JP3812480B2 - スローアウェイ式ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切刃を有する切削ヘッド部を工具本体に交換可能に装着できるようにしたスローアウェイ式ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、切刃を有する切削ヘッド部を工具本体に交換可能に装着できるようにしたスローアウェイ式ドリルとして、例えば実用新案登録第3054444号公報に記載されたものがある。
このスローアウェイ式ドリルは、ドリルの先端側領域からなる切削ヘッド部と工具シャンクの相互の連結部において、工具シャンクに弾性スリットを設け、弾性スリットの両側に対向する連結用の一対の凹面状固定壁とトルクを切削ヘッド部に伝達する一対のトルク伝導壁とをそれぞれ形成し、切削ヘッド部には工具シャンクの固定壁に係合する一対の凸面状固定壁と、工具シャンクのトルク伝導壁に嵌合する一対のトルク伝導壁とを有している。対向する凹面状固定壁の最小の間隔は凸面状固定壁の幅より広く設定されている。
【0003】
そして工具シャンクに切削ヘッド部を連結するに当たって、工具シャンクの凹面状固定壁の間隙に切削ヘッド部の凸面状固定壁を通過させるようにして両固定壁を同軸で直交させ、次に切削ヘッド部を工具本体の回転方向と逆方向に回転させると、工具シャンク部のトルク伝導壁に切削ヘッド部のトルク伝導壁が当接すると共に凸面状固定壁と凹面状固定壁とが結合する。両固定壁の結合は工具本体の弾性スリットを弾性変形させて広げつつ行い、これによって切削ヘッド部と工具シャンクとが弾性的に結合されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造では切削ヘッド部と工具シャンク部の結合は弾性スリットによる弾性的な結合でのみ行われるために、両者の結合力が小さく、孔あけ加工時に大きな切削負荷がかかると、切削ヘッド部がずれたり外れたりし易く、孔加工精度が低下したり、工具破損の原因になり易いために加工コストの増大につながるという問題がある。
本発明は、このような実情に鑑み、切削ヘッド部の着脱が容易で且つ堅固に固定できると共に、切削ヘッド部及び工具本体にかかる負担を軽減して破損を防止することができるスローアウェイ式ドリルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、切刃が設けられた切削ヘッド部を工具本体に着脱可能に装着してなるスローアウェイ式ドリルにおいて、前記切削ヘッド部には嵌合部が設けられ、前記工具本体には前記嵌合部と嵌合可能な受け部が設けられ、前記嵌合部は、切削ヘッド部の基端面から工具本体側に軸線上で突出する軸部と、軸線を中心として回転対称に設けられ前記基端面から切削ヘッド部の先端面側に凹設される一対の段差部とを備え、前記切削ヘッド部の基端面から突出した前記軸部の軸先端面寄りの周面には軸先端面に向かって広がる係合面が形成され、該軸部における前記切削ヘッド部の基端面寄りの周面には前記軸線に平行または前記切削ヘッド部の基端面側に向かって拡がるように形成された芯出し周面が形成され、前記受け部は、工具本体の先端面からその基端側に設けられ前記軸部に嵌合する凹部と、前記先端面から切削ヘッド部側に凸設され前記各段差部に嵌合する一対の受け段部とを備え、前記凹部には、前記係合面に対応する挟持面と、前記芯出し周面に対応する整合面とが形成され、前記工具本体には、その先端部分を径方向で分割するスリットが設けられ、前記嵌合部と前記受け部とを嵌合させた状態で、前記係合面と挟持面との隙をS1、前記芯出し周面と整合面との隙をS2とすると、S1<S2とされ、前記スリットを貫通する締結ボルトを締め込むことによって、前記軸部を前記凹部で締め付けて前記工具本体に前記切削ヘッド部を固定することを特徴とする。
【0006】
