JP3813162B2 - 付着物除去装置 - Google Patents

付着物除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3813162B2
JP3813162B2 JP2005165788A JP2005165788A JP3813162B2 JP 3813162 B2 JP3813162 B2 JP 3813162B2 JP 2005165788 A JP2005165788 A JP 2005165788A JP 2005165788 A JP2005165788 A JP 2005165788A JP 3813162 B2 JP3813162 B2 JP 3813162B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle body
plate
deposit
pressure
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005165788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006068724A (ja
Inventor
省二 吉村
憲一 上杉
太介 宮園
浩一 本家
徹 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2005165788A priority Critical patent/JP3813162B2/ja
Priority to TW94126725A priority patent/TWI290069B/zh
Publication of JP2006068724A publication Critical patent/JP2006068724A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3813162B2 publication Critical patent/JP3813162B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)

Description

本発明は,板状部材に付着した圧延油等の油成分や板状部材を洗浄するための洗浄液等の液体などの付着物を除去する付着物除去装置に関し,特に,上記板状部材に圧縮空気を吹き付けて上記付着物を除去する付着物除去装置に関するものである。
一般に,圧延機により金属板や樹脂板等の板状部材を圧延する場合は,ワークロール(圧延ロール)やこのワークロールにより圧延される板状部材の冷却,或いは,圧延効率の向上等のために上記ワークロールと上記板状部材との圧延接触部に圧延油を供給している。また,板状部材の表面の汚れや酸化膜等を洗浄する必要がある場合は,上記板状部材を洗浄剤が収容された洗浄槽に通過させている。
このように圧延後の板状部材には上記圧延油や洗浄剤が付着するため,上記板状部材を巻き取り装置等で巻き取る前に上記圧延油や洗浄剤を除去する必要がある。これは,圧延油等が付着したままで板状部材が巻き取られると,巻き取られた板状部材間の接触面の摩擦係数が小さくなり,板状部材がその幅方向に横滑りして巻き取り装置に衝突したり,板状部材自体が破断する等の問題が生じるおそれがあるからである。また,圧延油の除去が不十分なまま巻き取られた板状部材(圧延コイル)を次工程で焼鈍させると焼鈍むらが発生し,製品の品質を低下させるという問題もある。更にまた,洗浄剤が付着したまま板状部材が保管されると,その洗浄剤によって板状部材が腐食するという問題も生じ得る。
従来,上記圧延油や洗浄剤を除去する手法が多数提案されている。例えば,鋼鉄製のローラ対,ゴム等の弾性体で表面が被覆されたゴムワイパー或いはゴムローラ対,又は不織布等の多孔質材で表面が被覆された多孔質ローラ対等によって上記板状部材に付着した圧延油や洗浄剤を掻き取る或いは絞り取る手法が公知である。また,特許文献1及び2に記載されているように,噴射ノズルから板状部材に向けて圧縮エアー(圧縮空気)を噴射させることにより圧延油或いは洗浄剤等の付着物を吹き飛ばす手法も公知である。
特開平10−8276号公報 特開平10−146611号公報
しかしながら,上記ゴムワイパー或いは各ローラ対を用いて付着物を除去する前記の手法は,上記ローラ対と板状部材とを接触させるものであるため,板状部材表面に引っかき傷等の接触傷が生じるおそれがある。特に,ゴムローラ対や鉄鋼ローラ対を用いた場合は,上記板状部材に対する押圧力が高くなるほど除去効果が向上されるが,その反面,接触傷が発生しやすくなるという問題がある。このような問題は,板状部材が薄いほど重大化し,時には板状部材を破断させるに至る場合もある。
また,上記多孔質ローラを用いた場合は,上記ゴムワイパー,ゴムローラ対又は鉄鋼ローラ対と較べて幾分か接触傷は軽減されるが,ローラ表面の孔詰まりにより付着物の除去効果が低下するだけでなく,孔詰まりを解消するための保守メンテナンス作業を行わなければならないという煩わしさがある。
一方,上記特許文献1,2に記載の手法は非接触で付着物を除去するものであるため上記接触傷等の問題が生じることはない。しかしながら,噴射ノズルと圧延板表面とは数mm〜数十mm程度の距離をおいて配設されているため,エアーの噴射エネルギー(噴射圧)が分散されて充分な付着物除去効果を得ることができないという問題がある。
もちろん,上記噴射ノズルに供給する圧縮エアーの圧縮圧をより高圧に設定すれば付着物の除去効果を高めることができるが,圧縮空気を生成するコンプレッサーや圧縮空気を溜める空気槽等が大型化し,更にはエアー配管等の高耐圧化を強いられることとなり経済的,実用的にみて好ましくない。
噴射ノズルを板状部材表面に極力近づけることができればエアーの噴射エネルギーの分散を防止して,効率よく付着物を除去することができるが,上記噴射ノズルを板状部材表面に近づけ過ぎると,圧延時に生じる振動や板状部材の搬送時に生じる振動,或いは板状部材の反り返り等により上記噴射ノズルと板状部材とが接触して上記板状部材を損傷させるおそれがある。そのため,従来は,上記噴射ノズルを上記圧延板表面から数mm以下に近づけることは困難であった。
また,圧延速度(搬送速度)が高速化(約800m/min以上)しつつある近年においては,上述したいずれの除去手法を用いたとしても,高速圧延,高速搬送される板状部材の付着物を効率よく,しかも効果的に除去することができない。
