JP3813262B2 - 熱転写受像シートの作成方法及びその作成装置 - Google Patents

熱転写受像シートの作成方法及びその作成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は昇華型熱転写により画像が形成される、少なくとも離型シート/粘着剤層/支持体/染料受容層からなる構成の熱転写受像シートを用いて、染料受容層に画像形成後、熱転写受像シートにハーフカット処理を施する熱転写受像シートの作成方法及びその作成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の熱転写方法が知られているが、それらの中でも、近年、昇華性の染料を含有する染料層を支持体上に形成した熱転写シートを、サーマルヘッドやレーザー等の加熱媒体によって加熱することにより、熱転写受像シート上に画像を形成する昇華転写記録方式が注目され、種々の分野において、情報記録手段として利用されている。
この昇華転写記録方式によれば、極めて短時間でフルカラー画像を形成することができ、中間色の再現性や階調性に優れた、フルカラー銀塩写真画像にも匹敵する高品質な画像を得ることができる。
マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。
【0003】
この熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。
さらに、上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に貼り付けられるもので、例えば、画像が形成される染料受容層と支持体が、粘着剤層を介して、離型シートと剥離可能な構成の熱転写受像シートが使用されている。いわゆる、ラベルやシールタイプと言われているものである。この熱転写受像シートは、染料受容層に所望の画像を形成後、該染料受容層を剥離して任意の対象物に貼着する用途のものである。
【0004】
図6及び図7は、上記の用途に使用されている従来技術の熱転写受像シートの1例を示すもので、図7は図6のX−X拡大断面図である。図6に示す熱転写受像シートは、所定の幅の長尺タイプであり、その両端は巻芯1に巻かれ、熱転写プリンターに装着されて矢印方向又はその反対方向に進行し、図示していない昇華型熱転写シートがその表面に重ねられ、該熱転写シートをその背面からサーマルヘッド等により画像状に加熱して、熱転写シートの染料を熱転写受像シートの染料受容層に移行させ、熱転写受像シートの表面に任意の画像2を形成するものである。
【0005】
上記の熱転写受像シートは、図6に示すように任意の形状にハーフカットされており、その断面の詳細を拡大して図7に示す。尚、ハーフカットの形成方法はカッター刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写受像シートを挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッター方法でもよい。
ハーフカットライン3によって区画された領域に形成された画像2、例えば、顔写真画像は、図7に示すようにハーフカットライン3に沿って、その粘着剤層4とともに離型シート5から剥離され、剥離された画像形成染料受容層部分Aは、図8に示すように任意の物品11、例えば、ノート、手帳、鞄、その他の物品に貼着される。尚、図6における符号12は検知マークを示す。
【0006】
以上の如く、従来のハーフカット入り熱転写受像シートは、離型シート5の離型面に、粘着剤層4と染料受容層7の支持体6である例えば、発泡ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや、ユポの名称で知られている合成紙と、該支持体6上に形成された染料染着性の樹脂層7(染料受容層)を積層した構成である。
また、本願出願人により、上記の如き熱転写受像シートにおいて、上記の支持体として、未発泡の樹脂フィルムと発泡樹脂フィルムとの積層体を使用して画像発色濃度を向上させたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の如き熱転写受像シートを用いて画像形成する場合には、図6に示す如き熱転写受像シートが、両端が巻き芯1に巻き付けられ、更に画像形成用の熱転写プリンター内では、プラテンロールを始めとして幾つかのローラーを経由して熱転写受像シートが搬送され、且つ画像形成部分がサーマルヘッド等により部分的に加熱されて所望の画像が形成される。この画像形成に際して、熱転写受像シートが図6のように予めハーフカット処理が施されていると、ロール等の部分で湾曲搬送される際、ハーフカットライン3で包囲されている領域の端部がめくれ、該端部からハーフカット領域が剥離し、該剥離した領域の裏面には粘着剤層が形成されているため、該粘着剤層が熱転写プリンター内や、熱転写受像シートの表面に付着して、熱転写プリンター内における熱転写受像シートの搬送不良の問題が発生し、しばしば画像形成が中断されるという問題が生じている。
【0008】
また、上記のような問題は、粘着剤層の粘着強度を向上させれば解決することができるが、粘着剤層の粘着強度を向上させると、画像形成後のハーフカット領域を剥がす際、剥離困難になったり、剥離時にハーフカット領域の一部が破裂するという問題が生じる。
