JP3810709B2 - 電動送風機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
この発明は、アーマチュアに設けた出力軸の一端に固定されるファンと、その出力軸の他端に設けられたコンミュテータと、ファンを覆うファンカバーと、電動部を囲む電動部カバーとを備えた電動送風機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、図４に示すような電動送風機が知られている。この図において、１はステータ、２はコイル４を有するアーマチュアである。アーマチュア２は出力軸３の中間部に固定され、この出力軸３の一端部にはコイル４に電流を供給するためのコンミュテータ５が固定されている。そのコンミュテータ５には図示しない電源供給用ブラシが接触している。
【０００３】
出力軸３の他端部には遠心ファン９が固定されている。この遠心ファン９はファンカバー１０によって覆われて、その中央部には吸気口８が設けられている。
【０００４】
ステータ１およびアーマチュア２からなる電動部と遠心ファン９との間には整流板１１が設けられており、この整流板１１により遠心ファン９からの風が整流されて電動部側に流されるようになっている。
【０００５】
電動部の周囲は円筒状のカバー部１６Ａを有する電動部カバー１６で覆われており、この電動部カバー１６によって整流板１１からの空気を電動部に案内するようになっており、これによって、電動部が冷却されるようになっている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ステータ１とアーマチュア２との間に十分な隙間がなく、また図４の矢印に示すように電動部カバー１６内に送られてきた排気風がカバー部１６Ａの内壁面に沿って流れていくので、コンミュテータ５を十分に冷却することができず、整流子５の温度上昇を十分に抑制することができなかった。また、コンミュテータ５に付着するカーボンの摩擦粉を吹き飛ばすことができずこのカーボンの摩擦粉により短絡するおそれがあった。
【０００７】
この発明の目的はコンミュテータを十分に冷却し、かつコンミュテータに付着するカーボンの摩擦粉を吹き飛ばすことができる電動送風機を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明の電動送風機は、ステータと、このステータに対して回転自在に設けられたアーマチュアとから構成される電動部と、前記アーマチュアに設けた出力軸の一端に固定されるファンと、その出力軸の他端に設けられ、前記アーマチュアに電流を供給するためのコンミュテータと、前記ファンを覆うファンカバーと、前記電動部を囲む筒状の電動部カバーとを備え、この電動部カバーは前記ファンによる排気風を前記電動部に案内するとともにその他端側の開口から排気するようになっている電動送風機において、中央部に穴を有し且つ前記電動部カバーの内面に対向するとともにその電動部カバー内に送られてくる排気風を前記コンミュテータに案内するガイド壁部を有するガイドカバーを前記電動部カバー内に設け、前記穴に前記出力軸の他端部に設けたコンミュテータを遊嵌させ、前記コンミュテータに案内された排気風を前記穴を介して前記開口から排気させることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１０】
図１、２において、３１はステータ、３２はコイル３４を有するアーマチュアであり、これらは電動部を構成するものである。ステータ３１はアーマチュア３２を囲んでいる。アーマチュア３２は出力軸３３に固定され、出力軸３３はアーマチュア３２とともにステータ３１に対して一体回転するようになっている。
【００１１】
出力軸３３の一端部には遠心ファン３９が固定されており、この遠心ファン３９はアーマチュア３２とともに回転するようになっている。遠心ファン３９はファンカバー４０によって覆われており、その中央部には吸気口４１が設けられている。遠心ファン３９はその回転によってこの吸気口４１から空気を吸引して実線で示す矢印方向にその空気を流すようになっている。
【００１２】
出力軸３３の他端部にはコンミュテータ３５が固定されている。そのコンミュテータ３５には図示しない一対のブラシが接触している。各ブラシは、後述する電動部カバー５０のカバー部材（周壁）５０Ａに固定された一対のブラシ保持器３７内にそれぞれ設けられている。一対のブラシ保持器３７は相対向しており、各ブラシ保持器３７の端部とブラシとの間にはスプリング４４が装着されている。ブラシはこのスプリング４４によってコンミュテータ３５に弾接されている。
