JP3811982B2 - 内燃機関用リターンレス燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のEFI(Electronic Fuel Injection;電子制御燃料噴射装置)等に燃料を供給する内燃機関用リターンレス燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用燃料フィルタ及び燃料供給装置に関連するものとして、燃料ポンプを電圧制御する方式であってリターン配管を有するシステムが知られている。このようなシステムでは、燃料噴射弁が固設された燃料レール(デリバリパイプ)内の燃料の圧力(以下、単に『燃圧』と記す)をプレッシャレギュレータにて一定として余剰燃料をリターン配管を介して燃料タンク内に戻すように制御されている。このため、燃料レール内の燃圧を常時、内燃機関の運転状態等にかかわらず使用される最大圧に保持しておく必要からエネルギ的に無駄があるばかりかリターン配管も必要でありコスト低減も難しかった。
【0003】
前述のようなシステムに対し、燃料ポンプを駆動する電動モータの電流値を制御することにより燃圧を検出するセンサを用いることなくリターン配管を不要としたシステムが提案されている。このものでは、燃料ポンプ出口の燃圧は精度よく制御可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料ポンプの下流側に設置される高圧側燃料フィルタに異物の付着等があると燃料の圧力損失(以下、単に『圧損』と記す)が増加することとなる。すると、高圧側燃料フィルタの下流側に配設された燃料レール内における燃圧が低下し、結果として、その燃料レールに固設された燃料噴射弁からの燃料噴射量が多く必要とされる内燃機関の高出力域のときに燃料噴射量が低下して空燃比がリーン(希薄)側に遷移してしまうという不具合があった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、リターン配管がない燃料供給システムにおいて燃料配管途中に配設される燃料フィルタに微小な異物の付着等がありそれによる圧損が変動しても燃料噴射弁における所定の燃圧を維持可能な内燃機関用リターンレス燃料供給装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関用リターンレス燃料供給装置によれば、差圧制御手段が配設されることで、吐出圧制御手段によって所定圧に設定され燃料ポンプから吐出される燃料フィルタの上流側の燃圧と下流側の燃圧との差圧が一定に保持されると共に、その差圧が燃料フィルタ自身の圧損の変動分より大きく設定される。この差圧制御手段は、弁部の上流側に圧力室、その弁部の下流側と燃料フィルタの入口側とが接続される燃料通路及び燃料フィルタの出口側と接続され弁部に圧力室に対する背圧及びコイルスプリングの付勢力が付与される背圧室からなり、背圧室の背圧が圧力室の燃料の圧力に対して所定圧未満に低下すると弁部が燃料通路を開け、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力を燃料フィルタの入口側に導入し、また、背圧室の背圧が圧力室の燃料の圧力に対して所定圧以上になると弁部が燃料通路を閉じて、上記差圧が一定に保持されるように、燃料フィルタの上流側及び下流側の燃料の圧力により弁部の開閉を制御すると共に、その開弁圧力が燃料フィルタ自身の圧力損失の変動分より大きく設定されるプレッシャレギュレータにて達成される。このため、燃料フィルタは、差圧制御手段としてのプレッシャレギュレータを燃料フィルタの入口側と出口側とに並列的に接続するという簡単な構成で、燃料フィルタ自身の圧損の変動にかかわらず、その上流側の燃圧と下流側の燃圧との差圧が保証され、また、燃料フィルタが異物の付着による劣化を呈しても、燃料フィルタの上流側である燃料ポンプ側の燃圧が、所望する燃料レール内の燃圧と予め設定されたプレッシャレギュレータの開弁圧力とを加算した燃圧となるように制御されると、下流側である燃料噴射弁側に対する燃圧が所定圧にできるという効果が得られる。
