JP3811943B2 - 有機elパネルの製造方法。 - Google Patents

有機elパネルの製造方法。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも一方が透光性の一対の電極により挟持され所定の発光をなす有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を備えた有機ELパネルを得るための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自発光素子であるためバックライト照明が不要であること、視野角が広く、大型の表示パネルに適すること等から有機EL素子を用いた有機ELパネルが注目されている。
【0003】
このような有機ELパネルは、ガラス材料からなる支持基板である透光性基板の所定箇所に、所定パターンの透明電極を形成し、前記透明電極上に絶縁層,正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層を順次積層して有機層を形成し、前記有機層上に電子注入層及び背面電極を積層形成して有機EL素子を得て、前記有機EL素子を封止基板によって気密的に覆うことで得られるものである。
【0004】
かかる有機ELパネルの製造方法は、前記有機EL素子を構成する各部(正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層,電子注入層,背面電極)に対応する複数の蒸着室を有する蒸着装置に前記透光性基板に投入し、前記蒸着装置に備えられる各蒸着室を制御するコントロール装置によって設定される蒸着温度及び前記各層の膜厚等の生産条件に基づいて、前記透光性基板上に前記有機EL素子を形成するとともに、前記有機EL素子が形成される前記透光性基板を封止装置内に投入し、前記有機EL素子を覆うように前記透光性基板と前記封止基板とを接合することで有機ELパネルを得ることが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような有機ELパネルの製造方法では、例えば表示形態で分類される前記有機ELパネルの機種に応じて、前記蒸着装置の各蒸着室における蒸着部材の選定(例えば、発光層の発光色に伴う材料選定)や前記生産条件の設定を前記機種毎に前記コントロール装置によって設定しなければならず、また各蒸着室における蒸着マスクの交換作業も必要であり、段取り換えに時間を要してしまうといった問題点を有している。
【0006】
また、前記段取り換えにおいて、各蒸着室に備えられる蒸着マスクを交換させる必要があるが、前記各蒸着室の前記蒸着マスクを交換する場合は、前記各蒸着室に備えられる開閉扉を開いて前記蒸着室内を大気にさらす状態で前記蒸着マスクを交換しなければならない。そのため前記各蒸着室内を排気し真空状態にして蒸着可能状態にするに時間を要するため、前述した前記蒸着装置では、車両用や民生機器等の多機種を有する表示パネルの製造工程に適さないといった問題点を有している。
【0007】
そこで、本発明は、前述した問題点に着目し、多機種を流動させる場合であっても段取り換えに時間を要せず、有機ELパネルの生産性を向上させることが可能な有機ELパネルの製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明は、前記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明は、複数の蒸着室を有する蒸着装置に支持基板を投入し、前記支持基板上に少なくとも発光層を含む有機層を一対の電極により狭持してなる有機EL素子を形成する蒸着工程を含む有機ELパネルの製造方法であって、前記各蒸着室の生産条件及び生産数量を少なくとも含む生産管理情報を前記有機ELパネルの機種毎に設定するライン端末と、前記機種に応じた複数の蒸着マスクを真空雰囲気中に保管する第1のストック部と、前記有機EL素子を気密的に覆うための封止基板と前記支持基板とを紫外線硬化型接着剤を介し接合するための封止装置と、前記封止装置にて用いられる前記機種に応じた複数の紫外線照射マスクを窒素雰囲気中に保管する第2のストック部とを備え、前記生産管理情報に基づいて、前記蒸着工程内の前記蒸着室に装着されている蒸着マスクから前記第1のストック部に保管されている前記機種に応じた蒸着マスクに交換装置を用いて交換し、前記封止装置に装着されている紫外線照射マスクから前記第2のストック部に保管されている前記機種に応じた紫外線照射マスクに交換装置を用いて交換するものである。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、前記蒸着工程は、前記ライン端末によって複数の前記生産管理情報を記憶してなるものである。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、前記蒸着工程は、前記ライン端末によってカウント手段を介して前記支持基板の投入数量をカウントするとともに、前記投入数量が、予め定められた前記生産数量に達した時点もしくは前記生産数量から所定数量少ない目標数量に達した際に、次なる機種の搬送ルートに伴う前記蒸着室の加熱を開始させるものである。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明は、前記蒸着工程は、前記ライン端末によってカウント手段を介して前記支持基板の投入数量をカウントするとともに、現生産機種の前記生産数量の終了を確認すると、前記現生産機種が前記蒸着工程内に存在する場合であっても、次なる機種の支持基板を前記蒸着工程に投入するものである。