そこで,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,圧延された金属板等の板状部材と噴射ノズルとの離間距離を小さくして,上記板状部材上の付着物を効率よく除去し,且つ,高速圧延,高速搬送される板状部材の付着物の除去にも対応することのできる付着物除去装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は, 走行する圧延後の板状部材の表面に対向して上記板状部材の表面に略垂直な方向へ移動自在に支持されてなるノズル体を備え,上記ノズル体の上記板状部材に対向する平面状の対向面に,それぞれの面積の合計値が上記対向面の面積の略3分の2未満となるような一以上の噴射口と,上記板状部材の搬送方向及び上記ノズル体の移動方向と略直交する方向に長い開口部を有する平面ノズルとが設けられてなり,上記ノズル体の上記噴射口から圧縮気体を噴射させることにより上記板状部材に付着した圧延油,洗浄油などの付着物を除去する付着物除去装置であって,
上記板状部材方向への押圧力及び上記噴射口から噴射され上記板状部材の間の隙間を通って流れる空気の流れに基づいて発生する負圧である吸着圧と,上記噴射口から噴射される圧縮空気気体の噴射圧によりノズル体を押し上げようとする押上圧とのバランスに見合った上記ノズル体と上記板状部材表面との間の隙間の分だけ上記ノズル体を上記板状部材から浮上させて支持するように,上記噴射口の面積との関係で上記噴射口へ供給される圧縮気体の圧力を調整することを特徴とする付着物除去装置として構成されている。
このように構成されることにより,ノズル体に作用する板状部材方向への押圧力及び上記噴射口から噴射され上記板状部材の間の隙間を通って流れる空気の流れに基づいて発生する負圧である吸着圧と,上記噴射口から噴射される圧縮空気の噴射圧によりノズル体を押し上げようとする押上圧とのバランスに見合った上記ノズル体と上記板状部材表面との間の隙間の分だけ上記ノズル体を上記板状部材から浮上させて支持することが出来,この時の噴出口に供給される圧縮気体の圧力を,例えば後記するコントローラ1などによって所定圧に維持することで,上記ノズル体と上記板状部材表面との間の隙間が,上記板状部材に付着した圧延油,洗浄油などの付着物を上記平面ノズルによって除去するのに適した一定の厚みに設定される。この厚みは,板状部材の厚さなどが変化した場合にも一定に保たれるので,圧延材料の板圧変動などによってもまったく影響を受けず,板状部材に付着した圧延油,洗浄油などの付着物を除去するのに常に最適の状態が維持される。例えば,上記ノズル体が上記板状部材の上面側に位置する場合は,上記板状部材から略一定間隔を維持した状態のままで上記ノズル体が浮遊することになる。これにより,上記板状部材に発生した振動や板状部材の反り等の変形によって上記板状部材の表面が上下した場合であっても,その上下に追従して上記ノズル体が上下移動するため,上記板状部材の表面から上記ノズル体までの離間距離が常に略一定に維持される。その結果,上記板状部材と上記ノズル体との距離を数mm以下,具体的には0.1mm程度に設定することが可能となる。これにより,従来は数ミリ程度の離間距離を設けていたため比較的高圧の圧縮気体を供給しなければ充分な付着物除去効果を得ることができなかったが,本発明によれば上記離間距離を更に狭小とすることにより,従来よりも圧力の低い圧縮気体を用いて従来と同等或いはそれ以上の付着物除去効果を得ることができる。
また,上記板状部材と上記ノズル体との距離を小さくすることにより上記板状部材に噴射される圧縮気体の噴射圧が高まるため,圧延速度が高速化された圧延機により圧延された板状部材,即ち高速搬送された板状部材の付着物を除去することも可能となる。
また,上記ノズル体の対向面に形成された噴射口は,例えば,上記板状部材の搬送方向及び上記ノズル体の移動方向と略直交する方向に直列或いは並列に配列されているものが考えられる。
に,圧縮気体の噴射によって上記ノズル体を上記板状部材から容易に離間させるためにも,上記ノズル体を構成する主要部材は,プラスチック素材等の軽量材質であることが望ましい。
また,上記板状部材の上面側及び下面側のいずれの表面における付着物をも除去可能とするべく,上記ノズル体は,上記板状部材の上面側及び下面側のいずれか一方又は両方に設けられてなることが好ましい。
ところで,上記板状部材に圧縮気体が噴射されると,この気体は上記板状部材に反射して上記対向面に衝突する。このとき,圧縮気体の噴射により剥がされた付着物が上記対向面に衝突して,該対向面に付着する場合がある。特に,上記付着物が例えば油或いは油を含む塵埃などの粘性を有するものである場合は,該付着物が上記対向面に付着し易い。この場合,上記対向面に付着物が付着することによって上記噴射口が詰まったり,或いは肥大化した付着物が剥がれ落ち,上記板状部材に再付着するという問題が生じ得る。
そこで,上記対向面に,上記噴射口から噴射された圧縮気体を溜めるための陥没状の気体溜まりを設け,上記ノズル体に,上記気体溜まり内の気体を上記ノズル体の外部へ導く連通孔を形成しておけば,オイルなどの付着物を含む空気が上記気体溜まりに滞留し,この滞留した空気を外部へ排出することが可能となる。これにより,噴射口の詰まりや板状部材への付着物の再付着を軽減することができる。
この場合,上記連通孔から上記空気溜まり内の気体を吸引する吸引手段を設けておけば,付着物を含む気体の排出を効率よく行うことができる。
また,上記連通孔から排出された気体内に含まれる付着物を分離回収する付着物分離回収手段が備えられていることが望ましい。これにより,上記連通孔から排出された付着物が大気中に分散されなくなるため,人体或いは環境に優しい付着物除去装置が実現される。また,排出された付着物が上記板状部材に舞い落ちて再付着することも防止することができる。
更にまた,上記付着物分離回収手段が,付着物を含む気体から液状付着物のみを分離回収するものであることが考えられる。上記液状付着物が油や洗浄液などのように再利用可能なものである場合は,それのみを回収して再利用することができる。
例えば,圧縮空気槽や圧縮空気を送給するポンプなどの故障等が原因で,圧縮空気の圧力が規定圧力未満となり,上記ノズル体を浮遊(浮上)させるだけの十分な圧縮空気が供給されなくなると,上記板状部材の上方に上記ノズル体が配設されている場合は,上記ノズル体が落下して上記板状部材を損傷させることになる。
このような不具合を防止するために,上記ノズル体と連結され,該ノズル体を上記板状部材の表面に略垂直な方向へ移動させる駆動手段と,上記ノズル体に供給される圧縮気体が予め定められた規定圧力未満となった場合に,上記駆動手段を駆動制御することにより上記ノズル体を上記板状部材から離反する方向へ移動させる駆動制御手段と,を具備することが考えられる。これにより,上記ノズル体が上記板状部材に衝突する前に強制的に引き離されるため,板状部材の損傷が防止される。
このように構成されることにより,上記ノズル体に作用する板状部材方向への押圧力及び上記噴射口から噴射され上記板状部材の間の隙間を通って流れる空気の流れに基づいて発生する負圧である吸着圧と,上記噴射口から噴射される圧縮空気の噴射圧によりノズル体を押し上げようとする押上力とのバランスに見合った上記ノズル体と上記板状部材表面との間の隙間の分だけ上記ノズル体を上記板状部材から浮上させて支持することが出来るので,噴出口に供給する圧縮気体の圧力を調整することで,上記ノズル体と上記板状部材表面との間の隙間を,上記平面ノズルによって上記板状部材に付着した圧延油,洗浄油などの付着物を除去するのに適した一定の厚みに設定することができる。