【0009】
また、燃料ポンプと燃料噴射弁が接続された燃料レールとの間に燃料フィルタが配設される。このため、差圧制御手段を有する燃料フィルタを燃料ポンプの周囲近傍に配設することで、例えば、燃料タンク内に配置し易く極めて実用的な燃料供給装置を構築できるという効果が得られる。
【0011】
また、吐出圧制御手段が燃料ポンプに内蔵される電動モータを流れる電流を所定値に制御する電流制御回路にて達成される。即ち、燃料ポンプに内蔵された電動モータを流れる電流と燃料ポンプから吐出される燃圧とは比例関係にあるため、電流制御回路を用いることで燃圧を容易に所定圧に設定することができるという効果が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用燃料フィルタ及び燃料供給装置の全体構成を示す概略図である。
【0014】
図1において、燃料タンク1内には燃料ポンプ(Fuel Pump)10が配設され、燃料ポンプ10の吸入側には低圧側燃料フィルタ13が接続されている。この燃料ポンプ10の吐出側には燃料通路56を介してプレッシャレギュレータ40が接続されている。このプレッシャレギュレータ40は入口室41aとスプリング室41bとにダイヤフラム43によって区切られている。一方のスプリング室41bには圧縮コイルスプリング47が付勢力を付与されて配設され、圧縮コイルスプリング47にて付勢されたダイヤフラム43によって他方の入口室41a内に突出されたパイプ57開口が閉じられている。このプレッシャレギュレータ40の吐出側としてのパイプ57には高圧側燃料フィルタ20が接続され、高圧側燃料フィルタ20の吐出側には燃料配管2を介して燃料レール5が接続されている。この燃料レール5には図示しない内燃機関の各気筒に燃料を噴射供給する気筒数分の燃料噴射弁6が接続されている。また、高圧側燃料フィルタ20の吐出側は燃料通路管58を介してプレッシャレギュレータ40の背圧側であるスプリング室41bと接続されている。そして、燃料ポンプ10に内蔵された電流制御回路9にて、燃料ポンプ10に供給される電流が制御される。また、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)8にて燃料噴射弁6や電流制御回路9が制御される。
【0015】
ECU8は、周知の中央処理装置としてのCPU8a、制御プログラムを格納したROM8b、各種データを格納するRAM8c、B/U(バックアップ)RAM8d、入出力回路8e及びそれらを接続するバスライン8f等からなる論理演算回路として構成されている。このECU8には図示しない内燃機関の運転状態を検出するための各種センサが接続されており、それらセンサからの各種センサ信号70がECU8の入出力回路8eを介してCPU8aに入力されている。また、ECU8は燃料噴射弁6及び電流制御回路9と接続され、ECU8からそれらに各制御信号が出力される。
【0016】
上述の構成では、燃料タンク1内に配設された燃料ポンプ10によって燃料が汲上げられるときに、低圧側燃料フィルタ13によって燃料に含まれる大きな異物等が取除かれ、この燃料ポンプ10によって汲上げられた燃料が燃料通路56、プレッシャレギュレータ40、パイプ57を介して高圧側燃料フィルタ20に送出される。この高圧側燃料フィルタ20では、燃料に含まれる微小な異物や水分等が取除かれ、その濾過された燃料が燃料配管2を介して燃料レール5に送出される。そして、燃料レール5に供給された高圧燃料は、燃料噴射弁6から図示しない内燃機関の吸入ポートに対向させて噴射される。
【0017】
なお、本構成は、所謂リターンレス燃料供給システムであるため、燃料が燃料レール5等から燃料タンク1に戻るリターン配管がない。このため、本実施例では、後述するように、燃料レール5からの供給燃料量に対応する燃料レール5内の燃圧が所定圧となるように、電流制御回路9によって燃料ポンプ10内の図示しない電動モータ(ポンプモータ)への電流が制御される。