【0012】
また、請求項5に記載の本発明は、前記蒸着工程は、前記ライン端末によって前記機種毎の生産条件の履歴を記憶してなるものである。
【0015】
また、請求項に記載の本発明は、前記支持基板を前記蒸着工程に投入する支持基板供給工程を含み、前記支持基板供給工程は、投入される支持基板が前記機種に応じた適正なる支持基板であるか否かを判定するものである。
【0016】
また、請求項に記載の本発明は、前記封止基板を前記封止工程に投入する封止基板供給工程を含み、前記封止基板供給工程は、投入される封止基板が前記機種に応じた適正なる封止基板であるか否かを判定するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0018】
図1及び図2は、本発明の有機ELパネルの製造方法を達成するための製造装置の一例を示すものである。有機ELパネルの製造装置は、蒸着装置Aと、封止装置Bと、コントロール装置Cと、ライン端末Dと、透光性基板(支持基板)投入装置Eと、接着剤塗布装置Fと、封止基板投入装置Gと、取り出し装置Hとから構成されている。
【0019】
蒸着装置Aは、第1,第2のブロックa,bを有しており、各ブロックa,b内は真空状態が確保されている。第1のブロックaは、プラズマ処理工程である前処理室a1と、正孔注入層形成工程である第1蒸着室a2と、正孔輸送層形成工程である第2蒸着室a3と、第1発光層形成工程である第3蒸着室a4と、第2発光層形成工程である第4蒸着室a5と、第1ブロックaの各蒸着室a2,a3,a4,a5における有機ELパネルの表示形態に応じた蒸着マスク(機種毎の蒸着マスク)を保管する第1蒸着マスク保管室(第1のストック部)a6と、透光性基板投入装置Eに接続され、支持基板である透光性基板を蒸着装置A内に投入するための投入室a7とを有している。前述した各部屋間の透光性基板の搬送は、サーボモータ等の駆動手段によって回転可能に設けられ、前記各部屋の奥行き方向及び高さ方向に移動可能な搬送ロボット(交換装置)a8が用いられている。また各蒸着室a2,a3,a4,a5、前処理室a1及び第1蒸着マスク保管室a6には、メンテナンスを行うための開閉扉a9がそれぞれ設けられている。
【0020】
蒸着装置Aの第2のブロックbは、第3発光層形成工程である第5蒸着室b1と、第4発光層形成工程である第6蒸着室b2と、電子輸送層形成工程である第8蒸着室b3と、電子注入層形成工程である第7蒸着室b4と、背面電極形成工程である第9蒸着室b5と、第2のブロックbの各蒸着室b1,b2,b3,b4,b5における有機ELパネルの表示形態に応じた蒸着マスク(機種毎の蒸着マスク)を保管する第2蒸着マスク保管室(第1のストック部)b6とを有している。前述した各部屋間の透光性基板の搬送は、サーボモータ等の駆動手段によって回転可能に設けられ、前記各部屋の奥行き方向及び高さ方向に移動可能な搬送ロボット(交換装置)b7が用いられいる。また各蒸着室b1,b2,b3,b4,b5及び第2蒸着マスク保管室b6には、メンテナンスを行うための開閉扉b8がそれぞれ設けられている。
【0021】
また、蒸着装置Aの第1,第2のブロックa,b間には、各部ブロックa,bを接続する第1受渡室Jが設けられている。第1受渡室Jは、第1ブロックa側及び第2ブロックb側にそれぞれ設けられるシャッター機構と、各シャッター機構間に設けられ、後述する透光性基板を第1のブロックa側から第2のブロックb側へと搬送するスライド機構とが設けられ、各ブロックa,bにそれぞれ設けられる搬送ロボットa8,b7によって前記透光性基板の受け渡しがなされる。
【0022】
ここで、図3を用いて、蒸着装置Aの第1,第2ブロックa,bに配設されている各蒸着室(a2〜a5,b1〜b5)について説明する。蒸着室は、排気ポート1を介して図示しない真空ポンプで高真空に排気された真空室2を有している。真空室2の下側には、蒸着材料3を収納するルツボ(クヌンセンセル)4が配設されており、このルツボ4には、加熱コイル5が捲回されるとともに、加熱コイル5による加熱温度を正確にルツボ4に伝達するための熱遮蔽板6がルツボ4及び加熱コイル5の外側を覆うように配設される。またルツボ4には、ルツボ4の温度を検出するための熱電対等からなる温度センサ7が設けられている。温度センサ7は、後述する生産管理情報に基づいて各蒸着室の蒸着温度制御を行うためのコントロール装置Cへ蒸着温度データを出力するもので、コントロール装置Cは、前記生産管理情報に基づく蒸着温度になるように加熱コイル5に対してフィードバック制御(電流量調整)を行い、ルツボ4の温度を前記生産管理情報に基づく適正温度になるように制御するものである。
【0023】
一方、真空室2の上側には、ガラス材料からなり、正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層,電子注入層及び背面電極を形成するための透光性基板8を備えた基板ホルダー9と、透光性基板8に所定の蒸着パターンを形成するための蒸着マスク10を備えたマスクホルダー11とを、ルツボ4が配設される蒸着源に対し位置決め保持するための保持機構12が備えられている。
【0024】
また、真空室2内において、ルツボ4と透光性基板8との間には、成膜される各層の厚みを制御するシャッター13と、膜の厚みをモニタする膜厚計14とが配設される。従ってコントロール装置Cは、成膜領域15を膜厚計14によってモニタし、この膜厚計14によって得られた成膜データに基づいて所定の演算を行い、この演算結果から透光性基板8に形成される膜厚を算出するとともに、シャッター13を動作(シャッター13の開閉動作)させることで膜厚を管理する。