このように構成することで、工具本体に切削ヘッド部を固定するに当たり、前記嵌合部と前記受け部とを嵌合させた状態で工具本体に締結ボルトを締め込むと、工具本体がスリットの間隙を縮小するように弾性変形し、嵌合部の軸部の係合面によって切削ヘッド部を工具本体側に引き込んで密着させると共に、軸部の芯出し周面によって高精度に芯出しを行う。そして、軸部を凹部で締め付けて工具本体に切削ヘッド部を堅固に固定することが可能となる。
【0007】
なお、前記芯出し周面が、前記切削ヘッド部の基端面側に向かって拡がるように形成されている場合には、切削ヘッド部の基端面に対する軸部の軸基端の周面の角度を鈍角として、軸基端の周囲の応力集中を軽減することが可能となる。
【0008】
そして、前記凹部には、前記係合面に対応する挟持面と、前記芯出し周面に対応する整合面とが形成され、前記係合面と挟持面との隙をS1、前記芯出し周面と整合面との隙をS2とすると、S1<S2であるように構成することで、軸部を凹部で締め付けた時に、先ず係合面と挟持面とが当接し、切削ヘッド部を工具本体側に引き込んだ状態で芯出し周面と整合面とが当接して芯出しを行うことが可能となる。
【0009】
また、前記工具本体には、前記締結ボルトを装着する挿通孔及びねじ部が形成され、前記挿通孔及びねじ部の一部が前記凹部内を通過するように設けられるとともに、前記軸部の軸先端面には、前記締結ボルトの逃げ部が形成されているように構成することで、締結ボルトの配設位置を工具本体の先端面側、つまりスリットの開放端側に近づけることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は本発明に係るスローアウェイ式ドリルの側面図、図2はその平面図である。
図1に示すように、本実施の形態によるスローアウェイ式ドリル(以下、ドリルということがある)1は、工具本体2がシャンク部3と刃部4とからなる略棒状を呈しており、刃部4の先端には、テーパ状の先端面7に一対の切刃8を有するスローアウェイタイプの切削ヘッド部5が交換可能に装着されている。
刃部4の外周面4aには、2つの切屑排出溝6,6及びそれらに隣接するランド部10,10がドリル本体の回転軸線Oを中心に対向して回転対称に形成されており、回転軸線O回りにねじれている。
【0013】
工具本体2の内部には、回転軸線Oに沿って、好ましくは同軸上に、工具本体2の基端側(同図においては下方側)から切削ヘッド部5に向かって油孔28が形成されている。この油孔28は切削ヘッド部5に到達しない途中位置で複数(本実施の形態においては2つ)に分岐され、各分岐油孔28a,28aはそれぞれ外周側に延びて切削ヘッド部5近傍のランド部10,10外周面に設けられた油溝28b,28bに開口している。
【0014】
図2に示すように、切削ヘッド部5において、各切屑排出溝6,6の回転方向(図中矢印Rで示す)を向く先端側の壁面と先端面7との各交差稜線部に一対の切刃8,8が形成されている。
尚、凹面部5b,5bは前記油溝28b,28bの一部を構成しており、孔あけ加工時に切削部への直接給油を可能にしている。
上述の基本構成を備えたドリル1は、図1に示すように、スローアウェイタイプの切削ヘッド部5に設けられた後述する嵌合部14と、工具本体2に設けられた後述する受け部20とが嵌合することで相互に固着可能とされており、更に、工具本体2の受け部20を2分するように設けられたスリット26を締結ボルト30によって弾性変形させることで、切削ヘッド部5の嵌合部14を締め付けて工具本体2に切削ヘッド部5を堅固に固定している。
【0015】
図3は切削ヘッド部5の平面図、図4はその側面図である。
図3に示すように、切削ヘッド部5は、回転軸線Oの両側に回転対称に形成された一対のヘッドランド部10a,10aが設けられ、これらヘッドランド部10a,10aに隣接して略凹曲面状の一対の凹側面6a,6aが形成されている。 ヘッドランド部10a,10aは前記ランド部10,10の一部を構成しており、凹側面6a,6aは切屑排出溝6,6の一部を構成している。