また,上記ノズル体の上記対向面に陥没状の気体溜まりが設けられ,上記ノズル体に上記連通孔が形成されているため,上記気体溜まり内の付着物を含む気体が外部へ排出され,噴射口の詰まりや板状部材への付着物の再付着を軽減することができる。
また,吸引手段で気体溜まり内の気体が強制的に吸引排出されるため,付着物を含む気体を効率よく排出することができる。
また,上記付着物分離回収手段が設けられているため,上記連通孔から排出された付着物が大気中に分散されなくなり,人体或いは環境に優しい付着物除去装置が実現する。また,排出された付着物の上記板状部材への再付着も防止することができる。
更に,上記付着物分離手段は,付着物を含む気体から液状付着物のみを分離回収するものであるため,上記液状付着物が油や洗浄液などのように再利用可能なものである場合は,それのみを回収して再利用することが可能となる。
また,上記駆動手段及び上記駆動制御手段が設けられているため,上記ノズル体が上記板状部材に衝突する前に強制的に引き離され,その結果,板状部材の損傷が防止される。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る付着物除去装置Xの空気制御システムの概略を説明するブロック図,図2は上記付着物除去装置Xのノズル体100を説明する模式図,図3はノズル体100を上方へ押し上げようとする力Fと離間距離dとの関係を表す図,図4は離間距離dと付着物除去効果との関係を説明する模式図,図5は噴射口101の近傍の圧力分布を示す図,図6は本発明の第1の実施例に係る付着物除去装置X1のノズル体100aを説明する模式図,図7は本発明の第2の実施例に係る付着物除去装置X2のノズル体100bを説明する模式図,図8は本発明の第3の実施例に係る付着物除去装置X3の概略構成を示すブロック図,図9は本発明の第4の実施例に係る付着物除去装置X4のノズル体100cを説明する模式図,図10は本発明の第5の実施例に係る付着物除去装置X5の概略構成を示すブロック図である。
まず,図1のブロック図を用いて,本発明の実施の形態に係る付着物除去装置Xの空気制御システム及び概略構成について説明する。
本付着物除去装置Xは,例えば,圧延機等により圧延された金属製或いは非金属製の板状部材に付着した圧延油や洗浄剤等の液体や屑片等の付着物を除去する装置であって,図1に示すように,空気圧源5から供給された圧縮空気(圧縮気体の一例)を上記板状部材Tの表面に噴射させるノズル体100と,該ノズル体100と上記空気圧源5とを配管接続する管路6に介設された電磁弁2と,該電磁弁2の下流側の管路6に介設された減圧弁3と,該減圧弁3の下流側に介設されたエアフィルタ4と,上記電磁弁2を励磁/消磁して圧縮空気の経路(空気路)を切り換える制御を行うコントローラ1とを備えている。なお,本実施の形態では,圧縮気体として圧縮空気を用いた例について説明するが,腐食性の低い窒素ガス等を用いてもかまわない。また,本付着物除去装置Xは上記圧延機により圧延された板状部材に限られず,あらゆる板状部材にも適用され得る。
上記コントローラ1は,シーケンサ等の制御ユニット等を備えて構成されており,例えば,外部からスタート信号が入力されたことを検知すると,上記電磁弁2を励磁してこの弁を閉位置から開位置に切り換える。上記電磁弁2を介して供給された圧縮空気は減圧弁3により予め定められた一定圧力に減圧され,ドレン付のエアフィルタ4により水蒸気や塵等が除去された後に,上記ノズル体100に供給される。
続いて,図2の模式図を用いて,上記ノズル体100について説明する。上記ノズル体100は,図2に示すように,板状部材Tの上面側に配設されている。このノズル体100はプラスチック素材等の軽量部材で成形されており,上記板状部材Tの幅方向に長い略長方体形状をしている。ここに,図2(a)は上記ノズル体100の長手方向(図2の左右方向)の鉛直断面を示す断面模式図であり,(b)は(a)の矢印Aからみた上記ノズル体100の模式図である。図中において符号を付していない矢印は圧縮空気の流れを示す。
上記ノズル体100の上記板状部材Tの上面(上方側表面)T1に対向する対向面102には4つの噴射口101が形成されている。この4つの噴射口101は,上記板状部材Tの搬送方向W2(図2(b)参照)及び上記ノズル体100の移動方向W1(図2(a)参照)と略直交する方向W3(図2(b)参照)に直列に配列されている。なお,上記噴射口101は4つに限らず,少なくとも1以上の噴射口101が形成されていればよい。
上記対向面102には,上記噴射口101から噴射された圧縮空気を上記板状部材Tの搬送方向W2の上流側へ導き,剥離された付着物を上記搬送方向W2の上流側へ吹き飛ばすために,上記板状部材Tの搬送方向W2に平行する複数の溝106(本実施の形態では5つの溝)が所定間隔を隔てて形成されている。この溝106の上記板状部材Tの搬送方向W2上流側の一端106aは末広がり状に形成されており,上記搬送方向W2側の側面に開放されている。
なお,上記搬送方向W2に平行に形成された上記溝106では,剥離された付着物が再び上記板状部材T上に付着することになる。そのため,上記溝106とは異なり,図2(c)に示すように,上記搬送方向W2に対して上記板状部材Tの幅方向外側へ傾斜角がつけられた溝106−1を上記対向面102に形成することが好ましい。このような溝106−1が形成されておれば,該溝106−1を流れる圧縮空気と共に剥離された付着物が上記板状部材Tの幅方向外側へ吹き飛ばされるため,付着物の除去効率が向上され得る。
上記ノズル体100の上記対向面102とは逆の面103には,前記空気圧源5(図1)から供給され前記減圧弁4により所定圧に減圧された圧縮空気を上記ノズル体100に供給するための一の供給口104が形成されている。この供給口104は,上記各噴射口101を内部で連通する連通路105に貫通されている。したがって,この供給口104に圧縮空気が供給されると,上記連通路105を通って上記各噴射口101から上記板状部材Tの上面T1に圧縮空気が噴射される。
また,上記ノズル体100の上記面103にはスライドバー111が立設されており,更にその上方には上記スライドバー111を垂直方向にスライド移動可能に支持するスライドガイド112が適宜設けられている。このスライドバー111及びスライドガイド112(以下,これらを総称してスライド機構110という)は,上記ノズル体100を上記板状部材Tの上面T1に略垂直な方向W1へ移動自在に支持する手段の一例である。もちろん,上記スライド機構110に限らず,例えば,一端が固定されたつるまきバネ等の弾性部材により上記ノズル体100を上方から吊り下げた状態で支持する機構(図8参照)や,上記ノズル体100の長手方向の側方から架け渡された板ばね等の弾性部材で上記ノズル体100を支持する機構等を用いて上記ノズル体100を上記略垂直方向W1へ移動自在に弾性支持するものであってもよい。