【００１３】
電動部と遠心ファン３９との間には整流板５４が設けられており、この整流板５４は遠心ファン３９からの風を整流して電動部側に流すものである。
【００１４】
電動部の周囲は筒状の電動部カバー５０で囲まれており、この電動部カバー５０は一端部側において整流板５４により整流された空気を電動部に案内するようになっており、これによって電動部が冷却されるようになっている。
【００１５】
電動部カバー５０内には図３に示すガイド部材としてのカップ状カバー(ガイドカバー)５１が設けられている。
【００１６】
カップ状カバー５１は、二つの半円筒部材５１Ｂから大略構成されている。これら半円筒部材５１Ｂ、５１Ｂは、電動部カバー５０の底壁部（端面）５０bに対向する底壁部５１Ｃと、電動部カバー５０の周壁５０cに嵌合される周壁部５１Ｄとを備え、底壁部５１Ｃ同士が所定距離離間されて連結部５１Ｅによって連結されている。連結部５１Ｅは、断面がコ字状に形成されて底壁部５１Ｃより上(図３において)に突出している。そして、間隙５１Ｆ内にブラシ保持器３７が挿入されている。
【００１７】
また、底壁部５１Ｃ、５１Ｃには相対向した位置に凹部５２、５２が形成され、この凹部５２、５２によって穴５３が形成され、この穴５３にコンミュテータ３５が遊嵌され、穴５３の径はアーマチュア３２のコアの外径よりも小さく設定されている。
【００１８】
次に上記のように構成された電動送風機の動作について説明する。
【００１９】
アーマチュア３２と出力軸３３の回転によってファン３９が回転すると、ファンカバー４０の吸気口４１から空気が吸引され、この吸引された空気は電動部カバー５０内へ流れていく。電動部カバー５０内へ流れた空気は電動部を冷却し、ついで実線矢印で示すようにカップ状カバー５１の底壁部５１Ｃにより案内されてコンミュテータ３５に向けて吹き付けていく。これにより、コンミュテータ３５が十分に冷却され、また、コンミュテータ３５に付着するカーボンの摩擦粉を吹き飛ばすことができ、カーボンの摩擦粉がたまることによる短絡防止が図れることになる。
【００２０】
また、穴５３の径をアーマチュア３２のコアの外径より小さく設定されていることにより、電動部カバー５０内へ流れてきた空気をコンミュテータ３５の方向へ導きやすくなるという効果を有する。
【００２１】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コンミュテータを十分に冷却し、かつコンミュテータに付着のカーボンの摩擦粉を吹き飛ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明に係る電動送風機の構造を示す正面断面図。
【図２】 この発明に係る電動送風機の構造を示す側面半断面図。
【図３】 この発明に係るカップ状カバーの構造を示す斜視図。
【図４】 従来の電動送風機の構造を示す正面断面図。
【符号の説明】
３１ ステータ
３２ アーマチュア
３３ 出力軸
３５ コンミュテータ
３９ ファン
４０ ファンカバー
５０ 電動部カバー
５１ カップ状カバー

Claims (2)

1. ステータと、このステータに対して回転自在に設けられたアーマチュアとから構成される電動部と、前記アーマチュアに設けた出力軸の一端に固定されるファンと、その出力軸の他端に設けられ、前記アーマチュアに電流を供給するためのコンミュテータと、前記ファンを覆うファンカバーと、前記電動部を囲む筒状の電動部カバーとを備え、この電動部カバーは前記ファンによる排気風を前記電動部に案内するとともにその他端側の開口から排気するようになっている電動送風機において、
   中央部に穴を有し且つ前記電動部カバーの内面に対向するとともにその電動部カバー内に送られてくる排気風を前記コンミュテータに案内するガイド壁部を有するガイドカバーを前記電動部カバー内に設け、
   前記穴に前記出力軸の他端部に設けたコンミュテータを遊嵌させ、
   前記コンミュテータに案内された排気風を前記穴を介して前記開口から排気させることを特徴とする電動送風機。
2. 前記穴の径は前記アーマチュアのコアの外径よりも小さくしたことを特徴とする請求項１に記載の電動送風機。

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