【0025】
封止装置Bは、封止基板と透光性基板8とを紫外線硬化型接着剤(以下、UV硬化型接着剤という)を介し接合するため、両部材を重ね合わせた状態で紫外線を照射させる封止室B1と、有機ELパネルの表示形態(機種)に応じて紫外線照射マスク(以下、UV照射マスクという)を保管するUV照射マスク保管室(第2のストック部)B2と、封止基板を封止装置B内に投入するための投入部B3と、封止室B1を経て得られた有機ELパネルを外部に搬出する取出装置Hと接続される排出部B4と、接着剤塗布装置Fと投入室B3との間に設けられ、封止基板に吸着剤を塗布する吸着剤塗布室B5とを有しており、封止装置B内は窒素によって満たされている。また前記各部屋間の封止基板の搬送は、サーボモータ等の駆動手段によって回転可能に設けられ、前記各部屋の奥行き方向及び高さ方向に移動可能な搬送ロボット(交換装置)B6が用いられる。また、封止室B1及びUV照射マスク保管室B2には、メンテナンス用の開閉扉B7がそれぞれ設けられている。
【0026】
ここで、図4を用いて、封止装置Bに備えられる封止室B1について説明する。封止室B1は、排気ポート20を介して図示しない真空ポンプで室内が略真空状態になるように排気され、窒素導入口21から窒素が導入されることで、酸素の濃度が100ppm以下及び露点が−70℃以下の窒素室22が設けられている。窒素室22の略中央には、透光性基板8上に形成される有機EL素子を気密的に覆うためのガラス材料からなる封止基板23を乗せるための載置台24をシリンダー等の駆動手段によって上方に移動させる上昇機構25が設けられている。また、上昇機構25の載置台24上に、ゴム等の弾性部材26が配設され、この弾性部材26上に封止基板23が配置される。この弾性部材26は、封止基板23と透光性基板8とを接合させる際に、上昇機構25側から透光性基板8側に対し所定の圧力が付与されることになるが、圧力付与による封止基板23の割れを防止するとともに、載置台24からの加圧分布を均一なものとし良好な封止を得ることが可能となる。
【0027】
一方、窒素室22の上側には、透光性基板8と封止基板23とをUV硬化型接着剤を介して接合させるため、紫外線を照射するための紫外線照射装置(以下、UV照射装置という)26が配設されて、UV照射装置40の下方には、マスクホルダー27を介して配設されるUV照射マスク28と、基板ホルダー9を介して配設される透光性基板(有機EL素子が形成された状態の透光性基板)8とを保持するための保持機構29が設けられている。
【0028】
かかる封止室B1は、上昇機構25によって封止基板23を上昇させ、透光性基板8に対し所定の圧力を付与した状態で封止基板23を当接させた後、UV照射装置40からの紫外線をUV照射マスク28を介してUV硬化型接着剤の塗布位置に照射させることで、両部材を気密性良く封止するものである。
【0029】
蒸着装置Aの第2のブロックbと封止装置Bとの間には、両装置A,B間を接続する第2受渡室Kが設けられている。第2受渡室Kは、蒸着装置A側及び封止装置B側にそれぞれ設けられるシャッター機構と、各シャッター機構間に設けられ、透光性基板8を蒸着装置Aから封止装置B側へと搬送するスライド機構とが設けられ、両装置A,Bにそれぞれ設けられる搬送ロボットb7,B6によって透光性基板8の受け渡しがなされる。
【0030】
コントロール装置Cは、蒸着装置A及び封止装置Bを制御するものである。コントロール装置Cは、蒸着装置Aの第1のブロックaの前処理室a1のプラズマ処理に伴う制御、第1のブロックaの各蒸着室a2,a3,a4,a5及び第2のブロックbの各蒸着室b1,b2,b3,b4,b5における蒸着温度調整,成膜の膜厚調整、生産管理情報に応じて決定される搬送ルートに伴う各搬送ロボットa8,b7,B6の駆動制御、封止装置Bの封止室B1における封止処理等を行わせるものであり、蒸着装置A及び封止装置Bにおける駆動系全般の制御を行う制御手段である。
【0031】
ライン端末Dは、生産数量、有機EL素子の形成パターンに基づく蒸着マスクの種類及びUV照射マスクの種類、透光性基板8及び封止基板23の投入枚数、蒸着装置Aの各蒸着室a2,a3,a4,a5,b1,b2,b3,b4,b5における蒸着温度(各蒸着室のルツボの温度),有機EL素子を構成する各層の膜厚及び前記有機ELパネルの発光層の種類等の蒸着に関する生産条件等の生産管理情報を有機ELパネルの機種毎に設定するとともに、前記機種毎に前記生産管理情報を記憶するもので、パーソナルコンピュータやシーケンサ等によって構成されている。前記生産管理情報を設定及び表示するものとして、例えばタッチパネルが備えられている。
【0032】
ライン端末Dは、コントロール装置Cと透光性基板投入装置Eと封止基板投入装置Gと接着剤塗布装置Fとにネットワーク接続され、コントロール装置Cには、機種及び前記機種に伴う各蒸着室の生産条件に関するデータを転送し、透光性基板投入装置E,封止基板投入装置G及び接着剤塗布装置Fには、機種及び生産数量に関するデータが転送される。
【0033】
透光性基板投入装置Eは、ライン端末Dから転送される前記生産管理情報に基づいて、透明電極及び絶縁層が形成された透光性基板8を蒸着装置Aに投入するものであり、洗浄工程を終えた透光性基板8をコンベア等の搬送手段を介して徐々に真空雰囲気にするための複数のブロック(部屋)を有するとともに、蒸着装置Aの第1ブロックaにおける投入部a7に接続される。