先端面7は回転軸線Oを中心とした概略テーパ状に形成され、回転軸線O付近から径方向外側に延びる一対の前記切刃8,8と、各切刃8の回転方向後方に順次設けられた逃げ面11とシンニング面12とを有している。
尚、図中矢印Rは回転方向を示す。
【0016】
図4に示すように、切削ヘッド部5の先端面7の反対側の面(基端面5a)には、工具本体2と嵌合するための嵌合部14が設けられている。
この嵌合部14は、回転軸線Oと同軸上で基端面5aから工具本体2側に突出する軸部15を備えており、この軸部15のヘッドランド部10a,10a方向の外周部分であって、軸部15の軸先端面15a寄りの周面にはその軸先端面15a側に向かって広がる係合面16aが形成され、軸部15の基端面5a寄りの周面には回転軸線Oに平行な芯出し周面16bが形成されている。
そして、軸部15の軸先端面15aには、締結ボルト30の首下部分との干渉を避けるための逃げ部15bが凹設されている。
【0017】
また、嵌合部14は、基端面5aを先端面7側に切り欠いて形成される段差部18を備えている。
この段差部18は、駆動力を伝達するための径方向に延びる傾斜面18aと、その周方向両側に位置する肉厚部18b及び肉薄部18cとを有している。
ここで、図3に示すように、肉厚部18bは、肉薄部18cに対してドリル1の回転方向前方に位置している。また、段差部18はヘッドランド部10a,10aの裏面に一対設けられ、各々回転軸線Oの両側に180°回転対称に形成されている。尚、同図においては、図示都合上一方の段差部18のみに符号を付す。
更に、傾斜面18a、18aは、切削ヘッド部5の外周に沿う方向で、且つ、その外周側を回転方向に向けるように径方向に対して傾斜して形成されると共に、軸線方向に対する傾斜角θ1(図3における側面図に示す)が10°〜60°となるように傾斜して形成されている。
【0018】
図5は工具本体2の先端部分の平面図、図6(a)はその側面図、図6(b)は図6(a)における要部拡大図である。
図5に示すように、工具本体2の刃部4には、切屑排出溝6,6に隣接して、回転軸線Oの両側に回転対称に形成された一対の本体ランド部10b,10bが設けられており、この本体ランド部10b,10bはヘッドランド部10a,10aと共にランド部10,10を構成している。尚、図中矢印Rは回転方向を示す。
【0019】
図6(a)に示すように、工具本体2の先端面2aには、切削ヘッド部5を嵌合させるための受け部20が設けられている。
この受け部20は、工具本体2の先端面2aを工具本体2の基端側(同図においては下方側)に向けて切り欠いた凹部22を備えており、この凹部22の本体ランド部10b,10b方向の内周部分であって、凹部22の底面22a寄りの周面には前記係合面16aに対応する挟持面23aが形成され、凹部22の先端面2a寄りの周面には前記芯出し周面16bに対応する整合面23bが形成されている。
【0020】
ここで、図6(b)に示すように、切削ヘッド部5の嵌合部14と工具本体2の受け部20とを嵌合させた状態であって、締結ボルト30を締め付ける前の係合面16aと挟持面23aとの隙をS1、芯出し周面16bと整合面23bとの隙をS2とすると、これらの相対関係がS1<S2となるように軸部15及び凹部22が形成されている。
また、図5に示すように、各挟持面23a及び整合面23bに隣接する一対の対向領域が切屑排出溝6,6で切除され、外部に開放された一対の側部開口部22b,22bをなしている。
【0021】
そして、凹部22の底面22aには、各挟持面23a及び整合面23b間であって工具本体2の先端部分を略線対称に2分するように、つまり回転軸線O上にスリット26が形成されている。
このスリット26によって、工具本体2の先端部分は一対のハーフ部32A,32Bに分割される。ハーフ部32Aには締結ボルト30のヘッド受け部9aを有する挿通孔9がスリット26と回転軸線O付近で直交するように径方向で貫通形成されており、ハーフ部32Bには締結ボルト30を締め込むためのねじ部29が挿通孔9の延長線上に貫通形成されている。
