉され、これら吸気排気弁70、80は、前記シリンダヘッド1aに回転自在に支持されるインテーク側カム11及びエキゾースト側カム12により進退駆動される。
【0026】
前記インテーク側カムシャフト11及びエキゾースト側カムシャフト12は、図示しないタイミングベルトを介して前記クランクシャフト4と連結され、前記クランクシャフト4の回転力が前記タイミングベルトを介して前記インテーク側カムシャフト11及び前記エキゾースト側カムシャフト12へ伝達される。
【0027】
前記2つの吸気ポート7のうちの一方の吸気ポート7は、シリンダヘッド1a外壁に形成された開口端から燃焼室5に臨む開口端へ向かって直線状の流路を有するストレートポートで形成され、他方の吸気ポート7は、シリンダヘッド1a外壁の開口端から燃焼室5の開口端へ向かって旋回する流路を有するヘリカルポートで形成される。
【0028】
前記各吸気ポート7は、前記シリンダヘッド1aに取り付けられる吸気枝管16と連通する。その際、ストレートポートと連通する吸気枝管16には、吸気枝管16の流路を開閉するスワールコントロールバルブ10が設けられ、このスワールコントロールバルブ10には、ステップモータ等からなり、印加電流に応じて前記スワールコントロールバルブ10を開閉駆動するアクチュエータ10aが取り付けられる。
【0029】
前記吸気枝管16は、サージタンク17に接続され、このサージタンク17は、吸気管18を介してエアクリーナボックス19と接続される。前記サージタンク17には、サージタンク17内の圧力に対応した電気信号を出力するバキュームセンサ17aが取り付けられる。
【0030】
前記吸気管18には、前記吸気管18内の流量を調節するスロットル弁20が取り付けられる。このスロットル弁20は、ステップモータ等からなるアクチュエータ21と接続され、このアクチュエータ21により開閉駆動される。
【0031】
前記スロットル弁20には、スロットル弁20の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ20aが取り付けられる。
さらに、前記スロットル弁20には、アクセルペダル23に連動して回転するアクセルレバー(図示せず)が併設され、このアクセルレバーには、アクセルレバーの回転位置(アクセルペダル23の開度)に対応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ24が取り付けられる。
【0032】
前記スロットル弁20より上流の吸気管18には、吸気管18内を流れる新気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ22が取り付けられる。
【0033】
また、内燃機関1には、燃料タンク33と、この燃料タンク33内で発生した蒸発燃料を一旦吸着するためのチャコールキャニスタ31とが併設される。前記燃料タンク33と前記チャコールキャニスタ31とは、蒸発燃料通路32を介して接続される。この蒸発燃料通路32の途中には、燃料タンク33内の圧力に応じて蒸発燃料通路32内の流路を開閉するタンク内圧制御弁36が取り付けられる。
【0034】
前記タンク内圧制御弁36は、正圧弁と負圧弁とを組み合わせて構成され、蒸発燃料の増加により燃料タンク33内の圧力が高くなると前記正圧弁が開弁し、一方、燃料の減少により燃料タンク33内の圧力が低くなると前記負圧弁が開弁するよう構成される。
【0035】
前記チャコールキャニスタ31には、このチャコールキャニスタ31内に大気を導入するための大気導入通路35が接続され、この大気導入通路35は、前記エアフローメータ22と前記スロットル弁20との間に位置する吸気管18に接続される。
【0036】
さらに、前記チャコールキャニスタ31には、このチャコールキャニスタ31内に一旦吸着された蒸発燃料を排出するための蒸発燃料排出用通路30が接続され、この蒸発燃料排出用通路30は、前記スロットル弁20下流の吸気管18に接続される。蒸発燃料排出用通路30の途中には、蒸発燃料排出用通路30内の流量を調節する電磁弁34が取り付けられる。
【0037】
前記チャコールキャニスタ31を介して連通する大気導入通路35及び蒸発燃料排出用通路30は、本発明にかかるパージ通路を実現し(以下、チャコールキャニスタ31、大気導入通路35、及び蒸発燃料排出用通路30を総称してパージ通路46と記す)、前記蒸発燃料排出用通路30に取り付けられた電磁弁34は、本発明にかかる蒸発燃料量制御手段を実現する。
【0038】
一方、前記排気ポート8は、前記シリンダヘッド1aに取り付けられる排気枝管25と連通し、この排気枝管25は、第1の触媒26を介して排気管27に接続される。前記排気管27は、下流にて図示しないマフラと接続される。
【0039】
前記第1の触媒26より上流の排気枝管25には、排気枝管25内を流れる排気ガスの空燃比に対応した電気信号を出力する第1空燃比センサ29aが取り付けられる。
【0040】
前記排気管27の途中には、第2の触媒28が設けられ、この第2の触媒28より下流の排気管27には、前記第2の触媒28から流出した排気ガスの空燃比に対応した電気信号を出力する第2空燃比センサ29bが取り付けられる。
【0041】
前記第1の触媒26は、前記第2の触媒28より容量の小さい三元触媒からなり、前記第2の触媒28は、三元触媒や窒素酸化物吸蔵還元型触媒等から構成される。
【0042】
また、内燃機関1には、エンジンコントロール用の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)45が併設されており、このECU45には、前記バキュームセンサ17a、前記スロットルポジションセンサ20a、前記エアフローメータ22、前記アクセルポジションセンサ24、前記第1空燃比センサ29a、及び第2空燃比センサ29bに加え、前記クランクシャフト4の端部に取り付けられたタイミングロータ13aと前記シリンダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ13bとからなるクランクポジションセンサ13や、シリンダブロック1bの冷却水流路1c内を流れる冷却水の温度を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水温センサ14等の各種センサが電気配線を介して接続され、各センサの出力信号が前記ECU45に入力される。
【0043】
前記ECU45には、前記イグナイタ6a、前記燃料噴射弁9、前記アクチュエータ10a、前記アクチュエータ21、前記電磁弁34等が電気配線を介して接続される。前記ECU45は、前記各種センサからの出力信号をパラメータとして内燃機関1の運転状態、チャコールキャニスタ31の蒸発燃料吸着状態等を判別し、その判定結果に応じてイグナイタ6a、燃料噴射弁9、アクチュエータ10a及び21、電磁弁34等の各種制御を行う。
【0044】
ここで、ECU45は、図2に示すように、双方向性バス37により相互に接続された、CPU38とROM39とRAM40とバックアップRAM41と入力ポート42と出力ポート43とを備えるとともに、前記入力ポート42に接続されたA/Dコンバータ(A/D)44を備える。
【0045】
前記入力ポート42は、クランクポジションセンサ13とスロットルポジションセンサ20aとアクセルポジションセンサ24とからの信号を入力し、これらの信号をCPU38あるいはRAM40へ送信する。さらに、前記入力ポート42は、水温センサ14とバキュームセンサ17aとエアフローメータ22と第1及び第2空燃比センサ29a、29bとからの信号をA/Dコンバータ44を介して入力し、これらの信号をCPU38あるいはRAM40へ送信する。
【0046】
前記出力ポート43は、前記CPU38からの制御信号をイグナイタ6a、燃料噴射弁9、アクチュエータ10a及び21、電磁弁34等へ出力する。
前記ROM39は、燃料噴射量を決定するための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃料噴射時期制御ルーチン、点火時期を決定するための点火時期制御ルーチン、あるいは蒸発燃料ガスのパージを実行するためのパージ実行制御ルーチン等のアプリケーションプログラムと、各種の制御マップとを記憶する。
【0047】
前記制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と点火時期との関係を示す点火時期制御マップ、内燃機関1、燃料タンク33、あるいはチャコールキャニスタ31の状態とパージすべき蒸発燃料ガスの量(要求蒸発燃料ガス量)との関係を示す要求蒸発燃料ガス量制御マップ、あるいは要求蒸発燃料ガス量とその要求蒸発燃料ガス量をパージするために必要な電磁弁34の開度(要求デューティ比)との関係を示す要求デューティ比制御マップ等である。
【0048】
続いて、前記RAM40は、各センサからの出力信号やCPU38の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、例えば、クランクポジションセンサ13の出力信号より算出される機関回転数等である。そして、各センサからの出力信号やCPU38の演算結果等は、クランクポジションセンサ13が信号を出力する都度、最新のデータに書き換えられる。
【0049】
前記バックアップRAM41は、内燃機関1停止後もデータを保持する不揮発性のメモリである。
前記CPU38は、前記ROM39に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、各センサの出力信号より内燃機関1の運転状態やチャコールキャニスタ31の蒸発燃料吸着状態等を判定し、その判定結果と各制御マップとから燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、電磁弁34制御用のデューティ比等を算出する。そして、CPU38は、算出結果に基づいてイグナイタ6a、燃料噴射弁9、アクチュエータ10a及び21、電磁弁34等を制御する。
【0050】
例えば、CPU38は、各種センサの出力信号より内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にあると判定した場合は、成層燃焼を実現するために、アクチュエータ10aを制御してスワールコントロールバルブ10の開度を小さくし、アクチュエータ21を駆動してスロットル弁20を実質的に全開時と同様の吸気流量となる開度に制御し、さらに各気筒2の圧縮行程時に燃料噴射弁9に駆動電流を印加して圧縮行程噴射を行う。この場合、各気筒2の燃焼室5内には、点火栓6の近傍のみに可燃混合気層が形成されるとともに、その他の領域に空気層が形成され、成層燃焼が実現される。
【0051】
また、機関運転状態が中負荷運転領域にあると判定した場合は、CPU38は、リーン混合気による均質燃焼を実現すべく、アクチュエータ10aを制御してスワールコントロールバルブ10の開度を小さくし、さらに各気筒2の吸気行程時に燃料噴射弁9に駆動電流を印加して吸気行程噴射を行う。この場合、各気筒2の燃焼室5内の略全域にわたって、空気と燃料とが均質に混じり合ったリーン混合気が形成され、均質燃焼が実現される。
【0052】
機関運転状態が高負荷領域にあると判定した場合は、CPU38は、理論空燃比近傍の混合気による均質燃焼を実現すべく、アクチュエータ10aを制御してスワールコントロールバルブ10を全開状態とし、スロットル弁20がアクセルペダルの踏み込み量(アクセルポジションセンサ24の出力信号値)に対応した開度となるようアクチュエータ21を制御し、さらに各気筒2の吸気行程時に燃料噴射弁9に駆動電流を印加して吸気行程噴射を行う。この場合、各気筒2の燃焼室5内の略全域にわたって、空気と燃料とが均質に混じり合った理論空燃比の混合気が形成され、均質燃焼が実現される。