そこで、上記の問題を解決するため、本発明は、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、その支持体上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートを用いて、ハーフカット領域が熱転写プリンター内で搬送中にめくれて、剥がれることがなく、さらにハーフカット領域を剥がす時に、その領域を破裂することがないような熱転写受像シートの作成方法及びその作成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、昇華転写画像を有する熱転写受像シートの作成方法において、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートを用いて、該染料受容層に画像を形成した後、前記離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを有する熱転写受像シートにより、該検知マークによりハーフカット位置を特定して、該熱転写受像シートにハーフカット処理を施すことを特徴とするまた、前記のハーフカット処理をレーザー加工手段により行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の熱転写受像シートの作成装置において、少なくともサーマルヘッドとプラテンローラーを有し、その間に基材フィルムの上に染料層を有する熱転写シートの染料層側と、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートの染料受容層側とを対向して重ね合わせて挿入し、該熱転写シートの基材フィルム側からサーマルヘッドにより画像信号に応じた加熱を行い、該染料受容層に昇華転写画像を形成する画像形成部と、該画像形成部に併設されたハーフカット部と、該画像形成部とハーフカット部まで熱転写受像シートを移送する搬送機構部を備え、かつ前記の熱転写受像シートの離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを設け、該検知マークによりハーフカット位置を特定することを特徴とする。
【0011】
さらに、熱転写受像シートを断裁するシートカット部が設けられていることを特徴とする。また、前記のハーフカット部がレーザー加工手段を用いることを特徴とする。また、前記のシートカット部がレーザー加工手段を用いることを特徴とする。さらに、前記の熱転写受像シートの離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを設け、該検知マークによりシートカット位置を特定することを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明の熱転写受像シートの作成方法及び作成装置は、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートを用いて、昇華転写画像を形成した後に、前記離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを有する熱転写受像シートにより、該検知マークによりハーフカット位置を特定して、レーザー加工手段等により、該離型シートを除く他の積層部分に、任意の形状及び深さにハーフカット処理を施すものである。本発明により、ハーフカット処理が、昇華転写画像を形成した後に行われるため、ハーフカット領域が熱転写プリンター内で搬送中にめくれて、剥がれることを防止する。さらに、ハーフカット領域が熱転写プリンター内で搬送中にめくれて、剥がれることがないため、粘着剤層の粘着強度を高くする必要がなく、画像形成後のハーフカット領域を剥がす際に、剥離困難になったり、剥離時にハーフカット領域の一部が破裂することもない。
【0013】
また、熱転写受像シートの製造時にハーフカット処理を行うと、熱転写プリンターでの搬送中にハーフカット領域がめくれる恐れがあるだけではなく、製造時の巻き取り、巻き出し、スリッター時等でハーフカット領域がめくれる恐れがあるのに対し、本発明ではそれらの問題が解消される。
また、本発明ではハーフカット処理をレーザー加工手段で行うことが好ましく、レーザー光照射時間等の条件を変えるだけで、簡単にハーフカットラインの深さ調製を行うことができ、精度が高く、再現性のよい、ハーフカット加工ができる。
レーザー光を照射された部分は、局所的に加熱され、その部分の融点を越えた状態の液相時に、その部分を吹き飛ばすことにより切断し、ハーフカット加工を行う。すなわち、熱転写受像シートに非接触でハーフカット加工ができ、したがって加工部分に応力がかからず、バリや歪みが生じ難い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
図1は、本発明の熱転写受像シートの形成装置の一つの形態を示す概略図である。図1は、大きく分けて、4つの部分があり、すなわち、
1.熱転写受像シート巻き出し部31
2.昇華転写画像形成部32
3.ハーフカット部33
4.シートカット部34
があり、まず巻き出し部31からロール状の熱転写受像シート30が供給され、サーマルヘッド35とプラテンローラー36の間で、熱転写シート40の染料層とその熱転写受像シート30の染料受容層が接するように重ねて、その熱転写シート40の背面からサーマルヘッド35により画像状に加熱し、熱転写シート40の染料を染料受容層に移行させて、熱転写受像シート30の表面に画像を形成する。次に、画像形成された熱転写受像シートが搬送機構部39によりハーフカット部32へ移送され、レーザー加工部37によりハーフカット処理が施され、それから次に、シートカット部34へ移送され、ロータリーカッターにより一枚ずつシートカットされるものである。
【0015】
また、図2は、熱転写受像シートにおいて、巻き取りロール状態から昇華転写画像形成した後にハーフカット処理を施したものを示すものであり、図3は図2のX−X拡大断面図であり、本発明の作成方法により得られる熱転写受像シートの一つの形態を説明する図である。図4は熱転写受像シートの他の形態を説明する図である。