ここで,上述のように構成されたノズル体100に圧縮空気が供給された場合の上記ノズル体100の動作について説明する。上記供給口104から圧縮空気が供給されると,供給された圧縮空気は上記連通路105を通って各噴射口101から噴射される(図2(a)参照)。上記噴射口101から噴射された圧縮空気はその圧縮圧が一気に解き放たれて上記板状部材Tの上面T1に向かって略放射状に吹き付けられる(図2(b)参照)。
また,上記板状部材Tに吹き付けられた圧縮空気は,上記板状部材Tの上面T1に吹き付けられた後に,上記ノズル体100を上記板状部材Tから離間させようとする力,即ち,上記ノズル体100を移動方向W1の上方へ押し上げようとする押上力となって上記ノズル体100に作用する。このように,上記ノズル体100に上記押上力が作用することにより上記ノズル体100が上記板状部材Tから浮上することになる。上記押上力により上記ノズル体100が浮上すると,上記ノズル体100の対向面102と上記板状部材Tとの間には隙間dが生じる。この隙間dには上記ノズル体100から噴射された空気圧による空気圧層が形成され,これにより,上記ノズル体100が上記板状部材Tから距離dだけ離間した位置で浮遊する。なお,本実施の形態例では,上記ノズル体100を上記板状部材Tの上面T1から距離d0だけ浮上させて,その位置で上記ノズル体100が浮遊
するように圧縮空気の圧縮圧が調整されている。
このようして吹き付けられた圧縮空気の噴射圧によって,上記ノズル体100が浮遊させられると共に,上記板状部材Tの上面T1上に付着した圧延油や洗浄剤等の液体,屑片,汚れ等の付着物が剥離される。また,噴射された圧縮空気は上記溝106に沿って上記板状部材Tの搬送方向W2の上流側へ流されるため,剥離された付着物はこの流れに乗って上記ノズル体100と上記板状部材Tの上面T1との隙間を通って上記搬送方向W2の上流側へ吹き飛ばされる。
ここで,上記ノズル体100に作用する力F(縦軸,以下,作用力Fという)と,上記ノズル体100及び上記板状部材Tの上面T1間の離間距離d(横軸)との関係について図3及び図5を用いて説明する。ここに,図3は上記作用力Fと上記離間距離dとの関係を示す図であり,図5は噴射口101の近傍の圧力分布を示す図であって,(a)は離間距離dが距離d0のときの圧力分布,(b)は離間距離dが距離d1(>d0)のときの圧
力分布,(c)は離間距離dが距離d2(<d0)のときの圧力分布を示す。なお,ここでは,上記作用力Fには,圧縮空気の噴射圧により上記ノズル体100を移動方向W1の上方へ押し上げようとする押上力と,後述するように上記ノズル体100を上記板状部材Tへ吸着させようとする吸着力とが含まれるものとし,上記ノズル体100の重力を無視して説明する。
図3に示すグラフから理解できるように,上記離間距離dが上記距離d0のときは,上
記作用力Fは0となる。このとき,図5(a)に示すように,圧縮空気の噴射圧により上記ノズル体100を押し上げようとする押上圧P1の積分値(即ち,押上げ力)と,上記
ノズル体100を上記板状部材Tへ吸着させようとする吸着圧P2の積分値(即ち,吸着
力)とがバランスよく均衡した関係が維持されることにより,上記距離d0離れた位置で
上記ノズル体100が浮遊している状態にある。なお,上記吸着圧P2は,上記ノズル体
100と上記板状部材Tとの隙間から圧縮空気が流れ出るときに生じる負圧であり,この負圧により上記吸着力が生じる。
ここで,上記板状部材Tの圧延時或いは搬送時に発生する振動等により上記板状部材Tの上面T1が下方向へ移動して上記離間距離dが距離d0より大きい距離d1(>d0)と
なった場合は,上記離間距離dの空間内における圧縮空気の流れを妨げようとする抵抗が小さくなり,圧縮空気が逃げ易くなって,流れ出る空気の流速が増加する。そのため,図5(b)に示すように上記吸着圧P2が大きくなって上記吸着力が上記押上力に勝り,こ
の吸着力によって上記ノズル体100が下方へ移動し,離間距離dが距離d1から距離d0に縮められる。従って,上記板状部材Tの上面T1が下方向へ移動した場合でも,すぐに上記ノズル体100は上記均衡状態に復元され,上記距離d0離れた位置で浮遊すること
になる。
一方,上記離間距離dが距離d0より小さい距離d2(<d0)となった場合は,上述と
は逆に,上記離間距離dの空間内における圧縮空気の流れを妨げようとする抵抗が大きくなり,圧縮空気が逃げ難くなって,流れ出る空気の流速が減少する。そのため,図5(c)に示すように上記吸着圧P2が小さくなって上記押上力が上記吸着力に勝るため,この
押上力によって上記ノズル体100が上方へ移動し,離間距離dが距離d2から距離d0に広げられる。従って,この場合でも,すぐに上記ノズル体100は上記均衡状態に復元される。
このように,本付着物除去装置Xにおいては,上記板状部材Tの上面T1が上下した場合であっても,その上下に追従して上記ノズル体100が上下移動するため,上記板状部材Tの上面T1から上記ノズル体100までの離間距離dが常に略一定に維持されることになる。すなわち,たとえ上記板状部材Tが振動した場合であっても,常に一定の離間距離dが維持されるため,上記離間距離dを限りなく0に近い距離d0(例えば0.1mm
)に設定したとしても,ノズル体100が上記板状部材Tに接触することはなく,そのため上記板状部材Tが損傷することもない。
ここで,上記板状部材Tが急激に上下変動した場合は,この上下変動に追従して上記ノズル体100も急激に上下変動するため,上記ノズル体100が上下方向へオーバーシュート或いはアンダーシュートを起こすおそれがある。また,このオーバーシュート及びアンダーシュートが周期的に起こり上記ノズル体100がハンチングするおそれもある。従って,ノズル体100は,上記オーバーシュートやハンチング等を防止するため,バネ等の弾性部材によって弾性的に支持することが望ましい。具体的には,前記スライドバー111につるまきバネを介在させる手法や,オイルダンパー等の緩衝部材で構成されたスライドバー111を用いる手法等が考えられる。
ところで,上記ノズル体100の対向面102に形成された上記噴射口101の開口面積及び上記対向面102の面積は,上記ノズル体100を浮上させる上で重要な要素となる。その理由を図5を用いて以下に説明する。なお,ここでも便宜上,上記ノズル体100の重量を無視して説明する。
図5(b)に示すように,離間距離dが大きくなると,上述したように,上記離間距離dの空間内における圧縮空気の流れを妨げようとする抵抗が小さくなり,外部へ流れ出る圧縮空気の流量が増加する。そのため,上記ノズル体100の対向面102(特に上記噴射口101の周辺部分)に対して上記吸着圧P2(負圧)が発生する。この吸着圧P2は,上記ノズル体100を上記板状部材Tに吸着させようとする力となって作用する。ここで,圧縮空気の噴射圧により上記ノズル体100を押し上げようとする押上圧P1(>0)