【0053】
尚、CPU38は、成層燃焼制御から均質燃焼制御へ移行する際、あるいは均質燃焼制御から成層燃焼制御へ移行する際に、トルク変動を防止すべく、各気筒2の圧縮行程時と吸気行程時の二回に分けて燃料噴射弁9に駆動電流を印加する。この場合、各気筒2の燃焼室5内には、点火栓6の近傍に可燃混合気層が形成されるとともに、その他の領域にリーン混合気層が形成され、いわゆる弱成層燃焼が実現される。
【0054】
次に、CPU38は、蒸発燃料ガスのパージを実行するにあたり、通常は電磁弁34を閉弁する。この場合、燃料タンク33内の蒸発燃料量が増加してタンク内圧力が所定値を越えると、タンク内圧制御弁36が開弁し、燃料タンク33内の蒸発燃料が蒸発燃料通路32を介してチャコールキャニスタ31内に導入され、チャコールキャニスタ31に内装された活性炭等の吸着剤に一旦吸着される。
【0055】
そして、CPU38は、所定時間毎に蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。このパージ実行条件としては、例えば、内燃機関1や第1及び第2の触媒26、28の暖機が完了している、燃料噴射弁9からの噴射量が所定量以上である、あるいは内燃機関1の始動後所定時間以上経過している等の条件を例示することができる。
【0056】
上記したようなパージ実行条件が成立していると判定した場合は、CPU38は、例えば、クランクポジションセンサ13の出力信号値、エアフローメータ22の出力信号値、第1あるいは第2空燃比センサ29a、29bの出力信号値(排気の空燃比)、燃料タンク33内の圧力、あるいはチャコールキャニスタ31内の燃料濃度等から、内燃機関1の状態(機関負荷、トルク変動、機関回転数)、蒸発燃料ガスの状態(パージ実行による排気空燃比の変動値から推定される燃料濃度)、燃料タンク33の状態(燃料タンク33内圧力から推定される蒸発燃料量)、あるいはチャコールキャニスタ31の状態(チャコールキャニスタ31内に吸着されている蒸発燃料量)等を判定する。
【0057】
そして、CPU38は、ROM39の要求蒸発燃料ガス量制御マップへアクセスし、内燃機関1、燃料タンク33、あるいはチャコールキャニスタ31の状態に対応する要求蒸発燃料ガス量を特定する。次いでCPU38は、ROM39の要求デューティ比制御マップへアクセスし、要求蒸発燃料ガス量に対応する要求デューティ比を特定する。
【0058】
要求デューティ比が特定されると、CPU38は、特定された要求デューティ比に対応する駆動パルス信号を電磁弁34に印加し、パージ通路46を導通状態とする。
【0059】
ここで、スロットル弁20上流の吸気管18内は大気圧となるが、スロットル弁20下流の吸気管18内では吸気管負圧が発生するため、パージ通路46の上流と下流とに圧力差が生じる。
【0060】
上記した圧力差により、スロットル弁20上流の吸気管18内を流れる大気の一部は、パージ通路46内に流れ込み、スロットル弁20下流の吸気管18内へ導かれる。つまり、パージ通路46では、チャコールキャニスタ31を貫流する大気の流れが生じる。
【0061】
この結果、チャコールキャニスタ31内の吸着剤に吸着していた蒸発燃料は、大気の流れを受けて吸着剤から脱離し、大気とともにスロットル弁20下流の吸気管18内へ導入される、いわゆるパージが実現される。吸気管18内へパージされた大気及び蒸発燃料(以下、蒸発燃料を含む大気を蒸発燃料ガスと称する)は、吸気管18内を流れる新気と混ざり合いながら燃焼室5内に導入され、燃料噴射弁9から噴射された燃料とともに燃焼及び処理される。
【0062】
ところで、電磁弁34が全開状態のときにチャコールキャニスタ31から吸気管18へパージ可能な蒸発燃料ガスの最大量(限界蒸発燃料ガス量)は、パージ通路46の上流と下流、すなわちスロットル弁20の上流と下流との圧力差に応じて変化するが、内燃機関1が成層燃焼運転状態にある場合は、スロットル弁20が実質的に全開状態を維持するよう制御されるため、スロットル弁20の上流と下流との圧力差が略一定となり、その結果、限界蒸発燃料ガス量も一定となる。
【0063】
このような場合に、要求蒸発燃料ガス量が限界蒸発燃料ガス量より多くなると、その要求蒸発燃料ガス量をパージすることができない。
そこで、本実施の形態では、成層燃焼運転時の一定の圧力差でパージ可能な限界蒸発燃料ガス量を予め実験等で求め、その限界蒸発燃料ガス量に対応する電磁弁34開度(この場合は、デューティ比=100%)を限界デューティ比としてROM39等に記憶しておく。そして、CPU38は、内燃機関1の成層燃焼運転時に、要求デューティ比が限界デューティ比以上になると、スロットル弁20の開度を閉方向に補正してスロットル弁20上流と下流との圧力差を増加させるようにした。
【0064】
但し、要求デューティ比が限界デューティ比以上であり且つ前回の要求デューティ比より小さい場合、つまり、既にスロットル弁20の開度を閉方向に補正済みであって、要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にある場合は、CPU38は、スロットル弁20の開度を開方向(すなわち、通常の開度へ戻す方向)に補正する。
【0065】
また、スロットル弁20の開度を補正する際、スロットル弁20の開度を急激に変化させると、蒸発燃料ガスのパージ量や吸入空気量が変化し、燃焼室5に供給される混合気の空燃比も変化するため、トルク変動や失火等を誘発する虞がある。
【0066】
これに対し、本実施の形態では、スロットル弁20の開度を所定量ずつ徐々に補正するようにした。前記所定量は、予め決定された固定値でもよく、あるいは機関回転数、燃焼状態、あるいは蒸発燃料ガス中の燃料濃度等に応じて変更される可変値でもよい。
【0067】
さらに、CPU38は、蒸発燃料ガスのパージ制御を実行する際、各気筒2内の燃焼を安定させることを目的として、成層燃焼制御を禁止し、均質燃焼制御を行うようにしてもよい。
【0068】
このように、CPU38は、ROM39のアプリケーションプログラムを実行することにより、本発明にかかる蒸発燃料量算出手段及び差圧変更手段を実現する。
【0069】
以下、本実施の形態の作用及び効果について述べる。
CPU38は、内燃機関1が成層燃焼運転状態にある場合に、図3に示すようなパージ実行制御ルーチンを所定時間毎(例えば、100ms毎)に実行する。このパージ実行制御ルーチンにおいて、CPU38は、先ずS301にて蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0070】
CPU38は、S301において蒸発燃料ガスのパージ実行条件が不成立であると判定した場合は、本ルーチンの実行を一旦終了し、一方、蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S302へ進む。
【0071】
S302において、CPU38は、各種センサの出力信号とROM39に記憶された制御マップとから要求蒸発燃料ガス量を特定し、次いで要求蒸発燃料ガス量に対応した要求デューティ比:dpgを算出する。この要求デューティ比は、RAM40の所定領域に記憶される。
【0072】
続いて、S303では、CPU38は、ROM39から限界デューティ比を読み出し、この限界デューティ比と前記S302で算出された要求デューティ比:dpgとを比較する。すなわち、CPU38は、要求デューティ比:dpgが限界デューティ比より大きいか否かを判別する。
【0073】
前記S303において要求デューティ比:dpgが限界デューティ比以下であると判定した場合は、CPU38は、本ルーチンの実行を一旦終了し、前記S302で算出した要求デューティ比:dpgに対応した駆動パルス信号を電磁弁34に印加する。
【0074】
一方、前記S303において要求デューティ比:dpgが限界デューティ比より大きいと判定した場合は、CPU38は、S304へ進み、RAM40の所定領域から前回の要求デューティ比:dpgoを読み出し、今回の要求デューティ比:dpgと前回の要求デューティ比:dpgoとを比較する。
【0075】
前記S304において今回の要求デューティ比:dpgと前回の要求デューティ比:dpgoとが等しいと判定した場合は、CPU38は、本ルーチンの実行を終了し、限界デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁34に印加する。
【0076】
また、前記S304において今回の要求デューティ比:dpgが前回の要求デューティ比:dpgoより大きいと判定した場合は、CPU38は、S305へ進み、スロットル弁20の開度を閉方向へ補正する。具体的には、CPU38は、その時点におけるスロットル開度:trtから所定量:k1を減算し、新たなスロットル開度:trtを算出する。
【0077】
前記所定値:k1は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S305の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、限界デューティ比に対応する駆動パルス信号を電磁弁34に印加するとともに、前記S305において算出されたスロットル開度:trtに対応する駆動電力をアクチュエータ21に印加する。
【0078】
この場合、スロットル弁20が所定量:k1だけ閉方向へ駆動されるため、スロットル弁20下流の吸気管18へ流れる吸気量が減少し、スロットル弁20下流の吸気管18内の吸気管圧力が低くなる(負圧度合いが高くなる)。この結果、パージ通路46の上流と下流との圧力差が大きくなり、パージ通路46内の流量が増加し、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0079】
前記S304において今回の要求デューティ比:dpgが前回の要求デューティ比:dpgoより小さいと判定した場合は、CPU38は、既にスロットル弁20の開度を閉方向に補正済みであり、且つ要求デューティ比が減少傾向にあるとみなし、S306へ進む。
【0080】
前記S306では、CPU38は、スロットル弁20の開度を開方向へ補正する。具体的には、CPU38は、その時点におけるスロットル開度:trtに所定量:k2を加算し、新たなスロットル開度:trtを算出する。
【0081】
前記所定値:k2は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S306の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、限界デューティ比に対応する駆動パルス信号を電磁弁34に印加するとともに、前記S306において算出されたスロットル開度:trtに対応する駆動電力をアクチュエータ21に印加する。
【0082】
この場合、スロットル弁20が所定量:k2だけ開方向へ駆動されるため、スロットル弁20下流の吸気管18へ流れる吸気量が増加し、スロットル弁20下流の吸気管18内の吸気管圧力が高くなる(負圧度合いが低くなる)。この結果、パージ通路46の上流と下流との圧力差が前回より小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0083】
