JP3813059B2 - グレーティングの作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバや平面光波回路などの光導波路に紫外レーザ光を照射して屈折率変調を形成するグレーティングの作製方法に関し、特に光通信システムに用いられる帯域通過フィルタや分散等化デバイスなど高精度な特性を要するグレーティングデバイスのグレーティングの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
将来、実現が期待される波長間隔が50GHz(波長:0.4nm)や25GHz(波長:0.2nm)といった高密度波長多重伝送システム(DWDM伝送システム)には、光ファイバや平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:以下PLCと称す)などの光導波路にグレーティングを設けてなる帯域通過フィルタは、必須のデバイスである。また、ビットレートが10Gbit/s以上あるいは40Gbit/s以上といった将来の超高速光伝送システムには、光導波路にグレーティングを設けてなる分散等化デバイスは、必須のデバイスである。
【0003】
帯域通過フィルタや分散等化デバイスなどのグレーティングデバイスは、例えば、石英からなるコアにGeを添加した光ファイバや平面光波回路(PLC)などの光導波路に紫外レーザ光の干渉縞を照射することにより作製することができる。さらに、具体的には、光導波路を数10から数100気圧の高圧水素中に数日から数週間放置することにより光導波路内部に水素を充填し、紫外光照射による屈折率変化を増感させて、位相マスクやハーフミラーにより二光束に分離された紫外レーザ光の干渉縞を光導波路に照射し、干渉縞に応じた屈折率変化を形成することで作製される。この干渉縞に応じた屈折率変化を形成することを屈折率変調といい、その変化の大きさを屈折率変調度という。光導波路に形成したグレーティングのグレーティングピッチをΛ、光導波路の等価屈折率をNeffとすると、光導波路に入射した光のうち下記数1を満足する波長λBの光はブラッグ反射を起こし入射側に反射される。
【数1】
λB=2・Neff・Λ (1)
なお、等価屈折率とは光導波路を伝搬する光が受ける等価的な屈折率で、コアとクラッドの相互作用によって決まり、実効屈折率あるいは有効屈折率とも呼ばれる。
【0004】
グレーティング全体に渡って、数1の関係を満たす波長λBを一定となるようにした場合は、特定の波長の光のみを効率よく反射することができるため帯域通過特性が非常にシャープな帯域通過フィルタを得ることができる。一方、グレーティングピッチΛあるいはグレーティングの等価屈折率Neffを伝搬方向で変化させて、グレーティングの位置によりブラッグ波長λBを変えたチャープグレーティングを形成することで、分散補償器や分散スロープ補償器などの分散等化デバイスを得ることができる。
【0005】
この帯域通過フィルタや分散等化デバイスなどの用途に用いる特性を得るためにはグレーティングの作製に高度な精度が要求される。すなわち光通信システムで用いられる波長1.55μm帯では、グレーティングピッチは500nm程度であり、グレーティングの長さ約数mmから約100mmに渡って規則正しく作製する必要がある。さらに紫外レーザ光の照射量により屈折率変調度や等価屈折率Neffも変化することから、グレーティングの長さ全体に渡って高精度に紫外レーザ光を照射する必要がある。このような設計からのグレーティングピッチのずれは位相エラー、屈折率変調度や等価屈折率Neffのずれは振幅エラーと呼ばれる。これらのエラーが帯域通過フィルタでは帯域外減衰量の劣化の原因となり、分散等化デバイスでは群遅延時間特性のリップルすなわち群遅延リップルの原因となる。このことは、『Ricardo Feced,他,「Effect of Random Phase and Amplitude Errorsin Optical Fiber Bragg Gratings」,”JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL.18,NO.1,90頁〜101頁”,January,2000,IEEE発行』に記されている。
【0006】
また、エラーを低減したグレーティングを作製する方法として幾つかの方法が提案されている。例えば、特開平8−286066号公報に開示の光導波路回折格子の作製方法では、図17の斜視図に示すように、所定波長(240nm近辺)の紫外光を照射してグレーティングを形成する際に発生する蛍光を検出し、蛍光の受光量が最大となるようにして位置合わせを行っている。即ち、光ファイバに240nm付近の波長の紫外レーザ光を照射すると、光ファイバのコアに波長350〜550nmの蛍光を生じる。発生した蛍光のうちの一部は光ファイバを伝搬し、検出器8に到達し受光される。ここで検出器8の受光量が最大となるように調整して、光ファイバ1のコアに照射されるレーザ光を最大にしている。なお、240nm近辺の波長の紫外レーザとしてはKrFエキシマレーザ(波長248nm)とアルゴンレーザの第2高調波(波長244nm)が知られている。
【0007】
また、『小向 哲郎、他,「チャープファイバグレーティングにおける群遅延リップルの発生原因の検討」,”電子情報通信学会技術報告書 OFT2000−49”,31頁〜35頁,社団法人 電子情報通信学会発行』には、アルゴンレーザの第2高調波である波長244nmの紫外レーザ光を光ファイバの光軸方向に走査しながら、常に蛍光をモニタして紫外レーザ光が均一に照射されるように光ファイバの位置を制御することが記されている。さらに分散等化デバイスとして用いられるチャープグレーティングによって生じる群遅延リップルの原因の多くは作製プロセスにあるとして、以下の要因が示されている。
(1)照射する紫外レーザ光のパワーやモードの揺らぎ(振幅エラー)。
(2)光ファイバなど光導波路の長手方向におけるコアの組成の揺らぎ。
(3)チャープグレーティングのアポダイゼーションの不完全性。
(4)機械的振動による位相マスクと光導波路との位置ずれ(位相エラー)。
(5)光導波路とレーザ光照射の位置制御の不完全性(振幅エラー)。
(6)光導波路の洗浄の不十分性(振幅エラー)。
(7)スティッチングエラー等の位相マスクの不完全性(振幅エラーおよび位相エラー)。
【0008】
一方、特開平10−90545号公報に開示されているグレーティングの作製方法では、図18に示すように、PLCに形成した光導波路に紫外レーザである波長248nmのKrFエキシマレーザ光を照射する場合に発生する熱を放熱体を通じて放熱している。この場合において、グレーティングの作製のため数分〜数十分紫外レーザ光が照射されると、クラッドとコアを通過し基板に到達した紫外レーザ光の一部が吸収され加熱される。このとき生じた熱は放熱体5を通じてPLC1より放熱される。これによってPLC1全体の温度上昇を±10℃以下に抑え、PLC1の熱膨張によるグレーティングピッチの変化を抑えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような様々なエラー発生要因を防止してもなお発生しうる位相エラーがある。即ち、ビーム幅が数mm以下の紫外レーザ光を光導波路の光軸方向に走査してグレーティングを作製する場合、光導波路には局所加熱による熱膨張を原因とするグレーティングピッチのずれ、即ち、歪みが生じる。このグレーティングピッチの歪みによって位相エラーを生じる。このようなグレーティングピッチの歪みが生じる原因については、以下のように考えられる。通常、光導波路は、石英(SiO2)を主原料としているため、その熱膨張係数は小さいがそれでも10-6程度の熱膨張係数を有する。そのため、例えば、1mmのビーム幅の紫外レーザ光を長さ1mmの光導波路の領域に照射して、その領域の温度が数℃上昇したとすると、その1mmの領域は数nm程度熱膨張し、他の領域を数nmずつ押し出す。また紫外レーザ光は、光導波路の光軸に沿って走査されるので、光導波路の他の領域を照射しているときは照射されている領域が数nm熱膨張し、さらに他の部分を数nmずつ押し出す。このように紫外レーザ光照射により局所的にわずか数℃温度上昇したとしても、グレーティングピッチに±数nm程度の揺らぎが生じる。グレーティングピッチは500nm程度であるから、例え数nmの揺らぎであっても影響は大きく、これが位相エラーとなり群遅延リップルを生じる。これは分散等化デバイスに用いられるチャープグレーティングに限ることでなく、帯域通過フィルタに用いられる均一グレーティングであっても同様に悪影響を及ぼす。
【0010】
また、通常、特開平8−286066号公報に記載の光導波路回折格子の作製方法等で示されるように、240nm近辺の波長を有する紫外レーザ光を使用している。このような紫外レーザとしてはKrFエキシマレーザ(波長248nm)とアルゴンレーザの第2高調波(波長244nm)が知られている。しかし、KrFエキシマレーザはビームのコヒーレンスやエネルギーの時間的および空間的安定性が悪いため、高精度なグレーティング作製には適していない。また、アルゴンレーザの第2高調波はコヒーレンスが高いが、連続発振であるため屈折率を変化させる効率が悪く、十分な屈折率変調度を得るためには大きなエネルギー密度が必要になる。このためアルゴンレーザではレーザビームを集光して光導波路に照射するため、わずかな位置ずれにより紫外レーザ光の照射量に大きなばらつきを生じ、振幅エラーを生じる。さらに集光により光導波路に大きなエネルギー密度を照射しているにも関わらず、光導波路の局所的な熱膨張については考慮されていない。このため、上記のようにグレーティングピッチにわずかな揺らぎが生じ、位相エラーをも生じる。