,上記吸着圧P2(<0),すべての噴射口101の開口面積の合計値をS1,上記ノズル体100の対向面102における上記吸着圧P2が作用する面積の合計値をS2とすると,(P1×S1)+(P2×S2)<0の条件を満たす場合は,ノズル体100を上方へ押し上げようとする押上力よりも,上記板状部材Tに吸着しようとする吸着力が勝るため,上記ノズル体100は下方へ引き下げられることになる。従って,離間距離dの大きさにかかわらず,距離d0を維持した状態で上記ノズル体100を浮遊させるには,P1×S1>P2×S2の条件を満足すれば足りると考えられる。ここで,噴射圧P1と平均圧P2とは相関
関係にあるため,上記条件を満足するためには面積S1及びS2を変動値として捉えて上記条件を満たすようにすればよい。
一方,板状部材Tの付着物は上記ノズル体100の対向面102を流れる圧縮空気によって除去されるため,上記面積S2を面積S1と較べてあまりにも小さくすると付着物が除去されにくくなり除去効果が低下することになる。
そこで,本出願の発明者は,ノズル体100を上記距離d0を維持した状態で浮遊させ
る条件と,上記除去効果を高めるための条件との両方を満足する条件として,
1<2S2…(1)
が最適であるということを実験,研究を繰り返し行うことにより見出している。ここで,上記ノズル体100の対向面102の面積をSとすると,この面積Sは,S≒S1+S2と近似することができるため,上式(1)は以下のように変形することができる。
3S1<2S…(2)
即ち,上記噴射口101それぞれの開口部の面積の合計値が上記対向面102の面積の略3分の2未満となるように上記噴射口101が形成されていれば,圧縮空気の圧力に影響されずに上記押上力と上記吸着力とのバランスがとり易くなり,上記ノズル体100を板状部材Tの振動等に追従して安定的に浮遊させると共に,充分な除去効果を得ることができる。
ところで,本実施の形態例では上記距離d0が比較的0に近い0.1mmとなるようにノズル体100に供給される圧縮空気圧が調整されている。このように,離間距離dを0に近い値に設定する理由を以下に述べる。
図4に示すように,板状部材Tの上面T1に対して垂直方向に圧縮空気が吹き付けられて,上記圧縮空気が上記板状部材Tに衝突する範囲の面積(図4中の破線で囲まれた面積)をW,上記板状部材Tに圧縮空気が衝突するまでの圧縮空気の流速(離間距離dにおける平均流速)をVとすると,WV2の値が大きいほど,板状部材Tの上面T1上の付着物を除去する力が大きいと考えられる。ここで,上記ノズル体100の噴射口101から噴射される圧縮空気の流量をQとすると,Q≒WVと近似することができるため,
WV2≒QV…(3)
と表わすことができる。ここで,噴射される流量Qが一定の場合は,上式(3)より,流速Vが大きいほど付着物を除去する力が大きいということは容易に理解できる。
一般に,ノズル体100の噴射口101から圧縮空気が噴射されると,その圧縮圧が解放されて圧縮空気が放射状に吹き出されるため,流速Vは噴射口101から離れるに従って低下する。また,上記離間距離dの空間に介在する大気も抵抗となって流速Vを低下させる要因となる。従って,流量Qが一定の場合は,離間距離dが小さいほど,上記流速Vは大きくなるため,上記付着物を除去する力が大きくなる。このような理由により,本実施の形態例では上記距離d0が比較的0に近い値0.1mmとなるようにノズル体100に供給される圧縮空気圧を設定している。
次に,図6を用いて,本発明の第1の実施例に係る付着物除去装置X1について説明する。
この実施例における付着物除去装置X1が上記実施の形態における付着物除去装置Xと異なるところは,図6に示されるように,前記ノズル体100に代えて,板状部材Tの上面T1に対向する対向面102に溝107が設けられたノズル体100aを用いる点にある。なお,上述の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については上述の実施の形態と同符号を付してその説明を省略する。ここに,図6(a)は上記ノズル体100aの長手方向(図6の左右方向)の鉛直断面を示す断面模式図であり,(b)は(a)の矢印Bからみた上記ノズル体100aの模式図である。図6中には前記ノズル体100に形成された溝106(図2参照)は図示されていないが,上記ノズル体100aは上記溝106が形成されたものであってもかまわない。
図6に示すように,上記溝107は,上記板状部材Tの搬送方向W2(図6(b)参照)に直交する方向に4つの噴射口101それぞれを連通するよう形成されている。これにより,例えば上記噴射口101が少数であっても,4つの噴射口101から噴射された圧縮空気を上記板状部材Tの上面T1の幅方向全域に均等に噴射させることが可能となる。
続いて,図7を用いて,本発明の第2の実施例に係る付着物除去装置X2について説明する。
この実施例では,前記ノズル体100に代えて図7に示されるノズル体100bが用いられる。上記付着物除去装置X2が具備するノズル体100bは,その対向面102に,板状部材Tの搬送方向W2(図7(a)参照)及びノズル体100bの移動方向W1(図7(b)参照)と略直交する方向W3に直列に4つの噴射口101が配列されており,更に,上記直列に配列された4つの噴射口を1組とする噴射口列101aと略同じ噴射口列101bが上記方向W3に並列に所定間隔を隔てて上記方向W2の下流側に配列されている。このように上記噴射口列101a,101bが並列に配列されることにより,上記噴射口列101aでは除去できなかった付着物が上記板状部材Tに残存した場合でも,上記板状部材Tの搬送方向W2下流側に配列された上記噴射口列101bによって付着物の除去処理が行われるため,付着物の除去効果がより一層向上され得る。なお,この実施例では,上記したように2列の噴射口列(101a,101b)が形成されたノズル体100bについて例示したが,特に2列に限定されることはない。
また,上記ノズル体100bには,上記板状部材Tの搬送方向W2及び上記ノズル体100bの移動方向W1と略直交する方向W3に長い開口部を有する平面ノズル108が形成されている。このような平面ノズル108が形成されることにより,圧縮空気を上記板状部材Tの上面T1の幅方向全域に均等に噴射させることが可能となる。
ここで,上述した噴射口101はいずれも上記ノズル体100,100a等をその移動方向W1に移動させるために上記板状部材Tに対して略垂直に圧縮空気を噴射するように形成されている。しかし,上記板状部材Tに垂直に噴射された圧縮空気は専ら付着物を剥離するよう作用するが,剥離した付着物を板状部材Tの搬送方向W2上流側へ吹き飛ばす作用は少ない。もちろん,上記付着物除去装置X2には,上記噴射口101から噴射された圧縮空気を上記板状部材Tの搬送方向上流側へ導く溝106が形成されているが,この溝106を流れる空気流は上記噴射口101から噴射された圧縮空気の一部を利用したものであるため,剥離した付着物を搬送方向W2上流側へ吹き飛ばす作用はさほど大きくない。また,噴射した圧縮空気の一部が上記溝106を流れるため,付着物を剥離させる力が低減されることにもなる。そのため,この実施例では,図7(b)に示すように,上記板状部材Tの搬送方向上流側に圧縮空気を噴射させるべく,上記平面ノズル108に傾斜角がつけられている。