これらハーフ部32A,32Bはスリット26の間隔を増減するように弾性変形可能とされ、切削ヘッド部5の固定時には締結ボルト30を締め込むことによって互いに接近するように弾性変形する。
【0022】
また、図6(a)に示すように、締結ボルト30を工具本体2の先端面2a側、つまりスリット26の開放側に近づけて配設するために、挿通孔9及びねじ部29の一部が凹部22内を通過するように設けられている。
このため、挿通孔9及びねじ部29に締結ボルト30を装着するとその首下部分の一部が凹部22の底面22aから突出するが、前述したように軸部15の底面15aには締結ボルト30の首下部分の逃げ部15bを設けているため、切削ヘッド5を装着した時に締結ボルト30と軸部15との干渉を防止できる。
尚、スリット26の下端側には、スリット26の長さを短くすると共に弾性変形時の応力集中を避けるためのヌスミ部26aが形成されている。また、挿通孔9及びねじ部29は、前記分岐油孔28a,28aを避ける位置に形成されている。
【0023】
また、受け部20は、先端面2aに突出成形され、切削ヘッド部5の段差部18と凹凸嵌合して工具本体2の駆動力を切削ヘッド部5に伝達して一体回転させるための受け段部24を備えている。
この受け段部24は駆動力を伝達するための径方向に延びる傾斜面24aとその周方向両側に位置し切削ヘッド部5側に比較的突出する上面部24bと上面部24bより低い位置の底面部24cとを有している。
【0024】
ここで、図5に示すように、上面部24bは底面部24cに対してドリル1の回転方向後方に位置している。また、これら一対の受け段部24は本体ランド部10b,10bの先端面2a上に一対設けられ、各々回転軸線Oの両側に180°回転対称に形成されている。尚、同図においては、図示都合上一方の受け段部24のみに符号を付す。
更に、傾斜面24a,24aは前記傾斜面18a,18aと整合可能に形成されている。具体的には、工具本体2の外周に沿う方向で、且つ、その外周側を回転方向に向けるように径方向に対して傾斜して形成されると共に、軸線方向に対する傾斜角θ2(図5における側面図に示す)が10°〜60°となるように傾斜して形成されている。
【0025】
ここで、図5において、先端面2aから距離Z(図示略)の任意高さにおける凹部22の側部開口部22bの開口幅をDとし、また、図3において、基端面5aから距離Zの真意高さにおける軸部15の係合面16a及び芯出し周面16bの幅をPとすると、これらの相対関係がD>Pとなるように設定されている。そのため、凹部22の側部開口部22bに係合面16a及び芯出し周面16bを向けて挿通させることによって、切削ヘッド部5の軸部15を工具本体2の凹部22内に挿入離脱可能となっている。
【0026】
本実施の形態によるドリル1は上述の構成を有しており、次にこのドリル1の工具本体2に切削ヘッド部5を装着する手順について説明する。
図7は、工具本体2に切削ヘッド部5を装着する際の途中段階を示す平面図、図8は装着完了状態を示す平面図である。
先ず、図7に示すように、工具本体2の受け部20における側部開口部22bに切削ヘッド部5の軸部15の係合面16a及び芯出し周面16bを向けて、図中両矢印Aに沿って凹部22内に挿入する。
切削ヘッド部5の軸部15の回転軸線Oと工具本体2の回転軸線Oとがほぼ一致した時点で、切削ヘッド部5のヘッドランド部10a,10aと工具本体2の本体ランド部10b,10bとが互いに略直交し、且つ、各一対の係合面16a及び芯出し周面16bと、挟持面23a及び整合面23bとが互いに略直交した状態となる。この時、軸部15の一対の係合面16a及び芯出し周面16bはそれぞれ凹部22の側部開口部22bに位置している。
【0027】