また、図2〜4はハーフカットの一部を、浅いハーフカットライン3’としたものである。これはハーフカット処理が施された後、搬送時にロール等により湾曲搬送されたり、シートカット後の熱転写受像シートの不用意な取り扱い上で、ハーフカット部の離型シートと支持体の剥離を防止することができる。
図5は、本発明のハーフカット加工におけるハーフカットライン3、3’の形状の例を示す拡大平面図である。
図示されているように深いハーフカットライン3は、粘着剤層4の底部まで達しているが、浅いハーフカットライン3’は、図3の場合には粘着剤層4にまで達しておらず、また、図4の場合には支持体を構成するフィルム8の一部にまで達し、粘着剤層4にまでは達していない。このようにハーフカットラインの深さを変えることによって、浅いハーフカットライン3’のところでは、ロール等により湾曲搬送されたり、シートカット後の熱転写受像シートの不用意な取り扱い上で、ハーフカット部の離型シートと支持体の剥離を防止することができる。
【0016】
図3及び図4に示す例は単なる例示であり、浅いハーフカットライン3’のカット深さは図示の例に限定されず、離型シート5にまでは達せず、且つ染料受容層7と支持体6の少なくとも一部まで届いていれば如何なる深さであってもよい。尚、図4のように、支持体が貼り合わせてある場合には、その下側のフィルム8の途中までカットを入れておくことが好ましい。
図5は、本発明におけるハーフカットライン3、3’の形状の例を示す拡大図である。図示のように浅いハーフカットライン3’と深いハーフカットライン3との形状は、図2に示す形状以外に、図5a〜dに示す如き形状が可能であり、その他の形状であってもよい。ハーフカット処理後、シートカット部により加工を行う等で、熱転写受像シートが湾曲される場合は、熱転写受像シートの搬送方向の先頭部である加工開始辺が剥離し易いので、図5b及びcの形状にして、加工終了辺側は、加工後に剥がしやすいように深いハーフカットライン3にすることが好ましい。
【0017】
図3は、図2のX−X拡大断面図であり、本発明の形成方法により得られる熱転写受像シートの層構成は、図3に示すように、離型シート5と、その離型面に形成した粘着剤層4と、該粘着剤層4とともに剥離可能な支持体6と、その支持体6上に形成された染料受容層7とからなっている。
また、本発明の別の好ましい実施形態の熱転写受像シートの例は、図4にその拡大断面図に示すように、支持体(図の符号で、8+10+9)が、粘着剤層4に接する未発泡の樹脂フィルム8と染料受容層7に接する発泡樹脂フィルム9との積層体とすることによって、形成された画像の染料発色性、特に画像の高濃度部の染料発色性を向上させることができる。上記の未発泡樹脂フィルム8と発泡樹脂フィルム9とは接着剤層10により貼着されている。また、浅いハーフカット部分を設けなくても問題のない時は、通常のような深いハーフカットのみにてハーフカット処理しても良い。
【0018】
(離型シート)
本発明において使用する離型シート5は、従来公知のプラスチックフィルムまたは、ポリラミ紙の表面にシリコーン等の公知の離型剤で離型処理を施した材料であり、例えば、東レ株式会社製のルミラーT−60(厚み50μm)や、ダイヤホイル株式会社製のW−400(厚み38μm)として入手し、使用することができる。これらの離型シートは20μm〜100μmの厚みのものが好ましく、離型シートが薄すぎると得られる熱転写受像シートのいわゆるコシがなくなり、熱転写プリンターで搬送できなかったり、熱転写受像シートにシワが発生したりする。一方、離型シートが厚すぎると、得られる熱転写受像シートが厚くなりすぎ、熱転写プリンターで搬送駆動させる力が大きくなりすぎて、プリンターに故障が生じたり、正常に搬送できなかったりする。
【0019】
また、本発明において使用する離型シートは、表面無処理のポリオレフィン樹脂フィルム、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムであり、特に延伸または無延伸のポリプロピレン樹脂フィルムが好ましい。本発明者の知見によれば、特に延伸または無延伸のポリプロピレン樹脂フィルムは、その表面に、従来技術の如き離型処理を施すことなく熱転写受像シートを作成した場合に、粘着剤の種類を選択することによって、上記離型シートと粘着剤層とのJISZ0237準拠の180°による剥離強度を約100〜1,700g、好ましくは約700〜1,400gの範囲に容易に調節することができ、画像形成時にはハーフカット領域の剥離がなく、そのうえ画像形成後には、ハーフカット領域が破裂することなく、容易に剥離することができる。上記の離型シートの厚みは約20〜100μm、好ましくは35〜75μmの範囲である。このような延伸若しくは無延伸のポリプロピレン樹脂フィルムとして、例えば、東洋紡績株式会社製のパイレンや東レ株式会社製のトレファン等として市場から入手することができる。
【0020】
(粘着剤層)
上記の本発明において使用する粘着剤層4は、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤を用いて形成することができる。粘着剤として、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。
粘着剤層の塗工量は、約8〜30g/m2 (固形分)が一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の方法で、離型シート上に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成する。