以上述べた実施の形態によれば、スロットル弁20上流の吸気管18内圧力とスロットル弁20下流の吸気管18内圧力との差、言い換えればパージ通路46の上流と下流との圧力差でパージ可能な蒸発燃料ガス量(限界蒸発燃料ガス量)より多い蒸発燃料ガスのパージ要求が発生した場合に、スロットル弁20の開度を閉方向へ補正してパージ通路46の上流と下流との圧力差を増加させることができ、パージ可能な蒸発燃料ガス量を増加させることができる。この結果、要求蒸発燃料ガス量が限界蒸発燃料ガス量を上回った場合でも、要求蒸発燃料ガス量の蒸発燃料ガスを確実にパージさせることが可能となる。
【0084】
その際、要求蒸発燃料ガス量が限界蒸発燃料ガス量以下である限りは、スロットル弁20の開度を補正しないため、蒸発燃料ガスのパージによる機関運転状態の変化を抑制することができる。
【0085】
尚、スロットル弁20の開度を閉方向へ補正することでパージ通路46上流と下流との圧力差が大きくなり、パージ可能な蒸発燃料ガス量が増加するが、スロットル弁20の開度を過剰に補正すると、燃料消費率の悪化等を招くため、スロットル弁20開度の下限ガードを設けるようにしてもよい。その場合、CPU38は、例えば、図4に示すようなパージ実行制御ルーチンを実行する。
【0086】
図4に示すパージ実行制御ルーチンにおいて、S401〜S406の処理は、前述の図3のパージ実行制御ルーチンのS301〜S306の処理と同様である。そして、CPU38は、S407において、S405あるいはS406で補正されたスロットル弁20開度の下限ガード処理を実行し、スロットル弁20の過剰な補正を防止する。この場合、パージ通路46上流と下流との圧力差の過剰な増加が防止され、その結果、蒸発燃料ガスのパージ量の過剰な増加が抑制され、燃料消費率の悪化が防止される。
【0087】
また、スロットル弁20の過剰な補正を防止する方法として、下限値を設定し、補正後のスロットル弁20開度が下限値を下回った場合は、スロットル弁20の開度を下限値とすべく制御するようにしてもよい。
【0088】
さらに、本実施の形態では、電磁弁34の制御のみで要求蒸発燃料ガス量をパージ可能な限り、スロットル弁20の開度補正を行わない例について述べたが、電磁弁34の制御のみで要求蒸発燃料ガス量をパージ可能であるか否かに関わらず積極的にスロットル弁20の開度を補正して、蒸発燃料ガスのパージを短時間で終了させるようにしてもよい。
【0089】
〈実施の形態2〉
次に、本発明にかかる蒸発燃料処理装置の第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0090】
前述の第1の実施の形態では、要求デューティ比:dpgをパラメータとしてスロットル弁20の開度を補正する例について述べたが、本実施の形態ではスロットル弁20下流の吸気管18内圧力、いわゆる吸気管負圧:pmをパラメータとしてスロットル弁20の開度を補正する例について述べる。
【0091】
つまり、限界蒸発燃料ガス量は、スロットル弁20上流の吸気管18内圧力とスロットル弁20下流の吸気管18内圧力との圧力差により決定されるが、スロットル弁20上流の吸気管18内圧力が略一定の大気圧となるため、限界蒸発燃料ガス量は、スロットル弁20下流の吸気管18内圧力(吸気管負圧:pm)により決定されることになる。
【0092】
そこで、本実施の形態では、吸気管負圧:pmと限界蒸発燃料ガス量との関係、及び電磁弁34の開度(デューティ比)と蒸発燃料ガス量との関係を予め実験等で求め、これらの関係から吸気管負圧:pmと電磁弁34の開度(デューティ比)との関係を表す吸気管負圧制御マップを作成しておく。
【0093】
そして、CPU38は、蒸発燃料ガスのパージ制御を行う際に、前述の第1の実施の形態と同様の手順で電磁弁34の要求開度(要求デューティ比)を算出し、
次いでROM39の吸気管負圧制御マップへアクセスし、前記要求デューティ比に対応した吸気管負圧:pm(以下、この吸気管負圧:kpmを目標吸気管負圧:pmと称する)を算出する。
【0094】
続いて、CPU38は、要求デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁34に印加し、その後にバキュームセンサ17aの出力信号値(実際の吸気管負圧、以下、実吸気管負圧と称する):pmを入力する。そして、CPU38は、実吸気管負圧:pmと目標吸気管負圧:kpmとを比較する。
【0095】
その際、実吸気管負圧:pmが目標吸気管負圧:kpmより高い、すなわち実吸気管負圧:pmの負圧度合いが目標吸気管負圧:kpmの負圧度合いより低い場合は、CPU38は、実吸気管負圧の負圧度合いを高くする(実吸気管負圧を目標吸気管負圧:kpmと一致させる)べくスロットル弁20の開度を閉方向へ補正する。
【0096】
また、実吸気管負圧:pmの負圧度合いが目標吸気管負圧:kpmの負圧度合いより高い場合は、CPU38は、既にスロットル弁20が閉方向に補正済みであり、且つ要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にあるとみなし、実吸気管負圧の負圧度合いを低くする(実吸気管負圧を目標吸気管負圧:kpmと一致させる)べくスロットル弁20の開度を開方向へ補正する。
【0097】
尚、実吸気管負圧:pmと目標吸気管負圧:kpmとが等しい場合は、CPU38は、スロットル弁20の開度を補正しない。
その他の構成は、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0098】
以下、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
CPU38は、内燃機関1が成層燃焼運転状態にある場合に、図5に示すようなパージ実行制御ルーチンを所定時間毎(例えば、100ms毎)に実行する。このパージ実行制御ルーチンにおいて、CPU38は、先ずS501にて蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0099】
CPU38は、S501において蒸発燃料ガスのパージ実行条件が不成立であると判定した場合は、本ルーチンの実行を一旦終了し、一方、蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S502へ進む。
S502において、CPU38は、各種センサの出力信号とROM39に記憶された制御マップとから要求蒸発燃料ガス量を特定し、次いで要求蒸発燃料ガス量に対応した要求デューティ比:dpgを算出する。この要求デューティ比は、RAM40の所定領域に記憶される。
【0100】
続いて、S503では、CPU38は、ROM39の吸気管負圧制御マップへアクセスし、S502で算出された要求デューティ比:dpgに対応した目標吸気管負圧:kpmを算出する。
【0101】
S504では、CPU38は、S502で算出された要求デューティ比:dpgに対応する駆動パルス信号を電磁弁34に印加する。その後、CPU38は、S505へ進み、バキュームセンサ17aの出力信号値(実吸気管負圧:pm)を入力し、S506へ進む。
【0102】
S506では、CPU38は、S503で算出された目標吸気管負圧:kpmとS505で入力された実吸気管負圧:pmとを比較する。
前記S506において実吸気管負圧:pmと目標吸気管負圧:kpmとが等しいと判定した場合は、CPU38は、スロットル弁20の開度を補正せずに、本ルーチンの実行を終了する。
【0103】
前記S506において実吸気管負圧:pmが目標吸気管負圧:kpmより高いと判定した場合(実吸気管負圧:pmの負圧度合いが目標吸気管負圧:kpmより低いと判定した場合)は、CPU38は、S507へ進み、実吸気管負圧:pmを低めるべく(実吸気管負圧の負圧度合いを高めるべく)、スロットル弁20の開度を閉方向へ補正する。その際、CPU38は、その時点におけるスロットル開度:trtから所定量:k1を減算し、新たなスロットル開度:trtを算出する。
【0104】
前記所定値:k1は、予め求められた固定値でもよく、内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S507の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、前記S507で算出されたスロットル開度:trtに対応する駆動電力をアクチュエータ21に印加する。
【0105】
この場合、スロットル弁20が所定量:k1だけ閉方向へ駆動されるため、スロットル弁20下流の吸気管18へ流れる吸気量が減少し、スロットル弁20下流の吸気管18内の実吸気管負圧:pmが低くなる(負圧度合いが高くなる)。この結果、パージ通路46の上流と下流との圧力差が大きくなり、パージ通路46内の流量が増加し、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0106】
前記S506において実吸気管負圧:pmが目標吸気管負圧:kpmより低いと判定した場合(実吸気管負圧:pmの負圧度合いが目標吸気管負圧:kpmより高いと判定した場合)は、CPU38は、既にスロットル弁20の開度を閉方向に補正済みであり、且つ要求デューティ比が減少傾向にあるとみなし、S508へ進む。
【0107】
S508では、CPU38は、スロットル弁20の開度を開方向へ補正する。その際、CPU38は、その時点におけるスロットル開度:trtに所定量:k2を加算し、新たなスロットル開度:trtを算出する。
【0108】
前記所定値:k2は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S508の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、前記S508で算出されたスロットル弁20開度:trtに対応する駆動電力をアクチュエータ21に印加する。
【0109】
この場合、スロットル弁20が所定量:k2だけ開方向へ駆動されるため、スロットル弁20下流の吸気管18へ流れる吸気量が増加し、スロットル弁20下流の吸気管18内の実吸気管負圧:pmが高くなる(負圧度合いが低くなる)。この結果、パージ通路46の上流と下流との圧力差が前回より小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0110】
以上述べたように実施の形態によれば、前述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
尚、前述した第1及び第2の実施の形態では、スロットル弁20の開度を補正してパージ通路46上流と下流との圧力差を変更する例について述べたが、蒸発燃料排出用通路30をスワールコントロールバルブ10下流の吸気枝管16に接続し、スワールコントロールバルブ10の開度を補正することでパージ通路46の上流と下流との圧力差を変更するようにしてもよい。
【0111】
〈実施の形態3〉
以下、本発明にかかる蒸発燃料処理装置の第3の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0112】
図6は、本実施の形態にかかる蒸発燃料処理装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図であり、前述の第1の実施の形態にかかる内燃機関1と同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0113】
図6に示す内燃機関は、吸気系に過給器を備える希薄燃焼内燃機関1であり、過給器は、排気エネルギを利用して吸気を過給する遠心過給器54である。
前記遠心過給器54は、排気枝管25と排気管27との間に介在するタービンハウジング54bと、吸気管18の途中に取り付けられたコンプレッサハウジング54aとを連結するとともに、タービンハウジング54b内に回転自在に支持されるタービンホイール54dとコンプレッサハウジング54a内に回転自在に支持されるコンプレッサホイール54cとをロータシャフト54eを介して連結して構成される。