【0018】
図2は本実施例にかかる内燃機関用燃料フィルタ及び燃料供給装置の要部構成を示す断面図であり、図3は図2のA方向矢視図である。
【0019】
図2及び図3に示すように、燃料ポンプ10、高圧側燃料フィルタ20、電気コネクタ38、プレッシャレギュレータ40、燃料液面計50及びその他の機能部品は、燃料タンク1の上壁に設けられた開口部を通して燃料タンク1の内部に設けられている。
【0020】
これらの燃料供給装置に所属する部品の上方から見た配置構成は、図3に示すように、円柱形のユニットの中心軸部に燃料ポンプ10が配置され、この燃料ポンプ10の外周部のほぼ半周の範囲にC字型の高圧側燃料フィルタ20が設けられている。更に、燃料ポンプ10の周りで高圧側燃料フィルタ20の設けられていない片側の空間部分に電気コネクタ38、プレッシャレギュレータ40、燃料液面計50及び燃料通路56が配置されている。なお、燃料液面計50は図2に示すプレッシャレギュレータ40より下側に設置されている。
【0021】
これにより、ほぼ中実円筒状の燃料ポンプ10の周囲空間を利用して、燃料タンク深さが許容する範囲で、円筒状に高密度に各種機能部品を配置構成できる。このことは、燃料タンク1に燃料供給装置のユニットを装着するときの作業性を良好にする。なお、低圧側燃料フィルタ13と燃料液面計50のフロートとは、円柱状ユニットから延出している。
【0022】
次に、燃料ポンプ10、高圧側燃料フィルタ20及びプレッシャレギュレータ40の配置構成について、図2及び図3を参照して説明する。
【0023】
図2に示すように、フィルタケース21の下部に嵌合されるポンプケース12の内部に燃料ポンプ10が配置され、この燃料ポンプ10の中ほど位置から上方に半割円筒状の高圧側燃料フィルタ20が配置されている。これにより、燃料ポンプ10のポンプ軸方向に直列ではなく、側方から見ると、燃料ポンプ10のポンプ軸方向に燃料ポンプ10と一部重複する方向で燃料ポンプ周囲の一部に高圧側燃料フィルタ20の下端部が配置されていることから、ポンプ軸方向長さ即ち、燃料タンク深さ方向の高さが縮小され、コンパクトな高集積機能部品を備えた燃料供給装置の外形となる。
【0024】
燃料ポンプ10のポンプ本体11を収容するポンプケース12は、爪95がフィルタケース21の穴96にスナップフィット嵌合される。これにより、ポンプ本体11はフィルタケース21からポンプケース12を取外すことでフィルタケース21から容易に脱着できる。このポンプ本体11は、上部のゴム部材122と下部のゴム部材124とによりフローティングされ、ポンプケース12とフィルタケース21とにより支持固定されている。
【0025】
ポンプ本体11により汲上げられた燃料タンク1内の燃料は、まず、低圧側燃料フィルタ13で大きな異物等が除去される。そして、ポンプ本体11からプレッシャレギュレータ40に送出された燃料は、プレッシャレギュレータ40により所定圧に調整されたのち、高圧側燃料フィルタ20に送出され、高圧側燃料フィルタ20により燃料中の微小な異物や水分が更に除去され燃料吐出管24から燃料噴射弁6側に供給される。
【0026】
高圧側燃料フィルタ20は、燃料ポンプ10及びプレッシャレギュレータ40と互いに脱着自在に組付けられている。フィルタケース21は、樹脂材料によって環状に成形されており、その一部角度範囲にのみフィルタエレメント30を収容する容器を形成している。このフィルタケース21は燃料ポンプ10の軸と直交する断面がC字型である。なお、フィルタケース21は上ケース22及び下ケース31からなり、上ケース22と下ケース31とは、境界部29で溶着されている。下ケース31は断面がC字型の容器を形成しており、C字の開口部にも燃料ポンプ10の外周に沿った壁を有し、この壁に孔96が形成され燃料ポンプ10の支持部の一部が構成されている。また、この壁に燃料液面計50も支持されている。