また,上記ノズル体100bには,上記噴射口101から噴射され,上記対向面102と上記板状部材Tとの間の空間を流れる空気を滞留させる空気溜まり109a(気体溜まりの一例に相当)が形成されている。これは,剥離された付着物を効率よく取り除くために,上記対向面102側に剥離された付着物を有する空気を溜めるためのものである。また,上記対向面102とは逆の面103側には上記空気溜まり109a内の空気を外部に逃がすために,上記空気溜まり109aを外部へ導く空気逃がし孔109b(連通孔の一例に相当)が形成されている。
上記空気溜まり109a及び空気逃がし孔109bが無ければ,圧縮空気の噴射により剥ぎ取られた付着物が上記対向面102に衝突して再付着し,上記噴射口101などが付着物で詰まったり,吹き飛ばされた付着物が上記板状部材Tに再付着するという問題が生じるおそれがあるが,本実施例では,上記空気溜まり109a及び空気逃がし孔109bが設けられているため,剥がされた付着物を含む空気が上記空気溜まり109aに滞留し,その滞留した空気が上記空気逃がし孔109bを通って外部へ押し出されるようにして排出される。そのため,上記問題が軽減される。
なお,上記空気逃がし孔109bに配管やフレキシブルホースなどで接続されたブロアファン(吸気手段の一例に相当)を配設してもよい。上記ブロアファンを駆動させて,上記空気逃がし孔109bから上記空気溜まり190a内の空気を吸引するようにすれば,付着物を含む空気をより効率よく排出することが可能となる。
次に,図8のブロック図を用いて,本発明の第3の実施例について説明する。この実施例に係る付着物除去装置X3は,ノズル体100b(第2の実施例,図7参照)に設けられた上記空気逃がし孔109bと,吸気手段の一例であるブロアファン121とを接続する管路に,上記空気逃がし孔190bから排出された空気内に含まれる液状或いは霧状の圧延油(液状付着物の一例)を空気と分離して装置外に設けられたオイルタンク130などに回収する油分離機120(付着物分離回収手段の一例)と,分離された圧延油をオイルタンク130に導くイジェクタ122とを備えて構成されている。なお,本付着物除去装置X3の他の構成要素については上述の第2の実施例に係る付着物除去装置X2の構成と同様であるため,ここでは他の構成要素の説明を省略する。
上記油分離機120としては種々のものが考えられるが,ここでは,空気から圧延油のみを分離するオイルフィルタ120aが内部に配設され,上記オイルフィルタ120aにより分離された圧延油を貯留するドレン孔120c付きのドレン層120bを有する装置を例示する。
上記イジェクタ122は,上記ドレン孔120cに連結されており,外部から供給される圧縮空気を上記イジェクタ122で還流させることにより上記イジェクタ122内部で生じる負圧を利用して,上記ドレン層120bから圧延油を吸引してオイルタンク130へ導くものである。上記ブロア121の運転中は,上記上記油分離機120では,ノズル体100bからオイルフィルタ120aを通ってブロア121へ抜ける流路に沿って空気が流れるため,その空気流により生じる負圧が原因となって上記ドレン層120bの圧延油が上記ドレン孔120cから排出されにくくなるが,本付着物除去装置X3には上記イジェクタ122が設けられているため,上記ブロア121の運転中であっても,上記圧延油を強制的に排出させることが可能となる。
このように構成された本付着物除去装置X3では,上記空気逃がし孔190bから排出された空気が上記油分離機120に送り込まれると,上記オイルフィルタ120aによって圧延油が分離される。そして,圧延油が分離された空気は,上記ブロアファン121により上記油分離機120から吸い出されて外部に排出される。一方,上記オイルフィルタ120aにより分離された圧延油は,上記ドレン層120bに貯留される。そして,上記ドレン層120bに溜まった圧延油は,上記イジェクタ122によって上記ドレン孔120cから吸い出されて,上記オイルタンク130へ向けて排出される。
なお,上記イジェクタ122へ圧縮空気を常時供給すると,ドレン層120bの圧延油が全て排出された場合は,上記ドレン孔120cから空気が排出されてしまい,圧延油の分離効率が低下だけでなく,ブロア121が高負荷となるというおそれがある。そのため,間欠的に,即ち,所定時間毎に上記イジェクタ122へ圧縮空気を供給することが好ましい。或いは,上記ドレン層120bにフロースイッチなどを設けておき,所定の圧延油が貯留されたことを示す上記フロースイッチからの出力信号を受けたことを条件に,圧縮空気切換弁などを動作させて所定時間だけ圧縮空気を供給するようにしてもかまわない。
このように,本付着物除去装置X3では,空気と圧延油とが分離され,圧延油がオイルタンク130に回収されるため,圧延油を含む空気が大気中に放出されずに済み,人体或いは環境に与える害を除去することが可能となる。排出された圧延油が回収されるため,圧延油の再利用が可能となりる。
この実施例では,圧延油を分離して回収する例について述べてきたが,例えば,圧延油以外の液状の付着物を分離回収する場合にも,本実施例に係る付着物除去装置X3を適用することが可能である。
また,上記オイルフィルタに代えて塵埃などの固形の付着物を排出された空気から分離する図示しないエアフィルタを設ければ,液状付着物に限らず,固形の付着物をも分離回収することが可能となる。
次に,図9を用いて,本発明の第4の実施例について説明する。この実施例に係る付着物除去装置X4には,上記板状部材Tの上面T1側だけでなく,下面T2側にも上述した実施の形態におけるノズル体100が設けられている。ここで,上記ノズル体100が上記板状部材Tの下面T2側に設けられた場合は,上記上面T1側に設けた場合とは逆方向に圧縮空気を噴射させるように上記ノズル体100を配置しなければならない。そのため,この場合は,図9に示されるように,上記ノズル体100がその自重により下方に移動することを防止すると共に,上記ノズル体100を板状部材Tの下面T2に略垂直な方向W1へ移動自在に支持するため,上記ノズル体100をつるまきバネ等の弾性部材113により弾性的に支持している。このように構成されることにより,上記板状部材Tの両面における付着物を除去することが可能となるだけでなく,上記ノズル体100の上下方向へのオーバーシュートやアンダーシュート,或いはハンチングを防止することが可能となる。