また、粘着剤層の粘着力は、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、100〜1,700gの範囲、好ましくは700〜1,400gの範囲にすることが望ましい。
以上の如き粘着剤は、前記離型シート上に粘着剤層を形成する際に、その剥離強度が前記範囲になるように、選択して使用することが好ましい。
【0021】
(支持体)
本発明の熱転写受像シートにおける支持体6としては、従来公知のものでよく、例えば、東洋紡績株式会社製のトヨパールSS P4255(厚み35μm)、モービルプラスチックヨーロッパ製のMW247(厚み35μm)等の発泡ポリプロピレンフィルム、ダイヤホイル株式会社製のW−900(50μm)、東レ株式会社製のE−60(50μm)等の発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用される。
又、本発明の別の好ましい実施形態の熱転写受像シートの例は、図4にその拡大断面図にて示すように、支持体(図の符号で、8+10+9)が、粘着剤層4に接する未発泡の樹脂フィルム8と染料受容層7に接する発泡樹脂フィルム9との積層体からなる。このようにすることによって、形成される画像、特に高濃度部分の発色濃度を向上させて、高品質の画像を形成することができる。
【0022】
上記において、有用な未発泡樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の未発泡のフィルムであり、従来公知の未発泡樹脂フィルムはいずれも本発明において使用でき、その厚みとしては約10〜50μmの範囲が好ましい。フィルム厚が薄すぎると、いわゆるコシがなく、得られる熱転写受像シートにおいて、サーマルヘッド等による画像形成時に熱収縮によるカールが発生し、一方、厚すぎるとサーマルヘッド等による画像形成時にヒートセットによるカールが発生し易くなる。好ましい一例としては、例えば、東レ株式会社製のルミラーS−10(厚み12μm)が挙げられる。
また、有用な発泡樹脂フィルムとしては、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム等の従来公知の発泡樹脂フィルムが使用でき、特に発泡ポリプロピレンフィルムがそのクッション性と断熱性が優れており、サーマルヘッドとの圧接で、均一に効率良く染料を受容層へ転移させるため、好ましい。これらのフィルムの厚みは、30〜60μm程度が好ましい。好ましいものとしては、例えば、東洋紡績株式会社製のトヨパールP4255(厚さ35μm)やトヨパールP4256(厚さ60μm)等が挙げられる。
【0023】
上記の未発泡樹脂フィルムと、発泡樹脂フィルムとの積層方法としては、例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホットメルト)ラミネーション、ECラミネーション方法等の公知の積層方法が使用できるが、好ましい方法はドライラミネーション及びノンソルベントラミネーション方法である。ノンソルベントラミネーション方法に好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケネートA−720Lが挙げられ、ドライラミネーションに好適な接着剤としては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケラックA969/タケネートA−5(3/1)等が挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分で約1〜8g/m2 、好ましくは2〜6g/m2 の範囲である。
【0024】
(染料受容層)
図3、4に例示する本発明の形成方法により得られる熱転写受像シートにおいては、染料受容層7の形成は、前記支持体6に予め設けておいてもよいし、支持体6と離型シート5とを積層した後に、支持体の面に設けてもよい。
また、図4に例示する本発明の熱転写受像シートにおいては、染料受容層7の形成は、前記発泡樹脂フィルム9と未発泡樹脂フィルム8とを積層する前の発泡樹脂フィルム9に設けてもよいし、発泡樹脂フィルム9と未発泡樹脂フィルム8とを積層して構成された支持体の発泡樹脂フィルム9の面に設けてもよいし、支持体(図の符号で、8+10+9)と離型シート5とを積層した後に、支持体の発泡樹脂フィルム9の面に設けてもよい。
【0025】
上記の染料受容層を形成する材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、中でも特に好ましいものはポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれらの混合物である。
【0026】
画像形成時において、染料層を有する昇華型熱転写シートと、熱転写受像シートの染料受容層との融着若しくは印画感度の低下等を防ぐ目的で、上記染料受容層用樹脂に離型剤を混合することができる。混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そのシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0027】
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は染料受容層形成用樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと熱転写受像シートの染料受容層との融着若しくは印画感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を染料受容層に添加することによって、転写後の染料受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。また、これらの離型剤は染料受容層形成用樹脂中に添加せず、染料受容層上に別途塗工してもよい。