【0011】
次に、前述した先行技術について検討すると、特開平10−90545号公報に記載のグレーティングの作製方法は、光導波路を形成したPLC全体の温度を一定に保つものである。したがって、紫外レーザ光を光導波路の全体に均一に照射する場合は良いが、ビーム幅が数mm以下の紫外レーザ光を光導波路に走査して照射する場合の局所加熱による局所的な熱膨張については考慮されていない。すなわち、PLC全体に放熱体を設けたり、強制的に冷却したとしても、紫外レーザ光を照射した部分の光導波路は局所的に熱膨張する。言いかえれば、例えば放熱体等を設けていない場合に、紫外レーザ光を照射した部分の周辺部に対する温度上昇は、これに放熱体を設けたり冷却機構を設けたりしても、平均温度を一定に保つことができるだけで、紫外レーザ光照射部分の周辺部に生じる温度差を解消するには十分ではない。従って、上記のようにグレーティングピッチにわずかな揺らぎが生じ、位相エラーを生じる。
【0012】
そこで、本発明の第1の目的は、紫外レーザ光を光導波路に走査してグレーティングを作製する場合の局所的な熱膨張を抑え、位相エラーを低減したグレーティングの作製方法を提供することである。また、本発明の第2の目的は、光導波路に屈折率変化を生じさせる効率が高い時間的安定性や空間的安定性に優れた紫外レーザ光用いて、振幅エラーを低減したグレーティングの作製方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るグレーティングの作製方法は、紫外光の照射により屈折率が変化する材料からなるコアと、該コアを包んでいるクラッドとからなる光導波路に、前記光導波路と互いの位置関係が変化しないように固定された位相マスクを通して紫外レーザ光の干渉縞を照射して、前記コアに屈折率変調を形成してグレーティングを作製する方法であって、
前記紫外レーザ光の干渉縞は、紫外レーザ光の照射位置が前記光導波路と相対的に変化するように前記紫外レーザ光または前記光導波路を走査して照射され、
前記コアにおいて、グレーティングの光軸方向に対して、前記紫外レーザ光の干渉縞の照射量分布が、所定の照射量分布となるように照射範囲を変化させて、前記紫外レーザ光の干渉縞の照射を複数回行うことを特徴とする。
【0014】
また、前記紫外レーザ光の干渉縞は、前記紫外レーザ光の単位時間当りのエネルギー密度Eとビーム径Bとで規定される走査速度以上の走査速度で、前記紫外レーザ光を前記光導波路の光軸に沿って走査して照射してもよい
【0015】
また、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記紫外レーザ光を、単位時間当りのエネルギー密度E(W/cm2)とビーム径B(mm)とで規定される走査速度
2/(85・E-1.2)(mm/秒)
以上の走査速度で走査することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記コアにおいて、グレーティングの光軸方向に対して所定の照射量分布となるように照射範囲を制御して、前記紫外レーザ光の走査を複数回行うことを特徴とする。
【0017】
またさらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記光導波路を、熱伝導性基板の上に配置することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記紫外レーザ光の単位時間当りのエネルギー密度E、ビーム径B及び前記熱伝導性の基板の熱伝導率kとで規定される走査速度以上の走査速度で、前記紫外レーザ光を前記光導波路の光軸に沿って走査することを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記紫外レーザ光を、単位時間当りのエネルギー密度E(W/cm2)、ビーム径B(mm)及び前記熱伝導性の基板の熱伝導率k(J/(m・K))とで規定される走査速度
2/[(115・k)0.5・E-1.2](mm/秒)
以上の走査速度で走査することを特徴とする。
【0020】
またさらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記紫外レーザ光は、紫外パルスレーザ光であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記紫外パルスレーザ光の光源は、半導体光源であることを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記紫外パルスレーザ光は、1パルス当りのエネルギー密度に対する屈折率増加係数の傾きが変化する変化点でのエネルギー密度以上のエネルギー密度を有することを特徴とする。
【0023】
またさらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記光導波路を、紫外レーザ光を反射する鏡面基板の上に配置すると共に、
前記紫外レーザ光を前記光導波路に照射した場合に前記鏡面基板から反射される反射光をモニタして、前記紫外レーザ光の照射位置と前記光導波路の相対的位置を調整するステップを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記光導波路において、前記紫外レーザ光が照射される部分を局所的に冷却しながら前記紫外レーザ光を走査することを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明に係るグレーティングの作製方法は、前記グレーティングの作製方法であって、前記光導波路を空冷法によって局所的に冷却することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るグレーティングの作製方法について以下に添付図面を用いて説明する。なお、添付図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。本発明の実施の形態に係るグレーティングの作製方法における第1の態様では、紫外レーザ光の走査速度を制御して、光導波路の局所加熱による熱膨張によって生じるグレーティングピッチの歪みを抑制している。即ち、紫外レーザ光の単位時間当りのエネルギー密度Eとビーム径Bとによって規定される走査速度以上の走査速度で、紫外レーザ光を光導波路の光軸に沿って走査する。このように所定速度以上の走査速度で紫外レーザ光を走査すると、紫外レーザ光のビーム端部に生じる局所的な熱膨張を抑制でき、形成するグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0027】
本発明の実施の形態に係るグレーティングの作製方法における第2の態様では、紫外レーザ光の照射範囲を制御して、複数回の走査を行ってグレーティングを作製する。このように紫外レーザ光の照射範囲を制御することで所定の照射量分布を得ることができる。また、複数回の走査を行うので、1回当りの照射量を減らすことができる。その結果、局所的な熱膨張を抑制できるので、グレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0028】
本発明の実施の形態に係るグレーティングの作製方法における第3の態様では、光導波路を鏡面基板上に配置しておき、紫外レーザ光の鏡面基板による反射光をモニタして紫外レーザ光と光導波路との位置合わせを行う。これによって、紫外レーザ光のエネルギー密度が最も高く、エネルギー変動の少ない範囲で光導波路を照射することができる。また、これにより振幅エラーを低減できる。
【0029】
本発明の実施の形態に係るグレーティングの作製方法における第4の態様では、光導波路において紫外レーザ光の照射を受けている箇所を局所的に冷却している。これによって、局所的な熱膨張を抑制し、グレーティングピッチのずれ、即ち、歪みを抑制している。
【0030】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るグレーティングの作製方法では、紫外レーザ光の走査速度を制御して、光導波路の局所加熱による熱膨張によって生じるグレーティングピッチの歪みを抑制している。即ち、紫外レーザ光の単位時間当りのエネルギー密度Eとビーム径Bとによって規定される走査速度以上の走査速度で、紫外レーザ光を光導波路の光軸に沿って走査する。このように所定速度以上の走査速度で紫外レーザ光を走査すると、紫外レーザ光の照射部に生じる局所的な熱膨張を抑制でき、形成するグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0031】
