JP3812834B2 - キャリア箔付電解銅箔並びにその製造方法及びそのキャリア箔付電解銅箔を用いた銅張積層板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリア箔付電解銅箔並びにそのキャリア箔付電解銅箔の製造方法並びにそれらを用いた銅張積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、キャリア箔付電解銅箔は、広く電気、電子産業の分野で用いられるプリント配線板製造の基礎材料として用いられてきた。このキャリア箔付電解銅箔は、ガラス−エポキシ基材、フェノール基材、ポリイミド等の高分子絶縁基材と熱間プレス成形にて張り合わされ銅張積層板とし、プリント配線板製造に用いられるものである。
【0003】
このキャリア箔付電解銅箔は、Bステージに硬化させたプリプレグと、高温雰囲気下で高圧をかけ熱圧着し(以下、この工程を「プレス成形」と称する。)、銅張積層板を製造する際に発生する銅箔層の皺を防止し、皺部において銅箔にクラックが生じ、プリプレグからの樹脂の染み出しを防止することを可能にする。そして、薄い銅箔層を銅張積層板の表面に形成することを容易にするのである。
【0004】
このキャリア箔付電解銅箔は、一般にピーラブルタイプとエッチャブルタイプに大別することが可能である。違いを一言で言えば、ピーラブルタイプはプレス成形後にキャリア箔を引き剥がして除去するタイプのものであり、エッチャブルタイプとは、プレス成形後にキャリア箔をエッチング法にて除去するタイプのものである。
【0005】
この内、ピーラブルタイプは、プレス成形後、そのキャリア箔の引き剥がし強度の値が極めて不安定であり、極端な場合には、キャリア箔が引き剥がせないという事態も生じ、目的の引き剥がし強度が得られにくいと言う欠点を有していた。この問題を解決するため、本件発明者等は、従来のピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔の持つ欠点を解消し、キャリア箔と電解銅箔との界面の引き剥がし強度を低位で安定させることの出来るものとして、キャリア箔の表面上に、接合界面層を形成し、その接合界面層上に銅を電解析出させ、その析出銅層を電解銅箔として用いるキャリア箔付電解銅箔において、当該接合界面層に有機剤を用いたことを特徴とするキャリア箔付電解銅箔を特開2000−309898にて開示して提唱してきた。
【0006】
本件発明者等の提唱してきたキャリア箔付電解銅箔の接合界面層は、接合界面層を構成する有機剤を含んだ水溶液を用いて、キャリア箔の表面に有機剤を吸着させて形成するものであった。このキャリア箔付電解銅箔は、従来のクロム等の金属材を接合界面層に用いたピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔と比べると、通常のFR−4プリプレグを用いる場合の180℃前後のプレス後においても、非常に良好な性能を示し、キャリア箔は極めて容易に引き剥がしが可能であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接合界面層に有機剤を用いたキャリア箔付電解銅箔の製造を安定化させ、品質を安定化させるという意味では、十分な技術的な確立が出来ていなかった。
【0008】
その結果、CBTAを含んだ溶液を用いてCBTA被膜を形成し、これを接合界面層に用いたキャリア箔付電解銅箔の連続製造を行った場合、キャリア箔の引き剥がし強度の値が変動しやすいことが明らかとなってきた。
【0009】
このような現象が発生すると、キャリア箔付電解銅箔の製造歩留まりを下げ、しかも、製品の品質保証が困難な状態となり、歩留まりが低下し製品価格を上昇させる原因ともなり、製造する銅張積層板の品質にも影響を与えるものとなっていた。
【0010】
このような現実から、市場に於いては、接合界面層に有機剤を用いたキャリア箔付電解銅箔の本来持つ品質的優位性が認知されてきたものの、より安定した品質を持つ製品に対する要求が高まってきた。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−309898
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明に係る発明者等は、鋭意研究の結果、接合界面層に有機剤を用いたキャリア箔付電解銅箔の製造時に用いる有機剤の組成を僅かに変化させるだけで、当該製品を連続的に製造しても、品質の安定性が飛躍的に高まることを見いだしたのである。従って、この製造方法で得られるキャリア箔付電解銅箔の接合界面は、従来のキャリア箔付電解銅箔の接合界面とは異なるものになるのである。
【0013】
本件発明者等は、以下に述べるような工程を経て、接合界面層に有機剤を用いたキャリア箔付電解銅箔の連続製造を行った。即ち、図12に示す手順でキャリア箔付電解銅箔1を連続製造した。図12(a)に示す工程で、最初に、18μm厚さの銅箔をキャリア箔Cとして用い、キャリア箔Cの表面を酸洗処理して、付着している油脂成分を完全に除去し、余分な表面酸化被膜除去を行った。この酸洗処理には、濃度100g/l、液温30℃の希硫酸溶液を用い、浸漬時間30秒として行った。
【0014】
酸洗処理の終了したキャリア箔Cは、濃度5g/lのCBTAを含む、液温40℃、pH5の水溶液に30秒間浸漬して、図12(b)に示すように、表面に接合界面層を形成した。厳密に言えば、このような浸漬法を用いた場合は、接合界面層2は、キャリア箔Cの両面に形成されることになるが、図面中では、片面側の接合界面層2のみを示している。このとき、水溶液中のCBTA濃度は、常に一定になるように、キャリア箔Cの処理量に応じて、新たなCBTA溶液を添加して調製した。
【0015】
接合界面層2の形成が終了すると、接合界面層2を形成したキャリア箔C自体を銅電解液中でカソード分極して、図12(c)に示すように当該接合界面層2上にバルク銅層3(公称厚さ3μmの銅箔層となるためのバルク銅層)を電解析出させた。このときの電解液に、硫酸銅溶液であって、銅濃度55g/l、フリー硫酸濃度70g/l、液温40℃の溶液を用いて、電流密度5A/dm2で電解するものとした。
【0016】
そして、基材樹脂との密着性を向上させるための表面処理として、このバルク銅層3の上に、微細銅粒4を析出付着させて、粗化処理面を形成した。粗化処理面の形成は、まず、バルク銅層3上に微細銅粒4を形成する工程として、微細銅粒4を析出付着させる工程と、この微細銅粒4の脱落を防止するための被せメッキ工程とを施した。前者の微細銅粒4を析出付着させる工程では、硫酸銅系溶液であって、濃度が銅7g/l、硫酸100g/l、液温25℃、電流密度10A/dm2の条件で、10秒間電解した。
【0017】
以上のようにして、一旦バルク銅層3上に微細銅粒4を付着形成すると、微細銅粒4の脱落を防止するための被せメッキ工程では、析出付着させた微細銅粒4の脱落を防止するために、平滑メッキ条件で微細銅粒4を被覆するように銅を均一析出させ、図12(d)の状態とした。ここでは平滑メッキ条件として、硫酸銅溶液であって、濃度が銅60g/l、硫酸150g/l、液温45℃、電流密度15A/dm2の条件とし、20秒間電解するものとした。
【0018】
上述した粗化処理が終了すると、次には防錆処理を施した。防錆処理は、無機防錆を採用し、硫酸亜鉛浴を用い、硫酸濃度70g/l、亜鉛濃度20g/lとし、液温40℃、電流密度15A/dm2とし、亜鉛を電析させ亜鉛防錆を施した。なお、図面中では防錆処理工程の記載は省略している。
【0019】
防錆処理が終了すると、最終的に、電熱器により雰囲気温度110℃に加熱された炉内で40秒かけて乾燥し、18μm厚のキャリア箔Cに有機剤で形成した接合界面層2を介して3μm厚の銅箔が積層した状態のキャリア箔付電解銅箔1hを得たのである。以上の工程で、各工程間には、適宜水洗工程を設けて洗浄し、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している。
【0020】
以上のようにして、連続的に製造したキャリア箔付電解銅箔の製造開始時から200m製造毎にサンプリングして、そのキャリア箔付電解銅箔1hに180℃×60分の加熱処理を行い、キャリア箔の引き剥がし強度を測定したところ、製造当初から、引き剥がし強度の値のバラツキが生じていると言うことが明らかであった。