【0028】
染料受容層は、発泡樹脂フィルムの表面に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、或いは有機溶剤や水に分散した分散体を適当な塗布方法で塗布及び乾燥することによって形成される。
上記染料受容層の形成に際しては、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高める目的で、白色顔料や蛍光増白剤等を添加することができる。以上のように形成される染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的には乾燥状態で1〜50μmの厚さである。
【0029】
また、このような染料受容層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョン若しくは水溶性樹脂や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。更に、熱転写プリンターの搬送安定化を図るために染料受容層の上に帯電防止剤を塗工してもよい。
更に、染料受容層と反対側の熱転写受像シートの面には熱転写プリンターの給紙時のダブルフィードを防ぐために、適当なスリップ層(不図示)を設けることができる。スリップ層としては、ブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル等公知の樹脂の単独又はブレンドしたものに、各種の微粒子やシリコーン等の滑剤を添加したものを用いることができる。
【0030】
(作成方法及び作成装置)
本発明の熱転写受像シートの作成方法は、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートを用いて、該染料受容層に画像を形成した後、前記離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを有する熱転写受像シートにより、該検知マークによりハーフカット位置を特定して、該熱転写受像シートにハーフカット処理を施すものである。さらに、本発明の熱転写受像シートの作成装置は、少なくともサーマルヘッドとプラテンローラーを有し、その間に基材フィルムの上に染料層を有する熱転写シートの染料層側と、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートの染料受容層側とを対向して重ね合わせて挿入し、該熱転写シートの基材フィルム側からサーマルヘッドにより画像信号に応じた加熱を行い、該染料受容層に昇華転写画像を形成する画像形成部と、該画像形成部に併設されたハーフカット部と、該画像形成部とハーフカット部まで熱転写受像シートを移送する搬送機構部を備え、かつ前記の熱転写受像シートの離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを設け、該検知マークによりハーフカット位置を特定するものである。また、上記の作成装置は、前記のハーフカットと同時又はその後に、熱転写受像シートを断裁するシートカット部を必要に応じて設けることができる。
【0031】
このハーフカット及びシートカットの形成方法は、カッター刃を取り付けた上型と台座の間に、熱転写受像シートを挿入して、上型を上下動させる方法や、シリンダータイプのロータリーカッター方法等、カットできる方法であれば特に制限はないが、熱転写受像シートの離型シートを除く他の積層部分をカットするハーフカットにおいては、レーザー加工手段により熱処理を施すことにより、任意の形状及び深さにハーフカットを形成することができるので好ましい。
したがって、レーザー加工手段によりハーフカットを形成することについて、以下に説明する。
本発明のレーザー加工手段は、レーザー光として、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、ルビーレーザーなどを用い、特にYAGレーザーは、波長が短く、微小なスポットに集光できるため、より微細な加工が可能であり、好ましく用いられる。
【0032】
本発明のレーザー加工手段の例を、説明すると、まず、レンズによりレーザー光を集光して、熱転写受像シートの染料受容層の面へ照射する。その際に、レーザー光の照射時間または、レーザー出力値を変化させることにより、ハーフカットラインの深さを調整することができる。すなわち、レーザー光の照射時間が少なめ目の場合に、ハーフカットラインが浅くなり、レーザー光の照射時間を少し多くして、ハーフカットラインを深くすることができる。また、レーザー出力値が少なめ目の場合に、ハーフカットラインが浅くなり、レーザー出力値を少し多くして、ハーフカットラインを深くすることができる。このように、簡単に、精度が高く、再現性良く、加工部分に非接触で、ハーフカット加工ができる。したがって、従来のカッター刃によるハーフカット加工と比べ、カッター刃に粘着剤が付着して、熱転写受像シートの表面にその粘着剤が転移付着することがなく、さらに加工部分に応力がかからず、バリや歪みが生じない。
このような熱転写受像シートの表面に粘着剤が転移付着することがなく、さらに加工部分に応力がかからず、バリや歪みが生じない点は、ハーフカット加工だけではなく、シートカット加工でも同様な効果を発揮する。
【0033】