このグレーティングの作製方法の具体的な方法について概説する。このグレーティングの作製方法では、図1の斜視図に示すように、光導波路として光ファイバ1を用いている。この光ファイバ1は基板2に形成した溝に収められ、グレーティングを形成するための位相マスク3が光ファイバ1を収めた溝の上に設けられ、光ファイバ1の光軸にほぼ垂直方向から紫外レーザ光7を走査する。このグレーティングが作製される機構は、以下の通りである。紫外レーザ光7を、位相マスク3を通して光ファイバ1に照射すると、図2の(b)の光軸方向の断面図に示すように、紫外レーザ光7は位相マスク3によって主に±1次の回折光23、24に回折され、この+1次の回折光23と−1次の回折光24とが互いに干渉することで干渉縞を形成する。この干渉縞が光ファイバ1に照射されると干渉縞の紫外光のエネルギー強度に応じた屈折率変化が生じ、光ファイバ1のコア21にグレーティング20が作製される。このとき形成されるグレーティング20のピッチは位相マスクのピッチの半分となり、1.55μm帯の光通信用ではグレーティングのピッチは約500nm程度である。
【0032】
この紫外レーザ光7の走査は、光ファイバ1、基板2、それに位相マスク3をホルダ4によって保持している移動ステージ5を紫外レーザ光7に対して相対的に移動させることによって行っている。この移動ステージ5を移動させることによって、その上に保持している光ファイバ1、基板2、それに位相マスク3を左右に移動させることができる。なお、移動ステージ5は、パーソナルコンピュータ(不図示)などのコントローラによって制御してもよい。移動ステージ5を光ファイバ1の光軸方向に移動させると、光ファイバ1、基板2及び位相マスク3が移動し、紫外レーザ光7が照射される位置を光ファイバ1の光軸に沿って移動させることができる。この紫外レーザ光7を光ファイバ1のコア21に照射することによって、光ファイバ1の光軸に沿ってグレーティングが作製される。このとき紫外レーザ光7の照射による光ファイバ1の局所的な温度上昇を抑えられる走査速度で移動ステージ5を移動させる。このように所定の走査速度以上の走査速度で紫外レーザ光7を走査することで光ファイバ1の局所的な熱膨張を抑制して、精度の高いグレーティングを作製することができる。なお、この走査速度のより詳細な条件については以下に後述する。
【0033】
次に、光導波路としての光ファイバ1の周辺部と、紫外レーザ光を走査する光学系の各構成要素について説明する。まず、光ファイバ1の周辺部について説明する。光ファイバ1は、紫外光によって屈折率変化を生じる材料からなるコア21と、該コア21を包んでいるクラッドからなる。また、基板2には、光ファイバ1の直径よりわずかに大きい溝が形成されており、この溝に光ファイバ1が収められている。この基板2としては、Siなどの半導体やAu、Agなどの金属のように熱伝導度の高い材質からなる基板が好ましい。また、光ファイバ1にグレーティングを作製するための位相マスク3は、光ファイバ1および基板2に近接して設けられる。なお、図1ではそれぞれの構造を分かり易くするため光ファイバ1及び基板2から離して示したが、実際には、図2の(a)の図1におけるA−A’線断面図及び(b)のB−B’線断面図に示すように、位相マスク3は、光ファイバ1及び基板2に近接して設けられる。また、光ファイバ1、基板2及び位相マスク3は、互いの位置関係が変化しないように互いに固定されている。さらに、光ファイバ1、基板2、それに位相マスク3は、ホルダ4によって移動ステージ5に設置されている。この移動ステージ5によって、光ファイバ1、基板2、それに位相マスク3を左右に移動させることができる。なお、このグレーティングの作製方法では、光導波路として光ファイバを用いているがこれに限られず、平面光波回路(PLC)を用いることもできる。
【0034】
さらに、紫外レーザ光を走査する光学系の各構成要素について説明する。この紫外レーザ光7は、図1の斜視図に示すように、紫外レーザ装置6から出力される。この紫外レーザ装置6では、発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)などの半導体光源によって励起されたパルス発振のレーザ光を波長変換してビーム径約1mmの紫外レーザ光7を出力する。このような紫外レーザ光7としては、半導体光源により励起されるNd−YAGレーザの第3高調波(波長355nm)、第4高調波(波長266nm)、第5高調波(波長213nm)を用いることができる。
【0035】
次いで、紫外レーザ光の走査速度に関する詳細な条件について説明する。まず、紫外レーザ光の照射による光ファイバ1に生じる局所的な温度上昇に要する時間について説明する。光ファイバ1の上昇温度が1℃以下となる照射時間は、例えば、図3に示す単位時間あたりのエネルギー密度Eが100W/cm2の紫外レーザ光の照射時間に対する光ファイバの温度上昇の過渡特性より、石英基板の場合で約0.35秒、Si基板の場合で約0.5秒、Au基板の場合で約0.75秒である。光ファイバ1の局所的な温度上昇は可能な限り低い方が良いが、概ね1℃以下であれば、局所的熱膨張によるグレーティングピッチの変化は1nm以下(0.2%以下)となり、それによるグレーティング特性の劣化は無視し得る程度となる。従って、単位時間あたりのエネルギー密度Eが100W/cm2の紫外レーザ光の場合、石英基板では0.35秒以下の照射時間であれば、光ファイバの局所的な温度上昇を1℃以下とすることができる。また、石英より熱伝導率が小さい基板上に光ファイバ1を設置した場合は、レーザ光照射により生じた熱は光ファイバを伝わって周囲に伝導するため、石英基板上に設置した場合と同程度の上昇温度となる。
【0036】
さらに、紫外レーザ光の単位時間あたりの照射エネルギー密度に対する光ファイバの温度上昇が1℃となる照射時間は、図4に示すように、単位時間当りの照射エネルギー密度が大きくなると急激に短くなる。この単位時間あたりの照射エネルギー密度E(W/cm2)と温度上昇が1℃となる照射時間t(秒)は、図4中の曲線で示すように、およそ下記数2、数3及び数4の近似式で表わされる。
【数2】
t=85・E-1.2 (石英基板) (2)
【数3】
t=130・E-1.2 (Si基板) (3)
【数4】
t=190・E-1.2 (Au基板) (4)
従って、各種基板ごとに上記数2、数3、数4に示す照射時間以下であれば、光ファイバの局所的な温度上昇を1℃以下に抑えることができ、局所的な熱膨張によるグレーティングピッチの変化を1nm以下とすることができる。なお、前述の通り、石英より熱伝導率が小さい基板の場合であっても石英基板と同様に扱うことができる。そのため、どのような材質の基板(光ファイバを中空に設置した場合を含む)であっても紫外レーザ光の照射時間が
t≦85・E-1.2
となる条件を満足する速度で移動ステージを移動させれば局所的な熱膨張によるグレーティングピッチの変化を1nm以下とすることができる。
【0037】
また、上記はビーム径1mmの紫外レーザ光について示したが、一般的にビーム径B(mm)の紫外レーザ光を用いてグレーティングを作製する場合は、走査の間にビーム径の端部から端部まで照射が継続する。この場合のビーム端部の照射時間は、ビーム径Bを走査速度vで除した時間であるので、
B/v≦85・E-1.2
となる。この式より、走査速度vを表わす式に変換すると、
【数5】
v≧B/(85・E-1.2)(mm/秒) (5)
となる。この数5を満足する走査速度で紫外レーザ光を照射すると、ビーム径の端部から端部までの照射時間は上昇温度1℃以下に抑えられる範囲となるので、局所的な熱膨張を抑制できる。そこで、この数5の条件を満足する走査速度で紫外レーザ光を走査するのが好ましい。
【0038】
さらに、図16に示すように、ビーム径B(mm)のビームを一定時間照射すると、ビーム中心部に比べてビーム端部では熱膨張が累積する。そのため、同じ照射時間であってもビーム径が大きいほどビーム端部での熱膨張による本来の位置からのずれは大きくなる。例えば、図16の(a)に示すように、最初の位置に紫外レーザ光を照射すると、照射部分の光導波路は、光軸に沿って熱膨張する。また、図16の(b)、(c)に示すように、紫外レーザ光が次の位置に移動すると、最初に照射された部分は冷却されて収縮し、次に照射された部分が熱膨張する。この場合において、ビーム径B(mm)の紫外レーザ光を走査する場合、通常1nmの熱膨張となる照射時間tであっても、ビーム端部の熱膨張は累積されて約B(nm)となると考えられる。そこで、ビーム端部での熱膨張を1nm以下に抑えるためには、
B/v≦(85・E-1.2)/B
の条件を満たす必要がある。この式から走査速度vを算出すると、
【数6】
v≧B2/(85・E-1.2) (6)
となる。この数6を満足する走査速度で紫外レーザ光を走査すると、ビームが所定位置を一定時間の間照射して、飛び飛びの位置にビームを移動させるステップスキャンのような場合でもビーム端部での熱膨張を1nm以下に抑えることができる。そこで、数6を満足する走査速度v(mm/秒)で紫外レーザ光を走査するのがさらに好ましい。
また、Si基板を用いた場合は、下記数7を満たす走査速度で走査するのがより好ましい。
【数7】
v≧B2/(130・E-1.2) (7)
さらに、Au基板を用いた場合は、下記数8を満たす走査速度で走査するのがより好ましい。