【0114】
このように構成された遠心過給器54では、タービンハウジング54b内に流入した排気がタービンホイール54dを回転させた後、タービンハウジング54bから排気管27へ流出する。一方、タービンホイール54dの回転力は、ロータシャフト54eを介してコンプレッサホイール54cに伝達され、コンプレッサホイール54cを回転させる。
【0115】
コンプレッサホイール54cが回転されると、このコンプレッサホイール54cに形成された複数のブレードにより、コンプレッサハウジング54a上流の新気がコンプレッサハウジング54a内に吸引され、コンプレッサハウジング54a下流へ圧送される。
【0116】
前記コンプレッサハウジング54aから送出された圧縮空気は、コンプレッサハウジング54a下流の吸気管18の途中に取り付けられたインタークーラ48により冷却されたのち、内燃機関1へ供給される。
【0117】
この結果、内燃機関1には、遠心過給器を備えていない内燃機関より多くの新気が供給されることになり、より多くの燃料を燃焼させて機関出力を増加させることが可能となる。
【0118】
一方、排気枝管25と排気管27とは、バイパス通路55を介して連通され、このバイパス通路55には、排気枝管25側の開口端を開閉するウェストゲートバルブ56が取り付けられる。
【0119】
前記ウェストゲートバルブ56は、ソレノイドスイッチや電気モータ等からなるアクチュエータ57と連結され、このアクチュエータ57により開閉駆動される。
【0120】
次に、チャコールキャニスタ31には、チャコールキャニスタ31内に大気を導入するための大気導入通路50と、チャコールキャニスタ31内の蒸発燃料を排出するための蒸発燃料排出用通路49とが接続される。
【0121】
前記大気導入通路50は、コンプレッサハウジング54a下流の吸気管18に接続され、前記蒸発燃料排出用通路49は、コンプレッサハウジング54aとエアフローメータ22との間の吸気管18に接続される。
【0122】
前記大気導入通路50の途中には、この大気導入通路50内の流量を調節する電磁弁52が取り付けられ、前記蒸発燃料排出用通路49の途中には、この蒸発燃料排出用通路49内の流量を調節する電磁弁53が接続される。
【0123】
前記電磁弁53は、前述の第1の実施の形態の電磁弁34と同様にデューティ制御されるものであり、印加される駆動パルス信号に応じて開度を調節することができる。
【0124】
ここで、チャコールキャニスタ31を介して連通する蒸発燃料排出用通路49と大気導入通路50は、本発明にかかるパージ通路を実現する(以下、チャコールキャニスタ31、蒸発燃料排出用通路49、及び大気導入通路50を総称してパージ通路51と記す)。
【0125】
次に、スロットル弁20下流の吸気管18には、吸気管18内の圧縮空気の圧力、いわゆる過給圧に応じた電気信号を出力する圧力センサ47が取り付けられる。この圧力センサ47と前述した電磁弁52、53及びアクチュエータ57は、図7に示すように、電気配線を介してECU45と接続される。
【0126】
そして、ECU45のCPU38は、圧力センサ47の出力信号値(過給圧)を監視し、過給圧が所定値に達すると、アクチュエータ57に駆動電流を印加してウェストゲートバルブ56を開弁させる。
【0127】
この場合、排気枝管25を流れる排気の一部がタービンハウジング54bをバイパスして排気管27へ流れるため、タービンハウジング54b内へ流入する排気量が減少し、タービンホイール54d及びコンプレッサホイール54cの過剰な回転上昇が防止され、過給圧が所定値に保たれ、その結果、内燃機関1に吸入される新気の過剰な増加が防止される。
【0128】
また、CPU38は、蒸発燃料ガスをパージするにあたり、通常は電磁弁52及び53を閉弁するよう制御する。続いて、CPU38は、所定時間毎に蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0129】
パージ実行条件が成立していると判定した場合は、CPU38は、内燃機関1の運転状態や、燃料タンク33の状態、あるいはチャコールキャニスタ31の状態等を判定する。
【0130】
そして、CPU38は、ROM39の要求蒸発燃料ガス量制御マップへアクセスし、内燃機関1、燃料タンク33、あるいはチャコールキャニスタ31の状態に対応する要求蒸発燃料ガス量を特定する。
【0131】
ここで、ROM39には、電磁弁53の開度に対応するデューティ比と要求蒸発燃料ガス量との関係を示すマップが記憶されており、CPU38はこのマップにアクセスして要求蒸発燃料ガス量に対応するデューティ比(以下、要求デューティ比と記す)を特定する。
【0132】
要求デューティ比が特定されると、CPU38は、電磁弁52を開弁し、特定された要求デューティ比に対応する駆動パルス信号を電磁弁53に印加してパージ通路51を導通状態とする。
【0133】
ここで、コンプレッサハウジング54a上流の吸気管18内は略大気圧となり、コンプレッサハウジング54a下流の吸気管18内は圧縮された新気により大気圧より高い圧力となるため、パージ通路51の上流と下流とで圧力差が生じることになる。
【0134】
このため、コンプレッサハウジング54a下流の吸気管18内を流れる圧縮空気の一部がパージ通路51へ流れ込み、コンプレッサハウジング54a上流の吸気管18内へ導かれる。つまり、パージ通路51では、チャコールキャニスタ31を貫流する大気の流れが生じることになる。
【0135】
この結果、チャコールキャニスタ31内の吸着剤に吸着していた蒸発燃料は、大気の流れを受けて吸着剤から脱離し、大気とともにコンプレッサハウジング54a上流の吸気管18内へ導入される。
【0136】
ところで、ウェストゲートバルブ56の開弁により過給圧が所定値に保たれていてもスロットル弁20の開度が変化すると、スロットル弁20上流の吸気管18内圧力(パージ通路51上流の圧力)とスロットル弁20下流の吸気管18内圧力(過給圧)とが変化するが、内燃機関1が成層燃焼運転状態にある場合はスロットル弁20が略一定開度(実質的に全開状態)を保つため、スロットル弁20上流の吸気管18内圧力(パージ通路51上流の圧力)とスロットル弁20下流の吸気管18内圧力(過給圧)とが略一定となり、その結果、パージ通路51上流と下流との圧力差が一定となる。
【0137】
そして、電磁弁53が全開状態のときにチャコールキャニスタ31から吸気管18へパージ可能な蒸発燃料ガスの最大量(限界蒸発燃料ガス量)は、パージ通路51の上流と下流との圧力差に応じて変化するが、上記したように圧力差が一定の場合は限界蒸発燃料ガス量が一定となり、この限界蒸発燃料ガス量より多い要求蒸発燃料ガス量をパージすることができない。
【0138】
そこで、本実施の形態では、内燃機関1が成層燃焼運転状態にあり、ウェストゲートバルブ56の開弁により過給圧が所定値に保たれているときの限界蒸発燃料ガス量を予め実験等で求め、その限界蒸発燃料ガス量に対応する電磁弁53の開度(この場合は、デューティ比=100%)を限界デューティ比としてROM39等に記憶しておく。そして、CPU38は、過給圧が所定値であるときに要求デューティ比が限界デューティ比を越えると、ウェストゲートバルブ56の開度を閉方向へ補正して過給圧を高め、パージ通路51の上流と下流の圧力差を増加させるようにした。
【0139】
但し、要求デューティ比が限界デューティ比以上であり且つ前回の要求デューティ比より小さい場合、つまり、既にウェストゲートバルブ56の開度を閉方向へ補正済みであって、要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にある場合は、CPU38は、ウェストゲートバルブ56の開度を開方向(すなわち、通常の開度へ戻す方向)に補正する。
【0140】
このように、CPU38は、遠心過給器54の運転状態を制御することで本発明にかかる差圧変更手段を実現する。
以下、本実施の形態の作用及び効果について述べる。
【0141】
CPU38は、内燃機関1の成層燃焼運転時に、図8に示すようなパージ実行制御ルーチンを所定時間毎(例えば、100ms毎)に実行する。このパージ実行制御ルーチンにおいて、CPU38は、先ずS801にて蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0142】
CPU38は、S801において蒸発燃料ガスのパージ実行条件が不成立であると判定した場合は、本ルーチンの実行を一旦終了し、一方、蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S802へ進む。
【0143】
S802において、CPU38は、各種センサの出力信号とROM39に記憶された制御マップとから要求蒸発燃料ガス量を特定し、次いで要求蒸発燃料ガス量に対応した要求デューティ比:dpgを算出する。この要求デューティ比は、RAM40の所定領域に記憶される。
【0144】
続いて、S803では、CPU38は、ROM39から限界デューティ比を読み出し、前記S802で算出された要求デューティ比:dpgが限界デューティ比より大きいか否かを判別する。
【0145】
前記S803において要求デューティ比:dpgが限界デューティ比以下であると判定した場合は、CPU38は、本ルーチンの実行を一旦終了し、前記S802で算出した要求デューティ比:dpgに対応した駆動パルス信号を電磁弁53に印加する。
【0146】
一方、前記S803において要求デューティ比:dpgが限界デューティ比より大きいと判定した場合は、CPU38は、S804へ進み、RAM40の所定領域から前回の要求デューティ比:dpgoを読み出し、今回の要求デューティ比:dpgと前回の要求デューティ比:dpgoとを比較する。
【0147】
前記S804において今回の要求デューティ比:dpgと前回の要求デューティ比:dpgoとが等しいと判定した場合は、CPU38は、本ルーチンの実行を終了し、限界デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁53に印加する。
【0148】
また、前記S804において今回の要求デューティ比:dpgが前回の要求デューティ比:dpgoより大きいと判定した場合は、CPU38は、要求蒸発燃料ガス量が増加傾向にあるとみなし、S805へ進む。
【0149】
S805では、CPU38は、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbから所定量:k1を減算し、新たなウェストゲートバルブ56開度:dtbを算出する。
【0150】
前記所定値:k1は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S805の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、限界デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁53に印加するとともに、前記S805において算出されたウェストゲートバルブ56開度:dptに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加する。