【0027】
フィルタケース21の上ケース22は全体が絶縁性樹脂製であり、下ケース31は樹脂材料に炭素繊維または炭素粉等の導電材料を含有させて成形されているので導電性を有している。本実施例では下ケース31はポンプ本体11の金属ケースと導通され、燃料タンク1及び燃料タンク1が搭載される車両の車体とは接続されていない。なお、下ケース31は、車両と電気的に接続され接地されていてもよい。
【0028】
高圧側燃料フィルタ20は、蓋としての上ケース22の周縁部が燃料タンク1の上壁開口周縁部に形成された溝部1aにガスケット121を介して嵌合することにより燃料タンク1に取付けられている。高圧側燃料フィルタ20のフィルタケース21に設けられ燃料入口を形成する燃料吸入管33は、ポンプ本体11の吐出管14と接続されている。また、高圧側燃料フィルタ20のフィルタケース21に設けられ燃料出口を形成する燃料吐出管24は、フィルタエレメント30で微小な異物等が除去された燃料を燃料噴射弁6側に供給する。更に、フィルタケース21の通路54に穿設された通路孔(図示略)とプレッシャレギュレータ40のスプリング室41bとが燃料通路管58によって接続されている。
【0029】
電気コネクタ38は、図3に示すように、上ケース22の上部にあって上から見ると半円筒状の高圧側燃料フィルタ20とオーバラップしない位置に配置されている。この電気コネクタ38のターミナルは、リード線を介して燃料ポンプ10の電気コネクタ15に電気的に接続され、ポンプ本体11を駆動する電動モータ(図示略)に電力を供給する。
【0030】
図2に示すように、ポンプ本体11の上部に設けられた吐出管14の外周壁と高圧側燃料フィルタ20の燃料吸入管33の内壁とはゴム部材122によりシールされている。このため、吐出管14と燃料吸入管33とをそれほど緊密に嵌合させる必要がなく、吐出管14及び燃料吸入管33の加工が容易であると共に、燃料ポンプ10と高圧側燃料フィルタ20との脱着が容易になる。吐出管14内には、チェックバルブ18が収容されている。このチェックバルブ18にて、吐出管14から吐出された燃料がポンプ本体11に逆流することが防止されると共に、ポンプ本体11の停止時に燃料配管中の燃料残圧が保持される。
【0031】
プレッシャレギュレータ40は、燃料通路管34にOリング123を介して嵌合されるパイプ57のプレッシャレギュレータ取付部61に取付けられている。また、パイプ57の下流側となる下部は、フィルタケース21の下ケース31に穿設されたフィルタ入口室孔53aに通路部材59を介して接続されている。この通路部材59はパイプ57とフィルタ入口室孔53aとを所定位置に配設された複数のOリングを利用して液密に接続するものであり、通路部材59は固定部材59aによってパイプ57に固定されている。
【0032】
これにより、プレッシャレギュレータ40は、パイプ57から固定部材59aを外し通路部材59を抜取ったのち燃料通路管34からパイプ57を取外すとと共に燃料通路管58を取外すことで容易にフィルタケース21から脱着できる。プレッシャレギュレータハウジング41の端部は、ダイヤフラム43の外縁部がプレッシャレギュレータハウジング41端部とプレッシャレギュレータ取付部61とで挟持されるように、プレッシャレギュレータ取付部61にかしめ固定されている。プレッシャレギュレータハウジング41には連通孔41cが形成され、プレッシャレギュレータハウジング41のスプリング室41bは連通孔41cを介してフィルタケース21の通路54に穿設された通路孔(図示略)に燃料通路管58によって接続されている。このため、背圧を付与するスプリング室41b内の燃圧が燃料吐出管24の吐出通路24a内の燃圧即ち、燃料レール5内の燃圧となるように設定される。ダイヤフラム43に一体的に固定されている弁体51は、圧縮コイルスプリング47の付勢力により、パイプ57のシート部45側に付勢されている。