【数8】
v≧B2/(190・E-1.2) (8)
【0039】
さらに、数7及び数8より、半導体や金属などの熱伝導率の高い材質の基板を用いた場合は、その材質の熱伝導率をk(W/(m・K))とすると、下記数9を満たす走査速度で走査するのが好ましい。
【数9】
v≧B2/{(115・k)1/2・E-1.2} (9)
なお、ビーム径とはレーザビームの空間エネルギー分布において、エネルギー密度が最大値の半分になるレーザビームの直径あるいは幅である。
【0040】
ところで、このようにグレーティング作製時の紫外レーザ光照射による温度上昇を抑えるためには、紫外レーザ光と光導波路の相対位置を高速に移動し照射時間を短くする方法のほか、紫外レーザ光の単位時間あたりの照射エネルギー密度を小さくする方法がある。しかし、単位時間当たりの照射エネルギー密度を小さくすると、十分な屈折率変化の大きさ(屈折率変調度)を得るためには照射時間を余分に必要とするため、照射時間を長くすることなく屈折率変化を効率よく生じさせる条件が必要となる。
【0041】
このような条件には、従来から高精度グレーティングの作製に用いられているArレーザの第2高調波(波長:244nm)を使用した連続発振の紫外レーザ光に比べて、パルス発振の紫外レーザ光がより有効である。なかでも半導体光源により励起された紫外レーザ光は、エネルギーの時間的安定性や空間的安定性が良く最も適している。このようなパルス発振の紫外レーザ光としては、半導体光源により励起されたNd−YAGレーザの第3高調波(波長:355nm)、第4高調波(波長:266nm)、第5高調波(波長:213nm)が好ましい。なかでも第4高調波(波長:266nm)は、Arレーザの第2高調波(波長:244nm)やKrFエキシマレーザ(波長:248nm)と波長が近く、位相マスクをはじめとする光学部品がそのまま使えるため、光学部品の低コスト化という点で有利である。
【0042】
さらに、グレーティングの作製に用いるパルス発振の紫外レーザ光としては、屈折率変調度とエネルギー密度との関係において、屈折率変調度のエネルギー密度に対する傾きが変化する変化点のエネルギー密度以上のエネルギー密度を有する紫外レーザ光を用いることが好ましい。このようにパルス発振の紫外レーザ光として、所定のエネルギー密度以上のエネルギー密度を有すると、屈折率変調度のエネルギー密度に対する傾きがより大きくなる。このため、変化点より低いエネルギー密度を有する紫外レーザ光と変化点より高いエネルギー密度を有する紫外レーザ光のそれぞれについて、発振周波数を調整して互いに同一の単位時間当りのエネルギー密度を有する紫外レーザ光とした場合であっても、変化点以上のエネルギー密度を有する場合のほうが得られる屈折率変調度は大きくなる。
【0043】
この屈折率変調度とエネルギー密度との関係について以下に説明する。まず、図5は、半導体光源により励起されたパルス発振のNd−YAGレーザの第4高調波(波長:266nm)を用いてグレーティングを作製した場合、光導波路に照射する紫外パルスレーザ光の1パルスあたりのエネルギー密度と、作製されるグレーティングの屈折率変調度の関係を示したものである。光導波路には1.55μm帯に零分散波長を有する分散シフトシングルモード光ファイバを用いた。ここでレーザの発振周波数は200Hzで一定とし、紫外パルスレーザ光を照射する時間は一定とする。また、図5には、1パルス当りのエネルギー密度に対する単位時間当りのエネルギー密度、即ち、レーザ出力を破線で示した。このレーザ出力(単位:W)は、1パルスあたりのエネルギー(単位:J)と発振周波数(単位:Hz)の積であり、図5に示すように、1パルス当りのエネルギー密度に比例する。一方、屈折率変調度変化の大きさは、光導波路に照射される紫外パルスレーザ光の1パルスあたりのエネルギー密度が70mJ/cm2(変化点)を境にその傾きが増加する。すなわち、1パルスのエネルギー密度が70mJ/cm2以上では、レーザ出力の増加割合以上の割合で屈折率変調度が変化している。
【0044】
さらに別の光ファイバとして1.3μm帯に零分散波長を有する通常のシングルモード光ファイバを用いた場合は、紫外パルスレーザ光の1パルスあたりのエネルギー密度が100mJ/cm2(変化点)を境にして傾きが大きく異なる(不図示)。また、コア21にGeとSnを添加して紫外光による感光性を向上させた平面光波回路(PLC)では、50mJ/cm2(変化点)を境にして傾きが大きくなる(不図示)。すなわち、光導波路に照射される紫外パルスレーザ光の1パルスあたりのエネルギー密度に対して屈折率変化が急増するエネルギー密度が存在する現象は、その変化点のエネルギー密度値は異なるが光導波路の種類(シングルモード光ファイバ,分散シフト光ファイバ,PLCなど)を選ばず同様である。この理由については不明であるが、紫外レーザ光の照射により屈折率を効率よく変化させるには、極く短時間にある程度大きな光エネルギーが必要と考えられる。従って、Arレーザの第2高調波(波長:244nm)のような連続発振の紫外レーザ光では、極く短時間に十分な光エネルギーを供給できないため、紫外レーザ光照射により屈折率を変化させる効率が悪い。
【0045】
また、紫外パルスレーザ光を照射する場合にも、1パルスあたりのエネルギー密度に対して屈折率変化が急増するエネルギー密度(変化点)以上のエネルギー密度を有する紫外パルスレーザ光を光導波路のコア21に照射するのが好ましい。例えば、1.55μm帯に零分散波長を有する分散シフトシングルモード光ファイバを用いた場合、図5に示すように、光導波路のコア21に照射される1パルスあたりのエネルギー密度が100mJ/cm2で、発振周波数が200Hzの紫外パルスレーザ光と、1パルスあたりのエネルギー密度が50mJ/cm2で、発振周波数が400Hzの紫外パルスレーザ光では、光導波路のコアに照射される単位時間あたりのエネルギー密度は共に20W/cm2である。この場合において、図5を基に計算すると、100mJ/cm2,200Hzの紫外パルスレーザ光の方が他方に比べて、同一の照射時間では約2倍の屈折率変調度が得られる。一方、50mJ/cm2,400Hzの紫外パルスレーザ光では、同一の変調度を得るために約2倍の照射時間が必要となる。またエネルギー密度が50mJ/cm2の紫外パルスレーザ光で、エネルギー密度が100mJ/cm2,200Hzの紫外パルスレーザ光と同一の照射時間で同一の屈折率変調度を得るためには、発振周波数を800Hzとする必要がある。しかし、このようにすると単位時間あたりのエネルギー密度は40W/cm2となり2倍の電力を要するだけでなく、光導波路の局所的な温度上昇も大きくなってしまう。
【0046】
なお、光導波路の局所的な温度上昇を防ぐためには、前述のように紫外レーザ光を、光導波路に対して相対的に高速に移動する必要があり、数4より100mJ/cm2,200Hz,20W/cm2の紫外パルスレーザ光の場合は、約0.43mm/秒以上の走査速度で走査すればよいが、50mJ/cm2,800Hz,40W/cm2の紫外パルスレーザ光の場合は約0.98mm/秒以上の走査速度で走査する必要がある。許容される走査速度の幅が広くなるという点で、光導波路のコアに照射される1パルスあたりのエネルギー密度が70mJ/cm2以上である紫外レーザ光が有利である。このことから、半導体光源によって励起されたNd−YAGレーザは、このグレーティングの作製にあたって好ましい。この半導体光源によって励起されたNd−YAGレーザは、レーザビームの時間的安定性,空間的安定性が優れており、Arレーザの第2高調波等より屈折率変化の効率が良いため高精度なグレーティングの作製に最も適している。
【0047】
また、KrFエキシマレーザも紫外パルスレーザ光であり同様のことが言えるが、KrFエキシマレーザはレーザビームの時間的安定性,空間的安定性が悪いため、作製したグレーティングの振幅エラーが大きく、グレーティングピッチの1nm程度の揺らぎを論ずるようなレベルには至らない。また放電ランプ励起のNd−YAGレーザも存在するが、KrFエキシマレーザと同様の理由により高精度なグレーティング作製には適さない。
【0048】
さらに、このグレーティングの作製方法では、紫外レーザ光の光源を所定位置に固定し、移動ステージ5によって光ファイバ1を移動させて、光ファイバ1と紫外レーザ光7との相対位置を変化させることで紫外レーザ光を走査する場合について述べた。しかし、紫外レーザ光の走査方法は、上記方法に限られず、逆に光ファイバを所定位置に固定し、紫外レーザ光を移動して、紫外レーザ光を走査してもよい。すなわち光ファイバと紫外レーザ光の照射位置が相対的に変化するものであればよい。
【0049】
またさらに、グレーティングを作製する光ファイバである光導波路1を熱伝導率の高い基板2に形成した溝中に収めることが好ましい。この熱伝導率の高い基板2としては、光導波路1を構成する材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有することが好ましい。具体的には、1W/(m・K)以上の熱伝導率を有することがより好ましい。このように熱伝導率の高い基板2の溝に収めているため、紫外パルスレーザ光7を照射した部分に発生する熱を基板2に拡散させて、その部分の局所的な温度上昇を防止することができる。このように光ファイバ1の局所加熱を抑えることで、局所的な熱膨張を防止しグレーティングのピッチが規則正しく形成されたグレーティングを作製することができる。