【0034】
透光性基板投入装置Eは、投入される透光性基板8が機種に伴う適正なる透光性基板であるか否かを判定する誤投入判定機能を有している。前記誤投入判定機能は、例えば所定の判定パターンが形成された透光性基板8を用意し、この判定パターンをCCDカメラを用いて、2次元判定処理を行うことで、投入される透光性基板が適正なる機種の透光性基板であるか否かを判定し、誤投入である場合に透光性基板性入装置Eによる基板投入動作を停止し、誤投入なる警報を発して製造ラインの作業者に知らせるものである。
【0035】
封止基板投入装置Gは、ライン端末Dから転送される前記生産管理情報に基づいて、洗浄工程後の封止基板23を接着剤塗布装置Fに投入するものである。
【0036】
封止基板投入装置Gは、投入される封止基板23が機種に伴う適正なる封止基板23であるか否かを判定する誤投入判定機能を有している。前記誤投入判定機能は、例えば所定の判定パターンが形成された封止基板23を用意し、この判定パターンを透過型のラインセンサを用いて、前記判定パターンのコード信号を判定することで、投入される封止基板23が適正なる機種の封止基板23であるか否かを判定し、誤投入である場合に封止基板性入装置Gによる基板投入動作を停止し、誤投入なる警報を発して製造ラインの作業者に知らせるものである。
【0037】
接着剤塗布装置Fは、ライン端末Dから転送される前記生産管理情報に基づいて、封止基板23にUV硬化型接着剤を塗布する。接着剤塗布装置Fは、例えばX−Y−Z方向に移動可能なロボットにディスペンサが取り付けられてなるものである。接着剤塗布装置Fは、ライン端末Dから転送される機種データに基づいて、適正なる塗布パターンを選定しこの塗布ターンによって前記接着剤を封止基板23の透光性基板8との接合面に塗布してなるものである。
【0038】
取出装置Hは、封止装置Bの排出部B4に接続され、コンベア等の搬送手段によって封止工程後の有機ELパネルを取り出すものである。
【0039】
以上の各部によって有機ELパネルの製造装置が構成されている。
【0040】
次に、図2から図6を用いて、有機ELパネルの製造方法を説明する。
【0041】
まず、ライン端末Dにおいて、製造装置によって製造される流動予定である有機ELパネルの生産管理情報を設定する(ステップS1)。
【0042】
生産管理情報は、有機ELパネルの形状や発光パターン等によって分類される機種毎に設定されるものである。ライン端末Dによって設定される生産管理情報は、蒸着装置Aの各蒸着室a2,a3,a4,a5,b1,b2,b3,b4,b5における蒸着温度(各蒸着室のルツボの温度),有機EL素子を構成する各層の膜厚,前記有機ELパネルの発光層の種類(材料)等の蒸着に関する生産条件と、生産数量と、透光性基板8及び封止基板23の投入枚数等がある。ここで設定される生産管理情報は、機種毎にライン端末Dが有するハードディスクやバックアップRAM等の記憶装置(図示しない)に記憶されるとともに、次なる有機ELパネルの製造において同機種の場合は、前記記憶装置から前記機種に応じた生産管理情報が読み出されることになる。また、生産管理情報のバックアップ手段としては、例えば書換型光磁気ディスク(MO)等が用いられる。
【0043】
前記生産管理情報の生産条件において、有機EL素子を構成する各層の膜厚は、図3で示すように各蒸着室のシャッター13の開閉タイミングによって管理される。また前記生産条件によって発光層の材料が選定されると、蒸着装置Aにおける第4,第5,第6蒸着室a5,b1,b2の何れかの蒸着室が選択され、透光性基板8の搬送ルートが決定される。尚、ここで説明する製造装置は、発光層を形成する工程が4工程(第3,第4,第5,第6蒸着室a4,a5,b1,b2)用意され、それぞれの発光層形成工程における発光層の種類は異なる。また、発光層以外の各層については、蒸着温度及び膜厚調整は可能であるが、発光層の種類が異なる場合であっても各層を構成する材料は共通であるものとする。
【0044】
次に、前記生産管理情報が設定されたライン端末Dは、製造装置によって有機ELパネルの製造を開始させるべくスタート指令(スタートスイッチの入力)が入力されると、コントロール装置Cに対し機種に応じた段取り換え指令を出力するとともに、透光性基板(支持基板)投入工程である透光性基板投入装置E,UV接着剤塗布工程である接着剤塗布装置F及び封止基板投入工程である封止基板投入装置Gに機種及び投入枚数(生産数量)の機種切り換え指令を出力する。
【0045】
前記段取り換え指令を受けたコントロール装置Cは、蒸着装置Aにおける第1,第2のブロックa,bの搬送ルートに位置する各蒸着室に配設されている蒸着マスク10を機種(例えば、0001なる機種)に応じた蒸着マスク10に交換させるべく各搬送ロボットa8,b7を動作させる(ステップS2)。蒸着装置Aの第1,第2のブロックa,bの第1,第2蒸着マスク保管室a6,b6に保管されている蒸着マスク10は、マスクホルダー11に取り付けられた状態で保管されている。よって各搬送ロボットa8,b7による蒸着マスクの交換は、マスクホルダー11を含んだ交換となる。
【0046】
更にコントロール装置Cは、封止装置Bにおける封止室B1に配設されているUV照射マスク28から前記機種(0001)に応じたUV照射マスク28に交換させるべく搬送ロボットB6を動作させる(ステップS2)。封止装置BのUV照射マスク保管室B2に保管されているUV照射マスク28は、マスクホルダー27に取り付けられた状態で保管されている。よって各搬送ロボットB6によるUV照射マスクの交換は、マスクホルダー27を含んだ交換となる。