【0021】
この結果からすれば、キャリア箔付電解銅箔の連続製造の過程で、CBTA水溶液はCBTA濃度5g/l、液温40℃、pH5として管理しているが、この溶液に何らかの変化が起こっていると考えるべきであると判断した。そこで、どのような変化が起こっているかを鋭意研究した。その結果、工程における、CBTA濃度、液温、pHの管理としては、何ら問題はなく良好であった。従って、CBTAを単独で用いる限り、この問題を解決することは困難と考えた。
【0022】
この段階で、本件発明者等は、CBTAを用いて接合界面層を形成する原理を考えると、金属であるキャリア箔にCBTAが単に吸着しているのではなく、キャリア箔の表面が僅かに溶解し、溶出した金属イオンと、CBTAがキャリア箔の表面近傍で錯体を形成し、その錯体がキャリア箔の表面に沈着するという過程を経て、接合界面層となると考えた。従って、第2の有機剤を併存させることで、錯体の形成が容易となるようキャリア箔表面からの金属イオンの溶出速度を促進させるか、形成した錯体が金属表面に対し、より均一且つ高密度で沈着するような構造を有する事になるか、若しくはCBTA錯体と共に接合界面層を形成するときに金属表面により均一且つ高密度で沈着するような構造となる等の効果を得ることを考えたのである。その結果、耐熱性にも優れた接合界面層が形成できるのではないかと考えられるのである。そこで、このような第2の有機剤を見いだすこととした。その結果、メチルベンゾトリアゾール(以上及び以下において、「MBTA」と称する。)重合体を併存させることが非常に有効であることが判明したのである。
【0023】
即ち、MBTAは、化1に示すように水と反応させることにより、CBTAの製造原料として用いられるものである。そして、MBTA重合体は、MBTA自体が重合反応することにより、2量体、3量体等の多量体になったものである。本件発明者等は、上述のキャリア箔付電解銅箔の製造開始当初のCBTA水溶液にMBTA重合体を添加して、キャリア箔付電解銅箔の製造を行ったところ、キャリア箔の引き剥がし強度の値のバラツキが飛躍的に減少することが分かったのである。
【0024】
【化1】
【0025】
このMBTAの重合体(以上及び以下に於いて、単に「MBTA重合体」と称することとする。)は、MBTAからCBTAを生成する反応を行わせるときの副反応として重合反応が起こり2量体、3量体等として生成することもあり、CBTAに混入した状態から溶媒抽出することにより、CBTAとMBTA重合体とが分離することができるものである。化2に2量体として考えられるMBTA重合体の一例を示している。このMBTA重合体は、本件発明者等が研究に用いた分析装置の測定限界の範囲で、7量体までが確認できている。このMBTA重合体のCBTA溶液中の存在量を少なくすると、加熱後のキャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし強度の値が不安定になる。従って、本件発明者等は、CBTA中のMBTA重合体の存在量をコントロールし、キャリア箔付電解銅箔の接合界面層を形成して、キャリア箔付電解銅箔を製造すれば、キャリア箔の引き剥がし強度の値がバラツクこともなくなり、製品としても非常に安定した品質を備え、製造歩留まりが向上するものとなると考えたのである。
【0026】
【化2】
【0027】
以上のような研究結果を基に、請求項には、「キャリア箔の片面に、接合界面層を備え、その接合界面層上に電解銅箔層を備えたキャリア箔付電解銅箔において、当該接合界面層は、CBTAとMBTA重合体と含む溶液を用いて形成したものであり、且つ、当該接合界面層中に含まれるMBTA重合体が2.0wt%〜60.0wt%であることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔。」としている。このキャリア箔付電解銅箔1aの断面を模式的に示したのが、図1である。
【0028】
このキャリア箔付電解銅箔1aとは、図1から明らかなように、キャリア箔Cと電解銅箔CFとが、あたかも貼り合わされた状態となった製品のことである。そして、このキャリア箔付電解銅箔1aは、キャリア箔Cの付いた状態で、樹脂基材に電解銅箔層CFを張り合わせた後に、キャリア箔Cを引き剥がして銅張積層板を得ることに用いられる。以上及び以下において、電解銅箔と電解銅箔層、キャリア箔とキャリア箔層、接合界面と接合界面層とは、それぞれ同じ部位を示し、説明内容に応じて適宜使い分けるものとする。
【0029】
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1aは、キャリア箔Cと電解銅箔CFとの間に位置する接合界面2に、CBTAとMBTA重合体とを含有する混合組成を用いた点に特徴を有する。このCBTAとMBTA重合体とを混合して用いて接合界面層2を形成することで、単独でCBTAを接合界面層2の形成に用いた場合と比べて、キャリア箔付電解銅箔の連続製造を行う場合の、製品品質の安定化が可能となり、製品歩留まりが飛躍的に向上するのである。また、CBTAとの混合組成を採ることなく、MBTA重合体を単独で用いた場合には、加熱後にキャリア箔Cは電解銅箔層CFから引き剥がせないものとなるのである。また、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて形成した接合界面層2を備えるキャリア箔付電解銅箔は、従来のキャリア箔付電解銅箔とは全く異なるレベルで、高温プレス成形による加熱後のキャリア箔の引き剥がし強度値の安定性が著しく向上するという特徴をも備えている。
【0030】
そして、本件発明者等の研究の過程で、次のことが判明してきた。キャリア箔付電解銅箔の接合界面層を、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて形成する場合には、CBTAが全く存在しないようになると加熱後のキャリア箔の引き剥がしができず、また、MBTA重合体の量が低くなりすぎると、やはりキャリア箔の引き剥がし強度の安定性が欠如するのである。そこで、本件発明者等が鋭意研究した結果、当該接合界面層中に含まれるMBTA重合体が2.0wt%〜60.0wt%の範囲にある場合に、非常に安定した品質を発揮することが分かってきたのである。
【0031】
即ち、接合界面層を、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて形成することにより、キャリア箔が人間の手作業で容易に剥離させることの出来るレベルに、キャリア箔の引き剥がし強度を安定してコントロールすることが可能となるのである。しかも、CBTAのみを用いた接合界面層を備えるキャリア箔付電解銅箔にみられた、高温加熱に弱く、200℃を越える加熱を受けた後は、キャリア箔の引き剥がし強度が上昇し、手作業による引き剥がしが困難という状況を改善することも出来るのである。即ち、接合界面層の形成にCBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いると、230℃程度の高温域でのプレス成形を受けても、キャリア箔及び電解銅箔との相互拡散を極めて効果的に抑制し、キャリア箔と電解銅箔との接合強度が、やや増加するものの、プレス成形後までピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔として十分に使用可能なレベルに維持することが可能なのである。
【0032】
ここで一例を示すと、35μmのキャリア箔に、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて接合界面層を形成し、5μmの電解銅箔層を形成したものを作成した場合、その接合界面での引き剥がし強度を調べた結果の一例を示すと、加熱前で15.0gf/cm、230℃で1時間の加熱後でも15.2gf/cmであり、ピーラブルタイプとして求められる容易に手作業で引き剥がせるという特性は維持したものとなっている。
【0033】