【0050】
このグレーティングの作製方法において、光ファイバ1の局所的な温度上昇を抑制するために、光ファイバ1を収納する基板に関する詳細な条件について以下に説明する。光ファイバに紫外レーザ光を照射すると温度上昇が生じる。即ち、移動ステージ5を移動させることなく停止させて光ファイバ1にビーム径1mmの紫外レーザ光7を照射した場合、図3に示すように、レーザ光の照射時間に対する光ファイバ1の上昇温度ΔTとの関係は、照射から約5秒まではほぼ直線的に温度上昇し、その後、温度上昇は飽和している。なお、測定に用いた紫外レーザ光7は、パルス発振の紫外レーザ光でガウス分布型のエネルギー分布を有し、1パルスあたりのエネルギーが1mJである。そのため、光ファイバ1の照射部分において、この紫外レーザ光7の1パルス当りのエネルギー密度は、約200mJ/cm2である。また、この紫外レーザ光7を500Hzの発振周波数で光ファイバ1に照射した場合、光ファイバに照射される単位時間あたりのエネルギー密度Eは100W/cm2である。光ファイバを石英基板に設置した場合、1秒経過時の上昇温度ΔTは、図3より約10℃であり、Si基板の場合には約7℃、Au基板の場合には約5℃であった。このように、光ファイバを熱伝導率が高い金属や半導体基板に設置した方が光ファイバの局所的な温度上昇を低く抑えることができる。
【0051】
なお、このグレーティングの作製方法では、位相マスクを用いて紫外レーザ光の干渉縞を形成してグレーティングを作製する方法について示したが、これに限らない。紫外レーザ光をハーフミラーにより二光束に分離し、光導波路上で合わせて干渉縞を形成するといった二光束干渉法や、プリズムを使用し干渉縞を形成するプリズム干渉法など他の方法により干渉縞を形成してグレーティングを作製する方法等を用いてもよい。
【0052】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るグレーティングの作製方法では、グレーティングを作製するコアに紫外レーザ光の照射範囲を制御して紫外レーザ光を走査する。このように紫外レーザ光の照射範囲を制御することで所定の屈折率変調度の分布に調整できる。また、このグレーティングの作製方法では、紫外レーザ光を複数回走査して屈折率変調を形成している。このように複数回の走査をすることで、1回の照射のみで屈折率変調を形成しようとする場合に生じる局所的な温度上昇と、それに伴う局所的な熱膨張を避けることができる。これによって、所定の分布を有する屈折率変調度を得るにあたって、精度の高いグレーティングを形成することができる。
【0053】
このグレーティングの作製方法は、実施の形態1に係るグレーティングの作製方法と比べると、紫外レーザ光を照射する範囲を制御するとともに、複数回の走査を行っている点で相違する。このように紫外レーザ光を照射する範囲を制御することによって所定の紫外光照射量分布、即ち、所定の屈折率変調度の分布が得られる。このような所定の屈折率変調度の分布を形成したアポダイゼーションは、通常、光通信システムに用いられるグレーティングデバイスでは、帯域通過フィルタの帯域外減衰量を大きくするためや、分散等化デバイスの群遅延リップルを小さくするために必要とされている。このアポダイゼーションとしてはガウス分布型、cosine関数型、sinc関数型など使用する用途に合わせた様々な関数型が採用されている。このグレーティングの作製方法では、紫外レーザ光を光導波路の光軸に沿って走査してアポダイゼーションを施す場合について説明する。
【0054】
例えば、アポダイゼーションとしてsinc型関数(シンク関数:sinc(x)=sin(x)/x)の屈折率変調を施すグレーティングの作製方法では、図6に示すように、2段階の屈折率変調の付与を行っている。即ち、まずグレーティングの作製(a)を行い、次いで、等価屈折率の均一化処理(b)を行ってグレーティングを形成している(c)。このグレーティングの作製は、上記実施の形態1で示したのと同様の光学系で行うことができる。まず、光導波路1に位相マスク3を近接させ紫外レーザ光を照射する。このとき光導波路の光軸方向に対し、所定の照射量分布となるように紫外レーザ光を照射する。図6の(a)において、破線は「グレーティングの等価屈折率」である。屈折率変化と照射量とは対応するので、このような屈折率変化を生じるような所定の照射量分布となるように紫外レーザ光を照射することで、所定の周期を有する屈折率変化を持つ 屈折率変調(グレーティング)が形成される(図6(a))。この屈折率の山と山の間隔は1.55μm帯の波長を使用した光通信システムでは約500nmに設定される。一方、破線は、この光導波路を伝播する光が受けるグレーティングの等価屈折率を示したものである。この等価屈折率は、グレーティング全体に対して一定であることが要求されるので、この後、等価屈折率の均一化処理が施される(図6(b))。この均一化処理では、図1の光学系において位相マスク3を除去し、紫外レーザ光を上記方法で作製したグレーティングの長手方向に図6の(b)のような照射量分布となるように照射する。その結果、図6の(c)のように屈折率変調度が小さい部分の等価屈折率が上昇し、グレーティング全体としては破線で示したように一定の等価屈折率となる。なお、等価屈折率の均一化処理とグレーティングの作製とは、いずれを先に行っても最終的に図6(c)に示す同一の照射量分布が得られるので、上記順序とは逆の順序で行ってもよい。
【0055】
次に、このグレーティングの作製方法について説明する。グレーティングを形成する部分にアポダイゼーションとしてsinc型関数の照射量分布を施すために、図7に示すように、紫外レーザ光の走査範囲を制御して走査している。紫外レーザ光を照射する光学系としては図1の光学系を使用することができる。ここで、紫外レーザ光の走査軌跡は、図7の(a)の左下から右下へ、さらに、左右に複数回往復し、その後、右上の矢印に至る折れ線として概念的に示した。また、走査軌跡を積み重ねるようにして照射量が累積され、アポダイゼーションのための紫外レーザ光の照射量分布となることを概念的に示した。なお、この図7の(b)には光導波路と紫外レーザ光の2往復分の走査軌跡を示した。
【0056】
さらに、このグレーティングの作製にあたって、紫外レーザ光の走査範囲を制御する方法について説明する。紫外レーザ光を、図7の(a)に示すように、紫外レーザ光を光ファイバに照射する範囲を紫外レーザ光の照射位置の制御によって累積される照射量分布を調整することができる。即ち、光導波路のグレーティングを作製する範囲の外側からほぼ一定の走査速度で、紫外レーザ光を左端から走査する。最初の往路では、右はaの位置までの走査範囲で照射を行い、その復路では、左端はbの位置まで照射される。次の一往復では、右端はcまでに走査範囲を狭め、その左端はdまでとなる。以降、同様に紫外レーザ光の走査範囲を徐々に狭くしていくことで、グレーティングの両端では紫外レーザ光の照射量が小さく、グレーティングの中央部では紫外レーザ光の照射量が大きいアポダイゼーションを施したグレーティングが作製される。このように紫外レーザ光の走査範囲を制御することによって、累積の照射量分布を所定の照射量分布とすることができる。その後、紫外レーザ光を光導波路のグレーティングを作製する範囲外に移動してグレーティングの作製が完了する。なお、図7には図示していないが、グレーティングを作製する範囲外には紫外レーザ光が光導波路に照射されないように遮光マスクなどによって遮光されている。
【0057】
上記のように紫外レーザ光の照射範囲を制御することで累積の紫外光照射量分布を調整してアポダイゼーションを施すことができる。また、1回の照射によるのではなく、複数回の紫外レーザ光照射による累積の照射量分布によって所定の照射量分布を得ることから、1回当りの照射量を少なくすることができる。このため、走査速度を高速にすることができるので、光ファイバを局部照射することによって生じる局部加熱を抑制することができ、局所的な熱膨張を抑制することができる。
【0058】
なお、紫外レーザ光の走査速度は、好ましくは上記実施の形態1に示した数5を満たす走査速度である。数5を満たす走査速度で紫外レーザ光を走査すると、局所的な熱膨張を1nm以下に抑えることができる。また、数6を満たす走査速度がさらに好ましい。数6を満たす走査速度で紫外レーザ光を走査すると、光導波路の局部加熱による局部熱膨張によるグレーティングピッチのずれを1nm以下にすることができる。また光導波路を設置する基板、紫外レーザの種類、紫外パルスレーザ光の1パルスあたりの照射エネルギー密度も上記実施の形態1に示したものであれば、より一層紫外レーザ光の局部加熱による局部熱膨張を抑制することができる。
【0059】