【0047】
尚、封止装置BにおけるUV照射マスク28の交換にあっては、搬送ロボットB6による交換作業が段取り換えの作業効率を向上させる上で効果的であるが、製造ラインにおける作業者による交換であっても良い。この場合、封止装置Bに段取り換えであることを知らせるための表示装置やランプ,ブザー等の報知手段を用意し、前記報知手段を動作させることで作業者に対して段取り換えであることを認識可能とするとともに、UV照射マスクを窒素雰囲気中にて保管し、同雰囲気中にて作業者によるUV照射マスク28を交換することが可能なチャンバー(マスク交換室)を封止室B1に連結可能な状態とすることで生産効率を低下させることのない段取り換えを行うことが可能となる。
【0048】
次に、ライン端末により前記機種切り換え指令を受けた透光性基板投入装置E,接着剤塗布装置F及び封止基板投入装置Gは、前記機種(0001)に応じた透光性基板8及び封止基板23の供給を開始する(ステップS3)。尚、透光性基板8には、スパッタリング法によってITOを形成した後、前記機種に応じた所定パターンになるようにパターンニング処理することで透明電極30が形成され(図6(a))、次にスピンコート等の手段によって絶縁部材を形成し、この絶縁部材を前記所定パターンに沿うようにパターニング処理することで絶縁層31が形成される。透明電極30及び絶縁層31は、本製造装置とは別工程によって予め形成される(図6(b))。尚、図6で示される透光性基板8は、複数の有機ELパネルを得るためのマルチ取り基板である。
【0049】
透光性基板投入装置E及び封止基板投入装置Gでは、投入される透光性基板8及び封止基板23が前記機種(0001)に伴う適正なる透光性基板8及び封止基板23であるか否かを判定する誤投入判定が行われる(ステップS4)。前記誤投入判定によって、誤投入である透光性基板8及び封止基板23が検出された場合は、透光性基板投入装置E及び封止基板投入装置Gを停止し、透光性基板投入装置E及び封止基板投入装置Gに備えられるランプやブザー等の報知手段を動作させて作業者に知らせる。尚、この判定は、各装置E,Gをそれぞれ制御するシーケンサやマイクロコンピュータ等の制御手段によって判定される。
【0050】
次に、透光性基板投入装置Eにより投入される透光性基板8は、蒸着装置Aの投入室a7に供給される。投入室a7は、複数に部屋にシャッター機構によって分割されるとともに、透光性基板投入装置E側は大気となっているが、蒸着装置A側に向かう各部屋毎に高真空が確保されることになる。尚、投入室aの各部屋間の搬送は、コンベア等の搬送手段が用いられている。
【0051】
次に、透光性基板8は、搬送ロボットa8によってプラズマ処理工程である前処理室a1に搬送される(ステップS5)。
【0052】
次に、透光性基板8は、前記プラズマ処理工程終了後に、搬送ロボットa8によって前処理室a1から正孔注入層形成工程である第1蒸着室a2に搬送され、透光性基板8に形成される透明電極30上に、前記機種(0001)に対応して配設される蒸着マスク10の所定のパターンに応じた正孔注入層が形成される(ステップS6)。
【0053】
次に、透光性基板8は、前記正孔注入層形成工程終了後に、搬送ロボットa8によって第1蒸着室a2から正孔輸送層形成工程である第2蒸着室a3に搬送され、前記正孔注入層上に、前記機種(0001)に対応して配設される蒸着マスク10の所定のパターンに応じた正孔輸送層が形成される(ステップS7)。
【0054】
次に、透光性基板8は、前記正孔輸送層形成工程終了後に、搬送ロボットa8によって第2蒸着室a3から前記搬送ルートに沿った発光層の蒸着室である第3,第4,第5,第6蒸着室a4,a5,b1,b2の何れかの蒸着室に搬送され、前記正孔注入層上に、前記機種(0001)に対応して配設される蒸着マスク10の所定のパターンに応じた発光層が形成される(ステップS8)。
【0055】
尚、第3,第4蒸着室a4,a5の発光層形成工程において、透光性基板8の搬送は、蒸着装置Aの第1のブロックa内における搬送ロボットa8によって、前記正孔注入層形成工程である第2蒸着室a3から第4蒸着室a4もしくは第5蒸着室a5の搬送となるが、第5,第6蒸着室b1,b2の発光層形成工程において、透光性基板8は、蒸着装置Aの第1のブロックa内における搬送ロボットa8によって正孔注入層形成工程である第2蒸着室a3から第1受渡室Jへ搬送され、第1受渡室Jによって蒸着装置Aの第2のブロックbに移し替えられ、第2のブロックbによる搬送ロボットb7によって、第5,第6蒸着室b1,b2の何れかの蒸着室に搬送されることになる。
【0056】
次に、透光性基板8は、前記発光層形成工程終了後に、搬送ロボットa8によって第3,第4蒸着室a4,a5の何れかの蒸着室、もしくは搬送ロボットb7によって第5,第6蒸着室b1,b2の何れかの蒸着室から電子輸送層形成工程である第7蒸着室b3に搬送され、前記発光層上に、前記機種(0001)に対応して配設される蒸着マスク10の所定のパターンに応じた電子輸送層が形成され、(ステップS9)、透明電極30上に正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層が順次積層形成された有機層32が得られることになる(図6(c))。
【0057】
次に、透光性基板8は、前記電子輸送層形成工程終了後に、搬送ロボットb7によって第7蒸着室b3から電子注入層形成工程である第8蒸着室b4に搬送され、有機層32上に、前記機種(0001)に対応して配設される蒸着マスク10の所定のパターンに応じた電子注入層が形成される(ステップS10)。