以上に述べたCBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いた、キャリア箔上への接合界面層の形成方法について述べつつ、以下説明することとする。キャリア箔上への接合界面層の形成は、上述したCBTAとMBTA重合体とを溶媒に溶解させ、その溶媒中にキャリア箔を浸漬させるか、接合界面層を形成しようとする面に対するシャワーリング、噴霧法、滴下法及び電着法等を用いて行うことができ、特に限定した手法を採用する必要性はない。このときの溶媒中のCBTA濃度50ppm〜5000ppm、MBTA重合体の濃度は、濃度2ppm〜飽和溶解度量、の範囲とする事が好ましい。この濃度範囲内であれば、形成された接合界面層中のMBTA重合体の含有率が、安定的に2.0wt%〜60.0wt%の範囲となるのである。そして、液温に関しては20〜60℃の範囲を採用することが望ましい。液温が低すぎると吸着速度が遅くなり、液温が高すぎるとCBTA及びMBTA重合体の分解が起こりやすくなる傾向が見られるのである。
【0034】
また、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液による接合界面層の形成は、請求項に記載したように、上述した接合界面の形成方法を複数回繰り返し行うことも可能である。これにより、より精度の高い接合界面層の厚さ制御が可能となる。
【0035】
CBTAとMBTA重合体とが共存する溶液中におけるMBTA重合体の果たす役割は、次のように考えられる。鋭意研究の結果、CBTAとMBTA重合体とが共存する溶液を用いて形成した接合界面層は、従来のCBTAのみを用いて形成した接合界面層に比べ、薄くて均一で、且つ、比重の大きな密度の高い被膜になっていると考えられるようになってきた。即ち、MBTA重合体を含む溶液にキャリア箔として用いる銅箔を浸漬して測定した自然電位と、CBTAを含む溶液にキャリア箔として用いる銅箔を浸漬して測定した自然電位とを比較すると、前者の自然電位の方が高い。つまり、キャリア箔の銅成分の溶解が速く、銅との錯体を作りやすい傾向にあると考えられる。例えば、CBTAを含む溶液中のMBTA重合体の量を徐々に増加させるに連れ、当該自然電位も上昇していく。従って、当該自然電位を観察することで、製造工程におけるCBTAとMBTA重合体とが共存する溶液中のMBTA重合体の含有量をモニターすることも可能で、この自然電位を管理指標として用いることが可能となるのである。
【0036】
接合界面層の形成原理からすると、金属であるキャリア箔にCBTAとMBTA重合体とを含有する溶液で接合界面層を形成する場合、キャリア箔の表面が僅かに溶解し、溶出した金属イオンと、CBTA及びMBTA重合体がキャリア箔の表面近傍で錯体を形成し、その錯体がキャリア箔の表面に沈着するという過程を経て、接合界面層となると考えられるのである。従って、上述した自然電位に関する事実から、溶液中のMBTA重合体がキャリア箔の表面の金属を溶解させるプロモータとして作用すると考えられる。その結果、キャリア箔の溶解により生じた金属イオンと、CBTA及びMBTA重合体が錯体を形成し易くなり、CBTA錯体とMBTA錯体とが同時に、キャリア箔表面へ沈着する速度が速くなる。若しくは、CBTA単独の場合に比べて、均一に分散して高密度に沈着すると考えられるのである。結果として、CBTA単独の場合に比べ、薄くても均一な膜厚で高密度な有機被膜としての接合界面層が形成できるのである。しかも、MBTA重合体は、CBTAに比べ融点、分解温度が高いので、より安定な接合界面層となる。
【0037】
本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔においては、形成された接合界面層の厚さが非常に重要なものとなる。このことから請求項では、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて形成した接合界面層の厚さが、好ましくは0.5nm〜1μmの範囲であることを明らかにしている。
【0038】
ここに明記した厚さ範囲で、高温プレス成型後も適正なキャリア箔の剥離強度の確保が可能で、しかも電解銅箔層を構成する銅の安定した電解析出が可能となるのである。即ち、接合界面層の厚さが、下限値である0.5nmを下回る厚さでは、プレス成形後の引き剥がし強度が安定しなくなる。上限値である1μmを越えると、接合界面層上に電解銅箔層を直接形成しようとしたときに、通電状態が不安定になり、銅の析出状況が不安定で、均一な厚さの電解銅箔層の形成が困難となるのである。仮に、長時間掛けて銅を析出させても、バルク銅層と接合界面層との十分な密着性が得られず、安全にプレス成形することのできる、最低限必要とされる引き剥がし強度を得られないものとなる。そして、接合界面層の厚さが更に大きくなると、完全に通電不能な状態となる。接合界面層の厚さはnm〜μmレベルと、非常に薄いものであるため、その測定には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて確認することが望ましい。
【0039】
本件明細書にいう「適正な引き剥がし強度」とは、JIS−C−6481に準拠して測定した場合の値が、5〜100gf/cmの範囲のものと考えている。これは、従来のピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔の使用実績を考慮し、経験上得られた適正と考えられるキャリア箔と電解銅箔との界面における引き剥がし強度(剥離強度)に、当該キャリア箔付電解銅箔の使用者の理想的な要求値を加味したものとしての範囲である。キャリア箔と電解銅箔との界面における引き剥がし強度が、低いほど剥離作業は容易になる。
【0040】
しかしながら、引き剥がし強度が、5gf/cm未満であると、キャリア箔付電解銅箔を製造しロール状に巻き取る時、銅張積層板のプレス時等に自然にキャリア箔と電解銅箔とが部分的に剥離してふくれ、ズレ等の不良が発生する原因となる。一方、引き剥がし強度が、100gf/cmを越えた場合は、作業者が手作業でキャリア箔を引き剥がす際の労働負荷が急激に増すのである。
【0041】
ここで用いるキャリア箔は、特に材質は限定していない。キャリア箔としてアルミニウム箔、銅箔、表面をメタルコーティングした樹脂フィルムなど、キャリアとして用いることの可能な全てのものを含む概念として用いている。但し、少なくともCBTA及びMBTA重合体と錯体を形成し、接合界面層の形成が容易となるような金属成分が表面に現れているものでなければならない。また、キャリア箔としての厚さについても、特に限定はない。工業的視点から、箔としての概念は、一般に200μm厚以下のものを箔と称しており、この概念を用いれば足りるものである。
【0042】
そして、電解銅箔層には、12μm以下の極薄銅箔といわれる電解銅箔のみならず、12μmより厚い場合をも含むものである。従来のキャリア箔付電解銅箔は、専ら極薄銅箔の提供を目的として使用されており、本発明に係るキャリア箔付電解銅箔のように12μm以上の電解銅箔層を有するものは市場に供給されていなかった。このような厚い電解銅箔層を備えるキャリア箔付電解銅箔とすることの利点は、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いた有機接合界面層にすることで、キャリア箔層と電解銅箔層とが、高温プレス後に安定して容易に剥離することで、後に説明する新たなキャリア箔付電解銅箔の使用方法が可能となるからである。
【0043】
ここで、確認的に記載しておくが、図1に示したキャリア箔付電解銅箔1aは、特殊な用途は別として、銅張積層板及びプリント配線板用途に使用する場合には、電解銅箔層CFの外表面には、微細銅粒4を均一に付着させて用いるものである。これは、一般の電解銅箔の樹脂基材との貼り合わせ面に形成するものと同様の微細銅粒であり、接着した基材に対するアンカー効果を得て、容易に電解銅箔が基材から剥離しないようにするものである。
【0044】
また、他の請求項に於いては、「キャリア箔の両面に、接合界面層を備え、その各々の接合界面層上に電解銅箔層を備えたキャリア箔付電解銅箔において、当該接合界面層は、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて形成したものであり、且つ、当該接合界面層中に含まれるMBTA重合体が2.0wt%〜60.0wt%であることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔。」としている。このキャリア箔付電解銅箔1bの断面を模式的に示したのが、図2である。先に説明したキャリア箔付電解銅箔1aが、図1に示す如きキャリア箔Cの片面に電解銅箔CFを貼り合わせた形状のものであるのに対して、このキャリア箔付電解銅箔1bは、図2の模式断面図で明らかなように、キャリア箔Cの両面に電解銅箔CFを貼り合わせた如き形状のものである。