また、紫外レーザ光の照射エネルギー強度は、レーザ出力の時間的安定性の点で、走査の間は一定であるのが好ましい。なお、グレーティングの両端、すなわちグレーティングを作製する範囲外からグレーティングを作製する範囲内へ移動するとき、およびグレーティングを作製する範囲からグレーティングを作製する範囲外へ移動するときなどに紫外レーザ光の照射エネルギー強度を小さくするなどの調整を行ってもよい。レーザ出力の時間的安定性を良好にするためには、グレーティングを作製する範囲内に照射する前からレーザを一定出力で発振させておき、熱的に安定したレーザ装置を用いるのが好ましい。なお、このグレーティングの作製方法では、光ファイバの特に中央部を何度も往復走査して紫外レーザ光を照射するので、紫外レーザ光の照射エネルギーの時間的変動が積分により相殺されるので、時間的変動の影響を小さくすることができる。
【0060】
なお、このグレーティングの作製方法で用いる光学系は、図1の光学系であるため、移動ステージによって光導波路を移動し、紫外レーザ光は一定位置に固定して、紫外レーザ光を走査して照射する場合について述べたが、光導波路を一定位置に固定し、紫外レーザ光を移動して、紫外レーザ光を走査して照射してもよい。即ち、光導波路と紫外レーザ光の照射位置が相対的に移動するものであればよい。
【0061】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るグレーティングの作製では、移動遮光板によって紫外レーザ光の照射範囲の制御を行い、複数回の走査を行って屈折率変調を形成している。このように移動遮光板によって走査範囲の制御を行うことで、紫外レーザ光の走査方向を反転する際の走査速度のゆらぎの部分を除くことができる。
【0062】
このグレーティングの作製方法では、実施の形態2に係るグレーティングの作製方法と比較すると、図8に示すように、移動遮光板31によって紫外レーザ光の照射範囲の制御を行っている点で相違する。また、光導波路1を固定して紫外レーザ光7を移動させて走査している点で相違する。具体的には、このグレーティングの作製方法では、図8に示すように、紫外レーザ光7は、ビームスキャンレーザ照射装置30から出力される。なお、ビームスキャンレーザ照射装置30は、紫外レーザ装置6から出力された紫外レーザ光7を、光導波路の光軸方向に走査する光学系を含む装置である。このビームスキャンレーザ照射装置30と位相マスク3の間には、光導波路1の光軸方向に沿って移動可能な移動遮光板31が設置されている。この移動遮光板31によって、図9の光軸方向の断面図に示すように、所定範囲外への紫外レーザ光7を遮光して、紫外レーザ光7が照射される範囲を制御する。また、光導波路1と基板2と位相マスク3は、その位置関係が変化しないようにホルダ4で固定されている。ここでホルダ4は実施の形態1の場合と異なり定位置に固定されている。
【0063】
ここで、ビームスキャンレーザ照射装置30は、例えば、図10あるいは図11のような構成によって実現できる。移動ミラー32を用いて紫外レーザ光7を光導波路1の光軸方向に走査する方法を図10に示している。紫外レーザから出力された紫外レーザ光の光軸と45°傾けた移動ミラー32を配置することにより、紫外レーザ光は光軸を90°変えて反射され、位相マスク3および光導波路1に垂直に入射される。ここで移動ミラー32としては使用する波長の紫外光を反射する紫外光ミラーである。そして移動ミラー32を光導波路1の光軸方向と平行に移動させることで、紫外レーザ光7を光導波路1の光軸方向に走査して照射することができる。
【0064】
一方、図11は、同一の4個のくさび型プリズム33を用いた方法を示したもので、4個のプリズム33はそれぞれ2個ずつが一組となりディフレクター(Deflector)1、ディフレクター2を構成している。各ディフレクターの一組のプリズムは互いに逆方向に、符号が逆で絶対値が同一の角速度で回転する(一方の回転角がθのとき他方の回転角は−θ)。またディフレクター1とディフレクター2の回転方向が同一の一組のプリズムは、その回転角も同一のまま同期して回転する。このように4個のくさび型プリズム33を同期して回転させることにより、紫外レーザ装置6から出力された紫外レーザ光7を、くさび型プリズム33を通過するごとに光軸方向が変化させ、光導波路の光軸方向に沿って走査させることができる。このように4個のくさび型プリズム33を、図11に示すような位置関係で精密に制御することにより、位相マスク3および光導波路1に対して垂直に照射し、光導波路の光軸方向に対して平行に走査することができる。
【0065】
次に、このグレーティングの作製方法において、移動遮光板31によって紫外レーザ光の走査範囲を制御する方法について、図12を用いて説明する。図12の(a)において、破線で記した曲線は、アポダイゼーションのための紫外レーザ光の照射量分布である。また、図の左下から右下へ、その後、左右に複数回往復して、右上の矢印に至る折れ線は光導波路に照射する紫外レーザ光の走査軌跡であり、それによって累積される照射量分布との関係を概念的に示したものである。また、この図12の(b)には光導波路への紫外レーザ光の2往復分の走査軌跡を示した。
【0066】
この場合において、紫外レーザ光7を、光導波路のグレーティングを作製する範囲を含むより広い範囲について、一定の走査速度で、光導波路の光軸方向に沿って左端Lと右端Rの間を複数回の走査を行う。この場合において、紫外レーザ光7が光導波路に照射される範囲を移動遮光板31によって制限することによって累積される照射量分布を調整することができる。即ち、最初の往路では、紫外レーザ光を左端Lから走査し、移動遮光板31によってAからaの走査範囲で光導波路に照射する。このときa〜Rの範囲では、移動遮光板31により遮光されて光導波路1には照射されない。その復路では、左端で移動遮光板31を移動してbの位置まで照射する。この場合にも、b〜Lの範囲では、移動遮光板31により遮光されて光導波路1には照射されない。また、次の一往復では、右端はcまでと走査範囲を移動遮光板31によって狭めて、左端はdまでの走査範囲で走査する。以降、同様に移動遮光板31を移動させて走査範囲を徐々に狭くしていくことで、グレーティングの両端では紫外レーザ光の照射量が小さく、グレーティングの中央部では紫外レーザ光の照射量が大きいアポダイゼーションを施したグレーティングが作製される。このように紫外レーザ光の走査範囲を制御することによって、累積の照射量分布を所定の照射量分布とすることができる。その後、紫外レーザ光を光導波路のグレーティングを作製する範囲外に移動してグレーティングの作製が完了する。なお、図12には図示していないが、グレーティングを作製する範囲外には紫外レーザ光が光導波路に照射されないように遮光マスクなどによって遮光されている。
【0067】
上記のように紫外レーザ光の照射範囲を制御することで累積の紫外光照射量分布を調整してアポダイゼーションを施すことができる。また、1回の照射によるのではなく、複数回の紫外レーザ光照射による累積の照射量分布によって所定の照射量分布を得ることから、1回当りの照射量を少なくすることができる。このため、走査速度を高速にすることができるので、光ファイバを局部照射することによって生じる局部加熱を抑制することができ、局所的な熱膨張を抑制することができる。
【0068】
このように移動遮光板31の位置を制御して、紫外レーザ光の照射範囲を制御する方法には次の効果がある。即ち、移動ステージやビームスキャン機構を高速で動かして往復走査しようとすると、その折り返し点では減速する必要があるため、走査速度にゆらぎが生じる場合がある。また、この減速によって紫外レーザ光の照射時間が増加し、これによりアポダイゼーションが設計よりずれてくる可能性がある。一方、このように移動遮光板31によって照射範囲を制御すると、方向転換のために減速した部分をカットできるので所定の照射量分布を形成したアポダイゼーションを施すことができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、光導波路を固定し、紫外レーザ光7を走査する方法について述べたが、実施の形態1に係るグレーティングの作製方法と同様に光導波路を移動させてもよい。この場合において、光導波路の移動に合わせて移動遮光板31を移動させて照射範囲の制御を行ってもよい。また紫外レーザ光を移動遮光板31によって遮光したが遮光手段はこれに限るものではなく、さらには遮光したい領域ではレーザ発振を停止させてもよい。
【0070】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係るグレーティングの作製方法では、光ファイバを鏡面基板に形成した溝に収納しておき、照射する紫外レーザ光の反射光をモニタして受光量が最大となるように位置合わせを行う。これによってグレーティングを形成するために十分なエネルギー密度を有する紫外レーザ光を光ファイバに照射することができる。
【0071】