【0151】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k1だけ閉方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が減少し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が増加する。これにより、タービンホイール54dの回転数が上昇するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も上昇し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が高まり、その結果、過給圧が上昇する。
【0152】
このように過給圧が高められると、パージ通路51の上流と下流との圧力差が大きくなり、限界蒸発燃料ガス量が増加するため、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0153】
一方、前記S804において今回の要求デューティ比:dpgが前回の要求デューティ比:dpgoより小さいと判定した場合は、CPU38は、既にウェストゲートバルブ56開度を閉方向に補正済みであり、且つ要求デューティ比が減少傾向にあるとみなし、S806へ進む。
【0154】
前記S806では、CPU38は、その時点におけるウェストゲートバルブ56開度:dptに所定量:k2を加算し、新たなウェストゲートバルブ56開度:dptを算出する。
【0155】
前記所定値:k2は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S806の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、限界デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁53に印加するとともに、前記S806において算出されたウェストゲートバルブ56開度:dptに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加する。
【0156】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k2だけ開方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が増加し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が減少する。これにより、タービンホイール54dの回転数が低下するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も低下し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が低下し、その結果、過給圧が低下する。
【0157】
このように過給圧が低下すると、パージ通路51の上流と下流との圧力差が前回より小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0158】
以上述べた実施の形態によれば、ウェストゲートバルブ56の開度を制御することにより、タービンハウジング54b上流の吸気管18内圧力とタービンハウジング54b下流の吸気管18内圧力との差、言い換えればパージ通路51の上流と下流との圧力差を要求蒸発燃料ガス量に応じて変更することができ、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0159】
その際、要求蒸発燃料ガス量が限界蒸発燃料ガス量以下である限りは、ウェストゲートバルブ56の開度を補正しないため、蒸発燃料ガスのパージによる機関運転状態の変化を抑制することができる。
【0160】
〈実施の形態4〉
本発明にかかる蒸発燃料処理装置の第4の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここでは、前述の第3の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0161】
前述の第3の実施の形態では、要求デューティ比:dpgをパラメータとしてウェストゲートバルブ56の開度を補正する例について述べたが、本実施の形態ではスロットル弁20下流の吸気管18内圧力、いわゆる過給圧をパラメータとしてウェストゲートバルブ56の開度を補正する例について述べる。
【0162】
この場合、スロットル弁20が実質的に全開状態を保持しているときの過給圧と限界蒸発燃料ガス量との関係、及び電磁弁53の開度(デューティ比)と蒸発燃料ガス量との関係を予め実験等で求め、これらの関係から過給圧と電磁弁53との開度(デューティ比)との関係を表す過給圧制御マップを作成し、この過給圧制御マップをROM39に記憶しておく。
【0163】
そして、CPU38は、蒸発燃料ガスのパージ制御を行う際に、前述の第3の実施の形態と同様の手順で電磁弁53の要求開度(要求デューティ比)を算出し、
次いで過給圧制御マップから前記要求デューティ比に対応した過給圧(以下、この過給圧を目標過給圧:kvpと称する)を読み出す。
【0164】
続いて、CPU38は、要求デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁53に印加し、その後に圧力センサ47の出力信号値(実過給圧:vp)を入力する。そして、CPU38は、実過給圧:vpと目標過給圧:kvpとを比較する。
【0165】
その際、実過給圧:vpが目標過給圧:kvpより低ければ、CPU38は、実際の過給圧を目標過給圧:kvpまで高めるべくウェストゲートバルブ56の開度を閉方向へ補正する。
【0166】
また、実過給圧:vpが目標過給圧:kvpより高ければ、CPU38は、既にウェストゲートバルブ56が閉方向に補正済みであり、且つ要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にあるとみなし、ウェストゲートバルブ56の開度を開方向へ補正する。
【0167】
尚、実過給圧:vpと目標過給圧:kvpとが等しい場合は、CPU38は、ウェストゲートバルブ56の開度を補正しない。
その他の構成は、前述の第3の実施の形態と同様である。
【0168】
以下、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
CPU38は、内燃機関1が成層燃焼運転状態にある場合に、図9に示すようなパージ実行制御ルーチンを所定時間毎(例えば、100ms毎)に実行する。このパージ実行制御ルーチンにおいて、CPU38は、先ずS901にて蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0169】
CPU38は、S901において蒸発燃料ガスのパージ実行条件が不成立であると判定した場合は、本ルーチンの実行を一旦終了し、一方、蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S902へ進む。
【0170】
S902において、CPU38は、各種センサの出力信号とROM39に記憶された制御マップとから要求蒸発燃料ガス量を特定し、次いで要求蒸発燃料ガス量に対応した要求デューティ比:dpgを算出する。この要求デューティ比は、RAM40の所定領域に記憶される。
【0171】
続いて、CPU38は、S903へ進み、ROM39の過給圧制御マップへアクセスし、S902で算出された要求デューティ比:dpgに対応した目標過給圧:kvpを算出する。
【0172】
S904では、CPU38は、S902で算出された要求デューティ比:dpgに対応する駆動パルス信号を電磁弁53に印加する。その後、CPU38は、S905へ進み、圧力センサ47の出力信号値(実過給圧:vp)を入力し、S906へ進む。
【0173】
S906では、CPU38は、S903で算出された目標過給圧:kvpとS905で入力された実過給圧:vpとを比較する。
前記S906において実過給圧:vpと目標過給圧:kvpとが等しいと判定した場合は、CPU38は、ウェストゲートバルブ56の開度を補正せずに、本ルーチンの実行を終了する。
【0174】
前記S906において実過給圧:vpが目標過給圧:kvpより低いと判定した場合は、CPU38は、要求蒸発燃料ガス量が増加傾向にあるとみなし、S907へ進む。
【0175】
S907では、CPU38は、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbから所定量:k1を減算し、新たなウェストゲートバルブ56開度:dtbを算出する。
【0176】
前記S907の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、前記S907で算出されたウェストゲートバルブ56開度:dptに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加する。
【0177】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k1だけ閉方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55)が減少し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が増加する。これにより、タービンホイール54dの回転数が上昇するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も上昇し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が高まり、その結果、過給圧が上昇する。
【0178】
このように過給圧が高められると、パージ通路51の上流と下流との圧力差が大きくなり、限界蒸発燃料ガス量が増加するため、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0179】
一方、前記S906において実過給圧:vpが目標過給圧:kvpより高いと判定した場合は、CPU38は、既にウェストゲートバルブ56の開度を閉方向に補正済みであり、且つ要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にあるとみなし、S908へ進む。
【0180】
前記S908では、CPU38は、その時点におけるウェストゲートバルブ56開度:dptに所定量:k2を加算し、新たなウェストゲートバルブ56開度:dptを算出する。
【0181】
前記S908の処理を実行し終えたCPU38は、本ルーチンの実行を終了し、前記S908で算出されたウェストゲートバルブ56開度:dtpに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加する。
【0182】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k2だけ開方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が増加し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が減少する。これにより、タービンホイール54dの回転数が低下するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も低下し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が低下し、その結果、過給圧が低下する。
【0183】
このように過給圧が低下すると、パージ通路51の上流と下流との圧力差が前回よりも小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0184】