上述の実施の形態及び各実施例に係る付着物除去装置では,上記板状部材の上方に上記ノズル体100が配設されている場合は,上記空気圧源5から供給される圧縮空気の圧力が何らかの原因で低下することにより,上記ノズル体100が落下して上記板状部材Tを損傷させるという問題点がある。ここで説明する本発明の第5の実施例に係る付着物除去装置X5は,上記問題点を解決し得るよう構成されている。
具体的には,図10のブロック図に示すように,前記した減圧弁3,エアフィルタ4,コントローラ1,及びノズル体100に加え,予め定められた作動圧力値(規定圧力値)に設定された圧力スイッチ7と,圧縮空気が供給されることにより作動するシリンダ140(駆動手段の一例)とを備えて構成されている。また,上述の実施形態及び実施例の構成とはことなり,上記電磁弁2に代えて3方切り換え可能な3方電磁弁2aが用いられている。
上記シリンダ140は,内部にバネなどの弾性部材140aとピストン140bとを備えた単動式のシリンダであって,所定の圧力(少なくとも上記弾性部材140aによる付勢力以上の力をピストン140bに作用させ得る空気圧力)以上の圧縮空気が空気供給室140dに供給されると,上記弾性部材140aの付勢方向とは逆の方向(上記弾性部材140aを圧縮させる方向)へ上記ピストン140bが作動するものである。このシリンダ140は,上記ピストン140bが鉛直方向へ作動し,かつ,圧縮空気の供給により上記ピストン140bが上方向へ作動するように支持部材141に取り付けられている。
また,上記ピストン140bの下方に伸びるピストン軸140cは,前記した弾性部材113(図9参照)を介して上記ノズル体100を支持する支持部材142に連結されている。このように連結されることで,上記ピストン140bが作動すると,上記ノズル体100が板状部材Tの表面に略垂直な方向へ持ち上げられることになる。
上記電磁弁2aは,1つの入力ポートと2つの出力ポートを有する3方電磁弁であり,入力ポートP1は空気圧源5に配管接続されている。一方,2つの出力ポートのうち,消磁されることにより空気圧減5と連通するポートP2は上記シリンダ140の空気供給室140dに配管接続されており,励磁されることにより空気圧減5と連通するポートP3は上記減圧弁3に配管接続されている。
上記圧力スイッチ7は,上記ノズル体100に供給される圧縮空気が予め定められた規定圧力未満となった場合に検出信号をコントローラ1に送信する。なお,上記規定圧力は,ノズル体100を浮上させるのに最低限必要な圧力である。
このように構成された本付着物除去装置X5では,圧縮空気が供給されることにより上記ノズル体100が浮遊(浮上)している最中に,上記圧力スイッチ7から上記コントローラ1へ検出信号が出力されると,上記3方電磁弁2aが上記コントローラ1によって消磁される。これにより,上記3方電磁弁2aが作動して,出力ポートP3が閉じられ,そして,出力ポートP2が開けられる。その後,上記出力ポートP2を介して圧縮空気が上記空気供給室140dに供給される。なお,上述の如く上記3方電磁弁2aを制御する上記コントローラ1が駆動制御手段に相当する。
上記シリンダ140では,上記空気供給室140dに圧縮空気が供給されると,ピストン140bが上方へ移動し,上記ノズル体100が上記ピストン140bの移動に伴って上方へ持ち上げられる。
このように,ノズル体100へ供給される圧縮空気の圧力が規定圧力未満になった場合は,上記ノズル体100が上記シリンダ140により持ち上げられるため,上記ノズル体100の落下による上記板状部材Tの損傷が防止される。
なお,この第5の実施例では,板状部材Tの上面側にノズル体100が配設された場合について説明したが,もちろん,上述の第4の実施例で説明したように,上記板状部材Tの下面側にノズル体100が配設された場合にも同じように適用することが可能である。なお,この場合は,ピストン140bが作動することにより上記板状部材Tの下面から下方へノズル体100を引き下げるように上記シリンダ140が配設される。
また,この実施例では,駆動手段として単動式のシリンダ140を用いた例について示したが,例えば,複動式のシリンダを用いる例であってもかまわない。
本発明の実施の形態に係る付着物除去装置Xの空気制御システムの概略を説明するブロック図。 付着物除去装置Xのノズル体100を説明する模式図。 ノズル体100に作用する力Fと,離間距離dとの関係を表す図。 離間距離dと付着物除去効果との関係を説明する模式図。 噴射口101の近傍の圧力分布を示す図。 本発明の第1の実施例に係る付着物除去装置X1のノズル体100aを説明する模式図。 本発明の第2の実施例に係る付着物除去装置X2のノズル体100bを説明する模式図。 本発明の第3の実施例に係る付着物除去装置X3の概略構成を示すブロック図。 本発明の第4の実施例に係る付着物除去装置X4のノズル体100cを説明する模式図。 本発明の第5の実施例に係る付着物除去装置X5の概略構成を示すブロック図。
符号の説明
1…コントローラ
2…電磁弁
3…減圧弁
4…エアフィルタ
5…空気圧源
6…管路
7…圧力スイッチ
100…ノズル体
101…噴射口
102…対向面
104…供給口
105…連通路
106…溝
107…溝
108…平板ノズル
109a…空気溜まり
109b…空気逃がし孔
110…スライド機構
111…スライドバー
112…スライドガイド
113…弾性部材
120…油分離機
121…ブロア
122…イジェクタ
130…オイルタンク
140…シリンダ

Claims (9)

  1. 走行する圧延後の板状部材の表面に対向して上記板状部材の表面に略垂直な方向へ移動自在に支持されてなるノズル体を備え,上記ノズル体の上記板状部材に対向する平面状の対向面に,それぞれの面積の合計値が上記対向面の面積の略3分の2未満となるような一以上の噴射口と,上記板状部材の搬送方向及び上記ノズル体の移動方向と略直交する方向に長い開口部を有する平面ノズルとが設けられてなり,上記ノズル体の上記噴射口から圧縮気体を噴射させることにより上記板状部材に付着した圧延油,洗浄油などの付着物を除去する付着物除去装置であって,
    上記板状部材方向への押圧力及び上記噴射口から噴射され上記板状部材の間の隙間を通って流れる空気の流れに基づいて発生する負圧である吸着圧と,上記噴射口から噴射される圧縮空気気体の噴射圧によりノズル体を押し上げようとする押上圧とのバランスに見合った上記ノズル体と上記板状部材表面との間の隙間の分だけ上記ノズル体を上記板状部材から浮上させて支持するように,上記噴射口の面積との関係で上記噴射口へ供給される圧縮気体の圧力を調整することを特徴とする付着物除去装置。
  2. 上記噴射口が,上記板状部材の搬送方向及び上記ノズル体の移動方向と略直交する方向に直列或いは並列に配列されてなる請求項1に記載の付着物除去装置。
  3. 上記ノズル体を構成する主要部材が,プラスチック素材からなる請求項1或いは2のいずれかに記載の付着物除去装置。
  4. 上記ノズル体が,上記板状部材の上面側及び下面側のいずれか一方又は両方に設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載の付着物除去装置。