このグレーティングの作製方法は、実施の形態1に係るグレーティングの作製方法と比較すると、図13及び図14に示すように、光ファイバを収納する基板が鏡面基板である点で相違する。また、反射光9をモニタするためのCCDカメラ8を設けている点で相違する。このグレーティングの作製方法では、図13の斜視図に示すように、光導波路に入射した紫外レーザ光の0次回折光は鏡面基板2によって反射され、紫外レーザ装置6の側に出射される反射光9をCCDカメラ8でモニタする。なお、0次回折光をモニタする場合について説明するが、±1次あるいは±2次,±3次,・・・のいかなる次数の回折光であってもよい。この場合において、光ファイバの径方向の断面図である図14(a)に示すように、紫外レーザ光7を基板2に垂直な方向から光導波路1の径方向に約1°傾いて入射される。反射光9をCCDカメラ8でモニタしている。このとき、図14の(b)に示すように、光ファイバの幅から外れた紫外レーザ光は鏡面基板で鏡面反射される。一方、光ファイバに照射された部分では乱反射される。このため反射光9は、光導波路1の幅の内側に照射された光がカットされた強度分布となる。この反射光9をCCDカメラ8でモニタすることにより紫外レーザ光の中心を光導波路1に正確に照射することができる。例えば、ビーム径1mmのガウス分布型紫外レーザビームでは、ビーム中心より±100μmの領域のエネルギー分布の変動は3%以内である。一方、通常のシングルモード光ファイバの直径は125μmであるから、この方法で十分に精度良く紫外レーザ光の中心を光導波路1に照射することができる。これによって、光ファイバに照射される紫外レーザ光の照射分布を設計通りにすることができ、振幅エラーを低減させたグレーティングを作製することができる。
【0072】
ここで、鏡面基板2としては、反射光9において光ファイバからの部分が明確に判別される程度の反射率を有することが好ましい。なお、この方法で光導波路と紫外レーザ光の照射位置を正確に合わせるには、紫外レーザ光のビーム径が大きい方が好ましい。この場合、従来からよく用いられているArレーザの第2高調波を使用した紫外レーザ光では、エネルギー強度が小さいため集光して照射しなければならず、あまり適していない。これに対して半導体光源により励起されたNd−YAGレーザの第4高調波は、エネルギー強度が大きく集光する必要がないので好ましい。
【0073】
なお、このグレーティングの作製方法では、鏡面基板2の溝に、光導波路である光ファイバを設置した場合について説明したが、溝を形成していない鏡面基板2上に光ファイバを設置しても良い。また、Si基板上に光導波路を形成したPLCであっても、コアを形成した部分で紫外レーザ光がわずかに乱反射されるので、同様に光導波路と紫外レーザ光の照射位置を正確に合わせることができる。さらに石英基板に光導波路を形成したPLCであっても、裏面に鏡面基板を設置することでSi基板に光導波路を形成したPLCと同様に光導波路と紫外レーザ光の照射位置を正確に合わせることができる。またCCDカメラ8の変わりにレーザビームのエネルギー分布を測定するビームプロファイラなどのモニタ手段を使用してもよい。
【0074】
また、Siあるいは石英基板に光導波路を形成した平面光波回路(PLC)の光導波路から所定距離離れた位置に光導波路と平行に溝を形成しておいてもよい。この溝に紫外レーザ光を照射したときの反射光9をCCDカメラ8でモニタして位置合わせを行った後、光導波路を所定距離ずらすことによって、光導波路に紫外レーザ光を精度よく照射することができる。
【0075】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係るグレーティングの作製方法は、紫外レーザ光を照射する部分を局所的に冷却しながら紫外レーザ光を走査する。このように局所的に冷却することによって光ファイバの局所的な温度上昇を抑制し、局所的な熱膨張を抑制できる。
【0076】
このグレーティングの作製方法は、実施の形態1に係るグレーティングの作製方法と比較すると、紫外レーザ光を照射する部分を局所的に冷却しながら紫外レーザ光を走査する点で相違する。この局所的な冷却方法としては、例えば、図15の(a)の径方向についての断面図や(b)の光軸方向の断面図に示すように、基板2の背面から空気等の気体流11を送風して空冷法で冷却してもよい。この場合、光ファイバ1に沿って基板2の背面には空気などに気体流11を送風するための穴が空けられており、紫外レーザ光7と同一直線上に、冷却手段である送風器10が設けられている。また、送風器10からは空気などの気体流11が吹き出されており、光導波路1に吹きつけている。なお、紫外レーザ光7の走査にしたがって送風器10を移動させてもよい。このような構成で光導波路1の紫外レーザ光7が局所的に照射される部分のみに気体流11が吹きつけることによって、光導波路1の局所加熱による局所的な熱膨張を抑制することができる。なお、気体流11は、光導波路1を局所的な部分をその周辺部より過剰に冷却することがないような流量に調整されており、光導波路1の紫外レーザ光7が局所的に照射された部分と、照射されていない部分の温度がほぼ同一に保たれる。これにより光導波路1の局所的な熱膨張によるグレーティングピッチの歪みから生じる位相エラーを低減することができる。
【0077】
なお、このグレーティングの作製方法では、光ファイバを背面に穴を設けた基板に設置したが、基板を用いないで光導波路を中空に設置し、背面から空冷により冷却してもよい。また、冷却手段は空冷法に限られない。例えば、光導波路の光軸方向に沿って複数のペルチエ素子などを配置した基板上に光導波路を設置し、紫外レーザ光が照射される部分を選択的に冷却するような方法であってもよい。様々な冷却法のうち、送風による空冷法で局所加熱を抑制する方法は構成が非常に簡単であり、調整も気体流の流量を変えるだけでよいので、生産装置を安価な構成にすることができる。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、本発明に係るグレーティングの作製方法によれば、光導波路の長手方向に沿って走査する紫外レーザ光の照射範囲を制御して、複数回の走査を行うことで、グレーティングの光軸方向に対して所定の照射量分布を得ることができる。これによって、所定の屈折率変調度の分布を形成したアポダイゼーションを施すことができる。また、複数回の走査によって所定の照射量分布を得るので、1回当りの照射量を減らすことができ、局所的な熱膨張を抑制してグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0079】
本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外レーザ光の単位時間あたりのエネルギー密度Eとビーム径Bとで規定される走査速度以上の走査速度で紫外レーザ光を走査するので、光導波路の局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0080】
また、本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外レーザ光の単位時間あたりのエネルギー密度E(単位:W/cm2)とビーム径B(単位:mm)とで規定される、B2/(85・E-1.2)(mm/秒)以上の走査速度で紫外レーザ光を走査するので、光導波路の局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0081】
さらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、光導波路の長手方向に沿って走査する紫外レーザ光の照射範囲を制御して、複数回の走査を行うことで、グレーティングの光軸方向に対して所定の照射量分布を得ることができる。これによって、所定の屈折率変調度の分布を形成したアポダイゼーションを施すことができる。また、複数回の走査によって所定の照射量分布を得るので、1回当りの照射量を減らすことができ、局所的な熱膨張を抑制してグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0082】
またさらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、光導波路を熱伝導性基板の上に配置するので、紫外レーザ光の照射により発生する局所的な熱を熱伝導性基板を通じて拡散させ、光導波路の局所加熱による局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制することができる。
【0083】
また、本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外レーザ光の単位時間あたりのエネルギー密度E、ビーム径B及び熱伝導性基板の熱伝導率kとで規定される走査速度以上の走査速度で紫外レーザ光を走査するので、光導波路の局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0084】
さらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外レーザ光の単位時間あたりのエネルギー密度E(単位:W/cm2)、ビーム径B(単位:mm)及び熱伝導性基板の熱伝導率k(W/(m・K))とで規定される、B2/[(115・k)0.5・E-1.2](mm/秒)以上の走査速度で紫外レーザ光を走査するので、光導波路の局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制できる。
【0085】
またさらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外レーザ光として紫外パルスレーザ光を用いるので、高いエネルギー密度が得られ、効率よく屈折率変化を生じさせることができる。