そして、工具本体2の受け部20に対して切削ヘッド部5を工具本体2の回転方向と逆の方向(図中矢印R’で示す)に回転させると、図8に示すように、軸部15の係合面16a及び芯出し周面16bが略90°回転して凹部22の挟持面23a及び整合面23bに内側で重なり嵌合する。同時に、切削ヘッド部5の段差部18も略90°回転して、その傾斜面18aが側面図に示すように受け部20の受け段部24の傾斜面24aに嵌合する。この状態で切削ヘッド部5のヘッドランド部10a,10aは工具本体2の本体ランド部10b,10bに精密に重なり、ドリル1として切屑排出溝6,6とランド部10,10とが工具本体2から切削ヘッド部5まで滑らかに螺旋状に連結されて一体化される。
【0028】
最後に、図9に示すように、締結ボルト30を工具本体2の挿通孔9側からねじ部29に螺合させ締め付けると、ハーフ部32A,32Bがスリット26の下端側を固定端として工具本体2側の先端面2a側、つまりスリット26の開放端側が互いに接近するように弾性変形し、スリット26の間隙を縮小させる。そして、切削ヘッド部5の軸部15を工具本体2の凹部22によって締め付けることで、工具本体2に切削ヘッド部5を堅固に固定することができる。
【0029】
この時、係合面16aと挟持面23aとが先に整合し、軸部15を下方に引き込んで切削ヘッド部5を工具本体2にしっかり密着させる。その状態で芯出し周面16bと整合面23bとが整合することで、高精度に芯出しを行いながら、工具本体2に切削ヘッド部5をより堅固に固定することができる。
また、締結ボルト30が工具本体2の先端面2a側、つまりスリット26の開放端側に近い位置で工具本体2に締め込まれるため、軸部15を強く締め付けることができ、工具本体2に切削ヘッド部5をより一層堅固に固定している。
以上の手順によってドリル1に切削ヘッド部5が装着される。
【0030】
このドリル1を用いて孔あけ加工を行う場合、図示しない工作機械のスピンドル軸を介して工具本体2に伝達された駆動力が、受け段部24から段差部18に伝達されることによって切削ヘッド部5が回転する。
この時、受け段部24及び段差部18の各傾斜面は、切削ヘッド部5又は工具本体2の外周に沿う方向で、且つ、その外周側を回転方向に向けるように径方向に対して傾斜して配置されているため、回転軸線Oを中心として回転対象に設けられる各段差部18及び受け段部24間には、駆動力によって切削ヘッド部5の径方向内側に向かう分力が発生し、切削ヘッド部5を圧縮するように作用する。
従って、上記径方向分力が切削ヘッド部5を引っ張るように作用する場合と比べて、特に工具鋼のような堅い鋼材の場合は強度的に有利となり、切削ヘッド部5の耐久性を向上させることができる。
【0031】
また、段差部18及び受け段部24の各傾斜面18a,24aは径方向だけでなく回転軸線O方向でも傾斜しているため、各傾斜面18a,24aの面積を広く形成することができ、駆動力の伝達に際して段差部18及び受け段部24に加わる面圧を低減することができる。つまり切削ヘッド部5及び工具本体2に加わる負担を低減することができ、ドリル1の耐久性を向上させることができる。
【0032】
そして、ドリル1が回転軸線O回りに一体回転し、切刃8,8によって被削材の孔加工が行われ、切刃8で生成された切屑は切屑排出溝6を通して基端側に排出される。
加工によって切刃8が摩耗したり欠損して交換が必要な場合には、上述の装着工程と逆の手順で切削ヘッド部5を取り外し、他の切削ヘッド部5を上述と同一の手順で装着すれば良い。
【0033】
上述のように本実施の形態によれば、切削ヘッド部5を工具本体2に堅固に固定することができ、ドリル1による孔あけ加工時に高い負荷が切刃8を通して切削ヘッド部5にかかっても切削ヘッド部5がずれたり外れたりすることがなく、振動を抑えて孔加工精度が精密である上に工具寿命を向上させることができる。
【0034】