【0045】
例えば、図1に示したキャリア箔付電解銅箔1aを用いて、図4のようにレイアップしてプレス加工すれば、確かに中間層の鏡板Mの省略も可能となる。ところが、このキャリア箔付電解銅箔1bとすることで、更に容易に、銅張積層板の製造時の鏡板を省略することが可能で、しかもプレス成型時の銅箔面への異物混入を完全に防止することが可能となるのである。通常の両面張り銅張積層板の製造は、一般に図3に示すように、上下のプレス板Pの間に、ステンレス鋼等の耐熱素材を鏡面仕上げした鏡板M、銅箔CF、1枚若しくは複数枚のプリプレグPP、銅箔CF、鏡板Mという順序を繰り返し積層(通称、レイアップと称する。)して、プレス板Pを高温加熱し、挟み込むことでプリプレグPPの樹脂成分を溶融させ、銅箔CFとプリプレグPPとを高温加圧接着させるものである。
【0046】
このとき、上述のキャリア箔付両面電解銅箔1bを用いると、図5に示すように、レイアップした状態の最下層及び最上層OFには、通常の電解銅箔若しくはキャリア箔付片面電解銅箔を用い、それ以外の中間層に位置するものをキャリア箔付両面電解銅箔1bとすることで、中間層部に位置する鏡板Mを全て省略することができ、プレス成形後の解体時に、キャリア箔Cと電解銅箔層CFとの接合界面2から引き剥がせばよいことになる。
【0047】
中間層の鏡板Mが不要になると言うことは、省略した鏡板M相当の厚さ分だけ、プレス板Pのデイライト間に納められる銅箔CFとプリプレグPPとの段数を大きくすることができ、1回のプレスで製造する銅張積層板の枚数を増加させることができる。また、伝熱性も良くなり、生産性を向上させることが可能となる。鏡板Mの厚さが通常は、0.8mm〜3.0mmのものが使用され、銅箔CFが3〜50μm厚、プリプレグPPの1枚が30〜180μm厚であることを考慮すれば、極めて大きな生産性向上効果となることが予測できる。
【0048】
また、一般的に電解銅箔層CFは、▲1▼導体回路を形成するためのバルク銅層3、▲2▼銅張積層板の基材樹脂との密着性を向上させるための粗化処理層(微細銅粒4)とから構成されるのであるが、本件発明では▲2▼の粗化処理4のみで構成した電解銅箔層をも含む概念としている。従って、上述した2種類のキャリア箔付電解銅箔の「電解銅箔層」を、電解法で析出付着させた微細銅粒4のみで構成するのである。
【0049】
電解銅箔層を微細銅粒4のみで構成したキャリア箔付電解銅箔1c,1dの断面形態を、模式的に図6及び図7に示す。これらのキャリア箔面電解銅箔を用いた銅張積層板の製造時には、微細銅粒4のみがプリプレグと貼り合わせられ、バルク銅層は存在しないことになる。しかし、バルク銅層は導体回路を形成するために必須のものであるから、プリント配線板製造工程において、プリント配線板製造者が、キャリア箔Cを除去し、目的に応じたタイミング及び任意の銅メッキ方法により、微細銅粒4の上に所定厚のバルク銅層を形成することができるのである。例えば、その電解銅箔層としての微細銅粒4の表面上にバルク銅層をパネルメッキ法で形成する、又は無電解銅メッキ法を用いて行うことができる。このような方法によれば、バルク銅層の厚さを形成回路の種類に応じて、任意に調節でき、目的の回路幅に応じた適正なエッチング処理が行なえる厚さのバルク銅層とできるのである。従って、このようなプリント配線板製造方法は、作成回路が、より微細になるほど有効なものであり、プリント配線板の回路の高密度化が容易となるのである。
【0050】
ここで、キャリア箔Cに電解銅箔を使用する利点に関して説明する。この説明を、より分かりやすくするために、キャリア箔Cとして用いる通常電解銅箔について、ここで簡単に説明することとする。通常電解銅箔は、電解工程と表面処理工程とを経て製造されるものであり、主には電気、電子産業の分野で用いられるプリント配線板製造の基礎材料として用いられるものである。
【0051】
キャリア箔Cに用いる電解銅箔は、12μm〜210μmの厚さのものを用いることが好ましい。このような厚さの電解銅箔を、キャリア箔として使用することで、従来のキャリア箔付電解銅箔に無い種々の有利な効果が得られることになるのである。ここで、キャリア箔として使用する電解銅箔の厚みを12μm〜210μmとしたのは、キャリア箔として9μm以下の極薄銅箔の皺の発生を防止する補強材としての役割を果たすためには、最低12μm程度の厚さを必要とし、上限の210μm以上の厚さとなると、箔という概念を越え、むしろ銅板に近いものであり、巻き取ってロール状態とすることが困難となるからである。
【0052】
キャリア箔Cとして、電解銅箔を使う有利な効果は、次のようになる。アルミ圧延材に代表されるように、圧延法により得られた箔をキャリア箔として用いた場合には、その箔に圧延油が付着することが避けられない、また酸化防止を考慮して油成分を塗布する場合もある。これらをキャリア箔として使用する場合には、キャリア上へ銅を析出させる際の障害となるため、工程内で油分の除去が必要となる。電解銅箔であれば、その製造法からして、不可避的に油分が付着することもなく、たとえ酸化被膜が出来ても、容易に酸洗除去することが可能であり、工程数の削減又は工程管理を容易にすることができるのである。
【0053】
また、キャリア箔付電解銅箔1a〜1dのキャリア箔Cに電解銅箔を用いると、キャリア箔Cと、そのキャリア箔Cと貼り合わせた形の電解銅箔CFとは、物性的にも成分的にも同じものと考えることができ、同種のエッチング液で、双方のエッチング処理が可能となる。従って、銅張積層板に加工し、キャリア箔Cを引き剥がすことなく、キャリア箔C上にエッチングレジスト層を形成し、エッチング処理してプリント配線回路を作成した後に、キャリア箔Cを引き剥がすことも可能となる。このようにすれば、エッチング加工が終了するまで、銅箔回路の表面は汚染、異物付着から保護され、その後行われるメッキ工程等の作業信頼性を大幅に向上させることが可能となる。
【0054】
更に、キャリア箔Cとした電解銅箔の純度は、99.99%以上の純度を有するものである。そして、本発明に係るキャリア箔付電解銅箔1a〜1dは、その接合界面層2に不純物となる他の金属元素を含んでいない。従って、引き剥がした後のキャリア箔は、リサイクルが容易に可能なものであり、環境保護の観点からも、不必要に産業廃棄物を発生させないものとなる。例えば、キャリア箔を回収し、再溶解して銅のインゴットとすることも可能であるし、再度電解銅箔の製造原料として硫酸で溶解し硫酸銅溶液とすることも可能となるのである。
【0055】
このときのキャリア箔Cとしての電解銅箔には、粗化処理を行っていない未処理箔又は粗化処理を行った表面処理箔のいずれを用いても構わない。未処理箔と表面処理箔とは、その光沢面の粗度に差はなく、その光沢面上に銅箔層を形成すれば何ら銅箔層自体に差異はないのである。図8(a)には未処理箔をキャリア箔として用いた場合を、図8(b)には表面処理箔をキャリア箔として用いた場合の断面模式図を示している。これらのキャリア箔付電解銅箔1e,1fにおいて、キャリア箔Cに未処理箔を用いるか、表面処理箔を用いるかにより、それぞれを用いて得られる銅張積層板の製造時における使用方法が異なってくるのである。
【0056】
ここで、キャリア箔に未処理箔を用いた場合と表面処理箔を用いた場合の、それぞれのキャリア箔付電解銅箔1e,1fの銅張積層板製造において採用できる使用方法について説明する。最初に、第1の銅張積層板の製造方法として、キャリア箔Cに未処理箔を用いた場合について説明する。かかる場合のキャリア箔付電解銅箔1eは、図8(a)に示す断面形状を持つものである。この図から分かるように、プリプレグと接着することの可能な面は、粗面化処理として、微細銅粒4を付着させた電解銅箔層CFの面のみである。
【0057】
従って、図3で示したようにレイアップし、通常銅箔を使用する場合と同様のプロセスで、当該キャリア箔付電解銅箔1e、プリプレグPP(多層基板の外層銅箔層を形成する場合はプリプレグ及び内層基板)及び鏡板Mを用いてプレス成形して銅張積層板を得ることが可能である。また、当該キャリア箔付電解銅箔を用いることで、内層鏡板を省略してのプレス成形も可能となる。即ち、図9に記載したように、プレス板Pと直接接触する最外層のみに鏡板Mを配し、その2枚の鏡板Mの間に、当該キャリア箔付電解銅箔1eとプリプレグPPとを積層してレイアップするのである。