【0033】
次に、燃料の流れについて説明する。
【0034】
燃料ポンプ10の汲上げにより低圧側燃料フィルタ13から燃料ポンプ吸込口を通ってポンプ内部を通り吐出管14から吐出された燃料は、上ケース22内の通路56内を通って図3の矢印方向に進む。この燃料は通路56の下流端で下降しパイプ57の入口通路57aからプレッシャレギュレータ40の入口室41a内に導入される。プレッシャレギュレータ40の入口室41a内に導入された燃料は、プレッシャレギュレータ40により調圧され、出口通路57bを通ってフィルタ入口室53に進む。この燃料はフィルタエレメント30を通って通路54に入り、燃料吐出管24の吐出通路24aから燃料噴射弁6側に供給される。ここで、通路54内の燃圧は燃料通路管58を介してプレッシャレギュレータ40のスプリング室41bに付与される。
【0035】
次に、燃料供給装置の動作について、図2及び図4の燃圧と供給燃料量との関係を示す特性図を参照して説明する。
【0036】
図2において、プレッシャレギュレータ40のダイヤフラム43は、入口室41aの燃圧が所定圧を超えると圧縮コイルスプリング47の付勢力及びスプリング室41b側の燃圧に抗してスプリング室41b側に移動される。このとき、弁体51はダイヤフラム43と共に移動されシート部45から離座されるため、パイプ57の入口通路57aの燃料は、出口通路57bを通って高圧側燃料フィルタ20のフィルタ入口室53に導入される。こののち、高圧側燃料フィルタ20のフィルタエレメント30を通過した燃料は、フィルタエレメント30を通過することによるフィルタ圧損により燃圧が低下する。ここで、高圧側燃料フィルタ20の下流側の通路54の燃圧がプレッシャレギュレータ40のスプリング室41b側にフィードバックされているため、フィルタ圧損による燃圧低下分が補償され、即ち、パイプ57の出口通路57b内の燃圧がフィルタ圧損による燃圧低下分だけ上昇される。
【0037】
このフィルタ圧損による燃圧低下分に見合う燃圧上昇を達成するため、図4に示すように、所望する燃料レール5内の燃圧(例えば、燃料レール圧力170〜250kPa)に対してプレッシャレギュレータ40の開弁圧力が高圧側燃料フィルタ20内のフィルタエレメント30の劣化後におけるフィルタ圧損を上回るような圧力(例えば、プレッシャレギュレータ開弁圧力20〜50kPa)に予め設定される。そして、燃料レール5内の燃圧とプレッシャレギュレータ40の開弁圧力とを加算した燃圧に燃料ポンプ10出口の燃圧(燃料ポンプ出口圧力)が等しくなるように燃料ポンプ10に供給する電流が制御される。
【0038】
なお、燃料レール5内の燃圧(燃料レール圧力)にプレッシャレギュレータ40の開弁圧力を加算した圧力はパイプ57の出口通路57bの圧力(パイプ出口通路圧力)となる。また、高温始動時における燃料レール5内の燃圧は、燃料中におけるベーパ(気体)の発生を抑えるため、例えば、燃料レール圧力300〜500kPaに上昇される。これにより、燃料ポンプ10からプレッシャレギュレータ40を介して高圧側燃料フィルタ20から燃料噴射弁6側に向けて供給される燃料を所定の燃圧に保持することができる。
【0039】
本実施例によれば、燃料ポンプ10の天方向から見て、燃料ポンプ10のポンプ軸の同心上に部分環状の高圧側燃料フィルタ20が配置されている。そして、高圧側燃料フィルタ20の設けられていない残る部分環状の空間部を利用して電気コネクタ38、プレッシャレギュレータ40、燃料液面計50をはじめとする機能部品が配置されている。このため、燃料供給装置のポンプ軸方向の体格長さ即ち、燃料タンク深さ方向の体格長さを短縮できるという効果がある。上述の実施例では、部分環状の高圧側燃料フィルタ20を構成するために、断面C字型の下ケース31を上ケース22に固定し、内部にフィルタエレメント30を収容している。そして、下ケース31の内周側にポンプ本体11を接地すると共に、C字型の下ケース31の開いた空間部にプレッシャレギュレータ40をはじめとする他の部品が配置されている。