また、駆動力によって切削ヘッド部5の径方向内側に向かう分力が発生し、切削ヘッド部5に対し圧縮方向に作用するため、径方向分力が切削ヘッド部5に対し引張方向に作用する場合と比べて強度的に有利となり、切削ヘッド部5の耐久性を向上させることができる。また、トルク伝達面である傾斜面18a,24aを広く形成することで切削ヘッド部5及び工具本体2に加わる負担を低減することができ、ドリル1の耐久性を向上させることができる。
【0035】
次に、上記実施の形態の応用例を図10を用いて説明する。
この応用例におけるドリル101は、軸部15の基端面5a側の芯出し周面116bが、基端面5a側に向かって広がるように形成されている以外は上記実施の形態と同一構成を有するものであり、図10において図9と同一部分に同一符号を付すと共にその設明は省略する。
この時、凹部22の整合面123bも前記芯出し周面116bに対応して、先端面2a側に向かって広がるように形成されている。
【0036】
ここで、切削ヘッド部5の嵌合部14と工具本体2の受け部20とを嵌合させた状態であって締結ボルト30を締め付ける前の芯出し周面116bと整合面123bとの隙をS3(図示略)とすると、係合面16aと挟持面23aとの隙S1との相対関係がS1<S3となるように形成されている。
【0037】
上述の構成を有するドリル101も前記実施の形態におけるドリル1と同様の手順で工具本体102に切削ヘッド部105を固定し、被削材を加工し、切削ヘッド部105を交換することができる。
また、工具本体102に切削ヘッド部105を固定するに際して、前記実施の形態と同様、締結ボルト30によって切削ヘッド部105の軸部15を工具本体102の凹部22で締め付けると、係合面16aと挟持面23aとが先に整合し、軸部15を下方に引き込んで切削ヘッド部105を工具本体102にしっかり密着させる。その状態で芯出し周面116bと整合面123bとが整合することで、高精度に芯出しを行いながら工具本体102に切削ヘッド部105を堅固に固定することができる。
【0038】
この時、軸部15の芯出し周面116bが、基端面5a側に向かって広がるように形成されているため、切削ヘッド部105の基端面5aと軸部15の軸基端の周面との角度が鈍角となり、前記実施の形態と比較して軸部15の軸基端の周囲に生ずる応力集中を軽減することができる。
【0039】
上述の応用例によれば、前記実施の形態における効果に加えて、工具本体102に切削ヘッド部105を固定した時に、軸部15の軸基端の周囲に生ずる応力集中を軽減することができるため、切削ヘッド部105に加わる負担を低減しその耐久性をより向上させることができる。
【0040】
尚、本発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば切削ヘッド部5,105の周面には、係合面16a,116a及び芯出し周面16b,116bの2面が形成されているが、更に軸線と平行な周面を追加して3面としても良い。
具体的には、例えば係合面16aの軸先端面15a側にも軸線と平行な周面を別途設けて3面としても良い。また、例えば係合面16aと芯出し周面116bとの間に軸線と平行な周面を別途設けて3面としても良い。
このように、軸線と平行な周面を別途追加することで、その追加周面でも芯出しを行うことが可能となり、その精度をより高めることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるドリルでは、工具本体の凹部に切削ヘッド部の軸部を挿入して、嵌合部と受け部とを嵌合させた状態で締結ボルトを締め込むと、軸部の係合面によって切削ヘッド部を工具本体側に引き込んで密着させると共に、軸部の芯出し周面によって高精度に芯出しを行いながら、工具本体に切削ヘッド部を堅固に固定することが可能となるため、孔あけ加工時等に両者がずれたりすることがなく、振動を抑えて高精度な加工を行えて長寿命が得られる。
【0043】
そして、前記係合面及び芯出し周面と、前記挟持面及び整合面との隙S1及びS2の相対関係をS1<S2とすることによって、軸部を凹部で締め付けた時に、先ず係合面と挟持面とが当接し、切削ヘッド部を工具本体側に引き込んだ状態で芯出し周面と整合面とが当接して芯出しを行うことが可能となるため、高精度に芯出しを行いながら前記工具本体に前記切削ヘッド部をより堅固に固定することができる。