【0058】
このレイアップしたときの最上層と最下層とには、1枚のキャリア箔付電解銅箔又は通常銅箔OFが配される。そして、レイアップした際のその他の内層に位置する銅箔は、図9の拡大図に示すように、2枚のキャリア箔付電解銅箔1eのキャリア箔C面とキャリア箔C面とを背中あわせにし、電解銅箔層CFの粗面化処理を施した面がプリプレグPPと接触するように配置する。そして、プレス成形終了後の解体作業時に、キャリア箔Cを接合界面層2より剥離させることで、両面基板若しくは多層基板の外層銅箔層の形成が可能となるのである。
【0059】
これに対し、第2の銅張積層板の製造方法として、キャリア箔Cに表面処理箔を用いたキャリア箔付電解銅箔1fの、銅張積層板製造における使用方法について説明する。かかる場合のキャリア箔付電解銅箔1fは、図8(b)に示す断面形状を持つものである。この図から分かる通りに、プリプレグPPと接着することの可能な面は、粗面化処理して微細銅粒4を付着させた面であるから、電解銅箔CF側のみならず、キャリア箔C側にも存在することになる。
【0060】
即ち、2枚の表面処理を施した通常電解銅箔の光沢面同士を貼り合わせた如き形状として、キャリア箔付電解銅箔1fが仕上がるのである。従って、キャリア箔をも銅張積層板の電解銅箔として使用することができるのである。このような構造を有するが故に、以下のように使用することができるのである。
【0061】
当該キャリア箔付電解銅箔1f、プリプレグPP(多層基板の外層銅箔層を形成する場合はプリプレグ及び内層基板)及び鏡板Mを用いてプレス成形して銅張積層板を得るのであるが、当該キャリア箔付電解銅箔1fを用いることで、内層鏡板を省略してのプレス成形が可能となる。即ち、図10に記載したように、プレス板Pと直接接触する最外層のみに鏡板Mを配し、その2枚の鏡板Mの間に、当該キャリア箔付電解銅箔1fとプリプレグPPとをレイアップするのである。
【0062】
このレイアップしたときの最上層と最下層とには、1枚のキャリア箔付電解銅箔又は通常銅箔OFが配される。そして、レイアップした際のその他の内層に位置する銅箔は、図10の拡大図に示すように、当該キャリア箔付電解銅箔1fの両面にプリプレグPPを配置する。このようにして、プレス成形することで、鏡板Mを用いることなく成形可能となる。そして、プレス成形終了後の解体作業時に、キャリア箔付電解銅箔1fの接合界面層2より剥離させることで、両面基板若しくは多層基板の外層銅箔層の形成が可能となるのである。この方法によれば、一切スクラップとなるものが発生しないと言う利点も併せ持つものである。
【0063】
以上に述べた本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1a〜1fの使用方法は、キャリア箔付電解銅箔の接合界面層2の剥離強度を低く維持し、しかも安定化させることができるようになって、初めて実現可能なプレス成形方法である。よって、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1a〜1fがもたらす有用な効果は、プリント配線板業界にとっては非常に大きな影響を与えるものであり、銅張積層板の製造コストの低減に大きく寄与するものと言える。
【0064】
このとき、キャリア箔Cとした電解銅箔の光沢面に析出形成した電解銅箔層の厚さを極薄のものとしていれば、その極薄銅箔を貼り付けた銅張積層板を用いて、50μm程度のピッチを有する回路を形成する場合に、銅箔部のエッチング時間を極めて速くすることができ、アスペクト比が非常に良好な微細回路の形成が可能となる。
【0065】
そして、キャリア箔Cとして用いる電解銅箔の粗面上に、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて接合界面層2を形成し、その接合界面層2上に銅を電解析出させ、その析出銅層を電解銅箔として用いるキャリア箔付電解銅箔とすることもできる。ここで用いるキャリア箔には、前述した未処理箔を用いるものである。図11に、このキャリア箔付電解銅箔1gの断面模式図を示している。この図11から分かるように、極薄の電解銅箔層は、キャリア箔Cである電解銅箔の粗面の凹凸形状に沿って形成されている。即ち、電解銅箔層CFは波打った形状を持つものとなっている。
【0066】
従って、このキャリア箔付電解銅箔1gを用いて銅張積層板を製造すると、波打った形状をそのまま維持してプレス成形されたものとなる。この形状が微細回路を形成する上で、非常に有用に作用するのである。なお、このキャリア箔付電解銅箔1gを用いて銅張積層板を製造する際のレイアップ方法については、図3に記載したと同様の手法で同様であるため、重複した記載は省略するものとする。
【0067】
微細回路の形成を行うために必要な電解銅箔に求められる要因を大まかに捉えれば、▲1▼良好なエッチングレジストとの密着性の確保、▲2▼良好な露光状態の確保、▲3▼速いエッチング時間、▲4▼その他引き剥がし強度(耐薬品性等を含む)等の物理的特性と考えられる。ここに言う諸特性のほとんどが良好なものとなるが、中でも、波打った形状を持つ電解銅箔は、良好なエッチングレジストとの密着性の確保と、良好な露光状態の確保に主に寄与するものである。
【0068】
波打った形状を持つ電解銅箔を、銅張積層板に用いることで、各種レジスト類と電解銅箔表面との密着性が向上する。例えば、エッチングレジストとの密着性が向上すれば、銅箔とエッチングレジストとの接合界面に対するエッチング液の侵入を防止でき、良好なアスペクト比を持つ回路断面の形成が可能となるため、インピーダンスコントロール等を考慮した微細回路の形成が容易になる。また、波打った表面形状を持つことにより、通常のフラットな光沢面にくらべ、艶消しに近い光沢となっている。この結果、エッチングパターンのエッチングレジストに対し、露光時の露光光の余分な散乱を抑制することが可能であり、回路パターンのエッジ部での、いわゆる露光ボケの影響を軽減することができるのである。更に、レーザー穴明け加工性を改善することも可能となるのである。
【0069】
また、波打った形状を持つ電解銅箔層を備えた銅張積層板に、銅メッキ処理を施すと、銅箔表面とメッキ層との界面での剥離強度が向上するとの結果が得られている。従って、当該キャリア箔付電解銅箔を用いることで、メッキ層の密着性が向上すると言える。
【0070】
この結果、通常の電解銅箔を使用して50μmピッチレベルの微細回路を形成した際に見られる回路断面のアスペクト比の悪化を防止し、理想的なアスペクト比を持つ回路形成が可能となる。しかも、エッチングレジストの露光ボケが少ないため、形成回路のエッジ部の直線安定性が向上し、微細回路の形成を容易なものとできる。形成回路のエッジ部の直線安定性が向上するということは、エッチングで形成した回路の上部エッジ部及び下部エッジ部の直線性が優れていること、及びプリント配線板への部品実装に用いるランド部等の円形回路部のエッジ形状等の形成回路全体のエッジ部が滑らかであることを意味している。即ち、回路の直線安定性が優れるため、プリント配線板として使用する際に発生する可能性のある銅マイグレーションの抑制、高周波信号を用いた場合の回路エッジ部の突起部からの放電現象の解消等も可能となるといえる。
【0071】
以上に述べた本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔1a〜1gの使用方法は、前述したと同様に、キャリア箔付電解銅箔1a〜1gの接合界面層2の剥離強度を低く維持し、しかも安定化させることができるようになり、初めて実現可能なプレス成形方法である。
【0072】
そして、キャリア箔付電解銅箔の製造方法としては、上述したように、キャリア箔の表面への接合界面の形成は、CBTAを50ppm〜5000ppm、MBTA重合体を2ppm〜飽和溶解量含有する溶液を用いて、当該有機剤を吸着させることにより有機被膜として形成することを特徴とする。本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の製造フローは、CBTAのみを用いた接合界面層を備えるキャリア箔付電解銅箔の製造の不具合を確かめるために行った冒頭の製造方法とフロー自体は同様であるため、図12を参照しつつ、各工程に必要な概念のみを述べることとする。