本発明のレーザー加工手段は、約0.9〜11μmの赤外線領域のレーザー光線を使用することが好ましく、レーザー光を照射された部分は、加熱されることになる。レーザー光を照射された部分は、局所的に加熱され、その部分の融点を越えた状態の液相時に、その部分を吹き飛ばすことにより切断され、ハーフカット加工が行われる。
本発明のレーザー加工手段は、以下に説明するレーザー加工装置により、熱転写受像シートにハーフカットを形成する。
レーザー加工装置は、図9にその一例を示すように、レーザーヘッド21と加工光学系(レンズ)22と、レーザー電源23とから構成されるレーザー発振器20、被加工物である熱転写受像シート30を搭載し、水平面内(XY平面内)に移動可能なXYテーブル24、レーザーヘッド21と加工光学系(レンズ)22を上下方向(Z軸方向)に移動させるZテーブル25、XYテーブル24の水平面内の移動動作とZテーブル25の上下方向の移動動作とレーザー発振器20の発振動作とを自動または手動で制御するメインコントローラ26を備える。
このようなレーザー加工装置のメインコントローラの制御により、図2に示すような面付けのハーフカットを行うことができる。尚、図2にある検知マークをハーフカット加工の開始検知信号として利用することができることは、言うまでもない。
【0034】
これらのハーフカット装置(部)は、熱転写プリンターに内蔵されている場合と、ハーフカット装置としてインライン又はオフラインで別に設ける場合があるが、内蔵される方が装置全体のコンパクト性、使いやすさ等の点から好ましい。一方、シートカットについては熱転写受像シートが予めシートカットされている枚葉タイプの場合は必要ないが、ロール形態の熱転写受像シートで最終的にシートカットが必要な場合は、シートカット装置(部)を設ける必要がある。
シートカットの形成方法は、ハーフカットの形成方法の場合と同様にいずれの方法も使用できるが、シートカットの場合はハーフカットに比べて加工操作が比較的簡単であるため、必ずしもレーザー加工手段を使用することはなく、通常のカッター刃等による加工で充分である。
シートカット装置(部)は、ハーフカット装置(部)が熱転写プリンターに内蔵、ないしインラインで連接されている場合は、同様に熱転写プリンター、ハーフカット装置(部)とインラインで連接することが好ましい。また、ハーフカット装置(部)が熱転写プリンターとオフラインで独立に存在する場合は、そのハーフカット装置(部)にシートカット装置(部)を連接することが好ましい。
【0035】
(検知マーク)
本発明の熱転写受像シートには、図2に示すような検知マーク12を設けることができる。この検知マーク12は、熱転写画像形成時に同時、ないし直後に形成され、その後にハーフカット及び必要に応じてシートカット加工を行う場合の開始位置を示すものである。また、検知マーク12を熱転写画像形成前に予め形成される場合もあり、このときは熱転写画像形成の開始位置とハーフカット及び必要に応じてシートカットの開始位置の両方を示す役割をする。
例えば、図2では、検知マーク12を読み取り検知して、12個の区画のハーフカットの加工を行う。次に、その加工の進行方向の次の検知マークを、読み取り検知して、また、同様にハーフカット加工を行い、その動作を繰り返すことができる。同様にハーフカット加工の後に、検知マーク12を読み取り検知して、シートカットを行い、12個の画像が形成され、かつハーフカット処理が施された1枚の画像出力シートを得ることができる。
【0036】
検知マーク12の形状や色は、検知器によって検知可能であればよく、限定されるものではない。また、検知マークの位置は熱転写受像シートの離型シート側もしくは染料受容層側のいずれの側に形成してもよい。
検知マークの形状においては、例えば、図2のように楕円状でも、または、四角形でもよく、その他、丸形やバーコード等の形状でもよい。また、ライン状の場合では、熱転写受像シートの幅全体にわたって、形成してもよい。
検知マークの色は、検知器で検知可能であればよく、例えば、光透過型検知器であれば、隠蔽性の高い銀色、黒色などがあげられる。また、光反射型検知器であれば、反射性の高い金属光沢の色調などがあげられる。
【0037】
検知マークの形成方法は、熱転写受像シートの表面から裏面に穴を貫通させることによって形成してもよいし、グラビア印刷やオフセット印刷で形成してもよい。また、蒸着フィルムを転写箔でホットスタンプで設けたり、裏面に粘着剤付きの蒸着フィルムを貼り付けることもでき、特に限定されるものではない。
また、検知マークの形成場所は、図2のように12個の区画のハーフカットを一単位として、その一単位毎の先頭部に形成する。さらに、最初のハーフカット一単位の先頭部にのみ形成してもよい。最初のハーフカット形成位置を、検知マークを検知器により読み取ることにより、検知して、レーザー加工装置での熱転写受像シートの送り量を制御することによって、次以降もハーフカット形成位置を正確に合わせことができる。
検知マークの検知手段については、検知マークを読み取ることができれば何でもよく、特に限定されるものではない。検知マークとして、貫通穴の場合は、光透過型の検知器で読み取ることができるため、光反射型の検知器に比べ、誤作動が少ないため、好ましい。
また、金属光沢の銀色の検知マークを印刷で設けたり、蒸着フィルムの検知マークを用いた場合は、光反射型の検知器で読み取ることができる。
【0038】
以上のように形成された本発明の熱転写受像シートに画像を形成する方法は、従来公知の昇華型熱転写方式でよく、例えばイエロー、シアン及びマゼンタの3色の染料層を面順次に有する熱転写シートを用いて、公知のサーマルヘッド方式の熱転写プリンターによって所望のフルカラー画像を熱転写受像シートの染料受容層に形成する。次に、その画像形成された染料受容層を含む層を画像サイズに合わせてハーフカット処理を施し、粘着剤層とともに離型シートから剥離し、剥離した染料受容層を含む層を任意の物品に貼着することができる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは重量基準である。