【0058】
次に、透光性基板8は、前記電子注入層形成工程終了後に、搬送ロボットb7によって第8蒸着室b4から背面電極形成工程である第9蒸着室b5に搬送され、前記電子注入層上に、前記機種(0001)に対応して配設される蒸着マスク10の所定のパターンに応じた背面電極33が形成される(ステップS11)。従って、透明電極30上に、正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を順次積層形成して有機層32を得た後、電子注入層及び背面電極33を形成することで有機EL素子34を複数有するマルチ取りに対応する透光性基板8が得られることになる(図6(d))。
【0059】
次に、透光性基板8は、前記背面電極形成工程終了後に、搬送ロボットb7によって第2受渡室Kに搬送され、第2受渡室Kによって封止装置Bに移し替えられ、封止装置bの搬送ロボットB6によって、封止室B1に搬送されるとともに、封止室B1の保持機構29に配設される。尚、基板ホルダ9を保持機構29に配設することで透光性基板8が保持機構29に固定されることになる。
【0060】
一方、ステップS4を経て封止基板投入装置Gから供給される前記機種(0001)に対応した適正なる封止基板23は、UV接着剤塗布工程である接着剤塗布装置Fに供給される。ここで供給される封止基板23は、成型,サンドブラスト及びエッチング処理等の適宜方法によって得られるもので、有機EL素子34を収納するための凹部形状の収納部35を複数有し、ガラス基板と接合するため各収納部35の全周を取り巻くように接合部36が形成されている(図6(e))。
【0061】
封止基板23は、UV接着剤塗布工程である接着剤塗布装置Fによって接合部36にUV硬化型接着剤37が塗布されることになる(ステップS12,図6(e))。
【0062】
封止基板23は、前記UV接着剤塗布工程終了後に、吸着剤塗布工程である吸着剤塗布室B5にコンベア等の搬送手段によって搬送され、吸着剤塗布室B5に配設されるX−Y−Z方向に移動可能な塗布装置によって封止部材23の収納部35の底面に吸着材38が塗布される(ステップS13,図6(e))。接着剤塗布装置Fと吸着剤塗布室B5との間には、封止基板23に吸着剤38を塗布する環境を窒素雰囲気とするため、真空引きされ、かつ窒素が導入される置換室が設けられ、前記吸着剤塗布工程は窒素雰囲気中に設けられることになる。
【0063】
封止基板23は、前記吸着剤塗布工程終了後に、封止装置Bの投入室B3に供給される。投入室B3は、シャッター機構によって複数の部屋に分割されており、各部屋は封止装置B側に向かうに連れて酸素濃度が100ppm以下及び露点が−70℃以下の窒素雰囲気になるように構成されており、封止基板23は、コンベア等の搬送手段によって吸着材塗布室B5から封止装置B内へと搬送される。
【0064】
封止基板23は、吸着剤塗布工程終了後に、吸着剤塗布室B5から搬送ロボットB6によって、封止工程である封止室B1に搬送され、封止室B1の上昇機構25における載置台24上に搬送される。
【0065】
封止工程である封止室B1は、透光性基板8が保持機構29に配設され、かつ封止基板23が載置台24に配設されている場合に、封止基板23が透光性基板8に対して所定の圧力を付与するように封止基板23が配設された載置台24を上昇機構25によって上昇させて両部材を当接させ、その状態にてUV照射装置26を動作させて紫外線をUV照射マスク28を介してUV接着剤37が塗布されている接合部36に所定時間照射することで、両部材を気密的に接合させる。そして、上昇機構25を下降させることで封止工程が終了する(ステップS14,図6(f))。
【0066】
前記封止工程終了後、透光性基板8と封止基板23とを接合することで得られた有機ELパネル39を、封止室B1から排出部B4に搬送し、排出部B4に連結されている取出装置Hによって有機ELパネル39を取り出すことで、一連の製造工程が終了する(ステップS15)。
【0067】
また、前述の製造装置において、蒸着装置Aにおける透光性基板8の投入口である投入室a7に透光性基板8の投入枚数をカウントするための透過型センサや反射型センサ等からなるカウント手段が設けられている。ライン端末Dは、前記カウント手段を介して透光性基板8の投入数量をカウントすることで以下の制御を行う。
【0068】
ライン端末Dは、前記カウント手段を介して透光性基板8の投入数量をカウントし、前記投入数量が、予め定められた前記生産数量に達した時点もしくは前記生産数量から所定数量少ない目標数量に達した際に、次なる機種(例えば、0002)の搬送ルートに伴う発光層形成工程となる第3,第4,第5,第6の蒸着室a3,a4,b1,b2の何れかの蒸着室に対し加熱を開始させるべく、コントロール装置Cに指示指令を出力する。コントロール装置Cは、前記指示指令を入力すると、次なる機種(0002)に応じた発光層形成工程である蒸着室の過熱コイル5の通電を開始し、次なる機種に適する生産条件が得られるように制御を開始する。
【0069】
また、ライン端末Dは、前記カウント手段を介して透光性基板8の投入数量をカウントし、現生産機種(0001)の生産数量の終了を確認すると、前記現生産機種(0001)が蒸着装置A内に存在する場合であっても、次なる機種(0002)の透光性基板8を蒸着装置A内に投入するための指令信号をコントロール装置Cに出力する。
【0070】