【0044】
また本発明において、前記工具本体には、前記締結ボルトを装着する挿通孔及びねじ部を形成し、前記挿通孔及びねじ部の一部が前記凹部内を通過するように設けるとともに、前記軸部の軸先端面に前記締結ボルトの逃げ部を形成することによって、締結ボルトの配設位置を工具本体の先端面側、つまりスリットの開放端側に近づけることが可能となるため、軸部を強く締め付けることができ、工具本体に切削ヘッド部をより一層堅固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるスローアウェイ式ドリルの正面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態における切削ヘッド部の平面図である。
【図4】 図3の正面図である。
【図5】 本発明の実施の形態における工具本体の先端部分の平面図である。
【図6】(a)は図5の正面図、(b)は(a)における要部拡大図である。
【図7】 工具本体に切削ヘッド部を装着する際の途中段階を示す平面図である。
【図8】 工具本体に切削ヘッド部を装着した状態を示す平面図である。
【図9】 図8の正面図である。
【図10】 本発明の実施の形態の応用例を示す正面図である。
【符号の説明】
1,101 スローアウェイ式ドリル
2,102 工具本体
5,105 切削ヘッド部
14 嵌合部
15 軸部
15b 逃げ部
16a 係合面
16b,116b 芯出し周面
18 段差部
18a 傾斜面
20 受け部
22 凹部
23a 挟持面
23b,123b 整合面
24 受け段部
24a 傾斜面
26 スリット
30 締結ボルト

Claims (2)

  1. 切刃が設けられた切削ヘッド部を工具本体に着脱可能に装着してなるスローアウェイ式ドリルにおいて、
    前記切削ヘッド部には嵌合部が設けられ、前記工具本体には前記嵌合部と嵌合可能な受け部が設けられ、
    前記嵌合部は、切削ヘッド部の基端面から工具本体側に軸線上で突出する軸部と、軸線を中心として回転対称に設けられ前記基端面から切削ヘッド部の先端面側に凹設される一対の段差部とを備え、
    前記切削ヘッド部の基端面から突出した前記軸部の軸先端面寄りの周面には軸先端面に向かって広がる係合面が形成され、該軸部における前記切削ヘッド部の基端面寄りの周面には前記軸線に平行または前記切削ヘッド部の基端面側に向かって拡がるように形成された芯出し周面が形成され、
    前記受け部は、工具本体の先端面からその基端側に設けられ前記軸部に嵌合する凹部と、前記先端面から切削ヘッド部側に凸設され前記各段差部に嵌合する一対の受け段部とを備え、
    前記凹部には、前記係合面に対応する挟持面と、前記芯出し周面に対応する整合面とが形成され、
    前記工具本体には、その先端部分を径方向で分割するスリットが設けられ、前記嵌合部と前記受け部とを嵌合させた状態で、前記係合面と挟持面との隙をS1、前記芯出し周面と整合面との隙をS2とすると、S1<S2とされ、前記スリットを貫通する締結ボルトを締め込むことによって、前記軸部を前記凹部で締め付けて前記工具本体に前記切削ヘッド部を固定することを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
  2. 前記工具本体には、前記締結ボルトを装着する挿通孔及びねじ部が形成され、前記挿通孔及びねじ部の一部が前記凹部内を通過するように設けられるとともに、前記軸部の軸先端面には、前記締結ボルトの逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイ式ドリル。
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