(実施例1)
まず、支持体である発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名W−900、ダイヤホイル株式会社製、厚み50μm)の一方の表面に下記組成の染料受容層用塗工液を固形分で、4.0g/m2 の割合で、塗工及び乾燥して染料受容層を形成した。
【0040】
染料受容層用塗工液組成
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 40部
(電気化学工業株式会社製、#1000A)
ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、バイロン600) 40部
塩化ビニル・スチレン・アクリル共重合体 20部
(電気化学工業株式会社製、デンカラック#400A)
ビニル変性シリコーン 10部
(信越化学工業株式会社製 X−62−1212)
触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PLR−5) 5部
触媒(信越化学工業株式会社製 CAT−PL−50T) 6部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 400部
【0041】
次に、上記の発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムの染料受容層を形成していない面に、下記組成の粘着剤を固形分塗工量15g/m2 の割合で塗工し、温度70℃にて1分間の加熱乾燥を行って粘着剤層を形成した。
粘着剤層用塗工液組成
アクリル共重合体 48部
(総研化学株式会社製 SKダイン1310L)
エポキシ樹脂(総研化学株式会社製 硬化剤E−AX) 0.36部
酢酸エチル 51.64部
【0042】
別に離型シートである表面無処理の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名パイレンP2156、東洋紡績株式会社製、厚み30μm)の一方の表面に、前記の積層体の粘着剤層面を対向させてラミネートした。最後に、前記染料受容層面に帯電防止剤として、第4級アンモニウム塩化合物(松本油脂製薬株式会社製、TB−34の1/1000希釈液)を塗布してロール状の熱転写受像シートの巻取を形成した。
イエロー、シアン及びマゼンタの3色の染料層とブラックの熱溶融転写層を面順次に有する熱転写シート(大日本印刷株式会社製)と上記の熱転写受像シートとを、夫々の染料層と染料受容層とを対向させて重ね合わせ、熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧12.0V、パルス幅16msec、印画周期33.3msec、ドット密度6ドット/lineの条件でサーマルヘッドによる熱転写プリンターで記録を行い、熱転写受像シートの染料受容層にフルカラーの顔写真の画像を形成した。尚、ブラックの熱溶融転写層は上記印画条件と同様にして、図2に示す検知マークの位置と形状を合わせて、ブラックの検知マークを印字して
形成した。
【0043】
次に、上記の熱転写受像シートを、離型シートの厚み部分を残して、図5bに示す形状で、YAGレーザーを用いたレーザー加工手段(レーザー出力1000W、照射時間0.1〜0.2ms)により、ハーフカット処理を施した。1画面のサイズは105mm×105mmであり、この1画面内には20mm×15mmの小さい区画が図2に示すように、12個形成されている。尚、上記の画像形成部とハーフカット部まで搬送機構部により熱転写受像シートを移送する条件である。
次に、上記の熱転写受像シートを、シリンダータイプのロータリーカッターでインラインでシートカットを行った。
以上、実施例1の形成方法で熱転写受像シートを得た。
【0044】
(実施例2)
検知マークを、熱転写による画像形成前に、予め図2に示すような貫通穴で形成した以外は、実施例1と同様にして実施例2の形成方法で熱転写受像シートを得た。
(実施例3)
実施例1の熱転写受像シートの構成と同様のもので、巻き取りではなく、105mm×105mmの大きさの枚葉の熱転写受像シートを用意した。
次に実施例1の印字条件と同様にして、フルカラーの顔写真の画像とブラックの検知マークを形成し、その後、実施例1と同様にハーフカット処理を行った。
以上、実施例3の形成方法で熱転写受像シートを得た。
【0045】
(比較例1)
実施例1の熱転写受像シートの構成と同様のもので、カッター刃を取り付けた上型と台座の間にその熱転写受像シートを挿入し、上型を上下動させて、ハーフカット処理を予め施しておいた。
次に、実施例1の印字条件と同様にして、フルカラーの顔写真の画像とブラックの検知マークを形成し、その後、実施例1のシートカット条件と同様にしてシートカットを行った。
以上、比較例1の形成方法で熱転写受像シートを得た。
【0046】
以上の熱転写受像シートの形成方法において、熱転写受像シートの搬送性の評価を行った。評価方法は、以下の通りである。
【0047】
<評価方法>
(搬送性)
各熱転写受像シートの100画面分を連続で形成した時のハーフカット領域の熱転写プリンター内で搬送中にめくれたり、剥がれることの有無を目視にて調べる。
判断基準は以下の通りである。
○:めくれと剥がれが全くなし。
×:めくれまたは剥がれが10回以上あり。また、熱転写受像シートの搬送停
止が5回以上あり。
【0048】
評価結果を下記表1に示す。
(以下余白)
【0049】
【表1】
Figure 0003813262