以上述べたように実施の形態によれば、前述の第3の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
〈実施の形態5〉
本発明にかかる蒸発燃料処理装置の第5の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここでは、前述の第3の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0185】
図10は、本実施の形態にかかる蒸発燃料処理装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。同図に示すように、チャコールキャニスタ31に大気を導入するための大気導入通路58は、コンプレッサハウジング54a上流の吸気管18に接続され、チャコールキャニスタ31から蒸発燃料ガスを排出するための蒸発燃料排出用通路59は、スロットル弁20下流の吸気管18に接続される。そして、前記蒸発燃料排出用通路59の途中には、デューティ制御される電磁弁61が設けられる。
【0186】
前記したチャコールキャニスタ31、大気導入通路58、及び蒸発燃料排出用通路59は、本発明にかかるパージ通路を実現する(以下、チャコールキャニスタ31、大気導入通路58、及び蒸発燃料排出用通路59を総称してパージ通路60と記す)。
【0187】
この場合、CPU38は、チャコールキャニスタ31内に吸着された蒸発燃料をパージする際、内燃機関1の運転状態、燃料タンク33の状態、チャコールキャニスタ31の状態等から要求蒸発燃料ガス量を算出し、次いで要求蒸発燃料ガス量に対応する電磁弁61の開度(要求デューティ比)を算出する。
【0188】
続いて、CPU38は、電磁弁61に要求デューティ比に対応する駆動パルス信号を印加してパージ通路60を導通状態にする。
この場合、スロットル弁20上流の吸気管18内が大気圧となり、スロットル弁20下流の吸気管18内で吸気管負圧が発生するため、パージ通路60の上流と下流とで圧力差が生じる。この圧力差により、スロットル弁20上流の吸気管18内を流れる大気の一部がパージ通路60内に流れ込み、スロットル弁20下流の吸気管18内へ導かれる。つまり、パージ通路60では、チャコールキャニスタ31を貫流する大気の流れが生じる。
【0189】
この結果、チャコールキャニスタ31内の吸着剤に吸着していた蒸発燃料は、大気の流れを受けて吸着剤から脱離し、大気とともにスロットル弁20下流の吸気管18内へ導入される。
【0190】
ところで、電磁弁61が全開状態のときにチャコールキャニスタ31から吸気管18へパージ可能な蒸発燃料ガスの最大量(限界蒸発燃料ガス量)は、パージ通路60の上流と下流、すなわち大気圧と吸気管負圧との圧力差に応じて変化するが、内燃機関1が成層燃焼運転状態にある場合は、スロットル弁20が実質的に全開状態を維持するよう制御されるため、コンプレッサハウジング54aで圧縮された空気がスロットル弁20下流に流れ込むと、吸気管負圧と大気圧との差が小さくなり、限界蒸発燃料ガス量が少なくなる。
【0191】
そこで、本実施の形態では、成層燃焼運転時における吸気管負圧(過給圧)と限界蒸発燃料ガス量との関係を示すマップを予めROM39に記憶しておく。
そして、CPU38は、内燃機関1の成層燃焼運転時に、吸気管負圧(過給圧)を検出し、その検出値とROM39のマップとから限界蒸発燃料ガス量を算出する。続いて、CPU38は、要求蒸発燃料ガス量が限界蒸発燃料ガス量より多いか否かを判別し、要求蒸発燃料ガス量が限界蒸発燃料ガス量より多いと判定した場合に、ウェストゲートバルブ56の開度を開方向へ補正して過給圧を低下させ、スロットル弁20下流の吸気管負圧と大気圧との差を増加させる。
【0192】
このようにCPU38は、遠心過給器54の運転状態を制御することで本発明にかかる差圧変更手段を実現する。
以下、本実施の形態の作用及び効果について述べる。
【0193】
CPU38は、内燃機関1の成層燃焼運転時に、図11に示すようなパージ実行制御ルーチンを所定時間毎(例えば、100ms毎)に実行する。このパージ実行制御ルーチンにおいて、CPU38は、先ずS1101にて蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0194】
CPU38は、S1101において蒸発燃料ガスのパージ実行条件が不成立であると判定した場合は、本ルーチンの実行を一旦終了し、一方、蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S1102へ進む。
【0195】
S1102において、CPU38は、各種センサの出力信号とROM39に記憶された制御マップとから要求蒸発燃料ガス量:rpgを算出し、RAM40の所定領域に記憶する。
【0196】
S1103では、CPU38は、圧力センサ47の出力信号値(過給圧):vpを入力し、次いでS1104において過給圧:vpと大気圧との圧力差を算出し、その圧力差によりパージ可能な限界蒸発燃料ガス量:lpgを算出する。
【0197】
続いて、CPU38は、S1105へ進み、S1102で算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgがS1104で算出された限界蒸発燃料ガス量:lpgより多いか否かを判別する。
【0198】
前記S1105において要求蒸発燃料ガス量:rpgが限界蒸発燃料ガス量:lpg以下であると判定した場合は、CPU38は、S1110へ進み、要求蒸発燃料ガス量に対応する電磁弁61開度(要求デューティ比):dpgを算出する。そして、CPU38は、本ルーチンの実行を一旦終了し、S1110で算出された要求デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0199】
一方、前記S1105において要求蒸発燃料ガス量:rpgが限界蒸発燃料ガス量:lpgより多いと判定した場合は、CPU38は、S1106へ進み、RAM40から前回算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgoを読み出し、この要求蒸発燃料ガス量:rpgoと今回算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgとを比較する。
【0200】
前記S1106において前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoと今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgとが等しいと判定した場合は、CPU38は、S1109へ進み、電磁弁61開度を全開(dpg=100%)に設定する。そして、CPU38は、本ルーチンの実行を一旦終了し、100%のデューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0201】
また、前記S1106において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgが前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoより多いと判定した場合は、CPU38は、S1107へ進み、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbに所定値:k1を加算して新たなウェストゲートバルブ56開度:dtbを算出する。
【0202】
続いてCPU38は、S1109へ進み、電磁弁61の開度:dpgを全開(=100%)に設定し、本ルーチンの実行を終了する。そして、CPU38は、S1107で算出されたウェストゲートバルブ56開度:dtbに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加するとともに、S1109で設定された電磁弁61開度:dpg(=100%)に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0203】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k1だけ開方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が増加し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が減少する。これにより、タービンホイール54dの回転数が低下するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も低下し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が低下し、その結果、過給圧が低下する。
【0204】
このように過給圧が低下すると、スロットル弁20下流の吸気管18内の負圧度合いが大きくなり、スロットル弁20下流の吸気管18内の圧力とコンプレッサハウジング54a上流の吸気管18内の圧力との差、言い換えればパージ通路60の上流と下流との圧力差が大きくなるので、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0205】
また、前記S1106において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgが前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoより少ないと判定した場合は、CPU38は、既にウェストゲートバルブ56が開方向へ補正済みであり、且つ要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にあるとみなし、S1108へ進む。
【0206】
S1108では、CPU38は、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbから所定値:k2を減算して新たなウェストゲートバルブ56開度:dtbを算出する。
【0207】
続いて、CPU38は、S1109へ進み、電磁弁61の開度:dpgを全開(=100%)に設定し、本ルーチンの実行を終了する。そして、CPU38は、S1108で算出されたウェストゲートバルブ56開度:dtbに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加するとともに、S1109で設定された電磁弁61開度:dpg(=100%)に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0208】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k2だけ閉方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が減少し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が増加する。これにより、タービンホイール54dの回転数が上昇するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も上昇し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が高まり、その結果、過給圧が上昇する。
【0209】