【0040】
上述したように、燃料ポンプ10のポンプ軸方向並びにポンプ軸周りの空間内に各種の機能部品を分散配置しユニット化することにより、全体としてほぼ外観円柱状の燃料供給装置を構成できる。これにより、燃料供給装置自体の小型化並びにコンパクト化が図れるという効果がある。
【0041】
また、本実施例では、高圧側燃料フィルタ20やプレッシャレギュレータ40が交換自在である。また、燃料タンク1内にプレッシャレギュレータ40を収容し、燃料タンク1から内燃機関への一方通行の燃料配管2を配設するだけとしていることにより、内燃機関の近傍で加熱された燃料が余剰燃料として再び燃料タンク1内に戻されることがない。このため、燃料タンク1内の燃料温度の上昇が抑えられ、燃料蒸気の発生または燃料中での気泡の発生を抑制できる。
【0042】
そして、本実施例では、燃料ポンプ10の外周に、周方向に関して重複して高圧側燃料フィルタ20とパイプ57及びプレッシャレギュレータ40とが配置される。同様に、燃料ポンプ10の外周に、周方向に関して重複して高圧側燃料フィルタ20と燃料液面計50とが配置される。同様に、燃料ポンプ10の外周に、周方向に関して重複して高圧側燃料フィルタ20と電気コネクタ38とが配置される。
【0043】
このように、本実施例の内燃機関用燃料フィルタは、内燃機関に供給する燃料中の微小な異物や水分を除去するものであって、高圧側燃料フィルタ20の上流側の燃圧と下流側の燃圧との差圧を一定に保持する差圧制御手段を具備するものである。
【0044】
したがって、高圧側燃料フィルタ20の上流側の燃圧と下流側の燃圧との差圧が差圧制御手段によって一定に保持される。このため、高圧側燃料フィルタ20自身の圧損の変動にかかわらず差圧制御手段を備えた高圧側燃料フィルタ20では、その上流側の燃圧と下流側の燃圧との差圧が保証される。
【0045】
また、本実施例の内燃機関用燃料フィルタにおける差圧制御手段は、差圧を高圧側燃料フィルタ20自身の圧損の変動分より大きく設定するものである。
【0046】
したがって、高圧側燃料フィルタ20が異物の付着等による劣化を呈しても下流側の燃圧が保証される。
【0047】
そして、本実施例の内燃機関用燃料フィルタにおける差圧制御手段は、燃料が流入されるダイヤフラム43、弁体51、シート部45からなる弁部の上流側の圧力室としての入口室41aと、前記弁部の下流側と高圧側燃料フィルタ20の入口側とを接続する燃料通路としてのパイプ57と、高圧側燃料フィルタ20の出口側と接続され前記弁部に前記圧力室に対する背圧を付与する背圧室としてのスプリング室41bとを具備するプレッシャレギュレータ40とするものである。
【0048】
したがって、差圧制御手段としてのプレッシャレギュレータ40を高圧側燃料フィルタ20に接続し背圧をフィードバックするという簡単な構成によって差圧が一定に保持される。
【0049】
更に、本実施例の内燃機関用燃料供給装置は、燃料を汲上げる燃料ポンプ10と内燃機関に燃料を供給する燃料噴射弁6との間に差圧制御手段としてのプレッシャレギュレータ40を備えた高圧側燃料フィルタ20を配設するものである。
【0050】
したがって、プレッシャレギュレータ40を有する高圧側燃料フィルタ20を燃料ポンプ10の周囲近傍に配設することで、例えば、燃料タンク1内に配置し易く極めて実用的な燃料供給装置を構築できる。
【0051】
加えて、本実施例の内燃機関用燃料供給装置は、燃料ポンプ10から吐出される燃圧を所定圧に設定する電流制御回路9にて達成される吐出圧制御手段を具備するものである。
【0052】
したがって、差圧制御手段としてのプレッシャレギュレータ40を有し差圧が一定に保持される高圧側燃料フィルタ20を用いて吐出圧制御手段としての電流制御回路9で燃料ポンプ10側の燃圧が所定圧に設定されると燃料噴射弁6側に対する燃圧を所定圧にできる。
【0053】