即ち、ライン端末Dにおける前記処理は、現生産機種(0001)から次なる機種(0002)を製造装置に流動させる場合において、現生産機種が製造装置内の蒸着室や封止室に存在する場合であっても、現生産機種(0001)が終了している工程の蒸着室が次なる機種(0002)に応じた蒸着マスク10に交換されることであり、次なる機種(0002)に対する蒸着室の事前準備処理である。
【0071】
また、ライン端末Dは、製造装置における異常状態を表示することが可能である。即ちライン端末Dは、蒸着装置A,封止装置B,透光性基板投入装置E,接着剤塗布装置F及び封止基板投入装置Gとネットワーク接続されているため、透光性基板投入装置Eでの誤投入判定や封止基板投入装置Gでの誤投入判定において、誤投入の発生状態を表示手段によって表示させることができる。
【0072】
また、ライン端末Dは、蒸着装置Aや封止装置Bとコントロール装置Cを介して接続されているため、各蒸着室の蒸着温度,膜厚及び炉の真空状態等の蒸着状態や室内の窒素濃度や酸素濃度等の封止状態に関する生産条件をコントロール装置Cを介して入力し、これらの生産条件を記憶することが可能である。よって、機種毎に投入される透光性基板8単位で生産条件を記憶し、前記生産条件の履歴を表示手段によって表示可能としたり、あるいは前記生産条件の履歴を印刷することで、有機ELパネル39のロット管理を可能とする。
【0073】
かかる有機ELパネル39の製造方法は、複数の蒸着室a2,a3,a4,a5,b1,b2,b3,b4,b5を有する蒸着装置Aに透光性基板8を投入し、透光性基板8上に少なくとも発光層を含む有機層32を一対の電極により狭持してなる有機EL素子34を形成する蒸着工程(蒸着装置A)を含む有機ELパネル39の製造方法に関し、前記各蒸着室の生産条件及び生産数量を少なくとも含む生産管理情報を有機ELパネル39の機種毎に設定するライン端末Dと、有機ELパネル39の前記機種に応じた複数の蒸着マスク10を真空雰囲気中に保管する第1,第2蒸着マスク保管室a6,b6とを備え、ライン端末Dの前記生産管理情報に基づいて、蒸着工程内の各蒸着室a2,a3,a4,a5,b1,b2,b3,b4,b5に装着されている蒸着マスク10から第1,第2蒸着マスク保管室a6,b6に保管されている前記機種に応じた蒸着マスク10に搬送ロボットa8,b7を用いて交換させることから、従来のように機種切り換え時において各蒸着室を大気に開放して蒸着マスクを交換するといった人手による作業がなくなることから、多機種を流動させる場合であっても段取り換えに時間を要せず、有機ELパネル39の生産性を向上させることが可能となる。
【0074】
また、前記蒸着工程には、ライン端末Dによって複数の前記生産管理情報を記憶することから、製造装置内への多機種流動を可能とするとともに、日,週,月等の単位で生産計画を容易に設定することが可能となる。
【0075】
また、前記蒸着工程は、ライン端末Dによって透光性基板8の投入口に設けられるカウント手段を介して透光性基板8の投入数量をカウントするとともに、前記投入数量が、予め定められた前記生産数量に達した時点もしくは前記生産数量から所定数量少ない目標数量に達した際に、次なる機種の搬送ルートに伴う蒸着室(前述した製造装置においては発光層形成工程である複数の蒸着室の何れか)の加熱を開始させるものであり、蒸着条件に適する加熱温度に達するに時間を要する蒸着室に対し早めな段取り換え処理(加熱処理)を行うことで、有機ELパネル39の生産性を向上させることが可能となる。
【0076】
また、前記蒸着工程は、ライン端末Dによって前記カウント手段を介して透光性基板の投入数量をカウントし、現生産機種の生産数量の終了を確認すると、現生産機種における蒸着が終了している蒸着室において、蒸着マスク10の交換が搬送ロボットa8,b7によってなされ、前記現生産機種が前記蒸着工程内に存在する場合であっても、次なる機種の透光性基板8を前記蒸着工程に投入するものであり、前記蒸着工程から現生産機種を流し切らなくとも次なる機種を前記蒸着工程に投入できることから、多機種少量生産にも対応することが可能な製造工程(製造装置)を得ることが可能となる。
【0077】
また、前記蒸着工程は、ライン端末Dによって機種毎の生産条件の履歴を記憶できることから、有機ELパネル39のロット管理を可能とし、不具合発生の際の原因追及に役立つものとなる。
【0078】
また、封止工程は、機種に応じた複数の紫外線照射マスク28を窒素雰囲気中に保管するUV照射マスク保管室B2を備えていることから、機種切り換え時において封止室B1を大気に開放してUV照射マスクB2を交換するといった作業がなくなることから、酸素濃度が所定値以下の窒素雰囲気を確保するといった時間を要する段取り換えを不要とすることから、有機ELパネル39の生産性を向上させることが可能となる。
【0079】
また、封止工程は、ライン端末Dの生産管理情報に基づいて、封止室B1に装着されているUV照射マスク28からUV照射マスク保管室B2に保管されている機種に応じたUV照射マスク28に搬送ロボットB6を用いて交換させてることから、人手による交換作業を廃止できることから、製造工程を簡素化することができる。
【0080】
また、透光性基板供給工程(透光性基板投入装置E)は、投入される透光性基板8が機種に応じた適正なる透光性基板8であるか否かを判定することにより、透光性基板8における誤投入による誤組を防止するとともに、誤組による透光性基板8の破損を防止することができる。
【0081】