このように過給圧が高められると、スロットル弁20下流の吸気管18内の負圧度合いが低下し、パージ通路60の上流と下流との圧力差が前回より小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0210】
以上述べた実施の形態によれば、過給圧を積極的に低下させることでパージ通路60上流と下流との圧力差を増加させることができ、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0211】
〈実施の形態6〉
本発明にかかる蒸発燃料処理装置の第6の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここでは、前述の第5の実施の形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0212】
前述の第5の実施の形態では、ウェストゲートバルブ56を制御することでパージ通路60の上流と下流との圧力差を変更する例について述べたが、本実施の形態では、ウェストゲートバルブ56とスロットル弁20とを選択的に制御することでパージ通路60の上流と下流との圧力差を変更する例について述べる。
【0213】
ウェストゲートバルブ56とスロットル弁20とを選択的に制御する方法としては、(1)要求蒸発燃料ガス量が所定量以下の場合はウェストゲートバルブ56の制御のみで圧力差を変更し、要求蒸発燃料ガス量が所定量を越えた場合(ウェストゲートバルブ56の制御のみでは所望の圧力差を得ることができなくなった場合)にウェストゲートバルブ56とともにスロットル弁20も制御して圧力差を変更する方法、(2)要求蒸発燃料ガス量が所定量以下の場合はスロットル弁20の制御のみで圧力差を変更し、要求蒸発燃料ガス量が所定量を越えた場合(スロットル弁20の制御のみでは所望の圧力差を得ることができなくなった場合)にスロットル弁20とともにウェストゲートバルブ56も制御して圧力差を変更する方法、(3)内燃機関1の運転状態に応じてウェストゲートバルブ56とスロットル弁20との少なくとも一方を選択して制御することで圧力差を変更する方法等を例示することができる。
【0214】
ここでは上記(2)の方法を例に挙げて説明する。この場合、成層燃焼運転時における吸気管負圧(過給圧)と限界蒸発燃料ガス量(以下、この限界蒸発燃料ガス量を第1の限界蒸発燃料ガス量と記す)との関係、及び、ウェストゲートバルブ56の開度と吸気管負圧(過給圧)とウェストゲートバルブ56を全開状態にしたときの限界蒸発燃料ガス量(以下、この限界蒸発燃料ガス量を第2の限界蒸発燃料ガス量と記す)との関係を示すマップをROM39に記憶しておく。
【0215】
そして、CPU38は、内燃機関1の成層燃焼時に、圧力センサ47の出力信号値とROM39のマップとから第1の限界蒸発燃料ガス量を算出し、要求蒸発燃料ガス量が第1の限界蒸発燃料ガス量より多いか否かを判別する。
【0216】
要求蒸発燃料ガス量が第1の限界蒸発燃料ガス量より多いと判定した場合は、CPU38は、ウェストゲートバルブ56の開度を検出し、この検出値と吸気管負圧(過給圧)とROM39のマップとから第2の限界蒸発燃料ガス量を算出する。
【0217】
続いて、CPU38は、要求蒸発燃料ガス量が第2の限界蒸発燃料ガス量以下であるか否かを判別する。要求蒸発燃料ガス量が第2の限界蒸発燃料ガス量以下であると判定した場合は、CPU38は、ウェストゲートバルブ56の制御のみで要求蒸発燃料ガス量のパージが可能であるとみなし、ウェストゲートバルブ56の開度を補正してパージ通路60の上流と下流との圧力差を増加させる。
一方、要求蒸発燃料ガス量が第2の限界蒸発燃料ガス量より多いと判定した場合は、CPU38は、ウェストゲートバルブ56の制御のみでは要求蒸発燃料ガス量のパージが不可能であるとみなし、ウェストゲートバルブ56の開度とともにスロットル弁20の開度も補正してパージ通路60の上流と下流との圧力差を更に増加させる。
【0218】
このようにCPU38は、ウェストゲートバルブ56とスロットル弁20とを選択的に制御することで本発明にかかる差圧変更手段を実現する。
以下、本実施の形態の作用及び効果について述べる。
【0219】
CPU38は、内燃機関1の成層燃焼運転時に、図12に示すようなパージ実行制御ルーチンを所定時間毎(例えば、100ms毎)に実行する。このパージ実行制御ルーチンにおいて、CPU38は、先ずS1201にて蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0220】
CPU38は、S1201において蒸発燃料ガスのパージ実行条件が不成立であると判定した場合は、本ルーチンの実行を一旦終了し、一方、蒸発燃料ガスのパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S1202へ進む。
【0221】
S1202において、CPU38は、各種センサの出力信号とROM39に記憶された制御マップとから要求蒸発燃料ガス量:rpgを算出し、RAM40の所定領域に記憶する。
【0222】
S1203では、CPU38は、圧力センサ47の出力信号値(過給圧):vpを入力し、次いでS1204において過給圧:vpとROM39のマップとから第1の限界蒸発燃料ガス量:lpg1を算出する。
【0223】
続いて、CPU38は、S1205へ進み、S1202で算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgがS1204で算出された第1の限界蒸発燃料ガス量:lpg1より多いか否かを判別する。
【0224】
前記S1205において要求蒸発燃料ガス量:rpgが第1の限界蒸発燃料ガス量:lpg1以下であると判定した場合は、CPU38は、S1212へ進み、要求蒸発燃料ガス量に対応する電磁弁61開度(要求デューティ比):dpgを算出する。そして、CPU38は、本ルーチンの実行を終了し、S1210で算出された要求デューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0225】
一方、前記S1205において要求蒸発燃料ガス量:rpgが第1の限界蒸発燃料ガス量:lpg1より多いと判定した場合は、CPU38は、S1206へ進み、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbと過給圧:vpとROM39のマップとから第2の限界蒸発燃料ガス量:lpg2を算出する。
【0226】
続いて、CPU38は、S1207へ進み、S1202で算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgが前記第2の限界蒸発燃料ガス量:lpg2より多いか否かを判別する。
【0227】
前記S1207において要求蒸発燃料ガス量:rpgが第2の限界蒸発燃料ガス量:lpg2以下であると判定した場合は、CPU38は、S1208へ進み、RAM40から前回算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgoを読み出し、この要求蒸発燃料ガス量:rpgoと今回算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgとを比較する。
【0228】
前記S1208において前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoと今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgとが等しいと判定した場合は、CPU38は、S1211へ進み、電磁弁61開度を全開(dpg=100%)に設定する。そして、CPU38は、本ルーチンの実行を一旦終了し、100%のデューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0229】
また、前記S1208において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgが前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoより多いと判定した場合は、CPU38は、S1209へ進み、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbに所定値:k1を加算して新たなウェストゲートバルブ56開度:dtbを算出する。
【0230】
続いてCPU38は、S1211へ進み、電磁弁61の開度:dpgを全開(=100%)に設定し、本ルーチンの実行を終了する。そして、CPU38は、S1209で算出されたウェストゲートバルブ56開度:dtbに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加するとともに、S1211で設定された電磁弁61開度:dpg(=100%)に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0231】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k1だけ開方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が増加し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が減少する。これにより、タービンホイール54dの回転数が低下するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も低下し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が低下し、その結果、過給圧が低下する。
【0232】
このように過給圧が低下すると、スロットル弁20下流の吸気管18内の負圧度合いが大きくなり、スロットル弁20下流の吸気管18内の圧力とコンプレッサハウジング54a上流の吸気管18内の圧力との差、言い換えればパージ通路60の上流と下流との圧力差が大きくなるので、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0233】
また、前記S1208において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgが前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoより少ないと判定した場合は、CPU38は、既にウェストゲートバルブ56が開方向へ補正済みであり、且つ要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にあるとみなし、S1210へ進む。
【0234】
S1210では、CPU38は、その時点におけるウェストゲートバルブ56の開度:dtbから所定値:k2を減算して新たなウェストゲートバルブ56開度:dtbを算出する。
【0235】
続いて、CPU38は、S1211へ進み、電磁弁61の開度:dpgを全開(=100%)に設定し、本ルーチンの実行を終了する。そして、CPU38は、S1210で算出されたウェストゲートバルブ56開度:dtbに対応する駆動電力をアクチュエータ57に印加するとともに、S1211で設定された電磁弁61開度:dpg(=100%)に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0236】