【0073】
最初に行うキャリア箔の酸洗処理は、キャリア箔に付いた油脂成分を完全に除去する脱脂処理及び金属箔を用いた場合の表面酸化被膜除去を目的に行うものである。この酸溶液にキャリア箔を通過させることで、キャリア箔の清浄化を図り、以下の工程での均一付着性及び電着性等を確保するのである。この酸洗処理には、塩酸系溶液、硫酸系溶液、硫酸−過酸化水素系溶液等種々の溶液を用いることが可能で、特に限定する必要性はない。そして、その溶液濃度や液温等に関しては、生産ラインの特質に応じて調整すれば足りるものである。
【0074】
酸洗処理の後に行われる接合界面層の形成は、上述したCBTAとMBTA重合体とを含有する溶液の混合溶液を用い、キャリア箔の片面若しくは両面に接合界面層を形成する処理を行う工程のことである。この接合界面層の形成は、▲1▼CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液中にキャリア箔を浸漬する方法、▲2▼CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を、接合界面層を形成するキャリア箔の表面に対し、シャワーリング若しくは滴下する等する方法、▲3▼CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて、接合界面層を形成するキャリア箔の表面に対し電着させる方法等を採用することができる。
【0075】
接合界面層の形成が終了すると、続いて、その接合界面層上に電解銅箔層の形成が行われる。最初に、電解銅箔層が微細銅粒のみで構成されたキャリア箔付電解銅箔を除き、バルク銅層の形成が行われる。バルク銅層の形成を行う場合に用いる銅電解液は、硫酸銅系溶液、ピロ燐酸銅系溶液等の銅イオン供給源として使用可能な溶液を用い、特に限定されるものではない。例えば、硫酸銅系溶液であれば、濃度が銅30〜100g/l、硫酸50〜200g/l、液温30〜80℃、電流密度1〜100A/dm2の条件、ピロ燐酸銅系溶液であれば、濃度が銅10〜50g/l、ピロ燐酸カリウム100〜700g/l、液温30〜60℃、pH8〜12、電流密度1〜10A/dm2の条件とする等である。ここでは、当該溶液中に、接合界面層を形成したキャリア箔を浸漬し、接合界面層を形成したキャリア箔の面に対しアノード電極を平行配置し、キャリア箔自体をカソード分極することで、バルク銅層を形成する銅成分を接合界面層上に均一且つ平滑に電析させるのである。
【0076】
そして、バルク銅層の形成が終了すると、次にはバルク銅層の表面に微細銅粒を形成するのである。微細銅粒を付着させる場合には、バルク銅層の上に微細銅粒を析出付着させ、その後、この微細銅粒の脱落を防止するための被せメッキを行うのが一般的である。なお、電解銅箔層を微細銅粒のみで構成する場合には、電解銅箔層の形成が、バルク銅層の形成を省略し、この工程から始まることになる。
【0077】
バルク銅層の上に微細銅粒を析出付着させるには、前述のバルク銅の形成槽で用いたと同種の銅電解液を用いる。但し、バルク銅の形成槽内で用いられる電解条件は平滑メッキ条件が採用されるのに対し、ここでの電解条件はヤケメッキの条件が採用される。従って、一般的にバルク銅層の上に微細銅粒を析出付着させる工程で用いる溶液濃度は、バルク銅の形成層内で用いる溶液濃度に比べ、ヤケメッキ条件を作り出しやすいよう、低い濃度となっている。このヤケメッキ条件は、特に限定されるものではなく、生産ラインの特質を考慮して定められるものである。例えば、硫酸銅系溶液を用いるのであれば、濃度が銅5〜20g/l、硫酸50〜200g/l、その他必要に応じた添加剤(α−ナフトキノリン、デキストリン、ニカワ、チオ尿素等)、液温15〜40℃、電流密度10〜50A/dm2の条件とする等である。
【0078】
そして、微細銅粒の脱落を防止するための被せメッキには、析出付着させた微細銅粒の脱落を防止するために、平滑メッキ条件で微細銅粒を被覆するように銅を均一析出させるのである。従って、ここでは前述のバルク銅の形成槽で用いたと同様の溶液を銅イオンの供給源として用いることができる。この平滑メッキ条件は、特に限定されるものではなく、生産ラインの特質を考慮して定められるものである。例えば、硫酸銅系溶液を用いるのであれば、濃度が銅50〜80g/l、硫酸50〜150g/l、液温40〜50℃、電流密度10〜50A/dm2の条件とする等である。
【0079】
上述のようにして、キャリア箔付電解銅箔の基本的構成が出来上がると、通常は次に防錆処理が施される。この防錆処理は、銅張積層板及びプリント配線板の製造過程で支障をきたすことの無いよう、電解銅箔層の表面が酸化腐食することを防止するためのものである。防錆処理としては、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等を用いる有機防錆、若しくは亜鉛、クロメート、亜鉛合金等を用いる無機防錆のいずれを採用しても問題はない。キャリア箔付電解銅箔の使用目的に合わせた防錆を選択すればよい。有機防錆の場合は、有機防錆剤を浸漬塗布、シャワーリング塗布、電着法等の手法を採用することが可能となる。
【0080】
無機防錆の場合は、電解で防錆元素を電解銅箔層の表面上に析出させる方法、その他いわゆる置換析出法等を用いることが可能である。例えば、亜鉛防錆処理を行うとして、ピロ燐酸亜鉛メッキ浴、シアン化亜鉛メッキ浴、硫酸亜鉛メッキ浴等を用いることが可能である。例えば、ピロ燐酸亜鉛メッキ浴であれば、濃度が亜鉛5〜30g/l、ピロ燐酸カリウム50〜500g/l、液温20〜50℃、pH9〜12、電流密度0.3〜10A/dm2の条件とする等である。
【0081】
防錆処理が終了すると、水洗して、乾燥処理することで、完成したキャリア箔付電解銅箔となるのである。なお、各工程間には、適宜、水洗出来るような手段を設けて、前工程の溶液の後工程への持ち込みを防止する操作は、当然のものであるため、製造フローの説明としては、敢えて明記していない。
【0082】
以上の述べた工程を経て、本件発明に係るキャリア箔付電解銅箔の製造が行われるのである。そして、これらのキャリア箔付電解銅箔は、主にプリント配線板製造の基礎材料として用いられる銅張積層板に加工されることとなる。ここでいう銅張積層板とは、片面基板、両面基板及び多層基板の全ての層構成の概念を含み、しかも基材材質は、リジット系の基板に限らず、いわゆるTAB、COB等の特殊基板をも包含するフレキシブル基板、ハイブリッド基板等の全てを含むものである。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るキャリア箔付電解銅箔の製造方法を用いて、キャリア箔付電解銅箔を製造した。そして、銅張積層板にプレス成形した後に、キャリア箔の電解銅箔層からの引き剥がし強度及びその安定性を確認するため、得られたキャリア箔付電解銅箔にプレス成形と同等の加熱処理を行い、加熱後のキャリア箔の引き剥がし強度を測定し、その結果を示すこととする。ここではキャリア箔に電解銅箔を用いた場合を中心に説明するものとする。
【0084】
第1実施形態: 本実施形態においては、キャリア箔Cに18μm厚のグレード3に分類される粗化処理及び防錆処理を行っていない電解銅箔を用いた。以下、各工程の順序に従って説明を行う。
【0085】
最初にキャリア箔Cの酸洗処理を行った。酸洗処理槽の内部に、濃度150g/l、液温30℃の希硫酸溶液を満し、この中にキャリア箔Cが30秒浸漬されるようにして、キャリア箔Cに付いた油脂成分を除去し、表面酸化被膜の除去を行った。
【0086】
酸洗処理の終了したキャリア箔Cの表面に、接合界面層2を形成した。この接合界面層2の形成は、酸洗処理の終了し水洗されたキャリア箔Cが、CBTA濃度3500ppm、MBTA重合体5ppmを含み、液温35℃、pH5の水溶液中に30秒浸漬されるようにして、キャリア箔Cの表面に接合界面層2を形成し、水洗した。ここで得られた接合界面層2の厚さは、平均10nmであった。
【0087】