更にまた、本実施例の内燃機関用燃料供給装置は、燃料ポンプ10は内蔵する電動モータにて駆動され、吐出圧制御手段は電動モータを流れる電流を所定値に制御する電流制御回路9を具備するものである。
【0054】
つまり、燃料ポンプ10に内蔵された電動モータを流れる電流と燃料ポンプ10から吐出される燃圧とは比例関係にあるため、電流制御回路9を用いることで燃圧を容易に所定圧に設定することができる。
【0055】
ところで、上記実施例では、差圧制御手段がプレッシャレギュレータ40であるとしたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、高圧側燃料フィルタ20の上流側の燃圧と下流側の燃圧との差圧を一定に保持できるものであればよい。
【0056】
また、上記実施例では、プレッシャレギュレータ40を備えた高圧側燃料フィルタ20を燃料ポンプ10の周囲近傍に配置して燃料タンク1内に収容する構成としたが、本発明を実施する場合には、これに限定されるものではなく、プレッシャレギュレータ40及び高圧側燃料フィルタ20の配置は適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用燃料フィルタ及び燃料供給装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用燃料フィルタ及び燃料供給装置の要部構成を示す断面図である。
【図3】 図3は図2のA方向矢視図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる内燃機関用燃料フィルタ及び燃料供給装置における燃圧と供給燃料量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
6 燃料噴射弁
8 ECU(電子制御装置)
9 電流制御回路(吐出圧制御手段)
10 燃料ポンプ
20 高圧側燃料フィルタ
40 プレッシャレギュレータ(差圧制御手段)
Claims (1)
- 電動モータにて駆動されて燃料タンク内の燃料を汲上げる燃料ポンプと、内燃機関の各気筒に燃料を供給する燃料噴射弁が接続された燃料レールとの間に配設され、前記燃料ポンプから吐出された燃料中の微小な異物や水分を除去する燃料フィルタと、
前記燃料ポンプから吐出される燃料の圧力を所定圧に設定する吐出圧制御手段と、
前記吐出圧制御手段で設定される前記燃料フィルタの上流側の燃料の圧力と下流側の燃料の圧力との差圧を一定に保持すると共に、前記差圧を前記燃料フィルタ自身の圧力損失の変動分より大きく設定する差圧制御手段とを具備し、
前記差圧制御手段は、プレッシャレギュレータであって、燃料が流入される弁部の上流側の圧力室と、前記弁部の下流側と前記燃料フィルタの入口側とを接続する燃料通路と、前記燃料フィルタの出口側と接続され前記弁部に前記圧力室に対する背圧及びコイルスプリングの付勢力を付与する背圧室からなり、前記背圧室の背圧が前記圧力室の燃料の圧力に対して所定圧未満に低下すると前記弁部が前記燃料通路を開け、前記燃料ポンプから吐出された燃料の圧力を前記燃料フィルタの入口側に導入し、また、前記背圧室の背圧が前記圧力室の燃料の圧力に対して所定圧以上になると前記弁部が前記燃料通路を閉じて、前記差圧が一定に保持されるように、前記燃料フィルタの上流側及び下流側の燃料の圧力により前記弁部の開閉を制御すると共に、前記プレッシャレギュレータの開弁圧力が前記燃料フィルタ自身の圧力損失の変動分より大きく設定されており、
前記吐出圧制御手段は、前記電動モータに供給する電流を所定値に制御する電流制御回路を有し、前記燃料ポンプから吐出される燃料の圧力が、所望する前記燃料レール内の燃圧と予め設定された前記プレッシャレギュレータの開弁圧力とを加算した燃圧となるように前記電流を制御することを特徴とする内燃機関用リターンレス燃料供給装置。
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