【0050】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の熱転写受像シートの作成方法は、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートを用いて、該染料受容層に画像を形成した後、前記離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを有する熱転写受像シートにより、該検知マークによりハーフカット位置を特定して、該熱転写受像シートにハーフカット処理を施している。したがって、ハーフカット処理が、昇華転写画像を形成した後に行われるため、ハーフカット領域が熱転写プリンター内で搬送中にめくれて、剥がれることを防止する。さらに、ハーフカット領域が熱転写プリンター内で搬送中にめくれて、剥がれることがないため、粘着剤層の粘着強度を高くする必要がなく、画像形成後のハーフカット領域を剥がす際に、剥離困難になったり、剥離時にハーフカット領域の一部が破裂することもない。
【0051】
また、本発明ではハーフカット処理をレーザー加工手段で行うことが好ましく、レーザー光照射時間等の条件を変えるだけで、簡単にハーフカットラインの深さ調製を行うことができ、精度が高く、再現性のよい、ハーフカット加工ができる。
レーザー光を照射された部分は、局所的に加熱され、その部分の融点を越えた状態の液相時に、その部分を吹き飛ばすことにより切断し、ハーフカット加工を行う。すなわち、熱転写受像シートに非接触でハーフカット加工ができ、カッター刃に粘着剤が付着して、熱転写受像シートの表面にその粘着剤が転移付着するようなことがなく、加工部分に応力がかからず、バリや歪みが生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの形成装置の一つの実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の熱転写受像シートの平面を図解的に説明する図である。
【図3】図2のX−X拡大断面図である。
【図4】別の例の図2のX−X拡大断面図である。
【図5】ハーフカットラインのパターンの例を図解的に説明する図である。
【図6】従来技術のハーフカットされた熱転写受像シートを、図解的に説明する図である。
【図7】図6のX−X拡大断面図である。
【図8】剥離した印字物を他物品に貼着した状態を説明する図である。
【図9】レーザー加工装置の構成の概略図である。
【符号の説明】
1 巻芯
2 画像
3 深いハーフカットライン
3’ 浅いハーフカットライン
4 粘着剤層
5 離型シート
6 支持体
7 染料受容層
8 未発泡樹脂フィルム
9 発泡樹脂フィルム
10 接着剤層
11 物品
12 検知マーク
20 レーザー発振器
21 レーザーヘッド
22 加工光学系
23 レーザー電源
24 XYテーブル
25 Zテーブル
26 メインコントローラ
30 熱転写受像シート
31 巻き出し部
32 画像形成部
33 ハーフカット部
34 シートカット部
35 サーマルヘッド
36 プラテンローラー
37 レーザー加工部
38 ロータリーカッター
39 搬送機構部
40 熱転写シート

Claims (7)

  1. 少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートを用いて、該染料受容層に画像を形成した後、前記離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを有する熱転写受像シートにより、該検知マークによりハーフカット位置を特定して、該熱転写受像シートにハーフカット処理を施すことを特徴とする昇華転写画像を有する熱転写受像シートの作成方法。
  2. 前記のハーフカット処理をレーザー加工手段により行うことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写受像シートの作成方法。
  3. 少なくともサーマルヘッドとプラテンローラーを有し、その間に基材フィルムの上に染料層を有する熱転写シートの染料層側と、少なくとも離型シートと、その離型面に形成した粘着剤層と、該粘着剤層とともに剥離可能な支持体と、該支持体の上に形成された染料受容層とからなる熱転写受像シートの染料受容層側とを対向して重ね合わせて挿入し、該熱転写シートの基材フィルム側からサーマルヘッドにより画像信号に応じた加熱を行い、該染料受容層に昇華転写画像を形成する画像形成部と、該画像形成部に併設されたハーフカット部と、該画像形成部とハーフカット部まで熱転写受像シートを移送する搬送機構部を備え、かつ前記の熱転写受像シートの離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを設け、該検知マークによりハーフカット位置を特定することを特徴とする熱転写受像シートの作成装置。
  4. 熱転写受像シートを断裁するシートカット部が設けられていることを特徴とする上記の請求項3に記載する熱転写受像シートの作成装置。
  5. 前記のハーフカット部がレーザー加工手段を用いることを特徴とする上記の請求項3に記載する熱転写受像シートの作成装置。
  6. 前記のシートカット部がレーザー加工手段を用いることを特徴とする上記の請求項4に記載する熱転写受像シートの作成装置。
  7. 前記の熱転写受像シートの離型シート側もしくは染料受容層側に検知マークを設け、該検知マークによりシートカット位置を特定することを特徴とする上記の請求項4に記載する熱転写受像シートの作成装置。
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