  5. 上記対向面に,上記噴射口から噴射された圧縮気体を溜めるための陥没状の気体溜まりが設けられ,
    上記ノズル体に,上記気体溜まり内の気体を上記ノズル体の外部へ導く連通孔が形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の付着物除去装置。
  6. 上記連通孔から上記空気溜まり内の気体を吸引する吸引手段を更に備えてなる請求項5に記載の付着物除去装置。
  7. 上記連通孔から排出された気体内に含まれる付着物を分離回収する付着物分離回収手段を更に備えてなる請求項5又は6のいずれかに記載の付着物除去装置。
  8. 上記付着物分離回収手段が,付着物を含む気体から液状付着物のみを分離回収するものである請求項7に記載の付着物除去装置。
  9. 上記ノズル体と連結され,該ノズル体を上記板状部材の表面に略垂直な方向へ移動させる駆動手段と,
    上記ノズル体に供給される圧縮気体が予め定められた規定圧力未満となった場合に,上記駆動手段を駆動制御することにより上記ノズル体を上記板状部材から離反する方向へ移動させる駆動制御手段と,
    を更に備えてなる請求項1〜8のいずれかに記載の付着物除去装置。
JP2005165788A 2004-08-05 2005-06-06 付着物除去装置 Active JP3813162B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005165788A JP3813162B2 (ja) 2004-08-05 2005-06-06 付着物除去装置
TW94126725A TWI290069B (en) 2004-08-05 2005-08-08 Deposit removing device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004229468 2004-08-05
JP2005165788A JP3813162B2 (ja) 2004-08-05 2005-06-06 付着物除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006068724A JP2006068724A (ja) 2006-03-16
JP3813162B2 true JP3813162B2 (ja) 2006-08-23

Family

ID=36149875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005165788A Active JP3813162B2 (ja) 2004-08-05 2005-06-06 付着物除去装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3813162B2 (ja)
TW (1) TWI290069B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4619331B2 (ja) * 2006-08-10 2011-01-26 株式会社神戸製鋼所 付着物除去装置
JP4904412B2 (ja) * 2010-04-21 2012-03-28 株式会社川副機械製作所 付着物除去具及び付着物除去装置
JP2012159421A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Ulvac Japan Ltd パーティクル測定装置
CN102748933A (zh) * 2012-06-26 2012-10-24 中国重型机械研究院有限公司 一种热风吹扫装置
JP5806702B2 (ja) * 2013-05-16 2015-11-10 川崎重工業株式会社 クリーン機能を備えた板材切断装置
KR101583619B1 (ko) * 2014-07-16 2016-01-11 주식회사 삼우에코 스트립 표면의 이물질 제거노즐
KR101583617B1 (ko) * 2014-07-16 2016-01-11 주식회사 삼우에코 스트립 표면의 유체 유도노즐
JP7223595B2 (ja) * 2019-02-19 2023-02-16 ポリプラスチックス株式会社 付着物除去装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW200609051A (en) 2006-03-16
JP2006068724A (ja) 2006-03-16
TWI290069B (en) 2007-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006013848A1 (ja) 付着物除去装置
JP3813162B2 (ja) 付着物除去装置
KR101282453B1 (ko) 세정 장치 및 세정 방법
KR101025180B1 (ko) 세정 매체 및 이를 사용하는 건식 세정 장치
KR100885590B1 (ko) 부착물 제거 장치
JP4403379B2 (ja) インクジェットプリンタ用ヘッド清掃装置及び該清掃装置を備えたプリンタ
JP4689765B2 (ja) 洗浄媒体及び洗浄装置
US6517188B1 (en) Ink jet print head cleaning
JP4619331B2 (ja) 付着物除去装置
KR101778393B1 (ko) 이물질 제거장치
JP2008043858A (ja) 付着物除去装置
JP2007190709A (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出装置の清掃方法
CN111158176B (zh) 一种液晶屏幕运载清洁***
JP2009160536A (ja) 付着異物除去装置、付着異物除去方法及びシート状物
JP4954030B2 (ja) 洗浄媒体及びそれを使用する乾式洗浄装置
JP6742976B2 (ja) ハニカム触媒の活性回復装置
JP4546186B2 (ja) インクジェットヘッドのメンテナンス装置
JP2013071112A (ja) 塗布液塗布装置
JP6468431B2 (ja) 液体吐出装置
JP2001179635A (ja) ブラスト装置
CN214877783U (zh) 一种矿料运输装置
JP2008237985A (ja) 付着異物除去装置および付着異物除去方法
JP2009072651A (ja) 付着異物除去装置および付着異物除去方法
JPH092638A (ja) コンベア用ベルト面清掃装置
JP2001170868A (ja) 研掃材除去装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3813162

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 7