また、封止基板供給工程(封止基板供給装置G)は、投入される封止基板23が機種に応じた適正なる封止基板23であるか否かを判定することにより、封止基板23における誤投入による誤組を防止するとともに、誤組による封止基板23の破損を防止することができる。
【0082】
尚、本発明の実施の形態では、蒸着装置Aにおける各蒸着室に配設される蒸着マスク10がマスクホルダー11によって配設されるものであるが、マスクホルダー11に配設される蒸着マスク10に弛みが発生しないように、蒸着マスク10張り状態を調整することが可能な調整機構をマスクホルダー11に備えるようにすることで、良好な蒸着膜を得ることが可能となる。
【0083】
また、本発明の実施の形態では、透光性基板8側から表示光を発する有機ELパネルの製造装置を例に挙げて説明したが、封止基板23側から表示光を発するタイプ(トップエミッション型)の有機ELパネルの製造装置に本発明を適用しても良い。
【0084】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも一方が透光性の一対の電極により挟持され所定の発光をなす有機EL素子を備えた有機ELパネルを得るための製造方法に関し、多機種を流動させる場合であっても段取り換えに時間を要せず、有機ELパネルの生産性を向上させることが可能な製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における有機ELパネルの製造装置を示すブロック図。
【図2】同上実施の形態の有機ELパネルの製造装置を示す図。
【図3】同上実施の形態の蒸着装置における蒸着室を説明する図。
【図4】同上実施の形態の封止装置における封止室を説明する図。
【図5】同上実施の形態の有機ELパネルの製造工程を説明する図。
【図6】同上実施の形態の有機ELパネルを説明する図。
【符号の説明】
A 蒸着装置
a2〜a5,b1〜b5 蒸着室
a6,b6 第1,第3蒸着マスク保管室(第1のストック部)
a8,b7 搬送ロボット(交換装置)
B 封止装置
B2 UV照射マスク保管室(第2のストック部)
B6 搬送ロボット(交換装置)
C コントロール装置
D ライン端末
E 透光性基板供給装置
F 接着剤塗布装置
G 封止基板供給装置
8 透光性基板(支持基板)
23 封止基板
30 透明電極
32 有機層
33 背面電極
34 有機EL素子
37 UV硬化型接着剤
39 有機ELパネル

Claims (7)

  1. 複数の蒸着室を有する蒸着装置に支持基板を投入し、前記支持基板上に少なくとも発光層を含む有機層を一対の電極により狭持してなる有機EL素子を形成する蒸着工程を含む有機ELパネルの製造方法であって、
    前記各蒸着室の生産条件及び生産数量を少なくとも含む生産管理情報を前記有機ELパネルの機種毎に設定するライン端末と、
    前記機種に応じた複数の蒸着マスクを真空雰囲気中に保管する第1のストック部と、
    前記有機EL素子を気密的に覆うための封止基板と前記支持基板とを紫外線硬化型接着剤を介し接合するための封止装置と、
    前記封止装置にて用いられる前記機種に応じた複数の紫外線照射マスクを窒素雰囲気中に保管する第2のストック部とを備え、
    前記生産管理情報に基づいて、前記蒸着工程内の前記蒸着室に装着されている蒸着マスクから前記第1のストック部に保管されている前記機種に応じた蒸着マスクに交換装置を用いて交換し、前記封止装置に装着されている紫外線照射マスクから前記第2のストック部に保管されている前記機種に応じた紫外線照射マスクに交換装置を用いて交換することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  2. 前記蒸着工程は、前記ライン端末によって複数の前記生産管理情報を記憶してなることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
  3. 前記蒸着工程は、前記ライン端末によってカウント手段を介して前記支持基板の投入数量をカウントするとともに、前記投入数量が、予め定められた前記生産数量に達した時点もしくは前記生産数量から所定数量少ない目標数量に達した際に、次なる機種の搬送ルートに伴う前記蒸着室の加熱を開始させることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法。
  4. 前記蒸着工程は、前記ライン端末によってカウント手段を介して前記支持基板の投入数量をカウントするとともに、現生産機種の前記生産数量の終了を確認すると、前記現生産機種が前記蒸着工程内に存在する場合であっても、次なる機種の支持基板を前記蒸着工程に投入することを特徴とする請求項に記載の有機ELパネルの製造方法。
  5. 前記蒸着工程は、前記ライン端末によって前記機種毎の生産条件の履歴を記憶してなることを特徴とする請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
  6. 前記支持基板を前記蒸着工程に投入する支持基板供給工程を含み、前記支持基板供給工程は、投入される支持基板が前記機種に応じた適正なる支持基板であるか否かを判定することを特徴とする請求項に記載の有機ELパネルの製造方法。
  7. 前記封止基板を前記封止工程に投入する封止基板供給工程を含み、前記封止基板供給工程は、投入される封止基板が前記機種に応じた適正なる封止基板であるか否かを判定することを特徴とする請求項に記載の有機ELパネルの製造方法。
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