【0086】
また、本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外レーザ光として半導体光源による紫外パルスレーザ光を用いるので、紫外レーザ光の時間的および空間的強度変動に起因した光導波路への紫外レーザ光の照射量分布のゆらぎがほとんどない。このため、振幅エラーを低減して紫外光照射による屈折率変化を効率よく行うことができる。
【0087】
さらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、紫外パルスレーザ光は、パルス当りのエネルギー密度に対する屈折率増加係数の傾きが変化する変化点以上のエネルギー密度を有するので、紫外光照射による屈折率変化をより効率よく行うことができる。
【0088】
またさらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、光導波路を鏡面基板の上配置すると共に、鏡面基板からの反射光をモニタして、紫外レーザ光の照射位置と光導波路との相対的位置を調整するので、紫外レーザ光の高いエネルギー密度であって、エネルギー変動の少ない範囲で光導波路を照射することができる。これによって、振幅エラーを低減して屈折率変化を効率よく生じさせることができる。
【0089】
また、本発明のグレーティングの作製方法によれば、光導波路の紫外レーザ光が照射される部分を局所的に冷却しながら、紫外レーザ光を照射するので、光導波路の局所加熱による局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制することができる。
【0090】
さらに、本発明のグレーティングの作製方法によれば、光導波路を空冷法によって冷却しながら、紫外レーザ光を照射するので、光導波路の局所加熱による局所的な熱膨張を抑制し、位相エラーを低減してグレーティングピッチの歪みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るグレーティングの作製方法における光導波路と光学系との位置関係を示す斜視図である。
【図2】 (a)は、図1のA−A’線断面図であり、(b)は、図1のB−B’線断面図である。
【図3】 熱伝導率の異なる基板に配置した光ファイバに紫外レーザ光を照射した場合における、レーザ照射時間と光ファイバの上昇温度との関係を示すグラフである。
【図4】 熱伝導率の異なる基板に配置した光ファイバに紫外レーザ光を照射した場合における、照射エネルギー密度と光ファイバの温度が1℃上昇する照射時間との関係を示すグラフである。
【図5】 光ファイバに紫外レーザ光を一定時間照射した場合における、1パルスあたりのエネルギー密度と屈折率変調度変化との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施の形態2に係るグレーティングの作製方法において、光導波路にアポダイゼーションを施したグレーティングを作製する手順において、(a)はグレーティングと等価屈折率との関係を示す概念図であり、(b)は、グレーティングの等価屈折率を一定にするために行う等価屈折率均一化処理で与える屈折率変化の分布の概念図であり、(c)は、グレーティングの等価屈折率が均一化された状態を示す概念図である。
【図7】 本発明の実施の形態2に係るグレーティングの作製方法における紫外レーザ光の累積の照射量分布(a)と走査軌跡(b)との関係を示す概念図である。
【図8】 本発明の実施の形態3に係るグレーティングの作製方法の概略を示す斜視図である。
【図9】 図8の光導波路の光軸に沿った断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3に係るグレーティングの作製方法において用いるビームスキャンレーザ照射装置の一例の動作を示す概念図である。
【図11】 本発明の実施の形態3に係るグレーティングの作製方法において用いるビームスキャンレーザ照射装置の一例の動作を示す概念図である。
【図12】 本発明の実施の形態3に係るグレーティングの作製方法における紫外レーザ光の走査軌跡と累積の照射量分布との関係を示す概念図である。
【図13】 本発明の実施の形態4に係るグレーティングの作製方法における光導波路と光学系の関係を示す斜視図である。
【図14】 (a)は図13の光導波路の径方向の断面図であり、(b)は反射光の概念図である。
【図15】 ビーム径Bの紫外レーザ光の走査によって照射部分が膨張する様子を示した概念図である。
【図16】 (a)は本発明の実施の形態5に係るグレーティング作製方法における局所的な冷却方法を示す光導波路の径方向の断面図であり、(b)は光導波路の光軸方向の断面図である。
【図17】 従来のグレーティングの作製方法の一例を示す図である。
【図18】 従来のグレーティングの作製方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光導波路、2 基板、3 位相マスク、4 ホルダ、5 移動ステージ、6 紫外レーザ装置、7 紫外レーザ光、8 CCDカメラ、9 反射光、10 送風器、11 気体流、 19 光導波路からの反射光、 20 グレーティング、 21 コア、 22 クラッド、 23 +1次回折光、 24 −1次回折光、 30 ビームスキャンレーザ照射装置、 31 移動遮光板、 32 移動ミラー、 33 くさび型プリズム、 34 ディフレクタ1、 35 ディフレクタ2

Claims (10)

  1. 紫外光の照射により屈折率が変化する材料からなるコアと、該コアを包んでいるクラッドとからなる光導波路に、前記光導波路と互いの位置関係が変化しないように固定された位相マスクを通して紫外レーザ光の干渉縞を照射して、前記コアに屈折率変調を形成してグレーティングを作製する方法であって、
    前記紫外レーザ光の干渉縞は、紫外レーザ光の照射位置が前記光導波路と相対的に変化するように前記紫外レーザ光または前記光導波路を走査して照射され、
    前記コアにおいて、グレーティングの光軸方向に対して、前記紫外レーザ光の干渉縞の照射量分布が、所定の照射量分布となるように照射範囲を変化させて、前記紫外レーザ光の干渉縞の照射を複数回行うことを特徴とするグレーティングの作製方法。
  2. 前記紫外レーザ光の干渉縞は、前記紫外レーザ光の単位時間当りのエネルギー密度Eとビーム径Bとで規定される走査速度以上の走査速度で、前記紫外レーザ光を前記光導波路の光軸に沿って走査して照射することを特徴とする請求項1に記載のグレーティングの作製方法。
  3. 前記紫外レーザ光を、単位時間当りのエネルギー密度E(W/cm2)とビーム径B(mm)とで規定される走査速度
    2/(85・E-1.2)(mm/秒)
    以上の走査速度で走査することを特徴とする請求項2に記載のグレーティングの作製方法。
  4. 前記コアにおいてグレーティングの光軸方向に対して所定の照射量分布となるように照射範囲を制御して、前記紫外レーザ光の走査を複数回行うことを特徴とする請求項2又は3に記載のグレーティングの作製方法。
  5. 前記光導波路を、熱伝導性基板の上に配置することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のグレーティングの作製方法。
  6. 前記紫外レーザ光の単位時間当りのエネルギー密度E、ビーム径B及び前記熱伝導性の基板の熱伝導率kとで規定される走査速度以上の走査速度で、前記紫外レーザ光を前記光導波路の光軸に沿って走査することを特徴とする請求項5に記載のグレーティングの作製方法。
  7. 前記紫外レーザ光を、単位時間当りのエネルギー密度E(W/cm2)、ビーム径B(mm)及び前記熱伝導性の基板の熱伝導率k(J/(m・K))とで規定される走査速度
    2/[(115・k)0.5・E-1.2](mm/秒)
    以上の走査速度で走査することを特徴とする請求項6に記載のグレーティングの作製方法。
  8. 前記紫外レーザ光は、1パルス当りのエネルギー密度に対する屈折率増加係数の傾きが変化する変化点でのエネルギー密度以上のエネルギー密度を有する紫外パルスレーザ光であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のグレーティングの作製方法。
  9. 前記光導波路を、紫外レーザ光を反射する鏡面基板の上に配置すると共に、
    前記紫外レーザ光を前記光導波路に照射した場合に前記鏡面基板から反射される反射光をモニタして、前記紫外レーザ光の照射位置と前記光導波路の相対的位置を調整することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のグレーティングの作製方法。
  10. 前記光導波路において、前記紫外レーザ光が照射される部分を局所的に冷却しながら前記紫外レーザ光を走査することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のグレーティングの作製方法。
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