この場合、ウェストゲートバルブ56が所定量:k2だけ閉方向へ駆動されるため、タービンハウジング54bをバイパスする排気の量(バイパス通路55の流量)が減少し、それに応じてタービンハウジング54b内に流入する排気の量が増加する。これにより、タービンホイール54dの回転数が上昇するとともにコンプレッサホイール54cの回転数も上昇し、コンプレッサハウジング54aでの圧縮率が高まり、その結果、過給圧が上昇する。
【0237】
このように過給圧が高められると、スロットル弁20下流の吸気管18内の負圧度合いが低下し、パージ通路60の上流と下流との圧力差が前回より小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0238】
次に、前記S1207において要求蒸発燃料ガス量:rpgが第2の限界蒸発燃料ガス量:lpg2より多いと判定した場合は、CPU38は、S1213へ進み、ウェストゲートバルブ56の開度を全開に設定する。
【0239】
続いて、CPU38は、S1214へ進み、RAM40から前回算出された要求蒸発燃料ガス量:rpgoを読み出し、この要求蒸発燃料ガス量:rpgoと今回算出された要求蒸発燃料ガス量(S1202で算出された要求蒸発燃料ガス量:rpg)とを比較する。
【0240】
前記S1214において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgと前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoとが等しいと判定した場合は、CPU38は、S1217へ進み、電磁弁61の開度(デューティ比)を100%に設定し、本ルーチンの実行を終了する。そして、CPU38は、100%のデューティ比に対応する駆動パルス信号を電磁弁61に印加する。
【0241】
前記S1214において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgが前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoより多いと判定した場合は、CPU38は、S1215へ進み、その時点におけるスロットル弁20開度:trtから所定値:k3を減算し、新たなスロットル開度:trtを算出する。
【0242】
前記所定値:k3は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
前記S1215の処理を実行し終えたCPU38は、S1217へ進み、電磁弁61開度を全開(dpg=100%)に設定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。そして、CPU38は、100%のデューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加し、ウェストゲートバルブ56の開度を全開とし、更に前記S1215で算出されたスロットル開度:trtに対応する駆動電力をアクチュエータ21に印加する。
【0243】
この場合、ウェストゲートバルブ56が全開状態となり、コンプレッサハウジング54aをバイパスする排気の量が増加するため、スロットル弁20下流へ供給される圧縮空気の量が低下し、スロットル弁20下流の吸気管18内の吸気管負圧(過給圧)が低下する(吸気管18内の負圧度合いが高くなる)。さらに、スロットル弁20が所定量:k3だけ閉方向へ駆動されるため、スロットル弁20下流の吸気管18へ流れる吸気量が減少し、スロットル弁20下流の吸気管18内の吸気管負圧がより一層低くなり(吸気管18内の負圧度合いがより一層高くなり)、パージ通路60の上流と下流との圧力差が大きくなり、要求蒸発燃料ガス量を確実にパージすることが可能となる。
【0244】
前記S1214において今回の要求蒸発燃料ガス量:rpgが前回の要求蒸発燃料ガス量:rpgoより少ないと判定した場合は、CPU38は、既にスロットル弁20の開度が閉方向に補正済みであり、且つ要求蒸発燃料ガス量が減少傾向にあるとみなし、S1216へ進む。
【0245】
S1216では、CPU38は、その時点におけるスロットル弁20開度:trtに所定値:k4を加算し、新たなスロットル開度:trtを算出する。前記所定値:k4は、予め決定された固定値でもよく、あるいは内燃機関1の機関回転数や機関負荷等をパラメータとして算出される可変値でもよい。
【0246】
前記S1216の処理を実行し終えたCPU38は、S1217へ進み、電磁弁61開度を全開(dpg=100%)に設定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。そして、CPU38は、100%のデューティ比に対応した駆動パルス信号を電磁弁61に印加し、ウェストゲートバルブ56の開度を全開とし、更に前記S1216で算出されたスロットル開度:trtに対応する駆動電力をアクチュエータ21に印加する。
【0247】
この場合、ウェストゲートバルブ56が全開状態となり、コンプレッサハウジング54aをバイパスする排気の量が増加するため、スロットル弁20下流へ供給される圧縮空気の量が低下し、スロットル弁20下流の吸気管18内の吸気管負圧(過給圧)が低下する(吸気管18内の負圧度合いが高くなる)。一方、スロットル弁20が所定量:k4だけ開方向へ駆動されるため、スロットル弁20下流の吸気管18へ流れる吸気量が増加し、パージ通路60の上流と下流との圧力差が前回より小さくなるが、要求蒸発燃料ガス量が前回より減少しているため、小さい圧力差でも要求蒸発燃料ガス量を十分にパージさせることができる。
【0248】
以上述べた実施の形態によれば、要求蒸発燃料ガス量に応じてスロットル弁20とウェストゲートバルブ56とを選択的に制御することにより、パージ通路60の上流と下流との圧力差を効果的に変更することができ、蒸発燃料ガスを効率的にパージすることが可能となる。
【0249】
【発明の効果】
本発明にかかる蒸発燃料処理装置では、要求蒸発燃料量に応じてパージ通路の上流と下流との圧力差を変更することによりパージ通路の流量を任意に増減させることができ、要求蒸発燃料量が増加した場合でも要求蒸発燃料を確実にパージすることが可能となる。
【0250】
その際、要求蒸発燃料量が所定量以下である限り、パージ通路の上流と下流との圧力差を変更しないようにすれば、パージに起因した内燃機関の運転状態の変化を最小限に抑えることができる。
【0251】
さらに、内燃機関の運転状態に応じて圧力差の変更量を決定すれば、内燃機関の運転状態の急激な変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態にかかる蒸発燃料処理装置を適用する内燃機関の概略構成図
【図2】 ECU45の内部構成を示す図
【図3】 第1の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンの具体例を示すフローチャート図(1)
【図4】 第1の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンの具体例を示すフローチャート図(2)
【図5】 第2の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンを示すフローチャート図
【図6】 第3の実施の形態にかかる蒸発燃料処理装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図7】 第3の実施の形態にかかるECU45の内部構成を示す図
【図8】 第3の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンを示すフローチャート図
【図9】 第4の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンを示すフローチャート図
【図10】 第5の実施の形態にかかる蒸発燃料処理装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図11】 第5の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンを示すフローチャート図
【図12】 第6の実施の形態にかかるパージ実行制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
2・・・・気筒
4・・・・クランクシャフト
5・・・・燃焼室
6・・・・点下栓
9・・・・燃料噴射弁
10・・・スワールコントロールバルブ
13・・・クランクポジションセンサ
16・・・吸気枝管
17・・・サージタンク
17a・・バキュームセンサ
18・・・吸気管
20・・・スロットル弁
21・・・アクチュエータ
21a・・スロットルポジションセンサ
30・・・蒸発燃料排出用通路
31・・・チャコールキャニスタ
32・・・蒸発燃料通路
33・・・燃料タンク
34・・・電磁弁
35・・・大気導入通路
36・・・タンク内圧制御弁
38・・・CPU
39・・・ROM
45・・・ECU
46・・・パージ通路
47・・・圧力センサ
49・・・蒸発燃料排出用通路
50・・・大気導入通路
51・・・パージ通路
52・・・電磁弁
53・・・電磁弁
54・・・遠心過給器
55・・・バイパス通路
56・・・ウェストゲートバルブ
57・・・アクチュエータ
58・・・大気導入通路
59・・・蒸発燃料排出用通路
60・・・パージ通路
61・・・電磁弁

Claims (6)

  1. 酸素過剰状態の混合気を燃焼可能な希薄燃焼内燃機関と、
    前記希薄燃焼内燃機関に併設される燃料タンク内で発生する蒸発燃料を前記希薄燃焼内燃機関の吸気系へ導くパージ通路と、
    前記吸気系へ導入すべき蒸発燃料量を調節する蒸発燃料量制御手段とを備える希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置であり、
    前記燃料タンク及び前記希薄燃焼内燃機関の状態に基づいて前記吸気系へ導入すべき要求蒸発燃料量を算出する蒸発燃料量算出手段と、
    前記パージ通路の上流と下流との圧力差を、前記要求蒸発燃料量に応じて変更する差圧変更手段と、
    を備えることを特徴とする希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 前記差圧変更手段は、要求蒸発燃料量が所定量を越えたときに起動され、前記パージ通路の上流と下流との圧力差を変更することを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記差圧変更手段は、運転状態に応じて圧力差の変更量を決定することを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記差圧変更手段は、前記吸気系に設けられたスロットル弁の開度を調整して、前記パージ通路の上流と下流との圧力差を変更することを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記差圧変更手段は、前記吸気系に設けられた過給器の運転状態を制御して、前記パージ通路の上流と下流との圧力差を変更することを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記差圧変更手段は、前記吸気系に設けられたスロットル弁のスロットル開度と前記吸気系に設けられた過給器の運転状態とを選択的に制御して前記パージ通路の上流と下流との圧力差を変更することを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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