接合界面層2の形成が終了すると、キャリア箔Cの両面に形成した接合界面層2の片面側に、電解銅箔層CFを構成するバルク銅層3を形成した。バルク銅層3の形成は、銅電解槽内に、硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の硫酸銅溶液を満たした。そして、キャリア箔自体をカソード分極するため、この溶液中に浸漬した接合界面層2を形成した後のキャリア箔Cの一面側と、アノード電極となるステンレス板を平行になるように離間配置し電解した。以下、電解法を採用する場合には同様の手法を採用した。そして、電流密度15A/dm2の平滑メッキ条件で電解し、3μm厚のバルク銅層3をキャリア箔Cの片面側の接合界面層上に形成した。
【0088】
バルク銅層3の形成が終了すると、次にはバルク銅層3の表面に粗化処理を施した。粗化処理は、まず微細銅粒4を電解銅箔層CFに付着形成し、更に、微細銅粒4の脱落を防止するための被せメッキを行った。
【0089】
微細銅粒4の付着形成は、硫酸銅溶液であって、硫酸濃度が100g/l、銅濃度が18g/l、液温25℃の銅電解液を用い、電流密度10A/dm2のヤケメッキ条件で10秒間電解することにより行った。
【0090】
そして、被せメッキは、硫酸銅溶液であって、硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の銅電解液を用い、電流密度15A/dm2の平滑メッキ条件で20秒間電解することにより行った。
【0091】
粗化処理が終了すると、キャリア箔Cと粗化処理の終了した電解銅箔面の腐食防止を目的として、防錆処理工程で、電解法により亜鉛を両面に析出させることで防錆処理を行った。ここでの亜鉛を電析させる条件は、硫酸亜鉛浴を用い、硫酸濃度70g/l、亜鉛濃度20g/lの濃度とし、液温40℃、電流密度15A/dm2の条件を採用した。ここまでの工程を経て、キャリア箔付電解銅箔1を製造した。
【0092】
最終的に防錆処理が終了すると、水洗し、最終的に乾燥することにより完成したキャリア箔付電解銅箔1aが得られた。
【0093】
このキャリア箔付電解銅箔1aの、キャリア箔層Cと電解銅箔層CFとの引き剥がし強度を測定した。以下に示す本件明細書における各実施形態の引き剥がし強度の値は、全て10ロット分の平均値であり、引き剥がし強度の安定性を対比する指標として10ロット測定したときの1時間加熱後の引き剥がし強度の標準偏差を示した。その結果、当該引き剥がし強度は加熱前18gf/cm、180℃で1時間加熱後は20gf/cm(標準偏差0.54gf/cm)、230℃で1時間加熱後は22gf/cm(標準偏差0.88gf/cm)であった。これらの値を、以下に述べる比較例と対比して判断するに、プレス加工時のハンドリングによるキャリア箔Cの剥離が十分に防止できる信頼性を確保し、加熱後も極めて容易に手作業でキャリア箔の除去が可能で、しかも、標準偏差が著しく小さくなっていることから従来のキャリア箔付電解銅箔の持つ品質安定性を遙かに超えた製品である理想的な製品であることが分かるのである。
【0094】
第2実施形態: 本実施形態においては、キャリア箔Cに18μm厚のグレード3に分類される粗化処理及び防錆処理を行っていない電解銅箔を用い、酸洗処理、接合界面層2の形成までは、第1実施形態と同様の方法で行った。従って、これらの説明は、重複した記載を避けるため、ここでは省略する。
【0095】
接合界面層2の形成が終了すると、キャリア箔Cの両面に形成した接合界面層2の片面側に、電解銅箔層CFを形成したが、ここでの電解銅箔層CFは微細銅粒4のみのタイプとした。従って、接合界面層2の形成が終了すると、次には接合界面層2の表面に粗化処理を施した。粗化処理は、まず微細銅粒4を電解銅箔層CFに付着形成し、更に、微細銅粒4の脱落を防止するための被せメッキを行った。このときの微細銅粒4の形成、及び、被せメッキは第1実施形態と同様の方法を採用した。但し、微細銅粒4の付着形成は、同様のヤケメッキ条件で20秒間の電解することとして、電解時間を長くして充分な量の微細銅粒4を付着させた点が異なるのみである。
【0096】
以上のようにして、電解銅箔層CFの形成が終了すると、第1実施形態と同様の方法で、防錆処理を行い、水洗し、最終的に乾燥することにより完成したキャリア箔付電解銅箔1bが得られた。
【0097】
このキャリア箔付電解銅箔1bの、キャリア箔層Cと電解銅箔層CFとの引き剥がし強度を測定した。以下に示す本件明細書における各実施形態の引き剥がし強度の値は、全て10ロット分の平均値であり、引き剥がし強度の安定性を対比する指標として10ロット測定したときの1時間加熱後の引き剥がし強度の標準偏差を示した。その結果、当該引き剥がし強度は加熱前20gf/cm、180℃で1時間加熱後は21gf/cm(標準偏差0.54gf/cm)、230℃で1時間加熱後は25gf/cm(標準偏差0.88gf/cm)であった。これらの値を、以下に述べる比較例と対比して判断するに、プレス加工時のハンドリングによるキャリア箔Cの自然剥離が十分に防止できる信頼性を確保し、加熱後も極めて容易に手作業でキャリア箔Cの除去が可能で、しかも、標準偏差が著しく小さくなっていることから従来のキャリア箔付電解銅箔の持つ品質安定性を遙かに超えた製品である理想的な製品であることが分かるのである。
【0098】
第3実施形態: 本実施形態においては、キャリア箔Cに18μm厚の粗化処理及び防錆処理を行っていない圧延銅箔を用いた。以下、各工程の順序に従って説明を行う。
【0099】
最初にキャリア箔Cである圧延箔を、酸洗処理し、その表面に接合界面層2を形成するまでは、第1実施形態と同様の方法で行った。従って、これらの説明は、重複した記載を避けるため、ここでは省略する。ここで得られた接合界面層2の厚さは、平均11nmであった。
【0100】
接合界面層2の形成が終了すると、キャリア箔Cの両面に電解銅箔層CFを備えたキャリア箔付銅箔1cを製造するため、キャリア箔Cの両面に形成した接合界面層2の、それぞれの表面に、電解銅箔層CFを構成するバルク銅層3を形成した。バルク銅層3の形成は、銅電解槽内に、硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の硫酸銅溶液を満たした。そして、キャリア箔C自体をカソード分極するため、この溶液中に浸漬した接合界面層2を形成した後のキャリア箔Cの両面のそれぞれに、アノード電極となるステンレス板を平行になるように離間配置して電解した。以下、電解法を採用する場合には同様の手法を採用した。そして、電流密度15A/dm2の平滑メッキ条件で電解し、3μm厚のバルク銅層3をキャリア箔Cの両面の各々の接合界面層2上に形成した。
【0101】
両面のバルク銅層3形成が終了すると、次には両面のそれぞれのバルク銅層3の表面に粗化処理を施した。粗化処理は、まず微細銅粒4をバルク銅層3上に付着形成し、更に、微細銅粒4の脱落を防止するための被せメッキを行った。
【0102】
微細銅粒4の付着形成及び被せメッキは、第1実施形態と同様の方法を採用した。従って、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。以上のようにして、電解銅箔層CFの形成が終了すると、第1実施形態と同様の方法で、両面に防錆処理を行い、水洗し、最終的に乾燥することにより完成したキャリア箔付電解銅箔1cを得た。
【0103】
このキャリア箔付電解銅箔1cの、キャリア箔層Cと電解銅箔層CFとの引き剥がし強度を測定した。その結果、一面側のキャリア箔Cの当該引き剥がし強度は加熱前18gf/cm、180℃で1時間加熱後は19gf/cm(標準偏差0.54gf/cm)、230℃で1時間加熱後は21gf/cm(標準偏差0.88gf/cm)であった。また、他面側のキャリア箔Cの当該引き剥がし強度は加熱前20gf/cm、180℃で1時間加熱後は22gf/cm(標準偏差0.54gf/cm)、230℃で1時間加熱後は24gf/cm(標準偏差0.88gf/cm)であった。
【0104】
これらの値を、以下に述べる比較例と対比して判断するに、プレス加工時のハンドリングによるキャリア箔Cの自然剥離が十分に防止できる信頼性を確保し、加熱後も極めて容易に手作業でキャリア箔Cの除去が可能で、しかも、標準偏差が著しく小さくなっていることから従来のキャリア箔付電解銅箔の持つ品質安定性を遙かに超えた製品である理想的な製品であることが分かるのである。
【0105】
第4実施形態: 本実施形態においては、キャリア箔Cに18μm厚の粗化処理及び防錆処理を行っていない圧延銅箔を用い、酸洗処理、接合界面層の形成までは、第3実施形態と同様の方法で行った。従って、これらの説明は、重複した記載を避けるため、ここでは省略する。
【0106】
接合界面層2の形成が終了すると、キャリア箔Cの両面に形成した接合界面層2の両面側に、電解銅箔層CFを形成したが、ここでの電解銅箔層CFは微細銅粒4のみのタイプとした。従って、接合界面層2の形成が終了すると、次には接合界面層2の表面に粗化処理を施した。粗化処理は、まず微細銅粒4を接合界面層2上に付着形成し、更に、微細銅粒4の脱落を防止するための被せメッキを行った。このときの微細銅粒4の形成、及び、被せメッキは第3実施形態と同様の方法を採用した。但し、微細銅粒4の付着形成は、同様のヤケメッキ条件で20秒間の電解することとして、電解時間を長くして充分な量の微細銅粒4を付着させた点が異なるのみである。
【0107】
以上のようにして、電解銅箔層CFの形成が終了すると、第1実施形態と同様の方法で、防錆処理を行い、水洗し、最終的に乾燥することにより完成したキャリア箔付電解銅箔1dが得られた。
【0108】
このキャリア箔付電解銅箔1dの、キャリア箔層Cと電解銅箔層CFとの引き剥がし強度を測定した。その結果、一面側のキャリア箔Cの当該引き剥がし強度は加熱前18gf/cm、180℃で1時間加熱後は19gf/cm(標準偏差0.54gf/cm)、230℃で1時間加熱後は21gf/cm(標準偏差0.88gf/cm)であった。また、他面側のキャリア箔Cの当該引き剥がし強度は加熱前20gf/cm、180℃で1時間加熱後は22gf/cm(標準偏差0.54gf/cm)、230℃で1時間加熱後は24gf/cm(標準偏差0.88gf/cm)であった。
【0109】
これらの値を、以下に述べる比較例と対比して判断するに、プレス加工時のハンドリングによるキャリア箔の剥離が十分に防止できる信頼性を確保し、加熱後も極めて容易に手作業でキャリア箔の除去が可能で、しかも、標準偏差が著しく小さくなっていることから従来のキャリア箔付電解銅箔の持つ品質安定性を遙かに超えた製品である理想的な製品であることが分かるのである。
【0110】
比較例: 本比較例においては、キャリア箔に18μm厚のグレード3に分類される粗化処理及び防錆処理を行っていない電解銅箔を用いた。以下、各工程の順序に従って説明を行う。
【0111】
最初にキャリア箔の酸洗処理を行った。酸洗処理槽の内部に、濃度150g/l、液温30℃の希硫酸溶液を満し、この中にキャリア箔が30秒浸漬されるようにして、キャリア箔3に付いた油脂成分を除去し、表面酸化被膜の除去を行った。
【0112】
酸洗処理の終了したキャリア箔3の表面に、接合界面層を形成した。この接合界面層の形成は、酸洗処理の終了し水洗されたキャリア箔が、CBTAのみを濃度5g/lとして含み、液温40℃、pH5の水溶液中に30秒浸漬されるようにして、キャリア箔3の表面に接合界面層8を形成し、水洗した。ここで得られたCBTAのみで形成された接合界面層8の厚さは、平均11nmであった。しかしながら、このCBTAのみで構成した接合界面層は、TEMで観察する場所により、2nm〜25nmの間でばらついており、膜厚の均一性に欠けるものであった。
【0113】
接合界面層の形成が終了すると、キャリア箔の両面に形成した接合界面層の片面側に、電解銅箔層を構成するバルク銅層を形成するバルク銅層形成、微細銅粒を付着させ被せメッキを行う粗化処理、防錆処理、乾燥処理を行って、比較用のキャリア箔付電解銅箔を製造した。これらの各製造条件は、第1実施形態と同様であるため、重複した記載を避けるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0114】
このキャリア箔付電解銅箔の、キャリア箔層と電解銅箔層との引き剥がし強度を測定した。以下に示す本件明細書における各実施形態の引き剥がし強度の値は、全て10ロット分の平均値であり、引き剥がし強度の安定性を対比する指標として10ロット測定したときの1時間加熱後の引き剥がし強度の標準偏差を示した。その結果、当該引き剥がし強度は加熱前18gf/cm、180℃で1時間加熱後は25gf/cm(標準偏差2.73gf/cm)、230℃で1時間加熱後は257gf/cm(標準偏差12.31gf/cm)であった。これらの値を、以上に述べた各実施形態と対比して判断するに、加熱温度が高くなるにつれ、キャリア箔の引き剥がし強度が大きくなり、特に230℃の加熱後では著しき高い値となり、殆ど容易に手作業でキャリア箔の除去が可能と言えるものではなくなっている。しかも、標準偏差も各実施形態と比較しても大きくなっているのである。
【0115】
【発明の効果】
本発明に係るキャリア箔付電解銅箔は、接合界面層の形成にCBTAとMBTA重合体とを含む溶液を用いることで、加熱後のキャリア箔層と電解銅箔層との界面での剥離が非常に小さな力で容易に行え、且つ、製品間の品質のバラツキが非常に小さくなる。しかも、本件に係るキャリア箔付電解銅箔の製造は、接合界面層の形成にCBTAとMBTA重合体とを含有する水溶液を用いることに特徴を有するが、工程変動が起こりにくく、非常に安定した製造プロセスとなるため、製品の製造歩留まりが飛躍的に向上することになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリア箔付電解銅箔の断面模式図。
【図2】キャリア箔付電解銅箔の断面模式図。
【図3】プレス成形時のレイアップ構成を示した模式図。
【図4】プレス成形時のレイアップ構成を示した模式図。
【図5】プレス成形時のレイアップ構成を示した模式図。
【図6】キャリア箔付電解銅箔の断面模式図。
【図7】キャリア箔付電解銅箔の断面模式図。
【図8】キャリア箔付電解銅箔の断面模式図。
【図9】プレス成形時のレイアップ構成を示した模式図。
【図10】プレス成形時のレイアップ構成を示した模式図。
【図11】キャリア箔付電解銅箔の断面模式図。
【図12】キャリア箔付電解銅箔の製造フローを表す模式図。
【符号の説明】
1a〜1h キャリア箔付電解銅箔
2 接合界面層
3 バルク銅層
4 微細銅粒
C キャリア箔
CF 電解銅箔層
Claims (8)
- キャリア箔の片面に、接合界面層を備え、その接合界面層上に電解銅箔層を備えたキャリア箔付電解銅箔において、
当該接合界面層は、カルボキシベンゾトリアゾール(以下「CBTA」と称する。)とメチルベンゾトリアゾール(以下、「MBTA」と称する。)の重合体(以下、単に「MBTA重合体」と称する。)とを含有する溶液を用いて形成したものであり、且つ、当該接合界面層中に含まれるMBTA重合体が2.0wt%〜60.0wt%であることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔。 - 電解銅箔層は、電解法で析出付着させた微細銅粒のみで構成するものである請求項1に記載のキャリア箔付電解銅箔。
- キャリア箔の両面に、接合界面層を備え、その各々の接合界面層上に電解銅箔層を備えたキャリア箔付電解銅箔において、
当該接合界面層は、CBTAとMBTA重合体とを含有する溶液を用いて形成したものであり、且つ、当該接合界面層中に含まれるMBTA重合体が2.0wt%〜60.0wt%であることを特徴とするキャリア箔付電解銅箔。 - 電解銅箔層は、電解法で析出付着させた微細銅粒のみで構成するものである請求項3に記載のキャリア箔付電解銅箔。
- キャリア箔は、電解銅箔である請求項1〜請求項4のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔。
- 接合界面層は、0.5nm〜1μmの厚さである請求項1〜請求項5のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔の製造方法において、
キャリア箔の表面への接合界面層の形成は、CBTAを50ppm〜5000ppm、MBTA重合体を2ppm〜飽和溶解量含有する溶液を用いて、当該有機剤を吸着させることにより有機被膜として形成することを特徴としたキャリア箔付電解銅箔の製造方法。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキャリア箔付電解銅箔を用いて得られる銅張積層板。
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